JP2001193085A - ゴムガスケット - Google Patents

ゴムガスケット

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JP2001193085A
JP2001193085A JP2000105076A JP2000105076A JP2001193085A JP 2001193085 A JP2001193085 A JP 2001193085A JP 2000105076 A JP2000105076 A JP 2000105076A JP 2000105076 A JP2000105076 A JP 2000105076A JP 2001193085 A JP2001193085 A JP 2001193085A
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rubber gasket
legs
anchor bolt
pair
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JP2000105076A
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Shinji Hayashi
信治 林
Makoto Shimoishi
誠 下石
Osamu Kiyomiya
理 清宮
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Penta Ocean Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Penta Ocean Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体部の圧縮変形量を、予想される目開きの
量より十分に大きく設定すべく、当該本体部の厚みを大
きくしても、水圧によって横倒れすることが防止される
ため、沈埋トンネルの継手部などでの止水をより確実に
できるゴムガスケットを提供する。 【解決手段】 ゴムガスケット1の本体部11の、モル
タル等の硬化性の充てん物が注入、硬化される領域A1
に対向する裏面に、アンカーボルト3を突設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば水底トン
ネルを構成する沈埋函などの、水中構造物の水密接続、
とくに地震の際などに、上記水密接続を維持しつつ、隣
接する沈埋函間の目開きを許容してトンネルの破壊を防
止する継手部に使用に使用されるゴムガスケットに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】海底、河底などの水底にトンネルを造る
方法として、陸上のドックなどで建造した沈埋函を複数
個、両岸から順次、水底に掘った溝に沈埋するととも
に、沈埋された隣接する沈埋函同士を環状のゴムガスケ
ットによって止水しつつ順次、剛結合してトンネルを構
築する、いわゆる沈埋工法がある。かかる沈埋工法に使
用されるゴムガスケットとしては、ゴムなどの弾性材料
にて形成された、中実状でかつ長尺の、いわゆるソリッ
ドタイプのものが一般的である。
【0003】しかし沈埋函においては、ゴムガスケット
が取り付けられる取付面や、あるいは他の沈埋函に取り
付けられたゴムガスケットが圧接される被圧接面が、設
計通りの、他の沈埋函の対向面と平行でかつきれいな平
面にならない、いわゆる不陸が発生しやすく、しかもそ
の不陸の大きさが、ソリッドタイプのゴムガスケット
の、圧縮変形の範囲を超える大きなものになりやすいた
めに、止水が不完全になってしまうおそれがある。
【0004】沈埋函に不陸が発生するのは、中ないし大
型船舶並みの大きさを有する沈埋函を建造できるドック
が必ずしも施工現場の近くにあるとは限らず、通常は、
洋上を遠路、施工現場まで航送するために、鉄製の函体
のみ陸上のドックで建造して、函体内へのコンクリート
詰めは、施工現場付近の安定しない水上で行われること
が多いためであると考えられる。そこで発明者らは先
に、大きな不陸にも柔軟に対応して、沈埋函間をこれま
でよりも確実に止水できる、新規なゴムガスケットを提
案した。
【0005】すなわち図4(a)(b)に示すように、従来の
ソリッドタイプのゴムガスケットに相当する、圧肉平板
状でかつ長尺の本体部91から、一方の沈埋函の取付面
51へ向けて、その長手方向に沿って、一対の薄板状の
脚部92、92を延設するとともに、それぞれの脚部9
2、92の先端に、上記取付面51への一対の取付部9
3、93を設け、当該取付部93、93にて取付面51
に取り付けた状態で、上記本体部91と、両脚部92、
92と、取付面51とで外部と仕切られた領域A1の内
圧を変化させるなどして、両脚部92、92を折りたた
み、また伸ばすことによって、高さ方向に伸縮自在とし
たゴムガスケット9を提案した。
【0006】かかるゴムガスケット9によれば、たとえ
ば両脚部92、92を折りたたんだ状態で、上記領域A
1内に水や空気などの流体を圧入して、その内圧を高め
てやると、折りたたまれた脚部92、92が伸ばされ
て、その全体が高さ方向に伸ばされることによって、本
体部91の凸条91a、91aが、隣接して配置された
他の沈埋函の、対向する被圧接面(図示せず)に、上記
取付面51や被圧接面の不陸に関係なく、ゴムガスケッ
ト9の全長にわたって均一に圧接されて、両沈埋函間が
確実に一次止水される。
【0007】そしてこの状態で上記領域A1内に、モル
タル等の、流動性を有する硬化性の充てん物を注入して
硬化させたのち、両沈埋函間を、静水圧などを利用して
さらに近接させると、本体部91が二次圧縮されて止水
が完全なものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のゴム
ガスケット9は、当初二次圧縮されたあとは、その部分
を剛結合してしまうことを考えていたため、将来的に地
震が発生するなどして沈埋函の間隔が広がる現象、すな
わち目開きを生じることは考慮されていなかった。それ
ゆえかかるゴムガスケット9を、前記のように目開きを
許容してトンネルの破壊を防止する継手部に使用する場
合には、目開きが生じた際に、トンネル内に漏水するの
を確実に防止するために、前述した静水圧による水圧接
合の荷重による、本体部91の圧縮変形量を、予想され
る目開きの量よりも大きく設定する必要があり、そのた
めには、本体部91の厚みD0を大きくとって、その変
形性能を向上してやる必要がある。
【0009】しかし、上記厚みD0を大きくとればとる
ほど、目開きが発生して本体部91に加わる荷重が低下
した際に、図(a)中に白矢印で示すように横方向から加
わる水圧によって、当該本体部91が横倒れしやすくな
るため、ゴムガスケットの安定性について懸念を生じ
る。本発明の目的は、本体部の圧縮変形量を、予想され
る目開きの量より十分に大きく設定すべく、当該本体部
の厚みを大きくしても、水圧によって横倒れすることが
防止されるため、沈埋函などの水中構造物間に目開きが
生じた際の漏水を、これまでよりも確実に防止できる新
規なゴムガスケットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するための、本発明のゴムガスケットは、隣接
する一対の水中構造物間を止水すべく、一方の水中構造
物の取付面に取り付けられた状態で、当該取付面と対向
する他方の水中構造物の被圧接面に圧接される、全体が
弾性材料にて一体形成されたものであって、上記被圧接
面に圧接される厚肉平板状でかつ長尺の本体部と、当該
本体部から取付面へ向けて、本体部の長手方向に沿って
延設された一対の薄板状の脚部と、両脚部のそれぞれ先
端に設けられた、取付面への一対の取付部とを備え、上
記取付部にて取付面に取り付けた状態で、加えられる外
力の変化に応じて両脚部を折りたたみ、また伸ばすこと
によって高さ方向に伸縮自在とされ、かつ両脚部を伸ば
して本体部を被圧接面に圧接させた状態で、上記本体部
と一対の脚部と取付面とで囲まれた領域に、流動性を有
する硬化性の充てん物を注入して硬化させることによっ
て上記圧接状態が維持されるように構成されているとと
もに、上記本体部の、上記領域に対向する裏面に、当該
領域に注入、硬化される充てん物内に埋め込まれるアン
カーボルトが突設されたことを特徴とする。
【0011】かかる本発明のゴムガスケットにおいて
は、上記のように本体部と一対の脚部と取付面とで囲ま
れた領域に注入された、モルタル等の充てん物の硬化に
よって、当該本体部の裏面に突設されたアンカーボルト
が、硬化後の充てん物内に埋め込まれることで、本体部
と充てん物とが強固に結合される。それゆえとくに、予
想される目開きの量よりも、本体部の圧縮変形量を十分
に大きく設定すべく、当該本体部の厚みを大きくした場
合でも、水圧によって横倒れすることが防止されるた
め、水中構造物間に目開きが発生した際の漏水を、これ
までよりも確実に防止することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、実施の形態の一
例を示す図面を参照しつつ説明する。図1(a)(b)にみる
ように、この例のゴムガスケット1は、その全体がゴム
などの弾性材料にて一体形成されたもので、厚肉平板状
の本体部11と、当該本体部11から、沈埋函などの水
中構造物の取付面51へ向けて、その長手方向に沿っ
て、図では下方に末広がり状に開脚して突設された一対
の薄肉平板状の脚部12、12と、当該両脚部12、1
2の先端からそれぞれ外方へ突設された一対の、これも
薄肉平板状の取付部(フランジ)13、13とを備えて
いる。
【0013】そして取付面51と、金属板などで形成さ
れた座板Z1、Z1との間に上記取付部13、13を挟
み、かつボルトB1…を、座板Z1、Z1と取付部1
3、13とに設けた多数の通孔(取付部13の通孔は符
号13a…)に挿通して、取付面51に設けたねじ孔
(図示せず)に締め付けることでゴムガスケット1が取
付面51に取り付けられ、その際に、当該取付面51
と、本体部11と、一対の脚部12、12とで外部と仕
切られて、前述したようにモルタル等の、流動性を有す
る硬化性の充てん物が注入、硬化される領域A1が構成
される。
【0014】上記のうち本体部11は、前述したように
二次圧縮されて、一対の水中構造物間を完全に止水する
ためのもので、いわばこの本体部11が、従来の、ソリ
ッドタイプのゴムガスケットの本体部に相当する。本体
部11の表面には、他方の水中構造物の被圧接面(図示
せず)へ向けて、図では上方に、当該本体部11の長手
方向に沿う2本の凸条11a、11aが突設されてい
る。
【0015】かかる凸条11a、11aは、先に説明し
た図4(a)(b)の例の場合と同様に、一対の脚部12、1
2を伸ばした際に、他方の水中構造物の被圧接面に圧接
されて、隣接する一対の水中構造物間を一次止水するた
めのものである。本体部11の、前記領域A1に対向す
る裏面には、図2(a)にも示したように金属板2が固定
されており、この金属板2から上記領域A1へ向けて、
図では下方へ、アンカーボルト3…が突設されている。
なお各図では、本体部11の断面方向に並んだ2本のア
ンカーボルト3、3のみを示しているが、実際には多数
のアンカーボルト3…が、本体部11の長手方向に沿っ
て、所定間隔をおいて配置されている。
【0016】上記のうち金属板2としては、本体部11
の、不陸への追従を妨げないために、たとえばその幅の
0.5〜5倍程度の長さを有する矩形状の金属板が、本
体部11の長手方向に沿って複数枚、配列されている。
そしてそのそれぞれの金属板2に、アンカーボルト3の
配置間隔や、各金属板2の長さなどにあわせて、複数本
ずつのアンカーボルト3…が突設されている。上記金属
板2を本体部11の裏面に固定するためには、たとえば
未加硫のゴムコンパウンドを金型内に仕込み、加硫成形
してゴムガスケット1を製造するにあたり、上記金型内
の、本体部11の裏面に該当する位置に、その表面を加
硫接着剤で処理した、あるいは未処理の金属板2を所定
枚、仕込んで、ゴムコンパウンドの加硫と同時に加硫接
着してやればよい。
【0017】各アンカーボルト3は、その先端部に、硬
化した充てん物からの抜け止めとなるフランジ部31を
備えた円柱状に形成されており、かかるアンカーボルト
3が、図の例では、上記金属板2に対してそれぞれ着脱
自在に取り付けられている。すなわち図2(b)に拡大し
て示したように、上記加硫接着によって、金属板2をゴ
ムガスケット1の本体部11に固定するのと同時に、当
該本体部11内に大径の頭部41が埋設されて固定され
たインサート金具4の、金属板2の通孔21を通して本
体部11の裏面に露出された雌ねじ部42に、アンカー
ボルト3の基端部の雄ねじ部32をねじ込んで締め付け
ることによって、それぞれのアンカーボルト3が、金属
板2に着脱自在に取り付けられている。
【0018】このように、アンカーボルト3を金属板2
に着脱自在に取り付けた場合には、たとえば前述した、
ゴムガスケット1の加硫成形と、それに伴なう金属板2
の本体部1への固定時や、あるいはゴムガスケット1の
保管、輸送時など、アンカーボルト3を必要としないと
きには金属板2から外しておくことができるため、これ
らの作業の作業性が向上するという利点がある。なお加
硫成形時には、加熱、溶融して流動したゴムが上記雌ね
じ部42に流れ込むのを防止するために、たとえば六角
ねじなどをねじ込んで雌ねじ部42を塞いでおくのが好
ましい。
【0019】上記アンカーボルト3の寸法、形状などは
とくに限定されないが、当該アンカーボルト3による、
領域A1内に注入、硬化された充てん物と本体部11と
を強固に結合する効果を考慮すると、図2(a)中に示
す、アンカーボルト3の、本体部11の裏面(図の例で
は金属板2の露出面)からの突出高さH1が、下記式
(1):
【0020】
【数2】
【0021】〔式中、πは円周率、τaは硬化後の充て
ん物の許容せん断応力、Tはアンカーボルトに作用する
引き抜き力である。〕の範囲内であるのが好ましい。上
記の範囲は、以下のようにして求められる。すなわちま
ず、本体部11の厚みD1(cm)と、本体部11の長
手方向に一列に並んだアンカーボルト3の取り付けピッ
チL1(cm)と、図2(a)中に白矢印で示すように本体
部11に横方向から作用する水圧p1(kgf/cm2
と、アンカーボルト3の取り付け位置から金属板2の反
対側の辺までの距離W1(cm)とから、下記式(2)〜
(4): S=D1・L1・p1 (2) M=D1 2・L1・p1 (3) T=M/0.875W1 (4) によって、作用せん断力S(kgf)、作用転倒モーメ
ントM(kgf・cm)、およびアンカーボルトに作用
する引き抜き力T(kgf)を求める。
【0022】つぎに、アンカーボルトが引き抜かれる際
に、硬化後の充てん物がコーン破壊を起こすものと仮定
して、その際の、充てん物の許容せん断応力τa(kg
f/cm2)と、上記引き抜き力T(kgf)と、アン
カーボルト3の突出高さH1(cm)との関係を求める
と、式(1)′: τa・π・H1 2≦T (1)′ となる。それゆえ、引き抜き力T(kgf)に抗してア
ンカーボルト3が引き抜かれるのを防止するためには、
式(1)″: τa・π・H1 2>T (1)″ である必要があり、この式(1)″からアンカーボルト3
の突出高さH1(cm)を逆算すると、前記式(1)の範囲
となる。
【0023】たとえば一例として、D1=10cm、L1
=20cm、p1=3.0kgf/cm2、W1=12c
m、τa=6.0kgf/cm2の場合を計算するとS
=600kgf、M=6000kgf・cm、T=57
1kgfとなり、これらの値から、前記式(1)によって
アンカーボルト3の突出高さH1(cm)の好適範囲を
求めると、 H1>5.5cm となる。この範囲を、本体部11の厚みD1(=10c
m)に対する百分率に換算すると55%を超える範囲と
なる。
【0024】なお上記の考察から明らかなように、アン
カーボルト3の突出高さH1は大きければ大きいほど好
ましいが、あまりに突出高さH1が大きすぎると、脚部
12、12の長さにもよるが、アンカーボルト3が、脚
部12、12を折りたたみ、また伸ばすことによってゴ
ムガスケット1の全体を高さ方向に伸縮させる際の妨げ
となるおそれがある。それゆえアンカーボルト3の突出
高さH1は、上記の範囲内でもとくに、本体部11の厚
みD1の200%以下程度であるのが好ましい。
【0025】上述した、アンカーボルト3の突出高さH
1(cm)以外の、各部の寸法についてはとくに限定さ
れないが、当該アンカーボルト3の直径φ1は、突出高
さH1のおよそ1/10〜1/2程度であるのが好まし
く、1/5前後であるのがさらに好ましい。アンカーボ
ルト3の直径φ1が上記の範囲未満ではその強度が不足
して、引き抜き力Tが作用した際に、アンカーボルト3
が曲がったり折れたりするおそれがあり、逆にこの範囲
を超えた場合には、隣接するアンカーボルト間の埋め込
み間隔が狭くなるなどの、納まりの悪さが懸念される。
【0026】また、上記アンカーボルト3を本体部1に
固定するための金属板2の厚みT1(cm)は、引き抜
き力Tが作用した際に、金属板2が曲がったり折れたり
するのを防止するために、当該金属板2を形成する材料
の短期許容曲げ応力B(kgf/cm2)、金属板2の
幅b(cm)、および前記作用転倒モーメントMと、下
記式(5): 6M/b・T1 2<B (5) の関係にあるのが好ましい。
【0027】たとえば金属板2として鋼SS400(B
=2100kgf/cm2)製のものを使用し、b=1
2cmで、かつ前記のようにM=6000kgf・cm
である場合に、上記式(5)から金属板2の厚みT1の好適
範囲を計算すると、 T1>1.3cm となる。上記本体部11の裏面の、金属板2が固定され
た部分の両側には、当該本体部11の長手方向に沿って
一対の段部11b、11bが形成されている。
【0028】段部11b、11bは、本発明に必ずしも
必要なものではないが、当該段部11b、11bを設け
た場合には、領域A1内に注入、硬化された充てん物
と、上記段部11b、11bとの係合によって、本体部
11の、横倒れに対する抵抗力がさらに向上するという
利点がある。上記本体部11とともにゴムガスケット1
を形成する脚部12、12および取付部13、13は、
従来同様に構成される。
【0029】すなわち上記の各部はそれぞれ、ゴムなど
の弾性材料によって、前述したように本体部11の長手
方向に沿う薄肉平板状となるように、当該本体部11と
一体に形成されている。上記各部は、脚部12、12の
曲げ伸ばしを繰り返した際や、領域A1内に充てん物を
注入した際などに破損するのを防止するために、図示し
ていないが、たとえば基布などの補強材によって補強さ
れているのが好ましい。
【0030】脚部12、12および取付部13、13を
補強材によって補強するためには、やはり前述した加硫
成形によるゴムガスケット1の製造時に、金型内の、脚
部12、12および取付部13、13に相当する位置
に、基布などの補強材を、未加硫のゴムコンパウンドと
ともに仕込んでおいて、加硫と同時に一体化してやれば
よい。なお図において符号13bは、脚部12、12を
伸ばす際や、領域A1内に充てん物を注入する際の圧力
などによって、取付部13が取付面51と座板Z1との
間から抜けるのを防止するために、上記取付部13の先
端に形成された凸条であって、やはり図示していない
が、その内部には補強のための金属線などを埋設しても
よい。
【0031】凸条13b内に金属線などを埋設するため
には、やはり加硫成形によるゴムガスケット1の製造時
に、金型内の、凸条13bの位置に、金属線などを、未
加硫のゴムコンパウンドとともに仕込んでおいて、加硫
と同時に一体化してやればよい。上記各部を形成するゴ
ムとしては、天然ゴムや種々の合成ゴムなどがいずれも
使用可能であるが、本体部11の横倒れを確実に防止す
ることを考慮すると、従来に比べて硬めのゴムを使用す
るのが好ましい。その硬さの範囲についてはとくに限定
されないが、スプリング式硬さ(JIS A)で表して
およそ35°以上であるのが好ましい。また、対向する
水中構造物の被圧接面に圧接された際の、本体部11の
圧縮変形による止水性能などを考慮すると、ゴムの硬さ
は、上記の範囲内でもとくに80°以下であるのが好ま
しく、かかる両特性を考慮すると40〜70°の範囲内
であるのがさらに好ましい。
【0032】上記の各部を備えた、図の例のゴムガスケ
ット1は、種々の水中構造物の水密接続に使用可能であ
るが、とくに前述したように、地震の際などに、隣接す
る沈埋函間の水密接続を維持しつつ、当該沈埋函間の目
開きを許容してトンネルの破壊を防止する継手部に好適
に使用される。図の例のゴムガスケット1を用いて、隣
接する沈埋函間を水密接続する工程を、順を追って説明
する。
【0033】まず図1(a)に示すように、既設の沈埋函
5の取付面51に取り付けた、この例のゴムガスケット
1の領域A1に、当該沈埋函5内に配置された弁装置
(図示せず)などを介して負圧をかけて、内外の圧力差
によって一対の脚部12、12を折り畳むことで、ゴム
ガスケット1を、高さ方向に最も収縮した状態としつ
つ、図3に黒矢印で示すように、接続する新たな沈埋函
5′を接近させる。このようにすると、新たな沈埋函
5′を接近させる際にゴムガスケット1がじゃまになら
ない上、当該ゴムガスケット1の破損をより確実に防止
できるという利点がある。
【0034】つぎに、両沈埋函5、5′間が所定の間隔
となった時点で、沈埋函5′の接近を一旦、停止し、つ
いで領域A1内に空気などの流体を圧入して、当該領域
A1の内圧を上昇させる。そうすると折り畳まれていた
一対の脚部12、12が伸ばされ、ゴムガスケット1が
高さ方向に伸長して、凸条11a、11aが、沈埋函
5′の被圧接面に接触する。
【0035】つぎにこの段階で、領域A1内に、硬化性
を有する流動性の充てん物を注入、充てんする。この
際、先に領域A1に圧入されていた空気などの流体は、
差圧弁などを利用して、その内圧を維持しつつ、領域A
1から排出するようにすればよい。つぎに、領域A1に
注入、充てんされた充てん物が十分に養生、硬化した段
階で、沈埋函5′をさらに接近させると、凸条11a、
11aが一次圧縮されて、沈埋函5、5′間が一次止水
される。
【0036】上記充てん物としては、沈埋函接合の作業
性などを考慮すると、できれば、数時間以内に硬化して
強度が発現されるものを使用するのが好ましく、その具
体例としては、例えばコンクリートモルタル、樹脂モル
タル等の無収縮モルタルや、アルミニウム粉末入りの発
泡モルタルなどのモルタルの他、シリコーン樹脂や2液
タイプ等のポリウレタン樹脂などの、硬化性の樹脂組成
物もあげられる。このうち樹脂組成物には、硬化後の強
度や硬さなどを考慮して、例えば炭酸カルシウムやシリ
カ系粉末等のフィラーを添加するのが好ましい。
【0037】充てん物が硬化すると、前記のようにゴム
ガスケット1の本体部11の裏面から突設されたアンカ
ーボルト3…の働きによって、硬化した充てん物と本体
部11とが強固に結合されて、本体部11の横倒れが防
止されるとともに、当該本体部11の裏面に設けた段部
11b、11bと、硬化した充てん物との係合によっ
て、上記横倒れに対する抵抗力が補強される。つぎに、
上記のようにゴムガスケット1によって一次止水され、
かつ既設の沈埋函5内、ならびに沈埋函5′内と、それ
ぞれの沈埋函5、5′の端面に設けた隔壁によって仕切
られた函接続部内、および沈埋函5′内の水を、トンネ
ルの既設部分を通してトンネル外へ排水するとともに、
いずれかの沈埋函5、5′内にも受けたジャッキによっ
て沈埋函5′をさらに接近させると、ゴムガスケット1
の本体部11が二次圧縮されて、函接続部が完全に止水
される。
【0038】このあと前後の沈埋函5、5′を内側か
ら、いわゆるオメガジョイントなどの二次止水ゴムによ
って止水するとともに、前後の沈埋函5、5′から突設
した連結ケーブルをカプラーでもって接続するなどの手
段によって、ゴムガスケット1による一次止水が解除さ
れない範囲で目開き可能な状態で結合すると、前述した
継手部が形成され、地震などが発生して当該継手部に目
開きが発生しても、図の例のゴムガスケット1は、前記
のようにアンカーボルト3…と、段部11b、11bと
の働きによって、本体部11が、領域A1内の硬化した
充てん物と強固に接合されているため、当該本体部11
の、水圧による横倒れが確実に防止される。
【0039】したがって、予想される目開き量よりも本
体部11の圧縮変形量を十分に大きく設定することなど
が可能となって、継手部などでの止水をより確実にする
ことが可能となる。なお本発明のゴムガスケットの構成
は、以上で説明した図の例には限定されない。たとえば
アンカーボルト3は、本体部11に対して着脱自在とせ
ずに、完全に固定してもよい。またその場合には金属板
2を省略してもよい。
【0040】また前述したように、本体部11の裏面に
は段部11b、11bを形成しなくてもよい。本体部1
1の表面の凸条11aは1本でも、あるいは3本以上で
もよい。脚部12には、当該脚部12を常に一定形状で
折り畳むために、その所定の位置に薄肉部を設けてもよ
い。また本発明のゴムガスケットは、上述した沈埋函だ
けでなく、浮体構造物の水中部分などの、種々の水中構
造物の水密接続に使用可能である。
【0041】その他、本発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴムガスケットの、実施の形態の一例
を示す図であって、同図(a)は断面図、同図(b)は部分切
断斜視図である。
【図2】同図(a)は、図1(a)(b)のゴムガスケットの要
部である本体部とアンカーボルトとを拡大した拡大断面
図、同図(b)はアンカーボルトの取付部をさらに拡大し
た拡大断面図である。
【図3】沈埋トンネルの接続を説明する概略図である。
【図4】従来のゴムガスケットの一例を示す図であっ
て、同図(a)は断面図、同図(b)は部分切断斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ゴムガスケット 11 本体部 12 脚部 13 取付部 3 アンカーボルト A1 領域 5、5′ 水中構造物(沈埋函) 51 取付面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下石 誠 栃木県那須郡西那須野町四区町1534−1 五洋建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 清宮 理 東京都新宿区大久保3−4−1 早稲田大 学理工学部内 Fターム(参考) 2D055 EA02 GC09 3J040 AA01 AA12 BA07 EA01 EA16 FA05 HA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隣接する一対の水中構造物間を止水すべ
    く、一方の水中構造物の取付面に取り付けられた状態
    で、当該取付面と対向する他方の水中構造物の被圧接面
    に圧接される、全体が弾性材料にて一体形成されたゴム
    ガスケットであって、 上記被圧接面に圧接される厚肉平板状でかつ長尺の本体
    部と、当該本体部から取付面へ向けて、本体部の長手方
    向に沿って延設された一対の薄板状の脚部と、両脚部の
    それぞれ先端に設けられた、取付面への一対の取付部と
    を備え、 上記取付部にて取付面に取り付けた状態で、加えられる
    外力の変化に応じて両脚部を折りたたみ、また伸ばすこ
    とによって高さ方向に伸縮自在とされ、 かつ両脚部を伸ばして本体部を被圧接面に圧接させた状
    態で、上記本体部と一対の脚部と取付面とで囲まれた領
    域に、流動性を有する硬化性の充てん物を注入して硬化
    させることによって上記圧接状態が維持されるように構
    成されているとともに、 上記本体部の、上記領域に対向する裏面に、当該領域に
    注入、硬化される充てん物内に埋め込まれるアンカーボ
    ルトが突設されたことを特徴とするゴムガスケット。
  2. 【請求項2】アンカーボルトが、本体部の裏面に固定さ
    れた金属板に、着脱自在に取り付けられている請求項1
    記載のゴムガスケット。
  3. 【請求項3】アンカーボルトの、本体部裏面からの突出
    高さH1が、下記式(1): 【数1】 〔式中、πは円周率、τaは硬化後の充てん物の許容せ
    ん断応力、Tはアンカーボルトに作用する引き抜き力で
    ある。〕の範囲内である請求項1または2記載のゴムガ
    スケット。
  4. 【請求項4】本体部の裏面に、当該本体部の長手方向に
    沿って段部が形成されている請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のゴムガスケット。
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