JP2000062106A - 帯電防止性に優れたターポリン - Google Patents
帯電防止性に優れたターポリンInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自由な着色、高周波溶着などが可能で、帯電
防止剤の離脱・流失がなく、接触する物質が汚染される
ことがなく、安定した帯電防止性能を恒久的に発揮する
帯電防止性に優れたターポリンを提供すること。 【解決手段】 合成繊維織布を基材とし、この基材の少
なくとも片面に、α−オレフィン構成単位、マレイン酸
ジエステル構成単位およびポリオキシアルキレンアリー
ルエーテルを構成単位などを含む共重合体と、カルボン
酸またはカルボン酸無水物で変性されたポリオレフィン
変性物とよりなる樹脂改質剤を、軟質合成樹脂100重
量部に対して5〜40重量部配合されてなる樹脂組成物
製の塗布膜が形成されてなる帯電防止性ターポリンを要
旨とする。 【効果】 上記課題が解決される。
防止剤の離脱・流失がなく、接触する物質が汚染される
ことがなく、安定した帯電防止性能を恒久的に発揮する
帯電防止性に優れたターポリンを提供すること。 【解決手段】 合成繊維織布を基材とし、この基材の少
なくとも片面に、α−オレフィン構成単位、マレイン酸
ジエステル構成単位およびポリオキシアルキレンアリー
ルエーテルを構成単位などを含む共重合体と、カルボン
酸またはカルボン酸無水物で変性されたポリオレフィン
変性物とよりなる樹脂改質剤を、軟質合成樹脂100重
量部に対して5〜40重量部配合されてなる樹脂組成物
製の塗布膜が形成されてなる帯電防止性ターポリンを要
旨とする。 【効果】 上記課題が解決される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性に優れ
たターポリンに関する。さらに詳しくは、合成繊維織布
を基布とし、この基布の少なくとも片面に、カレンダー
加工またはラミネー卜加工などにより、帯電防止性に優
れた軟質熱可塑性樹脂組成物製のフィルムまたはシート
などの塗布膜が積層されてなる、帯電防止性に優れたタ
ーポリンに関する。
たターポリンに関する。さらに詳しくは、合成繊維織布
を基布とし、この基布の少なくとも片面に、カレンダー
加工またはラミネー卜加工などにより、帯電防止性に優
れた軟質熱可塑性樹脂組成物製のフィルムまたはシート
などの塗布膜が積層されてなる、帯電防止性に優れたタ
ーポリンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ターポリンは産業用中間素材とし
て土木、物流、水産、鉱業、建築等の広範な用途に使用
されてきた。このような用途の拡大と共に、近年特に市
場から要求されるターポリンの機能も多様化・高度化し
てきており、そのうちーつの大きな機能が帯電防止機能
である。
て土木、物流、水産、鉱業、建築等の広範な用途に使用
されてきた。このような用途の拡大と共に、近年特に市
場から要求されるターポリンの機能も多様化・高度化し
てきており、そのうちーつの大きな機能が帯電防止機能
である。
【0003】例えば、粉粒体の輸送、保管用に使用され
るフレキシブルコンテナでは、粉粒体の性状や、粉粒体
をコンテナに投入・排出する時に、また、コンテナに投
入した後の搬送中での摩擦、衝撃、振動などの外的要因
により、容易に静電気が発生し、コンテナ自体が帯電し
やすいので、各種用途において大きな障害となってい
る。また、鉱山の排風・送風には、ターポリン製フレキ
シブルダクト(一般に風管と呼称されている)などの用
途においても、ターポリンの帯電防止性は不可欠であ
る。
るフレキシブルコンテナでは、粉粒体の性状や、粉粒体
をコンテナに投入・排出する時に、また、コンテナに投
入した後の搬送中での摩擦、衝撃、振動などの外的要因
により、容易に静電気が発生し、コンテナ自体が帯電し
やすいので、各種用途において大きな障害となってい
る。また、鉱山の排風・送風には、ターポリン製フレキ
シブルダクト(一般に風管と呼称されている)などの用
途においても、ターポリンの帯電防止性は不可欠であ
る。
【0004】この様なターポリンの静電気の帯電防止策
として、従来から知られていた一般的な対策は、基布に
積層される軟質合成樹脂製のフィルムまたはシートなど
の塗布膜に静電気帯電防止策が施されるのが普通であ
り、その効果も顕著である。基布に積層される軟質合成
樹脂製のフィルムまたはシートなどの塗布膜に施される
帯電防止策としては、(a)内部用帯電防止剤(練り込み
剤)と(例えば、特公平2−46387号を参照)、
(b)外部用帯電防止剤(塗布剤、帯電防止塗料)などで
ある。
として、従来から知られていた一般的な対策は、基布に
積層される軟質合成樹脂製のフィルムまたはシートなど
の塗布膜に静電気帯電防止策が施されるのが普通であ
り、その効果も顕著である。基布に積層される軟質合成
樹脂製のフィルムまたはシートなどの塗布膜に施される
帯電防止策としては、(a)内部用帯電防止剤(練り込み
剤)と(例えば、特公平2−46387号を参照)、
(b)外部用帯電防止剤(塗布剤、帯電防止塗料)などで
ある。
【0005】しかし、上記(b)の外部用帯電防止剤は帯
電防止効果の持続性が劣り、ターポリン用としては適さ
ない。上記(a)の内部用帯電防止剤は、上記(b)に比較し
て帯電防止効果の持続性に優れているので、一部実用化
されている。上記(a)を実施する際に使用される帯電防
止剤としては、大別して、(a-1)カーボンブラックやカ
−ボン繊維、グラファイト、酸化錫、酸化亜鉛、酸化イ
ンジウム、金属繊維、金属メッキ繊維などの導電性フィ
ラーを練り込む方法と、(a-2)界面活性剤等を練り込む
方法とがある。
電防止効果の持続性が劣り、ターポリン用としては適さ
ない。上記(a)の内部用帯電防止剤は、上記(b)に比較し
て帯電防止効果の持続性に優れているので、一部実用化
されている。上記(a)を実施する際に使用される帯電防
止剤としては、大別して、(a-1)カーボンブラックやカ
−ボン繊維、グラファイト、酸化錫、酸化亜鉛、酸化イ
ンジウム、金属繊維、金属メッキ繊維などの導電性フィ
ラーを練り込む方法と、(a-2)界面活性剤等を練り込む
方法とがある。
【0006】しかし、ターポリン用として使用する場合
には、これらの帯電防止剤の使用には、種々の障害があ
る。例えば、前者(a-1)の導電性フィラ−を軟質合成樹
脂の中に練り込む方法は、ターポリンの二次加工手法と
して広く用いられている高周波溶着加工時に、スパーク
を起こすので使用できない。また、必要とされる導電性
能を発揮させるためには、軟質合成樹脂100重量部に
対して10〜20重量部の多量の導電性フィラーの練り
込む必要があるため、ターポリン本来の機能を損ない、
柔軟性がなくなるばかりでなく、カ−ボンブラック等を
用いる場合には顔料による自由な着色が出来ない、上記
導電性フィラー中に含まれる重金属不純物による汚染が
生じる、使い方によっては導電性フィラーの離脱による
発埃によて、静電気問題とは異なる新たな問題が生じる
ことがある、などの欠点がある。
には、これらの帯電防止剤の使用には、種々の障害があ
る。例えば、前者(a-1)の導電性フィラ−を軟質合成樹
脂の中に練り込む方法は、ターポリンの二次加工手法と
して広く用いられている高周波溶着加工時に、スパーク
を起こすので使用できない。また、必要とされる導電性
能を発揮させるためには、軟質合成樹脂100重量部に
対して10〜20重量部の多量の導電性フィラーの練り
込む必要があるため、ターポリン本来の機能を損ない、
柔軟性がなくなるばかりでなく、カ−ボンブラック等を
用いる場合には顔料による自由な着色が出来ない、上記
導電性フィラー中に含まれる重金属不純物による汚染が
生じる、使い方によっては導電性フィラーの離脱による
発埃によて、静電気問題とは異なる新たな問題が生じる
ことがある、などの欠点がある。
【0007】また、後者の(a-2)界面活性剤等を練り込
む静電気防止方法においては、帯電防止剤として、グリ
セリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、
ソルビタン脂肪酸エステル等が用いられる。これら帯電
防止剤は低分子量であることから、軟質合成樹脂へ練り
込み成形後に、この樹脂製フィルムまたはシート表面に
ブリードしてきて、帯電防止効果を発揮することができ
る。しかしながら、このように樹脂フィルムまたはシー
ト表面にブリードしてきた帯電防止剤は、洗浄等により
簡単に流失してしまうために、安定した帯電防止効果を
恒久的に維持することが難しい。また、樹脂フィルムま
たはシート表面にブリードした帯電防止剤が、フレキシ
ブルコンテナに収納された内容物を汚染することがあ
り、トラブル発生の原因となっている。さらに、ターポ
リンの表面にブリードした帯電防止剤が、高周波溶着加
工する際に溶着を阻害し、必要な溶着強度が得られな
い、などの欠点もある。
む静電気防止方法においては、帯電防止剤として、グリ
セリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、
ソルビタン脂肪酸エステル等が用いられる。これら帯電
防止剤は低分子量であることから、軟質合成樹脂へ練り
込み成形後に、この樹脂製フィルムまたはシート表面に
ブリードしてきて、帯電防止効果を発揮することができ
る。しかしながら、このように樹脂フィルムまたはシー
ト表面にブリードしてきた帯電防止剤は、洗浄等により
簡単に流失してしまうために、安定した帯電防止効果を
恒久的に維持することが難しい。また、樹脂フィルムま
たはシート表面にブリードした帯電防止剤が、フレキシ
ブルコンテナに収納された内容物を汚染することがあ
り、トラブル発生の原因となっている。さらに、ターポ
リンの表面にブリードした帯電防止剤が、高周波溶着加
工する際に溶着を阻害し、必要な溶着強度が得られな
い、などの欠点もある。
【0008】ターポリンに帯電防止性を付与するには、
上記したような種々の問題があり、フレキシブルコンテ
ナとしての用途に例をとってみても、現在市場に出てい
るものは、問題があるものの、唯一カ−ボンブラックを
混錬した合成ゴム製ターポリンだけである。しかし、こ
のような合成ゴム製ターポリンは、ポリ塩化ビニル(以
下単にPVCと呼称する)、または、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(以下単にEVAと呼称する)製ターポリ
ンと異なり、二次加工手法としての高周波溶着ができな
いため、ゴム糊による接着を行っている。従って、現
在、PVC製、EVAなどを塗布膜としたターポリンの
帯電防止に関しては、有効な方法がないのが実情であ
る。
上記したような種々の問題があり、フレキシブルコンテ
ナとしての用途に例をとってみても、現在市場に出てい
るものは、問題があるものの、唯一カ−ボンブラックを
混錬した合成ゴム製ターポリンだけである。しかし、こ
のような合成ゴム製ターポリンは、ポリ塩化ビニル(以
下単にPVCと呼称する)、または、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(以下単にEVAと呼称する)製ターポリ
ンと異なり、二次加工手法としての高周波溶着ができな
いため、ゴム糊による接着を行っている。従って、現
在、PVC製、EVAなどを塗布膜としたターポリンの
帯電防止に関しては、有効な方法がないのが実情であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、塗布膜を構成す
る軟質合成樹脂に、特定の樹脂改質剤を特定の割合で配
合し、得られた熱可塑性樹脂組成物よりなる塗膜剤を基
布に塗布したターポリンが、安定した恒久的な帯電防止
性能を発揮し、帯電防止剤の離脱に伴う内容物への汚染
の問題もなく、高周波溶着加工が可能で、極めて有用な
ターポリンであるとの知見に基づき、本発明を完成する
に至ったものである。
た状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、塗布膜を構成す
る軟質合成樹脂に、特定の樹脂改質剤を特定の割合で配
合し、得られた熱可塑性樹脂組成物よりなる塗膜剤を基
布に塗布したターポリンが、安定した恒久的な帯電防止
性能を発揮し、帯電防止剤の離脱に伴う内容物への汚染
の問題もなく、高周波溶着加工が可能で、極めて有用な
ターポリンであるとの知見に基づき、本発明を完成する
に至ったものである。
【0010】本発明の目的は、次の通りである。
1.安定した帯電防止性能を恒久的に発揮しする帯電防
止性に優れたターポリンを提供すること。 2.帯電防止剤の離脱に伴う内容物への汚染の問題がな
い帯電防止性に優れたターポリンを提供すること。 3.自由な着色が可能で、高周波溶着加工が可能である
帯電防止性に優れたターポリンを提供すること。
止性に優れたターポリンを提供すること。 2.帯電防止剤の離脱に伴う内容物への汚染の問題がな
い帯電防止性に優れたターポリンを提供すること。 3.自由な着色が可能で、高周波溶着加工が可能である
帯電防止性に優れたターポリンを提供すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明では、合成繊維織布を基布としたターポリン
において、この基布の少なくとも片面に、下記の一般式
[I]ないし一般式[III]で表される構造単位を下記の
割合で含む共重合体と、ポリオレフィンをカルボン酸ま
たはカルボン酸無水物によって変性したポリオレフィン
変性物とからなり、両者が化学的に結合していてもよい
樹脂改質剤を5〜40重量部含有する軟質熱可塑性樹脂
組成物製の塗布膜が形成されてなる、ことを特徴とする
帯電防止性に優れたターポリンを提案する。 共重合体の構造単位の割合:次の一般式[I]で表され
るエチレン構造単位10〜50モル%、次の一般式[I
I]で表されるアクリレート構造単位40〜60モル
%、および、次の一般式[III]で表されるポリオキシア
ルキレンアリルエーテル構成単位15〜40モル%(各
構成単位の和が100モル%となる)からなる。
め、本発明では、合成繊維織布を基布としたターポリン
において、この基布の少なくとも片面に、下記の一般式
[I]ないし一般式[III]で表される構造単位を下記の
割合で含む共重合体と、ポリオレフィンをカルボン酸ま
たはカルボン酸無水物によって変性したポリオレフィン
変性物とからなり、両者が化学的に結合していてもよい
樹脂改質剤を5〜40重量部含有する軟質熱可塑性樹脂
組成物製の塗布膜が形成されてなる、ことを特徴とする
帯電防止性に優れたターポリンを提案する。 共重合体の構造単位の割合:次の一般式[I]で表され
るエチレン構造単位10〜50モル%、次の一般式[I
I]で表されるアクリレート構造単位40〜60モル
%、および、次の一般式[III]で表されるポリオキシア
ルキレンアリルエーテル構成単位15〜40モル%(各
構成単位の和が100モル%となる)からなる。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】(一般式[I]ないし一般式[III]におい
て、R1は炭素数が10〜50の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基、R2およびR3は、それぞれ独立して、炭素数
が1〜10のアルキル基、R4は、炭素数が2〜10の
直鎖または分岐鎖のアルキレン基、nは平均値が2〜2
0の数をそれぞれ意味する)
て、R1は炭素数が10〜50の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基、R2およびR3は、それぞれ独立して、炭素数
が1〜10のアルキル基、R4は、炭素数が2〜10の
直鎖または分岐鎖のアルキレン基、nは平均値が2〜2
0の数をそれぞれ意味する)
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るターポリンの基布としては、繊維織製の織
布が挙げられる。繊維としては、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維
などの合成繊維または半合成繊維などが挙げられる。こ
れら繊維は、これら繊維を単独でまたは2種以上を混合
したフィラメントまたはスティープルであってもよい。
織布は、これら繊維を平織、綾織、朱子織などに織った
織物や編み物を意味し、編織物の種類・構造は、ターポ
リンのフレキシビリティを阻害しないものであれば、特
に制限はない。
本発明に係るターポリンの基布としては、繊維織製の織
布が挙げられる。繊維としては、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維
などの合成繊維または半合成繊維などが挙げられる。こ
れら繊維は、これら繊維を単独でまたは2種以上を混合
したフィラメントまたはスティープルであってもよい。
織布は、これら繊維を平織、綾織、朱子織などに織った
織物や編み物を意味し、編織物の種類・構造は、ターポ
リンのフレキシビリティを阻害しないものであれば、特
に制限はない。
【0017】織布の繊維は、太さが500〜1000デ
ニール、打ち込み本数15本〜30本/インチの平織物
が好適である。基布がポリエステル繊維、ポリアミド繊
維の場合は、750デニール、打ち込み本数20本×2
0本/インチの平織が好適である。これら基布は、厚さ
が0.2〜2mmであり、幅が0.5〜3m程度のものが
一般に使用される。
ニール、打ち込み本数15本〜30本/インチの平織物
が好適である。基布がポリエステル繊維、ポリアミド繊
維の場合は、750デニール、打ち込み本数20本×2
0本/インチの平織が好適である。これら基布は、厚さ
が0.2〜2mmであり、幅が0.5〜3m程度のものが
一般に使用される。
【0018】本発明に係る帯電防止性に優れたターポリ
ンは、上記基布の少なくとも片面に、軟質合成樹脂10
0重量部に対し、下記の樹脂改質剤を5〜40重量部配
合されてなる軟質熱可塑性樹脂組成物製の塗布膜が形成
されてなる。軟質合成樹脂は、樹脂改質剤と混合されて
基材に塗布されるものである。軟質合成樹脂の具体例と
しては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル
共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン・アクリル酸
エチル共重合体などが挙げられる。軟質合成樹脂は、こ
れら例示したものに限定されるものではない。上に例示
した中では、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニルなどが好適である。
ンは、上記基布の少なくとも片面に、軟質合成樹脂10
0重量部に対し、下記の樹脂改質剤を5〜40重量部配
合されてなる軟質熱可塑性樹脂組成物製の塗布膜が形成
されてなる。軟質合成樹脂は、樹脂改質剤と混合されて
基材に塗布されるものである。軟質合成樹脂の具体例と
しては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル
共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン・アクリル酸
エチル共重合体などが挙げられる。軟質合成樹脂は、こ
れら例示したものに限定されるものではない。上に例示
した中では、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニルなどが好適である。
【0019】特に、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、
酢酸ビニル含量が5〜30重量%、好ましくは15〜2
5重量%の範囲内のもので、MIが0.5〜5、好まし
くは0.5〜2の範囲のものである。また、ポリ塩化ビ
ニルは、重合度が1000〜1300の範囲のものが好
ましく、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブ
チル(DBP)などの可塑剤を混合して使用される。可
塑剤の添加量は、ポリ塩化ビニルの重合度により変る
が、ポリ塩化ビニル100重量部に対して40〜60重
量部の範囲で選ばれる。
酢酸ビニル含量が5〜30重量%、好ましくは15〜2
5重量%の範囲内のもので、MIが0.5〜5、好まし
くは0.5〜2の範囲のものである。また、ポリ塩化ビ
ニルは、重合度が1000〜1300の範囲のものが好
ましく、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブ
チル(DBP)などの可塑剤を混合して使用される。可
塑剤の添加量は、ポリ塩化ビニルの重合度により変る
が、ポリ塩化ビニル100重量部に対して40〜60重
量部の範囲で選ばれる。
【0020】上記の軟質合成樹脂に配合される樹脂改質
剤は、2種類の重合体より構成される。樹脂改質剤は、
軟質合成樹脂に帯電防止性能を付与する機能を果たし、
ポリオレフィン変性物は共重合体が樹脂中に溶解して保
持されるのを助けるものと考えられる。このことは、軟
質合成樹脂に共重合体だけを練り込んだものは、初期の
帯電防止性能は良好であるが、水洗を反復すると帯電防
止性能が低下するのに対し、共重合体と変性ポリオレフ
ィンとを併用したものは、水洗を反復しても帯電防止性
能は初期の性能をそのまま維持されることからも確認で
きる。
剤は、2種類の重合体より構成される。樹脂改質剤は、
軟質合成樹脂に帯電防止性能を付与する機能を果たし、
ポリオレフィン変性物は共重合体が樹脂中に溶解して保
持されるのを助けるものと考えられる。このことは、軟
質合成樹脂に共重合体だけを練り込んだものは、初期の
帯電防止性能は良好であるが、水洗を反復すると帯電防
止性能が低下するのに対し、共重合体と変性ポリオレフ
ィンとを併用したものは、水洗を反復しても帯電防止性
能は初期の性能をそのまま維持されることからも確認で
きる。
【0021】樹脂改質剤を構成する一方の重合体は、3
種類の単量体、即ち、前記一般式[I]で表される平均
炭素数が10〜50のエチレン構造単位10〜50モル
%、前記一般式[II]で表されるアクリレート構造単位
40〜60モル%、および、前記一般式[III]で表され
るポリオキシアルキレンアリルエーテル構造単位15〜
40モル%(合計モル数は100%)を共重合させて得
られる共重合体である。そのGPC法による重量平均分
子量は、通常は1000〜50000の範囲で選ばれ
る。中でも好ましいのは、2000〜30000の範囲
である。
種類の単量体、即ち、前記一般式[I]で表される平均
炭素数が10〜50のエチレン構造単位10〜50モル
%、前記一般式[II]で表されるアクリレート構造単位
40〜60モル%、および、前記一般式[III]で表され
るポリオキシアルキレンアリルエーテル構造単位15〜
40モル%(合計モル数は100%)を共重合させて得
られる共重合体である。そのGPC法による重量平均分
子量は、通常は1000〜50000の範囲で選ばれ
る。中でも好ましいのは、2000〜30000の範囲
である。
【0022】共重合体の製造に用いることができるα−
オレフィンは、平均炭素数が10〜50の直鎖または分
岐鎖のものであり、一般式[II]で表される単量体はジ
アルキルマレ−トが代表例であり、アルキル基の炭素数
が1〜10のものが挙げられる。一般式[III]で表され
るポリオキシアルキレンアリルエーテルは、オキシアル
キレン基の炭素数が2〜10であり、その数が平均で2
〜20のものが挙げられる。好ましくは、アリルアルコ
ール1モルに、エチレンオキシドまたはプロピレンオキ
シドを2〜20モル付加させたものである。
オレフィンは、平均炭素数が10〜50の直鎖または分
岐鎖のものであり、一般式[II]で表される単量体はジ
アルキルマレ−トが代表例であり、アルキル基の炭素数
が1〜10のものが挙げられる。一般式[III]で表され
るポリオキシアルキレンアリルエーテルは、オキシアル
キレン基の炭素数が2〜10であり、その数が平均で2
〜20のものが挙げられる。好ましくは、アリルアルコ
ール1モルに、エチレンオキシドまたはプロピレンオキ
シドを2〜20モル付加させたものである。
【0023】樹脂改質剤を構成する他方の重合体は、ポ
リオレフィンをカルボン酸またはカルボン酸無水物によ
って変性したポリオレフィン変性物である。ポリオレフ
ィン変性物の基体のポリオレフィンは、通常、分子量1
000〜1000000の範囲で選ばれる。中でも好ま
しいのは、2000〜100000のポリエチレンまた
はポリプロピレンである。ポリオレフィンを変性する際
に用いるカルボン酸としては、無水マレイン酸が好まし
いが、他にもアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの、ポリオレフ
ィンのグラフト変性用の種々のカルボン酸類が挙げられ
る。
リオレフィンをカルボン酸またはカルボン酸無水物によ
って変性したポリオレフィン変性物である。ポリオレフ
ィン変性物の基体のポリオレフィンは、通常、分子量1
000〜1000000の範囲で選ばれる。中でも好ま
しいのは、2000〜100000のポリエチレンまた
はポリプロピレンである。ポリオレフィンを変性する際
に用いるカルボン酸としては、無水マレイン酸が好まし
いが、他にもアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの、ポリオレフ
ィンのグラフト変性用の種々のカルボン酸類が挙げられ
る。
【0024】これらのカルボン酸類は、生成する変性ポ
リオレフィン中のカルボキシル基(カルボン酸無水物基
はカルボキシル基に換算する)の濃度が0.1〜25重
量%の範囲となるように、ポリオレフィンにグラフト重
合させる。中でも好ましいのは1〜20重量%の範囲で
あり、特に好ましいのは5〜15重量%である。樹脂改
質剤を構成する共重合体とポリオレフィン変性物との比
率は、通常20:1〜1:1の範囲で選ばれる。中でも
好ましい比率は、10:1〜2:1であり、特に好まし
いのは5:1〜2:1の比率である。
リオレフィン中のカルボキシル基(カルボン酸無水物基
はカルボキシル基に換算する)の濃度が0.1〜25重
量%の範囲となるように、ポリオレフィンにグラフト重
合させる。中でも好ましいのは1〜20重量%の範囲で
あり、特に好ましいのは5〜15重量%である。樹脂改
質剤を構成する共重合体とポリオレフィン変性物との比
率は、通常20:1〜1:1の範囲で選ばれる。中でも
好ましい比率は、10:1〜2:1であり、特に好まし
いのは5:1〜2:1の比率である。
【0025】上記樹脂改質剤は、共重合体とポリオレフ
ィン変性物とを、軟質合成樹脂に所定の比率となるよう
に添加して溶融混練してもよいし、共重合体とポリオレ
フィン変性物とを、あらかじめ所定の比率で配合してお
いてもよい。また両者を所定の比率で配合したものを、
50〜300℃で加熱処理する方法によることもでき
る。加熱処理することにより、両者の少なくとも一部は
反応して化学結合を形成するものと推定される。
ィン変性物とを、軟質合成樹脂に所定の比率となるよう
に添加して溶融混練してもよいし、共重合体とポリオレ
フィン変性物とを、あらかじめ所定の比率で配合してお
いてもよい。また両者を所定の比率で配合したものを、
50〜300℃で加熱処理する方法によることもでき
る。加熱処理することにより、両者の少なくとも一部は
反応して化学結合を形成するものと推定される。
【0026】例えば、溶媒中でポリオキシアルキレンア
リルエーテル、ジアルキルマレートおよびα−オレフィ
ンを重合させ、得られた重合反応生成液にポリオレフィ
ン変性物を添加して、50〜300℃の温度、好ましく
は100〜200℃で0.5〜10時間加熱処理したの
ち、溶媒を留去することにより樹脂改質剤を得ることが
できる。また溶媒中に変性ポリオレフィンを分散させ、
α−オレフィン、ジアルキルマレートおよびポリオキシ
アルキレンアリルエーテルを添加して重合させ、反応生
成液から溶媒を留去することにより、樹脂改質剤を得る
こともできる。
リルエーテル、ジアルキルマレートおよびα−オレフィ
ンを重合させ、得られた重合反応生成液にポリオレフィ
ン変性物を添加して、50〜300℃の温度、好ましく
は100〜200℃で0.5〜10時間加熱処理したの
ち、溶媒を留去することにより樹脂改質剤を得ることが
できる。また溶媒中に変性ポリオレフィンを分散させ、
α−オレフィン、ジアルキルマレートおよびポリオキシ
アルキレンアリルエーテルを添加して重合させ、反応生
成液から溶媒を留去することにより、樹脂改質剤を得る
こともできる。
【0027】重合溶媒としては、トルエン、キシレン、
メシチレン、ジベンジルトルエン等の芳香族炭化水素
類、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル等のエステ
ル類などが挙げられるが、これらの中では芳香族炭化水
素類が特に好ましい。重合温度は50〜230℃の範
囲、好ましくは100〜200℃の範囲である。重合さ
せる際の時間は、3〜10時間の範囲が適当である。
メシチレン、ジベンジルトルエン等の芳香族炭化水素
類、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル等のエステ
ル類などが挙げられるが、これらの中では芳香族炭化水
素類が特に好ましい。重合温度は50〜230℃の範
囲、好ましくは100〜200℃の範囲である。重合さ
せる際の時間は、3〜10時間の範囲が適当である。
【0028】重合させる際には重合開始剤を使用するの
が好ましく、重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキ
シド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオ
クトエ−ト等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物等が挙げられる。単量体は一括添加
することもできるが、その重合速度、重合の進行状況な
どを考慮して、添加時期や添加速度を通宜調節すること
もできる。重合開始剤も、一括添加することもできる
し、分割添加することもできる。
が好ましく、重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキ
シド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオ
クトエ−ト等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物等が挙げられる。単量体は一括添加
することもできるが、その重合速度、重合の進行状況な
どを考慮して、添加時期や添加速度を通宜調節すること
もできる。重合開始剤も、一括添加することもできる
し、分割添加することもできる。
【0029】樹脂改質剤は、軟質合成樹脂100重量部
に対して、5〜40重量部の範囲で配合される。樹脂改
質剤の配合量が5重量部未満では、所望の帯電防止効果
が得られず、また、樹脂改質剤の配合量が40重量部を
超えると著しい剛性の低下を伴い、ターポリンとしての
十分な剛性、強度を得ることができない。上記範囲で好
ましいのは10〜35重量部の範囲であり、中でも特に
好ましいのは15〜30重量部である。
に対して、5〜40重量部の範囲で配合される。樹脂改
質剤の配合量が5重量部未満では、所望の帯電防止効果
が得られず、また、樹脂改質剤の配合量が40重量部を
超えると著しい剛性の低下を伴い、ターポリンとしての
十分な剛性、強度を得ることができない。上記範囲で好
ましいのは10〜35重量部の範囲であり、中でも特に
好ましいのは15〜30重量部である。
【0030】基布に塗布膜を形成する熱可塑性樹脂組成
物には、必要に応じて、熱安定剤、滑剤、難燃剤、分散
剤、染料、顔料等の着色剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、無機フィラ−、有機フィラー等の各種の樹
脂添加剤を配合することができる。特に、塗布膜を形成
する熱可塑性樹脂組成物は、カーボンブラックなどの導
電性フィラーが配合されていないので、樹脂100重量
部に対して0.01〜5重量部の着色剤を配合して、各
種用途に応じて自由に着色することができる。
物には、必要に応じて、熱安定剤、滑剤、難燃剤、分散
剤、染料、顔料等の着色剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、無機フィラ−、有機フィラー等の各種の樹
脂添加剤を配合することができる。特に、塗布膜を形成
する熱可塑性樹脂組成物は、カーボンブラックなどの導
電性フィラーが配合されていないので、樹脂100重量
部に対して0.01〜5重量部の着色剤を配合して、各
種用途に応じて自由に着色することができる。
【0031】塗布膜を形成する熱可塑性樹脂組成物は、
前記の必須成分を所定割合で秤量、混合して、一軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサ
ー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブレンダー
等の通常の混練機を用いて混練・造粒することによって
製造することができる。この場合、各成分の分散を良好
にすることができる混練・造粒方法を選択することが好
ましく、通常は、二軸押出機を用いて混練・造粒が行な
われる。
前記の必須成分を所定割合で秤量、混合して、一軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサ
ー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブレンダー
等の通常の混練機を用いて混練・造粒することによって
製造することができる。この場合、各成分の分散を良好
にすることができる混練・造粒方法を選択することが好
ましく、通常は、二軸押出機を用いて混練・造粒が行な
われる。
【0032】溶融押出混練における混練温度(シリンダ
ー温度)は、一般に120〜250℃の範囲で選ばれ
る。混練温度が120℃未満では、樹脂改質剤と軟質合
成樹脂との粘度差が大きく、均一な組成物が得難いので
好ましくなく、他方混練温度が250℃を超えると、樹
脂改質剤が着色する恐れがあり、いずれも好ましくな
い。中でも好ましい混練温度は、130〜180℃の範
囲である。また、混練時間は0.3〜10分間の範囲で
選ばれる。混練時間が0.3分間未満では、高分子帯電
防止剤の可塑化が不十分となり均一な組成物が得難く、
他方混練時間が10分間を超えると、熱可塑性樹脂組成
物の熱安定性が損なわれる恐れがあり、いずれも好まし
くない。中でも好ましい混練時間は0.5〜5分間の範
囲であり、特に好ましいのは1〜4分間の範囲である。
ー温度)は、一般に120〜250℃の範囲で選ばれ
る。混練温度が120℃未満では、樹脂改質剤と軟質合
成樹脂との粘度差が大きく、均一な組成物が得難いので
好ましくなく、他方混練温度が250℃を超えると、樹
脂改質剤が着色する恐れがあり、いずれも好ましくな
い。中でも好ましい混練温度は、130〜180℃の範
囲である。また、混練時間は0.3〜10分間の範囲で
選ばれる。混練時間が0.3分間未満では、高分子帯電
防止剤の可塑化が不十分となり均一な組成物が得難く、
他方混練時間が10分間を超えると、熱可塑性樹脂組成
物の熱安定性が損なわれる恐れがあり、いずれも好まし
くない。中でも好ましい混練時間は0.5〜5分間の範
囲であり、特に好ましいのは1〜4分間の範囲である。
【0033】本発明に係る帯電防止性に優れたターポリ
ンは、前記基布の少なくとも片面に、前記樹脂改質剤と
軟質合成樹脂とより得られた熱可塑性樹脂組成物の塗布
膜を形成することによって得られる。基布の少なくとも
片面に塗布膜を形成する方法としては、カレンダー加工
法、押出しラミネーシヨン法、ドライラミネーション
法、含浸法等が挙げられる。中でも生産性の観点から、
カレンダー加工法が好適である。基布表面に塗布膜を形
成する際の温度は、通常140〜160℃の範囲で選ば
れる。なお、基布表面に塗布膜を形成する際に、熱可塑
性樹脂組成物の製造と塗布膜の形成とを、一工程で行う
こともできる。
ンは、前記基布の少なくとも片面に、前記樹脂改質剤と
軟質合成樹脂とより得られた熱可塑性樹脂組成物の塗布
膜を形成することによって得られる。基布の少なくとも
片面に塗布膜を形成する方法としては、カレンダー加工
法、押出しラミネーシヨン法、ドライラミネーション
法、含浸法等が挙げられる。中でも生産性の観点から、
カレンダー加工法が好適である。基布表面に塗布膜を形
成する際の温度は、通常140〜160℃の範囲で選ば
れる。なお、基布表面に塗布膜を形成する際に、熱可塑
性樹脂組成物の製造と塗布膜の形成とを、一工程で行う
こともできる。
【0034】本発明に係る帯電防止性に優れたターポリ
ンは、基布の少なくとも片面に形成された熱塗布膜につ
いて、電子顕微鏡によってミクロ構造を観察すると、軟
質合成樹脂中に前記樹脂改質剤の網状分散体が形成され
たミクロ構造を呈していることが分かる。このため、樹
脂改質剤は塗布膜の表面にブリードすることがなく、従
って帯電防止性ターポリンをフレキシブルコンテナとし
て使用した場合でも内容物を汚染することがなく、水洗
等によって流失して性能が低下することがなく、安定し
た帯電防止性を恒久的に発揮するものと推定される。
ンは、基布の少なくとも片面に形成された熱塗布膜につ
いて、電子顕微鏡によってミクロ構造を観察すると、軟
質合成樹脂中に前記樹脂改質剤の網状分散体が形成され
たミクロ構造を呈していることが分かる。このため、樹
脂改質剤は塗布膜の表面にブリードすることがなく、従
って帯電防止性ターポリンをフレキシブルコンテナとし
て使用した場合でも内容物を汚染することがなく、水洗
等によって流失して性能が低下することがなく、安定し
た帯電防止性を恒久的に発揮するものと推定される。
【0035】このようにして得られた本発明に係る帯電
防止性に優れたターポリンは、フレキシブルコンテナバ
ッグ、コンベアベルト、野積シート、養生シート、自動
車用幌、水槽などの製造用材料として使用可能である。
これら用途に使用する際には、裁断、溶着加工される
が、裁断はカッターまたは鋏などによって容易に行わ
れ、溶着は高周波溶着法によって容易に行われる。高周
波溶着法としては、高周波ウエルダー機により周波数1
0〜100MHzの範囲内で、通常27.17MHzま
たは40.68MHzで、溶着時間3〜60秒、好まし
くは5〜30秒処理することによって溶着される。
防止性に優れたターポリンは、フレキシブルコンテナバ
ッグ、コンベアベルト、野積シート、養生シート、自動
車用幌、水槽などの製造用材料として使用可能である。
これら用途に使用する際には、裁断、溶着加工される
が、裁断はカッターまたは鋏などによって容易に行わ
れ、溶着は高周波溶着法によって容易に行われる。高周
波溶着法としては、高周波ウエルダー機により周波数1
0〜100MHzの範囲内で、通常27.17MHzま
たは40.68MHzで、溶着時間3〜60秒、好まし
くは5〜30秒処理することによって溶着される。
【0036】本発明に係る帯電防止性に優れたターポリ
ンを、二次加工することによって得られた各種袋、布、
ベルトなどは、粉粒体を投入・排出、粉粒体を収納して
輸送する際など、帯電防止剤の離脱・ブリードに伴う内
容物の汚染の問題もなく、特に複数回水洗して使用して
も、その恒久的な帯電防止性が際だって発揮される。
ンを、二次加工することによって得られた各種袋、布、
ベルトなどは、粉粒体を投入・排出、粉粒体を収納して
輸送する際など、帯電防止剤の離脱・ブリードに伴う内
容物の汚染の問題もなく、特に複数回水洗して使用して
も、その恒久的な帯電防止性が際だって発揮される。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。なお、実施例、
比較例で使用した基布、
的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。なお、実施例、
比較例で使用した基布、
【0038】[参考例…樹脂改質剤の製造、軟質合成樹
脂の準備] [A−1の製造]温度計、還流装置、撹拌機、仕込み漏
斗、加熱ジャケットなどを装備した容量1.5リットル
の四口フラスコに、キシレン865重量部、α−オレフ
ィン{三菱化学社製、商品名:ダイアレン30(炭素数
30以上のα一オレフィン混合物、平均炭素数48)}
251重量部、ポリオキシエチレンアリルエーテル(オ
キンエチレンの平均付加数=10)438重量部、をそ
れぞれ仕込み、フラスコ内を窒素ガスで十分置換した。
窒素ガス雰囲気下、フラスコ内温を150℃に加熱・保
持しながら、マレイン酸ジメチル180重量部を30分
おきに8回に分けて分割添加した。並行して、t−ブチ
ルペルオキシド105重量部を30分おきに14回に分
けて分割添加した(α−オレフィン:マレイン酸ジメチ
ル:ポリオキシエチレンアリルエーテルのモル比は、1
5:50:35である)。このようにして7時間加熱、
保持した後、フラスコに無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン(三洋化成工業社製、商品名:ユ−メックス)21
7重量部を添加し、150℃の温度でさらに1時間加熱
・保持した。その後、減圧下でキシレンおよび低沸点成
分を留去し、樹脂改質剤(A−1)を得た。得られた樹
脂改質剤(A−1)は、融点92〜100℃、針人度2
9、GPC法によって測定した重量平均分子量は140
00であった。
脂の準備] [A−1の製造]温度計、還流装置、撹拌機、仕込み漏
斗、加熱ジャケットなどを装備した容量1.5リットル
の四口フラスコに、キシレン865重量部、α−オレフ
ィン{三菱化学社製、商品名:ダイアレン30(炭素数
30以上のα一オレフィン混合物、平均炭素数48)}
251重量部、ポリオキシエチレンアリルエーテル(オ
キンエチレンの平均付加数=10)438重量部、をそ
れぞれ仕込み、フラスコ内を窒素ガスで十分置換した。
窒素ガス雰囲気下、フラスコ内温を150℃に加熱・保
持しながら、マレイン酸ジメチル180重量部を30分
おきに8回に分けて分割添加した。並行して、t−ブチ
ルペルオキシド105重量部を30分おきに14回に分
けて分割添加した(α−オレフィン:マレイン酸ジメチ
ル:ポリオキシエチレンアリルエーテルのモル比は、1
5:50:35である)。このようにして7時間加熱、
保持した後、フラスコに無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン(三洋化成工業社製、商品名:ユ−メックス)21
7重量部を添加し、150℃の温度でさらに1時間加熱
・保持した。その後、減圧下でキシレンおよび低沸点成
分を留去し、樹脂改質剤(A−1)を得た。得られた樹
脂改質剤(A−1)は、融点92〜100℃、針人度2
9、GPC法によって測定した重量平均分子量は140
00であった。
【0039】[A−2の製造]A−1において使用した
のと同じ四口フラスコに、キシレン178重量部、α−
オレフィン(上に同じ、ダイアレン30)67重量部、
ポリオキシエチレンアリルエ−テル(オキシエチレンの
平均付加数=10)75重量部、および、無水マレイン
酸変性ポリプロピレン(上に同じ、ユ−メックス)44
重量部をそれぞれ仕込み、フラスコ内を窒素ガスで十分
置換した。窒素ガス雰囲気下、フラスコ内温を150℃
に加熱・保持しながら、マレイン酸ジメチル36重量部
を30分おきに8回に分けて分割添加した。並行して、
t−ブチルペルオキシド21重量部を30分おきに14
回に分けて分割添加した(α−オレフィン:マレイン酸
ジメチル:ポリオキシエチレンアリルエ−テルのモル比
は20:50:30である)。このようにして7時間加
熱・保持した後、減圧下でキシレンおよび低沸点成分を
留去し、樹脂改質剤(A−2)を得た。得られた樹脂改
質剤(A−2)は融点91〜99℃、針入度22、GP
C法によって測定した重量平均分子量は28000であ
った。
のと同じ四口フラスコに、キシレン178重量部、α−
オレフィン(上に同じ、ダイアレン30)67重量部、
ポリオキシエチレンアリルエ−テル(オキシエチレンの
平均付加数=10)75重量部、および、無水マレイン
酸変性ポリプロピレン(上に同じ、ユ−メックス)44
重量部をそれぞれ仕込み、フラスコ内を窒素ガスで十分
置換した。窒素ガス雰囲気下、フラスコ内温を150℃
に加熱・保持しながら、マレイン酸ジメチル36重量部
を30分おきに8回に分けて分割添加した。並行して、
t−ブチルペルオキシド21重量部を30分おきに14
回に分けて分割添加した(α−オレフィン:マレイン酸
ジメチル:ポリオキシエチレンアリルエ−テルのモル比
は20:50:30である)。このようにして7時間加
熱・保持した後、減圧下でキシレンおよび低沸点成分を
留去し、樹脂改質剤(A−2)を得た。得られた樹脂改
質剤(A−2)は融点91〜99℃、針入度22、GP
C法によって測定した重量平均分子量は28000であ
った。
【0040】[A−3の製造]A−1において使用した
のと同じ四口フラスコに、キシレン195重量部、α−
オレフィン(上に同じ、ダイアレン30)134重量
部、ポリオキシエチレンアリルエ−テル(オキシエチレ
ンの平均付加数=10)25重量部、無水マレイン酸変
性ポリプロピレン(上に同じ、ユ−メックス)49重量
部をそれぞれ仕込み、フラスコ内を窒素ガスで十分置換
した。窒素ガス雰囲気下、フラスコ内温を150℃に加
熱・保持しながら、マレイン酸ジメチル36重量部を3
0分おきに8回に分けて分割添加した。並行して、tー
ブチルペルオキシド21重量部を30分おきに14回に
分けて分割添加した(α−オレフィン:マレイン酸ジメ
チル:ポリオキシエチレンアリルエーテルのモル比は、
40:50:10である)。このようにして7時間加熱
・保持した後、減圧下でキシレンおよび低沸点成分を留
去し、樹脂改質剤(A−3)を得た。得られた樹脂改質
剤(A−3)は融点90〜97℃、針人度15、GPC
法によって測定した重量平均分子量は19000であっ
た。
のと同じ四口フラスコに、キシレン195重量部、α−
オレフィン(上に同じ、ダイアレン30)134重量
部、ポリオキシエチレンアリルエ−テル(オキシエチレ
ンの平均付加数=10)25重量部、無水マレイン酸変
性ポリプロピレン(上に同じ、ユ−メックス)49重量
部をそれぞれ仕込み、フラスコ内を窒素ガスで十分置換
した。窒素ガス雰囲気下、フラスコ内温を150℃に加
熱・保持しながら、マレイン酸ジメチル36重量部を3
0分おきに8回に分けて分割添加した。並行して、tー
ブチルペルオキシド21重量部を30分おきに14回に
分けて分割添加した(α−オレフィン:マレイン酸ジメ
チル:ポリオキシエチレンアリルエーテルのモル比は、
40:50:10である)。このようにして7時間加熱
・保持した後、減圧下でキシレンおよび低沸点成分を留
去し、樹脂改質剤(A−3)を得た。得られた樹脂改質
剤(A−3)は融点90〜97℃、針人度15、GPC
法によって測定した重量平均分子量は19000であっ
た。
【0041】[A−4の製造]A−1において使用した
のと同じ四口フラスコに、キシレン178重量部、α−
オレフィン(上に同じ、ダイアレン30)67重量部、
ポリオキシエチレンアリルエーテル(オキシエチレンの
平均付加数=10)75重量部をそれぞれ仕込み、フラ
スコ内を窒素ガスで十分置換した。窒素ガス雰囲気下、
フラスコ内温を150℃に加熱・保持しながら、マレイ
ン酸ジメチル180重量部を30分おきに8回に分けて
分割添加した。並行して、t−ブチルペルオキシド10
5重量部を30分おきに14回に分けて分割添加した
(α−オレフィン:マレイン酸ジメチル:ポリオキシエ
チレンアリルエーテルのモル比は、20:50:30で
ある)。このようにして7時間加熱した後、減圧下でキ
シレンおよび低沸点成分を留去し、樹脂改質剤(A−
4)を得た。得られた樹脂改質剤(A−4)は、融点5
6〜61℃、針入度105、GPC法によって測定した
重量平均分子量は3500であった。
のと同じ四口フラスコに、キシレン178重量部、α−
オレフィン(上に同じ、ダイアレン30)67重量部、
ポリオキシエチレンアリルエーテル(オキシエチレンの
平均付加数=10)75重量部をそれぞれ仕込み、フラ
スコ内を窒素ガスで十分置換した。窒素ガス雰囲気下、
フラスコ内温を150℃に加熱・保持しながら、マレイ
ン酸ジメチル180重量部を30分おきに8回に分けて
分割添加した。並行して、t−ブチルペルオキシド10
5重量部を30分おきに14回に分けて分割添加した
(α−オレフィン:マレイン酸ジメチル:ポリオキシエ
チレンアリルエーテルのモル比は、20:50:30で
ある)。このようにして7時間加熱した後、減圧下でキ
シレンおよび低沸点成分を留去し、樹脂改質剤(A−
4)を得た。得られた樹脂改質剤(A−4)は、融点5
6〜61℃、針入度105、GPC法によって測定した
重量平均分子量は3500であった。
【0042】[樹脂B]…酢酸ビニル含量20重量部
%、MFR=2.5g/10minなるEVA樹脂(日本
ポリケミカル社製、商品名:ノバテック−EVA、LV
540)を準備した。[樹脂C]…重合度1050のポ
リ塩化ビニル樹脂(信越化学社製、PVC TK−10
00)を準備した。
%、MFR=2.5g/10minなるEVA樹脂(日本
ポリケミカル社製、商品名:ノバテック−EVA、LV
540)を準備した。[樹脂C]…重合度1050のポ
リ塩化ビニル樹脂(信越化学社製、PVC TK−10
00)を準備した。
【0043】[実施例1、実施例2、比較例1〜比較例
6]上記の樹脂改質剤(A−1〜A−4)、軟質合成樹
脂(樹脂B、樹脂C)の各成分を、表−1に示す割合で
秤量・混合し、得られた混合物を二軸押出機(神戸製綱
杜製、型式:KTX40)によって、シリンダー温度1
60℃、スクリュー回転数220rpmなる条件下で1分
間溶融・混練し、ペレット状組成物を得た。次いで、こ
のペレット状組成物を加熱ロール上で加工厚さ0.4mm
のシートとし、このシートを140℃〜160℃に加熱
したカレンダーロールによって、ポリエステル平織布
(帝人社製、1000デニール、打込み16本×17本
/インチ)の両面に積層してターポリンを作成した。得
られたターポリンについて、以下に記載の評価方法によ
って導電性(表面固有抵抗値)を評価した。評価結果
を、表−1に示す。表面固有抵抗値が小さいほど、導電
性に優れている。
6]上記の樹脂改質剤(A−1〜A−4)、軟質合成樹
脂(樹脂B、樹脂C)の各成分を、表−1に示す割合で
秤量・混合し、得られた混合物を二軸押出機(神戸製綱
杜製、型式:KTX40)によって、シリンダー温度1
60℃、スクリュー回転数220rpmなる条件下で1分
間溶融・混練し、ペレット状組成物を得た。次いで、こ
のペレット状組成物を加熱ロール上で加工厚さ0.4mm
のシートとし、このシートを140℃〜160℃に加熱
したカレンダーロールによって、ポリエステル平織布
(帝人社製、1000デニール、打込み16本×17本
/インチ)の両面に積層してターポリンを作成した。得
られたターポリンについて、以下に記載の評価方法によ
って導電性(表面固有抵抗値)を評価した。評価結果
を、表−1に示す。表面固有抵抗値が小さいほど、導電
性に優れている。
【0044】(i)帯電防止性能(初期)…抵抗計(三菱
化学社製、ハイレスタ)によって表面固有抵抗値(Ω/
□)を測定する方法。 (ii)帯電防止性能(10回洗浄後)…上記方法で得られ
たターポリンにつき、その表面をイオン交換水で十分濯
ぎ、ガーゼによって水分を除き、温風環式乾燥機によっ
て60℃の温度で5時間乾燥する工程を一工程とし、こ
の工程を10回繰り返した後に、表面固有抵抗値(Ω/
□)を測定する方法。
化学社製、ハイレスタ)によって表面固有抵抗値(Ω/
□)を測定する方法。 (ii)帯電防止性能(10回洗浄後)…上記方法で得られ
たターポリンにつき、その表面をイオン交換水で十分濯
ぎ、ガーゼによって水分を除き、温風環式乾燥機によっ
て60℃の温度で5時間乾燥する工程を一工程とし、こ
の工程を10回繰り返した後に、表面固有抵抗値(Ω/
□)を測定する方法。
【0045】
【表1】
【0046】表−1より、次のことが明らかである。
(1)実施例の帯電防止性ターポリンは、表面固有抵抗値
の初期値、10回洗浄後の値ともに低く、水で洗い流さ
れることがない。 (2)これに対して、樹脂改質剤の成分が本発明で必須と
する範囲外のものを使用した比較例1、ポリオレフィン
変性物を含まない比較例4のものは、表面固有抵抗値の
初期値、10回洗浄後の値ともに実施例のものに及ばな
い。 (3)また、EVA、PVCに帯電防止剤を練り込んだ比
較例2、比較例5のものは、表面固有抵抗値の初期値は
低いが、10回洗浄後の値はEVA単独のもの(比較例
3)、PVC単独のもの(比較例6)の値まで高くな
り、水で洗い流されることが明らかである。
の初期値、10回洗浄後の値ともに低く、水で洗い流さ
れることがない。 (2)これに対して、樹脂改質剤の成分が本発明で必須と
する範囲外のものを使用した比較例1、ポリオレフィン
変性物を含まない比較例4のものは、表面固有抵抗値の
初期値、10回洗浄後の値ともに実施例のものに及ばな
い。 (3)また、EVA、PVCに帯電防止剤を練り込んだ比
較例2、比較例5のものは、表面固有抵抗値の初期値は
低いが、10回洗浄後の値はEVA単独のもの(比較例
3)、PVC単独のもの(比較例6)の値まで高くな
り、水で洗い流されることが明らかである。
【0047】
【発明の効果】本発明は、次のような特別に有利な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る帯電防止性に優れたターポリンは、塗
膜材として用いた熱可塑性樹脂組成物に特定の樹脂改質
剤を網状分散させているので、複数回の洗浄によって流
失することがなく、安定した帯電防止性を恒久的に発揮
する。 2.本発明に係る帯電防止性に優れたターポリンは、帯
電防止性を付与するためにカーボンブラックを使用して
いないので、自由な着色ができる。 3.本発明に係る帯電防止性に優れたターポリンは、高
周波溶着加工ができるので、二次加工法に制約を受けな
ることがなく広い用途に使用することができる。
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る帯電防止性に優れたターポリンは、塗
膜材として用いた熱可塑性樹脂組成物に特定の樹脂改質
剤を網状分散させているので、複数回の洗浄によって流
失することがなく、安定した帯電防止性を恒久的に発揮
する。 2.本発明に係る帯電防止性に優れたターポリンは、帯
電防止性を付与するためにカーボンブラックを使用して
いないので、自由な着色ができる。 3.本発明に係る帯電防止性に優れたターポリンは、高
周波溶着加工ができるので、二次加工法に制約を受けな
ることがなく広い用途に使用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 出口 自治夫
茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番2号
三菱化学産資株式会社商品研究所
(72)発明者 水谷 敏和
三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株
式会社四日市事業所内
Fターム(参考) 4F055 AA30 BA07 BA12 CA12 EA03
EA04 EA05 EA22 FA05 FA07
FA08 GA01 GA20
4F100 AK01A AK03B AK03C AK04B
AK04C AK15 AK25B AK25C
AK41 AK54B AK54C AK68
AL01B AL01C AL05B AL05C
AL07B AL07C BA02 BA03
BA06 BA10B BA10C BA16
DG12A EH46B EH46C GB16
JA07B JA07C JB16B JB16C
JG03 JK13B JK13C
4J002 BB011 BB062 BB072 BB214
BB242 BD032 BG001 BG043
BN034 BN054 CF051 CK002
CL001
Claims (6)
- 【請求項1】 合成繊維織布を基布としたターポリンに
おいて、この基布の少なくとも片面に、下記の一般式
[I]ないし一般式[III]で表される構造単位を下記の
割合で含む共重合体と、ポリオレフィンをカルボン酸ま
たはカルボン酸無水物によって変性したポリオレフィン
変性物とからなり、共重合体とポリオレフィン変性物の
両者が化学的に結合していてもよい樹脂改質剤を5〜4
0重量部含有する、軟質熱可塑性樹脂組成物製の塗布膜
が形成されてなる、ことを特徴とするに優れた帯電防止
性タ−ポリン。共重合体の構造単位の割合:次の一般式
[I]で表されるエチレン構造単位10〜50モル%、
次の一般式[II]で表されるアクリレート構造単位40
〜60モル%、および、次の一般式[III]で表されるポ
リオキシアルキレンアリルエーテル構成単位15〜40
モル%(各構成単位の和が100モル%となる)からな
る。 【化1】 【化2】 【化3】 (一般式[I]ないし一般式[III]において、R1は炭素
数が10〜50の直鎖または分岐鎖のアルキル基、R2
およびR3は、それぞれ独立して、炭素数が1〜10の
アルキル基、R4は、炭素数が2〜10の直鎖または分
岐鎖のアルキレン基、nは平均値が2〜20の数をそれ
ぞれ意味する) - 【請求項2】 共重合体の重量平均分子量が、1000
〜50000である、請求項1に記載のターポリン。 - 【請求項3】 共重合体と、ポリオレフィン変性物との
重量比が、20:1〜1:1である、請求項1または請
求項2に記載のターポリン。 - 【請求項4】 樹脂改質剤が、共重合体とポリオレフィ
ン変性物とを混合し、50〜300℃で加熱処理して製
造されたものである、請求項1ないし請求項3のいずれ
か一項に記載のターポリン。 - 【請求項5】 樹脂改質剤が、加熱処理を溶媒中で行っ
て製造されたものである、請求項4に記載のターポリ
ン。 - 【請求項6】 樹脂改質剤が、カルボン酸またはカルボ
ン酸無水物で変性されたポリオレフィン変性物の存在下
に、一般式[I]ないし一般式[III]で表される構成単
位を与えるモノマ−を共重合させることによって製造さ
れたものである、請求項1ないし請求項3のいずれか一
項に記載のターポリン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10234322A JP2000062106A (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | 帯電防止性に優れたターポリン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10234322A JP2000062106A (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | 帯電防止性に優れたターポリン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000062106A true JP2000062106A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=16969197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10234322A Pending JP2000062106A (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | 帯電防止性に優れたターポリン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000062106A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011144253A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Dynic Corp | ターポリン用架橋性樹脂組成物及びそれを用いたターポリン |
JP2014074117A (ja) * | 2012-10-04 | 2014-04-24 | Mitsubishi Plastics Inc | 高周波溶着性シート |
CN115193162A (zh) * | 2022-07-19 | 2022-10-18 | 江苏绿地环保滤材有限公司 | 一种高强度工业滤料基布及其制备工艺 |
-
1998
- 1998-08-20 JP JP10234322A patent/JP2000062106A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011144253A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Dynic Corp | ターポリン用架橋性樹脂組成物及びそれを用いたターポリン |
JP2014074117A (ja) * | 2012-10-04 | 2014-04-24 | Mitsubishi Plastics Inc | 高周波溶着性シート |
CN115193162A (zh) * | 2022-07-19 | 2022-10-18 | 江苏绿地环保滤材有限公司 | 一种高强度工业滤料基布及其制备工艺 |
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