JP2001193613A - スタータ - Google Patents

スタータ

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JP2001193613A
JP2001193613A JP2000007853A JP2000007853A JP2001193613A JP 2001193613 A JP2001193613 A JP 2001193613A JP 2000007853 A JP2000007853 A JP 2000007853A JP 2000007853 A JP2000007853 A JP 2000007853A JP 2001193613 A JP2001193613 A JP 2001193613A
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starter
drive spring
spring
magnet switch
leaf springs
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JP2000007853A
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Mikio Saito
幹男 齋藤
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライブスプリングのバネ弾性による良好な
特性が得られながら、従来技術よりもマグネットスイッ
チを小型軽量化することができるスタータを提供するこ
と。 【解決手段】 本発明のスタータでは、ドライブスプリ
ング1の先端部12は、三枚の板バネの間に隙間(スリ
ット)が形成されているスリット端部であり、各板バネ
は、互いに異なる位置でワンウェイクラッチ5に当接す
る。ドライブスプリング1の先端部12から中間部13
近くにかけて、各板バネの間に隙間が空いていて各板バ
ネは互いに摺接しない。それゆえ、マグネットスイッチ
3が作動してドライブスプリング1がしなっても、先端
部12の付近では摩擦損失が生じないので、マグネット
スイッチ3の負荷が少なくなる。その結果、マグネット
スイッチ3の小型軽量化が可能になり、スタータも小型
軽量化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを始動す
るスタータの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平5−180131号公報に
開示されているように、ドライブレバーが中間部で傾動
可能に支持された板バネからなり両端に当接部をもつド
ライブスプリングであるスタータは公知である。同公報
のようなドライブスプリングを採用したスタータによれ
ば、マグネットスイッチ、ドライブスプリングおよびピ
ニオン等の動特性が改善され、ギヤ嵌合の耐久信頼性が
向上するという効果がある。
【0003】このようなドライブスプリングにはスター
タの作動回数に相当する回数だけの繰り返し荷重がかか
るので、板バネにそれだけの疲労耐久性が要求される。
そこで、板バネに生じる応力を軽減しながら所望の弾性
変形を生じさせるには、板バネの厚さをある程度薄くし
ておかねばならい。しかし、板バネの幅はスタータの大
きさで限られるので、ドライブスプリングにより所望の
押し出し力を伝達するために、前述の公報のスタータで
は、板バネを二枚重ねにしたものをドライブスプリング
として用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の従来
技術では板バネを単純に二枚重ねにしているだけである
ので、ドライブスプリングの作動時には各板バネが互い
に摺動し、摩擦による力学的エネルギの損失が起きる。
それゆえ、ドライブスプリングを駆動するのに必要な力
学的エネルギは、摩擦による損失分だけより大きいこと
が要求され、その分だけマグネットスイッチの負荷が増
える。その結果、マグネットスイッチは、体格が大きく
なり重くなるうえに、より大きな電力を消費するように
なって不都合である。
【0005】そこで本発明は、ドライブスプリングのバ
ネ弾性による良好な特性が得られながら、従来技術より
もマグネットスイッチを小型軽量化することができるス
タータを提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、発明者は以下の手段を発明した。
【0007】(第1手段)本発明の第1手段は、請求項
1記載のスタータである。すなわち、ドライブスプリン
グは、少なくとも一方の当接部では各板バネの間に隙間
が形成されているスリット端部を有する。換言すれば、
ドライブスプリングの両端部のうち少なくとも一方は、
各板バネの間に隙間(スリット)が形成されているスリ
ット端部である。ここで、スリット端部とは、ドライブ
スプリングの複数枚の板バネの間に隙間(スリット)が
形成されている端部を指すものとする。
【0008】本手段では、ドライブスプリングは複数枚
の板バネからなり、ドライブスプリングの基端部(マグ
ネットスイッチ側)と先端部(ピニオン側)とのうち、
少なくとも一方の当接部では、各板バネの間に隙間が形
成されている。
【0009】ここで、ドライブスプリングはその中間部
で傾動可能に支持されており、各板バネは中間部で互い
に束ねられているので中間部では互いの間に大きな相対
変位は起こらない。それゆえ、中間部では各板バネが互
いに摺接していても、力学的エネルギの大きな損失は起
こらない。
【0010】一方、マグネットスイッチが作動し、ドラ
イブスプリングに曲げモーメントが加わって各板バネが
弾性変形すると、各板バネの端部では互いの間に大きな
相対変位が起こる。それゆえ、従来技術のように、ドラ
イブスプリングが相手部材に当接する当接部をもつ端部
でも各板バネが接触していると、各板バネの間に摩擦が
起こり、力学的エネルギの損失が大きい。
【0011】しかしながら、本手段では、ドライブスプ
リングの両端のうち少なくとも一方は、少なくともその
当接部では各板バネの間に隙間が形成されたスリット端
部である。それゆえ、相対変位が大きいスリット端部付
近では、各板バネが互いに摺接せず、各板バネの間で摩
擦が起こらないので、力学的エネルギの損失は大きくな
らない。すなわち、ドライブスプリングを駆動するのに
必要な力学的エネルギは、ドライブスプリング自体の摩
擦損失によって大幅に増えることがないので、その分だ
けマグネットスイッチの負荷が軽減される。その結果、
マグネットスイッチは、体格が大きくならずに済み、ひ
いてはその消費電力も低減される。
【0012】したがって、本手段のスタータによれば、
ドライブスプリングを採用してそのバネ弾性による良好
な特性を得ることができながら、前述の従来技術よりも
マグネットスイッチを小型軽量化することができるとい
う効果がある。その結果、マグネットスイッチが小型軽
量化される分だけ、スタータ全体としても小型軽量化が
可能になる。そればかりではなく、マグネットスイッチ
の作動に要する消費電力も、前述の従来技術より低減さ
れるという効果がある。
【0013】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載のスタータである。すなわち、各板バネは、スリ
ット端部において、互いに隣り合うこれらの各板バネの
厚さよりも長い先端位置の差をもち、互いに異なる位置
で相手部材と当接する当接部をもつ。
【0014】本手段では、各板バネのスリット端部の当
接部が互いに異なる位置で相手部材と当接するので、マ
グネットスイッチの作動時に当接部にかかる押圧力が分
散される。それゆえ、相手部材にグリースが塗られてい
るものとすれば、油膜が各当接部に形成されるので、ス
リット端部ではドライブスプリングの当接部での摩擦力
が低減され、力学的エネルギの摩擦損失がさらに低減さ
れる。また、各当接部や相手部材が摩滅する量も低減さ
れる。
【0015】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果がさらに強化されるという効果がある。それば
かりではなく、スリット端部では、各当接部や相手部材
が摩滅する量も低減されるという効果もある。
【0016】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
3記載のスタータである。すなわち、スリット端部は、
相手部材に曲面で接する当接部をもつ。
【0017】本手段では、ドライブスプリングの一端ま
たは両端を形成するスリット端部が相手部材(ピニオン
を駆動するワンウェイクラッチの背面部等)に曲面をも
って当接するので、摩擦も摩耗も少なくなる。すなわ
ち、スリット端部の当接部が曲面をもって構成されてい
るので、相手部材との間にグリース等の油膜が形成さ
れ、スリット端部の当接部と相手部材との間の圧力も大
幅に低減される。それゆえ、油膜によって摩擦抵抗が低
減されるばかりではなく、スリット端部の当接部と相手
部材との間で直接的に摺接することがなくなるので、当
接部の摩滅も大幅に低減される。その結果、ドライブス
プリングを作動させるマグネットスイッチの負荷がいっ
そう低減され、マグネットスイッチがよりいっそう小型
軽量化されるうえに、マグネットスイッチでの消費電力
がよりいっそう低減される。
【0018】したがって本手段によれば、前述の第1手
段または第2手段の効果に加えて、マグネットスイッチ
がよりいっそう小型軽量化されるうえに、その消費電力
もよりいっそう低減されるという効果がある。また、ド
ライブスプリングの当接部と相手部材との摩耗がより少
なくなるという効果もある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のスタータの実施の形態に
ついては、当業者に実施可能な理解が得られるよう、以
下の実施例で明確かつ十分に説明する。
【0020】[実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としてのスタータ
は、図1に示すように、マグネットスイッチ3と、軸長
方向に沿って突出可能なピニオン4およびワンウェイク
ラッチ5と、マグネットスイッチ3によって両者4,5
を突出させるドライブレバー1とを有する。
【0021】ドライブレバー1は、中間部13で傾動可
能に支持された三枚の板バネ1a〜1c(図2参照)か
らなり、両端11,12に当接部をもつドライブスプリ
ング1である。すなわち、ドライブスプリング1は、三
枚の板バネ1a〜1cからなるドライブレバーである。
ここで、ドライブスプリング1の中間部13は、横断し
て貫通孔が開いた円筒状のピボット2によって挟持さ
れ、前後方向に傾動可能に軸支されている。ドライブス
プリング1の基端11では、三枚の板バネ1a〜1cが
同じ長さで揃えられており、互いに重ねられて端部を形
成している。そして、ドライブスプリング1の基端部1
1は、マグネットスイッチ3のプランジャ先端部32に
上下を連通して形成された貫通孔30に挿置されてお
り、所定の遊びをもってプランジャ先端部32の動きに
追従するようになっている。
【0022】一方、ドライブスプリング1の先端部12
は、図2をさらに拡大して図3に示すように、当接部1
21だけではなく、中間部13(図1参照)近くにまで
各板バネ1a〜1cの間に隙間120が形成されている
スリット端部12を形成している。各板バネ1a〜1c
は、スリット端部12において、互いに隣り合うこれら
の各板バネ1a〜1cの厚さtよりも長い先端位置の差
ΔLをもつ。各板バネ1a〜1cの先端の長さの差ΔL
がどれだけ板厚tよりも大きいかというと、先端部12
では互いに隣り合う各板バネ1a〜1cの間に所定の幅
sの隙間(スリット)が形成される程度に大きい。
【0023】その結果、ドライブスプリング1を構成す
る板バネ1a〜1cは、互いに異なる三カ所の位置で相
手部材であるワンウェイクラッチ5の背面51に当接す
る当接部121をもっている。なお、ドライブスプリン
グ1の先端部12が摺接するワンウェイクラッチ5の背
面51には、グリースが塗られている。
【0024】末尾ながら、各板バネ1a〜1cは、代表
して最前方の板バネ1aの展開図を図4に示すように、
おおむね逆Y字形状をした板金打ち抜きプレス板であ
り、その下端の二カ所の先端部12は、当接部121で
ワンウェイクラッチ5に当接する。なお、各板バネ1a
〜1cの材料は、バネ鋼(JIS規格のSK5やS60
CM等)である。
【0025】(実施例1の作用効果)本実施例のスター
タは、以上のように構成されているので、以下のような
作用効果を発揮する。
【0026】再び図1に示すように、ドライブスプリン
グ1はその中間部13で傾動可能に支持されており、ド
ライブスプリング1の基端部11は、マグネットスイッ
チ3のプランジャ先端部32に挿置されている。それゆ
え、マグネットスイッチ3が作動してプランジャ先端部
32が引き込まれると、その力によってドライブスプリ
ング1はしなりつつ先端部12でピニオン4およびワン
ウェイクラッチ5を前方に押し出す。
【0027】ここで、各板バネ1a〜1cは中間部13
で互いに束ねられているので、中間部13では、互いに
隣り合う板バネ1a〜1cの間に大きな相対変位は起こ
らない。それゆえ、中間部13では各板バネ1a〜1c
が互いに摺接していても、変位のストロークがごく小さ
いので、摩擦による力学的エネルギの損失はあまり起こ
らない。
【0028】一方、マグネットスイッチ3が作動し、ド
ライブスプリング1に曲げモーメントが加わって各板バ
ネ1a〜1cがしなって弾性変形すると、各板バネ1a
〜1cの先端部12では互いの間に大きな相対変位が起
こる。それゆえ、もしも従来技術のようにドライブスプ
リング1の先端部12でも各板バネ1a〜1cが接触し
ていると、各板バネ1a〜1cの間に摩擦が起こり、力
学的エネルギの損失が大きい。
【0029】しかしながら、本実施例のスタータでは、
再び図3に示すように、ドライブスプリング1の先端部
12は、当接部121だけではなく中間部13近くにま
で各板バネ1a〜1cの間に隙間120が形成されたス
リット端部12である。それゆえ、相対変位が大きいス
リット端部12の付近では、各板バネ1a〜1cが互い
に摺接せず、摩擦による力学的エネルギの損失はほとん
ど生じない。
【0030】それゆえ、ドライブスプリング1を駆動す
るのに必要な力学的エネルギは、ドライブスプリング1
の先端部12の摩擦損失によって大幅に増えることがな
いので、その分だけマグネットスイッチ3の負荷が軽減
される。その結果、マグネットスイッチ3は、体格があ
まり大きくならずに済み、ひいてはその消費電力も低減
される。
【0031】したがって、本実施例のスタータによれ
ば、ドライブスプリング1を採用してそのバネ弾性によ
る良好な特性を得ることができながら、前述の従来技術
よりもマグネットスイッチ3を小型軽量化することがで
きるという効果がある。その結果、マグネットスイッチ
3が小型軽量化される分だけ、スタータ全体としても小
型軽量化が可能になる。そればかりではなく、マグネッ
トスイッチ3の作動に要する消費電力も、前述の従来技
術より低減されるという効果がある。
【0032】また、前述のように(図3参照)、各板バ
ネ1a〜1cは、スリット端部12において、互いに異
なる位置でワンウェイクラッチ5の背面51に当接する
当接部121をそれぞれにもつ。すなわち、各板バネ1
a〜1cのスリット端部12の当接部121が互いに異
なる位置でワンウェイクラッチ5と当接するので、マグ
ネットスイッチ3の作動時に当接部121にかかる押圧
力が分散される。そのうえ、ワンウェイクラッチ5の背
面51にグリースが塗られているので油膜が各当接部1
21に形成され、スリット端部12ではドライブスプリ
ング1の当接部121での摩擦力が低減されて、力学的
エネルギの摩擦損失がさらに低減される。また、各当接
部や相手部材が摩滅する量も低減される。
【0033】したがって、本実施例のスタータによれ
ば、前述のように小型軽量化の効果があるばかりではな
く、スリット端部12では、各当接部121やワンウェ
イクラッチ5が摩滅する量も低減されるという効果もあ
る。
【0034】(実施例1の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、ドライブスプリング1の先端部12を収
容しているレバーケース(図略)をワンウェイクラッチ
5の背後に備えたスタータの実施も可能である。このレ
バーケースは、ベアリング(図略)を介してワンウェイ
クラッチ5に対し相対回転可能に保持されており、前後
方向にのみ移動する。
【0035】本変形態様によれば、前述の実施例1と同
様の効果が得られるほか、ドライブスプリング1の先端
部12がレバーケースに収容されていて他の部材と摺接
しないので、先端部12の摩滅が防止されるという効果
がある。
【0036】[実施例2] (実施例2の構成および作用効果)本発明の実施例2と
してのスタータは、図5に示すように、先端部12が大
きく隙間120の空いたスリット端部を形成しており、
各板バネ1a〜1cの先端部12は後方に反り返って曲
げられている。そして、図6に示すように、ドライブス
プリング1を構成している三枚の板バネ1a〜1cは、
ワンウェイクラッチ5の背面51に適正な曲率の曲面で
接する当接部121をそれぞれもっている。本実施例の
スタータは、その他の点では前述の実施例1のスタータ
と同様に構成されている。
【0037】本実施例のスタータでは、ドライブスプリ
ング1の先端部12を形成するスリット端部が、ワンウ
ェイクラッチ5の背面51に曲面をもって当接するの
で、当接部121での摩擦も摩耗も少なくなる。すなわ
ち、スリット端部12の当接部121が曲面をもって構
成されているので、ワンウェイクラッチ5との間にグリ
ースの油膜が厚く形成され、スリット端部12の当接部
121とワンウェイクラッチ5との間の圧力も大幅に低
減される。それゆえ、油膜によって摩擦抵抗が低減され
るばかりではなく、スリット端部12の当接部121と
ワンウェイクラッチ5との間で直接的に摺接することが
なくなるので、当接部121の摩滅も大幅に低減され
る。その結果、ドライブスプリング1を作動させるマグ
ネットスイッチ3の負荷がいっそう低減され、マグネッ
トスイッチ3が前述の実施例1よりもいっそう小型軽量
化されるうえに、マグネットスイッチ3での消費電力が
よりいっそう低減される。
【0038】したがって、本実施例のスタータよれば、
前述の実施例1の効果に加えて、マグネットスイッチ3
がよりいっそう小型軽量化されるうえに、その消費電力
もよりいっそう低減されるという効果がある。また、ド
ライブスプリング1の先端部12とワンウェイクラッチ
5の背面51との摩耗がより少なくなるという効果もあ
る。
【0039】(実施例2の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、実施例1に対するその変形態様1に相当
するレバーケースをもったスタータの実施が可能であ
り、本変形態様によっても同様の作用効果が得られる。
【0040】[実施例3] (実施例3の構成および作用効果)本発明の実施例3と
してのスタータは、その特徴的な部分を図7に示すよう
に、ドライブスプリング1の基端部11が、ドライブス
プリング1を構成する三枚の板バネ1a〜1cの間に大
きな隙間110が形成されたスリット端部である。すな
わち、各板バネ1a〜1cは後方にいくにしたがって先
端が長いバネ鋼板からそれぞれプレス成形されており、
各板バネ1a〜1cの基端部11は、プレス成形に際し
所定の曲率でクランク状に曲げ加工されている。それゆ
え、ドライブスプリング1の基端部11は三枚の板バネ
1a〜1cに隙間をもって分かれているばかりではな
く、各板バネ1a〜1cは曲面をもった当接部111で
プランジャ先端部32の当接面31に当接している。
【0041】その他の点では、本実施例のスタータは、
前述の実施例2と同様の構成をもっており、前述のよう
に先端部12もスリット端部を形成している。
【0042】それゆえ、本実施例のスタータにおいて
は、ドライブスプリング1の先端部12だけではなく、
基端部11においても実施例2とほぼ同様の作用が得ら
れる。その結果、ドライブスプリング1の先端部12だ
けではなく、基端部11付近においても摩擦よる力学的
エネルギの損失がほとんどなくなり、マグネットスイッ
チ3にかかる負荷が低減される。
【0043】したがって、本実施例のスタータによれ
ば、前述の実施例2の効果が得られるうえに、実施例2
よりもさらにマグネットスイッチ3を小型軽量化するこ
とができるようになり、スタータ全体の小型軽量化が進
むという効果がある。
【0044】なお、本実施例のスタータにおいて、プラ
ンジャ先端部32が元の位置に戻る場合には、ドライブ
スプリング1の基端部11は、板バネ1cの背面の当接
部111’でプランジャ先端部32に当接することがあ
る。その際、当接部111’は曲面をもってプランジャ
先端部32に当接するので、摩擦が低減されリターンス
プリング(図略)の負荷が減るのでリターンスプリング
が弱くでき、その分もマグネットスイッチ3の負荷が減
るという効果がある。
【0045】(実施例3の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、実施例1に対するその変形態様1に相当
するレバーケースをもったスタータの実施が可能であ
り、本変形態様によっても同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としてのスタータの要部構成を示す
断面図
【図2】 実施例1としてのスタータの要部構成を示す
拡大図
【図3】 実施例1におけるスリット端部の構成を示す
拡大図
【図4】 実施例1の板バネのうち一枚の形状を示す展
開図
【図5】 実施例2としてのスタータの要部構成を示す
断面図
【図6】 実施例2としてのスタータの要部構成を示す
拡大図
【図7】 実施例3としてのスタータの要部構成を示す
拡大図
【符号の説明】
1:ドライブスプリング(板バネを重ねたドライブレバ
ー) 1a,1b,1c:板バネ 11:基端部 110:隙間 111:当接部 12:先端部(スリット端部) 120:隙間 1
21:当接部 13:中間部 2:ピボット 3:マグネットスイッチ 30:係合孔 31:当接面 32:プランジャ先
端部 4:ピニオン 5:ワンウェイクラッチ 51:背
面 6:回転軸 7:フレーム t:板バネの板厚 ΔL:先端位置の差(先端部の長
さの差)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネットスイッチと、軸長方向に沿って
    突出可能なピニオンと、このマグネットスイッチによっ
    てこのピニオンを突出させるドライブレバーとを有し、 このドライブレバーは、中間部で傾動可能に支持された
    複数枚の板バネからなり両端に当接部をもつドライブス
    プリングであるスタータにおいて、 前記ドライブスプリングは、少なくとも一方の前記当接
    部では各前記板バネの間に隙間が形成されているスリッ
    ト端部を有することを特徴とする、 スタータ。
  2. 【請求項2】各前記板バネは、前記スリット端部におい
    て、互いに隣り合うこれらの各板バネの厚さよりも長い
    先端位置の差をもち、互いに異なる位置で相手部材と当
    接する前記当接部をもつ、 請求項1記載のスタータ。
  3. 【請求項3】前記スリット端部は、相手部材に曲面で接
    する前記当接部をもつ、 請求項1〜2のうちいずれかに記載のスタータ。
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