JP2001190278A - 尿路感染症関連遺伝子 - Google Patents

尿路感染症関連遺伝子

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JP2001190278A
JP2001190278A JP2000003809A JP2000003809A JP2001190278A JP 2001190278 A JP2001190278 A JP 2001190278A JP 2000003809 A JP2000003809 A JP 2000003809A JP 2000003809 A JP2000003809 A JP 2000003809A JP 2001190278 A JP2001190278 A JP 2001190278A
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dna
usp
protein
sequence
gene
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JP2000003809A
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Hisao Kurasono
久生 倉園
Shingo Yamamoto
新吾 山本
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Nissui Pharmacetuical Co Ltd
Original Assignee
Nissui Pharmacetuical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 配列番号2のアミノ酸配列等からなるタ
ンパク質をコードする遺伝子;配列番号1の塩基配列を
有するDNA等又はそのフラグメントを含有する組み換
えベクター;配列番号2のアミノ酸配列等からなるタン
パク質;配列番号1の塩基配列を有するDNA等又はそ
れらのフラグメントを用いることを特徴とする遺伝子u
psの検出法;配列番号2のアミノ酸配列からなるタン
パク質等又はこれらのフラグメントに対する抗体を用い
ることを特徴とするタンパク質USPの検出法。 【効果】 本発明の遺伝子usp及びそれによりコード
されるタンパク質USPは、尿路病原性大腸菌中に存在
する特異的因子であり、尿路感染症を遺伝子レベル及び
免疫学的に診断するためのマーカーとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は尿路感染症の起炎菌
となる大腸菌が産生する特異タンパク質USP及びそれ
をコードする遺伝子usp、並びに当該遺伝子又はタン
パク質の検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】尿路感染症は、尿路臓器に炎症を引き起
こす細菌感染症であり、非特異性感染症と特異性感染症
に分けられ、また疾病臓器により膀胱炎、腎盂腎炎、前
立腺炎などに分類される。斯かる尿路感染症のうち、近
年結核菌、カンジダ・アクチノミコジス等を起炎菌とす
る特異性尿路感染症は減少し、その大部分が非特異性尿
路感染症となっている。非特異性尿路感染症は、大腸
菌、変形菌、緑膿菌等のグラム陰性桿菌が主な起炎菌と
なり、膀胱炎、腎盂腎炎、無症候性細菌尿症等の症状を
引き起こすが、特に急性期においてはその約80%が大
腸菌による感染となっている。
【0003】従って、尿路感染症の診断においては、尿
中の大腸菌を的確に検出することが重要となるが、従
来、尿路感染症の診断は、尿中の細菌を定量培養するこ
とにより行われていた。すなわち患者尿を希釈して適当
な細菌培養用培地上で培養し、コロニー数を計測して細
菌数を測定し、一定数以上の細菌数が確認された場合、
尿路感染症と診断していた。
【0004】しかし、斯かる診断方法は、細菌数を正確
に把握できるものの、通常一昼夜の培養時間が必要であ
ることから、尿路感染症が確定しないにも拘わらず不要
で過剰な薬剤が投与されがちであり、耐性菌の出現を助
長する原因にもなっていた。従って、できるだけ迅速に
尿路感染症であることを診断できる診断キットの開発が
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、迅速且つ確
実に尿路感染症を診断するためのマーカーとなり得るタ
ンパク質、並びに当該タンパク質をコードする遺伝子を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、斯かる実
状に鑑み、非特異性尿路感染症の起炎菌である大腸菌に
ついて、コレラ菌が産生する毒素ZOTをコードするz
ot遺伝子の一部の塩基配列を有するDNA断片をプロ
ーブとして用い、遺伝子レベルで解析したところ、尿路
病原性大腸菌のDNA中に特有のタンパク質(USP)
をコードする遺伝子(usp)が存在することを発見
し、当該タンパク質USP又はこれをコードする遺伝子
uspを測定することにより尿路感染症を簡易に診断で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、配列番号2のアミノ
酸配列又は当該アミノ酸配列において、1若しくは数個
のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配
列からなるタンパク質をコードする遺伝子を提供するも
のである。
【0008】また本発明は、配列番号1の塩基配列を有
するDNA若しくは当該DNAと80%以上の相同性を
有するDNA又はそれらのフラグメントを含有する組み
換えベクターを提供するものである。
【0009】また本発明は、配列番号2のアミノ酸配列
又は当該アミノ酸配列において、1若しくは数個のアミ
ノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列から
なるタンパク質を提供するものである。
【0010】また本発明は、配列番号1の塩基配列を有
するDNA若しくは当該DNAと80%以上の相同性を
有するDNA又はそれらのフラグメントを用いることを
特徴とするusp遺伝子の検出法を提供するものであ
る。
【0011】更に本発明は、配列番号2のアミノ酸配列
若しくは当該アミノ酸配列において、1若しくは数個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなるタンパク質又はこれらのフラグメントに対する
抗体を用いることを特徴とするUSPタンパク質の検出
法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における遺伝子uspは、
例えば尿路病原性大腸菌の全DNA又はcDNAを数種
類の制限酵素で切断して調整したDNA又はcDNAラ
イブラリーに対して、usp検出用DNAプローブを用
いてスクリーニングすることにより単離することができ
る。
【0013】具体的には、尿路病原性大腸菌の全DNA
を例えばBamHI、ClaI等で切断し、得られたD
NA断片をそれぞれpMW118等のプラスミドの当該
制限酵素切断部位に挿入し、この組み換えプラスミドを
大腸菌にトランスフォームさせ、該トランスフォーム大
腸菌に対して、usp検出用DNAプローブを用いて常
法に従ってコロニーハイブリダイゼーションを行うこと
によりusp遺伝子断片を単離、精製することができ
る。
【0014】ここで用いられるusp検出用DNAプロ
ーブは、配列番号3のDNA断片をTAクローニングに
よりpCRTM2.1に挿入し、得られた組み換えプラス
ミドDNAをEcoRIで切断して生じる約400bp
のDNA断片である。
【0015】当該配列番号3のDNA断片は、コレラ菌
が産生する毒素ZOTをコードする遺伝子中のプリンN
TP−バイディングモチーフ(Koonin, E. V. (1992) F
EBSLetts 312; 3-6.)のうちの一つを元にして作製され
たものであり(図1)、当該DNAを含有するusp検
出用DNAプローブは、378株の尿路病原性大腸菌に
対するサザーンハブリダイゼーションにおいて、膀胱炎
患者由来株では195株中155株(79.5%)、腎
盂腎炎患者由来株では76株中71株(93.4%)、
前立腺炎患者由来株では107株中95株(88.8
%)に反応性を示すが、健常人糞便由来の大腸菌とは2
4%しか反応性を示さないものである。
【0016】上記のようにして得られた目的の遺伝子u
spを含むDNA断片について、常法に従って制限酵素
地図を作製し(図2)、サンガー法等の通常汎用される
塩基配列決定方法を用いることにより全塩基配列を決定
することができ(配列番号1)、更に当該塩基配列から
予想されるタンパク質のアミノ酸配列を決定することが
できる(配列番号2)。
【0017】また、塩基配列中のタンパク質をコードす
る領域(ORF)の存在は、塩基配列をコンピューター
プログラムを用いて解析する汎用の方法により確認する
ことができ、本発明者らは、該配列中に一つのORFを
見いだし、この遺伝子を遺伝子usp、該遺伝子にコー
ドされるタンパク質をUSPと命名した。
【0018】斯かる遺伝子usp及びタンパク質USP
は、尿路病原性大腸菌によく見られる一群の病原因子
(sfa、afaI、aer、hyl、cnf1、pil、pap等)とは、ホ
モロジーがなく、また既報の如何なる塩基又はアミノ酸
配列ともホモロジーを示すものではない。更に、当該遺
伝子uspをpMW118ベクターに挿入し、大腸菌に
トランスフォームさせたものでマウスにおける尿路感染
症の感染実験を行ったところ、該遺伝子を挿入せずベク
ターのみトランスフォームした大腸菌では、1×108
個の大腸菌を用いても感染を成立させることはできなか
ったが、遺伝子uspを含むベクターをトランスフォー
ムしたものは、6.5×106個の菌数で感染が成立し
た。従って、本発明の遺伝子usp及びそれによりコー
ドされるタンパク質USPは尿路感染症に特異的な因子
であると考えられる。
【0019】タンパク質USPは、配列番号2に示され
るように346個のアミノ酸残基からなる、分子量38
659ダルトンのタンパク質である。斯かる本発明のタ
ンパク質USPを大腸菌で発現させるには、USPをコ
ードするDNAを、適当なプロモーター(例えば、tr
pプロモーター、lacプロモーター、λpLプロモー
ター等)の下流に接続し、大腸菌内で機能するベクター
(例えば、pQE60、pOU71等)に挿入して発現
プラスミドを構築する。次に、この発現プラスミドで形
質転換した大腸菌(例えば、M15、HB101株等)
を適当な培地で培養して、その菌体より目的とするタン
パク質USPを得ることができる。また、バクテリアの
シグナルペプチドを利用すれば、ペリプラズム中に目的
とするタンパク質を分泌させることもできる。更に、他
のタンパク質との融合タンパクを生産することもでき
る。
【0020】本発明においては、配列番号1のDNAと
ストリンジェンドな条件下でハイブリダイズし、かつ尿
路感染性タンパク質をコードするDNAであって、少な
くとも80%以上の塩基配列上の相同性を有するもので
あれば、配列番号1に示したDNA配列と多少相違して
いてもその範囲に包含されるものである。具体的には遺
伝子uspの塩基配列において、一又は複数個の塩基の
欠損、付加(挿入)、置換等が認められる変異型遺伝
子、例えば自然界で発見される変異型遺伝子、人為的に
改変した変異型遺伝子、異種生物由来の相同遺伝子等が
含まれる。
【0021】また本発明には、本発明の遺伝子と選択的
にハイブリダイズし得る核酸、例えばアンチセンスDN
A、アンチセンスRNA又はリボザイム等が含まれる。
【0022】また本発明においては、遺伝子uspと相
同性の高い変異体遺伝子にコードされるタンパク質であ
って尿路感染性を有するタンパク質、或いはタンパク質
USPと免疫学的同等性を有するタンパク質もまた包含
されるものである。具体的には、タンパク質USPのア
ミノ酸配列においてその一部が欠損したもの、その一部
が他のアミノ酸と置換したもの、及びその一部に他のア
ミノ酸が付加または挿入されたもの等が挙げられ、自然
界で発見される変異型ポリペプチドの他、人為的に改変
した変異ポリペプチド、異種生物由来で同様の生物活性
を有する相同タンパク質等が含まれる。
【0023】本発明の配列番号1の塩基配列を有するD
NA若しくは当該DNAと80%以上の相同性を有する
DNA又はそのフラグメントを含有する組み換えベクタ
ーとしては、複製起点(ori領域)を含む複製ベクタ
ー、プロモーター領域、プロモーターの制御因子、RN
Aのスプライス部位、ポリアデニル化部位又は転写終結
配列等を含む発現ベクターが挙げられる。斯かるベクタ
ーの具体例としては、ベクターの具体例としてはpBR
322、pKK223−3、pGEXシリーズ、pMC
1871、pOU71、pMAL−2c等のプラスミド
ベクター、λgt11、λExCell等のファージベ
クターが挙げられる。斯かるベクターは、例えばDNA
に相当するRNAを調製するため、宿主細胞を形質転換
するために用いられる。宿主細胞としては、例えば細
菌、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞が挙げられ、用いる
ベクターに合わせて適当な宿主細胞を選択すればよい。
【0024】本発明の遺伝子usp若しくは当該DNA
と80%以上の相同性を有するDNA又はそれらのフラ
グメントは、該ヌクレオチドを標識した核酸プローブと
することにより、尿路感染症を遺伝子レベルで診断する
ための検出試薬となり得る。
【0025】ここで、遺伝子usp若しくは当該DNA
と80%以上の相同性を有するDNAのフラグメントと
は、少なくとも24塩基、好ましくは少なくとも15塩
基、より好ましくは少なくとも8塩基の連続する部分を
意味する。
【0026】標識法としては、一般的に放射性同位元
素、酵素、蛍光色素、着色色素、発光性物質、金属コロ
イド、ラテックス等による方法が挙げられ、またヌクレ
オチドをビオチンで標識した後、上述したような標識物
で標識されたアビジン或いはストレプトアビジンと結合
させることにより標識することも可能である。
【0027】また、本発明の遺伝子usp若しくは当該
DNAと80%以上の相同性を有するDNA又はそれら
のフラグメントは、PCR用のプライマーとして用いる
ことにより、非常に少量の尿路感染症を惹起する大腸菌
のヌクレオチドの全部又は一部を増幅させ検出すること
が可能となる。
【0028】更に、本発明のタンパク質USPに対する
抗体検出法を用いること、或いは本発明のタンパク質U
SP若しくはそのアミノ酸配列において1若しくは数個
のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配
列からなるタンパク質又はそれらのフラグメントに対す
るモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を取得
し、当該抗体を用いて酵素免疫測定法、イムノクロマト
法(テストストリップ法)、ラジオイムノアッセイ法等
の一般公知の検出法を利用したUSPタンパク質又は類
似の構造若しくは免疫原性を有するポリペプチドの検出
法を用いることにより、尿路感染症の免疫学的診断が可
能となる。
【0029】ここで、タンパク質USP若しくはそのア
ミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、
置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク
質又はそれらのフラグメントとは、タンパク質USP又
はそれと相同生のあるタンパク質の少なくとも8アミノ
酸、好ましくは少なくとも5アミノ酸の連続した部分を
意味する。
【0030】また、抗体検出法においては、抗原を直
接、放射性同位元素、酵素、蛍光色素、着色色素、発光
性物質、金属コロイド、ラテックスで標識したものと、
固相に抗原を結合させたものとで構成される場合と、抗
原を固相に結合させたものと測定対象とする動物種の抗
体に特異的に結合する他の動物種の抗体を標識したもの
により構成される場合があるが、何れの方法も適用でき
る。また、後者の場合においては、測定対象とする動物
種の抗体に特異的に結合する他の動物種の抗体を標識し
たもののかわりに、IgGに特異的に結合するプロテイ
ンA或いはプロテインGを標識したものを用いることが
できる。
【0031】また、モノクローナル抗体は、タンパク質
USP若しくはそのアミノ酸配列において1若しくは数
個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸
配列からなるタンパク質又はそれらのフラグメントを抗
原として用い、通常のハイブリドーマ法などの技術によ
り製造できる。ポリクローナル抗体は、宿主動物(例え
ば、ウサギ、マウス、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリ
等)に、本発明のタンパク質又はそのフラグメント等を
接種し、免疫血清を回収する等の通常の方法により製造
することができる。
【0032】斯かる免疫学的な検出法は、遺伝子工学的
な方法と異なり、検体の前処理が不要である場合が多
く、遺伝子工学的な方法に比べ迅速に尿路感染症を惹起
している菌を特定することができるという利点がある。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0034】参考例1 zot DNA probeの調製 唐沢らの方法(Karasawa, T., Mihara, T., Kurazono,
H., Nair, G. B., Garg, S., Ramamurthy, T., and Tak
eda, Y. (1993) FEMS Microbiol. Lett. 106; 143-14
6.)に従った。すなわち、Vibrio cholerae O1 GP14株由
来のzotの一部分(790bp)をpUC119に挿
入したpMZP11をEcoRIとPstIで切断し、
得られたDNA断片をzotに対する特異的なDNAプ
ローブとして使用した。
【0035】参考例2 尿路感染症患者由来大腸菌のzo
t DNA probeに対する反応性 上記のzot特異プローブを用いて尿路病原性大腸菌3
78株に対して高ストリンジェントな条件で(50%フ
ォルムアミド、65℃洗浄)でサザンハイブリダーゼー
ションを行ったところ、いずれの株でも反応は見られな
かった。低ストリンジェントな条件で(30%フォルム
アミド、50℃洗浄)でサザンハイブリダーゼーション
を再度行ったところ、前立腺患者由来株37株が弱く反
応した。
【0036】参考例3 usp検出用DNAプローブの
調製 尿路感染症患者から分離された大腸菌(UPEC) Z
42株から調製された全DNA10μlとプリンNTP
バインディングモチーフ(purine NTP bindingmotif;
図1参照)から推察される上流プライマー(配列1:T
CTTATAAAACGTCCG)、下流プライマー
(配列2:TTCATCAATAAAGAGAAA、配
列3:AATGTTAGGCGTGGT(配列番号
3))1μl(20pmol)、デオキシヌクエオシド
3燐酸混合物(10mMdATP、10mMdCTP、
10mMdTTP、10mMdGTPを含む)1.25
μl、500mM塩化カリウム、15mMMgCl2、
1%Triton X−100を含む100mMトリス
−塩酸緩衝液pH8.8 5μl、Taq DNAポリ
メラーゼ(和光純薬社製)0.3μl(1.5U)、蒸
留水31.2μlを混和し、変性を94℃で1分間、ア
ニーリングを46℃で1.5分間、伸長反応を72℃で
1.5分というサイクルで、20サイクル、DNA therma
l cycler(ペーキンエルマーシータス社製)を用いてP
CRを行った。その結果、下流プライマー配列2を用い
た場合は、特異的なバンドは認められなかったが、下流
プライマー配列3(配列番号3)を用いた場合には39
3bpの特異的なバンドが認められた。この後、2%ア
ガロースゲル電気泳動を行い、PCR生成物をUltr
aFree−MC(ミリポア社製)を用いて抽出し、こ
の抽出したDNA断片をTAクローニングによりpCR
TM2.1(Invitrogen社製)に挿入し、この組換えプ
ラスミドDNAをEcoRIで切断して生じる約400
bpの断片をusp検出用DNAプローブとした。
【0037】参考例4 UPECのusp検出用DNA
プローブとの反応性 usp検出用DNAプローブを用いて378株の尿路病
原性大腸菌に対して高ストリンジェントな条件でサザン
ハイブリダーゼーションを行った。その結果、膀胱炎患
者由来株では195株中155株が陽性(79.5%)
で、腎盂腎炎患者由来株では76株中71株が陽性(9
3.4%)、そして前立腺炎患者由来株では107株中
95株が陽性(88.8%)であった。
【0038】実施例1 遺伝子uspのクローニング Z42の全DNAを数種類の制限酵素で切断しusp検
出用DNAプローブをマーカーにして、サザンハイブリ
ダーゼーションを行った。その結果、7kbのBamH
IとClaIフラグメント両方がこのプローブに反応し
た。この結果より、全DNAをBamHIとClaIで
切断し、それぞれ1%アガロースゲル電気泳動を行い、
それぞれ7kbのDNA断片を電気泳動ゲルからUlt
rafree−MC(ミリポア社製)を用いて抽出し
た。これらのDNA断片をそれぞれpMW118のBa
mHIあるいはAccIの切断部位に挿入し、このプラ
スミドを大腸菌のJM109株にトランスフォームし
た。このトランスフォームした大腸菌を、コロニーハイ
ブリダーゼーションにより参考例3において調製したu
sp検出用DNAプローブを用いてトランスフォームし
た大腸菌を確認した。ここで反応性が認められた、Ba
mHI断片を挿入したプラスミドpNT02とClaI
断片を挿入したpNT03を、大腸菌よりQIAGEN
カラム(QIAGEN社製)を用いて精製した。
【0039】実施例2 塩基配列及びアミノ酸配列の決
定 実施例1において精製したプラスミドpNT03を、X
baIとSacIで切断し、Deletion kit(TAKAR
A社製)を用いて欠失変異体を調製し、Dye-terminator
sequenceing kit(パーキンエルマー社製)とABI Pris
m310(パーキンエルマー社製自動DNA配列決定装置)
により塩基配列を決定した。この塩基配列より予測され
るアミノ酸配列をDNAsis(日立ソフトウェアエン
ジニアリング社製)により決定した。
【0040】実施例3 感染実験 マウスを体重1kg当たり50mgになるようにネンブ
タール(アボット社製)を静脈注射により投与して麻酔
し、膀胱から尿を腹部圧迫により放尿させて膀胱を空に
した。先端をヤスリで丸めた23ゲージの注射針を装着
したツベルクリンシリンジにバクテリア懸濁液を装填し
て、尿道を経由して膀胱にバクテリア懸濁液を接種し
た。接種後、すぐに尿道口を閉塞して5時間放置した。
一週間後、腎臓より細菌が回収できるかどうかを確認し
た。その結果、uspDNA断片を含まないpMW11
8(陰性コントロール)をトランスフォームした大腸菌
は、1.0×108個以上を接種しても感染は成立しな
かった。しかしながら、uspDNA断片を含むpMW
118であるpNT03をトランスフォームした大腸菌
では、6.5×106個の接種で感染が成立した。この
ことより、uspDNA断片が尿路感染において非常に
重要な役割を果たしていることがわかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の遺伝子usp及びそれによりコ
ードされるタンパク質USPは、尿路病原性大腸菌中に
存在する特異的因子であり、尿路感染症を遺伝子レベル
及び免疫学的に診断するためのマーカーとして有用であ
る。従って、本発明のusp関連遺伝子を用いた標識プ
ローブは尿路感染症を遺伝子レベルで診断するための検
出試薬として、またUSP関連タンパク質又はこれに対
する抗体は、尿路感染症を免疫学的に診断するための検
出試薬として利用できる。
【0042】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>NISSUI PHRMACEUTICAL CO., LTD <120>Genes relating to urinary tract infection <130> P00141201 <160>3 <210>1 <211>1038 <212>DNA <213>Escherichia coli strain Z42 <400>1 atgctactgt tcccgagtag tgtgttggcg actcaaatat ggggaaaatg gtcgctcagt 60 ggcgtactca gtgcaacccg cggctcttac atcggtgcgt tggcatctgc tttgtatatt 120 ccctctgcgg gcgagggcag tgctcgcgtg cccggacgtg atgagttctg gtatgaggaa 180 gaactgcggc agaaagcact agcaggcagt accgccacca cccgggtacg ttttttctgg 240 ggaactgaca ttcacggcaa gcctcaggtg tatggtgttc atacgggtga aggtacgccg 300 tatgaaaacg tccgcgtggc gaacatgcag tggaacgagc agacgcagcg ttatgaattt 360 acccccgctc acgatgtcga tggccccctg attacctgga cgccggaaaa tccggaacat 420 gggaatgttc cgggccatac cggtaacgac aggccgccgc tggatcagcc caccattctg 480 gtgacgccga ttccggacgg caccgatacc tataccacgc cgccattccc ggttcctgat 540 ccgaaagaat tcaacgatta tattctggtt tttccggcgg gatccggtat taagcccatc 600 tatgtttacc tgaaggagga tccgcgaaag ctgcctggtg ttgtaacagg gcgcggcgtc 660 ccgctttcac caggaactcg ctggctggat atgtcggtat ccaataacgg caacggcgca 720 ccaatcccgg cgcatattgc tgataaattg cgcggacggg agtttaaaac ctttgatgag 780 tttcgcgagg cgctgtggct ggaggtgagt aaagactcag tgttattggc gcagtttata 840 aaaagtaatc agaataacgt tagtcaagga tattccccct atgtccctga ggaggggtat 900 tattacggac caaatgagat agttaagaaa ttccagatac atcatgtagt tgctatagaa 960 catggtggtg gagtgtatga tattgataat tttaggattg ttacgccccg actacatgat 1020 gaaattcact acaggaga
【0043】 <210>2 <211>346 <212>PRT <213>Escherichia coli strain Z42 <400>2 Met Leu Leu Phe Pro Ser Ser Val Leu Ala Thr Gln Ile Trp Gly Lys 1 5 10 15 Trp Ser Leu Ser Gly Val Leu Ser Ala Thr Arg Gly Ser Tyr Ile Gly 20 25 30 Ala Leu Ala Ser Ala Leu Tyr Ile Pro Ser Ala Gly Glu Gly Ser Ala 35 40 45 Arg Val Pro Gly Arg Asp Glu Phe Trp Tyr Glu Glu Glu Leu Arg Gln 50 55 60 Lys Ala Leu Ala Gly Ser Thr Ala Thr Thr Arg Val Arg Phe Phe Trp 65 70 75 80 Gly Thr Asp Ile His Gly Lys Pro Gln Val Tyr Gly Val His Thr Gly 85 90 95 Glu Gly Thr Pro Tyr Glu Asn Val Arg Val Ala Asn Met Gln Trp Asn 100 105 110 Glu Gln Thr Gln Arg Tyr Glu Phe Thr Pro Ala His Asp Val Asp Gly 115 120 125 Pro Leu Ile Thr Trp Thr Pro Glu Asn Pro Glu His Gly Asn Val Pro 130 135 140 Gly His Thr Gly Asn Asp Arg Pro Pro Leu Asp Gln Pro Thr Ile Leu 145 150 155 160 Val Thr Pro Ile Pro Asp Gly Thr Asp Thr Tyr Thr Thr Pro Pro Phe 165 170 175 Pro Val Pro Asp Pro Lys Glu Phe Asn Asp Tyr Ile Leu Val Phe Pro 180 185 190 Ala Gly Ser Gly Ile Lys Pro Ile Tyr Val Tyr Leu Lys Glu Asp Pro 195 200 205 Arg Lys Leu Pro Gly Val Val Thr Gly Arg Gly Val Pro Leu Ser Pro 210 215 220 Gly Thr Arg Trp Leu Asp Met Ser Val Ser Asn Asn Gly Asn Gly Ala 225 230 235 240 Pro Ile Pro Ala His Ile Ala Asp Lys Leu Arg Gly Arg Glu Phe Lys 245 250 255 Thr Phe Asp Glu Phe Arg Glu Ala Leu Trp Leu Glu Val Ser Lys Asp 260 265 270 Ser Val Leu Leu Ala Gln Phe Ile Lys Ser Asn Gln Asn Asn Val Ser 275 280 285 Gln Gly Tyr Ser Pro Tyr Val Pro Glu Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Pro 290 295 300 Asn Glu Ile Val Lys Lys Phe Gln Ile His His Val Val Ala Ile Glu 305 310 315 320 His Gly Gly Gly Val Tyr Asp Ile Asp Asn Phe Arg Ile Val Thr Pro 325 330 335 Arg Leu His Asp Glu Ile His Tyr Arg Arg 340 345
【0044】 <210>3 <211>15 <212>DNA <213>Artificial sequence <220> <223>Designed oligo ncleotide based on USP <400>3 AATGTTAGGC GTGGT 15
【図面の簡単な説明】
【図1】ZOT遺伝子中のプリンNTP−バインディン
グモチーフ部分を示す図である。
【図2】遺伝子uspを含むBamHI断片の制限酵素
地図を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/569 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA13 BA80 CA03 DA06 GA11 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ03 QQ06 QQ42 QR08 QR62 QS25 QS34 4B064 AG01 CA19 CC24 DA15 4H045 AA10 AA11 BA10 CA11 EA50 FA72 FA74

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のアミノ酸配列又は当該アミ
    ノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、
    置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク
    質をコードする遺伝子。
  2. 【請求項2】 配列番号1の塩基配列からなる請求項1
    記載の遺伝子。
  3. 【請求項3】 配列番号1の塩基配列を有するDNA若
    しくは当該DNAと80%以上の相同性を有するDNA
    又はそのフラグメントを含有する組み換えベクター。
  4. 【請求項4】 配列番号2のアミノ酸配列又は当該アミ
    ノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、
    置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク
    質。
  5. 【請求項5】 配列番号1の塩基配列を有するDNA若
    しくは当該DNAと80%以上の相同性を有するDNA
    又はそれらのフラグメントを用いることを特徴とする遺
    伝子uspの検出法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のタンパク質又はこれらの
    フラグメントに対する抗体を用いることを特徴とするタ
    ンパク質USPの検出法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010517552A (ja) * 2007-02-08 2010-05-27 ビオメリュー 細菌検出および/または同定培地

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