JP2001192271A - 窒化物セラミック焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化物セラミック焼結体の製造方法

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JP2001192271A
JP2001192271A JP2000319854A JP2000319854A JP2001192271A JP 2001192271 A JP2001192271 A JP 2001192271A JP 2000319854 A JP2000319854 A JP 2000319854A JP 2000319854 A JP2000319854 A JP 2000319854A JP 2001192271 A JP2001192271 A JP 2001192271A
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Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、窒化アルミニウムに金属元素等を
用いることなく、窒化アルミニウム焼結体の明度を低下
させ、その色を黒色化する、窒化アルミニウム焼結体の
製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明に係わる窒化物セラミック焼結体
の製造方法は、窒化物セラミック原料粉と、有機質バイ
ンダとを添加混合し、これを成形して成形体を作製し、
該成形体を不活性雰囲気中で温度300℃以上という分
解条件で前記有機質バインダを熱分解して炭化させて炭
素量を1000〜3000ppmとし、ついで不活性雰
囲気中で加圧加熱しながら、炭素量を減少させて500
〜2000ppmの窒化物セラミックを得ることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物セラミック焼
結体の製造方法に関する。さらに詳しくは、金属元素を
用いたりすることなく窒化物セラミック焼結体を黒色化
できる、プレス成形法等による窒化物セラミック焼結体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ドライエッチング装置や、化学
的気相成長装置等の半導体製造装置においては、従来、
いわゆるステンレスヒータや間接加熱方式のヒータが一
般的であった。しかしながら、これらの熱源を用いる
と、熱効率が低いばかりか、半導体製造装置において欠
かすことのできないハロゲン系腐食ガスの作用によって
半導体ウエハに不純物パーティクル等が発生することが
あるという欠点がある。
【0003】こうした問題を解決するために、例えば、
セラミックス基板を用いるヒータが提案されている(特
開平3−261131号)。かかるセラミックス基板に
よるヒータの材料としては窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、サイアロン(SiAlON)等の窒化物系セラミック
スが好ましい。特に、半導体製造装置においてエッチン
グガスやクリーニングガスとして用いるCF3等のハロ
ゲン系の腐食性の強いガスに対する耐蝕性の点で窒化ア
ルミニウム、窒化珪素などの窒化物セラミックが優れて
いる。
【0004】ところで、かかるヒータや、サセプタとし
て使用する焼結体基板は、一般的には明度が低く、黒色
であることが望ましい。即ち、黒色の焼結体基板の方が
輻射熱量が多く、加熱特性が優れているからである。そ
して、さらに、半導体製造工程においては、これらのヒ
ータやサセプタの表面温度を測定する必要があるが、焼
結体の明度が高いと、焼結体中に形成されている回路パ
ターン等の温度を測定してしまい、焼結体基板そのもの
の温度を測定できない。
【0005】然るに、窒化アルミニウムは、前述したよ
うに、耐蝕性の点で極めて優れた特性を有するにもかか
わらず、焼結体が一般的には白色又は灰白色を呈するの
で、熱輻射や温度測定の点で難点がある。
【0006】そこで、窒化アルミニウムを黒色化するた
め原料粉末中に何らかの金属元素を添加して焼成し、黒
色化窒化アルミニウムを得ることが提案されている(特
公平5−64697号公報)。かかる金属元素として
は、タングステン、酸化チタン、ニッケル、パラジウム
等が公知である。
【0007】しかしながら、このような金属元素を窒化
アルミニウム原料粉末中に添加して焼成すると、このよ
うな添加物は焼結体に対して金属不純物として作用し、
焼結性を阻害する。しかも、金属元素としてIa族元
素、IIa族元素を用いた場合は、半導体ウエハや半導
体製造装置に対して重大な影響を与え、半導体ウエハ中
に欠陥を生ぜしめることがあるという致命的な問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題点に鑑みてなされたものであり、窒化アルミニウムに
金属元素等を用いることなく、窒化アルミニウム焼結体
の明度を低下させ、その色を黒色化する、窒化アルミニ
ウム焼結体の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決すべ
く本発明者らが採った手段としては、窒化物セラミック
原料粉と、有機質バインダとを添加混合し、これを成形
して成形体を作製し、該成形体を、不活性雰囲気中で温
度300℃以上、望ましくは350℃以上という分解条
件で前記有機質バインダを熱分解して炭化させて炭素量
を1000〜3000ppmとし、ついで不活性雰囲気
中で加圧加熱しながら、炭素量を減少させて500〜2
000ppmの窒化物セラミックを得ることを特徴とす
る窒化物セラミック焼結体の製造方法である。
【0010】前記分解条件としては、N2雰囲気中で保
持温度が400〜800℃、保持時間が0.1〜6時間
が好ましい。
【0011】本発明は、窒化物セラミック原料粉と、有
機質バインダとを添加混合し、噴霧乾燥して顆粒状態に
した後、あるいはペースト状にした後、成形し、該成形
体を不活性雰囲気中で温度300℃以上、望ましくは3
50℃以上という分解条件で前記有機質バインダを熱分
解して炭化させた後、これを不活性雰囲気中で加圧加熱
して焼結させて窒化物セラミックを得る。
【0012】炭素量を1000〜3000ppmとする
理由は、1000ppm未満では、明度が高くなってし
まい、3000ppmを超えると焼結し難いからであ
る。
【0013】本発明では、有機質バインダを300℃以
上で分解させて、炭化して残炭させて、その後に加熱加
圧して焼結させるため、炭素が窒化物セラミック中の酸
化物と反応してCOやCO2となって発散し難く焼結体
中に残存し、その結果窒化物セラミックの明度が低下す
る。例えば、窒化アルミニウム中には、空気中の酸素と
反応してアルミナが存在するが、窒素雰囲気下では、
C、アルミナ、窒素が反応して窒化アルミニウム、C
O、CO2が発生し、炭素量が500ppm以下に減少
してしまう。常圧焼結ではこの反応が進行する方向に進
むが、加圧焼結下では、この反応の進行が抑制される。
このため、本発明のように加圧しながら焼結させると炭
素の大幅な減少を防止できるのである。
【0014】なお、加熱、加圧条件は、1500〜20
00℃で、4.9〜49.0MPa(50〜500kg
f/cm2)、望ましくは4.9〜19.6MPa(50
〜200kgf/cm2)である。温度が高すぎると窒化
物セラミックが分解してしまい、低すぎると焼結しない
からである。また、圧力が低すぎるとCの酸化反応を抑
制できず、高すぎると副結晶相が生じてしまうからであ
る。
【0015】本発明で使用する窒化物セラミックとして
は、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ほう素などを使
用できる。
【0016】また、不活性雰囲気としては、窒素や、ア
ルゴン等を使用できる。
【0017】さらに、使用する有機質バインダとして
は、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルブチラールなどがある。これらのバインダの重量平均
分子量はいずれも1〜5万が望ましい。また、添加量と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール
とも1〜15重量%が望ましい。
【0018】アクリル系樹脂としては、「アクリル酸、
アクリル酸のエステルのいずれか1種以上」および/ま
たは「メタクリル酸、メタクリル酸エステルのいずれか
1種以上」からなる共重合体樹脂が望ましく、以下簡単
に「アクリル酸メタクリル酸共重合体樹脂」と記載す
る。
【0019】アクリル酸メタクリル酸共重合体樹脂の好
ましい添加量は酸価によって、顆粒状態にした場合と、
ペースト化してグリーンシート状に成形した場合で異な
る。顆粒状態とする場合は、酸価が5〜17KOHmg
/g、かつ、原料粉に対する添加量が2.5〜20重量
%が好ましく、グリーンシートとした場合は、酸価が5
〜17KOHmg/g以上のものを、原料粉に対する添
加量が2.5〜8重量%が好ましい。
【0020】アクリル系樹脂としては、一般に、例え
ば、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート及びメタクリル酸の共重合体等があり、これ
らの成分比を変えることにより酸価(KOHmg/g)や
ガラス転移点Tg、機械的成形性の良否を制御してバイ
ンダ樹脂を材料設計して調製できるので好都合である。
本発明においては、メタクリル酸との共重合体等を用い
ることができる。バインダとしてアクリル酸メタクリル
酸共重合体樹脂を用いた場合、該樹脂のガラス転移点T
gは、顆粒状体の場合−30℃〜−10℃、グリーンシ
ートの場合40℃〜60℃が好ましい。
【0021】また、バインダの他、溶剤や焼結助剤を添
加でき、溶剤としては、窒化物セラミックに対して非反
応性で、かつ、窒化物セラミック粉末の分散性に優れた
ものを使用することが好ましく、例えば、エタノール、
トルエン、イソプロピルアルコール、アセテート類、ブ
チルセルソルブ、ブチルカルビト−ルなどを使用する。
【0022】焼結助剤としては、稀土類元素、アルカリ
金属、アルカリ土類金属の酸化物を用いることができ、
とりわけ、イットリア、酸化カルシウム、酸化ルビジウ
ム、酸化リチウム等が好適である。これらのうち、少な
くとも1種を、窒化物セラミックに対して2〜8重量%
添加することが好ましい。
【0023】尚、この他、しばしば用いられる公知の表
面活性剤や可塑剤等の添加剤を、本発明の効果を阻害し
ない範囲において、適量添加することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】溶媒中に窒化物セラミック原料粉
と、有機質バインダとを添加混合し、噴霧乾燥して得た
顆粒をプレス成形して成形体を作製し、有機質バインダ
を熱分解して、炭素量を1000〜3000ppmに調
整した後、つまり、この範囲で焼結性を阻害することな
く、残炭量を500〜2000ppmに調整できるので
ある。なお、残炭量500ppm未満では明度が高す
ぎ、2000ppmを超えると焼結性が低下する。
【0025】(顆粒法)以下、プレス成形法に従って、
窒化物セラミックの好適例としての窒化アルミニウム焼
結体を作製する製造方法の一実施形態を説明する。プレ
ス成形法によって生成形体を製造する場合、まず、所望
の組成に配合して調製した顆粒を造粒するためのスラリ
ーを調製する。即ち、窒化アルミニウム原料粉末に対し
て、それぞれ所定量のバインダや、溶剤及び焼結助剤等
が所定量添加され、これらの混合物をボールミル等に投
入して所定時間混合混練することによってスラリーが調
製される。
【0026】これらの添加物のうち、溶剤等が揮発性の
成分であり、これらが全体重量の1〜30重量%を占
め、これ以外の窒化アルミニウム原料粉末、バインダの
樹脂成分、焼結助剤等が固形成分である。
【0027】本実施形態においては、バインダとして、
アクリル酸メタクリル酸共重合体、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラールなどを使用できる。本実施形
態においては、アクリル酸メタクリル酸共重合体を用い
て、その酸価及び添加量を前述のように規定し、また、
後述するように熱分解条件を設定して熱分解してバイン
ダ成分を炭化することにより、焼結体に対してその明度
を低下させる程度に炭化成分を生ぜしめ、なお且つ、従
来のバインダ添加条件の場合と同様にセラミック原料粉
末に対する濡れ性や生成形体密度等を維持し、窒化アル
ミニウム焼結体の物性に悪影響を及ぼさないようにし
た。
【0028】製造工程としては、次に、前記スラリーか
ら成形用顆粒を得たのち、これをプレス成形してプレス
成形体を得る。成形用顆粒は、スプレー(噴霧乾燥)造粒
法の定法に従って調製し、プレス成形体はプレス成形機
等を用いて作製する。このとき、スプレー造粒は、スプ
レードライヤー等によって行なう。
【0029】スプレードライヤーは、中空状の本体、そ
の本体の上部に設けられたアトマイザ、本体下部に位置
するサイクロン等の回収装置等を備えてなり、前記スラ
リーがポンプ等によって定量供給されつつアトマイザの
回転によってスラリーが霧状にされ本体中に落下噴射さ
せる。本体は、例えば、エタノールの蒸気圧が3kPa
程度に維持されており、窒素ガスによる加熱状態のもと
で顆粒状に造粒される。この顆粒のうち、粒径が所定範
囲よりも小さい顆粒や、所定の球状に造粒出来なかった
粒子、及び、窒素ガスはサイクロンに導入回収される。
大きい顆粒は、本体内で沈降し、適宜の分量ごとに篩通
しして回収される。
【0030】そして、得られた顆粒状の窒化アルミニウ
ムを所定の金型に充填し、プレス成形機等によって加圧
成形したのち、所望の発熱体配線等を生成形体の表面に
形成したのち、生成形体を積層して生成形体としての最
終的な形状に整えられる。
【0031】次に、この生成形体は、N2気流中で保持
温度300℃以上の分解条件でバインダ成分を分解して
炭化させた。このとき、300℃以上であれば適切に炭
化成分を残存させるが、300℃未満では、バインダ成
分の熱分解は殆ど進まず、残渣成分(分解残渣)が焼結
性を阻害するので好ましくない。350℃以上の分解条
件では、分解残渣が殆ど存在しないため有効である。
【0032】このバインダ成分の熱分解を行なうとき、
保持温度を高く設定して、例えば600℃とすると、焼
結体中で残存する成分の種類及び量が300℃以上の条
件の場合と同じとなるように熱分解を、例えば、0.5
〜6時間程度の短時間で行なってバインダ成分の炭化を
促進することができ、バインダ成分を熱分解して炭化さ
せるという制御性を損なうことなく短時間で工程を完了
することができる。なお、本実施形態においては、前記
分解条件が、N2雰囲気中で保持温度が400〜800
℃、保持時間が0.5〜6時間とされるのが好ましい。
【0033】こののち、N2気流中でホットプレスして
明度の低い黒色化した窒化アルミニウム焼結体基板を得
た。このような工程を経て発熱体等を焼結体中に備えた
所望の窒化アルミニウム焼結体基板が作製される。
【0034】本発明においては、粉末中にタングステ
ン、モリブデン製などの抵抗発熱線やタングステン、モ
リブデン製電極板を埋設してホットプレスして焼結体を
製造すると、ウエハプローバ、静電チャック、ホットプ
レート、サセプタなど各種の半導体製造・検査用のセラ
ミック板が得られる。
【0035】(グリーンシート)溶媒中に窒化物セラミ
ック原料粉と、有機質バインダを添加混合して得たスラ
リーをシート成形して成形体を作製し、該成形体のバイ
ンダを熱分解したのち焼成して焼結体を得る。製造工程
としては、まず、シート成形用のスラリーを調製する。
即ち、窒化アルミニウム原料粉末に対して、それぞれバ
インダや可塑剤、溶媒、分散剤及び焼結助剤等が所定量
添加され、これらの混合物をボールミル等に投入して所
定時間混合混練することによってスラリーが調製され
る。
【0036】溶媒としては、アセテート類、ブチルセル
ソルブ、ブチルカルビトールなどを使用する。
【0037】また、分散剤としては、例えば、マレイン
酸系部分エステル型の高分子分散剤、スチレン−マレイ
ン酸系部分エステル型の高分子分散剤を用いることがで
きる。尚、これらの添加物のうち、可塑剤及び溶媒等が
揮発性の成分であり、これらが全体重量の1〜30重量
%を占め、これ以外の窒化アルミニウム原料粉末、バイ
ンダの樹脂成分、焼結助剤等が固形成分である。
【0038】可塑剤としては、グリーンシートの柔軟性
を確保するために、例えば、アジピン酸エステル類や、
フタル酸エステル類等を添加するのが好ましい。このう
ち、特に、ジオクチルアジペート(DOA)又は、ジブチ
ルフタレート(DBP)等が小量の添加で際立った効果を
得る。
【0039】次に、前記スラリーからグリーンシートを
成形する。グリーンシートは、例えば、ドクターブレー
ド法等のシート成形法の定法に従って所定形状のグリー
ンシートに成形される。このとき、ドクターブレード法
によってグリーンシートを成形するには、ドクターブレ
ード装置や、成形用下地フィルム、乾燥炉等を備えてな
るドクターブレード成形機等が用いられる。
【0040】このうち、成形用下地フィルムはポリエチ
レンテレフタレート(polyethyleneterephthalate、PE
T) 等を基材とし、グリーンシートの定厚成形を保証す
べく平面性、平滑性及び離型性とを備えるよう適切に表
面処理されているものが用いられる。
【0041】スラリーは一旦、ドクターブレード装置中
の液溜部に貯留され、下地フィルムが巻き取り装置によ
って巻き取られながら移送されつつ、ドクターブレード
装置と下地フィルムとの間隙から下地フィルムの移送に
伴って薄層状に引き出される。このとき、前記間隙によ
ってスラリーの厚さが制御されて定量的にスラリーが下
地フィルム上に引出され、下地フィルムとともに乾燥炉
に送られる。
【0042】そして、乾燥炉中で、スラリー中に含有さ
れる揮発溶剤成分等が乾燥蒸発されてシートが薄層樹脂
状となって、下地フィルムの付いたグリーンシートが得
られる。そして、グリーンシートは、この下地フィルム
が付いた状態のまま、一旦、巻き取り装置に巻き取られ
る。
【0043】こののち、下地フィルムが付いた状態のグ
リーンシートは巻き戻されて平面に展開され、そのグリ
ーンシートの所望の位置に、スルーホール用の空洞部が
形成され、また、所望のスーホールや電極導体層等が、
導体材料を含有する粘液状の導体ペーストを用いてスク
リーン印刷法等の定法に従って印刷される。
【0044】導電ペーストとしては、タングステン、モ
リブデン、タングステンカーバイド、モリブデンカーバ
イドを使用できる。
【0045】こののち、グリーンシートは下地フィルム
が剥離され、グリーンシート同士が所定の積層体を得る
ように順序正しく積層され、所望形状に切断されたりし
て焼成前の生成形体としての最終的な形状に整えられ
る。
【0046】次に、この生成形体は、N2雰囲気中で保
持温度300℃以上の分解条件でバインダ成分を分解し
て炭化させた。このとき、300℃以上であれば適切に
炭化成分を残存させるが、300℃未満では、バインダ
成分の熱分解は殆ど進まず、残渣成分が焼結性を阻害す
るので好ましくない。
【0047】こののち、N2雰囲気中でホットプレスし
て明度の低い黒色化した窒化アルミニウム焼結体基板を
得た。このような工程を経て発熱体等を焼結体中に備え
た所望の窒化アルミニウム焼結体が作製され、ウエハプ
ローバ、静電チャック、ホットプレ−ト、サセプタなど
各種の半導体製造・検査用のセラミック板が得られる。
【0048】
【実施例】実施例1 以下に本発明を具体化した実施例を詳細に説明する。実
施例の説明中に記載した工程条件は、本発明に係わるバ
インダ成分の熱分解に関する条件の他の条件は、あくま
で一例であり、処理量等によって適宜変更される。
【0049】まず、平均粒径1.1μmの窒化アルミニ
ウム原料粉末に、ポリビニルアルコール(クラレ製商品
名ポバール)を10重量%、30重量%のエタノール、
及び平均粒径0.4μmのイットリアを5重量%添加し
て混合し、スラリーを調製する。
【0050】これらの成分組成にて、外径25mmの複
数個のテフロン(登録商標)製ボールを適量装入したボ
ールミル等を用いて16時間以上混練して2.5〜6.0
Pa・s(×10ps)(25℃)程度の粘度のスラリーを
得た。このスラリーを噴霧乾燥して前記顆粒を得た。こ
のような造粒工程により、粒径が、20〜500μm程
度の窒化アルミニウム顆粒が得られた。
【0051】こののち、この窒化アルミニウム顆粒を金
型に充填し、プレス圧が19.6MPa(200kg/
cm2)によって一軸プレス等で生成形体をプレス成形
し、生成形体を得た。
【0052】次に、所望の積層構造及び外形形状に整え
られた生成形体は、黒鉛ルツボ又はBNセッター等に装
入され、N2雰囲気中で、350℃で4時間有機質バイ
ンダを熱分解させた。有機質バインダの熱分解により、
成形体中の炭素量は2200ppmとなった。
【0053】この成形体をN2気流中で約1800℃で
3時間、14.7MPa(150kg/cm2)でホット
プレスすると、前述のように設定したバインダ成分を炭
化した状態で焼結を完了することができ、明度の低い黒
色化した窒化アルミニウムを得ることができた。炭素量
は810ppmであった。
【0054】本実施例では、有機質バインダとしてポリ
ビニルアルコールを使用したが、ポリビニルブチラール
(セキスイ化学製 商品名DM−S)を使用することもで
きる。実施例2 実施例1と同様であるが、分解温度を320℃とした。
【0055】(比較例1)実施例1と同様であるが、ポ
リビニルアルコールを20重量%とした。熱分解後の炭
素量は、3500ppmであった。 (比較例2)実施例1と同様であるが、ポリビニルアル
コールを5重量%とした。熱分解後の炭素量は、800
ppmであった。 (比較例3)実施例1と同様であるが、加圧せず、常圧
焼結させた。 (比較例4)実施例1と同様であるが、有機質バインダ
を熱分解させずに、加熱加圧して焼結させた。 (比較例5)実施例1と同様であるが、分解温度を29
0℃とした。
【0056】以上のようにして作製した窒化アルミニウ
ム焼結体を、その明度を「JISZ 8721」の規定
により測定して行った。本規定は、無彩色を基準として
理想的な黒と白との間で、その色の明るさの知覚を10
等分してN0〜N10として示すものである。この結
果、表1に示したように、実施例の何れの試料について
も明度4以下の値を得たが、比較例では、明度7であっ
た。
【表1】
【0057】このとき、窒化アルミニウム焼結体中の炭
素の成分比率を測定すると、実施例1、2は何れも、約
800ppmであったが、比較例1では、2500pp
m、比較例2では450ppm程度であった。比較例3
では、200ppm、比較例4では、2200ppmで
あった。比較例5では、200ppmであった。炭素分
析は、全炭素分析法と呼ばれる方法を使用した。
【0058】焼結性は、表面を鏡面研磨して、倍率20
00倍の電子顕微鏡で観察して気孔の存在を確認し、気
孔が見られなければ良とした。
【0059】
【発明の効果】本発明に係わる窒化物セラミック焼結体
の製造方法によれば、焼結性を損なうことなく、また炭
素や金属元素を原料に加えなくともバインダの成分を利
用して黒色化できるため製造工程も簡単で、また半導体
製造・検査装置にも使用できる低明度の窒化物セラミッ
クが得られる。このため、黒体輻射性がよく、焼結体中
に配設される発熱体等に対する隠蔽性を有するので、該
焼結体の測温制御性が向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物セラミック原料粉と、有機質バイ
    ンダとを添加混合し、これを成形して成形体を作製し、
    該成形体を、不活性雰囲気中で温度300℃以上という
    分解条件で前記有機質バインダを熱分解させて残炭量を
    1000〜3000ppmとし、ついで不活性雰囲気中
    で加圧加熱して、炭素量を減少させて炭素量500〜2
    000ppmの窒化物セラミックを得ることを特徴とす
    る窒化物セラミック焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記分解条件が、不活性雰囲気中で温度
    350℃以上である請求項1記載の窒化物セラミック焼
    結体の製造方法。
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