以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
(遺伝子検査)
はじめに、遺伝子検査について、図1を用いて説明する。図1は、遺伝子検査および治療の流れの一例を示す図である。ここでは、遺伝子検査の一例として、遺伝子パネル検査を行う場合の流れを説明する。遺伝子パネル検査は、次世代シーケンサーなどを用いて、各患者について一度に多くの遺伝子の変異を網羅的に調べることが可能な検査である。
<工程I:患者説明(検査依頼前)>
工程Iは、医療施設B1において、医療関係者である担当医師H1aから患者P1に、遺伝子パネル検査の利点や留意点などについて説明する工程である。遺伝子パネル検査を実施することの患者P1の同意が得られた場合、工程IIに進む。
<工程II:検体準備>
工程IIは、医療施設B1において、医療関係者である病理医H1bが遺伝子パネル検査に供する検体を準備する工程である。検体は、遺伝子パネル検査に供する遺伝子が抽出可能な病変組織検体であり、例えば、患者P1の病変組織をホルマリン固定パラフィン包埋したFFPE(Formalin-Fixed Paraffin-Embedded)である。工程IIより前に、病理医H1bによる病理診断のために病変組織検体が作成された場合、この病変組織検体を遺伝子パネル検査に用いてもよい。
なお、医療施設B1において、病変組織における遺伝子の変異を検出するときに比較対象となる野生型の遺伝子を抽出するための検体として、血液検体を患者P1からさらに採取してもよい。この場合、一回の遺伝子パネル検査に対して、FFPE検体および血液検体の複数検体を供することとなる。
患者P1の病変組織検体および血液検体は、医療施設から遺伝子パネル検査を実施する検査施設C1へと輸送される。なお、患者P1のFFPE検体および血液検体の輸送は、運送を業とする運送事業者が行ってもよいし、遺伝子パネル検査の依頼を受けた検査施設C1が直接行ってもよい。
<工程III:シーケンシング実施>
工程IIIは、患者P1の病変組織検体および血液検体を受け取った検査施設C1において、医療関係者である臨床検査技師H3が、病変組織検体および血液検体から遺伝子を抽出する前処理を行い、抽出した遺伝子の塩基配列を次世代シーケンサーC13により読み取る工程である。
<工程IV:検査結果レポート作成>
工程IVは、検査施設C1において、臨床検査技師H3が、次世代シーケンサーC13により読み取った塩基配列を解析し、塩基配列中の変異の有無、変異の位置、および変異の種別などを特定して検査結果レポートを作成する工程である。
検査結果レポートは、検査に用いた遺伝子パネルに関する情報、検査結果に関する情報、および検査の品質を評価する品質評価指標に関する情報を含んでいる。検査結果に関する情報は、例えば、塩基配列中の変異の有無、変異の位置、および変異の種別である。また、検査結果レポートは、遺伝子パネル検査によって検出された変異に関連する薬剤情報および学術論文情報などが含まれていてもよい。
ここで、「変異」は、遺伝子のヌクレオチドの置換、欠失、または挿入、遺伝子の融合、もしくはコピー数多型を含んでいる。「置換」は、遺伝子の配列のうち少なくとも1塩基が異なる塩基となる現象をいう。「置換」は、点突然変異および1塩基多型を含む。「欠失」および「挿入」は、「InDel(Insertion and/or Deletion)」とも記載される。InDelは、遺伝子の配列のうち少なくとも1塩基が挿入され、および/または欠失する現象である。「遺伝子の融合」は、染色体の転座などにより、ある遺伝子の5’側の配列と、別の遺伝子の3’末端側の配列とが結合する現象をいう。「コピー数多型」とは、1細胞あたりのゲノム上のコピー数が、個体間で異なることをいう。具体的には、VNTR(Variable Nucleotide of Tandem Repeat、反復配列多型)、およびSTRP(Short Tandem Repeat Polymorphism、マイクロサテライト多型)、遺伝子増幅などが例として挙げられる。
また、「品質評価指標に関する情報」は、遺伝子パネル検査が適切に行われたかを評価するための指標であり、例えば、解析対象となる遺伝子に含まれる全塩基配列に対する読み取られた塩基配列の割合、読み取られた塩基配列の読み取り深度(Depth of coverage)、品質管理試料に含まれる標準遺伝子が有する変異の検出有無、などが挙げられる。ここで、品質管理試料とは、次世代シーケンサーC13のシーケンシングにおいて読み取られるべき既知の変異を含む遺伝子試料である。
<工程V:専門家会議開催>
工程Vは、遺伝子パネル検査の検査結果を医学的に解釈するための専門家集団である、複数の医療関係者が、医療施設B1、B2、検査施設C1、C2、および外部施設D1、およびD2などから参加し、専門家会議を開催する工程である。専門家会議では、複数の医療関係者が、遺伝子パネル検査の検査結果レポート、患者P1の臨床情報、患者P1の遺伝的背景、最新の学術的知見などを参照して多角的に議論し、有効性が期待される治療方針を患者毎に策定する。専門家会議にて参照する患者P1の「臨床情報」は、例えば、患者P1が受診する医療施設B1において作成された電子カルテ、病理医H1bによって撮像された病理画像である。
ここで、専門家会議に参加する「医療関係者」とは、例えば、(1)医療施設B1に属する、患者P1の担当医師H1a、病理医H1b、がん薬物療法の専門医、(2)検査施設C1に属する、臨床検査技師H3、(3)研究機関および大学などの外部施設D1、D2に属する、バイオインフォマティクスの専門家、遺伝カウンセラー、分子遺伝学の研究者、遺伝医学の専門医が挙げられる。つまり、専門家会議には、異なる施設および組織に属する複数の医療関係者が参加し得る。専門家会議は、ある医療施設B1に医療関係者が集まって開催される会議であってもよいし、一部または全ての医療関係者が通信ネットワークを介して参加するビデオ会議の形式であってもよい。
<工程VI:患者説明(専門家会議開催後)>
工程VIは、専門家会議での議論によって策定された患者P1の治療方針を、医療施設B1において、担当医師H1aが患者P1に説明する工程である。患者P1の同意が得られた場合、工程VIIに進む。
<工程VII:治療>
工程VIIは、医療施設B1において、専門家会議での議論によって策定された治療方針に基づいて患者P1の治療を実行する工程である。高度に専門的な知識や経験が要求される治療を行う場合、患者P1が受診している医療施設B1ではなく、治療を円滑に実行可能な体制を有する他の医療施設B2と連携して治療を実行してもよい。
工程Vにおいて、専門家会議を開催するためには、複数の医療関係者が参照するさまざまな情報を過不足なく収集し、事前に各医療関係者に提供する必要がある。しかし、例えば、患者P1の電子カルテおよび病理画像などの臨床情報は医療施設B1において管理されており、遺伝子パネル検査の検査結果は検査施設C1において管理されている。それゆえ、専門家会議を開催するための準備として、専門家会議において参照される情報を複数の施設から取り寄せて、各医療関係者に提供するという、多大な労力を要する作業が必要である。
本発明では、患者P1の遺伝子パネル検査の依頼に対する検査結果と、患者P1に関する臨床情報とを関連付け、関連付けられた検査結果と臨床情報とを医療関係者に提供する。これにより、専門家会議の開催準備を支援することができる。
<情報管理システム100の構成>
まず、本発明の一態様に係る情報管理システム100の構成について、図2を用いて説明する。図2は、情報管理システム100の構成例を示す図である。
情報管理システム100は、統合データ管理装置Aと、各種施設に設置された少なくとも1つの端末装置B13、B23、C14、C24、D11、D21、E12とを備えている。統合データ管理装置Aおよび端末装置B13、B23、C14、C24、D11、D21、E12は、通信ネットワーク90を介して通信可能に接続されている。
情報管理システム100は、統合データ管理装置A、および複数の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、D21、E12の少なくとも1つを備えていればよく、医療施設B1、B2、検査施設C1、C2、外部施設D1、D2、および運送事業所E1に設置されたその他の装置については必須の構成ではない。また、医療施設B1、B2、検査施設C1、C2、外部施設D1、D2、および運送事業所E1に設置されたその他の装置の詳細については後述する。
[統合データ管理装置A]
統合データ管理装置Aは、サーバとして機能するコンピュータである。統合データ管理装置Aは、通信ネットワーク90を介して、医療施設B1、B2、検査施設C1、C2、外部施設D1、D2、および運送事業所E1に設置されている端末装置などの各種機器、および、変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、学術論文情報管理装置F31と通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、統合データ管理装置Aがクラウドサーバである例を示しているが、これに限定されない。
図3は、統合データ管理装置Aの構成例を示すブロック図である。統合データ管理装置Aは、CPU(Central Processing Unit)である制御部10、記憶部である記憶部30を備えている。記憶部30は、情報管理システム100の動作に用いるプログラム301および統合データベース302を記憶している。
統合データ管理装置Aが実行する機能は、制御部10が記憶部30に記憶されているプログラム301を読み取り、プログラム301をRAM(Random Access Memory)において展開して実行することにより実現する。
統合データベース302には、制御部10が各種機能を実行する際に利用する各種テーブルおよびデータが格納されている。統合データベース302が格納する各種テーブルおよびデータの詳細は後述する。
[医療施設B1、B2]
図2に戻り、医療施設B1、B2は、患者P1の担当医師H1aなどの医療関係者が所属する病院等の医療機関である。
医療施設B1、B2には、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有する中核拠点病院が含まれていてもよい。また、医療施設B1、B2には、中核拠点病院と連携してがん治療などを円滑に実施できる体制を有する医療機関である連携拠点病院が含まれてもよい。連携拠点病院の患者P1に対して遺伝子パネル検査を実施する場合には、中核拠点病院が主催する専門家会議において連携拠点病院の患者P1の検査結果の解釈および治療方針の策定を行ってもよい。
なお、医療施設B1、B2に属する担当医師H1aおよび病理医H1bは、専門家会議に参加する医療関係者となり得る。
医療施設B1、B2には、電子カルテ管理装置B11、B21、病理画像管理装置B12、B22、および端末装置B13、B23が設置されている。また、医療施設B1、B2内には、LAN(Local Area Network)が配設されている。以下では、医療施設内のLANを「医療施設内LAN」と記す。医療施設内LANは通信ネットワーク90と通信可能に接続されている。医療施設B1、B2の医療施設内LANには、それぞれ、電子カルテ管理装置B11、B21、病理画像管理装置B12、B22および端末装置B13、B23が通信可能に接続されている。
電子カルテ管理装置B11、B21は、医療施設B1の患者の電子カルテ情報を管理するためのサーバとして機能するコンピュータである。また、病理画像管理装置B12、B22は、医療施設B1にて撮像された病理画像を管理するためのサーバとして機能するコンピュータである。
端末装置B13、B23は、医療施設B1、B2に所属する医療関係者が使用するコンピュータ端末である。端末装置B13、B23は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置B13、B23は、他装置との通信部、キーボードおよびマイク等の入力部、モニタ等の表示部、スピーカ等の出力部等を有している。
[検査施設C1、C2]
検査施設C1、C2は、医療施設B1、B2からの検査依頼に応じて遺伝子パネル検査を実施し、検査結果レポートを作成する臨床検査技師H3などの医療関係者が所属する検査受託機関である。
医療施設B1、B2内に遺伝子パネル検査を実施可能な検査室を有する場合には、遺伝子パネル検査を医療施設B1、B2内で実施してもよい。この場合、医療施設B1、B2が、検査施設C1、C2の機能を兼ねることとなる。
なお、検査施設C1、C2に属する臨床検査技師H3は、専門家会議に参加する医療関係者となり得る。
検査施設C1、C2には、検査情報管理装置C11、C21、次世代シーケンサーC13、C23、および端末装置C14、C24が設置されている。また、検査施設C1、C2内には、LANが配設されている。以下では、検査施設内のLANを「検査施設内LAN」と記す。検査施設内LANは通信ネットワーク90と通信可能に接続されている。検査施設C1、C2の検査施設内LANには、それぞれ、検査情報管理装置C11、C21、次世代シーケンサーC13、C23および検査施設C1、C2および端末装置C14、C24が通信可能に接続されている。
検査情報管理装置C11、C21は、検査情報を管理するためのサーバとして機能するコンピュータである。
次世代シーケンサーC13、C23は、検査施設C1にて実施される検査に用いられる各種装置であり、例えば、切断されたDNA断片の塩基配列を同時並行的に測定可能な次世代シーケンサーである。
端末装置C14、C24は、検査施設C1、C2に所属する医療関係者が使用するコンピュータ端末である。端末装置C14、C24は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置C14、C24は、例えば、他装置との通信部、キーボードおよびマイク等の入力部、モニタ等の表示部、スピーカ等の出力部等を有している。
[外部施設D1、D2]
外部施設D1、D2は、医療施設B1、B2および検査施設C1、C2以外の専門家などが所属する事業所および研究所である。外部施設D1、D2に属する医療関係者としては、例えば、バイオインフォマティクスの専門家、遺伝カウンセラー、分子遺伝学の研究者などである。
なお、外部施設D1、D2に属するバイオインフォマティクスの専門家、遺伝カウンセラー、分子遺伝学の研究者は、専門家会議に参加する医療関係者となり得る。
外部施設D1、D2には、端末装置D11、D21が設置されている。また、外部施設D1、D2内には、LANが配設されている。以下では、外部施設内のLANを「外部施設内LAN」と記す。外部施設内LANは通信ネットワーク90と通信可能に接続されている。外部施設D1、D2の外部施設内LANには、それぞれ、端末装置D11、D21が通信可能に接続されている。
端末装置D11、D21は、外部施設D1、D2に所属する医療関係者が使用するコンピュータ端末である。端末装置D11、D21は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置D11およびD21は、他装置との通信部、キーボードおよびマイク等の入力部、モニタ等の表示部、スピーカ等の出力部等を有している。
[運送事業所E1]
運送事業所E1は、遺伝子パネル検査の検査依頼元となる医療施設B1、B2から、検査依頼先となる検査施設C1、C2へ、検体を運送する運送員が所属する運送業者の事業所である。
検査施設C1、C2が検体の運送機能を有する場合には、検査施設C1、C2に属する運送員が医療施設B1、B2から検体を受け取り、検査施設C1、C2に輸送してもよい。この場合、検査施設C1、C2が、運送事業所E1の機能を兼ねることとなる。
なお、通常、運送事業所の運送員は医療関係者ではなく、専門家会議には参加しない。
運送事業所E1には、集配管理装置E11および端末装置E12が設置されている。また、運送事業所E1内には、LANが配設されている。以下では、運送事業所内のLANを「運送事業所内LAN」と記す。運送事業所内LANは通信ネットワーク90と通信可能に接続されている。運送事業所E1の運送事業所内LANには、集配管理装置E11および端末装置E12が通信可能に接続されている。
集配管理装置E11は、検体の集配を管理するためのサーバとして機能するコンピュータである。
端末装置E12は、運送事業所E1に所属する運送員が使用するコンピュータ端末である。端末装置E12は、通信ネットワーク90を介して、統合データ管理装置Aなどと通信可能に接続されている。端末装置E12は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置E12は、他装置との通信部、キーボードおよびマイク等の入力部、モニタ等の表示部、スピーカ等の出力部等を有している。なお、端末装置E12には、検体の識別情報を取得するためのRFIDリーダおよびバーコードリーダが接続されていてもよい。
[外部の情報管理装置]
情報管理システム100は、外部の情報管理装置と通信ネットワーク90を介して通信可能に接続されている。外部の情報管理装置は、例えば、変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、学術論文情報管理装置F31などである。
変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、および学術論文情報管理装置F31は、サーバとして機能するコンピュータである。変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、および学術論文情報管理装置F31が管理する情報は、検査施設C1、C2において実施された遺伝子パネル検査にて同定された変異に付与するアノテーション情報として用いられる。
変異情報管理装置F11が管理する情報としては、例えば、COSMICデータベース(ウェブページ、www.sanger.ac.uk/genetics/CGP/cosmic/)、ClinVarデータベース(ウェブページ、www.ncbi.nlm.nih.gov/clinvar/)およびdbSNP(ウェブページ、www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)などが挙げられる。
なお、変異情報管理装置F11が管理する情報は、人種あるいは動物種別毎の頻度情報を含むデータベースであってもよい。このような情報を有するデータベースとしては、例えば、HapMap Genome Browser release #28、Human Genetic Variation Browser(ウェブページ、www.genome.med.kyoto-u.ac.jp/SnpDB/index.html)および(1000 Genomes(ウェブページ、www.1000genomes.org/))が挙げられる。これらのデータベースからは、例えば、日本人の変異頻度情報などを入手することができる。なお、変異情報は、遺伝子の変異に関する情報に限らず、多型およびメチル化に関する情報も含んでいてもよい。
薬剤情報管理装置F21が管理する情報としては、例えば、承認済の各種薬剤の組成、構造式、用例、副作用などに関する情報、および未承認薬剤の治験に関する情報などを含んでいてもよい。
学術論文情報管理装置F31が管理する情報としては、例えば、科学雑誌などに投稿された、疾患、変異、および治療薬に関連する学術論文の書誌事項および本文データなどに関するに情報を含んでいてもよい。
[セキュリティ対策]
統合データ管理装置Aと、医療施設B1、B2の各種装置との通信は、VPN(Virtual Private Network)を利用することが望ましい。同様に、統合データ管理装置Aと、検査施設C1、C2の各種装置との通信については、VPNを利用することが望ましい。VPNを利用することにより、医療施設B1、B2における患者P1の臨床情報、および検査施設C1、C2における患者P1の遺伝子パネル検査の検査結果などを、第三者によって盗まれたり、改ざんされたりするような脅威から守ることができる。
また、統合データ管理装置Aは、各種のAPI(application program interface)を搭載している。統合データ管理装置Aは、APIを用いて、各種施設に設置された端末装置B13、B23、C14、C24、D11、D21に対して、専門家会議にて議論される患者P1の臨床情報、および遺伝子パネル検査の検査結果などを提供する。
なお、統合データ管理装置Aと、各種施設に設置された端末装置B13、B23、C14、C24、D11、D21との通信は、セキュリティ対策としてSSL(Secure Socket Layer)等の暗号化通信が利用されることが望ましい。これにより、専門家会議にて議論される患者P1の臨床情報、および遺伝子パネル検査の検査結果を、医療関係者に安全に提供することができる。
(情報管理システム100を用いた遺伝子検査の流れ)
次に、情報管理システム100を用いた遺伝子検査の流れについて、図4を用いて説明する。図4は、情報管理システム100を用いた遺伝子検査の流れの一例を示す図である。なお、図4は、図1に示した工程I~工程IVに対応させて、遺伝子検査の流れを示している。以下、医療施設B1が検査施設C1に対して遺伝子パネル検査を依頼する場合を例として説明する。
<工程Ia>
工程Iaは、統合データ管理装置Aが、担当医師H1aが使用する端末装置B13から、遺伝子パネル検査の依頼を受け付ける工程である。
工程Iaの検査依頼受付工程における処理について、図5を用いて説明する。図5は、検査依頼受付工程の処理の一例を示すフローチャートである。
工程Iaにおいて、担当医師H1aは、まず、医療施設B1において自分が使用する端末装置B13を用いて、情報管理システム100へログインするためのプログラムを起動し、ログイン情報を入力する。
統合データ管理装置Aは、ログインパスワードなどを含むログイン情報を端末装置B13から受信し(ステップS11)、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納されている認証テーブル38を参照して担当医師H1aが使用する端末装置B13からのログインを認証する(ステップS12)。
図6は、認証テーブル38の一例を示す図である。認証テーブル38は、統合データベース302に格納されている。図6に示すように、ユーザ毎に設定された認証用のログインパスワードと、各ユーザのユーザIDとの組が、認証テーブル38に記録されている。
統合データ管理装置Aによってログインが認証されると、統合データ管理装置Aの制御部10は、端末装置B13の表示部に、図7に示す検査依頼情報を入力するためのGUI(Graphical User Interface)130を表示させる。制御部10は、担当医師H1aのGUI130に対する入力に応じて、端末装置B13から検査依頼情報を受信する(ステップS13)。
[検査依頼情報を入力するためのGUI130]
担当医師H1aに検査依頼情報を入力させるために、統合データ管理装置Aによってログインが認証された端末装置B13の表示部に表示するGUI130について説明する。図7は、検査依頼情報を入力させるために端末装置B13の表示部に表示するGUI130の一例を示す図である。
GUI130は、検査を依頼する依頼元施設となる医療施設B1の情報の入力を受け付ける領域R1、検査依頼情報の入力を受け付ける領域R2、および検査依頼情報を端末装置B13から統合データ管理装置Aに送信する指示を受け付ける依頼ボタンR3を含んでいる。
領域R1には、医療施設B1の情報として、例えば、「施設名」、「施設ID」、「住所」、および「連絡先」の入力を受け付ける欄が設けられている。
ここで、「施設名」は、検査の依頼元である医療施設B1の名称である。「施設ID」は、各医療施設B1に割り当てられた識別情報である。統合データ管理装置Aは、統合データベース302に格納されている、図8に示す医療施設テーブル21を参照し、入力された施設名に対応する施設IDを自動的に施設IDの欄に表示させてもよい。
図8は、統合データベース302に格納されている医療施設テーブル21の一例を示す図である。医療施設テーブル21には、複数の施設IDと、各施設IDに対応する施設名とが関連付けて記録されている。
統合データ管理装置Aの制御部10は、GUI130を介した依頼元施設名の入力に応じて医療施設テーブル21を参照し、入力された施設名に対応する施設IDを検索する。入力された依頼元施設名に対応する施設IDが存在しない場合、統合データ管理装置Aは、入力された依頼元施設の施設IDを新たに生成し、施設名および生成した施設IDを関連付けて医療施設テーブル21に記録してもよい。
あるいは、統合データ管理装置Aの制御部10は、入力された施設名に対応する施設IDが存在しない旨を統合データ管理装置Aの管理者に通知する構成であってもよい。この場合、統合データ管理装置Aの管理者によって、入力された施設名に対応する施設IDが設定され、施設名および施設IDを関連付けて医療施設テーブル21に新たに記録される。
図7に戻り、依頼元施設の情報の入力を受け付ける領域R1に入力される「住所」は、検査依頼元の施設である医療施設B1の住所である。また、「連絡先」は、検査依頼元の施設である医療施設B1の電話番号および電子メールアドレスなどである。
領域R2には、検査依頼情報として、例えば、「検査種別」、「患者の担当医師」、「担当医師のユーザID」、「患者ID」、「患者の同意」、「患者氏名」、「患者の性別」、「患者の生年月日」、「検査施設」、「検査依頼日」、「検査結果を解釈する施設」、および「検査結果を解釈する施設のID」の入力を受け付ける欄が設けられている。
ここで、「検査種別」は、依頼する遺伝子パネル検査の種別に関する情報である。遺伝子パネル検査の種別は、例えば、検査の名称であってもよいし、依頼する遺伝子パネル検査に用いられる遺伝子パネル名などであってもよい。
統合データ管理装置Aの制御部10は、統合データベース302に格納されている遺伝子パネルテーブル22を参照し、情報管理システム100において使用が想定されている遺伝子パネル名のリストを医療施設B1の端末装置B13の表示部に表示させてもよい。担当医師H1aは、そのリストの中から検査種別として検査を依頼する遺伝子パネルを選択することができる。
図9は、統合データベース302に格納されている遺伝子パネルテーブル22の一例を示す図である。遺伝子パネルテーブル22には、遺伝子パネルIDと、各IDに対応する遺伝子パネル名とが関連付けて記録されている。統合データ管理装置Aの制御部10は、遺伝子パネルテーブル22を参照し、入力された遺伝子パネル名に対応する遺伝子パネルIDを検索する。
図7に戻り、検査依頼情報の入力を受け付ける領域R2に入力される「患者の担当医師」は、患者P1の担当医師H1aの氏名である。
また、「担当医師のユーザID」は、患者P1の担当医師H1aの識別情報である。ユーザIDは、医療関係者を識別するための医療関係者識別情報である。統合データ管理装置Aの制御部10は、図10に示す統合データベース302に格納されているユーザ登録テーブル23を参照し、入力された担当医師H1aの氏名に対応するユーザIDを自動的にユーザIDの欄に表示させてもよい。
図10は、統合データベース302に格納されているユーザ登録テーブル23の一例を示す図である。ユーザ登録テーブル23には、ユーザIDと、医療関係者の氏名と、医療関係者の連絡先と、医療関係者の専門分野とが関連付けて記録されている。ここで、医療関係者の専門分野とは、例えば、「肺がん」、「大腸がん」などの医療関係者が専門とするがんの種別である。
統合データ管理装置Aの制御部10は、GUI130を介した担当医師H1aの氏名の入力に応じてユーザ登録テーブル23を参照し、入力された担当医師H1aの氏名に対応するユーザIDを検索する。入力された氏名に対応するユーザIDが存在しない場合、制御部10は、当該医療関係者のユーザIDを新たに生成し、氏名および生成したユーザIDを関連付けてユーザ登録テーブル23に記録してもよい。
あるいは、統合データ管理装置Aの制御部10は、入力された氏名に対応するユーザIDが存在しない旨を統合データ管理装置Aの管理者に通知する構成であってもよい。この場合、統合データ管理装置Aの管理者によって、当該医療関係者の氏名に対応するユーザIDが設定され、医療関係者の氏名およびユーザIDを関連付けてユーザ登録テーブル23に記録される。
図7に戻り、検査依頼情報の入力を受け付ける領域R2に入力される「患者ID」は、患者P1に付与される識別情報である。患者IDは、検査依頼元の医療施設B1が各患者P1に個別に付与している患者IDであってもよい。あるいは、検査依頼情報を入力させる前に、統合データ管理装置Aの制御部10が生成した患者IDを制御部10から医療施設B1に設置された端末装置B13に通知してもよい。
領域R2に入力される「患者氏名」は、患者P1の氏名である。「患者の性別」は患者P1の性別である。「患者の生年月日」は、患者P1の生年月日である。ここで、「患者の年齢」の入力欄をGUI130に表示し、患者P1の年齢を入力させてもよい。
領域R2に入力される「検査依頼日」は、医療施設B1に設置された端末装置B13、から検査依頼を統合データ管理装置Aに送信する日付である。例えば、検査依頼情報の入力をさせるGUI130を端末装置B13の表示部に表示させたときに、その日の日付が検査依頼日として自動的に入力される構成であってもよい。
領域R2に入力される「検査施設」は、遺伝子パネル検査を実施する検査施設C1の名称である。名称に代えて、検査施設C1に対応する検査施設IDを入力させてもよい。
統合データ管理装置Aの制御部10は、GUI130を介した検査施設名の入力に応じて、図11に示す統合データベース302に格納されている検査施設テーブル24を参照し、検査依頼が可能な検査施設名のリストを医療施設B1の端末装置B13の表示部に表示させてもよい。担当医師H1aは、そのリストの中から検査を依頼する施設名を選択することができる。
図11は、統合データベース302に格納されている検査施設テーブル24の一例を示す図である。検査施設テーブル24には、検査施設IDと、各検査施設IDに対応する検査施設名とが、関連付けて記録されている。
図7に戻り、検査依頼情報の入力を受け付ける領域R2に入力される「検査結果を解釈する施設」は、遺伝子パネル検査の検査結果の解釈するための専門家会議を開催する施設の名称である。なお、専門家会議は、検査の依頼元である医療施設B1が自身で実施してもよいし、他の医療施設B2で開催される専門家会議への参加を申請してもよい。
検査依頼情報の入力を受け付ける領域R2に入力される「検査結果を解釈する施設のID」は、検査結果を解釈する検査施設名に対応する識別情報である。統合データ管理装置Aの制御部10は、統合データベース302に格納されている医療施設テーブル21を参照し、入力された検査結果を解釈する施設名に対応する施設IDを自動的に施設IDの欄に表示させてもよい。
検査結果を解釈する施設として入力された施設名に対応する施設IDが存在しない場合、制御部10によって生成した施設IDを施設名と関連付けて医療施設テーブル21に記録してもよい。あるいは、制御部10は、統合データ管理装置Aの管理者に、検査結果を解釈する施設名に対応する施設IDが存在しない旨を通知してもよい。
また、情報管理システム100を利用して検査が依頼される全ての患者P1に対して、情報管理システム100の制御部10が自動的に、各患者に個別の患者ID、検体ID、および各検査依頼に個別の検査依頼識別情報である検査依頼IDを付与する構成であってもよい。なお、統合データ管理装置Aの制御部10が、患者ID、および検査依頼IDを自動で付与するのではなく、検査依頼情報として担当医師H1aに入力させてもよい。例えば、医療施設B1にて予め策定されたルールに従って付与された患者ID、検体ID、および検査依頼IDを、担当医師H1aに入力させてもよい。
[検査依頼情報を入力するためのGUIの変形例]
図13は、患者P1の疾患名および疾患IDを入力させる欄R22およびR23を備えるGUI130aの一例を示す図である。このように、図7に示す検査依頼情報を入力するためのGUI130に代えて、領域R2に、患者P1の疾患名を入力させる欄R22および疾患IDを入力させる欄R23を設け、担当医師H1aに患者P1の疾患名および疾患IDを入力させるGUI130aを医療施設B1に設置された端末装置B13の表示部に表示してもよい。
<工程Ib>
図4に戻り、工程Ibは、統合データ管理装置Aが、医療施設B1に設置された端末装置B13に、検査依頼を受け付けたことを通知する工程である。
工程Ibでは、統合データ管理装置Aの制御部10は、端末装置B13に、患者IDおよび検査依頼IDなどを送信する。なお、工程Iaにおいて、患者IDが入力されなかった場合には、統合データ管理装置Aが患者IDを作成し、端末装置B13に患者IDを通知してもよい。
<工程Ic>
工程Icは、統合データ管理装置Aが、検査施設C1の検査情報管理装置C11に、検査依頼を受け付けたことを通知する工程である。
え 工程Icでは、統合データ管理装置Aの制御部10が、検査情報管理装置C11に、患者ID、検査依頼ID、検査を依頼する日、遺伝子パネル名、遺伝子パネルID、および患者P1の疾患IDなどの情報を送信する。
<工程Id>
工程Idは、統合データ管理装置Aが、運送事業所E1の集配管理装置E11に、検体の輸送依頼を送信する工程である。
工程Idでは、統合データ管理装置Aの制御部10が、運送事業所E1の端末装置E12に、患者ID、検査依頼ID、検査を実施する検査施設、および検査を実施する日などを送信する。
<工程Ie>
工程Ieは、統合データ管理装置Aが、医療施設B1に設置された端末装置B13から、検査依頼に対応する患者P1の臨床情報を受け付ける工程である。
工程Idにおいて、担当医師H1aは、端末装置B13を用いて電子カルテ管理装置B11から患者の臨床情報を読み出し、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に統合データ管理装置Aに送信する。
なお、患者P1の臨床情報を担当医師H1aが送信するのではなく、統合データ管理装置Aの制御部10が、患者P1の臨床情報を電子カルテ管理装置B11から自動的に取得する構成であってもよい。
<工程IIa>
工程IIaは、医療施設B1において、担当医師H1aが使用する端末装置B13から医療施設B1内の採血室の看護士などが使用する他の端末装置B13へ、患者P1の血液検体の準備を指示する工程である。担当医師H1aが使用する端末装置B13が送信する指示には、患者IDおよび検査依頼IDが含まれている。
この工程における血液検体の準備が完了すると、採血室の看護師などは、採血が完了した日時などの情報を採血室の端末装置B13から電子カルテ管理装置B11に送信し、患者P1の電子カルテを更新する。
<工程IIb>
工程IIbは、医療施設B1において、担当医師H1aが使用する端末装置B13から医療施設B1内の病理部の他の端末装置B13へ、患者P1の病変組織検体の準備を指示する工程である。担当医師H1aが使用する端末装置B13が送信する指示には、患者IDおよび検査依頼IDが含まれている。
この工程における病変組織検体の準備が完了すると、病理医H1bは、病変組織検体の準備が完了した日時などの情報を病理部の端末装置B13から電子カルテ管理装置B11に送信し、患者P1の電子カルテを更新する。
<工程IIc>
工程IIcは、統合データ管理装置Aが、血液検体の準備および病変組織検体の準備が完了した旨の通知を、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に受信する工程である。
工程IIcにおいて、統合データ管理装置Aの制御部10は、採血室の看護師および病理部の病理医H1bが使用する端末装置B13から、患者P1の検体の準備が完了した旨の通知を受け付ける。それに限らず、電子カルテ管理装置B11が、血液および病変組織の検体準備が完了したことを、統合データ管理装置Aに通知してもよい。
なお、統合データ管理装置Aが、電子カルテ管理装置B11を定期的に監視し、患者P1の電子カルテ管理装置B11に、血液検体および病変組織検体の準備状況の情報の更新を検出する構成であってもよい。また、検体の準備が完了していない場合にも、統合データ管理装置Aに検体の準備状況を示す情報を通知する構成であってもよい。例えば、検体の準備がまだ完了していない場合、採血室の看護師および病理部の病理医H1bが使用する端末装置B13または電子カルテ管理装置B11は、「検体準備中」という情報を統合データ管理装置Aに送信する。
<工程IId>
工程IIdは、統合データ管理装置Aが、病理医H1bが使用する端末装置B13から、患者ID、および検査依頼IDなどと共に患者P1の病理画像などを受信する工程である。
この工程において、統合データ管理装置Aの制御部10は、患者P1の病変組織検体を撮像した病理画像、病変組織検体を採取した日、採取した部位、および病理医所見などの情報を、病理画像管理装置B12から取得する。
なお、病理医H1bに患者P1の病理画像などの情報を統合データ管理装置Aに送信させてもよい。この場合、病理医H1bは、自身が使用する端末装置B13を用いて、医療施設内LANを介して、病理画像管理装置B12から患者P1の病理画像などを読み出し、患者IDおよび検査依頼IDと共に統合データ管理装置Aに送信する。
<工程IIe>
工程IIeは、統合データ管理装置Aが、運送事業所E1の運送員に対し、病変組織検体および血液検体の運送を依頼する工程である。医療施設B1における血液検体および病変組織検体の準備が完了し、医療施設B1から検査施設C1への輸送が可能となっていることを、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に、統合データ管理装置Aから運送事業所E1の集配管理装置E11に通知する。
<工程IIfおよびIIg>
工程IIfおよびIIgは、医療施設B1の採血室および病理部から、血液検体および病変組織検体を運送事業所E1の運送員に引き渡す工程である。
血液検体および病変組織検体を収容する検体容器およびその梱包には、検体を引き渡した医療施設B1を示す情報、検体の届け先となる検査施設C1を示す情報、検体を採取した患者P1の患者ID、および実施する遺伝子パネル検査の検査依頼IDなどを記憶しているRFIDタグが付与されている。あるいは、RFIDの代替として、医療施設B1を示す情報、検査施設C1を示す情報、患者ID、および検査依頼IDなどを読取り可能なバーコードが印刷されたシールが貼付されていてもよい。
<工程IIh>
工程IIhにおいて、運送事業所E1の運送員が持つ端末装置E21は、医療施設B1から受け取った血液検体および病変組織検体の梱包のRFIDタグあるいはバーコードから、医療施設B1を示す情報、検査施設C1を示す情報、患者ID、および検査依頼IDなどを読み取る。そして、運送事業所E1の端末装置E12は、読み取った情報と工程Idにおいて事前に通知されている情報とを突き合わせる。
運送事業所E1の運送員は、例えば、RFIDタグに記憶されている情報と、工程Idにおいて通知されている情報とが一致する血液検体および病変組織検体を医療施設B1から受け取る。その後、受け取りが完了したことを運送員が自身の端末装置E12に入力し、運送事業所E1の端末装置E12は、受取完了通知を集配管理装置E11に送信する。
<工程IIi>
工程IIiは、統合データ管理装置Aが、運送事業所E1による検体の受け取りが完了し、検査施設C1への輸送が開始された旨の通知を、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に、集配管理装置E11から受信する工程である。
<工程IIj>
工程IIjは、運送事業所E1の運送員が、医療施設B1から受け取った検体を検査施設C1に輸送する工程である。
運送員から検体を受け取った検査施設C1は、血液検体および病変組織検体の、RFIDタグに記憶されている情報と、工程IIIおいて通知されている情報とが一致することを確認する。正しい検体の受け取りを確認した後、検体の輸送が完了したことを、運送事業所E1の運送員が持つ端末装置E12から集配管理装置E11に通知する。
<工程IIk>
工程IIkは、統合データ管理装置Aが、検体の輸送が完了した旨の通知を、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に、集配管理装置E11から受信する工程である。
統合データ管理装置Aの制御部10は、検体の輸送に要した時間、検体の保管時および輸送時における温度管理情報などを含む輸送ログデータを、集配管理装置E11から取得してもよい。この場合、運送事業所E1の運送員は、検体の運送において収集した運送ログデータを運送員の持つ端末装置E12から集配管理装置E11に送信し事前に記録する。なお、輸送ログデータは、遺伝子パネル検査に供される検体の状態を示し、検査結果の信頼性に関連することから、専門家会議の場において輸送ログの情報を参考とすることができる。
<工程IIIa>
工程IIIは、検査施設C1において、血液検体および病変組織検体を用いて遺伝子パネル検査を実施する工程である。
遺伝子パネル検査は、例えば、検体からのDNA抽出などを含む前処理工程、次世代シーケンサーによる塩基配列を読み取るシーケンシング工程、病変組織における変異の抽出工程、を含んでいる。また、検査施設C1の検査情報管理装置C11は、抽出された変異に対し、変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、学術論文情報管理装置F31から取得した情報に基づいてアノテーションを付与してもよい。これにより、依頼を受けた遺伝子パネル検査の検査結果が得られる。
工程IIIaでは、検査施設C1の検査情報管理装置C11から統合データ管理装置Aに、遺伝子パネル検査がどの工程まで完了したかを示す検査進捗情報を、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に適宜通知する。
<工程IVa>
工程IVaは、統合データ管理装置Aが、検査施設C1において実施された検査結果を、患者IDおよび検査依頼IDなどと共に、検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信する工程である。
なお、臨床検査技師H3に、検査結果を統合データ管理装置Aに送信させてもよい。この場合、臨床検査技師H3は、自身が使用する検査施設C1の端末装置C14を用いて、検査施設内LANを介して、検査情報管理装置C11から検査結果を読み出し、患者IDおよび検査依頼IDと共に統合データ管理装置Aに送信する。
遺伝子パネル検査の検査結果は、変異情報、薬剤情報、および学術論文情報などの関連情報を含む検査結果レポートとしてまとめられていてもよい。
<工程Va>
工程Vaは、統合データ管理装置Aが、工程Iaにおいて取得した検査依頼情報、工程Ieおよび工程IIdにおいて取得した患者P1の臨床情報、および工程IVaにおいて取得した検査結果を関連付けて、統合データ管理装置Aのマスターテーブル25に記録する工程である。
以下、工程Ia、Ie、IId、およびVaにおいて取得したデータを統合する統合工程における処理の流れについて、図12を用いて説明する。図12は、統合データ管理装置Aの制御部10が行う統合工程の処理の流れの一例を示す図である。
統合データ管理装置Aは、前述した工程Iaにおいて、検査依頼情報を医療施設B1の端末装置B13から受信する(ステップS13、図5参照)。続いて、前述した工程Ieにおいて、検査依頼に関連する患者P1の臨床情報を医療施設B1の端末装置B13から受信する(ステップS21)。また、前述した工程IIdにおいて、検査依頼に対する検査結果を検査施設C1の端末装置C14から受信する(ステップS22)。
そして、統合データ管理装置Aの制御部10は、受信した患者P1の臨床情報を検査依頼IDと関連付けて統合データベース302のマスターテーブル25に記録する。また、統合データ管理装置Aの制御部10は、受信した患者P1の検査結果を検査依頼IDと関連付けて統合データベース302のマスターテーブル25に記録する。これにより、患者P1の臨床情報と、患者P1の検査結果とが、検査依頼IDを介して関連付けてマスターテーブル25に記録される(ステップS23)。
本実施形態では、統合データ管理装置Aの制御部10は、患者P1の臨床情報を、検査の依頼時に医療施設B1から取得する例を示したが、臨床情報および検査依頼情報の取得タイミングはこれに限らない。医療施設B1の担当医師H1aが検査依頼時に検査依頼情報と臨床情報とを一緒に統合データ管理装置Aに送信してもよいし、検査依頼情報に基づき検査が実施された後、専門家会議が開催される前に、統合データ管理装置Aが臨床情報を医療施設B1から受け取る構成であってもよい。
[マスターテーブル25]
図14は統合データベース302に格納されたマスターテーブル25の一例を示す図である。図14に示すように、マスターテーブル25には、「患者ID」、「検体ID」、「検査依頼ID」、「遺伝子パネルID」、「患者氏名」、「患者の性別」、「患者の生年月日」、「患者の同意」、「検査依頼日」、「医療関係者のユーザID」、「医療関係者の氏名」、「グループID」、「検査の進捗情報」、「臨床情報」、「検査結果」、「専門家会議を開催する施設」、および「専門家会議の開催日時」が記録されている。
「患者ID」、「患者氏名」、「患者の性別」、「患者の生年月日」、「患者の同意」、「検査依頼日」、「医療関係者のユーザID」、「医療関係者の氏名」、および「専門家会議を開催する施設」は、図7に示すGUI130を用いて担当医師H1aに入力された情報である。なお、「医療関係者の氏名」は、GUI130の領域R2の「患者の担当医師」の欄に入力された氏名である。また、「医療関係者のユーザID」は、GUI130の領域R2の「担当医師のユーザID」の欄に入力された医療関係者のユーザIDである。
GUI130の領域R2の「患者の同意」に関する情報は、検査に対する同意、匿名化した検査結果を第三者機関に提供すること、およびこれらの組合せを含み、これに限られない。GUI130の領域R2の「患者の同意」に関する情報は、プルダウンメニューもしくはラジオボタンで選択させるよう表示してもよく、リストの中から任意の組み合わせを選択させるよう表示してもよい。
マスターテーブル25は、「患者の同意」に関する情報として、GUI130の領域R2の「患者の同意」で選択された内容を記録する。また、マスターテーブル25は、「患者の同意」に関する情報として、該当患者の同意書のスキャンデータへのリンクを記録してもよい。
「検査依頼ID」は、統合データ管理装置Aの制御部10が、端末装置B13から検査依頼情報を受信したことに応じて、各検査依頼について個別に生成する識別情報である。なお、「検査依頼ID」は、検査依頼を受け付けた施設が保有する発番システムが個別に発番してもよく、もしくは、検査依頼を受け付けた施設の担当者が任意に発番してもよく、これに限られない。
「検体ID」は、医療施設B1において準備された検体毎に付与される検体識別情報である。統合データ管理装置Aの制御部10は、図4の工程IIcにおいて、患者の検体を準備した医療施設B1の端末装置B13から、検体の準備が完了した旨の通知と共に受信する。なお、検体IDとして、血液検体および病変組織検体の両方に共通のIDが生成されてもよいし、血液検体および病変組織検体のそれぞれに個別のIDが生成されてもよい。また、検体IDは、検査を行う検査施設C1が発番してもよい。その場合、検査施設C1の医療関係者である臨床検査技師H3が、発番された検体IDを、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図14に示すマスターテーブル25に、検査依頼IDと関連付けて記録してもよい。
「遺伝子パネルID」は、遺伝子パネル検査に用いられる遺伝子パネルの種類毎に付与された識別情報である。統合データ管理装置Aの制御部10は、図9に示す遺伝子パネルテーブル22を参照して、GUI130の領域R2の「検査種別」の欄に入力された遺伝子パネル名に対応する遺伝子パネル識別情報を抽出する。
「グループID」は、専門家会議に参加する医療関係者から構成されるグループ毎に付与されたグループの識別情報である。まず、統合データ管理装置Aの制御部10は、図11に示す検査施設テーブル24を参照して、GUI130の領域R2の「検査結果を解釈する施設」の欄に入力された施設名に対応する施設IDを特定する。続いて、統合データ管理装置Aの制御部10は、図17に示すグループテーブル26を参照して、特定した施設IDに対応するグループIDを特定する。なお、「グループID」は、図14に示すマスターテーブル25において、検査依頼IDと関連付けて記録された専門家会議の開催日時情報を抽出し、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27を参照することにより、グループIDを抽出してもよい。
「検査の進捗情報」は、統合データ管理装置Aの制御部10が、図4の工程IIIaにおいて、検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信する、検査の進捗状況に関する情報である。
「検査の進捗情報」は、検査に供される検体の準備状況、検体の輸送状況、および検査の各工程の完了状況などに関する情報を含んでいてもよい。「検査の進捗情報」としては、「検体準備中」、「検体輸送中」、「前処理工程:未完」、「前処理工程:完了」、「シーケンス工程:未完」、「シーケンス工程:完了」、「変異解析工程:未完」、「変異解析工程:完了」などが用いられ得る。「検体準備中」は、医療関係者による検査依頼は完了したが、検体の取得はまだ完了していない段階であることを示し、「検体輸送中」は、運送事業所E1が医療施設B1から検体の受け取りを完了したが、検査施設C1への輸送はまだ完了していない段階であることを示している。「前処理工程:未完」は、運送事業所E1が検体を検査施設C1に届けた段階であるが、検体の前処理工程はまだ完了していない段階であることを示し、「前処理工程:完了」、「シーケンス工程:未完」、「シーケンス工程:完了」、「変異解析工程:未完」、および「変異解析工程:完了」はそれぞれ、検査施設C1における検査の前処理工程、シーケンス工程、および変異解析工程の前後の段階であることを示している。
「臨床情報」は、例えば、患者の電子カルテに含まれる情報や病理部の病理画像などを含んでいてもよい。統合データ管理装置Aの制御部10は、図7に示すGUI130を通じて検査依頼を受け付けると、検査依頼に含まれる患者IDを抽出する。統合データ管理装置Aの制御部10は、抽出した患者IDに基づき、医療施設B1の電子カルテ管理装置B11および病理画像管理装置B12から患者の臨床情報を取得し、それぞれ統合データベース302に個別のフォルダを設けて格納する。図14に戻り、統合データ管理装置Aの制御部10は、「臨床情報」として、当該臨床情報のファイルデータへのリンク情報を、患者ID、検査依頼IDと関連付けて、マスターテーブル25に記録してもよい。
「検査結果」は、統合データ管理装置Aの制御部10が、図4の工程IVaにおいて、検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信する、遺伝子パネル検査の検査結果である。遺伝子パネル検査の検査結果は、サマリーレポート、シーケンスレポート、QCレポート、および検査報告書を含み、これに限られない。また、サマリーレポートや検査報告書には「検体種別(FFPE、新鮮凍結検体など)」、「検体採取の時期(初発時か再発時か)・部位(原発・転移)」、「病理診断名」、「病理検体番号」、「検体中の腫瘍細胞の割合(%)」、「DNAの量と質」、「受付日」、「報告日」、「パネル検査の方法」、「遺伝子変異の種類、臨床的意義」、「アノテーション情報の参照データベースの種類およびそのバージョン」などが含まれてよく、これに限られない。
統合データ管理装置Aの制御部10は、検査施設C1の検査情報管理装置C11から取得した患者の遺伝子パネル検査の検査結果をそれぞれ、統合データ管理装置Aの統合データベース302に個別のフォルダを設けて格納する。統合データ管理装置Aの制御部10は、「検査結果」として、各フォルダに格納された検査結果のファイルデータへのリンク情報をマスターテーブル25に記録してもよい。なお、「検査結果」を、検査施設C1の臨床検査技師H3が使用する端末装置C14から、臨床検査技師H3に統合データ管理装置Aに送信させてもよい。
また、「検査結果」は検査施設C1から「検査依頼ID」とともに送付され、統合データ管理装置Aの制御部10によって受信されてもよい。この場合、統合データ管理装置Aの制御部10は、「検査結果」の受信に伴い、マスターテーブル25を参照し、受信した「検査依頼ID」に対応するレコードに関連付けて、「検査結果」を記録してもよい。
なお、検査施設C1は「検体の残量」に関する情報を、「検査依頼ID」、「検体ID」のいずれか一方、もしくは両方に関連付けて、マスターテーブル25に記録してもよい。また、検査施設C1は「残留検体の所在地」に関する情報を、「検査依頼ID」、「検体ID」のいずれか一方、もしくは両方に関連付けて、マスターテーブル25に記録してもよい。なお、ここでは検査施設C1が「検体の残量」および「残留検体の所在地」に関する例を示したが、残留検体の返却を受けた医療施設B1の担当医師H1aがマスターテーブル25に記録してもよく、これに限られない。
「専門家会議の開催日時」は、例えば、新規に登録された専門家会議の開催予定日、既に開催された専門家会議のスケジュールに関する情報である。例えば、専門家会議を開催する予定日を決定する権限を有する医療関係者が使用する端末装置から、開催予定日時の登録、変更、および削除などの入力がなされた場合、制御部10は、入力された開催予定日時をマスターテーブル25に記録する。
なお、専門家会議の開催予定日時は、グループを構成する医療関係者間で、日程調整することによって決定して登録されてもよいし、専門家会議を設定する権限を有する医療関係者が任意の開催予定日時を登録してもよい。
また、マスターテーブル25には、専門家会議の開催に必要な医療関係者の参加が確認されているかを示す開催要件に関する情報を記録してもよい。例えば、専門家会議には、(1)検討を行う対象患者の担当医師が1名以上含まれていること、(2)病理医が複数名含まれていること、(3)がん薬物療法の専門医が複数名含まれていること、(4)バイオインフォマティクスの専門家が1名以上含まれていること、(5)遺伝カウンセラーが1名以上含まれていること、(6)分子遺伝学の研究者が1名以上含まれていること、(7)遺伝医学の専門医が1名以上含まれていること、が求められているとする。
このような場合、統合データ管理装置Aの統合データベースは、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27に、上記(1)から(7)の要件を関連付けて記録してもよい。すなわち、各々の専門家会議のスケジュールについて、(1)担当医師(役割ID:R01)の参加必要人数:1、以下同様に、(2)病理医(役割ID:R02):2、(3)がん薬物療法の専門医(役割ID:R03):2、(4)バイオインフォマティクスの専門家(役割ID:R04):1、(5)遺伝カウンセラー(役割ID:R05):1、(6)分子遺伝学の研究者(役割ID:R06):1、(7)遺伝医学の専門医(役割ID:R07):1という情報を記録していてもよい。なお、これらの数値は一例であり、これに限られない。
統合データ管理装置Aの制御部10は、所定の専門家会議について医療関係者から日程調整の承諾を受信した場合、統合データベースに格納された、図10に示すユーザ登録テーブル23を参照し、承諾した医療関係者に関連付けて記録された役割IDを抽出する。次に、統合データ管理装置Aの制御部10は、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、当該専門家会議のスケジュールに関連付けて記録された上記(1)から(7)の要件に対して以下の処理を行う。
すなわち、例えば日程調整の承諾をした医療関係者の役割IDがR05、すなわち遺伝カウンセラーであった場合、専門家会議スケジュールテーブル27に記録された(5)遺伝カウンセラー(役割ID:R05)に記録されている数値である1から、1を減じて0とする。これにより、当該専門家会議のスケジュールには十分な遺伝カウンセラーが参加していることが確認される。統合データ管理装置Aの制御部10は、他の医療関係者についても同様の処理を行う。
統合データ管理装置Aの制御部10は、(1)~(7)の全ての数字が0になっていることを確認する。全ての数字が0になっている場合、制御部10はマスターテーブル25の「開催要件に関する情報」として「開催可能」と記録してもよい。全ての数字が0になっていない場合は、「追加招集が必要」と記録してもよい。また、全ての数字が0になっていない場合、制御部10は、ユーザへの注意喚起のため、図33に示すアイコン170をGUI160に表示してもよい。
マスターテーブル25は、例えば、統合データ管理装置Aの管理権限を付与された管理者H8により手動で更新可能に管理されていてもよい。図15は、統合データ管理装置Aの管理権限を有する管理者H8が存在する場合の構成例を示す図である。管理者H8は、統合データ管理装置Aの制御部10が、担当医師H1aから検査依頼情報を受信する前に、通知された患者ID、患者氏名、性別、患者の生年月日などに基づき、統合データ管理装置Aを用いてマスターテーブル25を作成してもよい。なお、統合データ管理装置Aが医療施設B1内に設置されている場合(図54参照)、医療関係者に統合データ管理装置Aの管理権限が付与されてもよい。例えば、患者の担当医師H1aなどの医療関係者がマスターテーブル25に患者情報を入力しても良い。
[患者と専門家会議に参加するグループとの関連付け]
制御部10は、患者と、該患者の治療方針を策定するための専門家会議に参加するグループとを関連付けてもよい。図16は、制御部10が、患者と専門家会議に参加する専門家とを関連付ける処理の概要を示すフローチャートである。
まず、制御部10は、統合データベース302に格納されている医療施設テーブル21を参照し、検査依頼情報として入力された、検査結果を解釈する施設に対応する施設IDを特定する(ステップS81)。次に、制御部10は、統合データベース302に格納されているグループテーブル26を参照し、特定した施設IDに対応するグループID、および、該グループIDに対応するユーザIDを特定する(ステップS82)。
図17はグループテーブル26の一例を示す図である。図17に示すように、グループテーブル26には、グループID、施設ID、および複数のユーザIDの組が記録されている。
ここでは、図14に示すレコードM1を例に挙げて、制御部10が、患者と専門家会議に参加するグループとを関連付ける処理を説明する。制御部10は、医療施設テーブル21を参照し、検査依頼情報として入力された、検査結果を解釈する施設「xxがんリサーチセンター」に対応する施設ID「F01」を特定する。次に、制御部10は、グループテーブル26を参照し、施設ID「F01」に対応するグループID「G01」または「G02」を特定する。制御部10がグループID「G01」を特定した場合、グループID「G01」に対応するユーザID「U01、U02、U03、U04、U05」を特定する。このように、制御部10は、特定されたグループIDに対応するユーザIDが複数存在する場合には、それら複数のユーザIDを、入力された検査依頼情報に含まれる患者IDと関連付けてもよい。なお、「特定」と「抽出」は同じ意味ある。
なお、制御部10は、特定した施設IDに対応するグループIDが複数存在する場合には、それらのグループからランダムに1つのグループを選択してもよい。あるいは、制御部10は、統合データベース302に格納されている専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、専門家会議の登録数が少ない(すなわち、スケジュールに空きが多い)グループを優先的に選択してもよい。
[専門家会議スケジュールテーブル27]
図18は専門家会議スケジュールテーブル27の一例を示す図である。図18に示すように、専門家会議スケジュールテーブル27には、グループID、施設ID、専門家会議の開催予定日時、および許容患者数の組が記録されている。許容患者数とは、専門家会議にて治療法の策定が議論される患者の数の上限である。専門家会議が開催される時間の長さに応じて、許容患者数が設定されてもよい。例えば、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27では、専門家会議が4時間(例えば、「1:00pm~5:00pm」)予定されている場合には許容患者数は「4」と設定され、3時間(例えば、「3:00pm~6:00pm」)予定されている場合は「3」と設定されている。
図14に示すレコードM1を例に挙げて、制御部10が、複数のグループIDのうちの1つを特定する処理を説明する。制御部10は、医療施設テーブル21を参照し、検査依頼情報として入力された、検査結果を解釈する施設「xxがんリサーチセンター」に対応する施設ID「F01」を特定する。次に、制御部10は、グループテーブル26を参照し、施設ID「F01」に対応するグループID「G01」および「G02」を特定する。次に、制御部10は、専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、グループID「G01」の専門家会議の登録数とグループID「G02」の専門家会議の登録数とを比較して、登録数が少ない方のグループIDを特定する。
[統合ID]
制御部10は、検査依頼情報を受け付ける度に、統合ID(第三識別情報)を自動的に生成してもよい。制御部10は、受け付けた検査依頼情報毎に、患者の臨床情報および遺伝子パネル検査の検査結果を、生成した統合IDを用いて関連付ける。統合IDは、制御部10が取得した検査依頼情報毎に、各情報を統合するために用いられる識別情報である。なお、統合IDは制御部10とは異なる発番システムが発番してもよい。
例えば、制御部10は、英数字のランダムな組み合わせによって統合IDを生成すればよい。なお、制御部10は、過去に生成した統合IDと重複しないように、新たな統合IDを生成すればよく、統合IDの生成に使用する文字および文字数は任意であってよい。
統合IDは、患者ID、および検査依頼IDに関連付けられていてもよい。この場合、制御部10は、生成した統合IDを、統合データベース302に格納されている統合IDテーブル28に記録する。例えば、図19は、統合IDテーブル28の一例を示す図である。図19に示すように、統合IDテーブル28には、患者「PA01」および検査依頼ID「T01」のデータに対して、統合ID「oXy796K」が生成され、記録されている。
あるいは、統合IDは、患者ID、施設ID、および検査依頼IDに関連付けられていてもよい。この場合、制御部10は、生成した統合IDを、統合データベース302に格納されている統合IDテーブル28aに記録する。例えば、図20は、統合IDテーブル28aの一例を示す図である。図20に示すように、統合IDテーブル28aには、患者「PA04」および検査依頼ID「T04」のデータに対して、統合ID「MyiYAm2」が生成され、記録されている。
制御部10は、制御部10が受け付けた、検体の輸送状況を管理するための情報をマスターテーブル25に記録する。血液検体および病変組織検体の輸送には、検査施設において実施する検査の成否、検査結果の品質および信頼性に影響しないように輸送することが求められる。この構成によれば、医療施設B1から検査施設C1に輸送された血液検体および病変組織検体が、指定された条件で正しく輸送されたか否かを確認することができる。
(統合データベース302に格納されている各種データの管理)
制御部10は、端末装置B13、電子カルテ管理装置B11、病理画像管理装置B12、および検査情報管理装置C11などから統合データ管理装置Aが受け付けた患者情報、患者の臨床情報、検査結果に関するデータのそれぞれに、データIDおよびデータ種別IDを付与し、統合データベース302に格納してもよい。また、制御部10は、報管理施設群Fの各サーバを検索して得た関連情報のそれぞれに、データIDおよびデータ種別IDを付与し、統合データベース302に格納してもよい。
データIDは、データ毎に付与されるIDである。一方、データ種IDは、データの種別を区別するために付与されるIDである。データ種IDとしては、例えば、以下が挙げられる。
・「PA」:制御部10が端末装置B13および電子カルテ管理装置B11などから受け付けた患者情報に付与されるIDである。
・「IM」:制御部10が端末装置B13および病理画像管理装置B12などから受け付けた患者の病理画像のデータに付与されるIDである。
・「TEST」:制御部10が検査情報管理装置C11から受け付けた検査結果のデータに付与されるIDである。
・「ANN」:制御部10によって、変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、学術論文情報管理装置F31から取得されたアノテーション情報に付与されるIDである。
なお、データ種IDは、データ種に含まれる複数のデータをより細かく区分するように付与されてもよい。例えば、制御部10によって、変異情報管理装置F11から取得されたアノテーション情報には「ANN01」を付与し、薬剤情報管理装置F21から取得されたアノテーション情報には「ANN02」を付与し、学術論文情報管理装置F31からから取得されたアノテーション情報には「ANN03」を付与してもよい。このように、データ種IDの付与を細分化することにより、制御部10は、より詳細なアクセス管理が可能となる。
<患者情報テーブル31>
図21は、図4の工程Iaにおいて、統合データ管理装置Aの制御部10が端末装置B13から受け付けた患者情報を含む患者情報テーブル31の一例を示す図である。図21の患者情報テーブル31に示すように、患者情報のレコードの各々には、患者の性別、年齢、疾患ID、病状(疾患の進展度、例えばがんの場合、ステージI~IVで表される)、および治療歴(レジメン情報)などの組が記録されており、これらのデータの組には、データIDおよびデータ種IDが関連付けられている。なお、患者情報テーブル31は、患者の生年月日、疾患名、過去に使用した薬剤に対する反応(副作用)に関する情報などが含まれていてもよい。
患者の性別、年齢、病状、および治療歴などは、制御部10が、担当医師H1aに端末装置B13から入力させてもよい。あるいは、制御部10が、電子カルテ管理装置B11から受け付けた患者の臨床情報から抽出してもよい。
例えば、制御部10が、患者の疾患名を記入させる欄R22および疾患IDを表示させる欄R23を有するGUI130aを端末装置B13に表示させ、担当医師H1aに患者の疾患名を入力させてもよい(図13参照)。制御部10は、統合データベース302に格納されている疾患テーブル32を参照して、患者の疾患名の欄R22に入力された疾患名に対応する疾患IDを自動的に疾患IDの欄R23に表示させる構成であってもよい。図22は疾患テーブル32の一例を示す図である。図22に示すように、疾患テーブル32には、疾患IDと、各疾患IDに対応する疾患名との対応関係が記録されている。制御部10は、疾患テーブル32を参照し、入力された疾患名に対応する疾患IDを検索する。例えば、患者情報テーブル31によれば、データID「PA01」、データ種別ID「PA」が付与されている患者は、52歳の肺がんを罹患している男性であり、データID「PA03」、データ種別ID「PA」が付与されている患者は、81歳の大腸がんを罹患している女性である。
<病理画像テーブル33>
図23は、図4の工程IIdにおいて、制御部10が病理画像管理装置B12から受け付けた病理画像を含む病理画像テーブル33の一例を示す図である。図23の病理画像テーブル33に示すように、病理画像のレコードの各々には、検体採取日、採取部位、病理画像ファイルデータへのリンク情報、および病理医所見などの組が記録されており、これらのデータの組には、データIDおよびデータ種IDが関連付けられている。例えば、病理画像テーブル33によれば、データID「IM01」、データ種別ID「IM」が付与されている病理画像は、x年x月x日に採取された病変組織検体に関するものであり、病理画像データは「Image 01」として管理されている。なお、病理画像ファイルは統合データ管理装置Aの統合データベース302に保存されていてもよいし、病理画像管理装置B12に保存されているものを参照してもよい。
<検査結果テーブル34>
図24は、図4の工程IVaにおいて、制御部10が検査情報管理装置C11から受け付けた検査結果を含む検査結果テーブル34の一例を示す図である。図24の検査結果テーブル34に示すように、検査結果のレコードの各々には、検査結果レポートのファイルデータへのリンク情報、変異情報、治療薬情報、遺伝子パネルID、疾患ID、検体品質情報、およびDNA量などの組が記録されており、これらのデータの組には、データIDおよびデータ種IDが関連付けられている。
図24に示すように、検査結果テーブル34には、レポートへのリンク、変異情報、治療薬情報、疾患ID、検体品質情報およびDNA量の情報が含まれている。
レポートへのリンクとは、検査施設C1の臨床検査技師H3などによって作成された検査結果レポートのファイルデータへのリンク情報である。
変異情報とは、遺伝子パネル検査によって検出された変異に関する情報である。例えば、図24に示す検査結果テーブル34における「EGFR T790M」というデータは、EGFRというタンパク質のアミノ酸配列において、野生型であればスレオニンである790番目のアミノ酸残基がメチオニンに変異していることを示している。一方、「BRAF V600E」というデータは、BRAFというタンパク質のアミノ酸配列において、野生型であればバリンである600番目のアミノ酸残基がグルタミン酸に変異していることを示している。
治療薬情報とは、遺伝子パネル検査によって検出された変異に対応付けられている治療薬に関する情報である。例えば、例えば、図24に示す検査結果テーブル34の「EGFR T790M」というデータに対して「薬剤A」、「BRAF V600E」というデータに対して「薬剤B」が示されている。
遺伝子パネルIDとは、遺伝子パネル検査にて使用した遺伝子パネルの種別を表す識別情報である。制御部10は、例えば、図9に示す遺伝子パネルテーブル22を参照して、遺伝子パネルIDを検索し、特定すればよい。
疾患IDとは、各患者の疾患名に対応する識別情報である。例えば、図24に示す「LUNG」というデータは、患者の疾患が肺がんであることを示し、「CORON」というデータは、患者の疾患が大腸(結腸)がんであることを示している(図22参照)。
検体品質情報とは、医療施設B1から検査施設C1に届けられた患者の検体の品質に関する情報である。検体品質情報としては、例えば、「良好」、「良」、および「可」などであってもよい。ここで、「良好」および「良」は、遺伝子パネル検査の前処理工程において患者の病変組織から十分量のDNAが抽出可能な状態であることを示し、「可」は、DNAの分解が進んでいることが確認されるものの、遺伝子パネル検査の実施には問題ない状態であることを示している。なお、DNAの分解がかなり進んでいる場合、または遺伝子パネル検査を実施するための充分なDNA量が抽出できない状態である場合に対して、「不可」という検体状態情報を割り当ててもよい。
DNA量とは、遺伝子パネル検査の前処理工程において患者の病変組織から抽出されたDNAの量に関する情報である。DNAの量としては、例えば、病理組織1mgあたりに抽出されたDNAの重量(ng)であってもよい。
<アノテーション情報テーブル35>
図25は、制御部10が情報管理施設群Fの各サーバから取得したアノテーション情報を含むアノテーション情報テーブル35の一例を示す図である。図25のアノテーション情報テーブル35に示すように、アノテーション情報のレコードの各々には、アノテーションの種別、関連情報の情報源へのリンク情報、データへのリンク情報、およびテキスト情報などの組が記録されており、これらのデータの組には、データIDおよびデータ種IDが関連付けられている。例えば、アノテーション情報テーブル35によれば、データID「ANN01」、データ種別ID「ANN」が付与されているアノテーション情報は、変異に関するものであり、関連情報の情報源へのリンク情報は「https://xxx.yyy.com」であり、関連情報に関するデータは「Data A01」として管理されている。
<役割テーブル36>
医療施設B1、B2、検査施設C1、C2、および外部施設D1、D2に所属している医療関係者によって、情報管理システム100の利用が申請されたとき、制御部10は、当該医療関係者にユーザIDを生成する。このとき、制御部10は、医療関係者に対して、統合データベース302に格納されている役割テーブル36を参照し、ユーザIDと共に役割IDを生成してもよい。なお、情報管理システム100に含まれる運送事業所群Eの従業員に役割IDを生成してもよい。また、生成した役割IDを、図10に示すユーザ登録テーブル23のユーザIDと関連付けて記録してもよい。
図26は役割テーブル36の一例を示す図である。図26に示すように、役割テーブル36には、役割IDと、各役割IDに対応する役割名との対応関係が記録されている。制御部10は、役割テーブル36を参照し、医療関係者が情報管理システム100の利用を申請したときに入力された情報に基づいて、各医療関係者に対応する役割IDを検索する。入力された情報としては、例えば、所属する施設名、および専門分野などが挙げられる。制御部10は、例えば、医療施設B1に所属し、患者Pの担当医師H1aに対しては役割ID「R01」を生成し、検査施設C1の臨床検査技師に対しては、役割ID「R08」を生成する。制御部10は、例えば、外部施設D1に所属するバイオインフォマティクスの専門家である医療関係者に対しては役割ID「R04」を生成する。一方、情報管理システム100において、検体の輸送を担当する運送事業所群Eの従業員に対して、制御部10は、役割ID「R09」を生成する。
<アクセス権限管理テーブル37>
例えば、制御部10は、統合データベース302に格納されているアクセス権限管理テーブル37を参照して、医療関係者、および運送事業所E1の従業員が閲覧したり、利用したりすることができるデータを制限してもよい。
図27はアクセス権限管理テーブル37の一例を示す図である。図27に示すように、アクセス権限管理テーブル37には、役割IDと、各役割IDに対応する者にアクセスを許可するデータのデータ種別IDとの対応関係が記録されている。制御部10は、アクセス権限管理テーブル37を参照し、端末装置B13、B23、C14、C24、D11、D21、およびE12などからのアクセス要求に対して、アクセスを許可するデータのデータ種別IDを制限する。
[運送事業所Eの従業員のアクセス制限]
図4の工程IIeにおいて、制御部10から集配管理装置E11に、検体受け取り依頼が通知された後に、例えば、従業員が使用する端末装置E12から、統合データ管理装置Aにアクセス可能であってもよい。ただし、従業員は、医療関係者ではないため、従業員は、統合データ管理装置Aが扱う全情報のうちの一部の機能を利用することのみが許可されることが望ましい。そこで、制御部10は、アクセス権限管理テーブル37を参照し、端末装置E12からアクセス要求を送信した従業員の役割IDがR07であることに基づいて、従業員にアクセスを許可するデータのデータ種別IDを制限する。
例えば、従業員が統合データ管理装置Aにログインすると、図28に示すような画面表示140が端末装置E12に表示される。図28は、運送事業所の端末装置E12に表示される画面表示例を示す図である。例えば、端末装置E12において、統合データ管理装置Aが受け付けた検査依頼のリストが表示される。従業員は、統合データ管理装置Aが画面検査依頼を受け付けた日、検査依頼ID、検体の準備状況、検査依頼元(例えば医療施設名)、および検査を実施する検査施設(例えば検査施設名)を確認することができる。
なお、画面表示140の「検体の準備状況」に表示された情報を選択する操作(例えば、クリック操作)を受け付けることによって、端末装置E12から当該検体の準備状況を更新できる構成であってもよい。例えば、従業員は端末装置E12を用いて、「検体輸送中」および「検体輸送完了」などの情報を入力可能であってもよい。この場合、端末装置E12から入力可能な「検体の準備状況」の候補リストを、選択された「検体の準備状況」の位置にプルダウン表示させてもよい。
(専門家会議のスケジュール管理)
<専門家会議の予約>
情報管理システム100では、医療関係者が検査施設C1において実施される検査を依頼するときに、当該検査の結果を踏まえて患者の治療法を策定するための専門家会議の予約をすることも可能である。
例えば、制御部10は、図7に示すGUI130の代替として、専門家会議の予約の入力を受け付ける、図29に示すGUI150を表示させてもよい。図29は、専門家会議の予約の入力を受け付けるために端末装置B13に表示するGUI150の一例を示す図である。
GUI150は、検査を依頼する依頼元施設の情報の入力を受け付ける領域R1、検査依頼情報の入力を受け付ける領域R2、専門家会議の予約の入力を受け付ける領域R4、および検査依頼情報を端末装置B13から統合データ管理装置Aの制御部10に送信する指示を受け付ける依頼ボタンR3を含んでいる。
領域R4には、「検査結果を解釈する施設」として領域R2に入力された施設(および施設ID)において専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリスト、および各開催予定日および時間帯を選択させるためのチェックボックスが設けられていてもよい。例えば、制御部10は、統合データベース302に格納されている専門家会議スケジュールテーブル27(図18参照)を参照し、「検査結果を解釈する施設」として領域R2に入力された施設「xxがんリサーチセンター」おいて開催される専門家会議の開催予定日および時間帯を領域R4に表示させる。
例えば、2019年1月7日の10:00~12:00に予定されている専門家会議の予約を希望する医療関係者は、図示のように対応するチェックボックスをクリックすればよい。なお、領域R1~R3は、図7に示すGUI130と同様である。
制御部10は、例えば、検査依頼日よりも所定期間(例えば1か月)以上先に、開催されることが予定されている専門家会議の開催予定日および時間帯のみを、領域R4に表示してもよい。
制御部10は、図18に示すような専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、医療関係者によって選択された専門家会議の開催予定日および時間帯に対応付けられたグループIDを特定し、当該専門家会議のスケジュールを管理してもよい。すなわち、制御部10は、図17に示すグループテーブル26を参照して、特定したグループIDに対応するユーザIDを抽出する。
次に、制御部10は、図10に示すようなユーザ登録テーブル23を参照して、特定した各ユーザIDの医療関係者の連絡先を特定し、当該日時における専門家会議の開催通知を各医療関係者に送信する。これにより、統合データ管理装置Aは、担当医師H1aによる検査依頼情報の入力に加え、検査施設C1において実施される検査の検査結果を解釈する専門家会議の予約の入力を受け付けることができる。さらに、統合データ管理装置Aは、予約を受け付けた専門家会議に参加する各医療関係者に、当該専門家会議が開催予定である旨の通知を送信することができる。
<予約された専門家会議の開催通知を、各医療関係者宛に送信する処理>
続いて、医療関係者によって予約された専門家会議のスケジュールに関する情報、および、当該スケジュールに関連付けられた検査結果を、グループを構成する医療関係者の各々に送信する処理の流れの一例について図31を用いて説明する。図31は、予約された専門家会議の開催通知を、各医療関係者宛に送信する処理の流れの一例を示す図である。
まず、端末装置B13は、医療関係者から、検査依頼受付画面の表示指示を受け付け、表示指示を統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1201)。検査依頼受付画面は、例えば、図29に示すGUI150であってもよい。
統合データ管理装置Aは、端末装置B13から表示指示を受信し(ステップS1202)、遺伝子検査の種別に関する情報、検査施設に関する情報、検査結果を解釈する施設に関する情報を、統合データベース302から取得し、端末装置B13に送信する(ステップS1203)。
端末装置B13は、統合データ管理装置Aから受信した情報に基づき、検査依頼受付画面を表示する(ステップS1204)。
次に、端末装置B13は、検査依頼受付画面において医療関係者によって選択された、検査依頼に対する検査結果を解釈する施設に関する情報を受け付け、統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1205)。検査依頼に対する検査結果を解釈する施設に関する情報の選択は、ステップS1203でデータ管理装置Aの制御部10が取得した情報に基づき表示されるリストやプルダウンメニューから選択されてもよく、これに限られない。
統合データ管理装置Aは、検査依頼に対する検査結果を解釈する施設に関する情報を受信し(ステップS1206)、当該施設で開催される、複数の専門家会議のスケジュール情報を専門家会議スケジュールテーブル27から取得し、端末装置B13に送信する(ステップS1207)。
端末装置B13は、統合データ管理装置Aから複数の専門家会議のスケジュール情報を受信し、GUI150の領域R4に表示する(ステップS1208)。
次に、端末装置B13は医療関係者から、1つの専門家会議の選択を受け付ける。また、端末装置B13は選択された専門家会議に参加する、複数の医療関係者に対して専門家会議の開催を通知することの指示を受け付け、統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1209)。
統合データ管理装置Aは、選択された1つの専門家会議のスケジュール情報を受け付ける。統合データ管理装置Aは、選択された専門家会議スケジュールに対して、申請が受け付け可能かを判断する。すなわち、統合データ管理装置Aは、選択された専門家会議スケジュールの許容患者数を専門家会議スケジュールテーブル27から取得し、1以上の数であるかを判断する。許容患者数が1以上の場合、選択された専門家会議スケジュールの申請を受け付け、その時点での許容患者数から1を減じる。(ステップS1210)
統合データ管理装置Aは、選択された専門家会議に関連付けられた複数の医療関係者の連絡先情報をグループテーブル26から取得し(ステップS1211)、取得した複数の医療関係者が使用する連絡先に、選択された専門家会議のスケジュールに関する情報を含む開催通知を送信する(ステップS1212)。
そして、各医療関係者が使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21は、専門家会議の開催通知を受信する(ステップS1213)。
次に、医療関係者は、図33に示すGUI160を例とする画面から、申請した専門家会議に対して、患者の遺伝子情報の検査依頼に対する検査結果を登録する。すなわち、医療関係者は、端末装置B13に表示されるGUI160を参照し、自らが依頼した検査の状況を「検体準備および検査の状況」欄で確認する。検査完了となっている場合は、検査結果の登録状況に表示される「未登録」という文字列に付与されたハイパーリンクをクリックし、検査結果の登録画面を表示させる。医療関係者は、表示された検査結果の登録画面に検査結果レポートのファイルをドラッグ・アンド・ドロップすることで検査結果を登録する。端末装置B13は、医療関係者から検査結果の登録要求を受け付け、統合データ管理装置Aに送信する。(ステップS1214)
なお、検査結果登録要求を検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信してもよく、これに限られない。検査結果登録要求を検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信する場合、統合データ管理装置Aの制御部10は、検査施設C1の検査情報管理装置C11から取得した患者の遺伝子パネル検査の検査結果を、統合データ管理装置Aの記憶部30に、それぞれ個別のフォルダを設け格納する。統合データ管理装置Aの制御部10は、当該フォルダへのリンク情報を、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図14に示すマスターテーブル25に記録する。
統合データ管理装置Aは、端末装置B13から受け付けた検査結果を、マスターテーブル25の該当するレコードに記録する。これにより、専門家会議のスケジュールと検査結果とが関連付けて記録される。(ステップS1215)
そして、各医療関係者が、使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21において表示される、図38に示すGUI210の「関連情報」欄の「関連情報表示」をクリックすると、ステップS1215において専門家会議のスケジュールに関連付けて記録された検査結果を含む、図45に示すGUI240が表示される(ステップS1216)。
次に、専門家会議のスケジュールに関する情報、および、当該スケジュールに関連付けられた検査結果を各医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に送信するために、統合データ管理装置Aの制御部10が行う処理の流れの一例を、図32を用いて説明する。
統合データ管理装置Aの制御部10は、医療関係者が端末装置B13から認証要求を行う際に入力するログイン情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS401)。ログイン情報を受け付ける(ステップS401にてYES)と、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納されている、図6に示す認証テーブル38を参照する(ステップS402)。ここでは、ログイン情報はユーザIDとログインパスワードとの組合せを例に説明するが、医療関係者を指紋や顔で認証してもよく、これに限られない。
続いて、制御部10は、受け付けたログイン情報が認証テーブル38に含まれる情報と一致するかを判定する(ステップS403)。例えば、ログイン情報にログインパスワードが含まれている場合、制御部10は、認証テーブル38に含まれるユーザIDに対応するログインパスワードと、受け付けたログイン情報に含まれるログインパスワードとが一致するかを判定する。一致しない場合(ステップS403においてNO)、制御部10は、当該ログインの認証を拒否する(ステップS404)。一方、一致する場合(ステップS403においてYES)、当該ログインを認証する(ステップS405)。
ログインを認証した後、制御部10は、検査依頼の受付画面の表示要求を受信したか否かを判定する(ステップS406)。制御部10は、表示要求を受信した場合(ステップS406でYES)、図29のGUI150に示す検査依頼の受付画面を、端末装置B13に表示するための情報を送信する(ステップS407)。なお、制御部10が送信する、所定の画面を端末装置B13に表示させるための情報は、HTML(Hyper Text Markup Language)、XML(eXtecsible Markup Language)、JavaScript(登録商標)データを含み、これに限られない。
次に、制御部10は、検査結果を解釈する施設に関する情報を受信したか否かを判定する(ステップS408)。検査結果を解釈する施設に関する情報を受信した場合(ステップS408にてYES)、検査結果を解釈する施設で開催される複数の専門家会議のスケジュール情報を、端末装置B13に送信する(ステップS409)。
すなわち、制御部10は、受信した検査結果を解釈する施設に関する情報に基づき、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27を参照する。受信した検査結果を解釈する施設で開催される複数の専門家会議のスケジュール情報を抽出する。なお、制御部10は、抽出された専門家会議に関連付けて記録された許容患者数を参照し、許容患者数が0の専門家会議を除いて、端末装置B13に送信してもよい。
次に、制御部10は、専門家会議の選択と開催通知指示を受信したか否かを判定する(ステップS410)。専門家会議の選択と開催通知指示を受信した場合(ステップS410にてYES)、制御部10は、選択された専門家会議が申請を受け付け可能か否か、を判定する(ステップS411)。すなわち、制御部10は、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、選択された専門家会議に関連付けて記録された許容患者数を参照する。許容患者数が1以上であった場合(ステップS411にてYES)、選択された専門家会議に対する申請を受け付ける。その際、制御部10は、選択された専門家会議に関連付けて記録された許容患者数の数字を1減少(デクリメント)する(ステップS412)。また、選択された専門家会議に関連付けて記録された許容患者数が0であった場合(ステップS411にてNO)、ステップS410に戻り、制御部10は、他の専門家会議の選択と開催通知指示を受信したか否かを判定する。
また、制御部10は、選択された専門家会議が申請を、受け付け可能か否かを判定(ステップS411)した後、専門家会議を設定する権限を有する医療関係者から、専門家会議への申請の承認を受信したか否かを判定してもよい。すなわち、選択された専門家会議への申請が、専門家会議を設定する権限を有さない医療関係者、例えば医療施設B1に所属する担当医師H1aからなされた場合、専門家会議を設定する権限を有する医療関係者、例えば医療施設B2に所属する医療関係者が申請を承認する。医療施設B2に所属する医療関係者は端末装置B23から専門家会議への申請を承認する。端末装置B23は承認情報を統合データ管理装置に送信する。統合データ管理装置の制御部10は、承認情報を受信すると、選択された専門家会議に関連付けて記録された許容患者数の数字を1減少(デクリメント)(ステップS412)する。
次に、制御部10は、選択された専門家会議に関連付けられた複数の医療関係者の連絡先を取得する(ステップS410)。すなわち、制御部10は、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図18に示す専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、選択された専門家会議に関連付けて記録されたグループIDを抽出する。次に、制御部10は、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図17に示すグループテーブル26を参照し、抽出されたグループIDに関連付けて記録された、グループを構成するユーザのユーザIDを抽出する。次に、制御部10は、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図10に示すユーザ登録テーブル23を参照し、抽出されたユーザIDに関連付けて記録された連絡先情報を取得する。なお、ここでは専門家会議スケジュールテーブル27とユーザ登録テーブル23を参照する例を示したが、マスターテーブル25とユーザ登録テーブル23を参照してもよいし、専門家会議スケジュールテーブル27とユーザ登録テーブル23を組み合わせた別のテーブルを作成してもよく、これに限られない。
次に、制御部10は、取得した複数の医療関係者の連絡先に、選択された専門家会議のスケジュールに関する情報を送信する(ステップS414)。
さらに制御部10は、選択された専門家会議への検査結果登録要求を受信したか否かを判定する(ステップS415)。検査結果登録要求を受信した場合(ステップS415でYES)、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図14に示すマスターテーブル25に、受信した検査結果と選択された専門家会議とを関連付けて記録する(ステップS416)。なお、検査結果登録要求を検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信してもよく、これに限られない。検査結果登録要求を検査施設C1の検査情報管理装置C11から受信する場合、統合データ管理装置Aの制御部10は、検査施設C1の検査情報管理装置C11から取得した患者の遺伝子パネル検査の検査結果を、統合データ管理装置Aの記憶部30に、それぞれ個別のフォルダを設け格納する。統合データ管理装置Aの制御部10は、当該フォルダへのリンク情報を、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された、図14に示すマスターテーブル25に記録する。
選択された専門家会議において、当該専門家会議に出席する各医療関係者が、各々の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21から、図38に示すGUI210を表示させ、「関連情報」欄の「関連情報表示」をクリックすると、制御部10は、当該専門家会議に関連付けられた検査結果を含む結果情報を送信する(ステップS417)。結果情報を受信した端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21は、図45に示すGUI240を表示する。
なお、制御部10は、担当医師H1aなどの医療関係者によって、患者Pの臨床情報が登録されたことを検知して、検知した臨床情報を複数の医療関係者に通知する構成であってもよい。これにより、複数の医療関係者に対して、専門家会議において参照する臨床情報の登録状況を適宜通知し、専門家会議における議論を適切に支援することができる。
このように、統合データ管理装置Aは、担当医師H1aによる検査依頼情報の入力に加え、検査施設C1において実施される検査の検査結果を解釈する専門家会議の予約の入力を受け付けることができる。さらに、統合データ管理装置Aは、予約を受け付けた専門家会議に出席する各医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に、当該専門家会議が開催予定である旨の通知を送信することができる。
<専門家会議の開催スケジュールの表示>
統合データ管理装置Aの制御部10は、例えば、専門家会議に参加する医療関係者が使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に、制御部10が受け付けた検査依頼情報、および専門家会議のスケジュールに関する情報を表示させてもよい。図33は、医療関係者が使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に、検査依頼のリストおよび専門家会議のスケジュールに関する情報を画面表示として表示させるGUI160の一例である。制御部10は、端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21の表示部に、検査進捗情報およびスケジュール情報を同時に示す検査進捗画面としてGUI160を表示させる。
GUI160は、検査依頼のリストを表示する領域R5、および専門家会議のスケジュールを表示する領域R6を含んでいる。
領域R5には、例えば、「依頼日」、「患者ID」、「検体準備および検査の状況」、「患者情報の登録状況」、および「検査結果の登録状況」が表示される。なお、「検査依頼ID」が領域R5に表示されてもよい。患者情報および検査結果情報は、いずれも専門家会議において複数の医療関係者が参照する情報である。
「検体準備および検査の状況」の表示例としては、「検体準備中」、「検体準備完了」、「検体輸送中」、「検体輸送完了」、「検体再取得」、「検査中止」、「DNA抽出完了」、「前処理完了」、「シーケンシング完了」、「配列解析完了」、および「検査完了」などが挙げられる。
「患者情報の登録状況」の表示例としては、「未登録」、「一部登録」、「登録完了」などが挙げられる。なお、「一部登録」とは、例えば、患者の電子カルテは登録されているが、病理画像などの登録が済んでいない状況である。
「検査結果の登録状況」の表示例としては、「未登録」、および「登録完了」などが挙げられる。
専門家会議において複数の医療関係者が参照する患者情報、検査結果などが医療施設B1および検査施設C1から統合データ管理装置Aに登録されたことに応じて、当該複数の医療関係者に対応する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに、登録状況を通知してもよい。
一方、領域R6には、例えば、「専門家会議を開催する施設」、「状況」、および「開催日時」が表示される。
「状況」には、専門家会議の設定状況を示す情報が表示される。例えば、「状況」には、専門家会議の開催スケジュールが決定しており、専門家会議に参加する医療関係者へのスケジュールの通知も済んでいる場合、「設定済」が表示される。また、専門家会議の開催スケジュールが未決定あるいは専門家会議に参加する医療関係者への通知が済んでいない場合、「未設定」が表示される。
「開催日時」には、「状況」が「設定済」である専門家会議については、該専門家会議が開催される、あるいは開催されたスケジュールが日時として表示され、「状況」が「未設定」である専門家会議については、未設定である旨が表示される。「状況」が「設定済」であっても「未設定」であっても、当該表示のクリックに応じて、専門家会議の新規設定、および専門家会議の開催状況の更新が可能である。
このように、統合データ管理装置Aの制御部10は、GUI160を介して統合データベース302に記憶された「検査依頼ID」、「検査結果」、「専門家会議の開催日時」などの情報の属性の選択を受け付け、選択された属性の情報を出力する。
制御部10は、出力される属性の情報の1レコードごとを識別するためのレコード識別情報であるレコードIDを1レコードごとに取得してもよい。この場合、制御部10は、レコードIDと選択された属性の情報とを関連付けて出力する。
制御部10は、ユーザへの注意喚起のためのアイコン170をGUI160に表示してもよい。制御部10は、例えば、専門家会議が開催される予定日時までに検査が完了しない可能性が高い場合、検査完了間近または検査完了済にも関わらず専門家会議の「状況」が「未設定」である場合、検体準備および検査の状況から検査の実施の遅延が見込まれる場合にアイコン170をGUI160に表示する。ここで、検体準備および検査の状況から検査の実施の遅延が見込まれる場合は、例えば、「検査中止」、「検体再取得」、「検査中止」などの場合である。
なお、アイコン170は、医療関係者に注意を向けさせることが可能なアイコンであればよく、「!」に限定されない。また、アイコン170を表示させる代わりに、当該専門家会議および開催日時の表示を他と異なるフォントおよび色などで表示してもよい。
より具体的には、統合データ管理装置Aの制御部10は、(1)「検体準備および検査の状況」が「検体再取得」の場合、(2)「検体準備および検査の状況」が「検査中止」の場合、(3)「検体準備および検査の状況」が、「検査完了」になっていない場合であり、かつ、専門家会議の開催日まで1週間以下の場合、(4)「検体準備および検査の状況」が「検査完了」であり、かつ、専門家会議の「状況」が「未設定」の場合、(5)「検体準備および検査の状況」が「配列読取完了」まで到達しており、かつ、専門家会議の「状況」が「未設定」の場合、にアイコン170をGUI160に表示する。
制御部10は、統合データ管理装置Aのマスターテーブル25に記録された情報に基づいて、上記の(1)~(5)の条件に当てはまるか否かを判定し、アイコン170をGUI160に表示することができる。
<GUI160を表示させる処理の流れ>
ここでは、検査依頼のリストおよび専門家会議のスケジュールに関する情報を含むGUI160を、医療施設B1の医療関係者が使用する端末装置B13に表示させる処理の流れについて図34を用いて説明する。図34は、医療関係者が担当する患者に関連する検査依頼のリスト、および専門家会議のスケジュールに関する情報を、端末装置B13に表示させる処理の流れの一例を示す図である。
まず、端末装置B13は、医療施設B1に所属する医療関係者から専門家会議のスケジュールの表示指示を受け付ける(ステップS1301)。次に、端末装置B13は、医療関係者のユーザIDと共に、医療関係者が担当する患者の患者IDおよび患者に関する検査依頼の検査日、検体準備および検査の情報、専門家会議を開催する施設およびその開催日時などの情報の要求を統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1302)。
次に、統合データ管理装置Aの制御部は、受信したユーザIDをキーにして記憶部30に格納されているマスターテーブル25を参照し、要求された情報を取得する(ステップS1303)。統合データ管理装置Aは、取得した情報を端末装置B13に送信する(ステップS1304)。
次に、端末装置B13は、統合データ管理装置Aから受信した情報を端末装置B13の表示部にGUI160として表示する(ステップS1305)。
GUI160を医療関係者が使用する端末装置B13に表示させるための統合データ管理装置Aが行う処理の詳細について図35を用いて説明する。図35は、検査の進捗に関する情報と、専門家会議のスケジュールに関する情報とを関連付けた情報を、医療関係者の端末装置B13に表示させるために、統合データ管理装置Aの制御部10が行う処理の流れの一例を示す図である。
統合データ管理装置Aの制御部10は、端末装置B13からログイン情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS501)。ログイン情報を受け付ける(ステップS501にてYES)と、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納されている認証テーブル38を参照する(ステップS502)。続いて、認証テーブル38に含まれるユーザIDに対応するログインパスワードと、受け付けたログイン情報に含まれるログインパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS503)。一致しない場合(ステップS503においてNO)、制御部10は、当該ログインの認証を拒否する(ステップS504)。一方、一致する場合(ステップS503においてYES)、当該ログインを認証する(ステップS505)。
次に、制御部10は、認証された医療関係者が担当する患者に関する情報と専門家会議に関する情報の表示要求を受信したか否かを判定する(ステップS506)。表示要求を受信した場合(ステップS506にてYES)、認証された医療関係者のユーザIDに関連付けられた検査に関する情報と、専門家会議に関する情報とをマスターテーブル25から抽出する(ステップS507)。
次に、制御部10は、抽出された検査に関する情報に関連付けられた検査の進捗に関する情報を抽出する(ステップS508)。
次に、制御部10は、検査の進捗に関する情報と、専門家会議に関する情報とを関連付けて、端末装置B13に送信する(ステップS509)。
<専門家会議のスケジュールの登録>
図29に示す、専門家会議の予約の入力を受け付けるために医療施設B1の端末装置B13に表示するGUI150を介して、専門家会議の予約の入力を受け付けると、統合データ管理装置Aの制御部10は、入力された検査依頼情報に関連する患者のマスターテーブル25に、専門家会議の予約として入力された情報を登録する。
また、統合データ管理装置Aの制御部10は、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された専門家会議スケジュールテーブル27(図18参照)から、検査結果を解釈する施設として入力された施設の「専門家会議の開催日時」に表示された情報を抽出する。
制御部10は、抽出した情報に基づいて、専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストを生成し、医療関係者が使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに図33に示すGUI160を表示させる。
なお、統合データ管理装置Aの制御部10が、「検査結果を解釈する施設」として入力された施設において開催される専門家会議のスケジュール候補として、開催日時を専門家会議スケジュールテーブル27から抽出する場合、「検体準備および検査の状況」に応じて抽出条件を変更してもよい。
抽出条件としては、例えば、以下の(1)~(5)などの条件が挙げられる。
(1)「検体準備および検査の状況」が「検査完了」である場合、現在の日時が示す日の翌日以降に専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストを、例えば、2週間分表示する。
(2)「検体準備および検査の状況」が「検体再取得」である場合、現在日時から所定日数(例えば40日)以降に専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストを、例えば、2週間分表示する。
(3)「検体準備および検査の状況」が、「検体準備完了」、「検体輸送中」、「検体輸送完了」のいずれかである場合、現在日時から所定日数(例えば30日)以降に専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストを、例えば2週間分表示する。
(4)「検体準備および検査の状況」が、「DNA抽出完了」および「前処理完了」のいずれかである場合、現在日時から所定日数(例えば15日)以降に専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストを、例えば、2週間分表示する。
(5)「検体準備および検査の状況」が、「配列読取完了」および「解析完了」のいずれかである場合、現在日時から所定日数(例えば10日)以降に専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストを、例えば、2週間分表示する。
なお、専門家会議のスケジュール候補の抽出条件はこれに限られず、医療施設B1、B2の運用に合わせ、適宜変更可能である。
<専門家会議のスケジュールの医療関係者への通知>
統合データ管理装置Aの制御部10は、「検体準備および検査の状況」のみならず、「患者情報の登録状況」、および「検査情報の登録状況」に基づいて、医療関係者に対する通知を行うことが可能である。
例えば、制御部10は、患者情報および検査結果がマスターテーブル25に登録されたことに応じて、検査結果を解釈するための専門家会議に参加する医療関係者に対し、専門家会議の開催通知を送信する。
例えば、アイコン170が表示される条件が満たされた場合、制御部10は、該当する専門家会議に参加する医療関係者に対して、専門家会議の開催予定に変更か生じる可能性がある旨の通知を送信する。この通知は、医療関係者に対して、専門家会議を開催する日時の早期の設定を促す通知、および、専門家会議を開催する日時の再設定あるいは専門家会議の開催予定のキャンセルなどを促す通知であってもよい。
[専門家会議に参加する専門家の選定情報の入力を受け付けるためのGUI180]
統合データ管理装置Aの制御部10は、図29に示すGUI150の領域R4において、専門家会議が開催される開催予定日および時間帯のリストの中から、専門家会議が選択されて専門家会議の予約が入力されたことに応じて、選択された専門家会議に参加する専門家の選定情報の入力を受け付けるためのGUI180を端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に表示させてもよい。
図36は、専門家会議に参加する専門家の選定指示を受け付けるために端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に表示するGUI180の一例を示す図である。GUI180は、専門家会議が開催される開催予定日および時間帯の選択を受け付ける領域R7、および、専門家会議に参加する専門家の選定指示を受け付ける領域R8を含んでいる。
領域R7には、図29に示すGUI150の領域R4において選択された施設において開催予定の専門家会議の予約のリスト(スケジュール候補)が表示されており、各専門家会議を選択させるための選択欄が設けられている。
また、領域R8には、領域R7において選択された専門家会議に参加することが可能な医療関係者である専門家の候補として、氏名、役割、専門分野、および、各医療関係者を選択させるための選択欄が設けられている。例えば、選択された専門家会議に参加することが可能な専門家の候補とは、選択された専門家会議の日時に他の専門家会議に参加していない医療関係者など、当該日時のスケジュールに空きのある医療関係者としてもよい。
図36に示す例では、領域R7において、「2019年1月7日」の「10:00~12:00」に開催予定の専門家会議が選択され、領域R8には、選択された専門家会議に参加する医療関係者の候補のリストが表示されている。さらに、遺伝カウンセラーである「XXXX」、および肺がんが専門の医療関係者「ZZZZ」が専門家会議の参加者として選択されている。
制御部10は、例えば、統合データ管理装置Aの統合データベースに格納するマスターテーブル25の「検査依頼日」のデータが示す日から所定日数(例えば、30日)以上の後に開催予定の専門家会議のうち、最も早い開催日時を、専門家会議スケジュールテーブル27から参照する。なお、設定する会議開催日の時間帯は、例えば、9:00~17:00の間で1時間おきに設定する。
制御部10は、マスターテーブル25の「検査依頼日」に対応する患者ID、および検査依頼IDなどに対応するユーザIDを、入力された検査依頼情報を参照して特定する。制御部10は、専門家会議スケジュールテーブル27を参照し、特定されたユーザIDに対応するグループIDに関連付けられた「専門家会議の開催日時」を抽出する。
図18に示すように、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納される専門家会議スケジュールテーブル27の各専門家会議の開催日時には、「許容患者数」が設定されている。
例えば、制御部10が、所定の患者の治療法を策定するための専門家会議のスケジュールとして、ある専門家会議の開催日時の選択を受け付けた場合、当該専門家会議の許容患者数の数字を1減少(デクリメント)する。
制御部10は、選択を受け付けた専門家会議の許容患者数が「0」である場合には、その専門家会議以降に開催予定の専門家会議であって、次に早い開催日時の専門家会議の候補が選択されたものとして受け付けてもよい。制御部10は、受け付けた専門家会議の開催日時を医療関係者に通知する。
[公知のアプリケーションとの連携]
統合データ管理装置Aの制御部10は、医療関係者が使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などにインストールされた公知のアプリケーションと連携する機能を有してもよい。公知のアプリケーションは、例えば、Microsoft Outlook(登録商標)などのスケジュール管理アプリケーションが挙げられる。
この場合、制御部10は、統合データ管理装置Aにログインした端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21の画面に、専門家会議の開催日時に関する情報を表示するだけでなく、該端末装置にインストールされた公知のアプリケーションに対する通知を送信してもよい。公知のアプリケーションに対する通知は、専門家会議のスケジュールの新規設定もしくは変更を促すための通知であってもよい。制御部10は、例えば、医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などにインストールされているMicrosoft Outlook(登録商標)によって管理されているアカウントの予定表に、専門家会議の開催日時に関する情報を送信し、該予定表に登録させてもよい。このような通知は、統合データ管理装置Aの制御部10から、医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21にインストールされたスケジュール管理アプリケーションに互換性のあるファイル形式で送信する。
なお、制御部10は、選択を受け付けた専門家会議の許容患者数が「0」であったり、不足したりする場合であっても、特定の条件を満たす患者に対してその専門家会議の予約を認めることも可能である。ここで、特定の条件を満たす患者とは、治療法の策定を急ぐことが要求される患者など急性を要する患者などである。この場合、検査依頼情報の入力時に、緊急性の有無を医療関係者に入力させる欄を設ければよい。
[検査完了の見込み日時に基づく専門家会議の開催日の設定]
統合データ管理装置Aの制御部10は、遺伝子パネル検査などの患者の遺伝子情報の検査を実施する検査施設C1の検査情報管理装置C11から、検査完了の見込み日時に関する情報を受信し、当該情報に基づいて専門家会議の開催日時を設定してもよい。
例えば、検査情報管理装置C11から受信した検査完了の見込み日時に最も近い開催日時を、専門家会議スケジュールテーブル27から参照し、該当する専門家会議の開催日時を設定すればよい。
検査施設C1の端末装置C14からマスターテーブル25が更新されたことに応じて、統合データ管理装置Aの制御部10が、検査完了見込み日を自動的に設定してもよい。なお、制御部10は、検査情報管理装置C11から情報を受信したタイミングで、即時にマスターテーブル25を更新してもよい。この場合、制御部10の統合データベースには、例えば、各検査工程に要する日数のデフォルト値が設定されている。例えば、前処理工程については20日、シーケンス工程については1日、変異解析工程については1日が、それぞれ設定されている。
制御部10は、各工程に要する日数のデフォルト値が合算された日数を、マスターテーブル25の「検査依頼日」のデータが示す日に加算し、検査完了見込み日の初期値を設定する。その後、制御部10は、マスターデータが更新されたことに応じて、検査完了見込み日を更新する。
例えば、制御部10は、マスターテーブル25の「検査の進捗状況」において完了したことが登録されている工程に要する日数のデフォルト値を合算する。その後、制御部10は、当該合算値を検査依頼日に加算して算出された日付と、マスターテーブル25が更新された日付とを比較する。制御部10は、例えば、マスターテーブル25の更新日が、当該合算値を検査依頼日に加算して算出された日付よりも後である場合、両日付の差分の日数を最新の検査完了見込み日に加算する。
すなわち、制御部10は、想定よりも検査の工程に遅れが生じている場合、両日付の差分の日数を最新の検査完了見込み日に加算する。なお、制御部10は、例えば、マスターテーブル25の更新日が、当該合算値を検査依頼日に加算して算出された日付よりも前もしくは同日の場合、検査完了見込み日を変更しない。すなわち、制御部10は、検査の工程に遅れが生じていない場合には、検査完了見込み日を変更しない。
なお、検査施設C1に設置された検査情報管理装置C11が検査完了見込み日を制御部10に通知する場合、マスターテーブル25は検査進捗情報を含んでいなくてもよい。
制御部10は、検査完了見込み日を更新した場合、専門家会議スケジュールテーブル27から直近の専門家会議の開催日時であって、かつ、許容患者数に空きがある日時を専門家会議の開催日時として再設定する。許容患者数に空きがある日時とは、許容患者数が「0」ではない日時である。制御部10は、再設定した専門家会議の開催日時に関する情報を、医療関係者が使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに通知する。制御部10は、専門家会議の開催日時を再設定すると共に、再設定する前の専門家会議の開催日時に対応する許容患者数を1増加(インクリメント)する。
<専門家会議の設定を受け付けるためのGUI190>
統合データ管理装置Aの制御部10は、患者P1の治療法の策定のための専門家会議の開催日時を設定するためのGUI190を、医療施設B1の端末装置B13に表示させてもよい。制御部10は、例えば、専門家会議を設定する権限を有する特定の医療関係者が使用する端末装置B13に、図30に示すGUI150aを表示させてもよい。
GUI150aには、「会議設定」ボタンR23が設けられている。医療関係者によって「会議設定」ボタンR23が押下されたことに応じて、専門家会議を設定するためのGUI190(図37)を端末装置B13に表示してもよい。
図37は、専門家会議のスケジュールの設定を受け付けるために端末装置B13、B23、端末装置C14、C24、端末装置D11、およびD21などに表示するGUI190の一例を示す図である。
GUI190は、患者情報の入力を受け付ける領域R9、専門家会議に参加する医療関係者のリストを表示する領域R10、専門家会議のスケジュールの設定を受け付ける領域R11、および「会議通知」ボタンを含んでいる。
領域R9には、患者の氏名、患者の性別、および患者の生年月日などの患者情報の入力を受け付ける欄が設けられている。領域R10には、領域R11において選択された専門家会議に参加する医療関係者の氏名などが表示される。領域R12には、選択された専門家会議の開催日時を、領域R10に表示されている医療関係者に通知するための操作を受け付ける「会議通知」ボタンが表示されている。
制御部10は、患者に関する検査結果の解釈をする施設において開催される専門家会議に参加するグループ内の所定の医療関係者(例えば、当該グループの主担当者)にのみ、専門家会議を設定する権限を与えても良い。この場合、各グループ内の各医療関係者に対して、グループ内における役割に対応する役割IDが付与されていてもよい。
制御部10は、領域R12の「会議通知」ボタンが押下されたことに応じて、領域R11に表示した専門家会議の開催日時の中から選択された専門家会議の開催日時に関する通知を、領域R11に表示されている医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに送信する。
通知は、例えば電子メールで送信される。あるいは、医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などにインストールされているMicrosoft Outlook(登録商標)によって管理されているアカウントの予定表に、専門家会議の開催日時に関する情報を送信し、該予定表に登録させてもよい。
<専門家会議に関連する情報を検索するためのGUI210>
統合データ管理装置Aの制御部10は、医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に、各医療関係者が担当する患者に関連する専門家会議の開催スケジュール、および各専門家会議に関連する情報を表示させてもよい。
図38は、医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に、患者ID、検査ID、専門家会議の開催スケジュール、および各専門家会議に関連する情報を含むGUI210の一例を示す図である。
GUI210には、統合データ管理装置Aにログインした医療関係者が担当する患者の「患者ID」、「検査患者ID」、「患者氏名」、「性別」、「専門家会議が開催される施設名」、「専門家会議の開催日時」、および「関連情報」の各欄が表示されている。
例えば、医療関係者は、GUI210を用いて自分に関連付けられている患者ID、検査依頼ID、および専門家会議の開催日時を確認することが可能である。なお、「患者ID」および「検査依頼ID」の代替または追加として、「統合ID」が表示されてもよい。
「関連情報」の欄の「関連情報表示」という表示は、医療関係者が担当する患者に関する情報へのリンク情報である。例えば、医療関係者によって、GUI210の「関連情報」の欄に表示されている「関連情報表示」がクリックされたことに応じて、統合データ管理装置Aの制御部10は、端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などから情報取得要求を受け取る。制御部10は、情報取得要求を受け取ったことに応じて、専門家会議に関連する情報を表示する。専門家会議に関連する情報とは、例えば、専門家会議で議論される患者P1の臨床情報、および検査結果などを含んでいる。
GUI210には、患者IDなどの患者に関する識別情報のみならず、専門家会議を開催するグループに関する情報、および専門家会議の開催日時も表示される。それゆえ、統合データ管理装置Aにログインした医療関係者は、例えば、自分が担当する患者の臨床情報、および検査結果などの情報を、端末装置B13を用いて容易に確認することができる。
[専門家会議の選択を受け付けるためのGUIの変形例]
統合データ管理装置Aの制御部10は、図38に示すGUI210に代えて、図39に示すGUI220を医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に表示してもよい。
GUI220は、医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21に、専門家会議を開催するグループに関する情報、および専門家会議の開催日時を表示する。
GUI220の「グループ」の欄には、複数の医療関係者から構成されるグループの概要情報が表示される。ここで、グループの概要情報は、グループを構成する少なくとも1人の医療関係者が所属する医療施設に関する情報であってもよいし、専門家会議を開催する施設に関する情報であってもよい。
あるいは、グループの概要情報は、グループテーブル26において、「グループID」に関連付けられた施設IDなどの情報であってもよい。例えば、「グループ情報」の欄の表示がクリックされたことに応じて、制御部10は、当該「グループ情報」のデータが示すグループを構成する医療関係者に関する情報を表示させてもよい。
GUI220は、まず、所望のグループに関する情報を医療関係者に選択させる。続いて、制御部10は、図40に示す、各専門家会議に関連する情報を含むGUI230を表示する。
GUI230には、GUI220において選択されたグループに関する患者IDのリストが表示されている。例えば、図39に示すGUI220において、「XX病院 Aグループ」が選択された場合、制御部10は、選択されたグループが担当する患者の専門家会議に関連する患者ID、検査依頼ID,患者の氏名、性別、および、関連情報を含むGUI230を表示させる。
なお、制御部10がGUI220に表示するグループ(およびグループID)は、当該グループを構成する医療関係者の少なくとも1人が所属する施設の識別情報に関連付けられていてもよい。
<GUI210を表示させる処理の流れ>
ここでは、患者P1に関する患者情報と、専門家会議に関する会議情報とを含むGUI210(図38参照)を、医療関係者が使用する端末装置B13に表示させる処理の流れについて図41を用いて説明する。図41は、医療関係者が担当する患者P1に関連する専門家会議の開催スケジュール、および各専門家会議に関連する情報を、医療関係者の端末装置B13に表示させる処理の流れの一例を示す図である。
まず、端末装置B13はログイン画面の表示要求を統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1001)。統合データ管理装置Aは、端末装置B13からログイン画面の表示要求を受信し(ステップS1002)、ログイン画面情報を端末装置B13に送信する(ステップS1003)。端末装置B13は、統合データ管理装置からログイン画面情報を受信してログイン画面を表示する(ステップS1004)。
次に、端末装置B13は、医療関係者から受け付けたログイン情報を統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1005)。ログイン情報は、例えば、医療関係者のユーザIDなどを含んでいる。
続いて、統合データ管理装置Aは、端末装置B13からログイン情報を受信し(ステップS1006)、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納される認証テーブル38を参照して、医療関係者のログインを認証する(ステップS1007)。ここで、認証テーブル38は、統合データ管理装置Aへのログインを許可するユーザのユーザIDを管理している。
統合データ管理装置Aは、ログイン情報に含まれるユーザIDをキーにしてマスターテーブル25を参照し、該ユーザIDに関連付けられた患者に関する情報を取得し、端末装置B13に送信する(ステップS1008)。
次に、端末装置B13は、統合データ管理装置Aから受信した、ユーザIDに関連付けられた患者に関する情報をGUI210として表示する(ステップS1009)。
患者P1に関する患者情報と、専門家会議に関する会議情報とを含むGUI210を医療関係者が使用する端末装置B13に表示させるための、統合データ管理装置Aが行う処理の詳細について、図42を用いて説明する。図42は、医療関係者が担当する患者に関連する専門家会議の開催スケジュール、および各専門家会議に関連する情報を、医療関係者の端末装置B13に表示させるために、統合データ管理装置Aの制御部10が行う処理の流れの一例を示す図である。
統合データ管理装置Aの制御部10は、端末装置B13からログイン情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。ログイン情報を受け付けると(ステップS201にてYES)、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納されている認証テーブル38を参照する(ステップS202)。続いて、認証テーブル38に含まれるユーザIDに対応するログインパスワードと、受け付けたログイン情報に含まれるログインパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS203)。一致しない場合(ステップS203においてNO)、制御部10は、当該ログインの認証を拒否する(ステップS204)。一方、一致する場合(ステップS203においてYES)、当該ログインを認証する(ステップS205)。
次に、制御部10は、認証されたログイン情報に含まれるユーザIDに関連付けられた患者情報をマスターテーブル25から抽出する(ステップS206)。
次に、制御部10は、抽出された患者情報に関連付けられた専門家会議に関する情報をマスターテーブル25から抽出する(ステップS207)。
次に、制御部10は、抽出された患者情報および専門家会議に関する情報を含むHTMLと、これら情報を表形式に表示させるためのCSS(Cascading Style Sheets)のファイルを、認証されたユーザの端末に送信する(ステップS208)。なお、制御部10は抽出された患者情報および専門家会議に関する情報を含むJSON(JavaScript Object Notation)ファイルを端末装置B13に送信し、端末装置B13が備えるJavaScriptでHTMLとCSSを生成させてもよい。
次に、制御部10は、ログインが認証された医療関係者の端末装置B13から、患者情報および専門家会議の選択情報を受信した場合(ステップS209にてYES)、選択に応じた遺伝子検査に関する情報および当該患者の臨床情報を、ログインが認証された医療関係者の端末装置B13に送信する(ステップS210)。
<GUI240を表示させる処理の流れ>
ここでは、患者P1に関連する検査結果情報および臨床情報を含む画面表示として、GUI240(図45参照)を専門家会議に参加する医療関係者の端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに表示させる処理の流れについて図43を用いて説明する。図43は、医療関係者が担当する患者に関連する情報を表示させる処理の流れの一例を示す図である。
まず、医療施設B1に設置された端末装置B13は、図38に示すGUI210を介して医療関係者からの情報取得要求を受け付ける。端末装置B13は、GUI210の関連情報の列のうち、医療関係者によるクリック操作を受け付けた「関連情報表示」に対応する患者IDおよび検査依頼IDと共に、関連情報の情報取得要求を統合データ管理装置Aに送信する(ステップS1101)。
図43を参照し、統合データ管理装置Aは、患者IDと検査依頼IDとともに、関連情報の情報取得要求を受信する(ステップS1102)。次に、受信した患者IDと検査依頼IDをキーにして、統合データ管理装置Aの統合データベースに格納されたマスターテーブル25を参照する(ステップS1103)。統合データ管理装置Aは、患者IDと検査依頼IDに対応する検査結果と患者の臨床情報とをマスターテーブル25から取得し、端末装置B13に送信する(ステップS1104)。
次に、医療施設B1の端末装置B13は、統合データ管理装置Aから受信した患者の臨床情報および検査結果などをGUI240として表示する(ステップS1105)。
患者P1の検査結果情報と、患者P1の臨床情報とを含むGUI240を医療関係者が使用する端末装置B13に表示させるための統合データ管理装置Aが行う処理の詳細について、図44を用いて説明する。図44は、患者の臨床情報および検査結果を、医療関係者の端末装置B13に表示させるために、統合データ管理装置Aの制御部10が行う処理の流れの一例を示す図である。
統合データ管理装置Aの制御部10は、医療施設B1の端末装置B13からログイン情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。ログイン情報を受け付けると(ステップS301にてYES)、統合データ管理装置Aの統合データベース302に格納された認証テーブル38を参照し(ステップS302)、認証テーブル38に含まれるユーザIDに対応するログインパスワードと、受け付けたログイン情報に含まれるログインパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS303)。一致しない場合(ステップS303においてNO)、制御部10は、当該ログインの認証を拒否する(ステップS304)。一方、一致する場合(ステップS303においてYES)、当該ログインを認証する(ステップS305)。
次に、制御部10は、医療施設B1の端末装置B13から検査依頼の受付画面の表示要求を受信したか否かを判定する(ステップS306)。検査依頼の受付画面の表示要求を受信した場合(ステップS306にてYES)、検査依頼の受付画面を端末装置B13に表示させる(ステップS307)。
次に、制御部10は、医療施設B1の端末装置B13から検査依頼情報を受信したか否かを判定する(ステップS308)。検査依頼情報を受信すると(ステップS308にてYES)、当該検査依頼に対応する検査依頼IDを生成する(ステップS309)。
次に、制御部10は、生成した検査依頼IDと検査依頼に関する情報とを関連付けて、検査施設C1の端末装置C14、および運送事業所E1の集配管理装置E11に送信する(ステップS310)。
次に、制御部10は、医療施設B1の端末装置B13から、患者P1から採取した検体の検体IDを受信したか否かを判定する(ステップS311)。検体IDを受信すると(ステップS311にてYES)、検査依頼IDと検体IDとを関連付けて統合データベース302に記録する(ステップS312)。
次に、制御部10は、検査施設C1の端末装置C14から、検査依頼IDと検査結果を受信したか否かを判定する(ステップS313)。検査依頼IDと検査結果を受信すると(ステップS313にてYES)、検査依頼IDと検査結果とを関連付けて統合データベース302に記憶する(ステップS314)。
ここで、統合データベース302は、患者P1の臨床情報を検査依頼IDと関連付けて統合データベース302のマスターテーブル25に記録している(図12のステップS21)。このため、検査依頼IDと検査結果とを関連付けて統合データベース302に記憶することで、患者P1の臨床情報と、患者P1の検査結果とが、検査依頼IDを介して関連付けて統合データベース302のマスターテーブル25に記録されることとなる(図12のステップS23)。
図44を参照し、統合データ管理装置Aの制御部10は、認証された医療関係者から、所定の患者P1の検査結果と臨床情報の表示要求を受信したか否か判定する(ステップS315)。所定の患者P1の検査結果と臨床情報の表示要求を受信した場合(ステップS315にてYES)、受信した患者P1に関する患者IDに基づき、臨床情報および専門家会議に関する情報を統合データ管理装置Aの統合データベース302から取得する(ステップS316)。
次に、統合データ管理装置Aの制御部10は、患者P1の検査結果と患者P1の臨床情報とを認証された医療関係者の端末装置B13に送信する(ステップS317)。
<情報取得要求に応じて表示される画面表示>
次に、情報取得要求を受け取ったことに応じて、専門家会議の参加者が利用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに表示させる画面表示について図45を用いて説明する。図45は、情報取得要求を受け取ったことに応じて、統合データ管理装置Aの制御部10が、端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21などに表示させるGUI240の一例を示す図である。
GUI240には、「患者ID」、「患者の病歴」、「検査結果」、「病理画像」、および「病理医所見」が表示されている。患者の病歴は、例えば、患者P1の現病状、家族歴、既往歴、治療歴等の患者P1に関する情報を含んでいる。
また、領域R13に表示されている「検査結果」は、例えば「EGFR T790M」など、検査結果に関する情報として、塩基配列中の変異の有無、変異の位置、および変異の種別を含んでいる。また、領域R13は、例えば「薬剤A」など、遺伝子パネル検査によって検出された変異に関連する薬剤情報として、検出された各変異に関連付けられている治療薬に関する情報を含んでいる。
領域R14には、患者P1の臨床情報として、患者に関連する医療施設B1から統合データ管理装置Aが受け付けた病理画像が表示されている。また、領域R15には、患者についての病理診断を行った病理医H1bの所見への画面遷移指示を入力させるための「病理医所見」ボタンが表示されている。「病理医所見」ボタンを押すことにより、患者P1の臨床情報として、病理医H1bが入力した病理画像などに基づく病理医H1bの所見などをさらに確認することができる。
専門家会議の開催前および専門家会議中に、専門家会議に参加する複数の専門家に対して、患者P1の検査結果および臨床情報を含むGUI240を提供することにより、患者P1の最適な治療方針を策定に必要となる情報を集約的に提示することができる。これにより、専門家会議の運営を円滑化するとともに、患者の治療方針を策定するための議論を支援することができる。
<検査結果と治療薬に関連する情報との関連付け>
図47は、統合データ管理装置Aの制御部10が、検査によって検出された変異に関する情報、および治療薬に関する情報と、検査結果とを関連付ける処理の一例を説明するフローチャートである。
統合データ管理装置Aの制御部10は、検査施設C1の端末装置C14から検査結果の入力を受け付け(ステップS131)、検出結果において検出された変異が存在するか否か判定する(ステップS132)検出された変異が存在する場合(ステップS132においてYES)、統合データベース302に格納された変異テーブル250(図48)を参照して、検出された各変異に関連する識別情報(例えば、「EGFR T790M」などの変異名、あるいは変異毎に付与された変異IDなど)と、検査結果とを関連付ける(ステップS133)。
制御部10は、検出された変異が存在しない場合(ステップS132においてNO)、および、検出された各変異に関連する識別情報と検査結果とを関連付けた後に、治療薬候補の有無を確認する(ステップS134)。
制御部10は、統合データベース302に格納された治療薬テーブル260(図49)を参照し、治療薬候補が存在するか否かを判定する(ステップS134)。治療薬候補が存在する場合(ステップS134においてYES)、治療薬候補に関連する識別情報(例えば、治療薬の名称、あるいは薬剤IDなど)と、検査結果とを関連付ける(ステップS135)。
(アノテーション情報の取り込み)
図2を参照し、統合データ管理装置Aは、専門家会議において参考となるアノテーション情報として、外部情報を取得することを支援する。例えば、統合データ管理装置Aは、変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、および学術論文情報管理装置F31が管理する情報検索サイトへのリンクを提供する。
図50は、統合データ管理装置Aの制御部10が、変異情報管理装置F11、薬剤情報管理装置F21、および学術論文情報管理装置F31から入力されたアノテーション情報と、患者P1の検査結果とを関連付ける処理の一例を説明するフローチャートである。
制御部10は、まず、医療関係者の使用する端末装置B13、B23、C14、C24、D11、およびD21からのアノテーション情報の入力を受け付け(ステップS141)、患者P1の検査結果に検出された変異が存在するか否か判定する(ステップS142)。検出された変異が存在する場合(ステップS142においてYES)、アノテーション情報に記載された変異に関する識別情報と、検査結果における変異とを関連付ける(ステップS143)。図51は、変異情報を検索するための変異データベース検索ポータルのGUI270の一例を示す図である。GUI270は、変異情報に関連付けられているアノテーション、および変異に関連付けられている治療薬情報の少なくとも1つを検索するための検索画面である。領域R16は、検索キーとなる変異を入力する欄である。
検出された変異が存在しない場合(ステップS142においてNO)、および、アノテーション情報に記載された変異に関する識別情報と、検査結果とを関連付けた後に、制御部10は、治療薬に関する記載の有無を判定する(ステップS144)。治療薬に関する記載が存在する場合(ステップS144においてYES)、制御部10は、治療薬に関するアノテーション情報に関連する識別情報と、検査結果とを関連付ける(ステップS145)。
制御部10は、例えば、変異情報管理装置F11および薬剤情報管理装置F21から取得した情報に、検索に用いられたキーワードをメタ情報として付加する。メタ情報として付加するキーワードとしては、例えば、「EGFR T790M」、および治療薬名などが挙げられる。制御部10は、付加されたメタ情報を基に名寄せを行う。名寄せには、マスターテーブル25の変異や治療薬等に関するデータが参照される。名寄せの方法は、例えば、上述の「氏名」の名寄せと同様である。
上述のように、画面表示からの検索だけでなく、例えば、図52に示すように、領域R17に入力させる「遺伝子情報」、領域R18に入力させる「薬剤情報」、領域R19に入力させる「疾患情報」、領域R20に入力させる「パネル情報」など検索キーとして関連情報を検索することも可能である。
関連情報は、変異情報管理装置F11および薬剤情報管理装置F21が管理する変異情報や薬剤情報に限られず、例えば、学術論文情報管理装置F31論文情報や治験情報であてもよい。制御部10は、領域R21に表示されている「関連情報検索」がクリックされたことに応じて、検索を実行する。なお、領域R20に入力させる「パネル情報」は、遺伝子パネル検査および試薬の種別を表す識別情報である遺伝子パネルIDに対応する。パネル情報として入力された情報に対応する遺伝子パネルIDが付与された検査結果を抽出することができる。
〔変形例1〕
統合データ管理装置Aにおけるデータ統合処理において、統合データ管理装置Aの制御部10が検査依頼情報の入力を受け付ける度に、統合IDを自動的に生成することを説明したが、統合IDを自動的に生成しない構成であってもよい。この場合、制御部10は、検査依頼情報として入力された各データを、いわゆる「名寄せ」によって、統合データベース302内のデータと関連付けてもよい。
具体的には、まず、制御部10は、入力データのキー(Key)項目毎に、名寄せ元と名寄せ先(マスターテーブル25)との一致度に応じた評価関数に基づく評価値を算出する。
例えば、図46に示すように、入力データが「氏名」「性別」「生年月日」の各キー項目から成る場合において、「氏名」の評価関数fa()の一例として編集距離(Levenshtein distance)関数を用いる。そして、名寄せ元と名寄せ先のキー項目(「氏名」)の値の照合において、名寄せ先の文字列を名寄せ元の文字列に変形させる際の最小編集回数に応じた評価値を算出する。例えば、評価関数fa()は、編集不要の場合は評価値「1」を返し、全ての文字に編集が必要な場合には評価値「0」を返し、一部の文字に変形が必要な場合には、編集回数に応じて0から1までの間の評価値を返す。
また、「性別」の評価関数fb()および「生年月日」の評価関数fc()の一例として、「完全一致」関数を用いる。完全一致関数は、名寄せ元と名寄せ先とのキー項目の値が完全に一致するか否かを表す評価値を算出する。例えば、完全一致関数は、2つの値が完全に一致する場合は「1」を返し、それ以外は評価値「0」を返す。
次に、制御部10は、評価関数が算出した評価値の各々に対して重み付けを行う。図46の例では、評価関数fa()が算出した評価値に対して重みAを掛け合わせ、評価関数fb()が算出した評価値に対して重みBを掛け合わせ、評価関数fc()が算出した評価値に対して重みCを掛け合わせている。
次に、制御部10は、重み付け後の評価値の各々を加算して総合評価値を算出する。その後、制御部10は、総合評価値が算出された候補を、所定の閾値に基づいて分類する。図46の例では、3種類(「White」(総合評価値が高い)、「Black」(総合評価値が低い)、「Gray」(総合評価値が中程度))に分類している。
制御部10は、マスターテーブル25を参照し、検査結果に含まれる変異情報および治療薬に関する情報を名寄せしてもよい。名寄せの方法は、例えば、図46に示す入力データ「氏名」に関する名寄せと同様である。
〔変形例2〕
図53を参照し、医療施設B1において、電子カルテ管理装置B11、病理画像管理装置B12、および端末装置B13の各種情報およびデータ通信を管理する情報管理装置B14が、医療施設内LANにさらに接続されていてもよい。この場合、統合データ管理装置Aと医療施設B1に設置された電子カルテ管理装置B11、病理画像管理装置B12、および端末装置B13との通信は、情報管理装置B14を介して行うこととなる。図53は、情報管理装置B14を備える医療施設B1の構成例を示す図である。情報管理装置B14は、医療施設B1に外部装置から届く各種情報の受信処理、および医療施設B1から外部装置に送信する各種情報の送信処理を実行するコンピュータである。受信処理としては、例えば、ファイル解凍、受信データの仕分け、受信通知の返送などが挙げられる。また、送信処理としては、例えば、送信するデータの収集、圧縮、形式変換などが挙げられる。
〔変形例3〕
図54を参照し、統合データ管理装置Aは、必ずしもクラウドサーバである必要はなく、例えば医療施設B1内に設置されるサーバであってもよい。図54は、本発明の一態様に係る情報管理システム100aの構成例を示す図である。この場合、他の医療施設B2の端末装置、検査施設C1、C2の端末装置C14、C24、外部施設D1、D2の端末装置D11、D21は、通信ネットワーク90を介して、医療施設B1に設置された統合データ管理装置と通信を行う。
なお、図54では、統合データ管理装置Aが、医療施設B1の医療施設内LANに、統合データ管理装置Aが接続されている例を示しているが、医療施設B1の医療施設内LANを介さずに通信ネットワーク90に直接接続する構成であってもよい。
〔変形例4〕
統合データ管理装置Aは、検査情報管理装置C11およびC21の機能を兼ね備える構成としてもよい。
〔統合データ管理装置Aの制御部10の構成〕
統合データ管理装置Aの制御部10は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、統合データ管理装置Aは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。
そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔その他の態様〕
本発明には、以下の態様も含まれる。
図42を参照し、上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の医療関係者によって行われる、複数の患者の遺伝子情報の解釈を行う専門家会議を支援する情報管理システム(100)の制御方法であって、複数の医療関係者は、所属する施設が互いに異なる複数の医療関係者を含み、複数の医療関係者の各々は、専門家会議に参加する医療関係者であり、複数の患者に関する複数の患者情報、専門家会議に関する会議情報、および、複数の医療関係者の複数の識別情報、を関連付けて記録する工程(Va)と、端末装置
(図2のB13)から認証要求した医療関係者の認証を行う工程(S205)と、認証した医療関係者の識別情報に対応する患者情報を複数の患者情報から抽出し、該患者情報に対応する専門家会議に関する会議情報を抽出する工程(S206およびS207)と、抽出した患者情報と会議情報とを含む画面(図38の210)を、端末装置(図2のB13)に表示する工程(S208)と、を含む。
また、図2を参照し、本発明の別の態様は、複数の医療関係者によって行われる、複数の患者の遺伝子情報の解釈を行う専門家会議を支援する情報管理システム(100)であって、複数の医療関係者は、所属する施設が互いに異なる複数の医療関係者を含み、複数の医療関係者の各々は、専門家会議に参加する医療関係者であり、表示部を備える端末装置(B13)と、制御部(図3の10)および記憶部(図3の30)を備える統合データ管理装置(A)と、を備え、統合データ管理装置(A)の制御部(図3の10)は、複数の患者に関する複数の患者情報、専門家会議に関する会議情報、および、複数の医療関係者の複数の識別情報、を関連付けて記憶部(図3の30)に記録し、端末装置(B13)から認証要求した医療関係者の認証を行い、認証した医療関係者の識別情報に対応する患者情報を複数の患者情報から抽出し、該患者情報に対応する会議情報を抽出し、抽出した患者情報と会議情報とを含む画面(図38のGUI210)を、端末装置(B13)に表示する。
また、図3を参照し、本発明の別の態様は、複数の医療関係者によって行われる、複数の患者の遺伝子情報の解釈を行う専門家会議を支援する統合データ管理装置(A)であって、複数の医療関係者は、所属する施設が互いに異なる複数の医療関係者を含み、複数の医療関係者の各々は、専門家会議に参加する医療関係者であり、制御部(10)および記憶部(30)を備え、制御部(10)は、複数の患者に関する複数の患者情報、専門家会議に関する会議情報、および、複数の医療関係者の複数の識別情報、を関連付けて記憶部(30)に記録し、端末装置(図2のB13)から認証要求した医療関係者の認証を行い、認証した医療関係者の識別情報に対応する患者情報を複数の患者情報から抽出し、該患者情報に対応する会議情報を抽出し、抽出した患者情報と会議情報とを含む画面(図38のGUI210)を、端末装置(図2のB13)に表示させるための情報を送信する。