JP2001191018A - 塗布製造方法および塗布製造物 - Google Patents

塗布製造方法および塗布製造物

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JP2001191018A
JP2001191018A JP2000001459A JP2000001459A JP2001191018A JP 2001191018 A JP2001191018 A JP 2001191018A JP 2000001459 A JP2000001459 A JP 2000001459A JP 2000001459 A JP2000001459 A JP 2000001459A JP 2001191018 A JP2001191018 A JP 2001191018A
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drying
coating
support
heating atmosphere
solvent
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JP2000001459A
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Keiichi Aoki
圭一 青木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜外観にムラや欠陥を生じたり、塗膜中の
残留溶媒が適正量でなかったり、残留溶媒量のバラツキ
を生じない塗布製造方法および塗布製造物を得ることが
出来た。 【解決手段】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗布
液を、支持体上に塗膜として塗布する塗布工程と、加熱
雰囲気温度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させる
加熱雰囲気乾燥工程とを有する塗布製造方法において、
前記加熱雰囲気乾燥工程中少なくとも30秒以上は、前
記高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]と前記加
熱雰囲気温度Tair[℃]とが、下記関係式(1)を
満たすことを特徴とする塗布製造方法。 (1) Tg−50 ≦ Tair ≦ Tg

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布製造方法に関
し、より詳しくは、支持体上に塗布液を塗布後の乾燥方
法に特徴のある塗布製造方法および塗布製造物に関す
る。写真感光材料、熱現像感光材料等の塗布、乾燥に有
用に利用できる。
【0002】
【従来の技術】塗膜の塗布製造方法については、従来よ
り各種提案されてきた。例えば、特公昭53−1069
1号に代表される加熱乾燥温度を規定するもの、また、
特公平1−57276号に代表される加熱風の方向を規
定するもの等数多くの提案がされている。しかし、乾燥
方法や乾燥装置については塗布液の組成に応じて条件を
適正化する必要があり、画一的に規定できるものではな
かった。塗布製造条件が適正化されていない場合には、
塗膜外観にムラや欠陥を生じたり、塗膜中の残留溶媒が
適正量でなかったり、残留溶媒量のバラツキを生じさせ
たりすることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、塗布液の組成に応じて最適な塗布製造
方法および塗布製造物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成された。
【0005】(1)高分子バインダと溶媒とを含有する
塗布液を、支持体上に塗膜として塗布する塗布工程と、
加熱雰囲気温度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発さ
せる加熱雰囲気乾燥工程とを有する塗布製造方法におい
て、前記加熱雰囲気乾燥工程中少なくとも30秒以上
は、前記高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]と
前記加熱雰囲気温度Tair[℃]とが、下記関係式
(1)を満たすことを特徴とする塗布製造方法。
【0006】 (1) Tg−50 ≦ Tair ≦ Tg (2)前記加熱雰囲気乾燥工程中少なくとも30秒以上
は、更に前記溶媒の大気圧中の沸点Tb[℃]と前記加
熱雰囲気温度Tair[℃]とが、下記関係式(2)を
満たすことを特徴とする上記1に記載の塗布製造方法。
【0007】 (2) Tb−50 ≦ Tair ≦ Tb (3)前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支持体を加
熱ロールに接触させて乾燥を行う加熱ロール乾燥工程を
有することを特徴とする上記1または2に記載の塗布製
造方法。
【0008】(4)前記加熱ロール温度Th[℃]と、
前記高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]が下記
関係式(3)を満たすことを特徴とする上記3に記載の
塗布製造方法。
【0009】 (3) Tg−15 ≦ Th ≦ Tg+1
5 (5)前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支持体にマ
イクロ波を照射して乾燥を行うマイクロ波乾燥工程を有
することを特徴とする上記1または2に記載の塗布製造
方法。
【0010】(6)前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前
記支持体に遠赤外線を照射して乾燥を行う遠赤外線乾燥
工程を有することを特徴とする上記1または2に記載の
塗布製造方法。
【0011】(7)高分子バインダと溶媒とを含有する
塗布液を、支持体上に塗膜として塗布し、加熱雰囲気温
度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する
塗布製造方法において、前記加熱雰囲気温度における乾
燥中少なくとも30秒以上は、前記溶媒の大気圧中の沸
点Tb[℃]と前記加熱雰囲気温度Tair[℃]が下
記関係式(2)を満たすことを特徴とする塗布製造方
法。
【0012】 (2) Tb−50 ≦ Tair ≦ Tb (8)前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支持体を加
熱ロールに接触させて乾燥を行う加熱ロール乾燥工程を
有することを特徴とする上記7に記載の塗布製造方法。
【0013】(9)前記加熱ロール温度Th[℃]と、
前記高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]が下記
関係式(3)を満たすことを特徴とする上記8に記載の
塗布製造方法。
【0014】(3) Tg−15 ≦ Th ≦
Tg+15 (10)前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支持体に
マイクロ波を照射して乾燥を行うマイクロ波乾燥工程を
有することを特徴とする上記7に記載の塗布製造方法。
【0015】(11)前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、
前記支持体を遠赤外線を照射して乾燥を行う遠赤外線乾
燥工程を有することを特徴とする上記7に記載の塗布製
造方法。
【0016】(12)高分子バインダと溶媒とを含有す
る塗布液を支持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲
気温度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥
する塗布製造方法において、前記加熱雰囲気温度におけ
る乾燥時間θのうち、乾燥初期の時間θ1[分]は前記
支持体の塗膜面を搬送ロールに接触させずに搬送し、そ
の後の乾燥後期の時間θ2[分]は前記支持体の塗膜面
を搬送ロールに接触して搬送し、前記時間θ1[分]お
よびθ2[分]が下記関係式(4)を満たすことを特徴
とする塗布製造方法。
【0017】(4) θ2 ≧ 5θ1 (13)高分子バインダと溶媒とを含有する塗布液を支
持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温度におい
て前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する塗布製造
方法において、前記加熱雰囲気温度における乾燥時間θ
のうち、乾燥初期の時間θ1[分]は前記支持体の塗膜
面を搬送ロールに接触させずに搬送し、その後の乾燥後
期の時間θ2[分]は前記支持体の塗膜面を搬送ロール
に接触して搬送し、前記乾燥後期の時間θ2[分]と前
記乾燥した後の塗膜厚みh[μm]が下記関係式(5)
を満たすことを特徴とする塗布製造方法。
【0018】(5) θ2 ≧ 0.01h2 (14)高分子バインダと溶媒とを含有する塗布液を支
持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温度におい
て前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する塗布製造
方法において、前記加熱雰囲気温度における乾燥時間の
うち、乾燥初期は前記支持体の塗膜面を搬送ロールに接
触させずに搬送し、その後の乾燥後期は前記支持体の塗
膜面を搬送ロールに接触させて搬送し、前記高分子バイ
ンダのガラス転移温度Tg[℃]と前記乾燥後期におけ
る加熱雰囲気温度Tair2が、下記関係式(6)を満
たすことを特徴とする塗布製造方法。
【0019】(6) Tg−15 ≦ Tair2
≦ Tg+15 (15)高分子バインダと溶媒とを含有する塗布液を支
持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温度におい
て前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する塗布製造
方法において、前記加熱雰囲気温度における乾燥時間の
うち、乾燥初期は前記支持体の塗膜面を搬送ロールに接
触させずに搬送し、その後の乾燥後期は前記支持体の塗
膜面を搬送ロールに接触させて搬送し、前記高分子バイ
ンダのガラス転移温度Tg[℃]と前記乾燥初期におけ
る加熱雰囲気温度Tair1が、下記関係式(7)を満
たすことを特徴とする塗布製造方法。
【0020】 (7) Tg−50 ≦ Tair1 ≦ Tg (16)前記溶媒の大気圧中の沸点Tb[℃]と前記乾
燥初期における加熱雰囲気温度Tair1が、下記関係
式(8)を満たすことを特徴とする上記15に記載の塗
布製造方法。
【0021】 (8) Tb−50 ≦ Tair1 ≦ Tb (17)上記1〜16のいずれか1項に記載の塗布製造
方法により製造された塗布製造物。
【0022】以下、本発明について詳細に説明する。塗
布液を連続走行する支持体に塗布した後、塗布液中の溶
媒を蒸発させる乾燥工程は、塗膜が流動状態にある恒率
乾燥期間と塗膜の流動状態が失われた後の減率乾燥期間
に分けられる。恒率乾燥期間では塗膜が流動することに
よる乱れが生じ易いという問題があり、減率乾燥期間で
は塗膜中に溶剤が残存し易いという問題があった。塗布
装置で塗布液を支持体に載せた直後は何ら問題がなくて
も、乾燥して仕上がってみると塗膜面にムラや欠陥が発
生しているといった問題に直面することが少なくない。
このムラや欠陥は塗膜が流動し易い恒率乾燥期間中に発
生していると考えられ、特に乾燥前のウェット状態にお
いて膜厚が厚い場合にこの問題が現れやすい。
【0023】最も一般的な塗膜の乾燥方法は、密閉され
たボックス状の空間内に加熱風を送って加熱雰囲気と
し、そこに塗布を行った支持体を通して加熱乾燥する方
式であるが、塗膜のムラや欠陥の問題が発生した際に
は、ボックス内で支持体に吹き付ける風を弱める操作に
て対応することが通常である。しかし、必ずしもそれだ
けでは十分な対策とは言えないことがわかった。そこ
で、発明者らは塗布液の組成とボックス内おける乾燥条
件を鋭意研究してきたところ、ボックス内に突入後少な
くとも30秒以上は、ボックス内の気温である加熱雰囲
気温度Tair[℃]と、塗布液中の高分子バインダの
ガラス転移温度Tg[℃]との関係が、以下の関係式
(1)を満たす場合に、塗膜の仕上がり外観が飛躍的に
向上することが判明した。
【0024】 (1) Tg−50 ≦ Tair ≦ Tg このとき、塗布液中に複数種の高分子バインダを含有す
る場合には、最もガラス転移温度が低い高分子バインダ
のガラス転移温度をTg[℃]とする。
【0025】上記関係式(1)において、さらに好まし
い範囲は、 Tg−50 ≦ Tair ≦ Tg−20 である。
【0026】本発明においては、この加熱雰囲気温度T
airにおける乾燥工程のことを加熱雰囲気乾燥工程と
呼ぶ。加熱雰囲気乾燥工程においては、支持体の塗膜面
側から加熱風を吹き付け、裏面側を搬送ロールで支持す
る方式でもよいし、加熱風を支持体の両面(塗布液を載
せた塗膜面とその裏面)から吹き付けて支持体を浮かせ
て搬送する方式も可能である。後述するが、以上の方式
は、塗膜が流動している恒率乾燥期(加熱雰囲気乾燥工
程における乾燥初期)に適用することが好ましい。ま
た、塗膜が流動しなくなる減率乾燥期(加熱雰囲気乾燥
工程における乾燥後期)においては、塗膜面側と裏面側
両方を搬送ロールで支持し、支持体を折り曲げて加熱雰
囲気に晒すことが乾燥工程のスペース上好ましい。
【0027】本発明に使用出来る高分子バインダとして
は、特に限定されないが、天然ポリマーや合成ポリマー
があり、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニル
アルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビ
ニルピロリドン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルアセタール類、ポリエステル
類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビ
ニルアセテート類、セルロースエステル類、オリアミド
等がある。
【0028】また、別の観点から研究した結果、加熱雰
囲気乾燥工程に突入後少なくとも30秒以上は、加熱雰
囲気温度Tair[℃]と塗布液中の溶媒の大気圧中に
おける沸点Tb[℃]との関係が、以下の関係式(2)
を満たす場合に塗膜にムラや欠陥のない優れた結果を与
えることが判明した。
【0029】 (2) Tb−50 ≦ Tair ≦ Tb このとき、塗布液中に複数種の溶媒を含有する場合に
は、重量比で最も多く含有されている溶媒の沸点をTb
[℃]とする。
【0030】上記関係式(2)において更に好ましい範
囲は、 Tb−50 ≦ Tair ≦ Tb−20 である。
【0031】本発明に用いることの出来る塗布液の溶媒
としては、特に限定されないが、通常塗布ムラの発生が
起きやすい沸点Tbが100[℃]以下の溶媒の場合
に、本発明の効果が顕著に奏される。沸点Tbが100
[℃]以下の溶媒としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、酢酸メチル、酢酸エチル、メタノール、エタノー
ル等を挙げることが出来る。
【0032】塗膜が流動状態にある恒率乾燥期間は、支
持体の塗膜面を搬送ロールに接触させて折り曲げること
ができないため(裏面を搬送ロールで支持することは可
能)、乾燥ゾーンの空間は大きくなりがちである。塗膜
の流動が失われた後の減率乾燥期間は、塗膜面を搬送ロ
ールに接触させることも可能となる。よって、加熱雰囲
気乾燥工程の総乾燥時間をθ[分]としたとき、塗膜面
を搬送ロールに接触させない乾燥初期の時間θ1[分]
は必要以上に長くすることなく、その後塗膜面を搬送ロ
ールで支持しながら加熱雰囲気下に滞留する乾燥後期の
時間θ2[分]は残留溶媒を削減するのに必要十分な時
間とすることが、乾燥装置全体の空間利用率を高めるた
めに効率的である。その乾燥初期の時間θ1[分]と乾
燥後期の時間θ2[分]の関係式としては、 (4) θ2 ≧ 5θ1 を満たすことが好ましいことが判明した。当然ながら乾
燥装置としては塗膜面が搬送ロールに接触することのな
い乾燥初期のゾーンの経路長L1[m]と、その後の搬
送ロールで支持したゾーンの経路長L2[m]は、L2
5L1の関係式を満たすことが好ましい。
【0033】また、別の観点で研究した結果、塗膜中の
残留溶媒量は塗膜厚みが厚いほど残留しやすいが、乾燥
後期において支持体を搬送ロールで支持しながら加熱雰
囲気下に滞留する時間θ2[分]と乾燥後の塗膜厚みh
[μm]の関係について研究したところ、以下の関係式
(5)を満たす場合に残留溶媒量を低減でき、しかも、
残留溶媒量が製造によってバラツクことなく安定するこ
とがわかった。
【0034】(5) θ2 ≧ 0.01h2 乾燥後の塗膜厚みhは、塗布・乾燥・断裁・包装等の工
程を含む塗布製造が終了した後の塗膜の厚みのことであ
り、製品においては包装体に収容されている状態での厚
みである。またθ2において、用いる加熱風の温度(=
加熱雰囲気温度Tair2)は、バインダのガラス転移
温度Tgは、以下の関係式(6)を満たしていることが
好ましい。
【0035】 (6) Tg−15 ≦ Tair2 ≦ Tg+15 特に乾燥後の塗膜厚みh≧5[μm]となる厚膜の場合
には残留溶媒が起因する問題となることが多いので、関
係式(5)を満たすことがさらに好ましい。塗膜中に反
応性の成分を含有する製品では、残留溶媒量が多いとそ
の後の製品として性能の経時変化を引き起こすため、残
留溶媒量の厳しい管理が要求される。好ましくは、乾燥
後に残留溶媒量を0.3g/m2以下とすることであ
る。
【0036】乾燥初期の塗膜面を搬送ロールに接触させ
ない恒率乾燥ゾーンの加熱雰囲気温度Tair1は、塗
布液中の高分子バインダのガラス転移点Tg[℃]また
は溶媒の沸点Tb[℃]との関係が、以下の関係式
(7)又は(8)を満たすことが好ましい。
【0037】 (7) Tg−50 ≦ Tair1 ≦ Tg (8) Tb−50 ≦ Tair1 ≦ Tb 上記関係式(7)において、さらに好ましい範囲は、 Tg−50 ≦ Tair1 ≦ Tg−20 である。また、上記関係式(8)において、さらに好ま
しい範囲は、 Tb−50 ≦ Tair1 ≦ Tb−20 である。
【0038】また乾燥初期の塗膜面を搬送ロールに接触
させない恒率乾燥ゾーンの加熱風供給方式(加熱雰囲気
の形成方式)については従来から知られた各種の方式を
用いることができるが、支持体に垂直に加熱風を吹き付
ける方式が特に伝熱効率もよく、整流化された風を送る
ことができるので、短い乾燥時間、短い乾燥ゾーンでム
ラ無く乾燥させるには最も適している。
【0039】また乾燥初期の恒率乾燥ゾーンについて
は、ムラや欠陥が発生し易いので、緩慢な乾燥条件がと
り易い加熱風による乾燥方式が最も適しているが、乾燥
後期の減率乾燥については各種乾燥方式を選択すること
も可能である。例えば、加熱ロールに支持体を接触させ
る方式、マイクロ波を照射する方式、遠赤外線を照射す
る方式などが挙げられ、いずれも残留溶媒を迅速に削減
するのに有効な方式である。これらの乾燥方式は、加熱
雰囲気乾燥工程中で加熱風を吹き付ける乾燥方式と併用
してもよいし、単独で用いてもよい。このような方式を
適宜選択することにより、供給する加熱雰囲気温度での
乾燥のみでは長い経路長の減率乾燥ゾーンが必要であっ
たものが、コンパクトな装置で代替可能の可能性があ
る。中でも加熱ロールを用いる方式は温度管理もし易
く、扱い易い。その時、加熱ロールの温度Thがバイン
ダのガラス転移温度Tg(℃)より高すぎると急激な塗
膜の温度上昇から残留溶媒の局在、バラツキが生じ易
い。また、塗膜中のバインダのガラス転移温度Tgより
低すぎても、塗膜中の溶剤が残留し易い。従って、加熱
ロールの温度Th(℃)範囲としては、以下の関係式
(3)の関係を満たすことが好ましい。
【0040】 (3) Tg−15 ≦ Th ≦ Tg+15 ここで、加熱ロールの温度Thは、加熱ロール表面の温
度のことである。
【0041】本発明は特に塗布のウェット膜厚が50μ
m以上の時、乾燥後のドライ膜厚が5μm以上の時に特
に有効である。ウェット膜厚とは、塗布液を支持体上に
乗せた直後の湿潤状態の塗膜厚みのことである。
【0042】塗布工程における塗布方式も特に限定され
ず、例えばスライドコーティング、エクストルージョン
コーティング、ロールコーティングなど任意の塗布方式
が選択できる。
【0043】塗膜は単層構成のみならず、重層構成の塗
膜にも適用でき、そのときの式中のTgは全ての層に含
まれるバインダの中で最もガラス転移温度が低いものを
代入すべきであり、また上記式中のTbは全ての層に含
まれる溶媒の中で重量比で最も多い溶媒種の沸点を代入
する。
【0044】本発明に適用される支持体は特に限定され
ず、紙、プラスチック、金属などの支持体に適用でき
る。代表的支持体の材質としてはプラスチックではポリ
エチレンテレフタレート、金属ではアルミニウムなどが
挙げられる。
【0045】上記の塗布工程、加熱雰囲気乾燥工程また
はその他の乾燥工程、断裁、包装等の各製造工程を経て
得られた塗膜製造物は、外観のムラや欠陥がなく、不適
量の残留溶媒を含有しないすぐれた塗膜製造物である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加熱雰囲気乾燥工
程を含む乾燥工程について、図面を参照しながら説明す
る。
【0047】図1は、本発明の加熱雰囲気乾燥工程を含
む塗布ラインの一形態を示す模式図である。図中、1は
バックロール、2は長尺の支持体、3はコータ、4は搬
送ロール、10は乾燥ボックス、11は乾燥ボックス1
0の加熱風吹き付け手段である。
【0048】支持体2は、ロール状に巻き回された状態
から繰り出され(不図示)、当該塗布ラインへ搬送され
てくる。図中の矢印方向に搬送されてきた支持体2をバ
ックロール1で反転する過程において、コータ3から塗
布液が吐出され、支持体2上に塗布が行われる。塗布さ
れた塗膜は支持体2とともにコータ3の位置から運び去
られるので、連続して塗布を行うことが可能となってい
る。ウェット状態の塗膜を有する支持体2は、搬送ロー
ル4によって乾燥ボックス10の中に運び込まれる。乾
燥ボックス10内は、アーチ状に搬送ロールが配置され
ており、搬送ロール4と支持体2が滑りにくいよう配慮
されている。搬送ロール4は、支持体2の塗膜を有する
塗布側とは反対の裏面を支持しているのみであり、塗膜
に直接接触はしない。塗膜が流動を起こしやすい恒率乾
燥期は、このように塗膜に搬送ロールを接触させない乾
燥方法がベストである。
【0049】一方、乾燥ボックス10の上側(支持体2
の塗布側)には、加熱風吹き付け手段11が配置され、
図示しない加熱風源から送られてくる加熱風を塗膜に吹
き付けるようになっている。加熱風吹き付け手段11
は、乾燥ボックス10の支持体搬送方向の全長にわたっ
て等間隔に複数のノズルを有しており、また、これら複
数のノズルの先端は、搬送ロール4のアーチ状の配置に
沿うよう同様なアーチを描いている。この構造により、
乾燥ボックス10内を通過する支持体2上の塗膜に対
し、垂直に、まんべんなく、加熱風を吹き付けることが
可能となっている。乾燥ボックス10は、支持体2の搬
入口および搬出口を除いて外気とは遮断された箱状の空
間を形成しており、この中に加熱風を送り込むことによ
って、加熱雰囲気を形成出来る。よって本実施の形態に
おいては、乾燥ボックス10の搬入口から搬出口までの
間の乾燥工程が「加熱雰囲気乾燥工程」に当たる。つま
り、支持体2の前記搬入口通過時から、搬出口通過時ま
でが加熱雰囲気温度における乾燥時間θということにな
る。また、乾燥ボックス10内の塗膜近傍の気温が加熱
雰囲気温度Tairであるが、具体的には加熱風吹き付
け手段11の各ノズルから噴出された時点での加熱風の
温度とすることが出来る。加熱風吹き付け手段11の各
ノズルの先端は、塗膜に対して垂直に吹き付けると、効
率よく塗膜を乾燥させることが出来て好ましい。
【0050】このようにして塗膜を有する支持体2は、
加熱雰囲気乾燥工程を通過して、次の工程へと搬送され
ていく。
【0051】図2は、本発明の加熱雰囲気乾燥工程を含
む塗布ラインの別の形態を示す模式図である。図中の符
合で図1と同じものは、図1と同じ部材を表している。
11aは上側の加熱風吹き付け手段、11bは下側の加
熱風吹き付け手段である。この実施の形態では、乾燥ボ
ックス10内では、搬送ロールを使用せず、加熱風を支
持体2の両面に吹き付けることによって、支持体2を浮
かせた状態で搬送する。上側の加熱風吹き付け手段11
aと、下側の加熱風吹き付け手段11bとは、それぞれ
加熱風を噴出するためのノズルを乾燥ボックス10の全
長にわたって等間隔に複数づつ有しているが、上側の加
熱風吹き付け手段11aのノズルと、下側の加熱風吹き
付け手段11bのノズルは、互い違いに配置されてい
て、支持体2を安定に搬送出来るようにしてある。この
実施の形態は、加熱風吹き付け手段を上下2つ設ける必
要があるが、加熱効率が高い点で有利である。
【0052】図3は、本発明の加熱雰囲気乾燥工程を含
む塗布ラインの別の形態を示す模式図である。図中の符
合で図1および図2と同じものは、図1および図2と同
じ部材を表している。10aは、図1と同様に塗膜を搬
送ロールに接触させずに加熱雰囲気温度で乾燥するため
の乾燥ボックス(a)、10bは塗膜を搬送ロールに接
触させて加熱雰囲気温度で乾燥するための乾燥ボックス
(b)である。乾燥ボックス(a)は図1の乾燥ボック
スと同様である。乾燥ボックス(b)内は、上側一列お
よび下側一列の搬送ロール4が配置され、塗膜を有する
支持体2を上側の搬送ロールと下側の搬送ロールとに互
い違いに通し、支持体2がつづら折り状に搬送されるよ
うになっている。支持体2を上側の搬送ロールと下側の
搬送ロールとに互い違いに通すので、塗膜面およびその
裏側の反塗膜面の両面が搬送ロールと直接接触するが、
乾燥ボックス(b)に搬入されるまでに塗膜の恒率乾燥
期が終了するようにラインを構成すれば、塗膜が流動し
たり傷がついたりする心配はない。逆に、このような搬
送形態とすることで乾燥ボックス(b)内に支持体2が
滞留する時間を長くすることが出来、よりコンパクトな
スペースで効率のよい乾燥工程を構成することが可能と
なる。
【0053】ここで、支持体の乾燥ボックス(a)の搬
入口通過時から乾燥ボックス(a)の搬出口通過時まで
が、加熱雰囲気温度における乾燥時間θのうち、搬送ロ
ールに接触させない乾燥初期の時間θ1である。また、
乾燥ボックス(b)の搬入口通過時から乾燥ボックス
(b)の搬出口通過時までが、搬送ロールで支持する乾
燥後期の時間θ2である。
【0054】図4は、本発明の加熱雰囲気乾燥工程に、
さらに加熱ロール乾燥工程を有する塗布ラインの一形態
を示す模式図である。図中の符合で図1と同じものは、
図1と同じ部材を表している。20は、加熱ロールであ
る。
【0055】乾燥ボックス10までの工程は上述と同様
であるので説明は省略する。支持体2が、加熱雰囲気乾
燥工程である乾燥ボックス10の搬出口を通過した後
に、加熱ロール20が配設されている。図4では2つの
加熱ロール20を配設した。加熱ロール20の表面に支
持体2の裏面を接触させ、加熱ロール20の熱を支持体
2を介して塗膜へ伝搬し、塗膜を乾燥させるものであ
る。支持体2と加熱ロール20との接触面積がなるべく
大きくなるように搬送ロール4を配設することが好まし
い。また、搬送ロール20の表面温度Th[℃]は、上
述のように塗布液の高分子バインダのガラス転移温度T
g[℃]との関係において、関係式(3)を満たすこと
が好ましい。
【0056】加熱ロールの熱源としては、水、オイル等
の熱媒体を加熱ロール内に流す方式、また誘電加熱によ
り加熱ロール自身を直接加熱する方式等が適用出来る。
【0057】このように加熱ロール乾燥工程は、加熱ロ
ール20とそれに伴う搬送ロール4を設置するだけで済
み、上述の加熱風吹き付け手段を有する乾燥ボックスの
ような大スペースを要しないため、上述の加熱雰囲気乾
燥工程と組み合わせることによるスペース的なメリット
は大きい。
【0058】図5は、本発明の加熱雰囲気乾燥工程に、
さらにマイクロ波乾燥工程または遠赤外線乾燥工程を有
する塗布ラインの一形態を示す模式図である。図中の符
合で図1と同じものは、図1と同じ部材を表している。
30はマイクロ波発生手段または遠赤外線発生手段であ
る。
【0059】乾燥ボックス10までの工程は上述と同様
であるので説明は省略する。支持体2が、加熱雰囲気乾
燥工程である乾燥ボックス10の搬出口を通過した後に
マイクロ波発生手段または遠赤外線発生手段30が、支
持体2の塗膜側に配置されている。塗膜にマイクロ波ま
たは遠赤外線を照射することにより塗膜の乾燥を促進す
るものである。
【0060】遠赤外線発生手段が放出する赤外線の波長
領域としては、0.76μm〜1mmまでであるが、赤
外線で物を加熱する場合、受熱体の原子間運動を助長す
るエネルギー波長領域、すなわち赤外活性基準の領域の
放射を用いると効率のよい加熱ができる。受熱体の分子
構造によりエネルギー線照射による振動は固有の振動数
を持つため最適な赤外線周波数の選定は個々に異なる
が、液体を効率よく乾燥できる波長領域は1〜30μm
の波長の赤外線を放出し、2〜7μmの赤外線を最も多
く発生する遠赤外線ランプが塗膜の乾燥に用いるには最
適である。
【0061】マイクロ波発生手段においても、遠赤外線
発生手段と同様に受熱体の固有振動数に合わせた波長の
マイクロウェーブ波をレフランプにより照射することが
効率的である。
【0062】上述の加熱ロール乾燥工程同様、マイクロ
波乾燥工程または遠赤外線発生手段もコンパクトな装置
で構成が可能であるため、加熱雰囲気乾燥工程と組み合
わせることによるスペース的なメリットが得られる。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されない。
【0064】<実施例1>溶媒中にTg=75〜80℃
のポリビニルブチラール樹脂を高分子バインダとして溶
解して塗布液を調整し、500mm幅100μm厚の長
尺のポリエチレンテレフタレート製支持体に対し、吐出
幅480mmに設定したエクストルージョン型塗布ヘッ
ド(コータ)を用いて塗布を行った。塗布液の溶媒種
は、沸点80℃のメチルエチルケトン(MEK)、沸点
116℃のメチルイソブチルケトン(MIBK)の2種
を用いた。塗布ラインは図1のタイプを用い、乾燥ボッ
クスの経路長をL=20mとし、加熱風は塗膜に対して
垂直にスリット状に吹き出す構造とした。コータで塗布
した時の塗膜のウェット膜厚は100μm、乾燥後のド
ライ膜厚は20μmとなるよう調整して塗布速度U=4
0m/分の条件で塗布を行った。尚、経路長Lは、乾燥
ボックス内に滞留する支持体の長さのことである。乾燥
ボックスの加熱風温度(Tair)を表1のように変更
して、仕上がりの塗膜外観ムラ発生の様子を測定し評価
した。
【0065】
【表1】
【0066】Tairが低い程、外観ムラの発生は抑え
られ塗膜面は良好となり、関係式(1)や(2)を満た
す範囲が最も優れた効果を奏している。
【0067】<実施例2>溶媒MEK中にTg=75〜
80℃のポリビニルブチラール樹脂を高分子バインダと
して溶解し、塗布液を調整し、500mm幅100μm
厚のポリエチレンテレフタレート製支持体に対し、吐出
幅480mmに設定したエクストルージョン型塗布ヘッ
ドを用いて塗布した。塗布ラインは図3のタイプを用
い、乾燥初期である乾燥ボックス(a)においては(時
間θ1)、経路長をL1=10mとし、加熱風は塗膜に対
して垂直にスリット状に吹き出す構造にした。その後の
乾燥後期の乾燥ボックス(b)においては(時間
θ2)、経路長をL2=50mである。供給する乾燥ボッ
クス(a)の加熱風の温度(Tair1=40℃)およ
び乾燥ボックス(b)の加熱風の温度(Tair2=7
0℃)とし、塗布時のウェット膜厚は100μm、乾燥
後のドライ膜厚は20μmとなるように調整して塗布を
行った。乾燥ボックス(b)の中間点A(乾燥ボックス
(b)の経路長25mの地点)にてサンプリングしたも
の及び乾燥ボックス(b)通過して、塗布製造工程を完
了し、塗膜製造物を得た地点Bでサンプリングしたもの
の残留溶媒量を測定し評価した結果を表2に示す。以下
のいずれの条件においても塗膜仕上がり外観にムラの発
生はなかった。
【0068】
【表2】
【0069】上記表から明らかなように、関係式(4)
を満たす範囲が好ましく、さらに関係式(5)を満たす
範囲が最も妥当であった。
【0070】<実施例3>溶媒MEK中にTg=75〜
80℃のポリビニルブチラール樹脂を高分子バインダと
して溶解し、塗布液を調整し、500mm幅100μm
厚のポリエチレンテレフタレート製支持体に対し、吐出
幅480mmに設定したエクストルージョン型塗布ヘッ
ド(コータ)を用いて塗布した。塗布ラインは、図4の
タイプを用いた。乾燥ボックスにおける経路長はL=2
0mで、加熱風は塗膜に対して垂直にスリット状に吹き
出す構造になっている。その乾燥ゾーンの下流側に直径
500mmの加熱ロールを2本配置し支持体に接触させ
た。加熱風の温度は50℃、塗布時のウェット膜厚は1
00μm、乾燥後のドライ膜厚は20μmとなるように
調整して、塗布速度U=10m/分の条件で塗布を行っ
た。加熱ロールの温度Thを表3のように変更して、残
留溶媒ムラ発生の様子と平均残留溶媒量を測定し評価し
た。以下のいずれの条件においても塗膜仕上がり外観に
ムラの発生はなかった。
【0071】
【表3】
【0072】加熱ロールを用いることにより、残留溶媒
削減に効果があることが判る。また、関係式(3)を満
たす範囲が残留溶媒削減効果もあり、且つ、残留溶媒ム
ラも無く、最も妥当であった。
【0073】<実施例4>図4の加熱ロールの代わりに
マイクロ波発生手段または遠赤外発生手段を配置した図
5の装置を用い、それ以外は実施例4同様の装置、条件
にて塗布を行い、残留溶媒量を評価した。いずれの条件
においても塗膜仕上がり外観にムラの発生はなかった。
マイクロ波照射装置を用いた場合の残留溶媒量は0.1
g/m2、遠赤外照射装置を用いた場合の残留溶媒量は
0.2g/m2であり、共に残留溶媒削減効果があるこ
とが確認された。
【0074】
【発明の効果】塗膜外観にムラや欠陥を生じたり、塗膜
中の残留溶媒が適正量でなかったり、残留溶媒量のバラ
ツキを生じない塗布製造方法および塗布製造物を得るこ
とが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱雰囲気乾燥工程を含む塗布ライン
の一形態を示す模式図である。
【図2】本発明の加熱雰囲気乾燥工程を含む塗布ライン
の別の形態を示す模式図である。
【図3】本発明の加熱雰囲気乾燥工程を含む塗布ライン
の別の形態を示す模式図である。
【図4】本発明の加熱雰囲気乾燥工程に、さらに加熱ロ
ール乾燥工程を有する塗布ラインの一形態を示す模式図
である。
【図5】本発明の加熱雰囲気乾燥工程に、さらにマイク
ロ波乾燥工程または遠赤外線乾燥工程を有する塗布ライ
ンの一形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 バックロール 2 支持体 3 コータ 4 搬送ロール 10 乾燥ボックス 11 加熱風吹き付け手段 20 加熱ロール 30 マイクロ波発生手段または遠赤外線発生手段

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗布
    液を、支持体上に塗膜として塗布する塗布工程と、加熱
    雰囲気温度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させる
    加熱雰囲気乾燥工程とを有する塗布製造方法において、
    前記加熱雰囲気乾燥工程中少なくとも30秒以上は、前
    記高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]と前記加
    熱雰囲気温度Tair[℃]とが、下記関係式(1)を
    満たすことを特徴とする塗布製造方法。 (1) Tg−50 ≦ Tair ≦ Tg
  2. 【請求項2】 前記加熱雰囲気乾燥工程中少なくとも3
    0秒以上は、更に前記溶媒の大気圧中の沸点Tb[℃]
    と前記加熱雰囲気温度Tair[℃]とが、下記関係式
    (2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の塗布
    製造方法。 (2) Tb−50 ≦ Tair ≦ Tb
  3. 【請求項3】 前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支
    持体を加熱ロールに接触させて乾燥を行う加熱ロール乾
    燥工程を有することを特徴とする請求項1または2に記
    載の塗布製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱ロール温度Th[℃]と、前記
    高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]が下記関係
    式(3)を満たすことを特徴とする請求項3に記載の塗
    布製造方法。 (3) Tg−15 ≦ Th ≦ Tg+1
  5. 【請求項5】 前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支
    持体にマイクロ波を照射して乾燥を行うマイクロ波乾燥
    工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載
    の塗布製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支
    持体に遠赤外線を照射して乾燥を行う遠赤外線乾燥工程
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗
    布製造方法。
  7. 【請求項7】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗布
    液を、支持体上に塗膜として塗布し、加熱雰囲気温度に
    おいて前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する塗布
    製造方法において、前記加熱雰囲気温度における乾燥中
    少なくとも30秒以上は、前記溶媒の大気圧中の沸点T
    b[℃]と前記加熱雰囲気温度Tair[℃]が下記関
    係式(2)を満たすことを特徴とする塗布製造方法。 (2) Tb−50 ≦ Tair ≦ Tb
  8. 【請求項8】 前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記支
    持体を加熱ロールに接触させて乾燥を行う加熱ロール乾
    燥工程を有することを特徴とする請求項7に記載の塗布
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱ロール温度Th[℃]と、前記
    高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]が下記関係
    式(3)を満たすことを特徴とする請求項8に記載の塗
    布製造方法。 (3) Tg−15 ≦ Th ≦ Tg+1
  10. 【請求項10】 前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記
    支持体にマイクロ波を照射して乾燥を行うマイクロ波乾
    燥工程を有することを特徴とする請求項7に記載の塗布
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記加熱雰囲気乾燥工程の後に、前記
    支持体を遠赤外線を照射して乾燥を行う遠赤外線乾燥工
    程を有することを特徴とする請求項7に記載の塗布製造
    方法。
  12. 【請求項12】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗
    布液を支持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温
    度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する
    塗布製造方法において、前記加熱雰囲気温度における乾
    燥時間θのうち、乾燥初期の時間θ1[分]は前記支持
    体の塗膜面を搬送ロールに接触させずに搬送し、その後
    の乾燥後期の時間θ2[分]は前記支持体の塗膜面を搬
    送ロールに接触して搬送し、前記時間θ1[分]および
    θ2[分]が下記関係式(4)を満たすことを特徴とす
    る塗布製造方法。 (4) θ2 ≧ 5θ1
  13. 【請求項13】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗
    布液を支持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温
    度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する
    塗布製造方法において、前記加熱雰囲気温度における乾
    燥時間θのうち、乾燥初期の時間θ1[分]は前記支持
    体の塗膜面を搬送ロールに接触させずに搬送し、その後
    の乾燥後期の時間θ2[分]は前記支持体の塗膜面を搬
    送ロールに接触して搬送し、前記乾燥後期の時間θ
    2[分]と前記乾燥した後の塗膜厚みh[μm]が下記
    関係式(5)を満たすことを特徴とする塗布製造方法。 (5) θ2 ≧ 0.01h2
  14. 【請求項14】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗
    布液を支持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温
    度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する
    塗布製造方法において、前記加熱雰囲気温度における乾
    燥時間のうち、乾燥初期は前記支持体の塗膜面を搬送ロ
    ールに接触させずに搬送し、その後の乾燥後期は前記支
    持体の塗膜面を搬送ロールに接触させて搬送し、前記高
    分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]と前記乾燥後
    期における加熱雰囲気温度Tair2が、下記関係式
    (6)を満たすことを特徴とする塗布製造方法。 (6) Tg−15 ≦ Tair2 ≦ Tg+
    15
  15. 【請求項15】 高分子バインダと溶媒とを含有する塗
    布液を支持体上に塗膜として塗布した後、加熱雰囲気温
    度において前記塗膜中の前記溶媒を蒸発させて乾燥する
    塗布製造方法において、前記加熱雰囲気温度における乾
    燥時間のうち、乾燥初期は前記支持体の塗膜面を搬送ロ
    ールに接触させずに搬送し、その後の乾燥後期は前記支
    持体の塗膜面を搬送ロールに接触させて搬送し、 前記高分子バインダのガラス転移温度Tg[℃]と前記
    乾燥初期における加熱雰囲気温度Tair1が、下記関
    係式(7)を満たすことを特徴とする塗布製造方法。 (7) Tg−50 ≦ Tair1 ≦ Tg
  16. 【請求項16】 前記溶媒の大気圧中の沸点Tb[℃]
    と前記乾燥初期における加熱雰囲気温度Tair1が、
    下記関係式(8)を満たすことを特徴とする請求項15
    に記載の塗布製造方法。 (8) Tb−50 ≦ Tair1 ≦ Tb
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1項に記載
    の塗布製造方法により製造された塗布製造物。
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