JP2001190234A - 揚げ調理方法 - Google Patents
揚げ調理方法Info
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- JP2001190234A JP2001190234A JP2000006400A JP2000006400A JP2001190234A JP 2001190234 A JP2001190234 A JP 2001190234A JP 2000006400 A JP2000006400 A JP 2000006400A JP 2000006400 A JP2000006400 A JP 2000006400A JP 2001190234 A JP2001190234 A JP 2001190234A
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- charcoal
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- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 備長炭を利用することにより、揚げ物の臭い
や味のクセを抑えて美味とする揚げ調理方法を提供す
る。 【解決手段】 フライヤ1の油槽3内の加熱された油8
に調理物10を浸漬し揚げる揚げ調理方法において、高
温の油8の中に充分な量の備長炭9を配置し、油8によ
り加熱された備長炭9から放出された遊離活性炭素の還
元作用により、調理物10の臭いや味のクセを抑えて美
味とする。
や味のクセを抑えて美味とする揚げ調理方法を提供す
る。 【解決手段】 フライヤ1の油槽3内の加熱された油8
に調理物10を浸漬し揚げる揚げ調理方法において、高
温の油8の中に充分な量の備長炭9を配置し、油8によ
り加熱された備長炭9から放出された遊離活性炭素の還
元作用により、調理物10の臭いや味のクセを抑えて美
味とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱された油に調
理物を浸漬し、揚げる揚げ調理方法に関する。
理物を浸漬し、揚げる揚げ調理方法に関する。
【0002】前記揚げ調理に用いる調理器内の油に一本
の備長炭を沈め、備長炭の多孔質構造の吸着作用により
油中の不純物を吸着し、油の劣化を抑えることが知られ
ている。
の備長炭を沈め、備長炭の多孔質構造の吸着作用により
油中の不純物を吸着し、油の劣化を抑えることが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように一本の備長炭の吸着作用を利用するものにあって
は、油の劣化を抑えるだけであり、積極的に揚げ物の風
味を向上させるものではない。
ように一本の備長炭の吸着作用を利用するものにあって
は、油の劣化を抑えるだけであり、積極的に揚げ物の風
味を向上させるものではない。
【0004】本発明の目的は、備長炭を利用することに
より、揚げ物の臭いや味のクセを抑えて美味とする揚げ
調理方法を提供することにある。
より、揚げ物の臭いや味のクセを抑えて美味とする揚げ
調理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】備長炭は、ウバメ樫を原
料とする炭であり、主に炭素Cからなる多孔質構造を有
する点で他の炭と同様であるが、他の炭に比べて高温で
焼き上げられた後、急冷されて製造されたものであり、
他の炭に比べて高密構造である点で他の炭と相違する。
料とする炭であり、主に炭素Cからなる多孔質構造を有
する点で他の炭と同様であるが、他の炭に比べて高温で
焼き上げられた後、急冷されて製造されたものであり、
他の炭に比べて高密構造である点で他の炭と相違する。
【0006】この備長炭は、常温でも周囲に置かれた食
物の鮮度を保つ作用があることが広く知られている。こ
れは、備長炭から大気中に遊離した炭素成分(以下、遊
離活性炭素と称するものとする。)が、その還元作用に
より食物の酸化を防止するからと考えられる。このよう
に備長炭は常温にあっても遊離活性炭素が自然発生して
いる。本発明者は、備長炭を人為的に加熱し、昇温させ
れば、備長炭の炭素が活性化されることにより、大量の
遊離活性炭素を放出させることができるのではないかと
の着想を得た。そこで、本発明者は、実際に備長炭を加
熱し、備長炭を燃焼(空気中の酸素と激しく結合するこ
と)する前の黒色のままに昇温された状態(中火)の状
態に維持し、その備長炭の中火により魚等の食物を焼い
て調理し、その食物を複数人が食してみたところ、炭を
赤く燃焼させた通常の炭火の場合に比べて、魚特有の臭
いや味のクセが抑えられ美味となったことを確認した。
これにより、備長炭が加熱されることにより、炭素が活
性化し、遊離活性炭素を大量に放出し、還元作用を行う
との前記理論が裏付けられた。
物の鮮度を保つ作用があることが広く知られている。こ
れは、備長炭から大気中に遊離した炭素成分(以下、遊
離活性炭素と称するものとする。)が、その還元作用に
より食物の酸化を防止するからと考えられる。このよう
に備長炭は常温にあっても遊離活性炭素が自然発生して
いる。本発明者は、備長炭を人為的に加熱し、昇温させ
れば、備長炭の炭素が活性化されることにより、大量の
遊離活性炭素を放出させることができるのではないかと
の着想を得た。そこで、本発明者は、実際に備長炭を加
熱し、備長炭を燃焼(空気中の酸素と激しく結合するこ
と)する前の黒色のままに昇温された状態(中火)の状
態に維持し、その備長炭の中火により魚等の食物を焼い
て調理し、その食物を複数人が食してみたところ、炭を
赤く燃焼させた通常の炭火の場合に比べて、魚特有の臭
いや味のクセが抑えられ美味となったことを確認した。
これにより、備長炭が加熱されることにより、炭素が活
性化し、遊離活性炭素を大量に放出し、還元作用を行う
との前記理論が裏付けられた。
【0007】また、本発明者は、中火の備長炭と食物と
の間の距離が小さいほど、前記のような食物の臭いやク
セを抑え美味とする効果が高いことも、実際に確認し
た。これは、備長炭と食物との間の距離が小さいほど、
食物に接する遊離活性炭素の量が多くなるからと考えら
れる。そして、中火の近火(食物が備長炭の近くに配置
される)であると、炭を赤く燃焼させた場合のような食
物の焦げつきがなく、美味に焼き上げることができるこ
とがわかった。
の間の距離が小さいほど、前記のような食物の臭いやク
セを抑え美味とする効果が高いことも、実際に確認し
た。これは、備長炭と食物との間の距離が小さいほど、
食物に接する遊離活性炭素の量が多くなるからと考えら
れる。そして、中火の近火(食物が備長炭の近くに配置
される)であると、炭を赤く燃焼させた場合のような食
物の焦げつきがなく、美味に焼き上げることができるこ
とがわかった。
【0008】このような本発明者の研究による備長炭に
ついての新規な知見に基づいて、本発明者は、備長炭を
利用して調理物を美味とする本発明の揚げ調理方法を創
案するに至った。本発明の揚げ調理方法は、調理物の臭
いや味のクセの原因となる酸化物質を還元し、前記臭い
や味のクセを抑えて美味とするに充分な遊離活性炭素を
放出可能な量の備長炭を油槽の中に配置する。本発明の
揚げ調理方法にあっては、備長炭を加熱し、備長炭の炭
素を活性化させ、大量の遊離活性炭素を放出させ、この
遊離活性炭素の還元作用により、食物の酸化物質を還元
する。また、本発明では、備長炭から生じる遊離活性炭
素の多くが油の中に溶け込み、閉じ込められるので、備
長炭を大気中で加熱し、遊離活性炭素の多くが大気中に
拡散してしまう場合に比べて、有効に用いられる遊離活
性炭素の割合が大幅に多い。
ついての新規な知見に基づいて、本発明者は、備長炭を
利用して調理物を美味とする本発明の揚げ調理方法を創
案するに至った。本発明の揚げ調理方法は、調理物の臭
いや味のクセの原因となる酸化物質を還元し、前記臭い
や味のクセを抑えて美味とするに充分な遊離活性炭素を
放出可能な量の備長炭を油槽の中に配置する。本発明の
揚げ調理方法にあっては、備長炭を加熱し、備長炭の炭
素を活性化させ、大量の遊離活性炭素を放出させ、この
遊離活性炭素の還元作用により、食物の酸化物質を還元
する。また、本発明では、備長炭から生じる遊離活性炭
素の多くが油の中に溶け込み、閉じ込められるので、備
長炭を大気中で加熱し、遊離活性炭素の多くが大気中に
拡散してしまう場合に比べて、有効に用いられる遊離活
性炭素の割合が大幅に多い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の揚げ調理方法の
一実施形態を添付した図1〜図3に基づいて説明する。
図1および図2に、本実施形態の揚げ調理方法の実施に
用いる業務用のフライヤ1の一例を示している。図1は
フライヤ1の斜視図、図2はフライヤ1の縦断面図であ
る。このフライヤ1は、本体2と、この本体2に設けら
れた油槽3と、この油槽3内に設けられたヒータ4と、
前記油槽3内に配置され、前記ヒータ4により昇温され
た空気(熱気)を通過させる間に油槽3内の油8に放熱
させる熱交換管路5と、この熱交換管路5の終端に接続
され、大気中に排気するための排気路6と、前記熱交換
管路5の上方に配置され、複数本の備長炭9を横に並べ
て収納する収納部材7とを備えている。
一実施形態を添付した図1〜図3に基づいて説明する。
図1および図2に、本実施形態の揚げ調理方法の実施に
用いる業務用のフライヤ1の一例を示している。図1は
フライヤ1の斜視図、図2はフライヤ1の縦断面図であ
る。このフライヤ1は、本体2と、この本体2に設けら
れた油槽3と、この油槽3内に設けられたヒータ4と、
前記油槽3内に配置され、前記ヒータ4により昇温され
た空気(熱気)を通過させる間に油槽3内の油8に放熱
させる熱交換管路5と、この熱交換管路5の終端に接続
され、大気中に排気するための排気路6と、前記熱交換
管路5の上方に配置され、複数本の備長炭9を横に並べ
て収納する収納部材7とを備えている。
【0010】ここで、油槽3内の油8は、図2に示すよ
うに、熱交換管路5を境界として上方の高温の対流域8
Aと、下方の低温の対流のない静止域8Bとに分かれて
おり、対流域8Aで調理物9が揚げられるものとなって
いる。そして、調理物10から生じた揚げカス等は、対
流域8Aの対流により、下方向に押し流されて、静止域
8Bに補足されて沈み、対流域8Aに戻ることが防止さ
れるものとなっている。したがって、長時間にわたって
油8を交換しなくとも清潔な油8の中で揚げ作業を行う
ことができる。なお、食物のうち、揚げる前及び揚げて
いる間のものを調理物10と称し、揚げ終わったものを
揚げ物10と称するものとする。
うに、熱交換管路5を境界として上方の高温の対流域8
Aと、下方の低温の対流のない静止域8Bとに分かれて
おり、対流域8Aで調理物9が揚げられるものとなって
いる。そして、調理物10から生じた揚げカス等は、対
流域8Aの対流により、下方向に押し流されて、静止域
8Bに補足されて沈み、対流域8Aに戻ることが防止さ
れるものとなっている。したがって、長時間にわたって
油8を交換しなくとも清潔な油8の中で揚げ作業を行う
ことができる。なお、食物のうち、揚げる前及び揚げて
いる間のものを調理物10と称し、揚げ終わったものを
揚げ物10と称するものとする。
【0011】油槽3の内面のうち前記対流域8Aに臨む
部分に、前記収納部材7を支持可能とする突起状等の支
持部11が複数本、設けられている。この支持部11の
上に、収納部材7が置かれて支持される。収納部材7の
斜視図を、図3に示している。図3および図1に示すよ
うに、収納部材7は、油8が流通可能なように網体等か
ら作成されており、複数本の備長炭9を並べて載せる下
部網体12と、この下部網体12に載せられた備長炭9
の上方を覆う上部網体13と、下部網体12と上部網体
13とを連結すると共に上部網体13を下部網体12に
対して開閉自在とするヒンジ部14とを備えている。前
記上部網体13は、調理物10が備長炭9に直接接触す
ることを防止するために設けられている。
部分に、前記収納部材7を支持可能とする突起状等の支
持部11が複数本、設けられている。この支持部11の
上に、収納部材7が置かれて支持される。収納部材7の
斜視図を、図3に示している。図3および図1に示すよ
うに、収納部材7は、油8が流通可能なように網体等か
ら作成されており、複数本の備長炭9を並べて載せる下
部網体12と、この下部網体12に載せられた備長炭9
の上方を覆う上部網体13と、下部網体12と上部網体
13とを連結すると共に上部網体13を下部網体12に
対して開閉自在とするヒンジ部14とを備えている。前
記上部網体13は、調理物10が備長炭9に直接接触す
ることを防止するために設けられている。
【0012】収納部材7を対流域8Aに配置する理由
は、調理物10の近くに備長炭9を位置させることによ
り、備長炭9から放出された遊離活性炭素をできるかぎ
り多く調理物10に接触させ、遊離活性炭素による調理
物10の臭いや味のクセを抑えて美味とする効果を充分
に発揮させるためである。また、収納部材7は、油槽3
の内面に沿って輪郭が形成され、油槽3の揚げに使用す
る面積と同等の面を占める備長炭9を配置しているの
で、備長炭9による効果が対流域8A全体の調理物10
に対して充分に及ぶものとなる。
は、調理物10の近くに備長炭9を位置させることによ
り、備長炭9から放出された遊離活性炭素をできるかぎ
り多く調理物10に接触させ、遊離活性炭素による調理
物10の臭いや味のクセを抑えて美味とする効果を充分
に発揮させるためである。また、収納部材7は、油槽3
の内面に沿って輪郭が形成され、油槽3の揚げに使用す
る面積と同等の面を占める備長炭9を配置しているの
で、備長炭9による効果が対流域8A全体の調理物10
に対して充分に及ぶものとなる。
【0013】一般に、油槽3の揚げ調理に使用する領域
の横断方向の面積にできるかぎり近い面積を備長炭9が
占めるほど、調理物10に対して放出される遊離活性炭
素の量が多くなるので、効果が高くなる。特に、備長炭
9が油槽3の揚げに使用する領域(対流域8A)の面積
の約80%以上を占めると、非常に高い効果が得られる
ので好ましい。また、備長炭9としては、その直径が大
きいほど、一本当たりの遊離活性炭素の放出量が多くな
るので好ましく、実際には例えば直径3〜4cmのもの
を用いるとよい。また、収納部材7は、フライヤ1の外
で下部網体12の上に複数本の備長炭9を載せられ、上
部網体13を閉じられた後、フライヤ1の支持部11に
載せられて油槽3内に支持されるものである。
の横断方向の面積にできるかぎり近い面積を備長炭9が
占めるほど、調理物10に対して放出される遊離活性炭
素の量が多くなるので、効果が高くなる。特に、備長炭
9が油槽3の揚げに使用する領域(対流域8A)の面積
の約80%以上を占めると、非常に高い効果が得られる
ので好ましい。また、備長炭9としては、その直径が大
きいほど、一本当たりの遊離活性炭素の放出量が多くな
るので好ましく、実際には例えば直径3〜4cmのもの
を用いるとよい。また、収納部材7は、フライヤ1の外
で下部網体12の上に複数本の備長炭9を載せられ、上
部網体13を閉じられた後、フライヤ1の支持部11に
載せられて油槽3内に支持されるものである。
【0014】前記のように構成されたフライヤ1による
と、次のように作用する。備長炭9を油槽3内に配置し
た状態で、ヒータ4をONにする。ヒータ4により加熱
された空気(熱気)は、熱交換管路5内を通過する間に
油槽3内の油8に放熱し、その後、排気路6を上昇して
フライヤ1の外に向けて排出される。油槽3内の油8の
熱が備長炭9を加熱して活性化し、大量の遊離活性炭素
を放出させる。この遊離活性炭素が油8中に溶け込み、
その還元作用により、調理物10の臭いや味のクセの原
因となる酸化物質を還元し、臭いや味のクセを抑えて美
味とする。調理物10を揚げる対流域8Aに備長炭9が
位置することにより、遊離活性炭素による調理物10の
臭いやクセを抑えて美味とする効果が充分に発揮される
ものである。また、通常の油だけの揚げ方法によると、
食物中のタンパク質が熱変成し、凝固するが、本実施形
態では、遊離活性炭素の還元作用によりタンパク質の凝
固の進行を抑えるので、揚げ物10が柔らかくなり、こ
の点でも美味になる。
と、次のように作用する。備長炭9を油槽3内に配置し
た状態で、ヒータ4をONにする。ヒータ4により加熱
された空気(熱気)は、熱交換管路5内を通過する間に
油槽3内の油8に放熱し、その後、排気路6を上昇して
フライヤ1の外に向けて排出される。油槽3内の油8の
熱が備長炭9を加熱して活性化し、大量の遊離活性炭素
を放出させる。この遊離活性炭素が油8中に溶け込み、
その還元作用により、調理物10の臭いや味のクセの原
因となる酸化物質を還元し、臭いや味のクセを抑えて美
味とする。調理物10を揚げる対流域8Aに備長炭9が
位置することにより、遊離活性炭素による調理物10の
臭いやクセを抑えて美味とする効果が充分に発揮される
ものである。また、通常の油だけの揚げ方法によると、
食物中のタンパク質が熱変成し、凝固するが、本実施形
態では、遊離活性炭素の還元作用によりタンパク質の凝
固の進行を抑えるので、揚げ物10が柔らかくなり、こ
の点でも美味になる。
【0015】備長炭9が放出する遊離活性炭素の還元作
用により油8の酸化を抑え、油8の劣化が抑えられるの
で、揚げ物10が美味となる。また、油8の劣化が抑え
られ、油8の寿命が飛躍的に長くなる結果、油8の交換
作業の手間が省かれると共に廃棄処分する油8の量が低
減される。
用により油8の酸化を抑え、油8の劣化が抑えられるの
で、揚げ物10が美味となる。また、油8の劣化が抑え
られ、油8の寿命が飛躍的に長くなる結果、油8の交換
作業の手間が省かれると共に廃棄処分する油8の量が低
減される。
【0016】加熱された備長炭9は、高い熱を放射す
る。従来、油に調理物を投入した瞬間に油の熱が低温の
調理物に奪われ(特に一度に大量の調理物を投入した場
合)、油の温度が急激に低下する結果、調理物に油が染
み込んで、揚げ物の味が悪くなることがあったが、本発
明では、油8の熱が調理物10に奪われても、備長炭9
が高い熱を放射しており、油8の温度がほとんど低下せ
ず、調理物10に油8が染み込むことが防止され、上質
に揚げられるので、揚げ物10が美味なものとなる。ま
た、加熱された備長炭9は、遠赤外線を放射し、調理物
10の内部全体が均一に加熱されるので、この意味でも
美味にできる。このように備長炭9が放射する熱(遠赤
外線含む)により、調理物10に対する熱の通りが、油
だけで備長炭が無い場合に比べて向上されるので、揚げ
調理の効率(時間当たりの揚げ量)が向上される。
る。従来、油に調理物を投入した瞬間に油の熱が低温の
調理物に奪われ(特に一度に大量の調理物を投入した場
合)、油の温度が急激に低下する結果、調理物に油が染
み込んで、揚げ物の味が悪くなることがあったが、本発
明では、油8の熱が調理物10に奪われても、備長炭9
が高い熱を放射しており、油8の温度がほとんど低下せ
ず、調理物10に油8が染み込むことが防止され、上質
に揚げられるので、揚げ物10が美味なものとなる。ま
た、加熱された備長炭9は、遠赤外線を放射し、調理物
10の内部全体が均一に加熱されるので、この意味でも
美味にできる。このように備長炭9が放射する熱(遠赤
外線含む)により、調理物10に対する熱の通りが、油
だけで備長炭が無い場合に比べて向上されるので、揚げ
調理の効率(時間当たりの揚げ量)が向上される。
【0017】対流域8Aの対流により、対流域8A内の
揚げカスが下方に押し流されて、静止域8Bに補足され
るので、備長炭9の表面に揚げカス等が固着することが
抑えられる。
揚げカスが下方に押し流されて、静止域8Bに補足され
るので、備長炭9の表面に揚げカス等が固着することが
抑えられる。
【0018】備長炭9を長時間使用後に、収納部材7を
フライヤ1の外に出し、備長炭9を交換した後、再度、
収納部材7をフライヤ1内にセットする。
フライヤ1の外に出し、備長炭9を交換した後、再度、
収納部材7をフライヤ1内にセットする。
【0019】
【実施例】(1)本発明者は、実施例として実際に、深
さ7cmで容量3230cm3 の調理器の底に長さ9c
mで直径2.5cmの備長炭を6本置き、調理器内に油
を収容した後、加熱し、熱油の中に、やや鮮度の落ちた
鰺等の青魚を小麦粉およびフライ粉で包んだものを投入
し、約1分30秒〜2分、揚げてみた。やや鮮度の落ち
た青魚を対象とした理由は、他の食物とくらべて、通常
の揚げ調理方法に比べて本発明の備長炭の作用による食
物の臭いやクセを抑えて美味とする効果を感覚により鮮
明に訴えるためである。揚げ終わったフライを複数人の
試験者で食してみたところ、試験者全員が、青魚特有の
生臭さが無くなり、鮮度不良など全く感じさせず、また
魚肉だけでなく皮までも通常に揚げた場合に比べて美味
となったことを実感した。一方、前記実施例と比較する
ための比較例として、前記調理器に一本の備長炭を収納
して同じ青魚のフライを揚げてみたが、青魚特有の生臭
さが無くならず、味も青魚特有の不快なクセが残り、特
に皮の部分の味が悪く、とうてい前記実施例のような良
好な風味を感じることがなかった。
さ7cmで容量3230cm3 の調理器の底に長さ9c
mで直径2.5cmの備長炭を6本置き、調理器内に油
を収容した後、加熱し、熱油の中に、やや鮮度の落ちた
鰺等の青魚を小麦粉およびフライ粉で包んだものを投入
し、約1分30秒〜2分、揚げてみた。やや鮮度の落ち
た青魚を対象とした理由は、他の食物とくらべて、通常
の揚げ調理方法に比べて本発明の備長炭の作用による食
物の臭いやクセを抑えて美味とする効果を感覚により鮮
明に訴えるためである。揚げ終わったフライを複数人の
試験者で食してみたところ、試験者全員が、青魚特有の
生臭さが無くなり、鮮度不良など全く感じさせず、また
魚肉だけでなく皮までも通常に揚げた場合に比べて美味
となったことを実感した。一方、前記実施例と比較する
ための比較例として、前記調理器に一本の備長炭を収納
して同じ青魚のフライを揚げてみたが、青魚特有の生臭
さが無くならず、味も青魚特有の不快なクセが残り、特
に皮の部分の味が悪く、とうてい前記実施例のような良
好な風味を感じることがなかった。
【0020】(2)備長炭自身の製造時の焼き上げ温度
がより高い紀州産の備長炭と、この紀州産の備長炭に比
べて焼き上げるときの温度が低い中国産の樫炭とを油の
中に配置し、揚げ調理し、比較してみたところ、紀州産
の備長炭の方が中国産の樫炭の場合よりも、美味に揚げ
調理できることを確認した。これは、同じ樫から製造し
た炭であっても、製造時の焼き上げ温度がより高い方
が、高密構造となり、遊離活性炭素をより多く放出し、
また放射する熱量も多いからと考えられる。
がより高い紀州産の備長炭と、この紀州産の備長炭に比
べて焼き上げるときの温度が低い中国産の樫炭とを油の
中に配置し、揚げ調理し、比較してみたところ、紀州産
の備長炭の方が中国産の樫炭の場合よりも、美味に揚げ
調理できることを確認した。これは、同じ樫から製造し
た炭であっても、製造時の焼き上げ温度がより高い方
が、高密構造となり、遊離活性炭素をより多く放出し、
また放射する熱量も多いからと考えられる。
【0021】(3)揚げ油として、製造時に化学的処理
のより多いサラダ油等と、製造時に化学的処理が少ない
ゴマ油等とを比較したところ、製造時に化学的処理が少
ないゴマ油等の方が美味に揚げ調理できることを確認し
た。
のより多いサラダ油等と、製造時に化学的処理が少ない
ゴマ油等とを比較したところ、製造時に化学的処理が少
ないゴマ油等の方が美味に揚げ調理できることを確認し
た。
【0022】〔変形例〕なお、本発明は、前記実施形態
や実施例に限定されず、本発明の効果を奏する限り、種
々の変形例が実施可能である。フライヤ1の構成は前記
実施形態及び実施例のものに限定されず、適宜の構成に
してよく、例えば油を収容し且つ備長炭を収容した容器
をコンロに載せて揚げ調理する場合等にも本発明が適用
される。
や実施例に限定されず、本発明の効果を奏する限り、種
々の変形例が実施可能である。フライヤ1の構成は前記
実施形態及び実施例のものに限定されず、適宜の構成に
してよく、例えば油を収容し且つ備長炭を収容した容器
をコンロに載せて揚げ調理する場合等にも本発明が適用
される。
【0023】また、備長炭9を油中に配置するについて
は、前記実施形態では収納部材7の中に収容され、また
前記(1)の実施例では収納部材を用いずに調理器の底
に直接置かれているが、備長炭を粉状にしたものを樹脂
等に混入したものを油槽3の内壁に貼り着け固化させる
等、備長炭に適宜に加工を施し用いるようにしてもよ
い。また、前記実施形態では備長炭9が複数本、一段に
横置きされているが、二段以上の適宜数の段数に横置き
してもよく、横置きに限らず、縦置き等、任意の姿勢に
置くことができる。
は、前記実施形態では収納部材7の中に収容され、また
前記(1)の実施例では収納部材を用いずに調理器の底
に直接置かれているが、備長炭を粉状にしたものを樹脂
等に混入したものを油槽3の内壁に貼り着け固化させる
等、備長炭に適宜に加工を施し用いるようにしてもよ
い。また、前記実施形態では備長炭9が複数本、一段に
横置きされているが、二段以上の適宜数の段数に横置き
してもよく、横置きに限らず、縦置き等、任意の姿勢に
置くことができる。
【0024】さらに、厳密に備長炭9に限定されず、備
長炭9のように高温焼き上げ後の急冷により製造され、
且つ高密構造を有する炭ならば、名称の如何を問わず、
備長炭9と、等価、均等なものとして本発明に包含され
るものとする。
長炭9のように高温焼き上げ後の急冷により製造され、
且つ高密構造を有する炭ならば、名称の如何を問わず、
備長炭9と、等価、均等なものとして本発明に包含され
るものとする。
【0025】
【発明の効果】前記説明した本発明の揚げ調理方法によ
ると、次のような効果を奏する。熱油の中で加熱された
備長炭から大量の遊離活性炭素を放出させ、この遊離活
性炭素が食物の臭いや味のクセの原因となる酸化物質を
還元するので、揚げ物の臭いやクセを抑え美味とするこ
とができる。
ると、次のような効果を奏する。熱油の中で加熱された
備長炭から大量の遊離活性炭素を放出させ、この遊離活
性炭素が食物の臭いや味のクセの原因となる酸化物質を
還元するので、揚げ物の臭いやクセを抑え美味とするこ
とができる。
【0026】遊離活性炭素の還元作用により食物中のタ
ンパク質の凝固の進行を抑えるので、揚げ物を柔らかい
ものとすることができ、この点でも美味にできる。
ンパク質の凝固の進行を抑えるので、揚げ物を柔らかい
ものとすることができ、この点でも美味にできる。
【0027】油に調理物を投入した瞬間に油の熱が調理
物に奪われても、加熱された備長炭が高い熱を放射し、
油の温度がほとんど低下せず、調理物に油が染み込むこ
とを防止するので、上質に揚げることができ、この点で
も美味にできる。
物に奪われても、加熱された備長炭が高い熱を放射し、
油の温度がほとんど低下せず、調理物に油が染み込むこ
とを防止するので、上質に揚げることができ、この点で
も美味にできる。
【0028】加熱された備長炭は、遠赤外線を放射し、
調理物の内部全体が均一に加熱されるので、この意味で
も美味にできる。
調理物の内部全体が均一に加熱されるので、この意味で
も美味にできる。
【0029】備長炭が放射する熱により、調理物に対す
る熱の通りが向上されるので、揚げ調理の効率を向上す
ることができる。
る熱の通りが向上されるので、揚げ調理の効率を向上す
ることができる。
【0030】備長炭が放出する遊離活性炭素の還元作用
により油の酸化を抑え、油の劣化が抑えられるので、揚
げ物を美味とでき、また油の寿命を飛躍的に長くし、油
を交換する手間を省くことができると共に、廃棄する油
の量を低減することができる。
により油の酸化を抑え、油の劣化が抑えられるので、揚
げ物を美味とでき、また油の寿命を飛躍的に長くし、油
を交換する手間を省くことができると共に、廃棄する油
の量を低減することができる。
【図1】本発明の揚げ調理方法の一実施形態に用いるフ
ライヤの一例を示す斜視図である。
ライヤの一例を示す斜視図である。
【図2】図1のフライヤの概略縦断面図である。
【図3】図1のフライヤ内に備長炭を配置する収容部材
の斜視図である。
の斜視図である。
1 フライヤ 3 油槽 7 収納部材 8 油 9 備長炭 10 調理物
Claims (1)
- 【請求項1】 加熱された油に調理物を浸漬し揚げる揚
げ調理方法において、前記油の中に、備長炭の還元作用
により前記調理物の臭いや味のクセを抑えて前記調理物
を美味とするに充分な量の備長炭を配置することを特徴
とする揚げ調理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000006400A JP2001190234A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 揚げ調理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000006400A JP2001190234A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 揚げ調理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001190234A true JP2001190234A (ja) | 2001-07-17 |
Family
ID=18534936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000006400A Pending JP2001190234A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 揚げ調理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001190234A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169577A (ja) * | 2005-12-19 | 2007-07-05 | Cb:Kk | 炭素微粒子を含む油脂組成物及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-01-14 JP JP2000006400A patent/JP2001190234A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169577A (ja) * | 2005-12-19 | 2007-07-05 | Cb:Kk | 炭素微粒子を含む油脂組成物及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070112 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090303 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090630 |