JP2001192688A - 燃料油用添加剤および燃料油組成物 - Google Patents

燃料油用添加剤および燃料油組成物

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JP2001192688A
JP2001192688A JP2000003200A JP2000003200A JP2001192688A JP 2001192688 A JP2001192688 A JP 2001192688A JP 2000003200 A JP2000003200 A JP 2000003200A JP 2000003200 A JP2000003200 A JP 2000003200A JP 2001192688 A JP2001192688 A JP 2001192688A
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acid
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Masayuki Kishida
正幸 岸田
Yoshihisa Ota
義久 太田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に硫黄含量が低減された軽油であっても、
低添加量で優れた潤滑性能が維持され発錆などディーゼ
ルエンジンの燃料噴射ポンプにトラブルを起こすことが
ない燃料油添加剤を提供する。 【解決手段】 溶解度パラメーター(SP値)が9.0
〜9.3、HLB値が0.5〜1.7、平均分子量が2
50〜300、酸価(AV)が180〜210、ヨウ素
価が60〜188である潤滑性向上剤(A)と連鎖移動
定数が0.001〜100、SP値が8.0〜12.0
である老化防止剤(B)と流動性向上剤(C)とSP値
が8.9〜9.4である芳香族化合物(D)を必須成分
とする、硫黄含量が0.005重量%以下の超低硫黄化
燃料油用添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油添加剤及び
燃料油組成物に関し、特に軽油の潤滑特性を向上させ、
かつ燃料噴射ポンプの摩耗防止に有効で、さらに凝結水
によるエンジン内の発錆防止性を備えた燃料用添加剤、
及び燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題への関心の高まりか
ら、世界各国でディーゼル車の排ガス規制の強化と共に
軽油中の硫黄含有量の低減が進められている。日本では
1997年10月から硫黄含量が0.05重量%以下に
規制強化された。その為、軽油基材について深度脱硫を
行わなければならず、この過程において軽油中の潤滑性
物質が一緒に除去され、潤滑性能が低下する事が知られ
ている。ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプは軽油に
よって潤滑を行っているため、このような潤滑性の低下
した軽油を使用すると、燃料噴射ポンプの異常摩耗、エ
ンジンの回転不良などが起こるという事例が欧米諸国か
ら報告されている。このような軽油の潤滑性低下に対し
て、ディーゼルエンジンの部品面からも対応されている
が、燃料面からの対応も要求され、検討が行なわれてき
た。その結果、現在のところ、軽油に摩耗防止剤が添加
されている。しかし、現在使用されている摩耗防止剤
は、従来の軽油並みの潤滑性を付与するために必要な添
加量が多く、石油会社にとって大きな負担となってい
る。また、自動車メーカー側では、この添加剤を添加す
ることにが、エンジン内における凝結水が燃料と混合さ
れた際にエンジン部品に対する発錆の原因とならないか
という心配がなされている。2005年頃には、さらに
低硫黄化が進み、硫黄含量は0.005重量%以下に規
格される予定であり、上記記載のように更なる潤滑性の
低下とそれに伴う添加剤の使用量増加が予測される。従
って、このような状況においてもエンジン室内に悪影響
を及ぼさない、より低添加量で有効に作用する添加剤の
開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記観点から、特に硫
黄含量が低減された軽油であっても、低添加量で優れた
潤滑性能が維持され発錆など、ディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプにトラブルを起こすことがない添加剤及び
燃料油組成物が必要とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの課題を
解決するために、硫黄含量が0.005重量%以下の超
低硫黄軽油に対して現在使用されている摩耗防止剤より
も低添加量で優れた潤滑性能を付与する添加剤、及び燃
料油組成物について鋭意検討した結果、本発明にいたっ
た。
【0005】すなわち本発明は、溶解度パラメーター
(SP値)が9.0〜9.3、HLB値が0.5〜1.
7、平均分子量が250〜300、酸価(AV)が18
0〜210、ヨウ素価が60〜188である潤滑性向上
剤(A)と連鎖移動定数が0.001〜100、SP値
が8.0〜12.0である老化防止剤(B)と流動性向
上剤(C)とSP値が8.9〜9.4である芳香族化合
物(D)を必須成分とする、硫黄含量が0.005重量
%以下の超低硫黄化燃料油用添加剤及び硫黄含量が0.
005重量%以下の超低硫黄化燃料油と該超低硫黄化燃
料油用添加剤とから成り、該添加剤を30〜1000重
量ppm含有して成る超低硫黄化燃料油組成物である。
【0006】
【発明の実施形態】以下に、本発明の実施の形態を説明
する。本発明においてHLB値はグリフィンのHLB
(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行P
128)によって算出される値であり、溶解度パラメー
ター(SP値)はFedors法[Polym.En
g.Sci.14(2)152,(1974)]によっ
て算出される値、連鎖移動定数はスチレンに対する60
℃における値である。
【0007】潤滑性向上剤(A)のSP値は、通常9.
0〜9.3であり、好ましくは9.1〜9.2である。
HLB値は、通常0.5〜1.7であり、好ましくは
0.8〜1.4である。Mwは通常250〜300であ
り、好ましくは270〜290である。AVは通常18
0〜230であり、好ましくは190〜205である。
ヨウ素価は通常60〜188であり、好ましくは90〜
170である。これらの物性値のすべてを満足しない場
合、燃料に対する溶解性の不良、添加剤の酸化安定性の
不良、金属表面への吸着力の不都合、抗乳化性の悪化、
水の抱きこみ性の進行、防錆性の低下などの問題が起こ
り、好ましくない。
【0008】潤滑性向上剤(A)としては、炭素数14
〜22の不飽和脂肪酸などが挙げられる。具体的にはモ
ノ不飽和モノカルボン酸(ツズ酸、フィゼテリン酸、ミ
リストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、
オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン
酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エル
カ酸、ブラシジン酸など)、ジ不飽和モノカルボン酸
(ソルビン酸、リノール酸、トランス−2、シス−4−
デカジエン酸、トランス−10、トランス−12−オク
タデカジエン酸など)、トリ不飽和モノカルボン酸(ヒ
ラゴ酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリ
ン酸、プニカ酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、ドコサ
トリエン酸、エイコサトリエン酸など)、テトラ不飽和
モノカルボン酸(モノクチ酸、ステアリドン酸、アラキ
ドン酸、ドコサテトラエン酸など)、ペンタ不飽和モノ
カルボン酸(エイコサペンタエン酸、イワシ酸など)な
どが挙げられる。これらの酸は単独で用いても良いし、
配合して併用しても良い。また、植物の種子などから得
られる、上記記載の混合脂肪酸も用いることが出来る。
【0009】潤滑性向上剤(A)として、潤滑性の観点
から好ましくは炭素数が16〜20の高級脂肪酸であ
る。
【0010】老化防止剤(B)のスチレンに対する60
℃における連鎖移動定数は、通常0.001〜100で
あり、好ましくは0.01〜60である。SP値は、通
常8.0〜12.0であり、好ましくは8.5〜11.
0である。これらの物性値を外れると、溶解性不良、酸
化安定性の不良などの問題が起こり、好ましくない。
【0011】老化防止剤(B)としては、アミン系化合
物、フェノール系化合物、その他の化合物などが挙げら
れる。アミン系化合物の具体例としては、ジフェニルア
ミン系化合物[p−(p−トルエン・スルホニルアミ
ド)−ジフェニルアミン、4,4’−(α、α’−ジメ
チルベンジル)ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチ
ル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンの
高温反応性製品、ジフェニルアミンとアセトンの低温反
応性製品、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンの低
温反応品、ジフェニルアミンとジイソブチレンの反応生
成品、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフ
ェニルアミン、p、p’−ジオクチル・ジフェニルアミ
ン、オクチル化ジフェニルアミンの混合物、置換ジフェ
ニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化
ジフェニルアミンの混合物、アラルキル化ジフェニルア
ミンによるアルキル及びアラルキル置換フェノールの混
合物、ジフェニルアミン誘導体など]、p−フェニレン
ジアミン系化合物[N,N’−ジフェニル−p−フェニ
レンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p
−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−
フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス
(1−メチルへプチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フ
ェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレン
ジアミンなど]、ヒンダードアミン系化合物[ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾー
ル誘導体など]などが挙げられる。フェノール系化合物
の具体例としては、ポリフェノール系化合物{2,2’
−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル
フェノール)、アルキル化ビスフェノールなど]、ヒン
ダードフェノール系化合物[1,1,3−トリス−(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三−ブチルフェニ
ル)ブタン、ヒンダードビスフェノールなど]などが挙
げられる。該添加剤成分として、好ましいものとして
は、ジフェニルアミン系化合物が挙げられる。
【0012】流動性向上剤(C)としてはポリ(メタ)
アクリレートが挙げられる。これらのうち好ましくは、
数平均分子量10000〜500000であり、(C)
の示差走査熱量計により測定される結晶化ピーク温度
が、−5℃以下である。
【0013】流動性向上剤(C)を構成するモノマーの
具体例としては、側鎖の炭素数が4〜22のアルキル
(メタ)アクリレート{具体的には、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレ
ート、n−パルミチル(メタ)アクリレート、n−ステ
アリル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベ
ヘニル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。}が挙げられる。
これらの単独もしくは2種以上の共重合を流動性向上剤
(C)として用いることが出来る。また、2種以上の重
合体を併用しても良い。
【0014】流動性向上剤(C)の製造法としては、所
定量のアルキル(メタ)アクリレートを、ラジカル重合
開始剤の存在下で、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等の
公知のいずれの方法を用いてもよいが、好ましくは有機
溶剤中で溶液重合後、脱溶剤をおこなう方法である。
【0015】上記ラジカル重合開始剤としては、公知の
アゾ系開始剤および有機過酸化物系開始剤が挙げられ
る。代表的なものを例示すれば、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジ−ter
t−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーベン
ゾエート等が挙げられる。これらは、1種または2種以
上を併用してもよい。
【0016】上記の重合反応において、必要に応じて公
知の連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、
オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ブチル
アルコール、ヘキシルアルコール、エチレングリコー
ル、グリセリン等が挙げられる。上記の重合反応におい
て必要により用いられる溶剤としては、トルエン、キシ
レン等の芳香族系溶剤;メチルイソブチルケトン、酢酸
ブチル等の脂肪族系溶剤、ブタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール、およびこれら2種以上の混合
溶剤が挙げられる。
【0017】芳香族化合物(D)のSP値は通常8.9
〜9.4であり、好ましくは9.0〜9.3である。こ
の範囲を外れると、他の成分の溶解性が悪化して低温下
での結晶析出が起こる。
【0018】芳香族化合物(D)の具体例としては、ト
ルエン、キシレン、ジメチルベンゼン、メチルエチルベ
ンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチ
ルジエチルベンゼン、ジメチルエチルベンゼン、トリエ
チルベンゼン、プロピルベンゼンなどが挙げられる。こ
れらは、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0019】(A)/(B)/(C)/(D)の重量比
は通常70〜85/0.05〜0.3/0.5〜2.0
/15〜30であり、好ましくは75〜80/0.07
〜0.2/0.7〜1.5/17〜28である。
【0020】さらに防錆性を付与したい場合には、防錆
剤を添加することができ、防錆剤の具体例としては、炭
素数1〜30の脂肪族アミン、炭素数1〜30の脂肪族
アミンの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物な
どが挙げられる。炭素数1〜30の脂肪族アミンの具体
例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチル
アミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルア
ミンなどが挙げられる。炭素数1〜30の脂肪族アミン
の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物の具体例
としては、エチルアミンのエチレンオキサイド付加物、
エチルアミンのプロピレンオキサイド付加物、エチルア
ミンのブチレンオキサイド付加物、ドデシルアミンのエ
チレンオキサイド付加物、ドデシルアミンのプロピレン
オキサイド付加物、ドデシルアミンのブチレンオキサイ
ド付加物、オレイルアミンのエチレンオキサイド付加
物、オレイルアミンのプロピレンオキサイド付加物、オ
レイルアミンのブチレンオキサイド付加物、モノエタノ
ールアミンのブチレンオキサイド付加物などが挙げられ
る。さらに低温流動性が必要な場合には流動点降下剤を
追加使用でき、流動点降下剤の具体例としては、EVA
(エチレン酢酸ビニル)系流動点降下剤、ASA(アル
ケニルコハク酸)系流動点降下剤、PMA(ポリメタク
リレート)系流動点降下剤などが挙げられる。EVA系
流動点降下剤の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のフマル酸エ
ステルグラフト物、エチレン−酢酸ビニル共重合体のマ
レイン酸エステルグラフト物、エチレン−酢酸ビニル−
ベヘン酸ビニル3元共重合体、エチレン−酢酸ビニル−
ベヘン酸ビニル3元共重合体のフマル酸エステルグラフ
ト物、エチレン−酢酸ビニル−ベヘン酸ビニル3元共重
合体のマレイン酸エステルグラフト物、エチレン−カル
ボン酸共重合物などが挙げられる。ASA系流動点降下
剤としてはアルケニル基の炭素鎖長が8〜50のアルケ
ニルコハク酸アミドなどが挙げられる。PMA系流動点
降下剤の具体例としては、アルキル基の炭素数が12〜
30のポリアルキルメタクリレート、アルキル基の炭素
数が12〜30のアルキルメタクリレート−スチレン共
重合物などが挙げられる。
【0021】本発明の燃料油組成物は、各機能に応じて
以下のものを添加してもよい。例えばさらに腐食防止性
を付与する場合には腐食防止剤(例えばアルケニルコハ
ク酸系防錆剤、アルケニルコハク酸のエステル系防錆
剤)、清浄性を付与する場合には清浄剤(例えば、1級
アミン含有ポリエーテル、ブタノールのアルキレンオキ
サイド付加物、アルキルアミンのアルキレンオキサイド
付加物)を添加してもよい。
【0022】本発明における硫黄含量が0.005重量
%以下の低硫黄化燃料油の具体例としては、低硫黄原油
(たとえば、ミナス原油等南方系の原油)の通常の蒸留
で得られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3
号軽油、JIS特3号軽油;通常の原油から水素化脱硫
処理工程を経て製造される脱硫軽油;この脱硫軽油と直
留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得ら
れる軽油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2
号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油が挙げられ
る。特に好ましくは、水素化脱硫処理工程を経て製造さ
れる脱硫軽油を50重量%以上使用して製造されるJI
S1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS
特3号軽油である。
【0023】0.005重量%以下の超低硫黄燃料油中
に含まれる該添加剤は通常30〜1000重量ppmで
あり、好ましくは50〜500重量ppmである。30
ppm未満では潤滑性が不十分であり、1000ppm
を越えると添加効率が悪くなり、経済性が損なわれる。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】ディーゼル燃料油の潤滑性は、通常の摩擦
摩耗評価のテーブル試験法、例えばファレックスブロッ
クオンリング摩擦・摩耗試験機を用いた試験、BOCL
E試験機を用いた試験(ASTM D5001)、SR
V試験機(独国 オプチモル社製)を用いた試験、ディ
ーゼル燃料油の潤滑性評価のために開発されたHFRR
試験等により評価できる。特に、HFRR試験(英国P
CSインスツルメンツ社製)による評価が実際の燃料ポ
ンプの摩耗と相関が高いため石油学会法として定められ
ており、この試験機を用いて評価した。
【0026】燃料油組成物の水分離性および抗乳化性
は、JIS K 2276「航空燃料油試験方法」の水
溶解度試験方法により、評価できる。JIS K 22
76に記載されているように、100mlの栓付きメス
シリンダーに試料80ml、緩衝液20ml取り、所定
の条件で振り混ぜ、静置後の緩衝液部分の容量変化およ
び界面の状態、分離状態は下記に従い評価した。
【0027】界面状態; 1 :透明で清浄な状態。 1b:小さい透明な泡の占める面積が界面の50%以下
で、小片、レース状又は膜状のものがない状態。 2 :小片、レース状又は膜状のものができている状
態。 3 :レース状のものが一面まばらに広がった状態、又
は少量のかすができた状態。 4 :レース状のものが厚く密集した状態、又は多量の
かすができた状態。
【0028】分離状態; (1):両層又は試料層上部に、乳化物又は沈殿物が全
くない状態。 (2):試料層に小さい気泡や水滴がある以外は、
(1)と同じ状態。 (3):両層若しくは試料層上部に、乳化物若しくは沈
殿物がある状態、又は、水層若しくはメスシリンダー内
壁に小敵がある状態。
【0029】ディーゼル燃料油の酸化安定性試験はIS
OT試験機を用いて行うことができ、実車におけるエン
ジン付着物発生の有無を下記に従って相対評価した。
【0030】エンジン付着物発生の有無; 1:器壁に付着物がほとんどない。 2:器壁に付着物がわずかに発生。 3:器壁に付着物がうっすらと発生。 4:器壁に付着物がべったりと発生。
【0031】添加剤の防錆性はJIS K 2510
錆止め試験法によって行った。評価は下記に従って行っ
た。
【0032】防錆性; 軽微:試験片の表面に直径1mm以下の錆の斑点が6個
を越えない場合。 中度:軽微以上で、試験片表面の5%以下に錆が認めら
れる場合。 強度:試験片表面の5%を超える錆が認められる場合。
【0033】実施例で使用する添加剤(S1〜3)およ
び比較例で使用する添加剤(R1〜3)の組成比を下記
に示す。( )内の数値は添加剤に占める重量%を示
す。
【0034】S1: (A);パルミチン酸(1)ステアリン酸(1)オレイ
ン酸(40)リノール酸(38);SP値9.0、HL
B1.3、Mw282、AV205、IV148 (B);オクチル化ジフェニルアミン (0.05);
連鎖移動定数0.9、SP値9.5 (C);側鎖炭素数12、13、16のメタクリレート
共重合体(1.5);数平均分子量30000結晶化ピ
ーク温度−22℃ (D)キシレン(18.45);SP値9.1。 S2: (A);オレイン酸(32)リノール酸(40)リノレ
ン酸(8);SP値9.2、HLB1.2、Mw28
1、AV200、IV:156 (B);オクチル化ジフェニルアミン (0.1);連
鎖移動定数0.9、SP値9.5 (C);側鎖炭素数11、13、16、18のメタクリ
レート共重合体(1);数平均分子量30000、結晶
化ピーク温度−25℃ (D);メチルエチルベンゼン(18.9);SP値
9.0。 S3: (A);大豆油脂肪酸 (75);SP値9.1、HL
B1.2、Mw278、 AV198、IV160 (B);オクチル化ジフェニルアミン (0.1);連
鎖移動定数0.9、SP値9.5 (C);側鎖炭素数8、10、16、18のメタクリレ
ート共重合体 (1)数平均分子量35000、結晶化
ピーク温度−18℃ (D);エチルベンゼン(9.9)メチルエチルベンゼ
ン(10)ジエチルベンゼン(4);SP値9.0 R1:ドデシルコハク酸 (市販品1) R2:グセリンモノオレート (市販品2) R3:高級脂肪酸混合物 (市販品3)
【0035】実施例1〜5 硫黄含量0.003重量%のJIS2号相当のディーゼ
ル燃料油に、表1のように本発明の添加剤S1〜S3を
溶解させ、実施例1〜5の燃料油を作成した。得られた
燃料油はいずれも透明で、カスミ等は確認されなかっ
た。これらのの燃料油について、温度60℃、ストロー
ク長1mm、周波数50Hz、時間75分の条件でHF
RR摩耗試験を行い、摩擦係数および摩耗痕の大きさを
測定した。また、同じく得られた燃料油についてJIS
K 2776に記載の水溶解度試験方法に従い、水分
離性と抗乳化性を評価した。さらにISOT試験(11
0℃、700rpm、10時間)による酸化安定性とJ
IS K 2510の錆止め試験による防錆性を測定し
た。この評価結果を表2に示す。
【0036】比較例1〜3 実施例と同様に硫黄含量0.003重量%のJIS2号
相当のディーゼル燃料油に表1のようにR1〜R3を溶
解させ比較例1〜2の燃料油を作成し、HFRR法によ
る摩耗試験およびJIS K 2776による水溶解度
試験による、水分離性を評価した。さらにISOT試験
(110℃、700rpm、10時間)による酸化安定
性とJIS K 2510の錆止め試験による防錆性を
測定した。あわせて、なにも添加しないディーゼル燃料
油のみのブランク試験も行った。この評価結果を表2に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の燃料油組成物は、燃料油中の硫
黄含量が極度に低減化されているにもかかわらず、従来
の硫黄含量の燃料油組成物と比較して優れた潤滑性を発
揮すると同時に、酸化安定性、水分離性、防錆性の面で
も優れた性能を発揮している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10L 1/22 C10L 1/22 B 10/04 10/04 C10M 101/02 C10M 101/02 127/06 127/06 129/10 129/10 129/38 129/38 133/12 133/12 133/38 133/38 145/14 145/14 171/04 171/04 // C10N 20:00 C10N 20:00 A Z 20:02 20:02 30:00 30:00 Z 30:10 30:10 30:12 30:12 40:25 40:25 Fターム(参考) 4H013 CB02 CC01 CE02 4H015 AA20 AA22 AA23 AB07 4H104 BA04C BB05C BB17C BB18C BE07C BE26C BE27C CB08C DA02A EA01C EA03C EA04C EA21A EA22C LA05 LA06 LA20 PA42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解度パラメーター(SP値)が9.0
    〜9.3、HLB値が0.5〜1.7、平均分子量が2
    50〜300、酸価(AV)が180〜210、ヨウ素
    価が60〜188である潤滑性向上剤(A)と連鎖移動
    定数が0.001〜100、SP値が8.0〜12.0
    である老化防止剤(B)と流動性向上剤(C)とSP値
    が8.9〜9.4である芳香族化合物(D)を必須成分
    とする、硫黄含量が0.005重量%以下の超低硫黄化
    燃料油用添加剤。
  2. 【請求項2】 (A)が炭素数16〜20の高級脂肪酸
    である請求項1記載の添加剤。
  3. 【請求項3】 (B)がジフェニルアミン系化合物、p
    −フェニレンジアミン系化合物、ポリフェノール系化合
    物およびヒンダードアミン系化合物の群から選ばれる1
    種以上の化合物である請求項1又は2記載の添加剤。
  4. 【請求項4】 (C)がポリ(メタ)アクリレートから
    成り、該ポリ(メタ)アクリレートの数平均分子量が1
    0000〜500000であり、示差走査熱量計により
    測定される結晶化ピーク温度が−5℃以下である請求項
    1〜3のいずれか記載の添加剤。
  5. 【請求項5】 (A)/(B)/(C)/(D)の重量
    比が70〜85/0.05〜0.3/0.5〜2.0/
    15〜30である請求項1〜4のいずれか記載の添加
    剤。
  6. 【請求項6】 硫黄含量が0.005重量%以下の超低
    硫黄化燃料油と請求項1〜5のいずれか記載の添加剤と
    からなり、該添加剤を30〜1000ppm含有して成
    る超低硫黄化燃料油組成物。
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