JP2001191905A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JP2001191905A
JP2001191905A JP2000001332A JP2000001332A JP2001191905A JP 2001191905 A JP2001191905 A JP 2001191905A JP 2000001332 A JP2000001332 A JP 2000001332A JP 2000001332 A JP2000001332 A JP 2000001332A JP 2001191905 A JP2001191905 A JP 2001191905A
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JP
Japan
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pressure
cylinder
brake
hydraulic pressure
master cylinder
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JP2000001332A
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English (en)
Inventor
Katsu Konishi
克 小西
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ操作の途中で補助液圧源が故障した
場合においても十分な制動力を確保できる上に、制動時
の電力消費を著しく低減可能であり、かつ、車両への搭
載も容易なブレーキ液圧制御装置を提供すること。 【解決手段】 補助液圧源bとホイールシリンダcとの
連通路に配置され、ブレーキコントローラdからの指令
により制御圧に調圧する制御弁eと、該制御弁eとホイ
ールシリンダcとの連通路に配置され、制御弁eからの
制御圧を一定の変換比によりホイールシリンダ圧に変換
する変換シリンダーfと、マスタシリンダaからの連通
路に配置され、マスタシリンダ液量を吸収するストロー
クシミュレータgと、マスタシリンダaとホイールシリ
ンダcとの連通路であって、ストロークシミュレータg
の下流位置で変換シリンダーfの上流位置に配置され、
通常は連通状態にあり、制御弁eから加圧された制御圧
が作用すると非連通に切り換えられ、この非連通状態で
高いマスタシリンダ圧が作用すると連通状態に切り換え
られる液圧作動切換弁hを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転者によるブレ
ーキ操作時に操作と異なる制動力を自在に発生させた
り、ブレーキ非操作時にでも目標とする制動力を発生さ
せることのできるブレーキ液圧制御装置の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーキ液圧制御装置としては、
例えば、SAE−Paper96/0991に記載のも
のが知られている。
【0003】この従来出典の106ページのFigur
e1には、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通
路に、通常はホイールシリンダ連通位置/ストロークシ
ミュレータ遮断位置で、ブレーキコントローラからの指
令によりホイールシリンダ遮断位置/ストロークシミュ
レータ連通位置に切り換えられる電磁切換弁が配置され
た装置が示されている。この装置では、ブレーキ操作と
は無関係に制動力を発生する場合、電磁切換弁が切り換
えられ、運転者がブレーキペダルへのブレーキ操作によ
りマスタシリンダで発生する液圧をホイールシリンダへ
供給する経路が遮断され、マスタシリンダで発生した液
量がペダルストロークシミュレータにより吸収される。
一方、オイルポンプ及びアキュムレータによる別個の圧
力源からの液圧を入力圧として複数の液圧制御バルブに
よりブレーキ液圧を調圧し、これをホイールシリンダに
供給することで制動力を発生させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブレーキ液圧制御装置にあっては、マスタシリンダ
とホイールシリンダとの間の連通を遮断し、マスタシリ
ンダにて発生する液圧を、通常と同様な液圧/液量特性
となるようにペダルストロークシミュレータにより吸収
させ、運転者が違和感を持たないような操作感触を得て
いる。この際、別個に設けられた圧力源が正常であれば
問題ないが、例えば、制動中に圧力源が故障を生じ、急
速に圧力が低下するような状況では、圧力センサからの
信号で圧力源故障であると判断されると、フェールセー
フとして、電磁切換弁がホイールシリンダ連通位置/ス
トロークシミュレータ遮断位置に切り換えられる。しか
し、運転者がブレーキ操作をしてもマスタシリンダが供
給し得る液量の大半を既にストロークシミュレータが消
費している操作に対する制動力の発生度合いの点で、運
転者が違和感を覚えるおそれがある。
【0005】また、従来装置は切換弁を含めて多数の電
磁弁を用いなければならず、制動時の電力消費が大き
く、例えば、電気自動車やハイブリッド車のような、回
生協調ブレーキに使用する場合、回生による電力吸収効
果が低下してしまうという問題がある。
【0006】さらに、従来装置では、大きな油圧ユニッ
トをエンジンルームに配置しなければならず、隣接する
部材との干渉を避けながらの車両への搭載には、多大な
工数を要する場合がある。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、ブレー
キ操作の途中で補助液圧源が故障した場合においても十
分な制動力を確保できる上に、制動時の電力消費を著し
く低減可能であり、かつ、車両への搭載も容易なブレー
キ液圧制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明では、運転者の操作力に応じたマスタシリンダ
圧を発生するマスタシリンダと、マスタシリンダ圧とは
別に液圧を作り出す補助液圧源と、供給されるブレーキ
液圧に応じて車輪に制動力を付与するホイールシリンダ
とを備え、マスタシリンダから発生する液圧と補助液圧
源から発生する液圧のうち少なくとも一方の液圧を選択
し、ホイールシリンダに付与するブレーキ液圧を制御す
るブレーキ液圧制御装置において、前記補助液圧源とホ
イールシリンダとの連通路に配置され、ブレーキコント
ローラからの指令により制御圧に調圧する制御弁と、該
制御弁とホイールシリンダとの連通路に配置され、制御
弁からの制御圧を一定の変換比によりホイールシリンダ
圧に変換する変換シリンダーと、前記マスタシリンダか
らの連通路に配置され、マスタシリンダ液量を吸収する
ストロークシミュレータと、前記マスタシリンダとホイ
ールシリンダとの連通路であって、ストロークシミュレ
ータの下流位置で変換シリンダーの上流位置に配置さ
れ、通常は連通状態にあり、前記制御弁から加圧された
制御圧が作用すると非連通に切り換えられ、この非連通
状態で高いマスタシリンダ圧が作用すると連通状態に切
り換えられる液圧作動切換弁を設けたことを特徴とす
る。
【0009】本発明のうち請求項2記載の発明では、請
求項1記載のブレーキ液圧制御装置において、前記変換
シリンダーとストロークシミュレータと液圧作動切換弁
を、シリンダー内に摺動可能に設けられたピストンに、
ストロークシミュレータ及び液圧作動切換弁を共に内包
させることで構成された1つの液圧調整手段としたこと
を特徴とする。
【0010】本発明のうち請求項3記載の発明では、請
求項1または請求項2記載のブレーキ液圧制御装置にお
いて、前記補助液圧源を、電動機もしくは車両の原動機
により駆動され、リザーバタンクからのブレーキ液を吸
引加圧するポンプと、ポンプにより発生した高圧液を貯
留するアキュムレータと、ポンプ発生圧が規定圧を超え
ると規定圧以上の圧力をリザーバタンクに逃がすリリー
フ弁により構成された手段としたことを特徴とする。
【0011】本発明のうち請求項4記載の発明では、請
求項1ないし請求項3記載のブレーキ液圧制御装置にお
いて、前記マスタシリンダからの連通路に、マスタシリ
ンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサを設けたこと
を特徴とする。
【0012】本発明のうち請求項5記載の発明では、請
求項1ないし請求項4記載のブレーキ液圧制御装置にお
いて、前記マスタシリンダとホイールシリンダとの連通
路であって、前記液圧作動切換弁よりもマスタシリンダ
側の位置に、ブレーキコントローラからの指令により連
通/非連通を切り換える電磁切換弁を設けたことを特徴
とする。
【0013】本発明のうち請求項6記載の発明では、請
求項1ないし請求項5記載のブレーキ液圧制御装置にお
いて、4輪にそれぞれ設けられたホイールシリンダを、
前後配管車両では、前輪左右/後輪左右、クロス配管車
両では、左前輪と右後輪/右前輪と左後輪を連通する流
路を設けると共に、ブレーキコントローラからの指令に
より連通/非連通を切り換える電磁平衡弁を設けたこと
を特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】本発明のうち請求項1記載の
発明にあっては、運転者が制動の意思を持ちブレーキ操
作を行う通常制動時には、マスタシリンダから液圧が発
生し、この液圧が連通状態の液圧作動切換弁を介してそ
のままホイールシリンダに供給され制動力が発生する。
この場合、運転者のブレーキ操作と制動力の関係が一定
の関係を維持するため、例えば、倍力助勢制動や回生協
調ブレーキ等では、運転者に通常の操作感触を与えなが
ら、ホイールシリンダに供給する液圧を調整する必要が
ある。このために、運転者が発生させた液圧を、通常と
同様な液圧/液量特性になるように、ストロークシミュ
レータに吸収させ、運転者が違和感を持たないような操
作感触とし、別個に設けられた補助液圧源を用い、補助
液圧源からの液圧を制御弁や変換シリンダー等で調整し
た上で、ホイールシリンダに供給する。すなわち、ブレ
ーキコントローラからの指令により制御弁において補助
液圧源からの液圧がブレーキ操作に応じた制御圧に調圧
され、この制御圧が液圧作動切換弁と変換シリンダーに
作用することで、液圧作動切換弁側では自動的に非連通
側に切り換えられ、変換シリンダー側では入力される制
御圧が一定の変換比によりホイールシリンダ圧に変換さ
れ、これがホイールシリンダに供給されることで、制御
圧に応じた制動力を得ることができる。自動ブレーキ等
のようにブレーキ操作を行うことなく制動力を発生させ
る時には、ブレーキコントローラからの指令により制御
弁において補助液圧源からの液圧が制御圧に調圧され、
この制御圧が液圧作動切換弁と変換シリンダーに作用す
ることで、液圧作動切換弁側では自動的に非連通側に切
り換えられ、変換シリンダー側では入力される制御圧が
一定の変換比によりホイールシリンダ圧に変換され、こ
れがホイールシリンダに供給されることで、制御圧に応
じた制動力を得ることができる。前記ブレーキ操作を伴
う制動制御の途中で、補助液圧源が故障し、急速に圧力
が低下するような状況では、運転者がブレーキを強く操
作すると、液圧作動切換弁が高いマスタシリンダ圧によ
り連通側に切り換えられ、ストロークシミュレータに溜
められていたブレーキ液がマスタシリンダ及びホイール
シリンダに排出され、マスタシリンダからホイールシリ
ンダに至るブレーキ系統内の液量が不足することがな
い。この状態でマスタシリンダ圧が高められると、連通
状態の液圧作動切換弁を介してマスタシリンダ圧がホイ
ールシリンダに供給され、十分な制動力を確保すること
ができる。よって、ブレーキ操作の途中で補助液圧源が
故障した場合においても十分な制動力を確保できる。そ
の上に、補助液圧源からの液圧により制動力を得る制動
時、従来は電磁切換弁を制御中連続作動させていたのに
対し、制御圧を作動信号圧として自動的に切換作動が行
われる液圧作動切換弁を用いたことにより、電力消費を
著しく低減可能である。しかも、制御弁とストロークシ
ミュレータと変換シリンダーと液圧作動切換弁とは、各
輪毎に集約することが可能であるため、例えば、従来の
ABSユニットが搭載されていた場所に、圧力源セクシ
ョンを配置し、その他の部分は各サスペンション周辺に
分散配置することが可能である。各輪サスペンション周
辺には、例えば、ホイルハウス内等に小型ユニットを配
置することが可能であるし、通常は未利用の場所が容易
に確保できる。さらに、ストラット基部等のサスペンシ
ョン部品と一体に構成し、モジュール化への発展も可能
であるというように、車両への搭載も容易である。
【0015】本発明のうち請求項2記載の発明にあって
は、変換シリンダーとストロークシミュレータと液圧作
動切換弁が、シリンダー内に摺動可能に設けられたピス
トンに、ストロークシミュレータ及び液圧作動切換弁を
共に内包させることで構成された1つの液圧調整手段と
される。よって、変換シリンダーとストロークシミュレ
ータと液圧作動切換弁をそれぞれ独立の構成とする場合
に比べ、部品点数が低減されるし、より小型化を図るこ
とができる。特に、上記のように各サスペンション周辺
にモジュールセクションとして配置する場合に有効な手
段とすることができる。
【0016】本発明のうち請求項3記載の発明にあって
は、補助液圧源が、電動機もしくは車両の原動機により
駆動され、リザーバタンクからのブレーキ液を吸引加圧
するポンプと、ポンプにより発生した高圧液を貯留する
アキュムレータと、ポンプ発生圧が規定圧を超えると規
定圧以上の圧力をリザーバタンクに逃がすリリーフ弁に
より構成される。よって、制御弁の入力圧として、規定
圧を超えることがなく、しかも、多少の液量消費によっ
ても圧力レベルの変化が小さく抑えられた安定した液圧
を供給することができる。
【0017】本発明のうち請求項4記載の発明にあって
は、マスタシリンダからの連通路に、マスタシリンダ圧
を検出するマスタシリンダ圧センサが設けられる。よっ
て、通常制動時や回生協調ブレーキ制御において、マス
タシリンダ圧センサにより検出されるマスタシリンダ圧
により要求制動力を知ることができ、この要求制動力に
基づいて制御弁により作り出す目標制御圧を決めること
ができる。
【0018】本発明のうち請求項5記載の発明にあって
は、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通路であ
って、液圧作動切換弁よりもマスタシリンダ側の位置
に、ブレーキコントローラからの指令により連通/非連
通を切り換える電磁切換弁が設けられる。まず、制動時
に車輪の制動ロックを防止するABS制御時、一時的に
ホイールシリンダ圧がマスタシリンダ圧よりも著しく低
下する場合がある。この場合には、ホイールシリンダ圧
とマスタシリンダ圧の圧力差が液圧作動切換弁に作用
し、液圧作動切換弁のセット荷重にて液圧作動切換弁の
閉塞状態を維持できなくなるおそれがある。よって、A
BS作動指令が出力された場合、ブレーキコントローラ
からの指令により電磁切換弁を非連通側に切り換えるこ
とで、例え液圧作動切換弁が連通側となっても、運転者
によるマスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧に影響し
ないようになり、適切なABS制御ができる。
【0019】本発明のうち請求項6記載の発明にあって
は、4輪にそれぞれ設けられたホイールシリンダを、前
後配管車両では、前輪左右/後輪左右、クロス配管車両
では、左前輪と右後輪/右前輪と左後輪を連通する流路
が設けられると共に、ブレーキコントローラからの指令
により連通/非連通を切り換える電磁平衡弁が設けられ
る。まず、本発明は基本的に4輪の制動力を各個に独立
制御できる構成としている。しかしながら、車間距離を
保つための自動ブレーキ機能等、4輪独立制御を行う頻
度が少ない場合、制御弁や変換シリンダーの摺動抵抗の
ばらつき等により、4輪に付加される液圧が微妙に異な
る状態で長時間使用される場合があり得る。このため、
自動ブレーキ制御中に制動力差が発生し直進での制動が
微妙にずれる可能性が考えられる。よって、自動ブレー
キ等のように4輪の制動力が同一で良い場合は、電磁平
衡弁を連通状態のままとし、4輪中の2輪は各々の液圧
ばらつきを平準化することで、制動力差が出るのを解消
することができる。ABS制御やVDC制御等で各輪独
立の液圧制御が必要な場合、電磁平衡弁を非連通状態
(遮断状態)のままとすることで、各輪個別の制動制御
が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は
請求項1〜請求項5に記載の発明に対応するブレーキ液
圧制御装置である。
【0021】構成を説明する。
【0022】図1は実施の形態1におけるブレーキ液圧
制御装置の要部を示す概念図で、aはマスタシリンダ、
bは補助液圧源、cはホイールシリンダ、dはブレーキ
コントローラ、eは制御弁、fは変換シリンダー、gは
ストロークシミュレータ、hは液圧作動切換弁、iは液
圧調整手段、jはリザーバタンク、kはマスタシリンダ
圧センサ、mは電磁切換弁であり、ブレーキペダルnを
踏み込むブレーキ操作力と異なる制動力を得る場合は、
運転者が発生させた液圧を、通常と同様な液圧/液量特
性になるように、ストロークシミュレータgにマスタシ
リンダ液量を吸収させ、運転者が違和感を持たないよう
な操作感触とされる。そして、別個に設けられた補助液
圧源bを用い、ブレーキコントローラdからの指令によ
り制御弁eにおいて制御圧に調圧され、この制御圧が液
圧作動切換弁hと変換シリンダーfに作用する。この制
御圧が作用することで、自動的に液圧作動切換弁hは非
連通側に切り換えられ、制御圧のマスタシリンダa側へ
の供給が遮断され、一方、変換シリンダーfは入力され
る制御圧を一定の変換比によりホイールシリンダ圧に変
換し、これをホイールシリンダcに供給することで、制
御圧に応じた制動力が得られる。
【0023】図2は実施の形態1のブレーキ液圧制御装
置を示す全体回路図で、パワーサプライセクションは、
ブレーキペダル1、マスタシリンダ2、リザーバタンク
3、ブレーキペダルスイッチ4、電磁切換弁MCS、マ
スタシリンダプライマリ圧センサ5、マスタシリンダセ
カンダリ圧センサ6、ポンプPUMP、アキュムレータ
ACC、リリーフ弁PRV、アキュムレータ圧センサ
7,チェック弁CHVにより構成される。
【0024】各輪のモジュールセクションは、制御弁R
RV,FLV,FRV,RLVと液圧調整シリンダーR
RCC,FLCC,FRCC,RLCCにより構成され
ている。
【0025】前記パワーサプライセクションと前記各輪
のモジュールセクションは、マスタシリンダプライマリ
圧油路8と、マスタシリンダセカンダリ圧油路9と、ア
キュムレータ圧油路10と、リターン油路11により連
結されている。
【0026】前記制御弁RRV,FLV,FRV,RL
Vの出力ポートと液圧調整シリンダーRRCC,FLC
C,FRCC,RLCCの入力ポートは、制御圧油路1
2を介して連結され、前記液圧調整シリンダーRRC
C,FLCC,FRCC,RLCCの出力ポートは、ホ
イールシリンダ圧油路13を介してホイールシリンダ1
4RR,14FL,14FR,14RLに連結されている。
【0027】前記マスタシリンダ2は、ブレーキペダル
1へのペダル踏力に応じたマスタシリンダ圧を発生す
る。
【0028】補助液圧源は、電動機(もしくは車両の原
動機)により駆動され、リザーバタンク3からのブレー
キ液を吸引加圧するポンプPUMPと、ポンプPUMP
により発生した高圧液を貯留するアキュムレータACC
と、ポンプ発生圧が規定圧を超えると規定圧以上の圧力
をリザーバタンク3に逃がすリリーフ弁PRVにより構
成される。
【0029】前記制御弁RRV,FLV,FRV,RL
Vは、各モジュールセクション毎に配置され、図外のブ
レーキコントローラからの指令によりアキュムレータ圧
を目標とする制御圧に調圧する弁である。
【0030】同じ構造を持つこれら制御弁Vの構成を図
3により説明すると、制御弁Vは、図外のブレーキコン
トローラから制御指令としての電流が印加される比例ソ
レノイド20と、該比例ソレノイド20により推力が与
えられるソレノイド側スプール21と、バルブ穴22に
ストローク可能に設けられ一端にソレノイド側スプール
21が接するメインスプール23と、該メインスプール
23の他端に接するサブスプール24と、前記バルブ穴
22の入力圧ポート22aに連通するアキュムレータ圧
油路10と、バルブ穴22のドレーンポート22bに連
通するリターン油路11と、バルブ穴22の制御圧ポー
ト22cに連通する制御圧油路12と、バルブ穴22の
フィードバック圧ポート22dに連通するフィードバッ
ク圧油路28と、前記メインスプール23を付勢する第
1スプリング29と、前記サブスプール24を付勢する
第2スプリング30と、を有して構成されている。
【0031】作動原理は、スプール23,24には、図
3の右から押す力として比例ソレノイド推力が作用し、
左から押す力としてスプリング力及びスプール24の受
圧面に加わるフィードバック圧による力が作用する。そ
して、両者の釣り合いにより制御圧が調圧される。すな
わち、比例ソレノイド20によりメインスプール23に
右から押す力が大きければアキュムレータ圧油路10と
制御圧油路12が接続され、制御圧油路12の油圧が上
昇する。しかし、制御圧が高くなればフィードバック圧
による力がメインスプール23を左から押し、リターン
油路11と制御圧油路12が接続され、制御圧が低下す
る。このため、左右の力の釣り合いが保たれ、比例ソレ
ノイド20の推力に比例した制御圧が得られる。言い換
えると、比例ソレノイド20に与える電流の大きさによ
って制御圧を任意に設定することができる。
【0032】前記液圧調整シリンダーRRCC,FLC
C,FRCC,RLCCは、各モジュールセクション毎
に配置され、ブレーキコントローラからの指令によらず
油圧作動によりホイールシリンダ圧を作り出す液圧調整
手段で、マスタシリンダ液量を吸収するストロークシミ
ュレータ機能と、通常は連通状態にあり、前記制御弁R
RV,FLV,FRV,RLVから加圧された制御圧が
作用すると非連通に切り換えられ、この非連通状態で高
いマスタシリンダ圧が作用すると連通状態に切り換えら
れる液圧作動切換弁機能と、前記制御弁RRV,FL
V,FRV,RLVからの制御圧を一定の変換比(実施
の形態1では大径室側受圧面積と小径室側受圧面積の
比)によりホイールシリンダ圧に変換する変換シリンダ
ー機能を兼ね備えている。
【0033】同じ構造を持つこれら液圧調整シリンダー
CCの構成を図4により説明すると、液圧調整シリンダ
ーCCは、入力ポート40a(制御圧ポート)と出力ポ
ート40b(ホイールシリンダ圧ポート)とマスタシリ
ンダ圧ポート40cとドレーンポート40dを有するシ
リンダ40と、該シリンダ40内に形成された大径室4
1と小径室42に対し摺動可能に設けられたピストン4
3及びピストンプラグ44と、該ピストン43及びピス
トンプラグ44を図中右方向に付勢するリターンスプリ
ング45と、前記シリンダ40に固定されたサブピスト
ンピン46と、前記ピストン43とピストンプラグ44
により形成されたストロークシミュレータ室47に摺動
可能に設けられたサブピストン48と、該サブピストン
48を付勢するサブピストンスプリング49と、前記シ
リンダ40に固定されたピストンピン50と、前記ピス
トン43に形成されたセンターバルブ室51に摺動可能
に設けられたセンターバルブ52と、該センターバルブ
52を付勢するセンターバルブスプリング53とを有し
て構成されている。
【0034】よって、サブピストンピン46とストロー
クシミュレータ室47とサブピストン48とサブピスト
ンスプリング49により、マスタシリンダ2から供給さ
れたブレーキ液を受け、サブピストン48を摺動させる
ことでマスタシリンダ液量を吸収するストロークシミュ
レータ機能が発揮され、ピストンピン50とセンターバ
ルブ室51とセンターバルブ52とセンターバルブスプ
リング53により、シリンダ40に固定されたピストン
ピン50により通常は強制的に連通状態にあり、制御圧
が作用するとピストンピン50による規制が外されて非
連通に切り換えられ、この非連通状態で高いマスタシリ
ンダ圧が作用するとセンターバルブスプリング53を押
し縮めて連通状態に切り換えられる液圧作動切換弁機能
が発揮され、シリンダ40と大径室41と小径室42と
ピストン43とピストンプラグ44とリターンスプリン
グ45により、制御圧を大径室41側受圧面積と小径室
42側受圧面積の比によりホイールシリンダ圧に変換す
る変換シリンダー機能が発揮される。
【0035】次に、作用効果を説明する。
【0036】[通常制動時]運転者が制動の意思を持ち
ブレーキ操作を行う通常制動時には、マスタシリンダ2
から液圧が発生し、図4に示すように、液圧調整シリン
ダーCCが非作動状態で、マスタシリンダ圧ポート40
cと出力ポート40bがセンターバルブ52を介して連
通状態にあるため、マスタシリンダ2から液圧がそのま
まホイールシリンダ14に供給され制動力が発生する。
【0037】この場合、運転者のブレーキ操作と制動力
の関係が一定の関係を維持するため、例えば、倍力助勢
制動や回生協調ブレーキ等では、運転者に通常の操作感
触を与えながら、ホイールシリンダ14に供給する液圧
を調整する必要がある。このために、運転者が発生させ
た液圧を、通常と同様な液圧/液量特性になるように、
ストロークシミュレータ室47に吸収させ、運転者が違
和感を持たないような操作感触とし、別個に設けられた
ポンプPUMP及びアキュムレータACCによる補助液
圧源を用い、補助液圧源からのアキュムレータ圧を制御
弁Vや液圧調整シリンダーCCで調整した上で、ホイー
ルシリンダ14に供給する。
【0038】このときの作動について以下説明する。運
転者のブレーキ操作開始を検出(ブレーキペダルスイッ
チ4やマスタシリンダ圧センサ5,6等)すると、図外
のブレーキコントローラからの指令により制御弁Vにお
いて補助液圧源からのアキュムレータ圧がブレーキ操作
に応じた制御圧に調圧され、この制御圧が液圧調整シリ
ンダーCCの大径室41側に導入される。液圧調整シリ
ンダーCCは、図5に示すように、導入された液圧によ
り、内包されたピストン43が図中左方に移動するた
め、センターバルブ52を規制していたピン50との位
置関係が変化し、センターバルブ52が閉弁する。つま
り、マスタシリンダ2〜ホイールシリンダ14間の連通
を遮断する。これにより、大径室41側の液圧に応じ
て、小径室42側に液圧が発生し、ホイールシリンダ1
4を加圧する。また、同時にマスタシリンダ2からの液
圧は、ピストン43の移動に伴い、ピストン43に内包
されたサブピストン48が、ピン46との位置関係変化
に伴い、図中右方への移動を許可されて生じるストロー
クシミュレータ室47に導かれる。このため、運転者は
サブピストン48を図中左方に付勢しているスプリング
49による力を反力として、自然な操作感を得ることが
可能である。この状態では、運転者により発生されたマ
スタシリンダ圧と、ホイールシリンダ圧とは完全に分離
されており、図外のブレーキコントローラにより制御さ
れた制御弁Vの出力にて、自在な制動力制御が可能とな
る。
【0039】[自動ブレーキVDC/TCS時]ブレー
キ操作を行うことなく制動力を発生/制御する場合、い
わゆる自動ブレーキ時や、VDC(ビークル・ダイナミ
クス・コントローラ:車両の横滑りを4輪独立のブレー
キ制御により軽減させる車両挙動制御)動作時や、TC
S(トラクション・コントロール・システム:発進・加
速時等で駆動輪スリップを抑制するトラクション制御)
動作時には、図外のブレーキコントローラからの指令に
より制御弁Vにおいて補助液圧源からのアキュムレータ
圧を制御圧に調圧し、図6に示すように、この制御圧を
液圧調整シリンダーCCの大径室41に作用させること
で、自動的にマスタシリンダ2〜ホイールシリンダ14
間の連通が遮断され、大径室41側の液圧に応じて、小
径室42側に液圧が発生し、これがホイールシリンダ1
4に供給されることで、制御圧に応じた制動力を得るこ
とができる。
【0040】上記のように、マスタシリンダ2〜ホイー
ルシリンダ14間の連通を遮断するにあたって、本例で
は液圧調整シリンダーCCにおいて液圧作動により自動
的になされ、従来装置のように、電磁切換弁を制御中連
続作動させる必要がないため、電力消費を著しく低減す
ることが可能となる。
【0041】図8はVDC動作の流れを示すフローチャ
ートで、以下、各ステップについて説明する。
【0042】ステップ80にてイグニッションスイッチ
が投入されると、ステップ81にて自己診断動作が行わ
れる。そして、自己診断動作が終了すると、ステップ8
2へ進み、アキュムレータ圧は規定値以上かどうかが判
断され、規定値に満たない場合にはステップ83へ進
み、ポンプPUMPを作動させる指令が出力される。ス
テップ82でアキュムレータ圧は規定値以上である場合
には、ステップ84へ進み、ブレーキコントローラEC
Uにおいて車両の搭載されている車両挙動制御装置から
VDC作動指令の入力時かどうかが判断される。
【0043】そして、VDC作動指令を入力すると、ス
テップ85へ進み、アキュムレータ圧は規定値以上かど
うかが判断され、規定値に満たない場合にはステップ8
6へ進み、ポンプPUMPを作動させる指令が出力され
る。ステップ85でアキュムレータ圧は規定値以上、も
しくは、ステップ86でポンプPUMPが作動された場
合には、ステップ87へ進み、ステップ87では、ブレ
ーキコントローラECUが制動輪を選定し、該当する制
動輪の制御弁Vに目標液圧が指示される。次のステップ
88では、指示に基づき制御弁Vが作動し、アキュムレ
ータ圧が目標液圧に調圧される。次のステップ89で
は、制御弁Vにより調圧された制御圧に応じて液圧調整
シリンダーCCが該当する個々の制動輪に対し、増圧/
保持/減圧の制御を行う。
【0044】そして、ステップ90において、車両挙動
が回復したかどうかが判断され、車両挙動が回復するま
ではステップ85〜ステップ89の個別ブレーキ制御が
行われ、車両挙動が回復すると、ステップ91へ進み、
アキュムレータ圧は規定値以上かどうかが判断され、規
定値に満たない場合にはステップ92へ進み、ポンプP
UMPを作動させる指令が出力される。ステップ91に
てアキュムレータ圧が規定値以上であると判断される
と、ステップ84へ戻り、次のVDC作動指令の入力が
待たれる。なお、ステップ84のVDC作動指令に代え
TCS作動指令とし、ステップ90の車両挙動回復に代
え駆動輪スリップ収束にすることで、TCS動作にも適
用することができる。
【0045】[BBW中アキュムレータ圧低下時]上記
通常制動時の作用で説明したように、ブレーキ操作を伴
う制動制御の途中で補助液圧源が故障し、液圧調整シリ
ンダーCCの大径室41の供給液圧が急速に圧力が低下
すると、図7に示すように、それまで発生していた小径
室42側の圧力により、液圧調整シリンダーCCに内包
されたピストン43が図中右方へ移動する。この際、ピ
ストン43に内包されたサブピストン48は、ピン46
により規制され、図中右方へ移動するピストン43と行
動を共にしない。このため、故障発生までサブピストン
48のストロークシミュレータ室47に保持されていた
マスタシリンダ2より発せられた液量が、マスタシリン
ダ2及びホイールシリンダ14側に排出される。この状
態で運転者のペダル操作により、マスタシリンダ圧が高
められると、センターバルブ52が開き、センターバル
ブ52を介してホイールシリンダ14を加圧することが
できる。
【0046】つまり、従来例であれば、マスタシリンダ
〜ホイールシリンダの連通ができても、故障発生時点ま
でのマスタシリンダ液量(ストローク)が、ストローク
シミュレータに吸収されてしまっているので、マスタシ
リンダが圧力を十分に発揮できるための液量(=ストロ
ーク)が不足してしまうという問題が、本実施の形態で
あれば生じない。すなわち、ブレーキ操作を伴う制動制
御の途中で、補助液圧源が故障した時でも、十分な制動
力を確保することができる。
【0047】[ABS作動時]図9はABS動作(MC
S有り)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステ
ップについて説明する。
【0048】ステップ100にてイグニッションスイッ
チが投入されると、ステップ101にて自己診断動作が
行われる。そして、自己診断動作が終了すると、ステッ
プ102へ進み、アキュムレータ圧は規定値以上かどう
かが判断され、規定値に満たない場合にはステップ10
3へ進み、ポンプPUMPを作動させる指令が出力され
る。ステップ102でアキュムレータ圧は規定値以上で
ある場合には、ステップ104へ進み、ブレーキペダル
スイッチ4等からの信号に基づいてブレーキ踏み込み時
かどうかが判断される。
【0049】そして、ブレーキ踏み込み時であると判断
されると、ステップ105へ進み、ステップ105で
は、マスタシリンダ圧センサ5,6からの出力値により
ドライバー目標減速度が推定され、目標液圧が算出され
る。次のステップ106では、ブレーキコントローラE
CUが全制動輪の制御弁Vに目標液圧を指示し、次のス
テップ107では、指示に基づき制御弁Vが作動し、ア
キュムレータ圧が目標液圧に調圧され、次のステップ1
08では、制御弁Vにより調圧された制御圧に応じて液
圧調整シリンダーCCが全輪に対し増圧/保持の制御を
行う。
【0050】そして、ステップ109において、ABS
作動時かどうかが判断され、NOの場合はステップ11
5へ進む。ステップ109でYESの場合はステップ1
10へ進み、ステップ110では電磁切換弁MCSに対
し閉じ側に切り換えるON指令が出力され、ステップ1
11でブレーキコントローラECUが車輪速センサの出
力値によりロック輪を検出し、車輪速が復帰するまで該
当する車輪の制御弁Vに対し液圧制御を指示し、ステッ
プ112で制御弁Vにより調圧された圧力に応じ、該当
する車輪の液圧調整シリンダーCCが増圧/保持/減圧
を制御する。
【0051】そして、ステップ113では、車輪のロッ
クが回復したかどうかが判断され、ロックが回復するま
ではステップ111及びステップ112の個別ブレーキ
制御が行われ、ロックが回復すると、ステップ114へ
進み、電磁切換弁MCSに対し開き側に切り換えるOF
F指令が出力される。そして、ステップ115では、ブ
レーキ解除かどうかが判断され、NOの場合はステップ
105へ戻り、YESの場合はステップ104へ戻り、
次のブレーキ踏み込みの入力が待たれる。
【0052】一方、図10はABS動作(MCS無し)
の流れを示すフローチャートで、このフローチャートで
は、図9のステップ110及びステップ114が無く、
加えて、ステップ113で車輪のロックが回復していな
いと判断された場合、制御弁Vはフル減圧を実施してい
るかどうかが判断され、フル減圧を実施している場合に
は、ステップ117へ進み、制御弁Vが減圧に入っても
マスタシリンダ圧が高く、液圧調整シリンダーCCのセ
ンターバルブ52からマスタシリンダ圧がホイールシリ
ンダ14に流入し、減圧不能となる。これによって、ス
テップ118では車輪ロックから回復せずにABSフェ
ールになってしまう。
【0053】すなわち、上記ABS制御時、一時的にホ
イールシリンダ圧がマスタシリンダ圧よりも著しく低下
する場合がある。この場合に電磁切換弁MCS無しであ
ると、ホイールシリンダ圧とマスタシリンダ圧の圧力差
がセンターバルブ52に作用し、センターバルブ52の
スプリング53によるセット荷重にてセンターバルブ5
2の閉塞状態を維持できなくなるおそれがある(図10
のステップ116〜ステップ118)。
【0054】これに対し、電磁切換弁MCS有りの場
合、ABS制御時、ブレーキコントローラECUからの
指令により電磁切換弁MCSを非連通(遮断)側に切り
換えることで、例えセンターバルブ52が連通側となっ
ても、運転者によるマスタシリンダ圧がホイールシリン
ダ圧に影響しないようになり、適切なABS制御ができ
る。
【0055】[液圧調整シリンダー効果]液圧調整シリ
ンダーCCの効果として、センターバルブ52を図中右
方に付勢しているスプリング53の特性により、上記マ
スタシリンダ2〜ホイールシリンダ14間の連通特性を
容易に設定することが可能である。つまり、回生協調ブ
レーキシステムのように、運転者によるマスタシリンダ
圧より、制御弁Vで制御されたホイールシリンダ圧が低
くなる場合、スプリング53のセット荷重を高めに設定
することで、マスタシリンダ圧よりホイールシリンダ圧
が、最大回生力と同等の減速度相当液圧まで低下しても
センターバルブ52は開弁しない。
【0056】また、スプリング53のセット荷重を低く
設定しておけば、自動ブレーキやVDC等、制御弁Vに
て制御された液圧のみがホイールシリンダ14に付加さ
れるシステムの場合、運転者の意とする減速度より低い
減速度しか発生しない状況で運転者がブレーキ操作を行
い、操作時のホイールシリンダ圧を超えるマスタシリン
ダ圧が発生すれば、即時、センターバルブ52が開弁
し、運転者が所望する減速度を得ることが可能である。
【0057】また、これらについては、電力が遮断され
た場合も自動的に上記作動に至るように液圧作動による
センターバルブ52にて構成されているため、図外のブ
レーキコントローラの故障等により、補助液圧源が停止
するような場合も自動的に制動力を確保することが可能
である。つまり、フェールセーフ機能も発揮されること
になる。
【0058】[システムレイアウト]本システムの如き
機能を有するユニットは、従来例からも明らかなよう
に、通常のブレーキシステムに比べ、圧力源装置関係が
増加することになり、新たに車両へ搭載する場合、大き
なスペースが必要である。つまり、通常システムでは、
あBSユニットを搭載していた場所に、ABS以上の数
の電磁弁とポンプ及びアキュムレータを内包する大きさ
のユニットを置かねばならず、周辺部品の移動、車体の
変更等、開発工数や部品価格、さらに車両組立設備等を
含めて多大な出費を要してしまう。システム構成上は、
ブレーキブースタの削除で、同程度の容積とみることが
できるが、ブレーキブースタが通常配置されている場所
は、マスタシリンダと隣接する位置であり、マスタシリ
ンダとの関係からも有効利用が困難である。
【0059】これに対し、本実施の形態では、圧力調
節、油路の切り換え、マスタシリンダ液量の吸収機能
を、各輪毎に集約することが可能であるため、例えば、
従来ABSユニットが搭載されていた場所に圧力源装置
(図2のパワーサプライセクション)を配置し、その他
の部分(図2のモジュールセクション)は、各輪のサス
ペンション周辺に分散配置することが可能である。各輪
サスペンションの周辺には、例えばホイールハウス内
等、小型ユニットを配置することが可能であり、且つ、
通常は未利用の場所が容易に確保できる。さらに、配管
の課題はあるが、ストラット基部等、サスペンション部
品と一体に構成し、モジュール化への発展も可能であ
る。
【0060】(実施の形態2)
【0061】請求項6記載の発明に対応する実施の形態
2について説明する。
【0062】この実施の形態2では、実施の形態1のよ
うにクロス配管車両では、図11に示すように、左前輪
のホイールシリンダ14FLと右後輪のホイールシリンダ
14RRを連通する流路15と、右前輪のホイールシリン
ダ14FRと左後輪のホイールシリンダ14RLを連通する
図外の流路を設けると共に、両流路15,15の途中に
図外のブレーキコントローラからの指令により連通/非
連通を切り換える電磁平衡弁SBSをそれぞれ設けた例
である。なお、他の構成については実施の形態1と同様
であるので、図示並びに説明を省略する。また、前後配
管車両の場合は、前輪左右と後輪左右間をそれぞれ流路
により連通し、両流路の途中に電磁平衡弁SBSを設け
ることになる。
【0063】まず、本発明は基本的に4輪の制動力を各
個に独立制御できる構成としている。しかしながら、車
間距離を保つための自動ブレーキ機能等、4輪独立制御
を行う頻度が少ない場合、制御弁Vや液圧調整シリンダ
ーCCの摺動抵抗のばらつき等により、4輪に付加され
る液圧が微妙に異なる状態で長時間使用される場合があ
り得る。このため、自動ブレーキ制御中に制動力差が発
生し直進での制動が微妙にずれる可能性が考えられる。
【0064】よって、自動ブレーキ等のように4輪の制
動力が同一で良い場合は、電磁平衡弁SBSを連通状態
のままとし、4輪中の2輪は各々の液圧ばらつきを平準
化することで、制動力差が出るのを解消することができ
る。また、ABS制御やVDC制御等で各輪独立の液圧
制御が必要な場合、電磁平衡弁SBSを非連通状態(遮
断状態)のままとすることで、各輪個別の制動制御が可
能である。
【0065】(その他の実施の形態)以上、本発明を実
施の形態1及び実施の形態2により説明してきたが、具
体的な構成はこれに限られるものでなく、少なくとも図
1に示すブレーキ液圧制御装置の構成を備えている限
り、様々な変更や追加が施されても請求項1に記載され
た発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるブレーキ液圧制御装置の
要部を示す概念図である。
【図2】実施の形態1のブレーキ液圧制御装置を示す全
体回路図である。
【図3】実施の形態1のブレーキ液圧制御装置に用いら
れた比例電磁弁を示す図である。
【図4】実施の形態1のブレーキ液圧制御装置に用いら
れた液圧調整シリンダーを示す断面図である。
【図5】実施の形態1のブレーキ液圧制御装置に用いら
れた液圧調整シリンダーの通常制動時における動作説明
図である。
【図6】実施の形態1のブレーキ液圧制御装置に用いら
れた液圧調整シリンダーの自動ブレーキVDC/TCS
時における動作説明図である。
【図7】実施の形態1のブレーキ液圧制御装置に用いら
れた液圧調整シリンダーのブレーキ・バイ・ワイヤ制動
中でのアキュムレータ圧低下時における動作説明図であ
る。
【図8】実施の形態1におけるブレーキ液圧制御装置で
のVDC動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1におけるブレーキ液圧制御装置で
のMCS有りのABS動作を示すフローチャートであ
る。
【図10】実施の形態1におけるブレーキ液圧制御装置
でのMCS無しのABS動作を示すフローチャートであ
る。
【図11】実施の形態2におけるブレーキ液圧制御装置
を示す部分回路図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 リザーバタンク 4 ブレーキペダルスイッチ MCS 電磁切換弁 5 マスタシリンダプライマリ圧センサ 6 マスタシリンダセカンダリ圧センサ PUMP ポンプ ACC アキュムレータ PRV リリーフ弁 7 アキュムレータ圧センサ CHV チェック弁 RRV,FLV,FRV,RLV 制御弁 RRCC,FLCC,FRCC,RLCC 液圧調整シ
リンダー 8 マスタシリンダプライマリ圧油路 9 マスタシリンダセカンダリ圧油路 10 アキュムレータ圧油路 11 リターン油路 12 制御圧油路 13ホイールシリンダ圧油路 14RR,14FL,14FR,14RL ホイールシリンダ 15 流路 SBS 電磁平衡弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の操作力に応じたマスタシリンダ
    圧を発生するマスタシリンダと、マスタシリンダ圧とは
    別に液圧を作り出す補助液圧源と、供給されるブレーキ
    液圧に応じて車輪に制動力を付与するホイールシリンダ
    とを備え、マスタシリンダから発生する液圧と補助液圧
    源から発生する液圧のうち少なくとも一方の液圧を選択
    し、ホイールシリンダに付与するブレーキ液圧を制御す
    るブレーキ液圧制御装置において、 前記補助液圧源とホイールシリンダとの連通路に配置さ
    れ、ブレーキコントローラからの指令により制御圧に調
    圧する制御弁と、 該制御弁とホイールシリンダとの連通路に配置され、制
    御弁からの制御圧を一定の変換比によりホイールシリン
    ダ圧に変換する変換シリンダーと、 前記マスタシリンダからの連通路に配置され、マスタシ
    リンダ液量を吸収するストロークシミュレータと、 前記マスタシリンダとホイールシリンダとの連通路であ
    って、ストロークシミュレータの下流位置で変換シリン
    ダーの上流位置に配置され、通常は連通状態にあり、前
    記制御弁から加圧された制御圧が作用すると非連通に切
    り換えられ、この非連通状態で高いマスタシリンダ圧が
    作用すると連通状態に切り換えられる液圧作動切換弁を
    設けたことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置に
    おいて、 前記変換シリンダーとストロークシミュレータと液圧作
    動切換弁を、シリンダー内に摺動可能に設けられたピス
    トンに、ストロークシミュレータ及び液圧作動切換弁を
    共に内包させることで構成された1つの液圧調整手段と
    したことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のブレーキ
    液圧制御装置において、 前記補助液圧源を、電動機もしくは車両の原動機により
    駆動され、リザーバタンクからのブレーキ液を吸引加圧
    するポンプと、ポンプにより発生した高圧液を貯留する
    アキュムレータと、ポンプ発生圧が規定圧を超えると規
    定圧以上の圧力をリザーバタンクに逃がすリリーフ弁に
    より構成された手段としたことを特徴とするブレーキ液
    圧制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載のブレーキ
    液圧制御装置において、 前記マスタシリンダからの連通路に、マスタシリンダ圧
    を検出するマスタシリンダ圧センサを設けたことを特徴
    とするブレーキ液圧制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載のブレーキ
    液圧制御装置において、 前記マスタシリンダとホイールシリンダとの連通路であ
    って、前記液圧作動切換弁よりもマスタシリンダ側の位
    置に、ブレーキコントローラからの指令により連通/非
    連通を切り換える電磁切換弁を設けたことを特徴とする
    ブレーキ液圧制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5記載のブレーキ
    液圧制御装置において、 4輪にそれぞれ設けられたホイールシリンダを、前後配
    管車両では、前輪左右/後輪左右、クロス配管車両で
    は、左前輪と右後輪/右前輪と左後輪を連通する流路を
    設けると共に、ブレーキコントローラからの指令により
    連通/非連通を切り換える電磁平衡弁を設けたことを特
    徴とするブレーキ液圧制御装置。
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