JP2001188876A - 薬品の製造方法、薬品の試験評価システム、および薬品の試験評価方法 - Google Patents

薬品の製造方法、薬品の試験評価システム、および薬品の試験評価方法

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JP2001188876A
JP2001188876A JP37586299A JP37586299A JP2001188876A JP 2001188876 A JP2001188876 A JP 2001188876A JP 37586299 A JP37586299 A JP 37586299A JP 37586299 A JP37586299 A JP 37586299A JP 2001188876 A JP2001188876 A JP 2001188876A
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Hiroshi Saito
博 齊藤
Eiichi Ando
永一 安藤
Aiko Yamahashi
愛子 山橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬品の試験にかかわる組織が正確な情報を共
有することにより、薬品の品質向上を図ることのできる
薬品の製造方法を提供する。 【解決手段】 薬品の仕様を設計し、試験用薬品を生成
する。生成後、臨床試験を経て、製薬会社の第1の端末
装置から、試験用薬品に関する薬品情報と治験依頼とを
試験評価システムのシステム管理装置のデータ記憶装置
に書き込む。書き込まれた治験依頼を、試験を行う医療
機関の第2端末装置の表示部に表示する。第2端末装置
は、試験を受託し、試験データをシステム管理装置のデ
ータ記憶装置に書き込む。書き込まれた試験データを第
1端末装置で集計・統計解析した結果を、第1の端末装
置からシステム管理装置のデータベースに書き込む。デ
ータベースの薬品基本情報と試験データの集計・統計解
析記録に基づいて、第3端末装置を有する規制当局は、
この薬品の製造を許可するか否かを判断し、許可された
場合に、薬品の本生産を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬品の試験評価シ
ステムと、薬品の試験評価方法と、薬品の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】薬品が市販される前には、様々な種類の
試験が行われる。たとえば新しい医薬品であれば、化学
的な安定性、安全性を確認する試験を経て、実験動物を
使った毒性試験、薬効薬理試験が行われる。これらの試
験は前臨床試験と呼ばれる。前臨床試験で安全性と効果
が確認されたなら、ヒトで実験を行う臨床試験が行われ
る。臨床試験を実施できるのは医師だけであり、ヒトを
対象とするため、安全性と倫理性の確保が重要になって
くる。
【0003】通常、製薬会社は臨床試験のための治験計
画を立案し、詳細な臨床試験計画を規制当局(厚生省)
に届け出て、医療機関などに臨床試験の実施を依頼しな
ければならない。それと同時に、医療機関が臨床試験を
行うには、被験者をエントリし、また、個々の検査をた
とえば外部の臨床検査会社に依頼する。一方、規制当局
は臨床試験が開始されると、安全性と倫理性を確認すべ
く、試験が公正に行われているかを随時査察する。
【0004】臨床試験が無事終了したならば、製薬会社
は、すべての前臨床試験および臨床試験のデータをまと
め、解析し、治療に有用であることを証明した上で、規
制当局に新薬の製造販売に関する承認を申請する。ま
た、発売後も、広く一般医療現場で医師による臨床試験
や調査を継続し、安全性と効果を確認しなければならな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、各製薬会社と、
臨床試験を実施する医療機関との間では、臨床試験ごと
に、治験実施依頼、受託審査結果の通知、治験契約など
の手続きが、主として紙を媒体にして行われている。ま
た、規制当局と医療機関、規制当局と製薬会社の間で
も、臨床試験ごとに査察、届出、申請などの手続きが、
主として紙を媒体として個別に行われている。
【0006】このような状況で、効率的かつ効果的に新
薬を送り出すために、コンピュータシステムが導入され
つつある。しかし、現実問題として、製薬会社、医療機
関、規制当局はそれぞれ独立して作業を行っているの
で、それぞれの閉じられた現場でのみのコンピュータ化
でしかない。たとえば、製薬会社でコンピュータにより
生成された、臨床試験に関する各種情報を、ハードコピ
ーの書類として、試験依頼先の医療機関に提供する。医
療機関は、その情報をハードコピーのまま保存するか、
あるいは自分の側でコンピュータシステムに再入力す
る。同様に、臨床試験の結果は、通常、製薬会社の担当
者が依頼先の医療機関の臨床試験担当医を訪問すること
によって収集され、その後、医療機関側に保存されるデ
ータとは別に、製薬会社側のコンピュータシステムに入
力される。このような、個別のサイトでの情報の重複
は、労力と時間の消費につながるばかりではなく、入力
ミスによる誤情報が生じやすい。
【0007】また、医薬品の臨床試験全体をカバーする
効率のよいコンピュータシステムを構築し、活用しよう
にも、医薬品に関する法的規制、医学、薬学全般にわた
って造詣が深い情報技術者が少ないという事情もある。
このため、既存のシステムは、広範囲にわたる医薬品開
発工程の、ある特定の作業だけを個別に取り扱うにすぎ
ない。たとえば、製薬会社はそれぞれ個別に副作用情報
管理報告システムや症例データの解析システムを有し、
医療機関は、その機関内でだけ使用する受託臨床試験管
理システムを有する場合がある。しかし、より高い視点
から全体を統合し、効率よく新薬を送り出すことのでき
る総括的なシステムは未だ見当たらない。仮に存在する
としても、それは一企業が自社専用に開発し、内部だけ
で使用するシステムであり、他の組織と相互に関連して
使用できるシステムが使用されている事実はない。
【0008】さらに、臨床試験に参加して、試験薬品等
の投与を受ける被験ボランティアには、臨床試験の担当
医が事前にその臨床試験について十分な説明を行い、同
意を得なければならないという規定がある。しかし、臨
床試験の担当医は、通常の診療を行いながら臨床試験を
実施するため、被験者への説明に十分な時間を取ること
が現実的に困難な状況である。担当医の負担と、被験候
補者の心理的圧迫を軽減するために、臨床試験コーディ
ネイタを仲介とすることが考えられているが、その人材
の確保や人件費の負担の問題が新たに浮上してくる。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、医薬品の
臨床開発から承認申請、市販後調査までも含み、臨床試
験にかかわるすべての組織が正確な情報を共有すること
により、臨床試験および規制当局への届出処理の迅速化
と、薬品自体の品質向上を図ることのできる薬品の製造
方法を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、広く製薬会社、試
験評価機関、規制当局等を統合して、これらの組織から
発生する情報を迅速に収集し、一元的に管理共有化し、
必要なときに必要な情報を必要な組織に提供することに
より、薬品開発の効率を飛躍的に高めることのできる試
験評価システムを提供することにある。
【0011】本発明の第3の目的は、薬品の試験評価に
かかわるすべての組織を統合し、階層的に設定されたア
クセス権に従って情報の共有を認めることによって、情
報の安全性を確保するとともに、迅速かつ効率的に薬品
の試験評価を行うことができる薬品の試験評価方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、本発明の薬品の製造方法は、まず薬品の有
効成分、剤形、効能などを設計し、この設計に基づいて
試験用薬品を生成する。試験用薬品の生成後、臨床試験
を経て、第1の端末装置から、試験用薬品に関する薬品
情報と治験依頼とを薬品の試験評価システムのシステム
管理装置に送信して、システム管理装置のデータ記憶装
置に書き込む。書き込まれた治験依頼を、システム管理
装置の送信部から、第1の端末装置とは異なる組織に属
する第2の端末装置の受信部に送信し、第2端末装置の
表示部に表示する。第2端末装置に、薬品の試験情報で
ある試験データをシステム管理装置のデータ記憶装置に
書き込むことを許可する。上記の試験データを第1端末
装置で集計・統計解析した結果を、前記第1の端末装置
から前記システム管理装置のデータベースに書き込むこ
とを許可する。さらに、薬品基本情報および試験データ
の集計・統計解析記録に基づいて、第3端末装置を有す
る規制当局に、本生産の実行を許可するか否かを判断さ
せる。そして、本生産の実行を許可すると判断された場
合に、前記薬品の本生産を行う。
【0013】このような薬品の製造方法により、薬品の
試験評価に関する情報が一箇所で集中管理され、情報の
信頼性が向上する。その結果、薬品の有用性と信頼性が
向上する。
【0014】本発明の第2の目的を達成するために、本
発明の試験評価システムは、システム管理装置と、ネッ
トワークを介してシステム管理装置に接続される第1組
織の第1端末装置と、ネットワークを介して前記システ
ム管理装置に接続される、前記第1組織とは異なる第2
組織の第2端末装置とを含む。システム管理装置は、演
算処理装置と、この演算処理装置に接続されたデータ記
憶装置およびプログラム記憶装置とを有する。演算処理
装置は、薬品の基本的な情報を設定する薬剤基本情報設
定手段と、第1組織と第2組織との間の試験の委託・受
託手続を支援する治験委受託支援手段と、試験結果に関
する情報を管理する手段と、試験結果の集計・統計解析
を支援する手段とを有する。
【0015】薬剤基本情報設定手段は、第1端末装置
に、試験を行うべき薬品に関する基本情報を前記データ
記憶装置へ書き込むことを許可する。治験委受託支援手
段は、第1端末装置に、治験依頼を含む治験委託情報の
前記データ記憶装置への書き込みを許可し、治験依頼を
前記第2端末装置の受信部に送信し、第2端末装置に、
治験を受託する旨の治験受託情報を前記データ記憶装置
に書き込むことを許可する。試験結果に関する情報を管
理する手段は、第2端末装置に、前記薬剤の試験結果に
関連する情報を前記データ記憶装置に書き込むことを許
可する。集計・統計解析手段は、第1端末装置に、前記
試験結果に関連する情報の集計・統計解析記録を前記デ
ータ記憶装置に書き込むことを許可する。
【0016】システム管理装置は、ルールチェック管理
手段をさらに有する。ルールチェック管理手段は、第2
端末装置に、薬品の試験に関してチェックすべき1以上
のチェック項目と、前記チェック項目に含まれる1のト
リガ項目とを前記データ記憶装置に書き込むことを許可
し、トリガ項目に前記第2端末装置の入力部からデータ
入力があった場合に、入力された値の適正さについての
チェックを自動的に開始する。これにより、薬品の試験
に関する情報の正確さと信頼性がさらに向上する。
【0017】システム管理装置はまた、第1端末装置に
試験計画についての詳細情報をデータ記憶装置に書き込
むことを許可する治験計画立案支援手段と、第2端末装
置に、症例に関するデータを前記データ記憶装置に書き
込むことを許可する症例データ入出力手段とを、さらに
有する。症例データ入出力手段は、データ記憶装置に書
き込まれた治験計画詳細テーブルを参照して、特定の症
例について試験中止の是非を決定する判断項目と判断基
準値を設定する。そして、判断項目に入力があった場合
に、入力された値と前記判断基準値とを比較して、その
症例についての試験を中止するかどうかを判断する。こ
れにより、被験者の安全性と人権が確保される。
【0018】システム管理装置は症例管理手段をさらに
有する。症例管理手段は、被験者に、データ記憶装置に
記憶された被験者自身の症例についての情報を閲覧する
ことを許可する。これにより試験データの公正を維持す
ることができる。
【0019】本発明の第3の目的を達成するために、本
発明による薬品の試験評価方法は、まず、システム管理
装置にネットワークを介して接続された第1端末装置
に、システム管理装置のデータ記憶装置に対して、試験
を行うべき薬品に関する薬品基本情報と、治験依頼を含
む治験委受託情報と、治験計画詳細との書き込みを認め
る。次に、システム管理装置にネットワークを介して接
続された第2端末装置の表示部に、第1端末装置により
データ記憶装置に書き込まれた治験依頼を表示させ、第
2端末装置に、治験委受託情報への書き込みを認める。
さらに、第2端末装置に、前記データ記憶装置に対して
前記薬品の試験結果に関する情報の書き込みを認める。
そして、第1端末装置に、前記試験結果に関する情報の
集計・統計解析記録をデータ記憶装置に書き込むことを
認める。このような試験評価方法により、試験の迅速化
を実現することができる。
【0020】この試験評価方法は、情報のセキュリティ
を保証するために、特定の薬品の試験に関して、第1端
末装置からシステム管理装置にアクセスする権利が認め
られたユーザと、第2端末装置から前記システム管理装
置にアクセスする権利が認められたユーザとを、あらか
じめデータベースに登録する。
【0021】また、試験の信頼性を向上するために、第
2端末装置に、特定の薬品の試験に関してチェックすべ
き1以上のチェック項目と、チェック項目に含まれる1
のトリガ項目とをデータ記憶装置に書き込むことを許可
する。そして、トリガ項目に第2端末装置の入力部から
データ入力があった場合に、入力された値の適正さにつ
いてのチェックを自動的に開始する。
【0022】また、試験の安全性を確保するために、第
1端末装置に、薬品の試験計画についての詳細情報を前
記データ記憶装置に書き込むことを許可し、第2端末装
置に、症例に関するデータを前記データ記憶装置に書き
込むことを許可する。そして、システム管理装置に、デ
ータ記憶装置に書き込まれた試験計画詳細を参照させ
て、特定の症例について試験中止の是非を決定する判断
項目と判断基準値を設定させ、前記判断項目に入力があ
った場合に、入力された値と前記判断基準値とを比較さ
せる。
【0023】このような試験評価方法により、試験の信
頼性と安全性が格段に向上する。
【0024】上述したネットワークは、公衆ネットワー
ク、専用ネットワーク、衛生通信、イントラネットなど
を使用できる。また、端末装置は、携帯端末でも、デス
クトップの端末でもよい。
【0025】本発明のその他の特徴、効果は、以下に述
べる実施の形態によって、より明確になるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0027】図1は、本発明の薬品の試験評価システム
の構成を示す図である。試験評価システム1は、インタ
ーネット20上に構築される薬品の試験評価システム1
の全体を統合し管理するシステム管理装置10と、イン
ターネット20を介してシステム管理装置10に接続さ
れる薬品製造開発機関(第1組織)の第1端末2と、イ
ンターネット20を介してシステム管理装置10に接続
される試験評価機関(第2組織)の第2端末4を含む。
また、第1組織によって製造開発された薬品の認可を行
う規制当局(第3組織)の第3端末6も、インターネッ
ト20を介してシステム管理装置10に接続される。第
1組織は、たとえば製薬会社であり、第2組織は、たと
えば大学病院などの医療機関である。
【0028】システムシステム管理装置10は、送受信
部11a、11bと、中央演算処理装置(以下、「CP
U」とする)12と、CPU12に接続されるデータベ
ース14およびプログラム記憶装置16を備える。第1
〜第3の端末装置は、それぞれ、送信装置2a、4a、
6a、受信装置2b、4b、6b、表示装置2c、4
c、6c、および入力装置2d、4d、6dを有する。
また、図示はしないが、システム管理装置10および第
1から第3の端末装置は、指示装置(マウスなどのポイ
ンティングデバイス)、出力装置(プリンタなど)、通
信装置(通信カードやケーブルなど)などを備える。
【0029】なお、図1には、それぞれひとつの第1組
織および第2組織が図示されているが、1以上の第1組
織および第2組織が、それぞれの対応する端末装置か
ら、インターネット20を介してシステム管理装置10
に接続される。また、この試験評価システム1には、イ
ンターネット20を介して製薬会社の第1端末装置にC
RO(Contract Research Organization:治験会社)が
接続され、医療機関の第2端末装置には、インターネッ
ト20を介してSMO(Site Management Organizatio
n:治験実施管理会社)が接続される。
【0030】図2は、図1に示すシステム管理装置10
のCPU12の図である。CPU12は、データベース
14へのアクセスの安全性を維持するためのセキュリテ
ィチェッカ21を有する。このセキュリティチェッカに
より、第1組織の第1端末2、第2組織の第2端末4、
第3組織の第3端末6によるデータベース14へのアク
セス、書き込みが制御される。CPU12はまた、第1
から第3の組織のユーザ設定や組織内で使用するコード
テーブルを設定するシステム管理部22を有する。ま
た、臨床試験を開始するまでの各種情報を取り扱うため
に、薬品基本情報設定手段23、治験計画立案支援手段
24、治験届出支援手段25、および治験委受託手続支
援手段26を有する。さらに、臨床試験が開始されてか
らの各種情報を取り扱うために、治験薬品管理手段2
7、症例管理手段28、治験進渉管理手段29、症例デ
ータ入出力手段30を有する。また、臨床試験の結果得
られたデータを取り扱うために、有害事象管理報告手段
31、集計・統計解析手段32を有する。さらに、ネッ
トワーク20を介してシステム管理装置10に接続され
ている規制当局の査察を支援するための当局査察支援手
段34と、社内での監査を支援するための社内監査支援
手段35を有する。さらに、症例に関する各種情報の正
確性を確保するためのルールチェック管理手段33を有
する。これらの手段については、後述する。
【0031】CPU12はさらに、不正な書き込みを防
止し、情報のセキュリティを保つために、記憶装置3
6、37、38にすべてのアクセス記録、編集記録、デ
ータ変更履歴を保存しておく。また、第1から第3の組
織並びに第三者のアクセスのため、ホームページ39を
有する。
【0032】図3は、図1に示すシステム管理装置10
のデータベース14の図である。データベース14は、
システム管理情報テーブル42、薬品基本情報テーブル
43、前臨床試験結果テーブル44、他臨床試験情報テ
ーブル45、治療機関情報テーブル46、治験医情報テ
ーブル57、治験計画詳細テーブル48、受託試験情報
テーブル49、治験薬剤情報テーブル50、症例管理情
報テーブル51、症例データテーブル52、有害事象情
報テーブル53、集計・解析記録テーブル54、ルール
情報テーブル55、査察・監査証跡テーブル56を、そ
れぞれ個別のテーブル群として格納する。
【0033】このデータベース14は、第1から第3の
組織間で共有される。したがって、競合する製薬会社の
情報や関連のない医療機関の情報にはアクセスできない
ように制御する必要がある。また、同じ会社内あるいは
同じ医療機関内であっても、異なる薬品の臨床試験に関
する情報にはアクセスを禁止しなければならない場合も
ある。一方、一般に広く使用されている疾患名や薬品名
などのコードテーブルは、製薬会社や医療機関の垣根を
越えて共通に使用されるのが好ましい。このようなアク
セス制御を可能にするために、第1から第3の組織の端
末装置のユーザ名に複数段階の所属属性を設定し、デー
タベース14への参照、書き込みは、これらのユーザ名
に基づき、階層的なレベルに応じて制御される。この操
作の詳細は後述する。
【0034】このような薬品の試験評価システム1をネ
ットワーク上に構築することにより、薬品の製造、開
発、試験という流れのなかで、関連する組織のデータ入
力の重複やハードコピーによる情報のやりとりを削減
し、効率的に薬品を市場に送り出すことが可能になる。
特に、情報が一カ所で集中管理されているため、情報の
整合性が改善され、薬品の開発における信頼性と効率が
向上するのである。
【0035】図4は、図1に示す薬品の試験評価システ
ム1を利用した薬品の生成方法の処理手順を示すフロー
チャートである。ここで、薬品とは、農薬、工業用試
薬、医薬品などを広く含むものとする。まずステップS
101で、薬品の有効成分(化学式)、剤形、効能など
を設計する。ステップS103で、設計された項目に基
づいて試験用薬品を実験、試作する。実験を経て試験用
薬品が完成したならば、ステップS105で、インター
ネット上に構築された図1の試験評価システム1を介し
て薬品の試験評価を行う。試験評価が終了したならば、
ステップS107で、規制当局により、認可の基準が満
たされているかの判断を行う。規制当局とは、試作され
た薬品の種類により、厚生省、農林水産省、環境庁など
である。判断の結果、薬品が規制当局の基準を満たし、
合格であれば、ステップS109でこの薬品を量産し、
市場に送り出す。規制当局の基準に満たず、不合格の場
合は、ステップS101へ戻り、新たに薬品の設計から
始める。
【0036】図5は、図2に示す薬品の製造方法を、医
薬品の製造方法に適用した場合の処理手順を示すフロー
チャートである。
【0037】まず、ステップS201で医薬品の有効成
分(化学式)、剤形、功能などを設計する。ステップS
203で、設計に基づき、実験を繰り返して試験用医薬
品を試作する。試験用医薬品が完成したならば、ステッ
プS205で、実験動物による毒性試験、薬効薬理試
験、すなわち前臨床試験を行う。ステップS206で、
この試験用医薬品の安全性が確認されたかどうかを、前
臨床試験データに基づいて判断する。判断の結果、安全
性に問題がない場合は、ステップS207に進み、今度
はヒトを対象とした臨床試験を行う。データ分析の結
果、安全性に問題ありと判断された場合は、ステップS
201に戻り、医薬品の設計からやり直す。
【0038】臨床試験ステップS207に進んだ場合、
実際に臨床試験(第I相臨床試験から第III相臨床試験
まで)が開始される。第I相臨床試験は、原則として健
常人ボランティアを対象として、薬品の体内動態や副作
用などの情報を収集するための試験である。第II相臨床
試験は、患者を対象として、対象疾患の専門の医師によ
り行われる試験であり、効果および副作用などの情報を
収集する。第III相臨床試験は、第II相と同じく患者を
対象として、専門医師によって行われる。効能および副
作用などについて、より幅広く情報を収集するため、第
II相より多くの患者を対象にし、すでに販売されている
同種同効薬、あるいは偽薬との比較を行う。臨床試験ス
テップには、上述したように、インターネット20上に
構築された試験評価システム1を介して、医薬品を製造
した製薬会社、臨床試験を受託する医療機関、最終的に
医薬品の認可を行う規制当局(厚生省)が係わることに
なる。また、前述したように、製薬会社から治験の契約
受託するCROや、医療機関から臨床試験の実施管理を
受託するSMO、あるいは臨床試験のボランティアも係
わり得る。この臨床試験ステップS207の詳細につい
ては後述する。
【0039】臨床試験が終了したならば、ステップS2
09で、規制当局による認可の是非について判断され
る。判断結果、医薬品が基準を満たし、有用性が認めら
れ合格とされた場合は(S209でYES)、この医薬
品の製造に認可がおり、ステップS211で量産する。
ステップS209で規制当局による判断が不合格であれ
ば、ステップS217で、製薬会社により臨床試験を続
行するかどうかの判断を行う。続行すると判断された場
合は、ステップS207に戻り、追加の臨床試験をさら
に行い、医薬品の有用性についての症例データを収集す
る。臨床試験を続行しないと判断された場合は、処理を
終了する。
【0040】ステップS209で規制当局からの認可が
下り、ステップS211で量産、市販を行ったあと、さ
らにステップS213で、市販後の調査および臨床試験
を行う。ここでも、ネットワーク上に構築された試験評
価システム1を介して、製薬会社、医療機関、規制当局
が協働し、情報の生成、共有を行う。ステップS215
で、再度規制当局による判断が行われ、ここで問題なし
とされた場合は、この製薬過程が終了する。ステップS
215で、問題ありとされた場合は、ステップS219
で、製薬会社により製造を中止するかどうかの判断を行
う。製造を中止しない場合は、ステップS213に戻
り、さらに市販後の調査および臨床試験を続ける。ステ
ップS219で、製薬会社が製造を中止すると判断した
場合は、処理を終了する。
【0041】図6〜9は、図5のステップS207で行
われる臨床試験において、各組織がどのように試験評価
システム1と係わり合うかを経時的に示す図であり、縦
軸に時間、横軸に各組織をとってある。図6〜9に示す
ように、システム管理装置10のデータベース14に、
システム管理情報テーブル42を幹として、各組織から
経時的に臨床試験関連情報が追加されてゆく。図6〜9
において、実線の矢印は、データベース14の各テーブ
ルへの書込みを示し、破線の矢印は、各テーブルへの参
照を示す。また、実線の双方向矢印は参照および書込み
を示し、点線は出力を示す。本発明の試験評価システム
1の特徴として、各組織ごとに、各段階で、それぞれ異
なるレベルで情報の書込みや参照が認められている。こ
れによりセキュリティを維持し、情報の信頼性を高め
る。
【0042】大まかな流れとしては、図6で、本発明の
試験評価システム1を機能させるための準備段階とし
て、臨床試験ごとに試験評価システム1に関連するすべ
ての組織により、システム管理装置10に必要情報を入
力する。すなわち、ステップS1101で、特定の医薬
品についての臨床試験に関係するユーザの設定を各組織
で行い、ステップS1103で、製薬会社によって、臨
床試験を行う医薬品についての基本情報を設定し、ステ
ップS1105で前臨床試験情報および他臨床試験情報
を入力する。また、ステップS1107で、システム管
理装置10により治験機関および治験医に関する情報が
蓄積される。図7で、製薬会社による特定の臨床試験の
治験計画の設定と、製薬会社と医療機関の間での臨床試
験の委託、受託手続きが行われる。図8では、実際に臨
床試験が開始され、図9で臨床試験が終了する。
【0043】次に、図6〜9に示す各ステップでの処理
を順次説明する。まず、図6のステップS1101で、
各組織によるユーザ設定、コード設定などを行う。本発
明の試験評価システム1の特徴として、各組織に一人の
組織マネージャを設定し、組織マネージャがユーザを作
成し、各医薬品の臨床試験ごとにシステムのユーザを設
定できるものとする。すなわち、組織マネージャは臨床
試験ごとにその試験に関わる担当者を指定し、システム
管理装置10のデータベース14への書き込みは、組織
マネージャに指定され、ユーザ設定された者にのみ認め
られることとする。情報の書き込みは、新規情報作成
と、情報の更新または編集の双方を含む。この様子を、
図10を参照して説明する。
【0044】たとえば、製薬会社PHAが新しく開発し
た薬品HR451について臨床試験を行う場合を考え
る。製薬会社PHAは、試験評価システム1の登録され
た組織マネージャとしてH氏を有する。H氏は、あらか
じめ試験評価システム1の組織内ユーザとして、X氏、
Y氏、Z氏をそれぞれのユーザIDで登録しておく。H
氏は、薬品HR451に関して、X氏とY氏を臨床試験
担当者に指定し、X氏とY氏が薬品HR451の臨床試
験に関する情報についてのみ、システム管理装置10の
データベース14に書き込みできるようにユーザ設定を
行う。すなわち、第1端末装置の入力部2dから、シス
テム管理者10のCPU12のシステム管理部22に対
し、X氏とY氏に薬品HR451に関する臨床試験情報
の書き込みを認める旨の通知を行う。Z氏は、システム
のユーザではあるが、薬品HR451の臨床試験につい
ては、書き込み権を有さない。
【0045】システム管理部22は、すでに組織内ユー
ザIDを付与されているX氏とY氏に、薬品HR451
に関する書き込み権を、データベース14のシステム管
理情報テーブル42に登録する。一方、製薬会社PHA
は、臨床試験を行う医療機関として、病院HOSを指定
する。病院HOSは、試験評価システム1の登録された
組織マネージャとして、A医師長を有する。A医師長
は、あらかじめ試験評価システム1の組織内ユーザとし
て、E医師とF医師を対応するユーザIDの下に登録し
ておく。製薬会社のH氏は、組織外のメンバーであるE
医師とF医師に対し、薬品HR451についてのみ製薬
会社PHAの組織内データの使用権を認め、これを第1
端末装置の入力部2dからシステム管理装置10に通知
する。システム管理装置10のCPU12のシステム管
理部22は、薬品HR451の臨床試験についてデータ
の使用権を認められたE医師とF医師に組織外ユーザI
Dを付与し、これをデータベース14のシステム管理情
報テーブル42に記録する。
【0046】このように、本発明の特徴として、各製薬
会社の組織マネージャは、自社組織以外のユーザに特定
の薬剤情報あるいは治験情報へのアクセス権を適宜与え
る。すなわち、組織外ユーザの所属属性が自社組織にな
くても、組織外ユーザ自身の所属属性を変更することな
く、自社組織の一定の情報へのアクセスを許すことがで
きる。このようにして、本発明の課題である組織間の協
働を可能にするのである。特定の臨床試験が終了した場
合には、組織マネージャは組織外ユーザのアクセス権を
削除することによって、以降のアクセスは許可されな
い。
【0047】一方、規制当局のユーザおよび社内監査を
行うユーザは、あらかじめ情報への参照権だけは当初か
ら与えられている。このような、ユーザごとのアクセス
権の付与は、これまでのシステムに見られない特徴であ
り、本発明に不可欠の要素である。この機能は、製薬会
社同士の共同開発にも効果を発揮する。
【0048】図11は、このような組織内ユーザの設定
と、組織外ユーザへの使用許可の処理フローを示す。図
11(a)は、組織マネージャによる組織内ユーザの設
定処理を示す。ステップS1160で、システム管理装
置10のCPU12のシステム管理部22は、ユーザ設
定を行おうとしている者が登録された組織マネージャで
あるかどうかを判断する。組織マネージャであれば(S
1160でYES)、組織マネージャが指定したユーザ
(たとえば、X氏、Y氏)の国名、ユーザ名、ユーザ情
報、所属部門名、暫定パスワード、ユーザの有効無効、
関連する薬品と治験名、およびシステム管理装置10の
各手段に対する参照、書き込みの権利についての設定・
編集を認める。ユーザ情報は、たとえば治験医、看護
婦、CRC(Clinical Research Coordinator:臨床試
験コーディネータ)、プロダクトマネージャ、データマ
ネージャなどの職種情報を含む。入力が終了すると、ス
テップS1164でこれらの情報はシステム管理情報4
2のユーザテーブルに保存され、処理が終了する。ステ
ップS1160で組織マネージャではないと判断された
場合は(S1160でNO)、セキュリティ違反として
処理が終了する。
【0049】図11(b)は、組織外ユーザに組織内情
報の使用権を与える処理フローである。この場合、たと
えば製薬会社PHAの組織マネージャH氏が、病院HO
SのE医師、F医師に許可を与えるとする。ステップS
1170でシステム管理装置10は、ユーザ設定を行お
うとしている者が登録された組織マネージャかどうかを
判断する。組織マネージャであると判断されると、ステ
ップS1172でシステム管理装置10は組織マネージ
ャにデータべ−ス14からの組織外ユーザの検索を認
め、使用可能薬品名や治験名、ユーザの有効無効、およ
び各手段に対する参照、書き込みの権利についての設定
・編集を認める。入力が終了すると、ステップS117
4でシステム管理情報42のユーザテーブルに情報を保
存する。ステップS1170で組織マネージャではない
と判断されると、処理は終了する。このように、各薬品
の臨床試験ごとに、システム管理装置10の機能の使用
を認められる者、参照や書き込みが許される項目などを
組織マネージャが設定する。ユーザ設定された者たちに
よるシステム管理装置10へのアクセスは、CPU12
のセキュリティチェッカ21(図2)により、厳重に管
理される。
【0050】図12は、CPU12のセキュリティチェ
ッカ21の機能を示す図である。各組織マネージャ、お
よび組織マネージャによりユーザ設定されたユーザは、
製薬会社の端末2あるいは医療機関の端末4から、シス
テム管理装置10にアクセスする。すると図12(a)
に示す画面1200が端末2または4の表示装置2cま
たは4cに表示される。ユーザは、図12(b)に示す
ように、ステップS1202で国、組織名、部門名、ユ
ーザ名、およびパスワードなどの付加情報を入力し、図
12(a)に示すサインオン・ボタン1201をクリッ
クする。ステップS1204で、システム管理装置10
のCPU12のシステム管理部22は、入力したユーザ
が有効なユーザかどうか、およびパスワードは適切かど
うかを判断する。判断結果が否定の場合は(S1204
でNO)、ステップS1204へ進み、入力が3度繰り
返されたかどうかを判断する。入力回数が3度未満のと
きは、ステップS1202に戻り、再度入力が許され
る。入力が3度繰り返された場合は、セキュリティバイ
オレーションで処理を終了する。一方、ステップS12
04で、適切なユーザであると判断された場合は、ステ
ップS1208に進み、登録された組織マネージャかど
うかを判断する。組織マネージャである場合は、ステッ
プS1210に進み、端末2あるいは4の表示装置2
c、4cに組織マネージャに提供される機能の一覧12
03を表示する。組織マネージャではない場合は(S1
208でNO)、ユーザ設定された一般ユーザに使用が
認められた機能の一覧1203を表示する。このような
機能一覧は、システム管理部22により、アクセスして
いる者が誰であるかによって、それぞれ許可された機能
だけがユーザ端末装置の表示部に表示される。このよう
に、薬品および臨床試験ごとに試験評価システム1を利
用できるユーザを設定し、その都度、個別に使用できる
機能を設定するという階層的なアクセス許可により、セ
キュリティが補償され、インターネット20を介したシ
ステム全体が安全に機能する。
【0051】図13は、設定されたアクセス権を有する
ユーザが薬品基本情報テーブル43を参照または作成、
編集する際の画面例を示す図である。アクセス権を与え
られたユーザは、第1、あるいは第2の端末2、4の表
示装置2c、4c上に、図13に示す薬品基本情報入力
画面1300を呼び出す。薬品基本情報入力画面130
0には、国名、薬品コード、一般名、化学式などの項目
が表示される。また、前臨床試験の詳細な試験データと
は別に、前臨床試験の試験期間、終了日、試験成績など
の一般情報を入力する項目も表示される。このような項
目について、アクセス権のうち、書き込み権を持つ設定
ユーザ、すなわちこの医薬品についての担当者だけが新
規書き込みあるいは変更することができる。参照権が認
められた設定ユーザは、データの編集、更新はできない
が、薬剤基本情報テーブル43を参照することができ
る。参照権利が認められたユーザとは、後述するが、た
とえば製薬会社の社内監査担当者や、医療機関の担当医
師等である。
【0052】図14は、システム管理装置10の薬剤基
本情報設定手段23(図2参照)による、薬剤基本情報
テーブル43の設定処理手順を示すフローチャートであ
る。この処理フローは、図6のステップS1105に示
す前臨床試験情報テーブル44、他臨床試験情報テーブ
ル45の設定にも適用される。まずステップS1402
で、現在のユーザにアクセス権があるかどうかを判断す
る。ステップS1402でアクセス権ありと判断された
場合は、ステップS1404に進み、書き込み(新規作
成および編集を含む)または参照を選択する。書き込み
が選択された場合には、ステップS1406に進み、現
在のユーザに書き込み権が認められているかどうかを判
断する。書き込み権ありと判断された場合は(S140
6でYES)、ステップS1410に進み、新規作成か
どうかを判断する。新規作成の場合は、ステップS14
20で図13に示した基本情報入力画面1300あるい
は、図示はしないが、前臨床試験情報入力画面もしくは
他臨床試験情報入力画面を表示する。ステップS142
2でユーザはデータ項目に必要情報を入力し、登録す
る。ステップS1424で、システム管理装置10のC
PU12の薬剤基本情報設定部23は、入力された情報
に、国、組織、部門、作成日時、作成者(ユーザ)名を
付加してデータベース14の薬剤基本情報テーブル4
3、前臨床試験情報テーブル44、または他臨床試験情
報テーブル45に保存する。
【0053】ステップS1410で新規作成ではない場
合は、ステップS1412に進み、ユーザは更新、編集
を行いたいデータを抽出する。ステップS1414で所
望の情報が端末装置2の画面に表示され、ステップS1
416でユーザは表示されたデータを更新、編集を行
う。ステップS1418で、システム管理装置のCPU
12は、更新された情報をデータベース14の対応する
テーブルに保存し、同時に更新日時と更新者名を更新す
る。
【0054】一方、ステップS1404で、参照が選択
された場合は、ステップS1408でシステム管理部2
2により、現在のユーザに参照権があるかどうかを判断
する。参照権ありとされた場合は、ユーザはステップS
1426で参照したいデータを検索し選択する。ステッ
プS1428で、端末2または4に、選択されたデータ
が表示され、ユーザはそのデータを参照することができ
る。なお、ステップS1402でアクセス権なしと判断
された場合、ステップS1406で書き込み権なしと判
断された場合、およびステップS1408で参照権なし
と判断された場合は、この処理は終了する。
【0055】次に、図6のステップS1107では、シ
ステム管理装置10は、治験機関情報テーブル46と治
験医情報テーブル47へデータを蓄積するが、このステ
ップS1107はこの段階に限らず、常時行われてもよ
い。治験機関情報とは、大学病院、個人病院、診療所な
どである。治験医情報とは、医師資格を有し、かつ臨床
試験を行える状態にある者に関する情報である。これら
の情報は、他の薬品に関する臨床試験情報などを基に、
常時更新され蓄積される。
【0056】これらの準備段階が完了すると、図7の治
験計画に進む。治験計画段階では、ステップS1109
およびステップS1111で、製薬会社により治験計画
立案、および治験届出情報が入力、設定される。ステッ
プS1113で製薬会社は、データ間の関連チェックや
観察項目の基準値チェックなどのルールチェック項目の
入力を行う。ステップS1115で治験委受託手続きに
移り、製薬会社と医療機関の間で、手続きが交わされ
る。
【0057】図15は、図7のステップS1109の詳
細、すなわち、CPU12の治験計画立案支援手段24
による治験計画立案の設定処理フローを示すフローチャ
ートである。まず、ステップS1502で現在のユーザ
にアクセス権があるかどうかを判断する。アクセス権あ
りと判断された場合は、ステップS1504で、ユーザ
に書き込みか参照かを選択させる。参照が選択された場
合は、ステップS1508に進み、現在のユーザに参照
権が認められているかどうかを判断する。参照権ありと
判断された場合は(S1508でYES)、ステップS
1528で参照したい治験計画の国名、組織名、薬品コ
ード、治験コードを入力する。この場合、参照権が認め
られるのは、この臨床試験について設定された製薬会
社、医療機関、規制当局の各担当ユーザ、および製薬会
社の社内監査担当ユーザである。入力後、ステップS1
530で指定された治験計画の詳細がユーザの端末装置
の表示装置に表示される。治験計画詳細が表示された
後、ステップS1526へジャンプし、必要であれば、
治験実施計画書や、調査用紙などを印刷する。
【0058】一方、ステップS1504で書き込みが選
択された場合は、ステップS1506に進み、現在のユ
ーザに書き込み権が認められているかどうかを判断す
る。書き込み権ありと判断された場合は、ステップS1
510で書き込みたい治験計画に関して、国名、組織
名、薬品コード、および治験コードを入力する。ステッ
プS1512で新規作成かどうかを判断する。新規作成
の場合は、ステップS1514で治験計画詳細入力用の
領域を用意する。さらにステップS1516に進み、図
6のステップS1103およびS1105で設定した薬
品基本情報テーブル43、前臨床試験情報テーブル4
4、他臨床試験情報テーブル45を参照して、治験薬の
概要を入力する。治験薬の概要には、治験の目的、対象
疾患なども含む。さらにステップS1518で、治験機
関情報テーブル46および治験医情報テーブル47を参
照して、臨床試験を実施する医療機関および治験医を入
力、設定し、ステップS1520で、この臨床試験にお
ける患者選択・除外基準、試験中止基準、治験薬の投与
量、投与回数、投与方法、投与期間などを設定し、治験
計画詳細テーブル48に書き込む。患者(被験者)選択
基準は、性別、年齢、重症度、合併症などを考慮して決
定される。ステップS1522で、臨床試験の対象とな
る疾患および患者についての観察項目・時期および検査
項目・時期を設定し、治験計画詳細テーブル48に書き
込む。ステップS1524でその他の治験項目を設定
し、同じく治験計画詳細テーブル48に書き込む。ステ
ップS1526で必要であれば治験実施計画書や調査用
紙などを印刷する。
【0059】図16は、図15のステップS1518
で、治験医療機関および治験医を設定する際の参照画面
の例を示す。ステップS1518での書き込みは、製薬
会社の設定されたユーザ(担当者)にのみ認められてい
る。したがって、製薬会社の端末2の表示装置2cにの
み、図16の治験機関・治験医参照画面1600が表示
される。
【0060】治験機関・治験医参照画面1600には、
臨床試験を行う治験薬が治療目的とする対象疾患、臨床
試験を行う医療機関名、その医療機関でデータ収集する
予定症例数、実施予定期間、状況が表示される。製薬会
社の担当者は、画面1600で、臨床試験を行う治験機
関、治験医を選定するための情報を得ることができる。
【0061】図17は、図15のステップS1518の
詳細な処理フローである。まず、ステップS1702で
アクセス権があるかどうかを判断する。アクセス権あり
と判断された場合は、ステップS1704で対象疾患を
入力する。次にステップS1706で、対象疾患が指定
されたかどうかを判断する。指定されていれば、ステッ
プS1708に進み、データベース14の治験計画詳細
テーブル48を参照して、この対象疾患の治験医療機関
および担当医が検索され、ステップS1710で、端末
2に図16の治験機関・治験医参照画面1600が表示
される。ユーザが治験機関、治験医の詳細情報を知りた
い場合は、ステップS1712で所望の治験機関や治験
医をクリックする。ステップS1714で、選択された
治験機関あるいは医師の詳細な情報が表示される。ステ
ップS1716で、この処理を終了するかどうかを判断
し、終了しない場合は、ステップS1712に戻って、
詳細な情報が知りたい別の治験機関あるいは医師を選択
してクリックする。ステップS1716で終了を希望す
る場合は、この処理を終了する。
【0062】ステップS1706で、疾患対象が指定さ
れなかった場合は(S1706でNO)、ステップS1
718に進み、システム管理装置10のデータベース1
4に登録されている治験機関および医師を端末2に表示
する。その後、ステップS1712に進み、以降の処理
は上記と同様である。
【0063】図18は、図7のステップS1111に示
す治験届出入力の詳細な処理フローを示す図である。製
薬会社の第1端末2の入力部2dから、システム管理者
10の治験届出支援手段25にアクセスされると、ステ
ップS1802で、治験届出支援手段25により、現在
のユーザにアクセス権があるかどうかが判断される。ア
クセス権を有するのは、この特定の臨床試験に関連する
製薬会社の担当者である。アクセス権がある場合は、ス
テップS1804で、作成権があるかどうかが判断され
る。この場合、作成権を有するのは、製薬会社の担当者
である。作成権ありと判断された場合は、ステップS1
808で、国、組織、薬剤コードおよび治験コードを入
力し、ステップS1810で、データベース14の治験
計画詳細テーブル48を参照して、必要事項を第1端末
装置の表示装置2cに表示される治験届出ページ(不図
示)にペーストする。
【0064】一方、ステップS1804で作成権なしと
判断された場合は、ステップS1806で参照権がある
かどうか判断される。参照権を有するのは、製薬会社の
社内監査担当者である。参照権ありと判断された場合
は、ステップS1822での国、組織、薬剤コード、治
験コードの入力後、ステップS1824で治験届出ペー
ジに掲載された治験計画詳細を参照することができる。
【0065】ステップS1812で、第1端末2の入力
装置2dを介して作成した治験届出書の確認を行う。確
認後、ステップS1814で、現在のユーザに公開権が
あるかどうかを判断する。この場合、公開権があるのは
製薬会社の担当者だけである。公開権ありと判断された
場合は、ステップS1816で、製薬会社の第1端末装
置の図示しない出力装置で印刷し、または、規制当局指
定のフォーマットでフロッピーディスク等に出力し、規
制当局へ郵送するか、あるいは直接規制当局の第3端末
装置へ、規制当局のアクセス権の認められた担当ユーザ
宛てに送信する。ステップS1818で、届出日付、終
了日付、記入者を治験計画詳細テーブル48に書き込
む。ステップS1820で、受理の確認を行い、処理を
終了する。届出日付、受理日付などは、システム管理装
置10のデータベース14の治験計画詳細テーブル48
に書き込まれる。
【0066】治験届出処理が終了したら、図7のステッ
プS1113でルールチェック設定を行う。ルールチェ
ックとは、特定の臨床試験における様々なパラメータに
ついて、基準値あるいは基準範囲を満たすかどうか、デ
ータ間の関連は正しいかどうか等のルールを設定し、チ
ェックすることを言う。ル−ルチェック設定は、この時
点だけではなく、以後、各種情報が入力される都度、適
宜行われ、ル−ルチェック項目の設定を随時追加、変更
できる。図19は、ルールチェックの処理フローを示
す。図19(a)は、ルール(値の適正さ)をチェック
するチェック項目の設定処理を示すフローチャートであ
り、図19(b)は、図19(a)で定めたトリガー項
目について、データ入力があった場合に自動的にルール
チェックが開始される場合の処理フローを示す。
【0067】図19(a)において、まずステップS1
902で、システム管理装置10のルールチェック管理
手段33により、現在のユーザにルールチェック項目の
作成権があるかどうかが判断される。この場合、製薬会
社側の担当者に作成権がある。作成権ありと判断された
場合は、ステップS1904で、製薬会社の第1端末2
から入力装置2dを用いて国、組織、薬剤コード、治験
コードを入力し、ステップS1906でルール名を設定
する。ルール名は、たとえば肝機能についての臨床検査
だとすると、「GOT検査」などをルール名とする。ス
テップS1908で、このルール名(GOT検査)の下
でチェックする項目とその基準値、条件、参照項目、参
照値などを定める。たとえば、GOT検査値やその他の
検査項目の基準値あるいは基準範囲を設定する。また、
ルールチェックを実行する処理のきっかけとなる項目
を、トリガ項目として定める。たとえば、GOT項目を
トリガ項目に設定すると、実際に臨床試験が開始され、
GOT項目に臨床試験を行う医療機関側の担当者によ
り、端末4を介してデータが入力された場合に、自動的
にその値についてのルールチェックを開始する。上述の
ルールチェック項目やトリガ項目は、入力が確定される
と、システム管理者10のデータベース14のルール情
報テーブル55に書き込まれる。
【0068】図19(b)は、ルールチェックの処理フ
ローを示す。ステップS1910で、システム管理装置
10のルールチェック管理手段33は、トリガ項目に入
力があったがどうかを判断する。トリガ項目に入力があ
った場合は、ステップS1912で、参照値項目の条件
が一致するかどうかを判断する。参照値の条件が一致し
た場合は、ステップS1914で、チェック項目値がル
ールを逸脱するかどうか、すなわち基準値と参照値から
みて許容範囲を逸脱するかどうかを判断する。ルールを
逸脱しない場合は、問題なしとして、ステップS192
2に進み、チェック済みのフラグをセットする。
【0069】ステップS1914で入力されたトリガ項
目値がルールを逸脱する場合は、ステップS1916で
ルール逸脱のメッセージを発する。このメッセージは医
療機関の端末4の表示装置4cに表示され、出力装置か
ら出力することも可能である。さらに、ルール逸脱につ
いての情報を、後述する症例データとして、システム管
理装置10のデータベース14の症例データテーブル5
2に書き込む。また、トリガ項目へのデータ入力が、医
療機関の電子カルテから書き込まれた場合、あるいは製
薬会社や医療機関から特定の試験を委託された臨床検査
会社によって入力された場合は、メッセージが症例デー
タテーブル52に書き込まれると同時に、医療機関の担
当医師宛てに電子メールが発信される。メッセージ発生
後、ステップS1918で、了解、ペンディング、訂正
の中からひとつを選択する。訂正が選択された場合は、
ステップS1920でユーザ名と訂正理由(タイプミス
など)を入力してデータを訂正し、処理を終了する。こ
のようなデータ訂正については、セキュリティと情報の
正確性維持のため、履歴が取られる。
【0070】ルールチェック管理機能は、システム管理
装置の演算処理装置に現在のユーザに作成権があるかど
うかを判断させるステップと、作成権ありと判断された
場合に、第1端末装置に1以上のルールチェック項目
と、これらのルールチェック項目の中の1のトリガ項目
と、各項目に対応する参照とを設定させるステップと、
トリガ項目にデータ入力がされた場合に、ルールチェッ
ク手段に自動的にトリガ項目に関するルールチェックを
開始させ、入力された値と参照値とを比較させるステッ
プと、比較結果に基づき、入力値がルールを逸脱するか
どうかを判断させるステップと、ルールを逸脱しないと
判断された場合にチェック済みフラグをセットさせるス
テップとをプログラムとして実現され得る。これによ
り、臨床試験に関連してルールチェックが必要な項目に
ついて、共通してルールチェックを行うことができる。
【0071】ルールチェック設定の後、図7のステップ
S1115で製薬会社と医療機関との間で、システム管
理装置10を介して治験委受託手続きが交わされる。図
20〜図22は、治験委受託手続きを示す図である。図
20は製薬会社側の委託手続きの処理フローを示し、図
21は医療機関側の受託手続きの処理フローを示し、図
22は、両者間での契約の処理フローを示す。
【0072】まず、図20のステップS2002で、シ
ステム管理装置10の治験委受託手続支援手段26によ
り、現在のユーザにアクセス権利があるかどうかが判断
される。アクセス権は、この臨床試験の担当者に認めら
れている。アクセス権が認められている場合は、ステッ
プS2004で、公開権(送信権)があるかどうかがさ
らに判断される。公開権がある場合は、ステップS20
06で、製薬会社の第1端末2の入力装置を介して、シ
ステム管理装置10の国、組織、薬剤コードを入力す
る。ステップS2008で、システム管理装置10のデ
ータべ−ス4の治験計画詳細テーブル48から、この臨
床試験に関する治験計画詳細を、製薬会社の第1端末装
置の表示装置2cに表示する。ステップS2010で、
図18に示した治験届出が規制当局に受理されているか
どうかを判断する。届出が受理されていない場合は処理
を終了する。届出が受理されている場合は、ステップS
2012で治験実施計画書と依頼書とをハードコピーと
して出力し、また、治験実施計画書と依頼書を電子デー
タとして、システム管理装置10に送信する。システム
管理装置10の治験委受託手続支援手段26は、これを
依頼先の医療機関に転送するとともに、データベース1
4の治験計画詳細テーブル48に書き込む。ステップS
2014で、製薬会社の第1端末2で、委託日、担当
者、委託処理終了日を記入する。これらのデータは、シ
ステム管理装置10のデータベース14の治験計画詳細
テーブル48と、治験委受託情報テーブル49とに、書
き込まれる。
【0073】図21は、依頼を受けた医療機関側の受託
処理を示す。製薬会社側の処理と同様に、ステップS2
102およびS2104でアクセス権の有無を判断し、
必要なコードを入力する。ステップS2106で、医療
機関の第2端末4の表示装置4cにシステム管理装置1
0のデータベース14から治験計画詳細を表示する。ス
テップS2108で、治験計画詳細の中から、製薬会社
から送られてきた治験実施計画書と依頼書をハードコピ
ーとして出力する。ステップS2110で、医療機関内
部で、この臨床試験の依頼を受託するかどうかを審査す
る。このとき、審査担当医にシステム管理装置10の治
験委受託情報テーブル49へのアクセス権を付与してお
くことによって、必要な情報を医療機関の端末4の表示
装置4c上で審査し、意見をシステム管理装置10に入
力することができる。すなわち、治験審査委員が一堂に
会さなくとも、効率的に審査を進めることができる。
【0074】審査の過程で、追加情報が必要な場合は、
システム管理装置10を介して製薬会社に要求する。医
療機関の担当ユーザは、逐次、依頼された臨床試験に関
する医療機関内の審査状況を入力する。このような審査
経過は、ステップ2112で、システム管理装置10の
データベース14の治験委受託情報テーブル49に書き
込まれる。ステップS2114で、不足情報を入手し、
ステップS2110に戻って審査手続きを続ける。この
ように、製薬会社の担当ユーザは、審査状況を社会の端
末2から確認することができ、審査状況の確認に何度も
医療機関を訪れる手間が省ける。医療機関にとっても、
製薬会社からの訪問者への対応や、入手情報のデータベ
ース化などの手間を省くことができる。
【0075】図22は、医療機関での機関内審査終了後
の処理フローを示す。ステップS2202でアクセス権
の有無を判断し、ステップS2204で、審査結果を医
療機関の第2端末4の入力装置4dから入力する。シス
テム管理装置10の治験委受託手続支援手段26は、審
査結果を製薬会社の担当者に転送する。ステップS22
06で、審査結果(転送内容)が受諾であった場合、ス
テップS2208の処理に進む。受諾されなかったら、
処理を終了する。ステップS2208で、医療機関の第
2端末4の表示装置4cに受諾契約項目が表示され、担
当者は必要事項を入力する。入力されたデータはシステ
ム管理装置10のデータベース14の治験委受託情報テ
ーブル49に書き込まれる。ステップS2210で受託
契約書類を完成し、ステップS2212で製薬会社との
間に、正式に契約が成立し、臨床試験が実際に開始され
る。
【0076】図8は、臨床試験開始後にシステム管理装
置によって行われる様々な処理手続きを示す。ステップ
S1117で製薬会社と医療機関とによる、臨床試験の
対象である治験薬剤の管理を支援する。薬剤管理は、治
験薬剤の使用数量の管理や、在庫・出庫管理などを含
み、臨床試験が終了するまで、適宜行われる。ステップ
S1119およびステップS1121で、医療機関によ
り症例管理を支援する。ステップS1123で、医療機
関により採取された症例データを蓄積する。ステップS
1125で、製薬会社により、症例データと試験中止基
準に基づいて、試験中止の判定が行われる。ステップS
1127で、製薬会社と医療機関による臨床試験の進渉
状況の管理を支援し、ステップS1129で、有害事象
の判定報告がなされる。ステップS1131で、製薬会
社による臨床試験結果の集計、統計解析を支援する。こ
れらのステップの詳細な処理フローを以下に述べる。
【0077】図23および図24は、製薬会社および医
療機関による治験薬剤の入庫および出庫管理の処理フロ
ーを示す図である。まず図23の入庫管理について、ス
テップS2302で、システム管理装置10の治験薬剤
管理手段27により、現在のユーザにアクセス権がある
かどうか判断される。アクセス権ありと判断された場合
は、ステップS2304で入力か参照かを選択する。入
力が選択されると、ステップS2306で作成権がある
かどうか判断される。作成権ありと判断された場合は、
ステップS2308で入庫が回収による入庫か、製造、
あるいは製薬会社からの治験薬剤配布による入庫か判断
される。回収による入庫の場合は、ステップS2310
で、製薬会社の第1端末2の入力装置2dを介して、入
庫年月日、回収数量、回収年月日、国、組織、薬剤コー
ド、剤形、ロット番号、返却元の医療機関、使用症例番
号が入力される。製造、あるいは配布による入庫の場合
は(ステップS2308でNO)、ステップS2312
で、製薬会社の第1端末2の入力装置2d、あるいは医
療機関の第2端末4の入力装置4dを介して、入庫年月
日、入庫数量、国、組織、薬剤コード、剤形、ロット番
号、使用予定治験コードが入力される。これらのデータ
は、システム管理装置10のデータベース14の治験薬
剤情報テーブル50に書き込まれる。
【0078】ステップS2304で参照が選択された場
合は、ステップS2314で、システム管理装置10の
治験薬剤管理手段27によって、参照権があるかどうか
が判断される。参照権なしの場合は処理が終了する。参
照権ありと判断された場合は、ステップS2316で
国、組織、薬剤コードを入力し、ステップS2318で
製薬会社の第1端末2の表示装置2cまたは医療機関の
第2端末4の表示装置4cに、在庫一覧が表示される。
ステップS2320でこの在庫一覧を、入出庫記録およ
び受払表とともに出力する。
【0079】図24の出庫管理では、ステップS240
2ユーザにアクセス権があるかどうかを判断し、アクセ
ス権ありの場合は、ステップS2404で入力か参照か
を選択する。入力が選択されると、ステップS2406
で作成権があるかどうか判断される。作成権ありと判断
された場合は、ステップS2408で、医療機関への配
布または製薬会社へ返却するための出庫なのか、廃棄の
ための出庫なのかが判断される。配布のための出庫の場
合は、ステップS2410で、製薬会社の第1端末2の
入力装置2dを介して、出庫年月日、出庫数量、国、組
織、薬剤コード、剤形、ロット番号、出庫先の医療機関
が入力される。返却のための出庫の場合も同様に、ステ
ップS2410で医療機関の第2端末4の入力部4dを
介して、出庫年月日、出庫数量、国、組織、薬剤コー
ド、剤形、ロット番号、出庫先の製薬会社が入力され
る。ステップS2408で、廃棄による出庫の場合は、
ステップS2412で、製薬会社の第1端末2を介し
て、出庫年月日、出庫数量、国、組織、薬剤コード、剤
形、ロット番号、出庫先の廃棄業者を入力する。これら
のデータは、システム管理装置10のデータベース14
の治験薬剤情報テーブル50に書き込まれる。
【0080】ステップS2404で参照が選択された場
合の処理は、図23のステップS2304以降の処理と
同様であるので、説明を省略する。
【0081】図25および図26は、医療機関による症
例管理処理を示す。症例管理とは、臨床試験の過程で新
たに組み込まれる被験者の管理であり、具体的には、図
8のステップS1119(症例の組込み)とステップS
1121(診察・投薬)による処理である。治験医によ
って入力された症例管理データは、システム管理装置1
0の症例管理手段28によって、あらかじめ製薬会社に
よって設定された治験計画詳細の選択基準と比較され、
比較結果が医療機関の第2端末4の表示装置4cに表示
される。この処理を図25および図26を参照して説明
する。
【0082】まず図25のステップS2502で、シス
テム管理装置10の症例管理手段28により、現在のユ
ーザにアクセス権があるかどうかが判断される。アクセ
ス権がある場合は、ステップS2504で、国、組織、
薬剤コード、治験コードを入力し、ステップS2506
で、この臨床試験で扱っている症例が新規の症例かどう
かを判断する。このとき、後述するように、患者(被験
者)からあらかじめ同意書(informed consent)を取得
しておき、取得事実をデータベース14の症例管理情報
テーブル51に入力しておく。新規症例である場合は、
ステップS2508で選択・除外基準に関連する情報と
して、症例管理情報テーブル51に書き込み、ステップ
S2512に進む。新規症例でない場合は、ステップ2
510で不足情報を追加入力し、ステップS2512に
進む。ステップS2512では、この症例に関するデー
タが不足しているかどうかを判断する。不足している場
合はステップS2514でフラグをWAITINGに設定し、
さらなる情報を待つ。ステップS2512でデータが不
足していないと判断された場合は、ステップS2516
で、選択基準を満たしているかどうかを判断する。基準
を満たす場合は、ステップS2518でフラグをADOPT
に設定し、ステップS2520でこの症例に症例番号を
付与し、患者の訪問日,投薬量、検査項目などを医療機
関の端末4を介して、システム管理装置10のデータベ
ース14の症例管理情報テーブル51に書き込む。ステ
ップS2516で基準を満たさない場合は、ステップS
2522でフラグをNEGRECTに設定して処理を終了す
る。
【0083】このような症例組込みプログラムは、シス
テム管理装置のプログラム記憶装置16、またはその他
の記録媒体にあらかじめ記憶させておく。
【0084】図26は、症例番号の付された症例の患者
についての観察予定が立てられる。まず、ステップS2
602でアクセス権があるかどうかが判断され、アクセ
ス権が認められた場合は、ステップS2604で、国、
組織、薬剤コード、治験コード、症例番号などの付加情
報を入力する。ステップS2606で、治験担当医によ
り、システム管理装置10のデータベース14の治験計
画詳細テーブル48および症例管理情報テーブル51を
参照して、患者の診察・投薬スケジュールが医療機関の
第2端末4の表示装置4cに表示される(不図示)。ス
テップS2608で、これらの情報が診察・投薬・検査
予定・記録表として出力される。ステップS2610
で、診察、投薬、検査実施の情報が入力され、症例管理
情報テーブル51にデータを蓄積する。
【0085】選択基準に合致し、症例番号の付与された
症例に付いては、治験担当医によって患者の診察ごとに
各種情報が、医療機関の第2端末4を介して症例データ
テーブル52に書き込まれる。臨床検査の各項目は、医
療機関内の別のユーザ、あるいは図示しない臨床検査会
社から直接データを吸い上げることができる。図27に
示すように、症例データテーブル52にデータが入力さ
れると、システム管理装置10は、ルールチェック、中
止基準チェック、有害事象チェックを実施し、チェック
の結果異常があればその結果を入力者に通知する。一
方、製薬会社側では、入力された症例データについて、
随時、電子的に社内監査を実施し、情報の漏れ、問題点
などについて、監査結果に基づいて治験担当医に質問を
電子的に行うことができる。このような処理の流れを図
27を参照して説明する。
【0086】図27で、治験担当医は、ステップS27
02〜S2714に示すように、電子カルテまたは臨床
検査会社からデータを取りこむか、あるいはステップS
2716〜S2728に示すように患者の症例観察に基
づいてデータを入力する。データ取り込みの場合は、シ
ステム管理装置10の症例データ入出力手段30によっ
て、ステップS2702で作成権があるいかどうか判断
される。作成権がある場合は、ステップS2704で、
薬剤コード、治験コードなどの付加情報に加えて、症例
番号と、欲しいデータが採取された日時を指定する。ス
テップS2706で、カルテ番号と取得データ名をつけ
てファイルを作成する。ステップS2708でデータを
取り込む。このとき、医療機関が使用している電子カル
テシステムとのインターフェイスプログラムや、臨床検
査会社ごとのシステムとのインターフェイスプログラム
の開発は個別に対応するものとする。ステップS271
0で、システム管理装置10のルールチェック管理手段
33を動作させて、前述したルールチェックを行わせ
る。ステップS2712で、後述する有害事象管理手段
31を動作させて、有害事象をチェックし、ステップS
2714で中止基準をチェックする。このような一連の
入出力後、監査担当者に新規データが症例データに追加
された旨を送信してもよい。
【0087】治験担当医が症例観察によりデータを入力
する場合は、ステップS2716で現在のユーザに作成
権があるかどうかを判断する。ステップS2718で薬
剤コード、治験コードなどの付加情報を入力する。ステ
ップS2720で医療機関の第2端末4の表示装置4c
に、データ入力画面が表示される。ステップS2722
でデータ入力を行い、ステップS2724〜S2728
でルールチェック、有害事象チェック、中止基準チェッ
クを行う。一連の入出力後、監査担当者に新規データが
追加された旨を送信してもよい。
【0088】また、システム管理装置10の症例データ
入出力手段30は、将来、医療情報の開示が積極的に認
められ、各治験の担当医師、医療機関などが許可した場
合に、被験者が自己の情報のみ閲覧できるようにする手
段も有する。これは、情報の不正を防ぐうえでも望まし
い手段である。
【0089】図28は、図8に示す中止基準判定ステッ
プS1125の詳細な処理フローを示す。このチェック
は、治験医の症例観察によるデータ入力についてのみ行
われ、電子カルテ、臨床検査会社からのデータ取り込み
の場合は、ペンディングとされ実行されない。まず、ス
テップS2802で、データベース14の治験計画詳細
テーブル48を参照して、中止判定項目名と判断基準値
が取り込まれる。ステップS2804で、データベース
14の症例データテーブル52を参照して、判定項目の
症例値を取り込む。ステップS2806で、症例値と基
準値との比較に基づいて、この症例について臨床試験を
中止するかどうかを判断する。中止する必要なしと判断
された場合は処理を終了し、引き続き投薬を続けて症例
を観察する。中止の必要ありと判断された場合は、ステ
ップS2808で、医療機関の第2端末4の表示装置
に、中止基準に合致した旨を表示する。ステップS28
10で中止情報が生成され、システム管理装置10のデ
ータベース14の症例データテーブル52に書き込まれ
る。この中止情報は、製薬会社の治験担当者と担当医師
に宛てて、製薬会社の第1端末2および医療機関の第2
端末4へメッセージとして発信される。ステップS28
12で、患者用の中止説明書類が出力されて、処理が終
了する。この後、図示はしないが、治験医は、中止説明
書類をもとにして、患者に臨床試験を中止する旨を説明
する。
【0090】図29は、図8に示す試験進渉状況の管理
ステップS1127を説明するための図である。図29
(a)は、システム管理装置10の治験進渉管理手段2
9によって、製薬会社の第1端末2の表示装置2cに表
示される画面である。治験進渉状況画面2900には、
薬剤コードおよび治験コードとともに、治験薬剤の臨床
試験を行っている医療機関ごとに、試験開始年月日、終
了年月日、予定症例数、候補者数、採用数、着手状況、
中止数などが表示される。医療機関側の治験担当医は、
このうちの一部、すなわち自己の機関の情報についての
み参照することができる。
【0091】図29(b)に示すように、ステップS2
902で、現在のユーザにアクセス権があるかどうかを
判断する。アクセス権があれば、ステップS2904で
薬剤コード、治験コードなどの付加情報を入力する。ス
テップS2906で、データベース14の治験委受託情
報テーブル49、症例管理情報テーブル51、症例デー
タテーブル52、治験薬剤情報テーブル50を参照し
て、図29(a)に示すような症例一覧を表示する。こ
のとき、ユーザコードに基づき、全情報または一部が、
製薬会社の第1端末2の表示装置2cまたは医療機関の
第2端末4の表示装置4cに表示される。このように、
製薬会社の担当者または医療機関の治験担当医は、必要
に応じて,関連する治験の進渉状況を試験評価システム
1上で確認することができる。
【0092】図30および31は、図8の有害事象管理
報告ステップS1129の詳細な処理フローである。シ
ステム管理装置10の有害事象管理報告手段31は、有
害な副作用が発生したと認められる場合に、治験担当
医、責任医師、製薬会社の治験担当者らに有害事象報告
を緊急発信し、試験中の薬剤との関連性の判定を促す。
【0093】まず、図30のステップS3002で、シ
ステム管理装置10の有害事象管理報告手段31は、デ
ータベース14の治験計画詳細テーブル48を参照し
て、観察項目に該当するかどうかを判断する。観察項目
である場合は、ステップS3004で、順序・実数デー
タかどうかを判断する。順序データとは、「とても良
い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「最悪」などの
順序で表現するデータであり、たとえば、+++、++、
+、+-、−などで表わされる。実数データというのは最
高血圧165というふうに、実際の数値で表わされるデ
ータである。ステップS3004で順序・実数データで
ない場合は(たとえば感染症で検査される細菌の種類な
どの場合は)、ステップS3012にジャンプする。順
序・実数データである場合は、ステップS3006で実
数データかどうかを判断する。実数データである場合
は、ステップ3008で、有害事象管理手段31は、他
の観察日と比較して、値の上昇・下降率を計算し、ステ
ップS3010で、基準値に基づきどのように変化した
かを、医療機関の第2端末装置4の表示部4cに表示す
る。ステップS3006で実数データでない場合は、順
序データということになるので、上昇率などを計算する
意味がないので直接S3010で変化の状態を表示す
る。ステップS3012で、変化の状態が許容基準を超
える場合に、担当医は有害事象かどうかを判定し、デー
タベース14の症例データテーブル52に書き込む。ス
テップS3004で、順序・実数データではないと判断
された場合は、直接ステップS3012にジャンプし、
観察に基づいて有害事象に該当するかどうか判断する。
このとき、治験担当医による直接入力以外のデータ、す
なわち電子カルテや臨床検査会社から取り込まれたデー
タについてはペンディング項目とされ、ステップS30
10までの数値チェックは行わない。代わりに、ペンデ
ィング項目の洗い直しがされ、必要なものについてのみ
ステップS3012で有害事象の判定が行われる。
【0094】ステップS3014で、治験薬剤との関連
が疑われるか、あるいは重篤なのかが判断される。いず
れにも該当しない場合は処理を終了する。ステップS3
014でYESの場合は、ステップS3016で規制当
局への報告に必要な情報が、データベース14の有害事
象情報テーブル53に書き込まれる。ステップS301
8で、規制当局への報告様式に印刷され、同時に治験担
当医、製薬会社の治験担当者、および規制当局の担当者
に宛てて、ネットワークを介して報告様式がデータとし
て発信される。
【0095】図31は、図30で担当医により被験薬剤
との関連が指摘され、報告されたあとの詳細な処理フロ
ーである。システム管理装置10の有害事象管理報告手
段31によって、現在のユーザにアクセス権があるかど
うかが判断される。アクセス権ありと判断された場合
は、ステップS3104で薬剤コード、治験コードなど
の情報が入力され、ステップS3106で付与された症
例番号を入力する。ステップS3108で、各組織でシ
ステム管理装置10のデータベース14の症例データテ
ーブル52および有害事象情報テーブル53を参照し
て、観察されあるいは測定された値と試験中の薬剤との
関連性を協議する。協議の結果、試験中の薬剤の有害事
象であると判定された場合は、ステップS3110で、
各組織の端末装置を介してその判定結果と理由をデータ
ベース14の有害事象情報テーブル53に書き込む。
【0096】充分な症例データが得られたところで、図
8のステップS1131に示すように、製薬会社によっ
て集計・統計解析が実施される。図32は、集計・統計
解析処理の詳細な処理フローである。まずステップS3
202で、システム管理装置10の集計・統計解析支援
手段32は、現在のユーザにアクセス権があるかどうか
を判断する。アクセス権がある場合は、ステップS32
04で薬剤コード、治験コードなどを入力し、ステップ
S3206でSAS(統計解析)プログラムを作成する
か、実行するか、集計解析結果を管理するか、あるいは
参照するのかを選択する。作成を選択した場合は、ステ
ップS3208で、現在のユーザにプログラム作成権が
あるかどうかが判断され、作成権がある場合は、ステッ
プS3210でSASプログラムを登録して、システム
管理装置10のデータベース14の集計・解析記録テー
ブル54に書き込む。ステップS3206でSASプロ
グラムの実行を選択した場合は、ステップS3212
で、集計・統計解析支援手段32によって、現在のユー
ザにプログラムの実行権があるかどうかが判断される。
実行権ありと判断された場合は、ステップS3214で
SASプログラムを選択し、ステップS3216で、デ
ータベース14の症例管理情報テーブル51と症例デー
タテーブル52を参照してSASプログラムを実行す
る。ステップS3206でプログラムの管理が選択され
た場合は、ステップS3218で現在のユーザに管理権
があるかどうかが判断される。管理権ありと判断された
場合は、ステップS3220で、SASプログラム実行
時のログ登録を行う。作成権、実行権、および管理権が
認められているのは、製薬会社および製薬会社と契約す
るCROなどの設定されたユーザである。ステップS3
206でプログラムの参照が選択された場合は、ステッ
プS3222で参照権があるかどうかが判断され、参照
権ありの場合は、ステップS3224で、データベース
14の集計・解析記録テーブル54から、製薬会社の第
1端末2の表示装置2cまたは規制当局の第3端末6の
表示装置6cに集計・統計解析記録が表示される。
【0097】本発明の試験評価システム1の特徴とし
て、被験ボランティアと製薬会社と医療機関との間を調
整するコーディネート手段を有する。さらに、臨床試験
に組み込まれる一般の被験ボランティアへの同意手続き
(Informed Consent)を支援する手段を有する。具体的
には、システム管理装置10は治験説明手段39を有
し、図8のステップS1133〜S1137に示すよう
に、製薬会社によって作成された一般ボランティア用情
報をウェブサイトに掲載する。インターネット上のウェ
ブページには、薬剤の開発の仕組み、治験の仕組みなど
が掲載され、場合によっては音声による説明がなされ
る。また、被験候補者(健常人または患者)から同意書
(Informed Concent)を取得する手続きを支援する。こ
のような機能により、治験に応募しようとする者は、同
一の内容の説明を受けることができ、均質な同意手続き
が進められる。このような機能のうち、図8のステップ
S1135に示す一般ユーザ(被験ボランティア)の登
録処理の詳細な処理フローを図33および34に示す。
【0098】図33(a)は、試験評価システム1のホ
ームページの一例であり、図33(b)は、被験ボラン
ティアを希望する者を一般ユーザとして、試験評価シス
テム1に登録する際の処理フローである。図33(a)
の画面3300には、臨床試験情報の閲覧を希望する場
合の入力項目を示す。臨床試験情報は、図8のステップ
S1133に示すように、各製薬会社がそれぞれ開発し
た薬剤ごとに作成する情報である。製薬会社は臨床試験
に関する説明資料を第1端末2からシステム管理装置1
0にアップロードする。このとき、たとえばHTMLフ
ァイルを電子メールに添付し、ウェブマスタに送付し、
リンクを要請する。ユーザに印刷を許可する場合は、P
DFファイルとしても送付する。
【0099】治験参加希望者が一般ユーザとしての登録
を希望する場合は、まずステップS3302で、図33
(a)に示す画面3300上でメールアドレス、性別、
年齢を入力し、送信ボタン3301をクリックする。ス
テップS3304で、システム管理装置の治験説明手段
39は、すべての項目に記入があるかどうかを判断す
る。すべての項目が記入されていると判断された場合
は、ステップS3306で乱数を発生し、パスワードを
設定する。ステップS3308で、入力されたメールア
ドレス、性別、年齢とともに、パスワードと設定年月日
を記録する。ステップS3310でメールアドレスにパ
スワードを送信して処理を終了する。これにより、一般
ユーザとしての登録が完了する。このとき、プライバシ
ーを守るために、個人を特定できる情報の入力はない。
【0100】ステップS3304で、記入漏れがあると
判断された場合は、ステップS3312で再入力かキャ
ンセルかの表示を行う。ステップS3314でキャンセ
ルが選択されたかどうかを判断し、キャンセルの場合は
処理を終了し、再入力が選択された場合は(S3314
でNO)、ステップS3302に戻って、最初から入力
を行う。なお、再入力回数が3回を超えると、セキュリ
ティバイオレーションで処理を終了する。
【0101】図34は、一般ユーザとして登録された治
験参加希望者が、実際に個別の臨床試験情報にアクセス
するときの処理フローを示す。
【0102】図34(b)において、ステップS340
4で、ユーザは自己の端末装置の表示装置に図33
(a)に示すサインオン画面3400を表示し、ユーザ
名と付与されたパスワードを入力し、サインオンボタン
3401をクリックする。ステップS3406で、シス
テム管理装置の治験説明手段39は、ユーザ名に基づ
き、現在のユーザが登録された一般ユーザであるかどう
かを判断する。登録されたユーザである場合は、ステッ
プS3408でパスワードが正しいかどうかを判断す
る。正しいパスワードであれば、ステップS3410
で、一般ユーザとしての登録後1ヶ月以内かどうかを判
断する。1ヶ月以内の場合はステップS3412で後述
する疾患分類画面を表示する。1ヶ月を経過している場
合は(S3410でNO)、ステップS3414で再登
録の要求をして処理を終了する。また、ステップS34
06で、登録されたユーザではないと判断された場合
は、ステップS3416にジャンプして、登録の要求を
行い、処理を終了する。
【0103】本発明の試験処理システムの特徴として、
一般ユーザとして登録され、図36および37に示す処
理を経て被験者として登録された場合に、被験者は、治
験担当医および医療機関の許可を得て、パーソナルコン
ピュータなどの端末装置から自己の臨床試験情報のみを
閲覧することができる。この機能を、図35を参照して
説明する。
【0104】まず、図35のステップS3502で、シ
ステム管理装置10の症例管理手段28によって、現在
のユーザが被験者かどうか判断される。被験者である場
合に、ステップS3504で、システム管理装置10の
データベース14のシステム管理情報テーブル42、症
例管理情報テーブル51、および症例データテーブル5
2を参照して、CRF(Case Record Form:臨床試験デ
ータ記録用紙)の形式に従った症例データが、被験者の
端末装置に表示される。この被験者による情報閲覧は、
症例データについての情報の不正を防ぐうえでも、望ま
しい機能である。
【0105】図36および37は、図8のステップS1
137に示す被験ボランティアの署名・承諾処理を示
す。
【0106】図36に示す処理フローは、図34のステ
ップS3412における疾患分類画面の表示に引き続く
処理フローである。画面例3600には、様々な種類の
疾患が表示される。ステップS3602で、この疾患分
類画面の中から一般ユーザは参照したい疾患群をクリッ
クする。ステップS3604で、一般ユーザの端末装置
の表示画面には、画面例3601に示すように、選択さ
れた疾患に関して開発中の薬剤の一覧が表示される。開
発中の薬剤コードとともに、剤形、使用対象年齢、性別
なども表示される。ステップS3606で、一般ユーザ
は参照したい薬剤コードをクリックする。ステップS3
608で、一般ユーザの端末装置に秘密保守の同意画面
が表示される。目が不自由な一般ユーザのために、図示
しない朗読ボタンをクリックすると、音声で秘密保守同
意書が読み上げられる。ステップS3610で、秘密保
守に同意されたかどうかを判断する。同意がない場合は
処理を終了する。同意がない場合は処理を終了し、同意
があった場合は、ステップS3612で、選択された薬
剤の詳細な情報と治験の実施方法が一般ユーザの端末装
置に表示される。朗読ボタンを使用して、音声での案内
も可能である。ステップS3614で、一般ユーザ側に
治験内容についての質問があるかどうか判断される。質
問ありの場合は、ステップS3636へ進み、その薬剤
を担当するコーディネータの連絡先が表示される。テレ
ビ会議システムが導入されている医療機関では、自動的
にコーディネータと接続される。ステップS3618で
質疑応答が行われ、その後ステップS3620に進み、
一般ユーザによって治験に応募するかどうかの判断がな
される。
【0107】ステップS3614で治験内容に質問がな
い場合は、そのままステップS3620にジャンプし、
同じく治験に応募するかどうかの判断がなされる。応募
する場合は、ステップS3622で図37に示す治験へ
の応募処理が行われ、処理を終了する。ステップS36
20で治験に応募しない場合は、ステップS3624に
進み、他の薬剤を参照するかどうか判断される。他の薬
剤を参照する場合はステップS3604に戻って、薬剤
コード一覧画面3601が一般ユーザの端末装置に表示
される。他の薬剤を参照しない場合は、処理を終了す
る。
【0108】図37は、図36のステップS3622の
治験への応募処理の詳細なフローである。まずステップ
S3702で、被験ボランティア候補である一般ユーザ
の端末装置に、すでに医師あるいはコーディネータと面
接しているかどうかの質問が表示される。ステップS3
704で面接しているかどうかを判断する。すでに面接
済みの場合は、ステップS3706で電子署名が可能か
どうか判断する。これは、将来、法律上電子署名が許可
された場合に使用される判断ボックスであり、可能であ
れば、ステップS3708でボランティア候補の端末装
置にボランティアの権利を表示し、ステップS3710
で電子署名を行う。電子署名が行われた承諾データは、
システム管理装置10のデータベース14の症例管理情
報テーブル51に書き込まれ、ステップS3712で被
験者の承諾書を出力する。ステップS3706で電子署
名がまだ認められない間は、ステップS3714で、被
験ボランティアの端末装置にボランティアの権利を表示
し、承諾書をプリントアウトして担当医に提出するよう
に促す。その後、ステップS3712で承諾書を出力
し、処理を終了する。
【0109】ステップS3704で、まだ面接をしてい
ない場合は、ステップS3716で被験ボランティアに
居住地を入力するように要求する。ステップS3718
で被験ボランティアの居住地の入力を受けて、ステップ
S3720で、被験ボランティアの端末装置に、データ
ベース14の治験機関情報テーブル46および治験医情
報テーブル47を参照して、近隣の治験担当病院および
医師名のリストを表示する。さらに、ステップS372
2で、治験薬剤、治験コードなどの情報を出力させて処
理を終了する。
【0110】このように、本発明によれば、被験ボラン
ティアを採用する初期の段階からコーディネータあるい
は治験医により行われていた手続きを、システム管理装
置10により迅速に、かつ秘密を保持した状態で行われ
ることになる。
【0111】さて、試験データの採取および分析を終え
たならば、図9に示す治験終了手続に移行する。
【0112】図9のステップS1139で、治験医は医
療機関の第2端末4から、システム管理装置10のデー
タベース14の治験委受託情報テーブル49に、その医
療機関での臨床試験が終了した旨を知らせる治験終了報
告を書き込む。システム管理装置10の治験進渉管理手
段29は、書き込まれた終了報告に基き、図29の治験
進渉状況画面2900において、臨床試験を終了した医
療機関の情報として、治験終了の事実を追加し、製薬会
社の第1端末2の表示装置2cに表示する。製薬会社
は、システム管理装置10の治験委受託情報テーブル4
9に、治験終了日を書き込む。この処理は、図20のス
テップS2014に対応する。医療機関は、第2端末4
を介して、治験終了を確認する。
【0113】ステップS1141で、システム管理装置
10のデータベース14の治験薬剤情報テーブル50に
基づいて、医療機関から製薬会社への治験薬剤の返送を
行う。これは、図24のステップS2410に対応す
る。一方、製薬会社では、返送された治験薬剤を回収入
庫する。これは図23のステップS2310に対応す
る。
【0114】治験薬剤の臨床試験に関わったすべての医
療機関から、試験終了報告を得て、治験薬剤の回収を行
ったところで、ステップS1143で、治験終了手続き
を行う。すなわち、システム管理装置10のデータベー
ス14の治験計画詳細テーブル48に、試験終了を書き
込む。これは図18のステップ1818に対応する。ス
テップS1145で、システム管理装置10の治験届出
支援手段25は、治験終了の届出書類を作成し、規制当
局の第3端末6の表示装置6cに表示する。製薬会社お
よび規制当局は、第1端末2および第3端末6から治験
終了届出をハードコピーとして出力することができる。
【0115】このようにして、臨床試験が終了するが、
本発明のさらなる特徴として、製薬会社の社内監査担当
者と規制当局の査察担当は、常時システム管理装置10
にアクセスして、試験状況等を査察または監査すること
ができる。これらの監査・査察担当者は、あらかじめ組
織マネージャから図11に示したユーザ設定処理によ
り、アクセス権が認められている。
【0116】図38は、システム管理装置10の当局査
察支援手段34による処理を示す。ステップS3802
で、現在のユーザが規制当局の設定されたユーザである
かどうかを判断する。設定されたユーザである場合は、
ステップS3804で薬剤コード、治験コード等を入力
する。ステップS3806で、規制当局の第3端末6の
表示装置6cに、特定の治験薬剤に関し、システム管理
装置10のデータベース14に設けられた各テーブルの
内容が表示される。ステップS3808で、必要である
と思われる情報について、第3端末6から出力して処理
を終了する。
【0117】図39は、システム管理装置10の社内監
査支援手段35による処理を示す。ステップS3902
で、アクセス権があるかどうかを判断する。アクセス権
がある場合に、ステップS3904で薬剤コード、治験
コードなどを入力し、ステップS3906で症例番号を
入力する。ステップS3908で、システム管理装置1
0のデータベース14の症例データテーブル52、有害
事象情報テーブル53、査察・監査証跡テーブル56、
およびデータ変更履歴を参照して、未入力、ブランク、
ペンディング項目、投与量、投与状況を抽出し、最後の
監査時以降の訂正データを証跡する。これらの情報は、
データベース14の査察・監査証跡テーブル56に書き
込まれる。ステップS3910で一覧表を出力する。ス
テップS3912で、製薬会社の第1端末2を介して、
監査担当者によるコメントを入力させ、これも査察・監
査証跡テーブル56に追加する。ステップS3914で
監査日時を更新して処理を終了する。監査日時の更新
は、システム管理装置10のデータベースの症例データ
テーブル52、有害事象情報テーブル53、データ変更
履歴に反映される。
【0118】本発明の試験評価システム1では、厳重な
セキュリティを維持するため、すべてのアクセス、設
定、編集について、履歴を取る。そのため、システム管
理装置10は、アクセス記録用データベース36と、設
定・編集記録データベース37と、データ変更履歴デー
タベース38とを別々に有する。特に、一部の情報につ
いて、一般ユーザ(被験者など)からのアクセスを可能
としているため、悪意によるシステムへのアクセスを防
止すべく、一般ユーザと会員ユーザ(組織マネージャに
よって設定されたユーザ)のすべてのアクセスについ
て、そのアクセス時刻、アクセスした機能を記録してお
く。このようなアクセス記録は逐次分析し、必要であれ
ば、次回から問題のあるユーザからのアクセスをできな
いように設定を変更し、このユーザに対してメッセージ
を送る。
【0119】さらに、本発明の試験評価システム1は、
蓄積された情報をコンピュータシステムの故障、地震や
火災などのトラブルから保護するためにバックアップを
行うだけでなく、同一のシステムを当該システムと地域
的に別の場所に稼動させておき、さらに通信回線を二重
化し、緊急時に対処できるようにする。一方、本発明の
試験評価システム1にアクセスするときは、電子商取引
などで一般的になっている128ビットSSLなどの暗
号化技術を用い、通信データの秘密性を保証できるよう
にする。
【0120】上記の実施形態では、インターネット20
を介して各組織とシステム管理装置とを接続する例を用
いて本発明を説明した。しかし、専用ネットワーク、イ
ントラネット、衛星通信網などを用いても、本発明のシ
ステムおよび方法は実行可能である。また、端末装置と
して、デスクトップコンピュータ、ノートタイプコンピ
ュータ、ファクシミリ装置、携帯端末、その他、データ
の送受信および入力、表示ができる装置であれば、任意
のものが使用される。
【0121】また、第1組織は、単一の製薬会社であっ
ても、複数の製薬会社の集合であってもよい。さらに、
第1組織からの治験依頼を受託する第2組織は、1以上
の医療機関であってもよい。
【0122】
【発明の効果】本発明の薬品の製造方法によれば、最も
時間と費用のかかる臨床試験過程での作業、情報の重複
を防止し、書類手続きによる時間のロスを回避する。こ
の結果、試験期間を短縮できるとともに、医薬品の製造
コストを低減できる。また、試験の信頼性が向上するた
め、有用な薬剤を迅速に市場で提供することが可能にな
る。
【0123】本発明の試験評価システムおよび試験評価
方法によれば、各組織での情報の重複に起因する試験の
質の劣化を防ぎ、試験の迅速化を実現することができ
る。また、試験評価の過程での情報処理に伴う作業を大
幅に低減し、試験コストの低減と、試験期間の短縮化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験評価システムの概略構成図であ
る。
【図2】図1に示すシステム管理装置の中央演算処理装
置の構成図である。
【図3】図1に示すシステム管理装置のデータベース中
の情報テーブルを示す図である。
【図4】図1に示す試験評価システムを用いた薬品の製
造方法を示す図である。
【図5】図1に示す試験評価システムを医薬品の臨床試
験に適用した場合の、医薬品の製造方法を示す図であ
る。
【図6】図5に示す医薬品の製造方法に関わる各組織の
作業を経時的に示す図であり、臨床試験の準備段階の流
れを示す図である。
【図7】図6の準備段階に引き続く図であり、医薬品の
臨床試験の治験計画段階および治験委受託段階の流れを
示す図である。
【図8】図7に引き続く図であり、実際に臨床試験が開
始された後の処理の流れを示す図である。
【図9】図8に引き続く図であり、臨床試験の終了段階
の流れを示す図である。
【図10】図1に示す試験評価システムにおいて、関連
組織間でどのようにしてシステム管理装置へのアクセス
権が認められるかを説明するための図である。
【図11】システム管理装置へのアクセス権が認められ
るユーザの設定方法を示す図であり、図11(a)は、
組織内ユーザの設定処理フローを、図11(b)は、組
織外ユーザの設定処理フローを示す図である。
【図12】システム管理装置のセキュリティ手段を説明
するための図であり、図12(a)はユーザの端末装置
に表示される画面例を、図12(b)は設定されたユー
ザに応じてアクセスできる機能を制限する処理フローを
示すフローチャートである。
【図13】製薬会社の端末装置に表示される薬剤基本情
報の設定画面の一例を示す図である。
【図14】システム管理装置の薬剤基本情報設定手段に
よる、薬剤基本情報の設定処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図15】システム管理装置の治験計画立案支援手段に
よる、治験計画立案処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図16】システム管理装置の治験計画立案支援手段に
より、製薬会社の端末装置に表示される治験計画画面の
一例を示す図である。
【図17】治験計画を推進するために、治験計画立案支
援手段により、システム管理装置のデータベースの治験
機関情報および治験医情報を参照する処理を示すフロー
チャートである。
【図18】システム管理装置の治験届出支援手段によ
り、治験実施計画の届出書を作成する処理の流れを示す
フローチャートである。
【図19】システム管理装置のルールチェック管理手段
により、臨床試験過程で入力された値が適正であるかど
うかをチェックする処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図20】システム管理装置の治験委受託手続支援手段
により、製薬会社から医療機関への治験の委託手続きを
実行する処理を示すフローチャートである。
【図21】システム管理装置の治験委受託手続支援手段
により、製薬会社からの治験依頼書を医療機関に送信
し、受託を支援する処理を示すフローチャートである。
【図22】システム管理装置の治験委受託手続支援手段
により、医療機関で受託するかどうかの審査を支援する
処理を示すフローチャートである。
【図23】システム管理装置の治験薬剤管理手段によ
る、製薬会社および医療機関での治験薬剤の入庫管理処
理を示すフローチャートである。
【図24】システム管理装置の治験薬剤管理手段によ
る、製薬会社での治験薬剤の出庫管理処理を示すフロー
チャートである。
【図25】システム管理装置の症例管理手段による、臨
床試験過程での症例の組込みを示すフローチャートであ
る。
【図26】システム管理装置の症例管理手段による、被
験患者の管理処理を示すフローチャートである。
【図27】システム管理装置の症例データ入出力手段に
よる、症例データの取り込みおよび治験医からのデータ
入力許可を示すフローチャートである。
【図28】システム管理装置の症例データ入出力手段に
よる、臨床試験の中止基準チェックを示すフローチャー
トである。
【図29】システム管理装置の治験進渉管理手段による
治験進渉状況の管理を示す図であり、図29(a)は進
渉状況表示画面の一例を示し、図29(b)は進渉状況
表示の処理フローを示す。
【図30】システム管理装置の有害事象管理報告手段に
よる有害事象の判定処理を示すフローチャートである。
【図31】システム管理装置の有害事象管理報告手段に
よる、各組織間での有害事象の検討協議支援処理を示す
フローチャートである。
【図32】システム管理装置の集計・統計解析支援手段
による症例データの統計・解析処理を示すフローチャー
トである。
【図33】システム管理装置の治験説明手段を説明する
ための図であり、図33(a)は、本発明の試験評価シ
ステムのホームページの一例を示し、図33(b)は被
験ボランティア候補を一般ユーザとして登録するフロー
チャートである。
【図34】システム管理装置のシステム管理手段によ
る、被験ボランティア(一般ユーザ)の登録処理の図で
あり、図34(a)は被験ボランティアのサインオン画
面の一例を示し、図34(b)は登録処理のフローチャ
ートである。
【図35】システム管理装置の治験説明手段による、被
験ボランティアへの自己情報の閲覧許可を示すフローチ
ャートである。
【図36】システム管理装置の治験説明手段による、被
験ボランティアからの同意書取得処理を示す図である。
【図37】システム管理装置の治験説明手段による、被
験ボランティアの個別の治験への応募処理を示すフロー
チャートである。
【図38】システム管理装置の当局査察支援手段によ
る、査察支援処理のフローチャートである。
【図39】システム管理装置の社内監査支援手段によ
る、社内監査処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 試験評価システム 2,4,6 端末装置 2a、4a、6a 送信部 2b、4b、6b 受信部 2c、4c、6c 表示部 2d、2c、6c 入力部 10 システム管理装置 12 CPU(中央演算処理装置) 14 データベース(データ記憶装置) 16 プログラム記憶装置 20 インターネット 21 セキュリティチェッカ 22 システム管理部 23 薬剤基本情報設定手段 24 治験計画立案支援手段 25 治験届出支援手段 26 治験委受託手続支援手段 27 治験薬剤管理手段 28 症例管理手段 29 治験進渉管理手段 30 症例データ入出力手段 31 有害事象管理報告手段 32 集計・統計解析支援手段 33 ルールチェック管理手段 34 当局査察支援手段 35 社内監査支援手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月25日(2000.1.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 薬品の製造方法、薬品の試験評価シス
テム、および薬品の試験評価方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬品の試験評価シ
ステムと、薬品の試験評価方法と、薬品の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】薬品が市販される前には、様々な種類の
試験が行われる。たとえば新しい医薬品であれば、化学
的な安定性、安全性を確認する試験を経て、実験動物を
使った毒性試験、薬効薬理試験が行われる。これらの試
験は前臨床試験と呼ばれる。前臨床試験で安全性と効果
が確認されたなら、ヒトで実験を行う臨床試験が行われ
る。臨床試験を実施できるのは医師だけであり、ヒトを
対象とするため、安全性と倫理性の確保が重要になって
くる。
【0003】通常、製薬会社は臨床試験のための治験計
画を立案し、詳細な臨床試験計画を規制当局(厚生省)
に届け出て、医療機関などに臨床試験の実施を依頼しな
ければならない。それと同時に、医療機関が臨床試験を
行うには、被験者をエントリし、また、個々の検査をた
とえば外部の臨床検査会社に依頼する。一方、規制当局
は臨床試験が開始されると、安全性と倫理性を確認すべ
く、試験が公正に行われているかを随時査察する。
【0004】臨床試験が無事終了したならば、製薬会社
は、すべての前臨床試験および臨床試験のデータをまと
め、解析し、治療に有用であることを証明した上で、規
制当局に新薬の製造販売に関する承認を申請する。ま
た、発売後も、広く一般医療現場で医師による臨床試験
や調査を継続し、安全性と効果を確認しなければならな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、各製薬会社と、
臨床試験を実施する医療機関との間では、臨床試験ごと
に、治験実施依頼、受託審査結果の通知、治験契約など
の手続きが、主として紙を媒体にして行われている。ま
た、規制当局と医療機関、規制当局と製薬会社の間で
も、臨床試験ごとに査察、届出、申請などの手続きが、
主として紙を媒体として個別に行われている。
【0006】このような状況で、効率的かつ効果的に新
薬を送り出すために、コンピュータシステムが導入され
つつある。しかし、現実問題として、製薬会社、医療機
関、規制当局はそれぞれ独立して作業を行っているの
で、それぞれの閉じられた現場でのみのコンピュータ化
でしかない。たとえば、製薬会社でコンピュータにより
生成された、臨床試験に関する各種情報を、ハードコピ
ーの書類として、試験依頼先の医療機関に提供する。医
療機関は、その情報をハードコピーのまま保存するか、
あるいは自分の側でコンピュータシステムに再入力す
る。同様に、臨床試験の結果は、通常、製薬会社の担当
者が依頼先の医療機関の臨床試験担当医を訪問すること
によって収集され、その後、医療機関側に保存されるデ
ータとは別に、製薬会社側のコンピュータシステムに入
力される。このような、個別のサイトでの情報の重複
は、労力と時間の浪費につながるばかりではなく、入力
ミスによる誤情報が生じやすい。
【0007】また、医薬品の臨床試験全体をカバーする
効率のよいコンピュータシステムを構築し、活用しよう
にも、医薬品に関する法的規制、医学、薬学全般にわた
って造詣が深い情報技術者が少ないという事情もある。
このため、既存のシステムは、広範囲にわたる医薬品開
発工程の、ある特定の作業だけを個別に取り扱うにすぎ
ない。たとえば、製薬会社はそれぞれ個別に副作用情報
管理報告システムや症例データの解析システムを有し、
医療機関は、その機関内でだけ使用する受託臨床試験管
理システムを有する場合がある。しかし、より高い視点
から全体を統合し、効率よく新薬を送り出すことのでき
る総括的なシステムは未だ見当たらない。仮に存在する
としても、それは一企業が自社専用に開発し、内部だけ
で使用するシステムであり、他の組織と相互に関連して
使用できるシステムが使用されている事実はない。
【0008】さらに、臨床試験に参加して、試験薬品等
の投与を受ける被験ボランティアには、臨床試験の担当
医が事前にその臨床試験について十分な説明を行い、同
意を得なければならないという規定がある。しかし、臨
床試験の担当医は、通常の診療を行いながら臨床試験を
実施するため、被験者への説明に十分な時間を取ること
が現実的に困難な状況である。担当医の負担と、被験候
補者の心理的圧迫を軽減するために、臨床試験コーディ
ネイタを仲介とすることが考えられているが、その人材
の確保や人件費の負担の問題が新たに浮上してくる。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、医薬品の
臨床開発から承認申請、市販後調査までも含み、臨床試
験にかかわるすべての組織が正確な情報を共有すること
により、臨床試験および規制当局への届出処理の迅速化
と、薬品自体の品質向上を図ることのできる薬品の製造
方法を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、広く製薬会社、試
験評価機関、規制当局等を統合して、これらの組織から
発生する情報を迅速に収集し、一元的に管理共有化し、
必要なときに必要な情報を必要な組織に提供することに
より、薬品開発の効率を飛躍的に高めることのできる試
験評価システムを提供することにある。
【0011】本発明の第3の目的は、薬品の試験評価に
かかわるすべての組織を統合し、階層的に設定されたア
クセス権に従って情報の共有を認めることによって、情
報の安全性を確保するとともに、迅速かつ効率的に薬品
の試験評価を行うことができる薬品の試験評価方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、本発明の薬品の製造方法は、まず薬品の有
効成分、剤形、効能などを設計し、この設計に基づいて
試験用薬品を生成する。試験用薬品の生成後、前臨床試
験を経て、第1の端末装置から、試験用薬品に関する薬
品情報と治験依頼とを薬品の試験評価システムのシステ
ム管理装置に送信して、システム管理装置のデータ記憶
装置に書き込む。書き込まれた治験依頼を、システム管
理装置の送信部から、第1の端末装置とは異なる組織に
属する第2の端末装置の受信部に送信し、第2端末装置
の表示部に表示する。第2端末装置に、薬品の試験情報
である試験データをシステム管理装置のデータ記憶装置
に書き込むことを許可する。上記の試験データを第1端
末装置で集計・統計解析した結果を、前記第1の端末装
置から前記システム管理装置のデータベースに書き込む
ことを許可する。さらに、薬品基本情報および試験デー
タの集計・統計解析記録に基づいて、第3端末装置を有
する規制当局に、本生産の実行を許可するか否かを判断
させる。そして、本生産の実行を許可すると判断された
場合に、前記薬品の本生産を行う。
【0013】このような薬品の製造方法により、薬品の
試験評価に関する情報が一箇所で集中管理され、情報の
信頼性が向上する。その結果、薬品の有用性と信頼性が
向上する。
【0014】本発明の第2の目的を達成するために、本
発明の試験評価システムは、システム管理装置と、ネッ
トワークを介してシステム管理装置に接続される第1組
織の第1端末装置と、ネットワークを介して前記システ
ム管理装置に接続される、前記第1組織とは異なる第2
組織の第2端末装置とを含む。システム管理装置は、演
算処理装置と、この演算処理装置に接続されたデータ記
憶装置およびプログラム記憶装置とを有する。演算処理
装置は、薬品の基本的な情報を設定する薬剤基本情報設
定手段と、第1組織と第2組織との間の試験の委託・受
託手続を支援する治験委受託支援手段と、試験結果に関
する情報を管理する手段と、試験結果の集計・統計解析
を支援する手段とを有する。
【0015】薬剤基本情報設定手段は、第1端末装置
に、試験を行うべき薬品に関する基本情報を前記データ
記憶装置へ書き込むことを許可する。治験委受託支援手
段は、第1端末装置に、治験依頼を含む治験委託情報の
前記データ記憶装置への書き込みを許可し、治験依頼を
前記第2端末装置の受信部に送信し、第2端末装置に、
治験を受託する旨の治験受託情報を前記データ記憶装置
に書き込むことを許可する。試験結果に関する情報を管
理する手段は、第2端末装置に、前記薬剤の試験結果に
関連する情報を前記データ記憶装置に書き込むことを許
可する。集計・統計解析手段は、第1端末装置に、前記
試験結果に関連する情報の集計・統計解析記録を前記デ
ータ記憶装置に書き込むことを許可する。
【0016】システム管理装置は、ルールチェック管理
手段をさらに有する。ルールチェック管理手段は、第2
端末装置に、薬品の試験に関してチェックすべき1以上
のチェック項目と、前記チェック項目に含まれる1のト
リガ項目とを前記データ記憶装置に書き込むことを許可
し、トリガ項目に前記第2端末装置の入力部からデータ
入力があった場合に、入力された値の適正さについての
チェックを自動的に開始する。これにより、薬品の試験
に関する情報の正確さと信頼性がさらに向上する。
【0017】システム管理装置はまた、第1端末装置に
試験計画についての詳細情報をデータ記憶装置に書き込
むことを許可する治験計画立案支援手段と、第2端末装
置に、症例に関するデータを前記データ記憶装置に書き
込むことを許可する症例データ入出力手段とを、さらに
有する。症例データ入出力手段は、データ記憶装置に書
き込まれた治験計画詳細テーブルを参照して、特定の症
例について試験中止の是非を決定する判断項目と判断基
準値を設定する。そして、判断項目に入力があった場合
に、入力された値と前記判断基準値とを比較して、その
症例についての試験を中止するかどうかを判断する。こ
れにより、被験者の安全性と人権が確保される。
【0018】システム管理装置は症例管理手段をさらに
有する。症例管理手段は、被験者に、データ記憶装置に
記憶された被験者自身の症例についての情報を閲覧する
ことを許可する。これにより試験データの公正を維持す
ることができる。
【0019】本発明の第3の目的を達成するために、本
発明による薬品の試験評価方法は、まず、システム管理
装置にネットワークを介して接続された第1端末装置
に、システム管理装置のデータ記憶装置に対して、試験
を行うべき薬品に関する薬品基本情報と、治験依頼を含
む治験委受託情報と、治験計画詳細との書き込みを認め
る。次に、システム管理装置にネットワークを介して接
続された第2端末装置の表示部に、第1端末装置により
データ記憶装置に書き込まれた治験依頼を表示させ、第
2端末装置に、治験委受託情報への書き込みを認める。
さらに、第2端末装置に、前記データ記憶装置に対して
前記薬品の試験結果に関する情報の書き込みを認める。
そして、第1端末装置に、前記試験結果に関する情報の
集計・統計解析記録をデータ記憶装置に書き込むことを
認める。このような試験評価方法により、試験の迅速化
を実現することができる。
【0020】この試験評価方法は、情報のセキュリティ
を保証するために、特定の薬品の試験に関して、第1端
末装置からシステム管理装置にアクセスする権利が認め
られたユーザと、第2端末装置から前記システム管理装
置にアクセスする権利が認められたユーザとを、あらか
じめデータベースに登録する。
【0021】また、試験の信頼性を向上するために、第
2端末装置に、特定の薬品の試験に関してチェックすべ
き1以上のチェック項目と、チェック項目に含まれる1
のトリガ項目とをデータ記憶装置に書き込むことを許可
する。そして、トリガ項目に第2端末装置の入力部から
データ入力があった場合に、入力された値の適正さにつ
いてのチェックを自動的に開始する。
【0022】また、試験の安全性を確保するために、第
1端末装置に、薬品の試験計画についての詳細情報を前
記データ記憶装置に書き込むことを許可し、第2端末装
置に、症例に関するデータを前記データ記憶装置に書き
込むことを許可する。そして、システム管理装置に、デ
ータ記憶装置に書き込まれた試験計画詳細を参照させ
て、特定の症例について試験中止の是非を決定する判断
項目と判断基準値を設定させ、前記判断項目に入力があ
った場合に、入力された値と前記判断基準値とを比較さ
せる。
【0023】このような試験評価方法により、試験の信
頼性と安全性が格段に向上する。
【0024】上述したネットワークは、公衆ネットワー
ク、専用ネットワーク、衛星通信、イントラネットなど
を使用できる。また、端末装置は、携帯端末でも、デス
クトップの端末でもよい。
【0025】本発明のその他の特徴、効果は、以下に述
べる実施の形態によって、より明確になるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0027】図1は、本発明の薬品の試験評価システム
の構成を示す図である。試験評価システム1は、インタ
ーネット20上に構築される薬品の試験評価システム1
の全体を統合し管理するシステム管理装置10と、イン
ターネット20を介してシステム管理装置10に接続さ
れる薬品製造開発機関(第1組織)の第1端末2と、イ
ンターネット20を介してシステム管理装置10に接続
される試験評価機関(第2組織)の第2端末4を含む。
また、第1組織によって製造開発された薬品の認可を行
う規制当局(第3組織)の第3端末6も、インターネッ
ト20を介してシステム管理装置10に接続される。第
1組織は、たとえば製薬会社であり、第2組織は、たと
えば大学病院などの医療機関である。
【0028】システム管理装置10は、送受信部11
a、11bと、中央演算処理装置(以下、「CPU」と
する)12と、CPU12に接続されるデータベース1
4およびプログラム記憶装置16を備える。第1〜第3
の端末装置は、それぞれ、送信装置2a、4a、6a、
受信装置2b、4b、6b、表示装置2c、4c、6
c、および入力装置2d、4d、6dを有する。また、
図示はしないが、システム管理装置10および第1から
第3の端末装置は、指示装置(マウスなどのポインティ
ングデバイス)、出力装置(プリンタなど)、通信装置
(通信カードやケーブルなど)などを備える。
【0029】なお、図1には、それぞれひとつの第1組
織および第2組織が図示されているが、1以上の第1組
織および第2組織が、それぞれの対応する端末装置か
ら、インターネット20を介してシステム管理装置10
に接続される。また、この試験評価システム1には、イ
ンターネット20を介して製薬会社の第1端末装置にC
RO(Contract Research Organization:治験受託会
社)が接続され、医療機関の第2端末装置には、インタ
ーネット20を介してSMO(Site Management Organi
zation:治験実施管理会社)が接続される。
【0030】図2は、図1に示すシステム管理装置10
のCPU12の図である。CPU12は、データベース
14へのアクセスの安全性を維持するためのセキュリテ
ィチェッカ21を有する。このセキュリティチェッカに
より、第1組織の第1端末2、第2組織の第2端末4、
第3組織の第3端末6によるデータベース14へのアク
セス、書き込みが制御される。CPU12はまた、第1
から第3の組織のユーザ設定や組織内で使用するコード
テーブルを設定するシステム管理部22を有する。ま
た、臨床試験を開始するまでの各種情報を取り扱うため
に、薬剤基本情報設定手段23、治験計画立案支援手段
24、治験届出支援手段25、および治験委受託手続支
援手段26を有する。さらに、臨床試験が開始されてか
らの各種情報を取り扱うために、治験薬剤管理手段2
7、症例管理手段28、治験進渉管理手段29、症例デ
ータ入出力手段30を有する。また、臨床試験の結果得
られたデータを取り扱うために、有害事象管理報告手段
31、集計・統計解析手段32を有する。さらに、ネッ
トワーク20を介してシステム管理装置10に接続され
ている規制当局の査察を支援するための当局査察支援手
段34と、社内での監査を支援するための社内監査支援
手段35を有する。さらに、症例に関する各種情報の正
確性を確保するためのルールチェック管理手段33を有
する。これらの手段については、後述する。
【0031】CPU12はさらに、不正な書き込みを防
止し、情報のセキュリティを保つために、記憶装置3
6、37、38にすべてのアクセス記録、編集記録、デ
ータ変更履歴を保存しておく。また、第1から第3の組
織並びに第三者のアクセスのため、ホームページ39を
有する。
【0032】図3は、図1に示すシステム管理装置10
のデータベース14の図である。データベース14は、
システム管理情報テーブル42、薬剤基本情報テーブル
43、前臨床試験結果テーブル44、他臨床試験情報テ
ーブル45、治験機関情報テーブル46、治験医情報テ
ーブル57、治験計画詳細テーブル48、治験委受託情
報テーブル49、治験薬剤情報テーブル50、症例管理
情報テーブル51、症例データテーブル52、有害事象
情報テーブル53、集計・解析記録テーブル54、ルー
ル情報テーブル55、査察・監査証跡テーブル56を、
それぞれ個別のテーブル群として格納する。
【0033】このデータベース14は、第1から第3の
組織間で共有される。したがって、競合する製薬会社の
情報や関連のない医療機関の情報にはアクセスできない
ように制御する必要がある。また、同じ会社内あるいは
同じ医療機関内であっても、異なる薬品の臨床試験に関
する情報にはアクセスを禁止しなければならない場合も
ある。一方、一般に広く使用されている疾患名や薬品名
などのコードテーブルは、製薬会社や医療機関の垣根を
越えて共通に使用されるのが好ましい。このようなアク
セス制御を可能にするために、第1から第3の組織の端
末装置のユーザ名に複数段階の所属属性を設定し、デー
タベース14への参照、書き込みは、これらのユーザ名
に基づき、階層的なレベルに応じて制御される。この操
作の詳細は後述する。
【0034】このような薬品の試験評価システム1をネ
ットワーク上に構築することにより、薬品の製造、開
発、試験という流れのなかで、関連する組織のデータ入
力の重複やハードコピーによる情報のやりとりを削減
し、効率的に薬品を市場に送り出すことが可能になる。
特に、情報が一カ所で集中管理されているため、情報の
整合性が改善され、薬品の開発における信頼性と効率が
向上するのである。
【0035】図4は、図1に示す薬品の試験評価システ
ム1を利用した薬品の生成方法の処理手順を示すフロー
チャートである。ここで、薬品とは、農薬、工業用試
薬、医薬品などを広く含むものとする。まずステップS
101で、薬品の有効成分(化学式)、剤形、効能など
を設計する。ステップS103で、設計された項目に基
づいて試験用薬品を実験、試作する。実験を経て試験用
薬品が完成したならば、ステップS105で、インター
ネット上に構築された図1の試験評価システム1を介し
て薬品の試験評価を行う。試験評価が終了したならば、
ステップS107で、規制当局により、認可の基準が満
たされているかの判断を行う。規制当局とは、試作され
た薬品の種類により、厚生省、農林水産省、環境庁など
である。判断の結果、薬品が規制当局の基準を満たし、
合格であれば、ステップS109でこの薬品を量産し、
市場に送り出す。規制当局の基準に満たず、不合格の場
合は、ステップS101へ戻り、新たに薬品の設計から
始める。
【0036】図5は、図2に示す薬品の製造方法を、医
薬品の製造方法に適用した場合の処理手順を示すフロー
チャートである。
【0037】まず、ステップS201で医薬品の有効成
分(化学式)、剤形、効能などを設計する。ステップS
203で、設計に基づき、実験を繰り返して試験用医薬
品を試作する。試験用医薬品が完成したならば、ステッ
プS205で、実験動物による毒性試験、薬効薬理試
験、すなわち前臨床試験を行う。ステップS206で、
この試験用医薬品の安全性が確認されたかどうかを、前
臨床試験データに基づいて判断する。判断の結果、安全
性に問題がない場合は、ステップS207に進み、今度
はヒトを対象とした臨床試験を行う。データ分析の結
果、安全性に問題ありと判断された場合は、ステップS
201に戻り、医薬品の設計からやり直す。
【0038】臨床試験ステップS207に進んだ場合、
実際に臨床試験(第I相臨床試験から第III相臨床試験
まで)が開始される。第I相臨床試験は、原則として健
常人ボランティアを対象として、医薬品の体内動態や副
作用などの情報を収集するための試験である。第II相臨
床試験は、患者を対象として、対象疾患の専門の医師に
より行われる試験であり、効果および副作用などの情報
を収集する。第III相臨床試験は、第II相と同じく患者
を対象として、専門医師によって行われる。効能および
副作用などについて、より幅広く情報を収集するため、
第II相より多くの患者を対象にし、すでに販売されてい
る同種同効薬、あるいは偽薬との比較を行う。臨床試験
ステップには、上述したように、インターネット20上
に構築された試験評価システム1を介して、医薬品を製
造した製薬会社、臨床試験を受託する医療機関、最終的
に医薬品の認可を行う規制当局(厚生省)が係わること
になる。また、前述したように、製薬会社から治験の契
約受託するCROや、医療機関から臨床試験の実施管理
を受託するSMO、あるいは臨床試験のボランティアも
係わり得る。この臨床試験ステップS207の詳細につ
いては後述する。
【0039】臨床試験が終了したならば、ステップS2
09で、規制当局による認可の是非について判断され
る。判断結果、医薬品が基準を満たし、有用性が認めら
れ合格とされた場合は(S209でYES)、この医薬
品の製造に認可がおり、ステップS211で量産する。
ステップS209で規制当局による判断が不合格であれ
ば、ステップS217で、製薬会社により臨床試験を続
行するかどうかの判断を行う。続行すると判断された場
合は、ステップS207に戻り、追加の臨床試験をさら
に行い、医薬品の有用性についての症例データを収集す
る。臨床試験を続行しないと判断された場合は、処理を
終了する。
【0040】ステップS209で規制当局からの認可が
下り、ステップS211で量産、市販を行ったあと、さ
らにステップS213で、市販後の調査および臨床試験
を行う。ここでも、ネットワーク上に構築された試験評
価システム1を介して、製薬会社、医療機関、規制当局
が協働し、情報の生成、共有を行う。ステップS215
で、再度規制当局による判断が行われ、ここで問題なし
とされた場合は、この製薬過程が終了する。ステップS
215で、問題ありとされた場合は、ステップS219
で、製薬会社により製造を中止するかどうかの判断を行
う。製造を中止しない場合は、ステップS213に戻
り、さらに市販後の調査および臨床試験を続ける。ステ
ップS219で、製薬会社が製造を中止すると判断した
場合は、処理を終了する。
【0041】図6〜9は、図5のステップS207で行
われる臨床試験において、各組織がどのように試験評価
システム1と係わり合うかを経時的に示す図であり、縦
軸に時間、横軸に各組織をとってある。図6〜9に示す
ように、システム管理装置10のデータベース14に、
システム管理情報テーブル42を幹として、各組織から
経時的に臨床試験関連情報が追加されてゆく。図6〜9
において、実線の矢印は、データベース14の各テーブ
ルへの書込みを示し、破線の矢印は、各テーブルへの参
照を示す。また、実線の双方向矢印は参照および書込み
を示し、点線は出力を示す。本発明の試験評価システム
1の特徴として、各組織ごとに、各段階で、それぞれ異
なるレベルで情報の書込みや参照が認められている。こ
れによりセキュリティを維持し、情報の信頼性を高め
る。
【0042】大まかな流れとしては、図6で、本発明の
試験評価システム1を機能させるための準備段階とし
て、臨床試験ごとに試験評価システム1に関連するすべ
ての組織により、システム管理装置10に必要情報を入
力する。すなわち、ステップS1101で、特定の医薬
品についての臨床試験に関係するユーザの設定を各組織
で行い、ステップS1103で、製薬会社によって、臨
床試験を行う医薬品についての基本情報を設定し、ステ
ップS1105で前臨床試験情報および他臨床試験情報
を入力する。また、ステップS1107で、システム管
理装置10により治験機関および治験医に関する情報が
蓄積される。図7で、製薬会社による特定の臨床試験の
治験計画の設定と、製薬会社と医療機関の間での臨床試
験の委託、受託手続きが行われる。図8では、実際に臨
床試験が開始され、図9で臨床試験が終了する。
【0043】次に、図6〜9に示す各ステップでの処理
を順次説明する。まず、図6のステップS1101で、
各組織によるユーザ設定、コード設定などを行う。本発
明の試験評価システム1の特徴として、各組織に一人の
組織マネージャを設定し、組織マネージャがユーザを作
成し、各医薬品の臨床試験ごとにシステムのユーザを設
定できるものとする。すなわち、組織マネージャは臨床
試験ごとにその試験に関わる担当者を指定し、システム
管理装置10のデータベース14への書き込みは、組織
マネージャに指定され、ユーザ設定された者にのみ認め
られることとする。情報の書き込みは、新規情報作成
と、情報の更新または編集の双方を含む。この様子を、
図10を参照して説明する。
【0044】たとえば、製薬会社PHAが新しく開発し
た薬品HR451について臨床試験を行う場合を考え
る。製薬会社PHAは、試験評価システム1の登録され
た組織マネージャとしてH氏を有する。H氏は、あらか
じめ試験評価システム1の組織内ユーザとして、X氏、
Y氏、Z氏をそれぞれのユーザIDで登録しておく。H
氏は、薬品HR451に関して、X氏とY氏を臨床試験
担当者に指定し、X氏とY氏が薬品HR451の臨床試
験に関する情報についてのみ、システム管理装置10の
データベース14に書き込みできるようにユーザ設定を
行う。すなわち、第1端末装置の入力部2dから、シス
テム管理者10のCPU12のシステム管理部22に対
し、X氏とY氏に薬品HR451に関する臨床試験情報
の書き込みを認める旨の通知を行う。Z氏は、システム
のユーザではあるが、薬品HR451の臨床試験につい
ては、書き込み権を有さない。
【0045】システム管理部22は、すでに組織内ユー
ザIDを付与されているX氏とY氏に、薬品HR451
に関する書き込み権を、データベース14のシステム管
理情報テーブル42に登録する。一方、製薬会社PHA
は、臨床試験を行う医療機関として、病院HOSを指定
する。病院HOSは、試験評価システム1の登録された
組織マネージャとして、A医師長を有する。A医師長
は、あらかじめ試験評価システム1の組織内ユーザとし
て、E医師とF医師を対応するユーザIDの下に登録し
ておく。製薬会社のH氏は、組織外のメンバーであるE
医師とF医師に対し、薬品HR451についてのみ製薬
会社PHAの組織内データの使用権を認め、これを第1
端末装置の入力部2dからシステム管理装置10に通知
する。システム管理装置10のCPU12のシステム管
理部22は、薬品HR451の臨床試験についてデータ
の使用権を認められたE医師とF医師に組織外ユーザI
Dを付与し、これをデータベース14のシステム管理情
報テーブル42に記録する。
【0046】このように、本発明の特徴として、各製薬
会社の組織マネージャは、自社組織以外のユーザに特定
の薬剤情報あるいは治験情報へのアクセス権を適宜与え
る。すなわち、組織外ユーザの所属属性が自社組織にな
くても、組織外ユーザ自身の所属属性を変更することな
く、自社組織の一定の情報へのアクセスを許すことがで
きる。このようにして、本発明の課題である組織間の協
働を可能にするのである。特定の臨床試験が終了した場
合には、組織マネージャは組織外ユーザのアクセス権を
削除することによって、以降のアクセスは許可されな
い。
【0047】一方、規制当局のユーザおよび社内監査を
行うユーザは、あらかじめ情報への参照権だけは当初か
ら与えられている。このような、ユーザごとのアクセス
権の付与は、これまでのシステムに見られない特徴であ
り、本発明に不可欠の要素である。この機能は、製薬会
社同士の共同開発にも効果を発揮する。
【0048】図11は、このような組織内ユーザの設定
と、組織外ユーザへの使用許可の処理フローを示す。図
11(a)は、組織マネージャによる組織内ユーザの設
定処理を示す。ステップS1160で、システム管理装
置10のCPU12のシステム管理部22は、ユーザ設
定を行おうとしている者が登録された組織マネージャで
あるかどうかを判断する。組織マネージャであれば(S
1160でYES)、組織マネージャが指定したユーザ
(たとえば、X氏、Y氏)の国名、ユーザ名、ユーザ情
報、所属部門名、暫定パスワード、ユーザの有効無効、
関連する薬品と治験名、およびシステム管理装置10の
各手段に対する参照、書き込みの権利についての設定・
編集を認める。ユーザ情報は、たとえば治験医、看護
婦、CRC(Clinical Research Coordinator:臨床試
験コーディネータ)、プロダクトマネージャ、データマ
ネージャなどの職種情報を含む。入力が終了すると、ス
テップS1164でこれらの情報はシステム管理情報4
2のユーザテーブルに保存され、処理が終了する。ステ
ップS1160で組織マネージャではないと判断された
場合は(S1160でNO)、セキュリティ違反として
処理が終了する。
【0049】図11(b)は、組織外ユーザに組織内情
報の使用権を与える処理フローである。この場合、たと
えば製薬会社PHAの組織マネージャH氏が、病院HO
SのE医師、F医師に許可を与えるとする。ステップS
1170でシステム管理装置10は、ユーザ設定を行お
うとしている者が登録された組織マネージャかどうかを
判断する。組織マネージャであると判断されると、ステ
ップS1172でシステム管理装置10は組織マネージ
ャにデータべ−ス14からの組織外ユーザの検索を認
め、使用可能薬剤名や治験名、ユーザの有効無効、およ
び各手段に対する参照、書き込みの権利についての設定
・編集を認める。入力が終了すると、ステップS117
4でシステム管理情報42のユーザテーブルに情報を保
存する。ステップS1170で組織マネージャではない
と判断されると、処理は終了する。このように、各薬品
の臨床試験ごとに、システム管理装置10の機能の使用
を認められる者、参照や書き込みが許される項目などを
組織マネージャが設定する。ユーザ設定された者たちに
よるシステム管理装置10へのアクセスは、CPU12
のセキュリティチェッカ21(図2)により、厳重に管
理される。
【0050】図12は、CPU12のセキュリティチェ
ッカ21の機能を示す図である。各組織マネージャ、お
よび組織マネージャによりユーザ設定されたユーザは、
製薬会社の端末2あるいは医療機関の端末4から、シス
テム管理装置10にアクセスする。すると図12(a)
に示す画面1200が端末2または4の表示装置2cま
たは4cに表示される。ユーザは、図12(b)に示す
ように、ステップS1202で国、組織名、部門名、ユ
ーザ名、およびパスワードなどの付加情報を入力し、図
12(a)に示すサインオン・ボタン1201をクリッ
クする。ステップS1204で、システム管理装置10
のCPU12のシステム管理部22は、入力したユーザ
が有効なユーザかどうか、およびパスワードは適切かど
うかを判断する。判断結果が否定の場合は(S1204
でNO)、ステップS1204へ進み、入力が3度繰り
返されたかどうかを判断する。入力回数が3度未満のと
きは、ステップS1202に戻り、再度入力が許され
る。入力が3度繰り返された場合は、セキュリティバイ
オレーションで処理を終了する。一方、ステップS12
04で、適切なユーザであると判断された場合は、ステ
ップS1208に進み、登録された組織マネージャかど
うかを判断する。組織マネージャである場合は、ステッ
プS1210に進み、端末2あるいは4の表示装置2
c、4cに組織マネージャに提供される機能の一覧12
03を表示する。組織マネージャではない場合は(S1
208でNO)、ユーザ設定された一般ユーザに使用が
認められた機能の一覧1203を表示する。このような
機能一覧は、システム管理部22により、アクセスして
いる者が誰であるかによって、それぞれ許可された機能
だけがユーザ端末装置の表示部に表示される。このよう
に、薬品および臨床試験ごとに試験評価システム1を利
用できるユーザを設定し、その都度、個別に使用できる
機能を設定するという階層的なアクセス許可により、セ
キュリティが保証され、インターネット20を介したシ
ステム全体が安全に機能する。
【0051】図13は、設定されたアクセス権を有する
ユーザが薬剤基本情報テーブル43を参照または作成、
編集する際の画面例を示す図である。アクセス権を与え
られたユーザは、第1、あるいは第2の端末2、4の表
示装置2c、4c上に、図13に示す薬剤基本情報入力
画面1300を呼び出す。薬剤基本情報入力画面130
0には、国名、薬品コード、一般名、化学式などの項目
が表示される。また、前臨床試験の詳細な試験データと
は別に、前臨床試験の試験期間、終了日、試験成績など
の一般情報を入力する項目も表示される。このような項
目について、アクセス権のうち、書き込み権を持つ設定
ユーザ、すなわちこの医薬品についての担当者だけが新
規書き込みあるいは変更することができる。参照権が認
められた設定ユーザは、データの編集、更新はできない
が、薬剤基本情報テーブル43を参照することができ
る。参照権利が認められたユーザとは、後述するが、た
とえば製薬会社の社内監査担当者や、医療機関の担当医
師等である。
【0052】図14は、システム管理装置10の薬剤基
本情報設定手段23(図2参照)による、薬剤基本情報
テーブル43の設定処理手順を示すフローチャートであ
る。この処理フローは、図6のステップS1105に示
す前臨床試験情報テーブル44、他臨床試験情報テーブ
ル45の設定にも適用される。まずステップS1402
で、現在のユーザにアクセス権があるかどうかを判断す
る。ステップS1402でアクセス権ありと判断された
場合は、ステップS1404に進み、書き込み(新規作
成および編集を含む)または参照を選択する。書き込み
が選択された場合には、ステップS1406に進み、現
在のユーザに書き込み権が認められているかどうかを判
断する。書き込み権ありと判断された場合は(S140
6でYES)、ステップS1410に進み、新規作成か
どうかを判断する。新規作成の場合は、ステップS14
20で図13に示した基本情報入力画面1300あるい
は、図示はしないが、前臨床試験情報入力画面もしくは
他臨床試験情報入力画面を表示する。ステップS142
2でユーザはデータ項目に必要情報を入力し、登録す
る。ステップS1424で、システム管理装置10のC
PU12の薬剤基本情報設定部23は、入力された情報
に、国、組織、部門、作成日時、作成者(ユーザ)名を
付加してデータベース14の薬剤基本情報テーブル4
3、前臨床試験情報テーブル44、または他臨床試験情
報テーブル45に保存する。
【0053】ステップS1410で新規作成ではない場
合は、ステップS1412に進み、ユーザは更新、編集
を行いたいデータを抽出する。ステップS1414で所
望の情報が端末装置2の画面に表示され、ステップS1
416でユーザは表示されたデータを更新、編集を行
う。ステップS1418で、システム管理装置のCPU
12は、更新された情報をデータベース14の対応する
テーブルに保存し、同時に更新日時と更新者名を更新す
る。
【0054】一方、ステップS1404で、参照が選択
された場合は、ステップS1408でシステム管理部2
2により、現在のユーザに参照権があるかどうかを判断
する。参照権ありとされた場合は、ユーザはステップS
1426で参照したいデータを検索し選択する。ステッ
プS1428で、端末2または4に、選択されたデータ
が表示され、ユーザはそのデータを参照することができ
る。なお、ステップS1402でアクセス権なしと判断
された場合、ステップS1406で書き込み権なしと判
断された場合、およびステップS1408で参照権なし
と判断された場合は、この処理は終了する。
【0055】次に、図6のステップS1107では、シ
ステム管理装置10は、治験機関情報テーブル46と治
験医情報テーブル47へデータを蓄積するが、このステ
ップS1107はこの段階に限らず、常時行われてもよ
い。治験機関情報とは、大学病院、個人病院、診療所な
どである。治験医情報とは、医師・歯科医師資格を有
し、かつ臨床試験を行える状態にある者に関する情報で
ある。これらの情報は、他の薬剤に関する臨床試験情報
などを基に、常時更新され蓄積される。
【0056】これらの準備段階が完了すると、図7の治
験計画に進む。治験計画段階では、ステップS1109
およびステップS1111で、製薬会社により治験計画
立案、および治験届出情報が入力、設定される。ステッ
プS1113で製薬会社は、データ間の関連チェックや
観察項目の基準値チェックなどのルールチェック項目の
入力を行う。ステップS1115で治験委受託手続きに
移り、製薬会社と医療機関の間で、手続きが交わされ
る。
【0057】図15は、図7のステップS1109の詳
細、すなわち、CPU12の治験計画立案支援手段24
による治験計画立案の設定処理フローを示すフローチャ
ートである。まず、ステップS1502で現在のユーザ
にアクセス権があるかどうかを判断する。アクセス権あ
りと判断された場合は、ステップS1504で、ユーザ
に書き込みか参照かを選択させる。参照が選択された場
合は、ステップS1508に進み、現在のユーザに参照
権が認められているかどうかを判断する。参照権ありと
判断された場合は(S1508でYES)、ステップS
1528で参照したい治験計画の国名、組織名、薬剤コ
ード、治験コードを入力する。この場合、参照権が認め
られるのは、この臨床試験について設定された製薬会
社、医療機関、規制当局の各担当ユーザ、および製薬会
社の社内監査担当ユーザである。入力後、ステップS1
530で指定された治験計画の詳細がユーザの端末装置
の表示装置に表示される。治験計画詳細が表示された
後、ステップS1526へジャンプし、必要であれば、
治験実施計画書や、調査用紙などを印刷する。
【0058】一方、ステップS1504で書き込みが選
択された場合は、ステップS1506に進み、現在のユ
ーザに書き込み権が認められているかどうかを判断す
る。書き込み権ありと判断された場合は、ステップS1
510で書き込みたい治験計画に関して、国名、組織
名、薬剤コード、および治験コードを入力する。ステッ
プS1512で新規作成かどうかを判断する。新規作成
の場合は、ステップS1514で治験計画詳細入力用の
領域を用意する。さらにステップS1516に進み、図
6のステップS1103およびS1105で設定した薬
剤基本情報テーブル43、前臨床試験情報テーブル4
4、他臨床試験情報テーブル45を参照して、治験薬の
概要を入力する。治験薬の概要には、治験の目的、対象
疾患なども含む。さらにステップS1518で、治験機
関情報テーブル46および治験医情報テーブル47を参
照して、臨床試験を実施する医療機関および治験医を入
力、設定し、ステップS1520で、この臨床試験にお
ける患者選択・除外基準、試験中止基準、治験薬の投与
量、投与回数、投与方法、投与期間などを設定し、治験
計画詳細テーブル48に書き込む。患者(被験者)選択
基準は、疾患名、性別、年齢、重症度、合併症などを考
慮して決定される。ステップS1522で、臨床試験の
対象となる疾患および患者についての観察項目・時期お
よび検査項目・時期を設定し、治験計画詳細テーブル4
8に書き込む。ステップS1524でその他の治験項目
を設定し、同じく治験計画詳細テーブル48に書き込
む。ステップS1526で必要であれば治験実施計画書
や調査用紙などを印刷する。
【0059】図16は、図15のステップS1518
で、治験医療機関および治験医を設定する際の参照画面
の例を示す。ステップS1518での書き込みは、製薬
会社の設定されたユーザ(担当者)にのみ認められてい
る。したがって、製薬会社の端末2の表示装置2cにの
み、図16の治験機関・治験医参照画面1600が表示
される。
【0060】治験機関・治験医参照画面1600には、
臨床試験を行う治験薬が治療目的とする対象疾患、臨床
試験を行う医療機関名、その医療機関でデータ収集する
予定症例数、実施予定期間、状況が表示される。製薬会
社の担当者は、画面1600で、臨床試験を行う治験機
関、治験医を選定するための情報を得ることができる。
【0061】図17は、図15のステップS1518の
詳細な処理フローである。まず、ステップS1702で
アクセス権があるかどうかを判断する。アクセス権あり
と判断された場合は、ステップS1704で対象疾患を
入力する。次にステップS1706で、対象疾患が指定
されたかどうかを判断する。指定されていれば、ステッ
プS1708に進み、データベース14の治験計画詳細
テーブル48を参照して、この対象疾患の治験医療機関
および担当医が検索され、ステップS1710で、端末
2に図16の治験機関・治験医参照画面1600が表示
される。ユーザが治験機関、治験医の詳細情報を知りた
い場合は、ステップS1712で所望の治験機関や治験
医をクリックする。ステップS1714で、選択された
治験機関あるいは医師の詳細な情報が表示される。ステ
ップS1716で、この処理を終了するかどうかを判断
し、終了しない場合は、ステップS1712に戻って、
詳細な情報が知りたい別の治験機関あるいは医師を選択
してクリックする。ステップS1716で終了を希望す
る場合は、この処理を終了する。
【0062】ステップS1706で、疾患対象が指定さ
れなかった場合は(S1706でNO)、ステップS1
718に進み、システム管理装置10のデータベース1
4に登録されている治験機関および医師を端末2に表示
する。その後、ステップS1712に進み、以降の処理
は上記と同様である。
【0063】図18は、図7のステップS1111に示
す治験届出入力の詳細な処理フローを示す図である。製
薬会社の第1端末2の入力部2dから、システム管理者
10の治験届出支援手段25にアクセスされると、ステ
ップS1802で、治験届出支援手段25により、現在
のユーザにアクセス権があるかどうかが判断される。ア
クセス権を有するのは、この特定の臨床試験に関連する
製薬会社の担当者である。アクセス権がある場合は、ス
テップS1804で、作成権があるかどうかが判断され
る。この場合、作成権を有するのは、製薬会社の担当者
である。作成権ありと判断された場合は、ステップS1
808で、国、組織、薬剤コードおよび治験コードを入
力し、ステップS1810で、データベース14の治験
計画詳細テーブル48を参照して、必要事項を第1端末
装置の表示装置2cに表示される治験届出ページ(不図
示)にペーストする。
【0064】一方、ステップS1804で作成権なしと
判断された場合は、ステップS1806で参照権がある
かどうか判断される。参照権を有するのは、製薬会社の
社内監査担当者である。参照権ありと判断された場合
は、ステップS1822での国、組織、薬剤コード、治
験コードの入力後、ステップS1824で治験届出ペー
ジに掲載された治験計画詳細を参照することができる。
【0065】ステップS1812で、第1端末2の入力
装置2dを介して作成した治験届出書の確認を行う。確
認後、ステップS1814で、現在のユーザに公開権が
あるかどうかを判断する。この場合、公開権があるのは
製薬会社の担当者だけである。公開権ありと判断された
場合は、ステップS1816で、製薬会社の第1端末装
置の図示しない出力装置で印刷し、または、規制当局指
定のフォーマットでフロッピーディスク等に出力し、規
制当局へ郵送するか、あるいは直接規制当局の第3端末
装置へ、規制当局のアクセス権の認められた担当ユーザ
宛てに送信する。ステップS1818で、届出日付、終
了日付、記入者を治験計画詳細テーブル48に書き込
む。ステップS1820で、受理の確認を行い、処理を
終了する。届出日付、受理日付などは、システム管理装
置10のデータベース14の治験計画詳細テーブル48
に書き込まれる。
【0066】治験届出処理が終了したら、図7のステッ
プS1113でルールチェック設定を行う。ルールチェ
ックとは、特定の臨床試験における様々なパラメータに
ついて、基準値あるいは基準範囲を満たすかどうか、デ
ータ間の関連は正しいかどうか等のルールを設定し、チ
ェックすることを言う。ル−ルチェック設定は、この時
点だけではなく、以後、各種情報が入力される都度、適
宜行われ、ル−ルチェック項目の設定を随時追加、変更
できる。図19は、ルールチェックの処理フローを示
す。図19(a)は、ルール(値の適正さ)をチェック
するチェック項目の設定処理を示すフローチャートであ
り、図19(b)は、図19(a)で定めたトリガー項
目について、データ入力があった場合に自動的にルール
チェックが開始される場合の処理フローを示す。
【0067】図19(a)において、まずステップS1
902で、システム管理装置10のルールチェック管理
手段33により、現在のユーザにルールチェック項目の
作成権があるかどうかが判断される。この場合、製薬会
社側の担当者に作成権がある。作成権ありと判断された
場合は、ステップS1904で、製薬会社の第1端末2
から入力装置2dを用いて国、組織、薬剤コード、治験
コードを入力し、ステップS1906でルール名を設定
する。ルール名は、たとえば肝機能についての臨床検査
だとすると、「GOT検査」などをルール名とする。ス
テップS1908で、このルール名(GOT検査)の下
でチェックする項目とその基準値、条件、参照項目、参
照値などを定める。たとえば、GOT検査値やその他の
検査項目の基準値あるいは基準範囲を設定する。また、
ルールチェックを実行する処理のきっかけとなる項目
を、トリガ項目として定める。たとえば、GOT項目を
トリガ項目に設定すると、実際に臨床試験が開始され、
GOT項目に臨床試験を行う医療機関側の担当者によ
り、端末4を介してデータが入力された場合に、自動的
にその値についてのルールチェックを開始する。上述の
ルールチェック項目やトリガ項目は、入力が確定される
と、システム管理者10のデータベース14のルール情
報テーブル55に書き込まれる。
【0068】図19(b)は、トリガ項目への入力によ
って開始されたルールチェックの処理フローを示す。ス
テップS1910で、システム管理装置10のルールチ
ェック管理手段33は、トリガ項目への入力値が設定値
であるかどうかを判断する。入力値が設定値と一致すれ
ば、ステップS1912で、参照値項目の条件が一致す
るかどうかを判断する。条件が一致すれば、S1914
へ進み、チェック項目値がルールを逸脱するかどうかを
判断する。たとえば、トリガ項目が妊娠の有無、設定値
が妊娠、参照値が性別、チェック項目が年齢の場合を考
える。このとき、妊娠の有無の欄になんらかの入力があ
ると、自動的に図19(b)の処理フローが開始され、
ステップS1910で、入力値が妊娠であるかどうか、
判断される。設定値以外、すなわち「妊娠」以外の入力
がなされた場合は(S1910でNO)、処理を終了す
る。妊娠と入力された場合は、ステップS1912で性
別の項目を参照しに行く。性別が男性である場合(S1
912でNO)、エラーとなり終了する。性別が女性で
あり、参照値と一致すれば、ステップS1914で、年
齢をチェックする。このとき、年齢が10歳だとする
と、エラーの疑いがあり、ルール逸脱と判断される。年
齢が許容範囲内である場合は、問題なしとして、ステッ
プS1922に進み、チェック済みのフラグをセットす
る。
【0069】ステップS1914で入力された項目値が
ルールを逸脱する場合は、ステップS1916でルール
逸脱のメッセージを発する。このメッセージは医療機関
の端末4の表示装置4cに表示され、出力装置から出力
することも可能である。さらに、ルール逸脱についての
情報を、後述する症例データとして、システム管理装置
10のデータベース14の症例データテーブル52に書
き込む。また、トリガ項目へのデータ入力が、医療機関
の電子カルテから書き込まれた場合、あるいは製薬会社
や医療機関から特定の試験を委託された臨床検査会社に
よって入力された場合は、メッセージが症例データテー
ブル52に書き込まれると同時に、医療機関の担当医師
宛てに電子メールが発信される。メッセージ発生後、ス
テップS1918で、了解、ペンディング、訂正の中か
らひとつを選択する。訂正が選択された場合は、ステッ
プS1920でユーザ名と訂正理由(タイプミスなど)
を入力してデータを訂正し、処理を終了する。このよう
なデータ訂正については、セキュリティと情報の正確性
維持のため、履歴が取られる。
【0070】ルールチェック管理手段は、システム管理
装置の演算処理装置に現在のユーザに作成権があるかど
うかを判断させるステップと、作成権ありと判断された
場合に、第1端末装置に1以上のルールチェック項目
と、これらのルールチェック項目の中の1のトリガ項目
と、各項目に対応する参照とを設定させるステップと、
トリガ項目にデータ入力がされた場合に、ルールチェッ
ク手段に自動的にルールチェックを開始させ、入力され
た値と参照値とを比較させるステップと、比較結果に基
づき、入力値がルールを逸脱するかどうかを判断させる
ステップと、ルールを逸脱しないと判断された場合にチ
ェック済みフラグをセットさせるステップとをプログラ
ムとして実現され得る。これにより、臨床試験に関連し
てルールチェックが必要な項目について、共通してルー
ルチェックを行うことができる。
【0071】ルールチェック設定の後、図7のステップ
S1115で製薬会社と医療機関との間で、システム管
理装置10を介して治験委受託手続きが交わされる。図
20〜図22は、治験委受託手続きを示す図である。図
20は製薬会社側の委託手続きの処理フローを示し、図
21は医療機関側の受託手続きの処理フローを示し、図
22は、両者間での契約の処理フローを示す。
【0072】まず、図20のステップS2002で、シ
ステム管理装置10の治験委受託手続支援手段26によ
り、現在のユーザにアクセス権利があるかどうかが判断
される。アクセス権は、この臨床試験の担当者に認めら
れている。アクセス権が認められている場合は、ステッ
プS2004で、公開権(送信権)があるかどうかがさ
らに判断される。公開権がある場合は、ステップS20
06で、製薬会社の第1端末2の入力装置を介して、シ
ステム管理装置10の国、組織、薬剤コード、治験コー
ドを入力する。ステップS2008で、システム管理装
置10のデータべ−ス4の治験計画詳細テーブル48か
ら、この臨床試験に関する治験計画詳細を、製薬会社の
第1端末装置の表示装置2cに表示する。ステップS2
010で、図18に示した治験届出が規制当局に受理さ
れているかどうかを判断する。届出が受理されていない
場合は処理を終了する。届出が受理されている場合は、
ステップS2012で治験実施計画書と依頼書とをハー
ドコピーとして出力し、また、治験実施計画書と依頼書
を電子データとして、システム管理装置10に送信す
る。システム管理装置10の治験委受託手続支援手段2
6は、これを依頼先の医療機関に転送するとともに、デ
ータベース14の治験計画詳細テーブル48に書き込
む。ステップS2014で、製薬会社の第1端末2で、
委託日、担当者、委託処理終了日を記入する。これらの
データは、システム管理装置10のデータベース14の
治験計画詳細テーブル48と、治験委受託情報テーブル
49とに、書き込まれる。
【0073】図21は、依頼を受けた医療機関側の受託
処理を示す。製薬会社側の処理と同様に、ステップS2
102およびS2104でアクセス権の有無を判断し、
必要なコードを入力する。ステップS2106で、医療
機関の第2端末4の表示装置4cにシステム管理装置1
0のデータベース14から治験計画詳細を表示する。ス
テップS2108で、治験計画詳細の中から、製薬会社
から送られてきた治験実施計画書と依頼書をハードコピ
ーとして出力する。ステップS2110で、医療機関内
部で、この臨床試験の依頼を受託するかどうかを審査す
る。このとき、審査担当者にシステム管理装置10の治
験委受託情報テーブル49へのアクセス権を付与してお
くことによって、必要な情報を医療機関の端末4の表示
装置4c上で審査し、意見をシステム管理装置10に入
力することができる。すなわち、治験審査委員が一堂に
会さなくとも、効率的に審査を進めることができる。
【0074】審査の過程で、追加情報が必要な場合は、
システム管理装置10を介して製薬会社に要求する。医
療機関の担当ユーザは、逐次、依頼された臨床試験に関
する医療機関内の審査状況を入力する。このような審査
経過は、ステップ2112で、システム管理装置10の
データベース14の治験委受託情報テーブル49に書き
込まれる。ステップS2114で、不足情報を入手し、
ステップS2110に戻って審査手続きを続ける。この
ように、製薬会社の担当ユーザは、審査状況を社会の端
末2から確認することができ、審査状況の確認に何度も
医療機関を訪れる手間が省ける。医療機関にとっても、
製薬会社からの訪問者への対応や、入手情報のデータベ
ース化などの手間を省くことができる。
【0075】図22は、医療機関での機関内審査終了後
の処理フローを示す。ステップS2202でアクセス権
の有無を判断し、ステップS2204で、審査結果を医
療機関の第2端末4の入力装置4dから入力する。シス
テム管理装置10の治験委受託手続支援手段26は、審
査結果を製薬会社の担当者に転送する。ステップS22
06で、審査結果(転送内容)が受諾であった場合、ス
テップS2208の処理に進む。受諾されなかったら、
処理を終了する。ステップS2208で、医療機関の第
2端末4の表示装置4cに受諾契約項目が表示され、担
当者は必要事項を入力する。入力されたデータはシステ
ム管理装置10のデータベース14の治験委受託情報テ
ーブル49に書き込まれる。ステップS2210で受託
契約書類を完成し、ステップS2212で製薬会社との
間に、正式に契約が成立し、臨床試験が実際に開始され
る。
【0076】図8は、臨床試験開始後にシステム管理装
置によって行われる様々な処理手続きを示す。ステップ
S1117で製薬会社と医療機関とによる、臨床試験の
対象である治験薬剤の管理を支援する。薬剤管理は、治
験薬剤の使用数量の管理や、在庫・出庫管理などを含
み、臨床試験が終了するまで、適宜行われる。ステップ
S1119およびステップS1121で、医療機関によ
り症例管理を支援する。ステップS1123で、医療機
関により採取された症例データを蓄積する。ステップS
1125で、製薬会社により、症例データと試験中止基
準に基づいて、試験中止の判定が行われる。ステップS
1127で、製薬会社と医療機関による臨床試験の進渉
状況の管理を支援し、ステップS1129で、有害事象
の判定報告がなされる。ステップS1131で、製薬会
社による臨床試験結果の集計、統計解析を支援する。こ
れらのステップの詳細な処理フローを以下に述べる。
【0077】図23および図24は、製薬会社および医
療機関による治験薬剤の入庫および出庫管理の処理フロ
ーを示す図である。まず図23の入庫管理について、ス
テップS2302で、システム管理装置10の治験薬剤
管理手段27により、現在のユーザにアクセス権がある
かどうか判断される。アクセス権ありと判断された場合
は、ステップS2304で入力か参照かを選択する。入
力が選択されると、ステップS2306で作成権がある
かどうか判断される。作成権ありと判断された場合は、
ステップS2308で入庫が回収による入庫か、製造、
あるいは製薬会社からの治験薬剤配布による入庫か判断
される。回収による入庫の場合は、ステップS2310
で、製薬会社の第1端末2の入力装置2dを介して、入
庫年月日、回収数量、回収年月日、国、組織、薬剤コー
ド、剤形、ロット番号、返却元の医療機関、使用症例番
号が入力される。製造、あるいは配布による入庫の場合
は(ステップS2308でNO)、ステップS2312
で、製薬会社の第1端末2の入力装置2d、あるいは医
療機関の第2端末4の入力装置4dを介して、入庫年月
日、入庫数量、国、組織、薬剤コード、剤形、ロット番
号、使用予定治験コードが入力される。これらのデータ
は、システム管理装置10のデータベース14の治験薬
剤情報テーブル50に書き込まれる。
【0078】ステップS2304で参照が選択された場
合は、ステップS2314で、システム管理装置10の
治験薬剤管理手段27によって、参照権があるかどうか
が判断される。参照権なしの場合は処理が終了する。参
照権ありと判断された場合は、ステップS2316で
国、組織、薬剤コードを入力し、ステップS2318で
製薬会社の第1端末2の表示装置2cまたは医療機関の
第2端末4の表示装置4cに、在庫一覧が表示される。
ステップS2320でこの在庫一覧を、入出庫記録およ
び受払表とともに出力する。
【0079】図24の出庫管理では、ステップS240
2ユーザにアクセス権があるかどうかを判断し、アクセ
ス権ありの場合は、ステップS2404で入力か参照か
を選択する。入力が選択されると、ステップS2406
で作成権があるかどうか判断される。作成権ありと判断
された場合は、ステップS2408で、医療機関への配
布または製薬会社へ返却するための出庫なのか、廃棄の
ための出庫なのかが判断される。配布のための出庫の場
合は、ステップS2410で、製薬会社の第1端末2の
入力装置2dを介して、出庫年月日、出庫数量、国、組
織、薬剤コード、剤形、ロット番号、出庫先の医療機関
が入力される。返却のための出庫の場合も同様に、ステ
ップS2410で医療機関の第2端末4の入力部4dを
介して、出庫年月日、出庫数量、国、組織、薬剤コー
ド、剤形、ロット番号、出庫先の製薬会社が入力され
る。ステップS2408で、廃棄による出庫の場合は、
ステップS2412で、製薬会社の第1端末2を介し
て、出庫年月日、出庫数量、国、組織、薬剤コード、剤
形、ロット番号、出庫先の廃棄業者を入力する。これら
のデータは、システム管理装置10のデータベース14
の治験薬剤情報テーブル50に書き込まれる。
【0080】ステップS2404で参照が選択された場
合の処理は、図23のステップ2304以降の処理と同
様であるので、説明を省略する。
【0081】図25および図26は、医療機関による症
例管理処理を示す。症例管理とは、臨床試験の過程で新
たに組み込まれる被験者の管理であり、具体的には、図
8のステップS1119(症例の組込み)とステップS
1121(診察・投薬)による処理である。治験医によ
って入力された症例管理データは、システム管理装置1
0の症例管理手段28によって、あらかじめ製薬会社に
よって設定された治験計画詳細の選択基準と比較され、
比較結果が医療機関の第2端末4の表示装置4cに表示
される。この処理を図25および図26を参照して説明
する。
【0082】まず図25のステップS2502で、シス
テム管理装置10の症例管理手段28により、現在のユ
ーザにアクセス権があるかどうかが判断される。アクセ
ス権がある場合は、ステップS2504で、国、組織、
薬剤コード、治験コードを入力し、ステップS2506
で、この臨床試験で扱っている症例が新規の症例かどう
かを判断する。このとき、後述するように、患者(被験
者)からあらかじめ同意書(informed consent)を取得
しておき、取得事実をデータベース14の症例管理情報
テーブル51に入力しておく。新規症例である場合は、
ステップS2508で選択・除外基準に関連する情報と
して、症例管理情報テーブル51に書き込み、ステップ
S2512に進む。新規症例でない場合は、ステップ2
510で不足情報を追加入力し、ステップS2512に
進む。ステップS2512では、この症例に関するデー
タが不足しているかどうかを判断する。不足している場
合はステップS2514でフラグをWAITINGに設定し、
さらなる情報を待つ。ステップS2512でデータが不
足していないと判断された場合は、ステップS2516
で、選択基準を満たしているかどうかを判断する。基準
を満たす場合は、ステップS2518でフラグをADOPT
に設定し、ステップS2520でこの症例に症例番号を
付与し、患者の訪問日,投薬量、検査項目などを医療機
関の端末4を介して、システム管理装置10のデータベ
ース14の症例管理情報テーブル51に書き込む。ステ
ップS2516で基準を満たさない場合は、ステップS
2522でフラグをNEGRECTに設定して処理を終了す
る。
【0083】このような症例組込みプログラムは、シス
テム管理装置のプログラム記憶装置16、またはその他
の記録媒体にあらかじめ記憶させておく。
【0084】図26は、症例番号の付された症例の患者
についての観察予定が立てられる。まず、ステップS2
602でアクセス権があるかどうかが判断され、アクセ
ス権が認められた場合は、ステップS2604で、国、
組織、薬剤コード、治験コード、症例番号などの付加情
報を入力する。ステップS2606で、治験担当医によ
り、システム管理装置10のデータベース14の治験計
画詳細テーブル48および症例管理情報テーブル51を
参照して、患者の診察・投薬スケジュール等が医療機関
の第2端末4の表示装置4cに表示される(不図示)。
ステップS2608で、これらの情報が診察・投薬・検
査予定・記録表として出力される。ステップS2610
で、診察、投薬、検査実施の情報が入力され、症例管理
情報テーブル51にデータを蓄積する。
【0085】選択基準に合致し、症例番号の付与された
症例に付いては、治験担当医によって患者の診察ごとに
各種情報が、医療機関の第2端末4を介して症例データ
テーブル52に書き込まれる。臨床検査の各項目は、医
療機関内の別のユーザ、あるいは図示しない臨床検査会
社から直接データを吸い上げることができる。図27に
示すように、症例データテーブル52にデータが入力さ
れると、システム管理装置10は、ルールチェック、中
止基準チェック、有害事象チェックを実施し、チェック
の結果異常があればその結果を入力者に通知する。一
方、製薬会社側では、入力された症例データについて、
随時、電子的に社内監査を実施し、情報の漏れ、問題点
などについて、監査結果に基づいて治験担当医に質問を
電子的に行うことができる。このような処理の流れを図
27を参照して説明する。
【0086】図27で、治験担当医は、ステップS27
02〜S2714に示すように、電子カルテまたは臨床
検査会社からデータを取りこむか、あるいはステップS
2716〜S2728に示すように患者の症例観察に基
づいてデータを入力する。データ取り込みの場合は、シ
ステム管理装置10の症例データ入出力手段30によっ
て、ステップS2702で作成権があるいかどうか判断
される。作成権がある場合は、ステップS2704で、
薬剤コード、治験コードなどの付加情報に加えて、症例
番号と、欲しいデータが採取された日時を指定する。ス
テップS2706で、電子カルテあるいは臨床検査会社
のシステムのカルテ番号と取得データ名を関連づけてフ
ァイルを作成する。ステップS2708でデータを取り
込む。このとき、医療機関が使用している電子カルテシ
ステムとのインターフェイスプログラムや、臨床検査会
社ごとのシステムとのインターフェイスプログラムの開
発は個別に対応するものとする。ステップS2710
で、システム管理装置10のルールチェック管理手段3
3を動作させて、前述したルールチェックを行わせる。
ステップS2712で、後述する有害事象管理手段31
を動作させて、有害事象をチェックし、ステップS27
14で中止基準をチェックする。このような一連の入出
力後、監査担当者に新規データが症例データに追加され
た旨を送信してもよい。
【0087】治験担当医が症例観察によりデータを入力
する場合は、ステップS2716で現在のユーザに作成
権があるかどうかを判断する。ステップS2718で薬
剤コード、治験コードなどの付加情報を入力する。ステ
ップS2720で医療機関の第2端末4の表示装置4c
に、データ入力画面が表示される。ステップS2722
でデータ入力を行い、ステップS2724〜S2728
でルールチェック、有害事象チェック、中止基準チェッ
クを行う。一連の入出力後、監査担当者に新規データが
追加された旨を送信してもよい。
【0088】また、システム管理装置10の症例データ
入出力手段30は、将来、医療情報の開示が積極的に認
められ、各治験の担当医師、医療機関などが許可した場
合に、被験者が自己の情報のみ閲覧できるようにする手
段も有する。これは、情報の不正を防ぐうえでも望まし
い手段である。
【0089】図28は、図8に示す中止基準判定ステッ
プS1125の詳細な処理フローを示す。このチェック
は、治験医の症例観察によるデータ入力についてのみ行
われ、電子カルテ、臨床検査会社からのデータ取り込み
の場合は、ペンディングとされ実行されない。まず、ス
テップS2802で、データベース14の治験計画詳細
テーブル48を参照して、中止判定項目名と判断基準値
が取り込まれる。ステップS2804で、データベース
14の症例データテーブル52を参照して、判定項目の
症例値を取り込む。ステップS2806で、症例値と基
準値との比較に基づいて、この症例について臨床試験を
中止するかどうかを判断する。中止する必要なしと判断
された場合は処理を終了し、引き続き投薬を続けて症例
を観察する。中止の必要ありと判断された場合は、ステ
ップS2808で、医療機関の第2端末4の表示装置
に、中止基準に合致した旨を表示する。ステップS28
10で中止情報が生成され、システム管理装置10のデ
ータベース14の症例データテーブル52に書き込まれ
る。この中止情報は、製薬会社の治験担当者と担当医師
に宛てて、製薬会社の第1端末2および医療機関の第2
端末4へメッセージとして発信される。ステップS28
12で、患者用の中止説明書類が出力されて、処理が終
了する。この後、図示はしないが、治験医は、中止説明
書類をもとにして、患者に臨床試験を中止する旨を説明
する。
【0090】図29は、図8に示す試験進渉状況の管理
ステップS1127を説明するための図である。図29
(a)は、システム管理装置10の治験進渉管理手段2
9によって、製薬会社の第1端末2の表示装置2cに表
示される画面である。治験進渉状況画面2900には、
薬剤コードおよび治験コードとともに、治験薬剤の臨床
試験を行っている医療機関ごとに、試験開始年月日、終
了年月日、予定症例数、候補者数、採用数、着手状況、
中止数などが表示される。医療機関側の治験担当医は、
このうちの一部、すなわち自己の機関の情報についての
み参照することができる。
【0091】図29(b)に示すように、ステップS2
902で、現在のユーザにアクセス権があるかどうかを
判断する。アクセス権があれば、ステップS2904で
薬剤コード、治験コードなどの付加情報を入力する。ス
テップS2906で、データベース14の治験委受託情
報テーブル49、症例管理情報テーブル51、症例デー
タテーブル52、治験薬剤情報テーブル50を参照し
て、図29(a)に示すような症例一覧を表示する。こ
のとき、ユーザコードに基づき、全情報または一部が、
製薬会社の第1端末2の表示装置2cまたは医療機関の
第2端末4の表示装置4cに表示される。このように、
製薬会社の担当者または医療機関の治験担当医は、必要
に応じて,関連する治験の進渉状況を試験評価システム
1上で確認することができる。
【0092】図30および31は、図8の有害事象管理
報告ステップS1129の詳細な処理フローである。シ
ステム管理装置10の有害事象管理報告手段31は、有
害な副作用が発生したと認められる場合に、治験担当
医、責任医師、製薬会社の治験担当者らに有害事象報告
を緊急発信し、試験中の薬剤との関連性の判定を促す。
【0093】まず、図30のステップS3002で、シ
ステム管理装置10の有害事象管理報告手段31は、デ
ータベース14の治験計画詳細テーブル48を参照し
て、観察項目に該当するかどうかを判断する。観察項目
である場合は、ステップS3004で、順序・実数デー
タかどうかを判断する。順序データとは、「とても良
い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「最悪」などの
順序で表現するデータであり、たとえば、+++、++、
+、+-、−などで表わされる。実数データというのは最
高血圧165というふうに、実際の数値で表わされるデ
ータである。ステップS3004で順序・実数データで
ない場合は(たとえば感染症で検査される細菌の種類な
どの場合は)、ステップS3012にジャンプする。順
序・実数データである場合は、ステップS3006で実
数データかどうかを判断する。実数データである場合
は、ステップ3008で、有害事象管理手段31は、他
の観察日と比較して、値の上昇・下降率を計算し、ステ
ップS3010で、基準値に基づきどのように変化した
かを、医療機関の第2端末装置4の表示部4cに表示す
る。ステップS3006で実数データでない場合は、順
序データということになるので、上昇率などを計算する
意味がないので直接S3010で変化の状態を表示す
る。ステップS3012で、変化の状態が許容基準を超
える場合に、担当医は有害事象かどうかを判定し、デー
タベース14の症例データテーブル52に書き込む。ス
テップS3004で、順序・実数データではないと判断
された場合は、直接ステップS3012にジャンプし、
観察に基づいて有害事象に該当するかどうか判断する。
このとき、治験担当医による直接入力以外のデータ、す
なわち電子カルテや臨床検査会社から取り込まれたデー
タについてはペンディング項目とされ、ステップS30
10までの数値チェックは行わない。代わりに、ペンデ
ィング項目の洗い直しがされ、必要なものについてのみ
ステップS3012で有害事象の判定が行われる。
【0094】ステップS3014で、この有害事象と被
験薬剤との関連が疑われるか、あるいは重篤なのか、既
知の有害作用なのか未知の有害作用なのかが判断され
る。いずれにも該当しない場合は処理を終了する。ステ
ップS3014で、疑わしい、重篤、既知、未知のいず
れかに該当する場合は、ステップS3016で規制当局
への報告に必要な情報が、医療期間の端末からシステム
管理装置10のデータベース14の有害事象情報テーブ
ル53に書き込まれる。未知の作用はその程度にかかわ
りなく、規制当局への報告義務があり、既知の作用であ
っても、発生が確認されれば報告義務があるからであ
る。ステップS3018で、この有害事象について、デ
ータベース14の有害事象情報テーブル53を参照し
て、規制当局への報告様式に印刷される。同時に治験担
当医、製薬会社の治験担当者、および規制当局の担当者
に宛てて、ネットワークを介して報告様式がデータとし
て発信される。
【0095】図31は、図30で担当医により被験薬剤
との関連が指摘され、報告されたあとの詳細な処理フロ
ーである。システム管理装置10の有害事象管理報告手
段31によって、現在のユーザにアクセス権があるかど
うかが判断される。アクセス権ありと判断された場合
は、ステップS3104で薬剤コード、治験コードなど
の情報が入力され、ステップS3106で付与された症
例番号を入力する。ステップS3108で、各組織でシ
ステム管理装置10のデータベース14の症例データテ
ーブル52および有害事象情報テーブル53を参照し
て、観察されあるいは測定された値と試験中の薬剤との
関連性を協議する。協議の結果、試験中の薬剤の有害事
象であると判定された場合は、ステップS3110で、
各組織の端末装置を介してその判定結果と理由をデータ
ベース14の有害事象情報テーブル53に書き込む。
【0096】充分な症例データが得られたところで、図
8のステップS1131に示すように、製薬会社によっ
て集計・統計解析が実施される。図32は、集計・統計
解析処理の詳細な処理フローである。まずステップS3
202で、システム管理装置10の集計・統計解析支援
手段32は、現在のユーザにアクセス権があるかどうか
を判断する。アクセス権がある場合は、ステップS32
04で薬剤コード、治験コードなどを入力し、ステップ
S3206でSAS(統計解析)プログラムを作成する
か、実行するか、集計解析結果を管理するか、あるいは
参照するのかを選択する。作成を選択した場合は、ステ
ップS3208で、現在のユーザにプログラム作成権が
あるかどうかが判断され、作成権がある場合は、ステッ
プS3210でSASプログラムを登録して、システム
管理装置10のデータベース14の集計・解析記録テー
ブル54に書き込む。ステップS3206でSASプロ
グラムの実行を選択した場合は、ステップS3212
で、集計・統計解析支援手段32によって、現在のユー
ザにプログラムの実行権があるかどうかが判断される。
実行権ありと判断された場合は、ステップS3214で
SASプログラムを選択し、ステップS3216で、デ
ータベース14の症例管理情報テーブル51と症例デー
タテーブル52を参照してSASプログラムを実行す
る。ステップS3206でプログラムの管理が選択され
た場合は、ステップS3218で現在のユーザに管理権
があるかどうかが判断される。管理権ありと判断された
場合は、ステップS3220で、SASプログラム実行
時のログ登録を行う。作成権、実行権、および管理権が
認められているのは、製薬会社および製薬会社と契約す
るCROなどの設定されたユーザである。ステップS3
206でプログラムの参照が選択された場合は、ステッ
プS3222で参照権があるかどうかが判断され、参照
権ありの場合は、ステップS3224で、データベース
14の集計・解析記録テーブル54から、製薬会社の第
1端末2の表示装置2cまたは規制当局の第3端末6の
表示装置6cに集計・統計解析記録が表示される。
【0097】本発明の試験評価システム1の特徴とし
て、被験ボランティアと製薬会社と医療機関との間を調
整するコーディネート手段を有する。さらに、臨床試験
に組み込まれる一般の被験ボランティアへの同意手続き
(Informed Consent)を支援する手段を有する。具体的
には、システム管理装置10はホームページ39に治験
説明手段を有し、図8のステップS1133〜S113
7に示すように、製薬会社によって作成された一般ボラ
ンティア用情報をウェブサイトに掲載する。インターネ
ット上のウェブページには、薬剤の開発の仕組み、治験
の仕組みなどが掲載され、場合によっては音声による説
明がなされる。また、被験候補者(健常人または患者)
から同意書(Informed Consent)を取得する手続きを支
援する。このような機能により、治験に応募しようとす
る者は、同一の内容の説明を受けることができ、均質な
同意手続きが進められる。このような機能のうち、図8
のステップS1135に示す一般ユーザ(被験ボランテ
ィア)の登録処理の詳細な処理フローを図33および3
4に示す。
【0098】図33(a)は、試験評価システム1のホ
ームページの一例であり、図33(b)は、被験ボラン
ティアを希望する者を一般ユーザとして、試験評価シス
テム1に登録する際の処理フローである。図33(a)
の画面3300には、臨床試験情報の閲覧を希望する場
合の入力項目を示す。臨床試験情報は、図8のステップ
S1133に示すように、各製薬会社がそれぞれ開発し
た薬剤ごとに作成する情報である。製薬会社は臨床試験
に関する説明資料を第1端末2からシステム管理装置1
0にアップロードする。このとき、たとえばHTMLフ
ァイルを電子メールに添付し、ウェブマスタに送付し、
リンクを要請する。ユーザに印刷を許可する場合は、P
DFファイルとしても送付する。
【0099】治験参加希望者が一般ユーザとしての登録
を希望する場合は、まずステップS3302で、図33
(a)に示す画面3300上でメールアドレス、性別、
年齢を入力し、送信ボタン3301をクリックする。ス
テップS3304で、システム管理装置の治験説明手段
39は、すべての項目に記入があるかどうかを判断す
る。すべての項目が記入されていると判断された場合
は、ステップS3306で乱数を発生し、パスワードを
設定する。ステップS3308で、入力されたメールア
ドレス、性別、年齢とともに、パスワードと設定年月日
を記録する。ステップS3310でメールアドレスにパ
スワードを送信して処理を終了する。これにより、一般
ユーザとしての登録が完了する。このとき、プライバシ
ーを守るために、個人を特定できる情報の入力はない。
【0100】ステップS3304で、記入漏れがあると
判断された場合は、ステップS3312で再入力かキャ
ンセルかの表示を行う。ステップS3314でキャンセ
ルが選択されたかどうかを判断し、キャンセルの場合は
処理を終了し、再入力が選択された場合は(S3314
でNO)、ステップS3302に戻って、最初から入力
を行う。なお、再入力回数が3回を超えると、セキュリ
ティバイオレーションで処理を終了する。
【0101】図34は、一般ユーザとして登録された治
験参加希望者が、実際に個別の臨床試験情報にアクセス
するときの処理フローを示す。
【0102】図34(b)において、ステップS340
4で、ユーザは自己の端末装置の表示装置に図33
(a)に示すサインオン画面3400を表示し、ユーザ
名と付与されたパスワードを入力し、サインオンボタン
3401をクリックする。ステップS3406で、シス
テム管理装置の治験説明手段39は、ユーザ名に基づ
き、現在のユーザが登録された一般ユーザであるかどう
かを判断する。登録されたユーザである場合は、ステッ
プS3408でパスワードが正しいかどうかを判断す
る。正しいパスワードであれば、ステップS3410
で、一般ユーザとしての登録後1ヶ月以内かどうかを判
断する。1ヶ月以内の場合はステップS3412で後述
する疾患分類画面を表示する。1ヶ月を経過している場
合は(S3410でNO)、ステップS3414で再登
録の要求をして処理を終了する。また、ステップS34
06で、登録されたユーザではないと判断された場合
は、ステップS3416にジャンプして、登録の要求を
行い、処理を終了する。
【0103】本発明の試験処理システムの特徴として、
一般ユーザとして登録され、図36および37に示す処
理を経て被験者として登録された場合に、被験者は、治
験担当医および医療機関の許可を得て、パーソナルコン
ピュータなどの端末装置から自己の臨床試験情報のみを
閲覧することができる。この機能を、図35を参照して
説明する。
【0104】まず、図35のステップS3502で、シ
ステム管理装置10の症例管理手段28によって、現在
のユーザが被験者かどうか判断される。被験者である場
合に、ステップS3504で、システム管理装置10の
データベース14のシステム管理情報テーブル42、症
例管理情報テーブル51、および症例データテーブル5
2を参照して、CRF(Case Record Form:臨床試験デ
ータ記録用紙)の形式に従った症例データが、被験者の
端末装置に表示される。この被験者による情報閲覧は、
症例データについての情報の不正を防ぐうえでも、望ま
しい機能である。
【0105】図36および37は、図8のステップS1
137に示す被験ボランティアの署名・承諾処理を示
す。
【0106】図36に示す処理フローは、図34のステ
ップS3412における疾患分類画面の表示に引き続く
処理フローである。画面例3600には、様々な種類の
疾患が表示される。ステップS3602で、この疾患分
類画面の中から一般ユーザは参照したい疾患群をクリッ
クする。ステップS3604で、一般ユーザの端末装置
の表示画面には、画面例3601に示すように、選択さ
れた疾患に関して開発中の薬剤の一覧が表示される。開
発中の薬剤コードとともに、剤形、使用対象年齢、性別
なども表示される。ステップS3606で、一般ユーザ
は参照したい薬剤コードをクリックする。ステップS3
608で、一般ユーザの端末装置に秘密保守の同意画面
が表示される。目が不自由な一般ユーザのために、図示
しない朗読ボタンをクリックすると、音声で秘密保守同
意書が読み上げられる。ステップS3610で、秘密保
守に同意されたかどうかを判断する。同意がない場合は
処理を終了する。同意がない場合は処理を終了し、同意
があった場合は、ステップS3612で、選択された薬
剤の詳細な情報と治験の実施方法が一般ユーザの端末装
置に表示される。朗読ボタンを使用して、音声での案内
も可能である。ステップS3614で、一般ユーザ側に
治験内容についての質問があるかどうか判断される。質
問ありの場合は、ステップS3636へ進み、その薬剤
を担当するコーディネータの連絡先が表示される。テレ
ビ会議システムが導入されている医療機関では、自動的
にコーディネータと接続される。ステップS3618で
質疑応答が行われ、その後ステップS3620に進み、
一般ユーザによって治験に応募するかどうかの判断がな
される。
【0107】ステップS3614で治験内容に質問がな
い場合は、そのままステップS3620にジャンプし、
同じく治験に応募するかどうかの判断がなされる。応募
する場合は、ステップS3622で図37に示す治験へ
の応募処理が行われ、処理を終了する。ステップS36
20で治験に応募しない場合は、ステップS3624に
進み、他の薬剤を参照するかどうか判断される。他の薬
剤を参照する場合はステップS3604に戻って、薬剤
コード一覧画面3601が一般ユーザの端末装置に表示
される。他の薬剤を参照しない場合は、処理を終了す
る。
【0108】図37は、図36のステップS3622の
治験への応募処理の詳細なフローである。まずステップ
S3702で、被験ボランティア候補である一般ユーザ
の端末装置に、すでに医師あるいはコーディネータと面
接しているかどうかの質問が表示される。ステップS3
704で面接しているかどうかを判断する。すでに面接
済みの場合は、ステップS3706で電子署名が可能か
どうか判断する。これは、将来、法律上電子署名が許可
された場合に使用される判断ボックスであり、可能であ
れば、ステップS3708でボランティア候補の端末装
置にボランティアの権利を表示し、ステップS3710
で電子署名を行う。電子署名が行われた承諾データは、
システム管理装置10のデータベース14の症例管理情
報テーブル51に書き込まれ、ステップS3712で被
験者の承諾書を出力する。ステップS3706で電子署
名がまだ認められない間は、ステップS3714で、被
験ボランティアの端末装置にボランティアの権利を表示
し、承諾書をプリントアウトして担当医に提出するよう
に促す。その後、ステップS3712で承諾書を出力
し、処理を終了する。
【0109】ステップS3704で、まだ面接をしてい
ない場合は、ステップS3716で被験ボランティアに
居住地を入力するように要求する。ステップS3718
で被験ボランティアの居住地の入力を受けて、ステップ
S3720で、被験ボランティアの端末装置に、データ
ベース14の治験機関情報テーブル46および治験医情
報テーブル47を参照して、近隣の治験担当病院および
医師名のリストを表示する。さらに、ステップS372
2で、治験薬剤、治験コードなどの情報を出力させて処
理を終了する。
【0110】このように、本発明によれば、被験ボラン
ティアを採用する初期の段階からコーディネータあるい
は治験医により行われていた手続きを、システム管理装
置10により迅速に、かつ秘密を保持した状態で行われ
ることになる。
【0111】さて、試験データの採取および分析を終え
たならば、図9に示す治験終了手続に移行する。
【0112】図9のステップS1139で、治験医は医
療機関の第2端末4から、システム管理装置10のデー
タベース14の治験委受託情報テーブル49に、その医
療機関での臨床試験が終了した旨を知らせる治験終了報
告を書き込む。システム管理装置10の治験進渉管理手
段29は、書き込まれた終了報告に基き、図29の治験
進渉状況画面2900において、臨床試験を終了した医
療機関の情報として、治験終了の事実を追加し、製薬会
社の第1端末2の表示装置2cに表示する。製薬会社
は、システム管理装置10の治験委受託情報テーブル4
9に、治験終了日を書き込む。この処理は、図20のス
テップS2014に対応する。医療機関は、第2端末4
を介して、治験終了を確認する。
【0113】ステップS1141で、システム管理装置
10のデータベース14の治験薬剤情報テーブル50に
基づいて、医療機関から製薬会社への治験薬剤の返送を
行う。これは、図24のステップS2410に対応す
る。一方、製薬会社では、返送された治験薬剤を回収入
庫する。これは図23のステップS2310に対応す
る。
【0114】治験薬剤の臨床試験に関わったすべての医
療機関から、試験終了報告を得て、治験薬剤の回収を行
ったところで、ステップS1143で、治験終了手続き
を行う。すなわち、システム管理装置10のデータベー
ス14の治験計画詳細テーブル48に、試験終了を書き
込む。これは図18のステップ1818に対応する。ス
テップS1145で、システム管理装置10の治験届出
支援手段25は、治験終了の届出書類を作成し、規制当
局の第3端末6の表示装置6cに表示する。製薬会社お
よび規制当局は、第1端末2および第3端末6から治験
終了届出をハードコピーとして出力することができる。
【0115】このようにして、臨床試験が終了するが、
本発明のさらなる特徴として、製薬会社の社内監査担当
者と規制当局の査察担当は、常時システム管理装置10
にアクセスして、試験状況等を査察または監査すること
ができる。これらの監査・査察担当者は、あらかじめ組
織マネージャから図11に示したユーザ設定処理によ
り、アクセス権が認められている。
【0116】図38は、システム管理装置10の当局査
察支援手段34による処理を示す。ステップS3802
で、現在のユーザが規制当局の設定されたユーザである
かどうかを判断する。設定されたユーザである場合は、
ステップS3804で薬剤コード、治験コード等を入力
する。ステップS3806で、規制当局の第3端末6の
表示装置6cに、特定の治験薬剤に関し、システム管理
装置10のデータベース14に設けられた各テーブルの
内容が表示される。ステップS3808で、必要である
と思われる情報について、第3端末6から出力して処理
を終了する。
【0117】図39は、システム管理装置10の社内監
査支援手段35による処理を示す。ステップS3902
で、アクセス権があるかどうかを判断する。アクセス権
がある場合に、ステップS3904で薬剤コード、治験
コードなどを入力し、ステップS3906で症例番号を
入力する。ステップS3908で、システム管理装置1
0のデータベース14の症例データテーブル52、有害
事象情報テーブル53、査察・監査証跡テーブル56、
およびデータ変更履歴を参照して、未入力、ブランク、
ペンディング項目、投与量、投与状況を抽出し、最後の
監査時以降の訂正データを証跡する。これらの情報は、
データベース14の査察・監査証跡テーブル56に書き
込まれる。ステップS3910で一覧表を出力する。ス
テップS3912で、製薬会社の第1端末2を介して、
監査担当者によるコメントを入力させ、これも査察・監
査証跡テーブル56に追加する。ステップS3914で
監査日時を更新して処理を終了する。監査日時の更新
は、システム管理装置10のデータベースの症例データ
テーブル52、有害事象情報テーブル53、データ変更
履歴に反映される。
【0118】本発明の試験評価システム1では、厳重な
セキュリティを維持するため、すべてのアクセス、設
定、編集について、履歴を取る。そのため、システム管
理装置10は、アクセス記録用データベース36と、設
定・編集記録データベース37と、データ変更履歴デー
タベース38とを別々に有する。特に、一部の情報につ
いて、一般ユーザ(被験者など)からのアクセスを可能
としているため、悪意によるシステムへのアクセスを防
止すべく、一般ユーザと会員ユーザ(組織マネージャに
よって設定されたユーザ)のすべてのアクセスについ
て、そのアクセス時刻、アクセスした機能を記録してお
く。このようなアクセス記録は逐次分析し、必要であれ
ば、次回から問題のあるユーザからのアクセスをできな
いように設定を変更し、このユーザに対してメッセージ
を送る。
【0119】さらに、本発明の試験評価システム1は、
蓄積された情報をコンピュータシステムの故障、地震や
火災などのトラブルから保護するためにバックアップを
行うだけでなく、同一のシステムを当該システムと地域
的に別の場所に稼動させておき、さらに通信回線を二重
化し、緊急時に対処できるようにする。一方、本発明の
試験評価システム1にアクセスするときは、電子商取引
などで一般的になっている128ビットSSLなどの暗
号化技術を用い、通信データの秘密性を保証できるよう
にする。
【0120】上記の実施形態では、インターネット20
を介して各組織とシステム管理装置とを接続する例を用
いて本発明を説明した。しかし、専用ネットワーク、イ
ントラネット、衛星通信網などを用いても、本発明のシ
ステムおよび方法は実行可能である。また、端末装置と
して、デスクトップコンピュータ、ノートタイプコンピ
ュータ、ファクシミリ装置、携帯端末、その他、データ
の送受信および入力、表示ができる装置であれば、任意
のものが使用される。
【0121】また、第1組織は、単一の製薬会社であっ
ても、複数の製薬会社の集合であってもよい。さらに、
第1組織からの治験依頼を受託する第2組織は、1以上
の医療機関であってもよい。
【0122】
【発明の効果】本発明の薬品の製造方法によれば、最も
時間と費用のかかる臨床試験過程での作業、情報の重複
を防止し、書類手続きによる時間のロスを回避する。こ
の結果、試験期間を短縮できるとともに、医薬品の製造
コストを低減できる。また、試験の信頼性が向上するた
め、有用な薬剤を迅速に市場で提供することが可能にな
る。
【0123】本発明の試験評価システムおよび試験評価
方法によれば、各組織での情報の重複に起因する試験の
質の劣化を防ぎ、試験の迅速化を実現することができ
る。また、試験評価の過程での情報処理に伴う作業を大
幅に低減し、試験コストの低減と、試験期間の短縮化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験評価システムの概略構成図であ
る。
【図2】図1に示すシステム管理装置の中央演算処理装
置の構成図である。
【図3】図1に示すシステム管理装置のデータベース中
の情報テーブルを示す図である。
【図4】図1に示す試験評価システムを用いた薬品の製
造方法を示す図である。
【図5】図1に示す試験評価システムを医薬品の臨床試
験に適用した場合の、医薬品の製造方法を示す図であ
る。
【図6】図5に示す医薬品の製造方法に関わる各組織の
作業を経時的に示す図であり、臨床試験の準備段階の流
れを示す図である。
【図7】図6の準備段階に引き続く図であり、医薬品の
臨床試験の治験計画段階および治験委受託段階の流れを
示す図である。
【図8】図7に引き続く図であり、実際に臨床試験が開
始された後の処理の流れを示す図である。
【図9】図8に引き続く図であり、臨床試験の終了段階
の流れを示す図である。
【図10】図1に示す試験評価システムにおいて、関連
組織間でどのようにしてシステム管理装置へのアクセス
権が認められるかを説明するための図である。
【図11】システム管理装置へのアクセス権が認められ
るユーザの設定方法を示す図であり、図11(a)は、
組織内ユーザの設定処理フローを、図11(b)は、組
織外ユーザの設定処理フローを示す図である。
【図12】システム管理装置のセキュリティ手段を説明
するための図であり、図12(a)はユーザの端末装置
に表示される画面例を、図12(b)は設定されたユー
ザに応じてアクセスできる機能を制限する処理フローを
示すフローチャートである。
【図13】製薬会社の端末装置に表示される薬剤基本情
報の設定画面の一例を示す図である。
【図14】システム管理装置の薬剤基本情報設定手段に
よる、薬剤基本情報の設定処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図15】システム管理装置の治験計画立案支援手段に
よる、治験計画立案処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図16】システム管理装置の治験計画立案支援手段に
より、製薬会社の端末装置に表示される治験計画画面の
一例を示す図である。
【図17】治験計画を立案するために、治験計画立案支
援手段により、システム管理装置のデータベースの治験
機関情報および治験医情報を参照する処理を示すフロー
チャートである。
【図18】システム管理装置の治験届出支援手段によ
り、治験実施計画の届出書を作成する処理の流れを示す
フローチャートである。
【図19】システム管理装置のルールチェック管理手段
により、臨床試験過程で入力された値が適正であるかど
うかをチェックする処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図20】システム管理装置の治験委受託手続支援手段
により、製薬会社から医療機関への治験の委託手続きを
実行する処理を示すフローチャートである。
【図21】システム管理装置の治験委受託手続支援手段
により、製薬会社からの治験依頼書を医療機関に送信
し、受託を支援する処理を示すフローチャートである。
【図22】システム管理装置の治験委受託手続支援手段
により、医療機関で受託するかどうかの審査を支援する
処理を示すフローチャートである。
【図23】システム管理装置の治験薬剤管理手段によ
る、製薬会社および医療機関での治験薬剤の入庫管理処
理を示すフローチャートである。
【図24】システム管理装置の治験薬剤管理手段によ
る、製薬会社での治験薬剤の出庫管理処理を示すフロー
チャートである。
【図25】システム管理装置の症例管理手段による、臨
床試験過程での症例の組込みを示すフローチャートであ
る。
【図26】システム管理装置の症例管理手段による、被
験者の管理処理を示すフローチャートである。
【図27】システム管理装置の症例データ入出力手段に
よる、症例データの取り込みおよび治験医からのデータ
入力を示すフローチャートである。
【図28】システム管理装置の症例データ入出力手段に
よる、臨床試験の中止基準チェックを示すフローチャー
トである。
【図29】システム管理装置の治験進渉管理手段による
治験進渉状況の管理を示す図であり、図29(a)は進
渉状況表示画面の一例を示し、図29(b)は進渉状況
表示の処理フローを示す。
【図30】システム管理装置の有害事象管理報告手段に
よる有害事象の判定処理を示すフローチャートである。
【図31】システム管理装置の有害事象管理報告手段に
よる、各組織間での有害事象の検討協議支援処理を示す
フローチャートである。
【図32】システム管理装置の集計・統計解析支援手段
による症例データの統計・解析処理を示すフローチャー
トである。
【図33】システム管理装置の治験説明手段を説明する
ための図であり、図33(a)は、本発明の試験評価シ
ステムのホームページの一例を示し、図33(b)は被
験ボランティア候補を一般ユーザとして登録するフロー
チャートである。
【図34】システム管理装置のシステム管理手段によ
る、被験ボランティア(一般ユーザ)のサインオン処理
の図であり、図34(a)は被験ボランティアのサイン
オン画面の一例を示し、図34(b)は登録処理のフロ
ーチャートである。
【図35】システム管理装置の治験説明手段による、被
験ボランティアへの自己情報の閲覧許可を示すフローチ
ャートである。
【図36】システム管理装置の治験説明手段による、被
験ボランティアからの同意書取得処理を示す図である。
【図37】システム管理装置の治験説明手段による、被
験ボランティアの個別の治験への応募処理を示すフロー
チャートである。
【図38】システム管理装置の当局査察支援手段によ
る、査察支援処理のフローチャートである。
【図39】システム管理装置の社内監査支援手段によ
る、社内監査処理のフローチャートである。
【符号の説明】 1 試験評価システム 2、4、6 端末装置 2a、4a、6a 送信部 2b、4b、6b 受信部 2c、4c、6c 表示部 2d、4d、6d 入力部 10 システム管理装置 12 CPU(中央演算処理装置) 14 データベース(データ記憶装置) 16 プログラム記憶装置 20 インターネット 21 セキュリティチェッカ 22 システム管理部 23 薬剤基本情報設定手段 24 治験計画立案支援手段 25 治験届出支援手段 26 治験委受託手続支援手段 27 治験薬剤管理手段 28 症例管理手段 29 治験進渉管理手段 30 症例データ入出力手段 31 有害事象管理報告手段 32 集計・統計解析支援手段 33 ルールチェック管理手段 34 当局査察支援手段 35 社内監査支援手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図20】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図15】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図35】
【図24】
【図25】
【図26】
【図28】
【図27】
【図29】
【図30】
【図31】
【図37】
【図32】
【図33】
【図34】
【図36】
【図38】
【図39】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齊藤 博 東京都品川区南大井4−15−2−801 (72)発明者 安藤 永一 神奈川県川崎市川崎区京町2−24−4− 1403 (72)発明者 山橋 愛子 千葉県習志野市谷津3−1−31−402

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬品の仕様を設計するステップと、 前記設計に基づき試験用薬品を生成するステップと、 第1の端末装置に、前記試験用薬品に関する薬品情報と
    治験依頼を、薬品の試験評価システムのシステム管理装
    置に送信させ、該システム管理装置のデータ記憶装置に
    書き込むことを許可するステップと、 前記治験依頼を、前記システム管理装置の送信部から、
    前記第1の端末装置とは異なる組織に属する第2の端末
    装置の受信部に送信し、前記第2端末装置の表示部に表
    示させるステップと、 前記第2端末装置に、前記薬品の試験情報である試験デ
    ータを前記システム管理装置のデータ記憶装置に書き込
    むことを許可するステップと、 記試験データを第1端末装置で集計・統計解析した記録
    を、前記第1の端末装置から前記システム管理装置のデ
    ータベースに書き込むことを許可するステップと、 前記薬品基本情報および試験データの集計・統計解析記
    録に基づき、第3端末装置を有する規制当局に、本生産
    の実行を許可するか否かを判断させるステップと、 前記本生産の実行を許可すると判断された場合に、前記
    薬品の本生産を行うステップとを含む薬品の製造方法。
  2. 【請求項2】 演算処理装置と、前記演算処理装置に接
    続されたデータ記憶装置およびプログラム記憶装置とを
    有するシステム管理装置と、 ネットワークを介して前記システム管理装置に接続され
    る第1組織の第1端末装置と、 ネットワークを介して前記システム管理装置に接続され
    る、前記第1組織とは異なる第2組織の第2端末装置
    と、 を含み、前記システム管理装置は、 前記第1端末装置に、試験を行うべき薬品に関する基本
    情報を前記データ記憶装置へ書き込むことを許可する薬
    剤基本情報設定手段と、 前記第1端末装置に、治験依頼を含む治験委託情報の前
    記データ記憶装置への書き込みを許可し、前記治験依頼
    を前記第2端末装置の受信部に送信し、前記第2端末装
    置に、治験を受託する旨の治験受託情報を前記データ記
    憶装置に書き込むことを許可する治験委受託支援手段
    と、 前記第2端末装置に、前記薬剤の試験結果に関連する情
    報を前記データ記憶装置に書き込むことを許可する手段
    と、 前記第1端末装置に、前記試験結果に関連する情報の集
    計・統計解析記録を前記データ記憶装置に書き込むこと
    を許可する集計・統計解析支援手段とを有することを特
    徴とする薬品の試験評価システム。
  3. 【請求項3】 前記システム管理装置は、システム管理
    部をさらに有し、システム管理部は、特定の薬品の試験
    に関してシステム管理装置へのアクセス権が認められた
    組織内ユーザに関する情報を、前記第1端末装置および
    第2端末装置の入力部から前記データベースへ書き込む
    ことを許可することを特徴とする請求項2に記載の薬品
    の試験評価システム。
  4. 【請求項4】 前記システム管理部は、前記第1組織の
    組織マネージャに、特定の薬品の試験に関してシステム
    管理装置へのアクセス権が認められる第1組織以外の組
    織外ユーザを指定させ、指定された組織外ユーザに関す
    る情報を、前記第1端末装置の入力部から前記データベ
    ースに書き込むことを許可することを特徴とする請求項
    3に記載の薬品の試験評価システム。
  5. 【請求項5】 前記システム管理装置は、ルールチェッ
    ク管理手段をさらに有し、前記ルールチェック管理手段
    は、前記第2端末装置に、薬品の試験に関してチェック
    すべき1以上のチェック項目と、前記チェック項目に含
    まれる1のトリガ項目とを前記データ記憶装置に書き込
    むことを許可し、前記トリガ項目に前記第2端末装置の
    入力部からデータ入力があった場合に、入力された値の
    適正さについてのチェックを自動的に開始することを特
    徴とする請求項2に記載の薬品の試験評価システム。
  6. 【請求項6】 前記システム管理装置は、 前記第1端末装置に試験計画についての詳細情報を前記
    データ記憶装置に書き込むことを許可する治験計画立案
    支援手段と、 前記第2端末装置に、症例に関するデータを前記データ
    記憶装置に書き込むことを許可する症例データ入出力手
    段とをさらに有し、前記症例データ入出力手段は、前記
    データ記憶装置に書き込まれた試験計画詳細を参照し
    て、特定の症例に関して試験中止の是非を決定する判断
    項目と判断基準値を設定し、前記判断項目に入力があっ
    た場合に、入力された値と前記判断基準値とを比較し
    て、前記特定の症例に関して試験を中止するかどうかを
    判断することを特徴とする請求項2に記載の薬品の試験
    評価システム。
  7. 【請求項7】 前記システム管理装置は、前記データ記
    憶装置に書き込まれた薬剤基本情報と治験計画詳細に基
    づいて、試験の許可を得るための届出書類を作成する治
    験届出支援手段をさらに有し、前記治験届出支援手段
    は、前記第1および第2の組織とは異なる第3組織の第
    3端末装置の表示部に、前記届出書類を表示させること
    を特徴とする請求項6に記載の薬品の試験評価システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記システム管理装置は、治験説明手段
    をさらに有し、前記治験説明手段は、前記第1端末装置
    に、被験ボランティアのための応募情報を前記データ記
    憶装置に書き込むことを許可し、前記被験ボランティア
    の端末装置の表示部に前記応募情報を表示させることを
    特徴とする請求項2に記載の薬品の試験評価システム。
  9. 【請求項9】 前記システム管理装置は症例管理手段を
    さらに有し、前記症例管理手段は、被験者に、前記デー
    タ記憶装置に記憶された被験者自身の症例についての情
    報を閲覧することを許可することを特徴とする、請求項
    2に記載の薬品の試験評価システム。
  10. 【請求項10】 システム管理装置にネットワークを介
    して接続された第1端末装置に、前記システム管理装置
    のデータ記憶装置に対し、試験を行うべき薬品に関する
    薬品基本情報と、治験依頼を含む治験委受託情報と、治
    験計画詳細との書き込みを認めるステップと、 前記システム管理装置にネットワークを介して接続され
    た第2端末装置の表示部に、第1端末装置によりデータ
    記憶装置に書き込まれた治験依頼を表示させ、前記第2
    端末装置に、前記治験委受託情報への書き込みを認める
    ステップと、 前記第2端末装置に、前記データ記憶装置に対して前記
    薬品の試験結果に関する情報の書き込みを認めるステッ
    プと、 前記第1端末装置に、前記試験結果に関する情報の集計
    ・統計解析記録を前記データ記憶装置に書き込むことを
    認めるステップとを含む薬品の試験評価方法。
  11. 【請求項11】 特定の薬品の試験に関して、前記第1
    端末装置から前記システム管理装置にアクセスする権利
    が認められたユーザと、前記第2端末装置から前記シス
    テム管理装置にアクセスする権利が認められたユーザと
    を、前記データベースに登録するステップをさらに含む
    ことを特徴とする請求項10に記載の薬品の試験評価方
    法。
  12. 【請求項12】 前記第2端末装置に、特定の薬品の試
    験に関してチェックすべき1以上のチェック項目と、前
    記チェック項目に含まれる1のトリガ項目とを前記デー
    タ記憶装置に書き込むことを許可するステップと、 前記トリガ項目に前記第2端末装置の入力部からデータ
    入力があった場合に、入力された値の適正さについての
    チェックを自動的に開始するステップとをさらに含むこ
    とを特徴とする請求項10または11に記載の薬品の試
    験評価方法。
  13. 【請求項13】 前記第1端末装置に、薬品の試験計画
    についての詳細情報を前記データ記憶装置に書き込むこ
    とを許可するステップと、 前記第2端末装置に、症例に関するデータを前記データ
    記憶装置に書き込むことを許可するステップと前記シス
    テム管理装置に、前記データ記憶装置に書き込まれた試
    験計画詳細を参照させて、特定の症例に関して試験中止
    の是非を決定する判断項目と判断基準値を設定させ、前
    記判断項目に入力があった場合に、入力された値と前記
    判断基準値とを比較させるステップとをさらに含むこと
    を特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の薬品
    の試験評価方法。
  14. 【請求項14】 被験者に対し、前記データ記憶装置に
    書き込まれた症例に関する情報のうち、前記被験者自身
    についての症例情報について、前記被験者の端末装置を
    介して閲覧を許可するステップをさらに含むことを特徴
    とする請求項13に記載の薬品の試験評価方法。
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