JP2001191023A - 環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコート鋼板およびその製造方法 - Google Patents

環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコート鋼板およびその製造方法

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JP2001191023A JP2000005343A JP2000005343A JP2001191023A JP 2001191023 A JP2001191023 A JP 2001191023A JP 2000005343 A JP2000005343 A JP 2000005343A JP 2000005343 A JP2000005343 A JP 2000005343A JP 2001191023 A JP2001191023 A JP 2001191023A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜中にクロム系防錆顔料を添加しなくて
も、加工部耐食性をはじめとする優れた特性が得られる
プレコート鋼板を得る。 【解決手段】 シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成
処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、樹脂
固形分100重量部に対してカルシウムイオン交換シリ
カを5〜50重量部含有する下塗り塗膜が形成され、さ
らにその上層に、樹脂固形分として下記イ)〜ハ)を所
定の割合で含有する塗料組成物を塗布して形成した上塗
り塗膜が形成されたことを特徴とする。 イ)一般式(1) 【化1】 を繰り返し単位とするポリエステル化合物 ロ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂 ハ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
ノ樹脂

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、環境調和性と加工
部耐食性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法に関
するものである。本発明のプレコート鋼板は、例えば家
電製品や建材用途などに好適であり、また自動車用とし
ても使用することができる。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているプレコート鋼板は、
耐食性を確保するためにクロムを含有する化成処理を施
すとともに、下塗り塗膜中にクロム系の防錆顔料を含有
させている(例えば、特開平7−316497号)。し
かし、昨今このようなプレコート鋼板について、毒性の
強いクロムの溶出による公害発生の懸念が問題視されて
いる。
【0003】このような問題に対し、特開平8−319
437号公報では、塩基性亜リン酸塩系防錆顔料を下塗
り塗膜中に含有させることにより、無毒性で且つ耐食性
に優れたプレコート鋼板が得られるとしている。また、
特開平8−11257号公報では、イソシアネート化合
物及びリン酸系防錆顔料を下塗り塗膜中に含有させるこ
とにより、耐食性に優れた無公害型プレコート鋼板が得
られるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの無公
害型プレコート鋼板は、平面部、傷部(クロスカット
部)及び端面の耐食性については、従来のクロム系防錆
顔料を用いたものとほぼ同等の性能が得られるものの、
本発明者らの調査によれば、厳しい加工を受けた部分の
耐食性が従来のクロム系防錆顔料を用いたものに較べて
劣っていることが判った。プレコート鋼板は、加工を受
けた後に製品として使用されるため、加工を受けた部分
の耐食性は非常に重要である。
【0005】また、プレコート鋼板の加工部耐食性を向
上させるため、加工性を高めたポリエステル−メラミン
系塗膜を上塗り塗膜として用いることも考えられるが、
このようなプレコート鋼板は加工部耐食性は向上するも
のの、塗膜硬度が劣ってしまう問題がある。したがって
本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、
塗膜中にクロム系防錆顔料を添加しなくても、加工部耐
食性をはじめとする優れた特性が得られる環境調和型の
プレコート鋼板及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決し、優れた性能のプレコート鋼板を得るために検
討を重ねた結果、シリカ微粒子とその結合剤とを含む化
成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、カ
ルシウムイオン交換シリカを添加した下塗り塗膜を形成
するとともに、その上層に上塗り塗膜として、ポリオー
ルを主剤とし、これに硬化剤と、主としてナフタレン
2,6−ジカルボン酸及び/又はその低級アルキルエス
テルをアルコール成分と反応させて得られるポリエステ
ル化合物を加えた塗料配合系の塗膜を形成することによ
り、環境調和性及び加工部耐食性に優れたプレコート鋼
板が得られることを見い出した。
【0007】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1]シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮膜
が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、樹脂固形分1
00重量部に対してカルシウムイオン交換シリカを5〜
50重量部含有する下塗り塗膜が形成され、さらにその
上層に上塗り塗膜が形成されたプレコート鋼板であっ
て、前記上塗り塗膜が、樹脂成分として下記イ)〜ハ)
を含有する塗料組成物を塗布して形成した塗膜であるこ
とを特徴とする環境調和性と加工部耐食性に優れたプレ
コート鋼板。 イ)一般式(1)
【化3】 を繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂固形分
中での割合で1〜15重量% ロ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:樹脂固
形分中での割合で40〜90重量% ハ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
ノ樹脂:樹脂固形分中での割合で9〜50重量%
【0008】[2]上記[1]のプレコート鋼板におい
て、上塗り塗膜を形成する塗料組成物中の硬化剤がブロ
ック化ポリイソシアネート化合物であることを特徴とす
る環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコート鋼板。
【0009】[3]シリカ微粒子とその結合剤とを含む
化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、
樹脂固形分100重量部に対してカルシウムイオン交換
シリカを5〜50重量部含有する下塗り塗膜用の塗料組
成物を塗布した後、180〜260℃の到達板温で焼付
処理し、次いで、樹脂成分として下記イ)〜ハ)を含有
する上塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、 イ)一般式(1)
【化4】 を繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂固形分
中での割合で1〜15重量% ロ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:樹脂固
形分中での割合で40〜90重量% ハ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
ノ樹脂:樹脂固形分中での割合で9〜50重量% 180〜260℃の到達板温で焼付処理することを特徴
とする環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコート鋼
板の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明のプレコート鋼板は、特定の成分
を含む化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表
面に、特定の成分を含む下塗り塗膜及び上塗り塗膜を形
成した塗装鋼板である。下地鋼板となる亜鉛系めっき鋼
板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっ
き鋼板などの各種亜鉛系めっき鋼板を用いることができ
る。
【0011】また、亜鉛系めっき鋼板としては化成処理
皮膜との密着性を高めるために、亜鉛系めっきの後に表
面調整処理を施したものを用いることができる。この表
面調整処理は、酸性処理液、アルカリ性処理液のいずれ
を使用してもよい。処理方法は、浸漬やスプレーなどに
より行うことができる。
【0012】上記亜鉛系めっき鋼板の表面に形成される
化成処理皮膜は、シリカ微粒子(微粉末)とその結合剤
とを含む化成処理皮膜である。上記シリカ微粒子として
は、例えば、一次粒径が約1〜100nmの湿式シリカ
(コロイダルシリカ)、乾式シリカ(ヒュームドシリ
カ)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いることが
できる。このようなシリカ微粒子を化成処理皮膜中に配
合することにより、化成処理皮膜上層の樹脂皮膜(下塗
り塗膜)との密着性、耐スクラッチ性、耐食性を高める
ことができる。
【0013】また、上記結合剤としては、例えば水溶性
又は水分散性有機高分子、酸素酸塩(但し、クロム酸塩
は除く)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いるこ
とができる。上記水溶性又は水分散性有機高分子として
は、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアル
コールなどを例示できる。また、上記酸素酸塩として
は、例えば、リン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン
酸塩、バナジン酸塩などを例示できる。このような結合
剤を化成処理皮膜中に配合することにより、シリカ微粒
子同士の結合性(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子
の素地金属との密着性を高めることができる。
【0014】また、化成処理液には、Zr化合物、Ti
化合物、Hf化合物(例えば、フルオロ錯塩など)の1
種又は2種以上を添加剤として添加し、それらを化成処
理皮膜中に含有させることができる。シリカ微粒子と結
合剤の配合割合は固形分重量比でシリカ微粒子/結合剤
=1/0.01〜1/10の範囲とすることが望まし
い。シリカ微粒子の配合量:1に対する結合剤の配合割
合が0.01未満であると、シリカ微粒子同士の結合性
(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子の素地金属との
密着性が劣る。また、シリカ微粒子の配合量:1に対す
る結合剤の配合割合が10超であると、化成処理皮膜上
層の樹脂皮膜(下塗り塗膜)との密着性、耐スクラッチ
性、耐食性が劣る。
【0015】化成処理皮膜の付着量は、成分として含ま
れるシリカ微粒子のSi換算量で5〜200mg/m
の範囲とすることが好ましい。この付着量が5mg/m
未満では、素地金属との密着性、耐食性が劣り、一
方、200g/m超では化成処理皮膜上層の樹脂皮膜
(下塗り塗膜)との密着性が劣る。化成処理皮膜を形成
するための処理方法に特に制約はないが、一般に化成処
理液をロールコーター塗装し、その後乾燥させる。この
乾燥では、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱
手段により、通常、50〜150℃程度の到達板温で皮
膜を乾燥させる。
【0016】次に、上記化成処理皮膜の上層に形成され
る下塗り塗膜について説明する。下塗り塗膜を形成する
ための塗料組成物の主剤樹脂としては、例えば、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスフェノールA付加ポリ
エステル樹脂などのようなエポキシ変成ポリエステル樹
脂などの1種又は2種以上を用いることができるが、加
工性の観点からはポリエステル樹脂及び/又はエポキシ
変性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0017】ポリエステル樹脂のエポキシ変性に用いる
樹脂としては、例えば、ビスフェノールA又はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、またこれ以外に、
塩基触媒(例えば、水酸化カリウム)の存在下に、エピ
ハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)をアルデ
ヒド(例えば、ホルムアルデヒド)と1価のフェノール
又は多価ポリフェノールとの縮合物と反応させることに
より得られるフェノール誘導体エポキシ樹脂(例えば、
ノボラック型エポキシ樹脂)なども用いることができ
る。
【0018】通常、下塗り塗膜の物性は塗料組成物の主
剤として使用する樹脂のTgにより変化するが、一般に
樹脂の分子構造からして、エポキシ系下塗り塗料による
塗膜は破断強度は大きいが破断伸びは小さく、一方、ポ
リエステル系下塗り塗料やウレタン系下塗り塗料による
塗膜は破断伸びは大きいが破断強度は小さい。これに対
して、ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂などのエ
ポキシ変性ポリエステル樹脂を主剤樹脂とする塗料組成
物により形成される下塗り塗膜は上記両方の樹脂の分子
構造を兼ね備えているため、破断強度と破断伸びがバラ
ンスよく得られ、本発明が目的とする高加工性の観点か
らして特に好ましい。
【0019】下塗り塗膜をポリエステル系樹脂(ビスフ
ェノールA付加ポリエステル樹脂などのエポキシ変性ポ
リエステル樹脂を含む。以下同様)を主剤樹脂とする塗
料組成物により形成する場合、下塗り塗膜が上記物性を
有するようにするためには、ポリエステル樹脂として数
平均分子量が1000〜50000、より好ましくは3
000〜40000、特に好ましくは5000〜300
00の範囲のものを用いることが望ましい。ポリエステ
ル樹脂の数平均分子量が1000未満では、塗膜の伸び
が不十分であるため上記の物性が得られず、塗膜性能の
向上が十分でない。一方、数平均分子量が50000を
超えると塗料組成物が高粘度になるため過剰の希釈溶剤
が必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するた
め適正な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の
配合成分との相溶性も著しく低下する。
【0020】また、塗料組成物の主剤としてビスフェノ
ールA付加ポリエステル樹脂を使用する場合、このビス
フェノールA付加ポリエステル樹脂中のビスフェノール
Aの含有量は樹脂固形分の割合で1〜70重量%、より
好ましくは3〜60重量%、特に好ましくは5〜50重
量%とするのが望ましい。ビスフェノールA付加ポリエ
ステル樹脂中のビスフェノールAの含有量が1重量%未
満では塗膜強度の向上効果が十分に得られず、塗膜性能
の向上効果が顕著ではない。一方、ビスフェノールAの
含有量が70重量%を超えると塗膜の伸びが十分に得ら
れない。
【0021】上記ポリエステル樹脂を得るための多価ア
ルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、
ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキ
サントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトールなどが挙げられ、また、これらの多価アルコ
ールを2種類以上組合せて用いることもできる。
【0022】また、ポリエステル樹脂を得るための多価
塩基酸成分としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミ
ック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメ
リット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハ
ク酸、無水コハク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などが挙げられ、これらの多価塩基酸成分を2種類
以上組合せて用いることもできる。
【0023】下塗り塗膜用の塗料組成物に用いられる硬
化剤としては、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂
などが使用できる。また、これらの2種以上を混合して
用いてもよい。硬化剤として用いられるポリイソシアネ
ート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ
ート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソ
シアネート;又はこれらジイソシアネートの多量体若し
くは多価アルコールとの付加物などが挙げられ、これら
をブロック剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、ア
ルコール系、メルカプタン系、イミン系、アミン系、イ
ミダゾール系又はオキシム系ブロック剤)などを用いて
ブロック化した化合物として使用することが好ましい。
また、これらブロック化ポリイソシアネート化合物の解
離触媒としては、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレー
ト、2−エチルヘキソエート鉛などを用いることができ
る。
【0024】硬化剤として用いられるアミノ樹脂として
は、例えば、低級アルコールでアルキルエーテル化され
たホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドなどと尿
素、ジシアンジアミド、アミノトリアジンなどとの縮合
物があり、具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メ
トキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチ
ロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールベンゾグアナミンなどが挙げられる。また、硬化触
媒としては、塩酸、リン酸モノアルキルエステル、P−
トルエンスルホン酸などの酸又はこれら酸と3級アミン
若しくは2級アミン化合物との塩が使用できる。
【0025】下塗り塗膜中には、防錆添加剤としてカル
シウムイオン交換シリカが配合される。このカルシウム
イオン交換シリカとしては、無定形シリカの表面シラノ
ール基にカルシウム原子をイオン交換したものであっ
て、たとえばGRACE社製の防錆顔料「SHIELD
EX」(商品名)などをそのまま使用することができ
る。また、このカルシウムイオン交換シリカとしては、
カルシウムの含有量が2〜15重量%のものが特に好ま
しい。カルシウムの含有量が2重量%未満では十分な加
工部耐食性が得られず、一方、15重量%を超えると加
工性が低下してしまう。
【0026】この防錆添加剤は、有害な物質を含まず且
つ塗膜の耐食性を高める作用がある。下塗り塗膜中にお
けるカルシウムイオン交換シリカの含有量は、樹脂固形
分100重量部に対して5〜50重量部とする。樹脂固
形分100重量部に対するカルシウムイオン交換シリカ
の含有量が5重量部未満では十分な加工部耐食性が得ら
れず、一方、50重量部を超えると加工性に問題を生じ
る。
【0027】また、下塗り塗膜用の塗料組成物には目的
や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート
鉛などの硬化触媒、;炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁
柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム
粉、パールマイカなどの顔料;その他、消泡剤、流れ止
め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。下
塗り塗膜の膜厚は2〜20μmの範囲とすることが好ま
しい。膜厚が2μm未満では十分な加工部耐食性が得ら
れず、一方、20μ超では加工性が不十分である。
【0028】下塗り塗膜を形成するための塗料組成物を
実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤に溶解し
て使用する。使用する有機溶剤としては、例えば、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、ソルベッソ100(商品名,エクソン化学社
製)、ソルベッソ150(商品名,エクソン化学社
製)、ソルベッソ200(商品名,エクソン化学社
製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチ
ルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテ
ル、石油ナフサなどが挙げられる。
【0029】下塗り塗膜用の塗料組成物を調整するに当
っては、サンドグラインドミル、ボールミル、ブレンダ
ーなどの通常の分散機や混練機を選択して使用し、各成
分を配合することができる。下塗り塗膜の塗装方法に特
に制約はないが、好ましくは塗料組成物をロールコータ
ー塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのが
よい。上記した化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき
鋼板の表面に下塗り塗膜用の塗料組成物を塗装後、熱風
加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により、通
常、180〜260℃程度の到達板温で約30秒〜1分
の焼付処理を行う。
【0030】次に、上記下塗り塗膜の上層に形成される
上塗り塗膜について説明する。上塗り塗膜は、イ)特定
のポリエステル化合物と、ロ)上記イ)を除くポリオー
ルと、ハ)特定の硬化剤とを含有する(好ましくは、こ
れらを主成分樹脂として含有する)塗料組成物を塗布
し、焼付処理して形成させたものである。このような特
定の上塗り塗膜を形成することにより、上述した下塗り
塗膜との複合的な効果によって特に優れた加工部耐食性
が得られる。まず、上記イ)のポリエステル化合物は下
記一般式(1)を繰り返し単位とするポリエステル化合
物である。
【化5】
【0031】上記イ)のポリエステル化合物は、酸成分
であるナフタレン−2,6−ジカルボン酸及び/又はそ
の低級アルキルエステルをアルコール成分と反応させる
ことにより得ることができる。上記イ)のポリエステル
化合物を得るための酸成分としては、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸及び/又はその低級アルキルエステル
が主として用いられるが、それらの一部をテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸などのジカルボン酸、又は
これらジカルボン酸の低級アルキルエステルなどで置き
換えることもできる。この低級アルキルエステルとして
は、炭素数が1〜2個のメチルエステル、エチルエステ
ルなどが挙げられる。但しこの場合でも、主体となるナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸は酸成分全体のうち8
5モル%以上とし、置き換えられる他の化合物の割合は
15モル%未満に抑えることが望ましい。
【0032】また、上記イ)のポリエステル化合物を得
るためのアルコール成分としては、主としてジオールを
用いる。このジオールとしては脂肪族ジオール、脂環族
ジオールなどを用いることができ、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げ
られる。また、ポリオキシアルキレングリコール、特
に、数平均分子量が1000以下のポリエチレングリコ
ール(以下、PEGと略す)、或いは数平均分子量が1
000以下のポリテトラエチレングリコール(以下、P
TGと略す)を使用することもできる。また、これらを
混合して使用してもよい。
【0033】また、アルコール成分としては、上述した
ジオールの他に3価以上の多価アルコールを用いてもよ
い。多価アルコールとしては、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタンなどが挙げられる。
以上のような酸成分とアルコール成分とが反応し、上記
イ)のポリエステル化合物が生成される。また特に、数
平均分子量が1000以下のPEG又は数平均分子量が
1000以下のPTGを用いた場合には、エーテル結合
を有するポリエステル化合物が生成される。
【0034】本発明で用いる上記イ)のポリエステル化
合物は、エステル交換法や直接エステル化法などの通常
のポリエステル製造法によって得ることができる。通
常、酸成分とアルコール成分はモル比1:2で反応する
ので、効率良く反応を行うためには、酸成分とアルコー
ル成分をできるだけモル比1:2に近い割合で配合する
のが望ましい。また、ポリエステル化合物は、単独また
は2種類以上の組み合わせのいずれでも使用することが
できる。
【0035】上述したような酸成分とアルコール成分の
組み合わせで生成したポリエステル化合物は、偏光顕微
鏡で観察した場合に異方性を示す。このようなポリエス
テル化合物を含む塗膜は、焼付後においても液晶化合物
の特徴である配向などの作用により塗膜の強靭化が図ら
れ、これが塗膜硬度と加工性の改善に寄与するものと考
えられる。
【0036】上記PEG又はPTGをアルコール成分と
して用いた場合、これが酸成分と反応し、エーテル結合
を有するポリエステル化合物が生成する。このエーテル
結合を有するポリエステル化合物は還元粘度が0.20
dl/g以下であることが望ましい。還元粘度が0.2
0dl/gを超えると溶剤への溶解性やポリオール、硬
化剤などとの相溶性が著しく低下し、塗膜性能も不十分
なものとなる。なお、還元粘度は、試料をフェノール/
テトラクロロエタン(重量比:60/40)の溶液に溶
解し、ウベローデ型粘度計を用いて25℃で測定した値
である。このエーテル結合を有するポリエステル化合物
を用いた場合は、フレキシブルなエーテル鎖と剛直なナ
フタレン骨格との組み合わせにより架橋構造に強靭性が
付与され、これが塗膜硬度と加工性の改善に寄与してい
るものと考えられる。
【0037】上記イ)のポリエステル化合物の配合量
は、樹脂固形分中での割合で1〜15重量%、好ましく
は2〜12重量%、さらに好ましくは3〜10重量%と
する。上記ポリエステル化合物の配合量が1重量%未満
では塗膜性能の向上効果が顕著ではなく、一方、配合量
が15重量%を超えると塗膜の可撓性が低下する。
【0038】次に、上記ロ)のポリオールとしては、ア
クリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂を用いることが
できる。上記ロ)のポリオールであるアクリル樹脂は、
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且つ数平均
分子量が1500〜12000の化合物であれば特に限
定されるものではないが、その数平均分子量の好ましい
範囲は1700〜10000である。アクリル樹脂の分
子中にある水酸基はアクリル樹脂主鎖に無秩序に配列さ
れており、数平均分子量が1500未満では加工性が著
しく低下する。一方、数平均分子量が12000を超え
ると高粘度になるため過剰の稀釈溶剤が必要となり、塗
料中に占める樹脂の割合が減少するため適切な塗膜を得
ることができなくなる。さらに、他の配合成分との相溶
性も著しく低下する。なお、アクリル樹脂の数平均分子
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以
下、GPCという)により測定したポリエステル換算分
子量である。
【0039】アクリル樹脂は、水酸基を持つアクリル単
量体又はメタクリル単量体とアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルなどを周知の方法で加熱反応させて
得られる共重合体である。水酸基を持つアクリル単量
体、メタクリル単量体としては、例えば、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸
ヒドロキシプロピルなどを用いることができる。また、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルな
どを用いることができる。市販されているアクリル樹脂
としては、“アルマテックス”(商品名,三井東圧化学
(株)製)、“デスモフェン”(商品名,住友バイエル
ウレタン(株)製)、“ダイヤナール”(商品名,三菱
レイヨン(株)製)などがある。
【0040】上記ロ)のポリオールであるポリエステル
樹脂は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且
つ数平均分子量が1000〜8000の化合物であれば
特に限定されるものではないが、その好ましい数平均分
子量の範囲は1200〜7000、より好ましくは15
00〜6000である。ポリエステル樹脂の分子中にあ
る水酸基は、分子中の末端または側鎖のいずれにあって
もよい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が1000未
満では加工性が著しく低下する。一方、数平均分子量が
8000を超えると高粘度になるため過剰の稀釈溶剤が
必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため
適切な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の配
合成分との相溶性も著しく低下する。なお、ポリエステ
ル樹脂の数平均分子量は、GPCにより測定したポリス
チレン換算分子量である。
【0041】ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価
アルコールを周知の方法で加熱反応させて得られる共重
合体である。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット
酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸などを用いるこ
とができる。また、多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタンなどを用いることができる。市販されて
いるポリエステル樹脂としては、“アルマテックス”
(商品名,三井東圧化学(株)製)、“アルキノール”
(商品名,住友バイエルウレタン(株)製)、“デスモ
フェン”(商品名,住友バイエルウレタン(株)製)、
“バイロン”(商品名,東洋紡績(株)製)などがあ
る。
【0042】上記ロ)のポリオールの配合量は、樹脂固
形分の割合で40〜90重量%とする。このポリオール
の配合量が40重量%未満では塗膜の加工性が十分に確
保できず、一方、90重量%を超えると塗膜硬度が不十
分となる。
【0043】上記ハ)の硬化剤としては、イソシアネー
ト化合物及び/又はアミノ樹脂を用いることができる。
イソシアネート化合物としては、一般的製法で得られる
イソシアネート化合物を用いることができるが、その中
でも特に、1液型塗料としての使用が可能である、フェ
ノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級アルコ
ール、ラクタム、オキシムなどのブロック剤でブロック
化されたポリイソシアネート化合物が好ましい。このブ
ロック化ポリイソシアネート化合物を用いることにより
1液での保存が可能となり、プレコート鋼板用塗料とし
ての使用が容易となる。
【0044】また、さらに好ましいポリイソシアネート
化合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシア
ネート(以下、HDIと略す)及びその誘導体、トリレ
ンジイソシアネート(以下、TDIと略す)及びその誘
導体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIと略す)及びその誘導体、キシリレンジ
イソシアネート(以下、XDIと略す)及びその誘導
体、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略
す)及びその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート(以下、TMDIと略す)及びその誘導体、
水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘導
体、水添XDI及びその誘導体などを挙げることができ
る。さらに、“スミジュール”(商品名,住友バイエル
ウレタン(株)製)、“デスモジュール”(商品名,住
友バイエルウレタン(株)製)、“コロネート”(商品
名,日本ポリウレタン(株)製)などの市販のイソシア
ネート化合物も使用できる。
【0045】硬化剤としてポリイソシアネート化合物を
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基と上記イ)のポリエステル化合物及び上記ロ)のポ
リオールの水酸基との配合比[NCO/OH]はモル比
で0.8〜1.2、より好ましくは0.90〜1.10
の範囲とすることが望ましい。[NCO/OH]のモル
比が0.8未満では塗膜の硬化が不十分であり、所望の
塗膜硬度及び強度が得られない。一方、[NCO/O
H]のモル比が1.2を超えると、過剰のイソシアネー
ト基同士の或いはイソシアネート基とウレタン配合との
副反応が生じて、塗膜の加工性が低下する。
【0046】硬化剤であるアミノ樹脂としては、尿素、
ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドと
の反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブタ
ノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化した
ものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n
−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹
脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラ
ミン樹脂などを挙げることができる。さらに、“サイメ
ル”(商品名,三井サイアナミッド(株)製)、“ユー
バン”(商品名,三井東圧化学(株)製、“スミマー
ル”(商品名,住友化学工業(株)製)、“メラン”
(商品名,日立化成工業(株)製)などの市販のアミノ
樹脂も使用できる。
【0047】硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場合、ア
ミノ樹脂と上記イ)のポリエステル化合物及び上記ロ)
のポリオールとの配合比(固形分の重量比)は[ポリエ
ステル化合物]+[ポリオール]/[アミノ樹脂]:9
5/5〜65/35、望ましくは90/10〜75/2
5の割合とするのが好ましい。上記ハ)の硬化剤の配合
量は、樹脂固形分中での割合で9〜50重量%とする。
この硬化剤の配合量が9重量%未満では塗膜硬度が不十
分であり、一方、50重量%を超えると加工性が不十分
となる。また、上塗り塗膜には目的や用途に応じてワッ
クスを適量配合することができる。このワックスとして
は、天然ワックスまたは合成ワックスを用いることがで
きる。
【0048】また、上塗り塗膜用の塗料組成物には目的
や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート
鉛などの硬化触媒、;炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁
柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム
粉、パールマイカなどの顔料;その他、消泡剤、流れ止
め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。こ
の上塗り塗膜の膜厚は10〜20μmとすることが好ま
しい。膜厚が10μm未満では上塗り塗膜としての総合
的な塗膜性能が十分に得られない恐れがあり、一方、膜
厚が20μmを超えると塗膜硬度が低下する。
【0049】上塗り塗膜を形成するための塗料組成物を
実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤に溶解し
て使用する。使用する有機溶剤としては、例えば、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、ソルベッソ100(商品名,エクソン化学社
製)、ソルベッソ150(商品名,エクソン化学社
製)、ソルベッソ200(商品名,エクソン化学社
製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチ
ルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテ
ル、石油ナフサなどが挙げられる。上塗り塗膜用の塗料
組成物を調整するに当っては、サンドグラインドミル、
ボールミル、ブレンダーなどの通常の分散機や混練機を
選択して使用し、各成分を配合することができる。
【0050】上塗り塗膜の塗装方法に特に制約はない
が、好ましくは塗料組成物をロールコーター塗装、カー
テンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。上記し
た下塗り塗膜の上に上塗り塗膜用の塗料組成物を塗装
後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段に
より塗膜を焼き付け、樹脂を架橋させて硬化塗膜を得
る。上塗り塗膜を加熱硬化させる際の焼付処理は、通
常、最高到達板温を180〜260℃程度とし、この温
度範囲で約30秒〜3分の焼付を行う。なお、本発明の
プレコート鋼板は、上塗り塗膜の上にさらに塗膜(例え
ば、クリアー塗膜)を形成し、3コート・3ベークで使
用してもよい。
【0051】
【実施例】下地鋼板である板厚0.5mmの溶融亜鉛め
っき鋼板(片面当りのめっき付着量:30g/m)を
脱脂後、表1に示す組成の化成処理液を乾燥皮膜付着量
がSi換算で65mg/mになるように塗布した後、
到達板温80℃の乾燥処理を行なって化成処理皮膜を形
成し、その上に表2に示す防錆顔料と表3に示す組成の
ポリエステル樹脂を用いて、表4に示す組成に調整した
下塗り塗膜用の塗料組成物を乾燥膜厚が5μmになるよ
うに塗布した後、焼付温度(到達板温)215℃、焼付
時間60秒の焼付処理を行なって下塗り塗膜を形成し、
さらにその上に、表5に示す組成の上塗り塗膜用の塗料
組成物を乾燥膜厚が15μmになるように塗布した後、
焼付温度(到達板温)230℃、焼付時間60秒の焼付
処理を行なって上塗り塗膜を形成し、本発明例及び比較
例のプレコート鋼板を得た。これらプレコート鋼板の性
能を、その製造条件とともに表6、表7に示す。
【0052】表4に示す下塗り塗膜用の塗料組成物は、
以下のようにして調整した。 [下塗り塗膜用の塗料組成物] (1)ポリエステル樹脂の調製 加熱装置、撹拌機、精留塔、減圧装置および温度計を備
えた反応容器に、表3に示すような配合でテレフタル酸
ジメチル、イソフタル酸ジメチル、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール及び酢酸マンガンを仕込
み、窒素雰囲気中において160〜220℃の温度で、
約4時間かけて段階的に昇温させエステル交換反応を行
い、メタノールを留出させた。さらに、0.5〜5.0
mmHgの減圧下、260℃で約2時間重縮合反応さ
せ、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹
脂は、シクロヘキサノン/ソルベッソ150の混合溶剤
(重量比50/50)に溶解し、不揮発分40%に調製
した。また、ポリエステル樹脂の分子量は重縮合反応時
間により調節した。分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを用い、ポリスチレン換算の数平均分
子量を測定した。
【0053】(2)下塗り塗膜用の塗料組成物の製造 上記(1)で得られたポリエステル樹脂を用いて、表4
に示すような配合割合で塗料組成物を製造した。これら
塗料組成物には防錆顔料が含まれており、粒度が5μm
以下になるまでサンドミルで分散させた。
【0054】表5に示す上塗り塗膜用の塗料組成物は、
以下のようにして調整した。 [上塗り塗膜用の塗料組成物] (1)ポリエステル化合物f-1の調整 加熱装置、撹拌機、精留塔及び温度計を備えた反応容器
に、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエーテ
ル(以下、“2,6−NDCM”という)を0.5mo
l、ジエチレングリコールを1.05mol入れ、20
0℃で加熱溶融した。その後、触媒としてチタニウムテ
トラ−n−ブトキシドを2,6−NDCMに対して0.
10mol%添加し、反応温度を段階的に240℃まで
上げていき、理論量のメタノール32g(1.0mo
l)が留出したところで反応を終了した。これによりポ
リエステル化合物f-1を得た。このポリエステル化合物
の還元粘度は0.05dl/gであった。
【0055】このポリエステル化合物f-1の化学構造式
を以下に示す。
【化6】
【0056】(2)ポリエステル化合物f-2の調整 加熱装置、撹拌機、精留塔及び温度計を備えた反応容器
に、2,6−NDCMを0.5mol、1,4−ブタン
ジオールを1.02mol入れ、200℃で加熱溶融し
た。その後、触媒としてチタニウムテトラ−n−ブトキ
シドを2,6−NDCMに対して0.06mol%添加
し、反応温度を段階的に240℃まで上げていき、理論
量のメタノール32g(1.0mol)が留出したとこ
ろで反応を終了した。これによりポリエステル化合物f-
2を得た。このポリエステル化合物の還元粘度は0.0
4dl/gであった。
【0057】このポリエステル化合物f-2の化学構造式
を以下に示す。
【化7】
【0058】(3)上塗り塗膜用の塗料組成物の製造 上記(1)、(2)で得られたポリエステル化合物f-
1,f-2に表5に示すような配合割合でポリエステル樹
脂、硬化剤、顔料、硬化触媒及び添加剤を配合した後、
直径約1mmのガラスビーズを入れたサンドミルを用い
て約30分間分散させた。さらに、シクロヘキサノンを
加えて不揮発分が60%になるように調整し、塗料組成
物A,Bを製造した。
【0059】また、比較例である上塗り塗膜用塗料組成
物として、表5に示すような配合割合でポリエステル樹
脂、硬化剤、顔料、硬化触媒及び添加剤を配合した後、
直径約1mmのガラスビーズを入れたサンドミルを用い
て約30分間分散させた。さらに、シクロヘキサンを加
えて不揮発分が60%になるように調整し、塗料組成物
Cを製造した。
【0060】以下に、プレコート鋼板の性能試験の試験
方法と評価方法について示す。 (1)鉛筆硬度 三菱鉛筆“ユニ”を使用してJIS K 5400の8.
4に基づいて試験を行い、塗膜に傷が付かない硬度限界
を示した。
【0061】(2)円筒絞り加工性 円筒絞り加工機を用い、サイズ10cm×10cmの試
験片に対して、試料サイズ:90φ、ダイス:42.4
φ5R、プランジャー:40.4φ4R、ホールド圧:
2.0tonの円筒絞り加工条件で成形加工を行い、成
形加工後の塗膜表面を観察し、下記により評価した。 ○:全く異常なし △:わずかに傷の発生が認められる ×:明らかな傷の発生が認められる(異常あり)
【0062】(3)加工部耐食性(1) 2T折り曲げ試験片に対して塩水噴霧試験(SST試
験)を480時間実施した後、2T折り曲げ部に粘着テ
ープを貼着・剥離し、2T折り曲げ部の塗膜の剥離率
(面積率:%)を測定し、下記により評価した。 ○:塗膜剥離率10%以下 △:塗膜剥離率10%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超
【0063】(4)加工部耐食性(2) 2T折り曲げ試験片に対して複合サイクル試験を300
サイクル実施した後、2T折り曲げ部に粘着テープを貼
着・剥離し、2T折り曲げ部の塗膜の剥離率(面積率:
%)を測定し、下記により評価した。なお、複合サイク
ル試験方法は、塩水噴霧(30℃,5h)、湿潤(30
℃,95±3%RH,0.5h)、熱風乾燥(50℃,
2h)、熱風乾燥(30℃,2h)を1サイクルとし
て、これを繰り返し行った。 ○:塗膜剥離率10%以下 △:塗膜剥離率10%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超 (5)環境調和性 ○:塗膜にクロム系化合物を含まない ×:塗膜にクロム系化合物を含む
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
【発明の効果】以上述べたように本発明のプレコート鋼
板は、環境調和性、加工部耐食性、塗膜硬度、成形加工
性及び塗膜外観のいずれにも優れており、このため家電
製品、建材、自動車などの用途において高度の環境調和
性、加工部耐食性、塗膜硬度、成形加工性及び塗膜外観
が求められる部位に用いられるプレコート鋼板として極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/00 C09D 167/00 (72)発明者 松崎 晃 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE17 BB29Y BB29Z BB73X BB87X BB93Y BB93Z CA02 CA33 DA06 DB05 DC01 DC10 DC11 DC18 EA07 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38 EB45 EB56 EC03 EC15 EC54 4F100 AA20A AA20C AB03B AH03D AH03H AK01C AK25D AK35D AK35H AK41D AS00A BA04 BA07 BA10B BA10D BA14 CA02D CC00C CC00D EH462 EJ422 EJ68A GB07 GB32 GB48 4J038 CG142 DA142 DA162 DA172 DD062 DG262 DG302 EA011 HA446 KA03 NA03 PA07 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成
    処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、樹脂
    固形分100重量部に対してカルシウムイオン交換シリ
    カを5〜50重量部含有する下塗り塗膜が形成され、さ
    らにその上層に上塗り塗膜が形成されたプレコート鋼板
    であって、 前記上塗り塗膜が、樹脂成分として下記イ)〜ハ)を含
    有する塗料組成物を塗布して形成した塗膜であることを
    特徴とする環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコー
    ト鋼板。 イ)一般式(1) 【化1】 を繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂固形分
    中での割合で1〜15重量% ロ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:樹脂固
    形分中での割合で40〜90重量% ハ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
    ノ樹脂:樹脂固形分中での割合で9〜50重量%
  2. 【請求項2】 上塗り塗膜を形成する塗料組成物中の硬
    化剤がブロック化ポリイソシアネート化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の環境調和性と加工部耐食
    性に優れたプレコート鋼板。
  3. 【請求項3】 シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成
    処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、樹脂
    固形分100重量部に対してカルシウムイオン交換シリ
    カを5〜50重量部含有する下塗り塗膜用の塗料組成物
    を塗布した後、180〜260℃の到達板温で焼付処理
    し、次いで、樹脂成分として下記イ)〜ハ)を含有する
    上塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、 イ)一般式(1) 【化2】 を繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂固形分
    中での割合で1〜15重量% ロ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:樹脂固
    形分中での割合で40〜90重量% ハ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
    ノ樹脂:樹脂固形分中での割合で9〜50重量% 180〜260℃の到達板温で焼付処理することを特徴
    とする環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコート鋼
    板の製造方法。
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KR101884308B1 (ko) * 2018-03-20 2018-08-01 양영인 고기능성 피시엠용 세라믹 도료 조성물 및 이의 제조방법

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