JP2001191466A - 帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート織布 - Google Patents

帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート織布

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JP2001191466A
JP2001191466A JP2000005355A JP2000005355A JP2001191466A JP 2001191466 A JP2001191466 A JP 2001191466A JP 2000005355 A JP2000005355 A JP 2000005355A JP 2000005355 A JP2000005355 A JP 2000005355A JP 2001191466 A JP2001191466 A JP 2001191466A
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acrylamide
synthetic resin
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woven fabric
mol
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Shigetomo Yamamoto
茂智 山本
Jichio Deguchi
自治夫 出口
Toshikazu Mizutani
敏和 水谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止剤の離脱・流失がなく、安定した帯
電防止性を恒久的に発揮し、接触する物質が汚染される
ことがなく、熱風溶着加工が可能な帯電防止性に優れた
ラミネート織布を提供すること。 【解決手段】 合成樹脂製のフラットヤーンからなる経
糸と緯糸とで織製された基布と、この基布の少なくとも
片面に、オレフィン系樹脂100重量部にアクリルアミ
ド系共重合体を15〜30重量部配合してなる合成樹脂
層が形成されてなる帯電防止性に優れたラミネート織布
を要旨とする。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性に優れ
たコンテナ用ラミネート織布に関する。さらに詳しく
は、合成樹脂製のフラットヤーンで織製されたもの基布
とし、この基布の両面にラミネ−ト加工などにより、帯
電防止性に優れた樹脂製のフィルムまたはシートが積層
されてなる、帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート
織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂製のフラットヤーンで織
製された基布の表裏に、合成樹脂製の薄膜(フィルム、
塗布膜など)をラミネートした織布が、産業用中間素材
として土木、物流、水産、鉱業、建築等の広範な用途に
使用されてきた。このようなラミネート織布の用途が拡
大されると共に、市場からラミネート織布に要求される
機能も多様化、高度化しており、そのうちの一つの大き
な機能が帯電防止機能である。
【0003】例えば、粉粒体の輸送、保管用に使用され
るフレキシブルコンテナでは、粉粒体の性状により、粉
粒体をコンテナ−に投入・排出する時に、または、コン
テナに投入した後の搬送中での摩擦、衝撃、振動等によ
って、容易に静電気を発生し帯電しやすいので、各種用
途における使用において大きな障害となっている。ま
た、鉱山の排風・送風などの使用されるラミネート織布
製フレキシブルダクト(一般に風管と呼称されるてい
る)等の用途では、粉塵が付着したいようにラミネート
織布の帯電防止は不可欠である。
【0004】このようなラミネート織布の静電気の帯電
防止策として従来知られていた一般的な対策は、基材の
織布に積層される合成樹脂製のフィルムまたはシートに
静電気防止策が施されるのが普通であり、その効果も高
い。基材の織布に積層される合成樹脂製のフィルムまた
はシートに施される帯電防止策としては、(a)内部用帯
電防止剤(練り込み剤)と、(b)外部用帯電防止剤(塗
布剤、帯電防止塗料)が提案されている。
【0005】しかし、上記(b)の外部用帯電防止剤は帯
電防止効果の持続性が劣り、ラミネート織布用としては
適さない。上記(a)の内部用帯電防止剤は、上記(b)に比
較して帯電防止効果の持続性に優れているので、一部実
用化されている。上記(a)を実施する際に使用される帯
電防止剤としては、大別して、(a-1)カ−ボンブラック
やカ−ボン繊維、グラファイト、酸化錫、酸化亜鉛、酸
化インジウム、金属繊維、金属メッキ繊維などの導電性
フィラ−を合成樹脂の中へ練り込む方法と、(a-2)界面
活性剤等を練り込む方法に分けられる。
【0006】しかし、ラミネート織布用として使用する
場合には、これらの帯電防止剤の使用には、種々の障害
がある。例えば、前者(a-1)の導電性フィラ−を合成樹
脂の中へ練り込む方法によって必要とされる導電性能を
発揮させるためには、合成樹脂100重量部に対して1
0〜20重量部の多量のフィラ−を練り込む必要がある
ため、ラミネート織布の本来の機能を損ない、柔軟性が
なくなるばかりでなく、カ−ボンブラック等を用いる場
合には顔料による自由な着色ができない、上記導電性フ
ィラ−中に含まれる重金属不純物による汚染や、使い方
によっては導電性フィラ−の離脱による発埃によって、
静電気問題とは異なる新たな問題を引き起こすことがあ
る、という欠点がある。
【0007】また、後者の(a-2)界面活性剤等を練り込
む静電気防止方法においては、帯電防止剤として、グリ
セリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノ−ルアミド、
ソルビタン脂肪酸エステル等が用いられる。これら界面
活性剤は低分子量であることから、合成樹脂へ練り込み
成形後に、樹脂製フィルムまたはシート表面にブリ−ド
してきて、帯電防止効果を発揮することができる。しか
しながら、このように樹脂フィルムまたはシート表面に
ブリ−ドした帯電防止剤は、洗浄等により簡単に流失し
てしまうために、安定した帯電防止効果を恒久的に維持
することが難しい。また、樹脂製フィルムまたはシート
表面にブリ−ドした帯電防止剤が、フレキシブルコンテ
ナに収納されて内容物を汚染することがあり、トラブル
発生の原因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、フラットヤーン
製の織布の少なくとも片面に、特定のアクリルアミド系
共重合体を特定の割合で配合した合成樹脂製の薄膜を形
成してラミネート織布から調製したコンテナが、安定し
た恒久的な帯電防止性能を発揮し、帯電防止剤の離脱に
伴う内容物への汚染の問題もなく、きわめて有用なコン
テナ調製用ラミネート織布であるとの知見に基づき本発
明を完成するに至ったものである。
【0009】本発明の目的は、次の通りである。 1.安定した帯電防止性能を恒久的に発揮するコンテナ
用ラミネート織布を提供すること。 2.帯電防止剤の離脱に伴う内容物への汚染の問題がな
い帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート織布を提供
すること。 3.自由な着色が可能で、帯電防止性に優れたコンテナ
用ラミネート織布を提供すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、合成樹脂製のフラットヤーンからなる
径糸と緯糸とで織製された基布と、この基布の少なくと
も片面に、オレフィン系樹脂100重量部にアクリルア
ミド系共重合体を15〜30重量部配合してなる合成樹
脂層が形成されてなることを特徴とする、帯電防止性に
優れたコンテナ用ラミネート織布を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート
織布は、合成樹脂製のフラットヤーンからなる経糸と緯
糸とで織製されたものが基布を構成する。フラットヤー
ン用の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0012】フラットヤーンは、上記合成樹脂をフィル
ム化しながら連続的に50mm未満の幅にスリットし、4
〜10倍に加熱延伸し、適宜熱セットして幅が1〜数m
m、太さは100〜350テックスのものが好適であ
る。フラットヤーンからなる経糸と緯糸とで織製される
基布は、経糸と緯糸とは同じ種類・寸法のフラットヤー
ンが好ましいが、異なる種類・寸法のものであってもよ
い。
【0013】フラットヤーンからなる経糸と緯糸とによ
る基布の織り方には特に制限はなく、平織り、斜紋折り
組織、朱子折り組織、変化平折り組織、変化斜紋折り組
織、変化朱子折り組織などのいずれでもよい。基布に
は、二本の径糸と二本の緯糸とによって囲まれた目開き
部を設けると、基布の両面に積層する樹脂層をこの目開
き部で相互溶着させることができるので、好ましい。組
織の目開き部の大きさは、経糸の幅寸法の1/2〜1/
3、緯糸の幅寸法の1/2〜1/3とするのが好まし
い。
【0014】上記織布の少なくとも片面に、アクリルア
ミド系共重合体を15〜30重量部含有されてなる合成
樹脂層が形成されてなる。アクリルアミド系共重合体が
配合される合成樹脂としては、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレンなどが挙げられる。ポリプロピレンの場合に
は、アクリルアミド系共重合体との相溶性を改良する目
的で、ポリプロピレン100重量部に対して、オレフィ
ン系エラストマーまたはスチレン系エラストマーを5〜
20重量部併用するのが好ましい。
【0015】上記合成樹脂には、アクリルアミド系共重
合体が混合されて薄膜とされる。アクリルアミド系共重
合体は、塗膜材に帯電防止性を発揮させる。アクリルア
ミド系共重合体としては、下記の(A)および(B)のものを
挙げることができる。このようなアクリルアミド系共重
合体は、例えば、特開平4−198308号公報および
特開平7−126446号公報などに記載された方法に
よって、容易に製造することができる。
【0016】(A)次の一般式[I]で表わされるエチレン構
造単位が65〜99モル%、次の一般式[II]で表わされ
るアクリレート構造単位が0〜15モル%、および、次
の一般式[III]で表わされるアクリルアミド構造単位が
1〜35モル%からなり、線状に不規則に配列し、重量
平均分子量が1000〜50000のアクリル系共重合
体である。
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】(B)アクリルアミド系共重合体が、次の一
般式[IV]で表わされるエチレン構造単位が65〜99モ
ル%、次の一般式[V]で表わされるアクリレート構造単
位が0〜15モル%、および、次の一般式[VI]で表わさ
れるアクリルアミド構造単位が1〜35モル%からな
り、線状に不規則に配列し、重量平均分子量が1000
〜50000のアクリル系共重合体である。
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】エチレン構造単位の割合が65モル%未満
である場合には、アクリルアミド系共重合体の軟化点が
低くなって、樹脂層形成用組成物にタックやベタツキが
生じ、一方99モル%を越えるとアクリルアミド系共重
合体の帯電防止性能が小さくなり、いずれも好ましくな
い。アクリルアミド構造単位の割合が35モル%を越え
ると樹脂層形成用組成物に吸湿性が生じ、また、1モル
%未満であると帯電防止性能が小さくなり、いずれも好
ましくない。上記範囲で好ましいのは、アクリレ−ト構
造単位の割合は、軟化点と衝撃性のバランスの観点から
15モル%以下、特に3〜7モル%の範囲である。
【0025】また、重量平均分子量が1000未満であ
ると、アクリルアミド系共重合体がワックス状となり取
扱い性が悪くなり、さらにはブリ−ドアウトによる粘着
性が生じて好ましくない。他方、50000を越える場
合には、プロピレン系樹脂や熱可塑性エラストマ−との
相溶性が悪化するので、いずれも好ましくない。ここ
で、アクリルアミド系共重合体の重量平均分子量は、ゲ
ル浸透クロマトグラフィ−(GPC)法で行ったポリス
チレン換算の重量平均分子量であり、具体的には超高温
GPC法(「高分子論文集第44巻第2号」絹川、第1
39〜141頁に記載の方法)によって測定される。な
お、アクリルアミド系共重合体のうち一般式(1)で表さ
れる共重合体は、具体的には、第一工業製薬社製「レオ
ックス AS170」として市販されている。
【0026】アクリルアミド系共重合体は、前記の合成
樹脂100重量部に対して、15〜30重量部の範囲で
選ぶものとする、アクリルアミド系共重合体の配合量が
上記範囲未満では、所望の帯電防止効果が得られず、ま
た、アクリルアミド系共重合体の配合量が上記範囲を超
えると著しい剛性の低下を伴い、ラミネト織布としての
十分な剛性、強度を得ることができず、いずれも好まし
くない。
【0027】前記合成樹脂には、上記アクリルアミド系
共重合体の他に、目的に応じて、酸化防止剤、光安定
剤、滑剤、難燃剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤や、
無機フィラ−、有機フィラ−等の任意のその他の配合成
分を配合することができ、これらは通常、合成樹脂に対
して0〜5重量部、好ましくは、0〜3重量部の範囲で
混合される。
【0028】前記合成樹脂に上記アクリルアミド系共重
合体、場合によって他の配合成分を配合するには、各成
分を所定量秤量して混合し、この混合物を一軸押出機、
二軸押出機、バンバリ−ミキサ−、ロ−ルミキサ−、ブ
ラベンダ−プラストグラフ、ニ−ダ−ブレンダ−等の通
常の混練機を用いて混練・造粒する方法によることがで
きる。この場合、各成分の分散をより良好にできる混練
・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出
機を用いて溶融混練・造粒が行われる。
【0029】溶融混練する際の混練温度(シリンダ−温
度)は、軟質合成樹脂、アクリルアミド系共重合体の種
類、両者の混合割合などにより変るが、一般に120〜
250℃の範囲で選ばれる。混練温度が120℃未満で
は、前記合成樹脂とアクリルアミド系共重合体との粘度
差が大きく、均一な組成物が得難いので好ましくなく、
他方、250℃を超えると、アクリルアミド系共重合体
に着色が生じる恐れがあり、いずれも好ましくない。好
ましい混練温度は、130〜180℃の範囲である。
【0030】また、混練時間は合成樹脂、アクリルアミ
ド系共重合体の種類、両者の混合割合、混練温度により
変るが、一般に0.3〜10分間の範囲で選ばれる。
0.3分間未満では、アクリルアミド系共重合体の可塑
化が不十分となり、均一な樹脂層形成用組成物が得難
く、他方、10分間を超えると樹脂層形成用組成物の熱
安定性が損なわれる恐れがあり、いずれも好ましくな
い。好ましい混練時間は0.5〜5分間の範囲であり特
に好ましいのは1〜4分間の範囲である。
【0031】本発明に係るラミネート織布を製造するに
は、前記合成樹脂製の基布の少なくとも片面に、上記帯
電防止性樹脂層形成用組成物を原料として樹脂層を形成
する。帯電防止性樹脂層を片面のみに形成した場合に、
他の面に形成する樹脂層は、アクリルアミド系共重合体
を配合しない樹脂層とする。他の面の樹脂層形成用樹脂
は、帯電防止性樹脂層形成用の樹脂と同種であってもよ
いし、異なるものであってもよい。これらの樹脂層を形
成する方法としては、カレンダ−加工法、押出しラミネ
−ション法、ドライラミネ−ション法、含浸法などが挙
げられる。中でも生産性の観点から、カレンダ−加工法
が好適である。また、その成形温度としては通常140
〜160℃で行われる。なお、合成樹脂製の基布の表面
にこれらの樹脂層を形成する際に、上記樹脂層形成用組
成物の製造と、合成樹脂製の基布表面への樹脂層の形成
とを、連続的に行うこともできる。
【0032】前記合成樹脂にアクリルアミド系共重合体
を配合した帯電防止性樹脂層形成用組成物は、電子顕微
鏡によりそのミクロ構造を観察すると、合成樹脂中にア
クリルアミド系共重合体の均一な網状分散体が形成され
たミクロ構造を呈していることが分かった。このため、
樹脂層の表面にブリードすることがなく、従ってラミネ
ート織布をフレキシブルコンテナ用素材として使用した
場合には、コンテナは収納物を汚染することがなく、水
洗等により流失することがなく、安定した帯電防止性能
を恒久的に発揮するものと推定される。
【0033】このようにして得られた本発明に係る帯電
防止性に優れたラミネート織布は、フレキシブルコンテ
ナ、コンベアベルト、フレキシブルダクト、野積シ−
ト、養生シ−ト、OA機器のカバー、自動車用幌、水槽
の漏洩防止シ−トなどの材料として使用可能である。こ
れら用途に使用される際には、裁断、溶着加工される
が、裁断はカッタ−またはハサミなどによって容易に行
われ、溶着は通常の熱風溶着法によって容易に行われ
る。
【0034】本発明に係る帯電防止性に優れたラミネー
ト織布を、二次加工することによって得られた各種の
袋、布、バッグなどは、粉粒体を投入・排出、粉粒体を
収納して輸送する際などに、帯電防止剤の離脱・ブリー
ドに伴う内容物への汚染の問題がなく、特に複数回水洗
して使用しても、その恒久的な帯電防止能が際立って発
揮されるものである。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下
の記載例に限定されるものではない。なお、実施例、比
較例で使用した基布、樹脂層形成用の組成物を構成する
各成分は、次の通りである。
【0036】[参考例…アクリルアミド系共重合体の製
造]温度計、撹拌機、滴下ロート、ディーンスターク分
水器を装備した容量が10リットルの四つ口フラスコ
に、まず、キシレン4000ミリリットル、エチレン・
アクリル酸エチル・アクリル酸共重合体(エチレン/ア
クリル酸エチル/アクリル酸のモル比が、90/5/5
のもの)1500g、および、パラトルエンスルホン酸
10.0gをそれぞれ仕込んだ。次に、同じフラスコに
N,N−ジメチルアミノプロピルアミン264gを仕込
み、フラスコを油浴に浸漬して内温を140℃に加熱
し、生成した水をキシレンと共沸させて連続的にフラス
コから除去し、さらに140℃で17時間反応させて、
生成した水が共沸しなくなるまでアミド化反応を継続し
た。
【0037】得られた反応混合物6000gを80℃ま
で冷却したフラスコ内に、滴下ロートからジエチル硫酸
415gを1時間かけて徐々に添加した。この間、フラ
スコ内の発熱をフラスコ外から冷却しながら内温を90
℃に維持し、滴下終了後は100℃で4時間熟成反応を
行った。こうして得られた反応物を、多量のメタノール
中に投入し、生成した沈殿物を回収、乾燥してアクリル
アミド系共重合体を得た。このアクリルアミド系共重合
体の収率は、原料のエチレン/アクリル酸エチル/アク
リル酸共重合体基準で97.3%であり、重量平均分子
量が5,500であった。得られたアクリルアミド系共
重合体を、単に「アクリルアミド」という。
【0038】「PP」…密度が0.901、MFRが
2.5g/10minのポリプロピレンである。「PE]…密
度が0.965、MFRが2.0g/10minのポリエチレ
ンである。 「エラストマー」…シェル社製のスチレン系熱可塑性エ
ラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレン、商品
名:Kraton 1101)である。
【0039】[実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例
2]PPまたはPEからなる220テックスのフラット
ヤーンを経糸および緯糸とし、模紗折り組織の基布を織
製した。この織製の際に、経糸間および緯糸間に糸の幅
寸法の約1/3の長さの隙間を設け、これによって基布
に多数の目開き部を形成した。この基布の両面に、上記
合成樹脂成分を、表−1に示す割合で配合し、二軸押出
機(神戸製鋼所社製、KTX40)を使用し、シリンダ
ー温度160℃、スクリュー回転数220rpmなる条件
で、溶融・混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。こ
の樹脂組成物をロール上で加工し、厚さ200mμの薄
膜を得た。この薄膜を、ラミネーターロールによって1
40〜160℃の温度に加熱し、ラミネート織布を得
た。得られたラミネート織布ついて、次に記載の方法で
表面固有抵抗(Ω)と、帯電量半減期(秒)を測定し、
評価結果を表−1に示した。
【0040】(i)表面固有抵抗(Ω):JIS K69
11およびJIS K 7194に準拠した抵抗計(三
菱化学社製、ハイレスタ)を使用して、上記方法で得ら
れたラミネート織布表面固有抵抗を測定する方法。好ま
しい表面固有抵抗は、104〜1010Ωの範囲である。 (ii)帯電量半減期(秒):表面電位計(川口電気社製、
SSUII−40)を使用して、表面固有抵抗の値が初期
値から半減する迄に時間(秒)を測定する方法。半減期
が小さいほど、帯電防止性に優れていると言い得る。
【0041】
【表1】
【0042】表−1より、次のことが明らかである。 (1)実施例のラミネート織布、表面固有抵抗値が小さ
く、かつ、帯電量半減期が短く、優れた帯電防止性能を
有することが明らかである(実施例1、実施例2参照)
(2)これに対して、アクリルアミドを配合しなかった比
較例のものは、表面固有抵抗値が大で、帯電量半減期が
長いので、帯電防止性能に劣ることが明らかである(比
較例1、比較例2参照)。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した通りであ
り、次のような特別に優れた効果を奏し、その産業上の
利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るラミネート織布は、従来の帯電防止剤
のように表面にブリードすることがなく、従って内容物
への汚染の問題がなく、ラミネート織布加工製品を洗浄
しても帯電防止性能が大幅に低下することがなく、安定
した帯電防止性能を恒久的に発揮する。 2.本発明に係るラミネート織布は、帯電防止性を付与
するためにカーボンブラック等を用いず、特定の高分子
帯電防止剤を使用しているので加工製品の着色が自由で
ある。 3.本発明に係るラミネート織布は、熱風溶着による二
次加工が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 自治夫 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番2号 三菱化学産資株式会社商品研究所内 (72)発明者 水谷 敏和 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 3E070 AA31 BK01 DA11 4F100 AK01A AK03B AK03C AK04A AK04B AK04C AK07A AK07B AK07C AK26B AK26C AK26K AK73B AK73C AL01B AL01C AL05B AL05C BA03 BA06 BA13 CA22A DG12A GB16 JA07B JA07C JG03 JG04 YY00B YY00C 4L048 AA15 AA34 AB11 AB27 BA01 BA02 BA07 CA05 DA33 EB00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製のフラットヤーンからなる経
    糸と緯糸とで織製された基布と、この基布の少なくとも
    片面に、オレフィン系樹脂100重量部にアクリルアミ
    ド系共重合体を15〜30重量部配合してなる合成樹脂
    層が形成されてなることを特徴とする、帯電防止性に優
    れたコンテナ用ラミネート織布。
  2. 【請求項2】 アクリルアミド系共重合体が、次の一般
    式[I]で表わされるエチレン構造単位が65〜99モル
    %、次の一般式[II]で表わされるアクリレート構造単位
    が0〜15モル%、および、次の一般式[III]で表わさ
    れるアクリルアミド構造単位が1〜35モル%からな
    り、線状に不規則に配列し、重量平均分子量が1000
    〜50000のアクリル系共重合体である、請求項1に
    記載の帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート織布。 【化1】 【化2】 【化3】
  3. 【請求項3】 アクリルアミド系共重合体が、次の一般
    式[IV]で表わされるエチレン構造単位が65〜99モル
    %、次の一般式[V]で表わされるアクリレート構造単位
    が0〜15モル%、および、次の一般式[VI]で表わされ
    るアクリルアミド構造単位が1〜35モル%からなり、
    線状に不規則に配列し、重量平均分子量が1000〜5
    0000のアクリル系共重合体である、請求項1に記載
    の帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート織布。 【化4】 【化5】 【化6】
JP2000005355A 2000-01-14 2000-01-14 帯電防止性に優れたコンテナ用ラミネート織布 Pending JP2001191466A (ja)

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