JP2001188335A - 露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法

Info

Publication number
JP2001188335A
JP2001188335A JP37431999A JP37431999A JP2001188335A JP 2001188335 A JP2001188335 A JP 2001188335A JP 37431999 A JP37431999 A JP 37431999A JP 37431999 A JP37431999 A JP 37431999A JP 2001188335 A JP2001188335 A JP 2001188335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure
region
film
light
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37431999A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Yoneda
郁男 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP37431999A priority Critical patent/JP2001188335A/ja
Publication of JP2001188335A publication Critical patent/JP2001188335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーフトーン型位相シフトマスクにおい
て、マスク材料に照射される高エネルギー露光光によっ
て引き起こされるマスク材料劣化の影響を排除し、簡便
な手段により露光用マスクの耐用寿命を延ばすことを目
的としている。 【解決手段】 この発明の露光マスクは、石英などの透
明基板300上に形成された露光パターンの暗部領域3
01と明部領域302を有するハーフトーン膜303か
らなっている。暗部領域の透過光と明部領域の透過光の
位相差を約180度とし、また暗部領域と明部領域の透
過光強度の比が、0.03〜0.15:1となるように
両領域の厚みを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造の際の
リソグラフィ技術において用いられる露光用マスクに関
し、特にハーフトーン型位相シフトマスクの改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在の半導体集積回路の製造には、光学
的なリソグラフィ技術を用いて回路パターンを形成して
いるが、高集積化の要求の高まりに伴って回路パターン
の微細化が進んでおり、露光に用いる波長と同等以下の
解像寸法が求められてきている。ところで、パターンが
微細になると、露光用マスクを通過した光が回折などに
よりウェハ上に結像できなくなるため、光リソグラフィ
技術は限界にあると考えられてきた。ところで、近年通
常用いられる露光用マスクの遮光部に、遮光膜に代えて
レジストが感光しない程度の半透明膜を設けたハーフト
ーン型位相シフトマスクなど、種々の位相シフト技術が
開発されてきた。このハーフトーン型位相シフトマスク
では、半透明膜を通過した光の位相が開口部からの透過
光の位相に対して反転するような厚さに形成されてお
り、半透明膜を透過した光と開口部を透過した光の位相
が反転しているため、境界部近傍の光強度が0に近くな
り、レジスト上に形成される光学像のコントラストが高
くなり、パターン転写性能が向上する。
【0003】図1に従来のハーフトーン型位相シフトマ
スクの断面図を示す。この図の例では、石英基板100
の上に半透明膜であるハーフトーン膜101が形成され
ている。図中、ハーフトーン膜は単層であるよう図示し
ているが、2層以上の多層膜の例もある。ハーフトーン
膜の材質は例えば、SiNx、TiSiONx、CrF
x、WSi、MoSiN、MoSiON、NiSiN、
NiSiON、ZrSiO、などが開発されてきた。
【0004】近年半導体デバイスに対して、より微細化
への要求が強まり、上記の位相シフトマスク開発と平行
して、露光波長そのものを短波長化する技術開発が進ん
できた。以前のg線、i線に代わり、KrFエキシマレ
ーザー(波長=248nm)、ArFエキシマレーザー
(波長=193nm)を露光光源とする露光装置開発が
その例である。このような露光波長の短波長化により、
露光光のエネルギーが増大し、露光装置の硝材、フォト
マスク、また、露光光学系の雰囲気中の物質などと様々
な光反応を起こす事態になってきた。
【0005】まず、ハーフトーン型位相シフトマスクに
おいて、長期間に渡る露光光とハーフトーン膜材料との
光反応によって、ハーフトーン型位相シフトマスクの透
過光位相シフト量や、透過率などの光学特性が変化し、
パターン転写性能を低下させることが解ってきた。例え
ば、ハーフトーン型位相シフトマスクではハーフトーン
膜中の化学結合状態が不安定であるために、露光光のエ
ネルギーにより結合が変化して位相と透過率が変化する
場合がある。これに対しては、ハーフトーン膜に予め露
光光と同様なレーザー光を照射して、膜表面の結合状態
の変化を進行させておき、結合が安定した時点でパター
ン転写露光に用いる方法、或いは、ハーフトーン膜の光
学定数の変化の方向に対して、逆の振る舞いを示す物質
を添加したハーフトーン膜を用いることで、お互いの光
学定数変化をキャンセルし、位相・透過率変動を防止す
る方法(特開平9−189990)が開示されてきた。
しかしながら、前者の方法ではハーフトーン膜成膜時
に、結合安定化後の位相・透過率のシフト量を見込んだ
光学定数制御が要求されるため精度向上にコストを要す
る欠点があった。また、後者の方法でも、光学定数変化
の“平衡状態”を維持することは難しかった。
【0006】一方、露光光学系の雰囲気中やハーフトー
ン膜内部に含まれる酸素が露光波長のエネルギーによっ
て酸化作用が極めて強いオゾンに変化し、これがハーフ
トーン膜を変質させ、位相・透過率を長期間に渡って変
化させて、パターン転写性能を低下させることが知られ
ている。特に、波長240nm以下の短波長紫外光では
その作用は著しい。これに対しては、露光光学系全部、
またはフォトマスク近傍の雰囲気を窒素に置換してしま
う方法(特開平7−57989、及び特開平11−16
802)が開示されている。しかし、完全に酸素を取り
除くことは難しい。また、図2に見られるようにハーフ
トーン膜201の表面にオゾンに対して化学的に安定な
透明膜202を“キャップ”してしまう方法(特許番号
2924791号)も知られている。しかしながらこの
方法でも膜中の化学結合状態の変化については何も考慮
されておらず、オゾン対策としては不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リソグラフ
ィ技術の上記現状に鑑みてなされたものであり、露光用
マスク材料に照射される高エネルギー光によって引き起
こされるマスク材料劣化の影響を排除し、簡便な手段に
より露光用マスクの耐用寿命を向上させることを目的と
している。特にハーフトーン型位相シフトマスクにおい
て、位相シフタ膜の紫外光領域での露光波長に対する照
射耐性を向上させることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハーフト
ーン膜の照射耐性を低下させる原因の一つは、露光雰囲
気中の酸素が露光光によって強い酸化作用を持つオゾン
に変化し、このオゾンがハーフトーン膜の表面を改質す
るためであるとの知見を得て種々検討した結果、露光用
マスクの明部及び暗部の両方でオゾンによるハーフトー
ン膜の改質を同時に起こさせることで、露光光照射によ
る露光用マスクの光学特性変化による解像度などの露光
精度低下を防止し、寿命を延長させることができること
に着想し本発明を完成するに至ったものである。
【0009】すなわち、本発明は、透明基板上に、紫外
光領域の露光波長に対して透明または半透明な少なくと
も1層以上の膜からなる第1の領域と、前記紫外光領域
の露光波長に対して透明または半透明な少なくとも1層
以上の膜からなり、露光波長に対する前記第1の領域と
の位相差が概ね180度となる第2の領域を有し、露光
波長での前記第1の領域と前記第2の領域との透過光強
度の比が、概ね0.03〜0.15:1であることを特
徴とする露光用マスクである。
【0010】また、第2の本発明は、透明基板上に、紫
外光領域の露光波長に対して透明または半透明な少なく
とも1層以上の膜からなる第1の領域と、前記透明基板
のみで構成されるか、或いは透明または半透明の少なく
とも1層以上の膜からなる第2の領域を有し、露光波長
に対する前記第1の領域と第2の領域との位相差が概ね
180度となり、露光波長での前記第1の領域と前記第
2の領域との透過光強度の比が、概ね0.03〜0.1
5:1であり、前記第1の領域、または前記第1及び第
2の領域の少なくとも一部の膜が雰囲気中及び膜中に存
在するオゾンと高い化学反応性を有する物質を含むこと
を特徴とする露光用マスクである。
【0011】この露光用マスクにおいて、前記の露光用
マスクの膜に含まれるオゾンと高い化学反応性を有する
物質は、紫外光照射により、塩素、臭素、水素、及びそ
のイオン化物の少なくとも一部を発生する物質である。
また、前記オゾンと高い化学反応性を有する物質の膜中
の含有量は100〜1000ppmの範囲である。
【0012】さらに、第3の本発明は、透明基板上に、
紫外光領域の露光波長に対して透明または半透明な少な
くとも1層以上の膜からなる第1の領域と、前記紫外光
領域の露光波長に対して透明または半透明な少なくとも
1層以上に膜からなり、露光波長に対する前記第1の領
域との位相差が概ね180度となる第2の領域を有し、
露光波長での前記第1の領域と前記第2の領域との透過
光強度の比が、概ね0.03〜0.15:1である露光
用マスクを用いて被加工基体表面に形成されたレジスト
上に紫外光露光を行うことを特徴とするパターン形成方
法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の典型的な露光用マ
スクについて、図3を参照しながら説明する。図中30
0は、石英などの透明基板である。この透明基板上に、
ハーフトーン膜303が形成されている。このハーフト
ーン膜303は、露光用マスクの露光パターンに対応し
て、露光光の大部分を透過する明部302と、同じく被
加工基体であるウェハ上のレジストを感光させない強度
の露光光を透過する暗部301を有しており、かつ暗部
が、明部と暗部を透過する紫外光の位相差を約180度
変化させるに十分な厚さを持っているものである。
【0014】本発明の透明基板上のハーフトーン膜材料
としては、公知のハーフトーン膜材料を用いることがで
きる。具体的には、SiNx、TiSiONx、CrF
x、WSi、MoSiN、MoSiON、NiSiN、
NiSiON、ZrSiOなどの材料が挙げられる。
【0015】このようなハーフトーン膜において、明部
と暗部の厚さは、次のようにして決定される。すなわ
ち、従来のハーフトーン型位相シフトマスクでは、図1
に示すように、暗部はハーフトーン膜101で形成さ
れ、明部は膜が形成されていない領域であるため、暗部
のハーフトーン膜が露光光の位相を180度回転させる
に必要十分な厚さとする必要があった。
【0016】一方、本発明では、暗部、明部共にハーフ
トーン膜が存在することにより、明部と暗部の位相差を
180度とするために、両領域のハーフトーン膜の厚み
の差分で位相差180度を実現するようにハーフトーン
膜材料及びその厚みを設定する必要がある。また同時
に、ハーフトーン膜暗部ではレジスト材料を感光させな
いように感光感度よりも下回る透過光強度となるように
厚みを設定する。一方、明部では、レジスト材料を感光
させるために感光感度を上回る透過光強度を確保するこ
とが必要である。このような要素を考慮してハーフトー
ン膜の材質及び厚みが決定される。
【0017】本発明において、暗部と明部の透過光強度
の比は、0.03〜0.15:1の範囲が望ましい。暗
部と明部の透過光強度の比がこの範囲を下回った場合、
位相が反転した光の強度が不十分なため、境界部近辺の
光強度が十分0に近づかなくなり、レジスト上に形成さ
れる光学像のコントラスト向上が望めなくなる。また、
暗部と明部の透過光強度の比が上記範囲を超えた場合、
暗部の光強度が大きくなるため、サイドロブが生じる恐
れが強くなる。このような範囲の透過光強度比のハーフ
トーン膜を得るためには、暗部と明部の厚みの差は、5
00〜1000nmが必要であり、またレジストの感
度、露光エネルギー強度にもよるが暗部の厚みは、50
0〜1100nm程度の範囲が必要である。
【0018】以下、上記本発明の典型的なハーフトーン
型位相シフトマスクの製造方法について図面を用いて説
明する。図7が、本発明のハーフトーン型位相シフトマ
スクの製造法の一例を示す工程の流れ図である。まず、
石英などの透明基板300上にハーフトーン膜材料の均
一な厚さの膜313を形成する。このハーフトーン膜は
反応性スパッタ法、CVD法、メッキ法などで成形でき
るが、特に反応性スパッタ法が望ましい。次いでハーフ
トーン膜313上にレジスト膜314を形成する(図7
(a))。次いで、レジスト膜に所望パターンを描画
し、現像後(図7(b))、該レジストパターン304
を用いてハーフトーン膜の明部領域を、ハーフトーン膜
の一部が残存するようにその表層をエッチング除去し
(図7(c))、本発明のハーフトーン型位相シフトマ
スクを作成する。この際、エッチングの終点は、ハーフ
トーン膜の明部と暗部との厚さの差分が、位相を180
度変化させ、かつ露光光透過率が所定の範囲に収まるよ
う制御する。エッチングは、通常の半導体リソグラフィ
技術で用いられている異方性エッチング技術を用いるこ
とができるが、リアクティブイオンエッチング技術が、
操作性、生産性等の点からもっとも好ましい。エッチン
グガスとしては、CFやCFとOとの混合ガスな
どを用いることができる。またエッチング量の測定は、
触針式段差計、光学的位相測定器、AFMなどを用いて
行うことができる。
【0019】上記の本発明の実施の形態では、ハーフト
ーン膜の明部と暗部とを共に単一の層として形成した例
を挙げたが、層を2回以上に分けて形成してもよいし、
2種以上の材料を積層して形成してもよい。ただし、本
発明においては少なくとも明部と暗部の両表面層は同一
の材料で構成することが望ましい。これにより本発明の
露光用マスクを用いて露光を行った場合、ハーフトーン
膜材料の光学特性の劣化が明部と暗部で概ね均一に進行
するため、その差分の変化は、小さいものになるためで
ある。
【0020】次に、本発明の露光用マスクの変形例を図
4に示す。この変形例は、暗部と明部を別工程で成膜す
るものである。石英などの透明基板400上に、露光用
マスクの暗部に相当する領域401及び露光用マスクの
明部に相当する領域402が形成されている。暗部領域
401は、暗部内層ハーフトーン膜403と、暗部表面
ハーフトーン膜404が積層されて構成されている。ま
た、マスクの明部領域402には、明部表面ハーフトー
ン膜405が配置されている。暗部内層ハーフトーン膜
の材料と暗部表面ハーフトーン膜材料とは同一であって
もまた異なっていてもよい。また、明部表面ハーフトー
ン膜材料と、暗部表面ハーフトーン膜材料とは同一のも
のであることが、同時に成膜できるため、また両領域の
光学特性の経時的な劣化の差分の変化率を低減化するた
めに望ましい。また、このような露光用マスクは、暗部
の表面層と内部層を異なる材料で形成することができる
ため、例えば表面層は耐オゾン性が優れた耐久性のある
材料を用い、また、内層は成膜性に優れた材料を用いる
などハーフトーン膜設計の自由度が増し、より作成しや
すい露光用マスクが実現できる。
【0021】次に、上記変形例の露光用マスクの製造方
法を図8により説明する。透明基板400の表面にスパ
ッタ法により第1のハーフトーン膜材料層413を形成
する。この第1のハーフトーン膜材料層413の厚さ
は、透過する露光光の位相を約180度回転させる厚さ
とする。次いで該第1のハーフトーン膜材料層413の
表面にレジスト膜416を塗布し(図8(a))、パタ
ーン露光及び現像処理を行ってレジストパターン406
を形成する(図8(b))。次いで、エッチングを行
い、マスクの明部に相当する第1のハーフトーン膜材料
層をエッチング除去して、マスクの暗部に相当する領域
である暗部内層ハーフトーン膜403を形成する(図8
(c、d))。次いで、暗部領域及び明部領域の全表面
にスパッタ法により第2のハーフトーン膜材料を成膜し
て、暗部表面ハーフトーン膜404及び明部表面ハーフ
トーン膜405を形成する(図8(e))。このような
工程により、暗部表面層と明部表面層とが同一のハーフ
トーン膜材料からなる露光用マスクを容易に製作するこ
とができる。
【0022】また、本発明の露光用マスクの他の変形例
を図5に示す。この変形例は、ハーフトーン型位相シフ
トマスクが配置されている雰囲気中の酸素に起因するオ
ゾンのみならず、ハーフトーン膜中に含まれている酸素
に起因するオゾンによるハーフトーン膜材料の劣化を効
果的に防止できるものである。透明基板500の全面
に、第1のハーフトーン膜材料層である下層膜503が
形成される。この第1のハーフトーン膜材料層下層膜5
03上に、マスクの暗部領域に第2のハーフトーン膜材
料からなる暗部中間ハーフトーン膜504が形成されて
おり、この暗部中間ハーフトーン膜504の上に、第3
のハーフトーン膜材料からなる暗部表面ハーフトーン膜
505が形成されている。また、マスクの明部に相当す
る領域の下層膜上には、明部領域表面層である明部表面
ハーフトーン膜506が形成されている。
【0023】この明部表面ハーフトーン膜506は、暗
部表面ハーフトーン膜505と同じ材料で構成すること
が望ましい。また、下層膜503、暗部表面ハーフトー
ン膜505、明部表面ハーフトーン膜506には、それ
ぞれオゾン反応性物質を添加することが望ましい。オゾ
ン反応性物質とは、ハーフトーン膜材料中に添加され、
露光光照射により発生するオゾンと高い反応性を有する
かあるいはオゾンを分解する際の触媒活性を有する物質
で、例えば塩素、臭素等のハロゲン元素、水素、あるい
は、金属ハロゲン化物等の物質をいう。これらの物質
は、ハーフトーン膜材料中に、100〜1000ppm
程度添加することが望ましい。添加量がこの範囲を上回
ると、膜形成時に位相と透過率を所望値にあわせ込むこ
とが困難になるなどの問題が生じ、またこの範囲を下回
ると、オゾン分解の機能を果たし得ない。オゾン反応性
物質の添加は、ハーフトーン膜をスパッタにより行う際
に、原料にオゾン反応性物質を混合しておくことにより
実現できる。
【0024】本変形例のマスクの製造方法を図9を用い
て説明する。透明基板500の表面にスパッタ法等の成
膜法によりハーフトーン膜材料からなる下層膜503を
形成する。次いで、下層膜503の上に、ハーフトーン
膜材料からなる第2の層514を形成する。次いで、該
ハーフトーン膜材料からなる第2の層514上にレジス
ト膜517を形成し(図9(a))、パターン露光及び
現像処理を行い、暗部レジストパターン507を形成す
る(図9(b))。この暗部レジストパターン507を
マスクとして、第2のハーフトーン膜材料層514をエ
ッチング除去して、マスクの暗部領域である暗部中間ハ
ーフトーン膜504を形成する(図9(c))。次い
で、暗部領域及び明部領域の全表面に第3のハーフトー
ン膜材料をスパッタ法により成膜して暗部表面層である
暗部表面ハーフトーン膜505及び明部表面層である明
部表面ハーフトーン膜506を形成する(図9
(d))。
【0025】この変形例において、第1のハーフトーン
膜材料と第3のハーフトーン膜材料とは同じ材料であっ
ても差し支えない。また、これらの材料にオゾン反応性
物質が含有されていてもよい。第1のハーフトーン膜材
料層503にオゾン反応性物質が含有されていると、前
述したようにハーフトーン膜材料層中に含まれる酸素原
子に起因するオゾンに作用してハーフトーン膜材料の劣
化を防止する効果を有する。また、第3のハーフトーン
膜材料中のオゾン反応性物質は、雰囲気中に存在する酸
素に起因するオゾンによってハーフトーン膜材料が劣化
するのを防止するよう作用する。
【0026】また、本発明の露光用マスクの他の変形例
を図6に示す。この露光用マスクは、多数の半導体チッ
プをウェハ上に搭載する際に、隣接する半導体チップの
分離を確実にするため、あるいはチップ製造の際の位置
あわせのためのマークとして機能する遮光部を形成する
ものである。すなわち、透明基板600の表面に明部領
域602と暗部領域601を有するハーフトーン膜60
3が形成されている。そして、このマスクの回路パター
ンの周辺部に遮光層604が形成されている。この遮光
層604が、上記チップ間の分離及び位置決めのための
マークとして機能するものである。
【0027】本変形例の製造方法を図10に示す。透明
基板600の表面にスパッタ法により第1のハーフトー
ン膜材料層613を形成する。次いで、第1のハーフト
ーン膜材料層613の上に、遮光膜614を形成する。
次いで、該遮光膜614の表面にレジスト層617を形
成し(図10(a))、パターン露光及び現像処理を行
い、暗部レジストパターン607を形成する(図10
(b))。この暗部レジストパターン607をマスクと
して、遮光膜614及び第1のハーフトーン膜材料層6
13を明部領域の厚さを残してエッチング除去して、マ
スクの暗部領域601及び明部領域602を形成する
(図10(c))。次いでこの全表面にレジスト膜を形
成し位置決め部パターンを露光、現像処理により形成し
(図10(d))、このレジストパターン608をマス
クとして遮光膜をエッチング除去して遮光部604を形
成する(図10(e))。
【0028】以上、図3〜6を用いて本発明の露光用マ
スクの実施の形態について説明してきたが、本発明はこ
れらに限られるものではなく、露光用マスクの明部領域
に暗部領域の表面と同一の材料が存在している限り種々
の変更が可能である。例えば、透明基板の全面に形成さ
れたオゾンと高い化学反応性を有する物質を含有する下
層膜上に図3に示した一体に成形されたハーフトーン膜
を形成するような種々の変形が可能である。
【0029】また、上記本発明の実施形態では、露光用
マスクを形成する材料としてハーフトーン膜材料を用い
たマスクの例を示したが、本発明は、このようなハーフ
トーン型位相シフトマスクに限らず、露光光照射により
経時的な光学特性の劣化が生じる材料を用いた露光用マ
スクであれば適用することができる。このような材料の
例としては、透過型位相シフトマスク等各種の位相シフ
トマスクがある。
【0030】次に、本発明の露光用マスクを用いたパタ
ーン形成方法について説明する。本発明のパターン形成
方法は、透明基板上に、紫外光領域の露光波長に対して
半透明な少なくとも1層以上の膜からなる第1の領域
と、前記紫外光領域の露光波長に対して透明または半透
明な少なくとも1層以上に膜からなり、該露光波長に対
する前記第1の領域との位相差が概ね180度となる第
2の領域を有し、該露光波長での前記第1の領域と前記
第2の領域との透過光強度の比が、0.03〜0.1
5:1である露光用マスクを用い、シリコンウェハ等の
被加工基体に形成されたレジスト膜を、紫外光で露光
し、現像してパターンを形成するものである。
【0031】本発明においては、ハーフトーン膜の光透
過率が従来公知のハーフトーン膜より数%低いため、照
射紫外光の強度を若干高めに設定するか、あるいは感光
感度の高いレジストを使用する必要があるが、それ以外
には従来公知のパターン形成技術を採用できる。すなわ
ち、レジストの種類としては、特に限定されるものでは
なく、一般に使用されているポジ型、あるいはネガ型の
レジストを用途に応じて選択して用いることができる。
また、使用紫外光としては、g線、i線や、XeF、X
eCl、KrF、KrCl、ArF、F等のエキシマ
レーザーを用いることができるが、特に短波長の紫外光
を用いた場合に本発明の効果が顕著になる。
【0032】次に図面を用いて本発明の作用について説
明する。図11(a)が従来のハーフトーン型位相シフ
トマスクの例であり、図11(b)が本発明のハーフト
ーン型位相シフトマスクの例である。図11(a)にお
いて、1101は、石英等の透明基板であり、その上に
ハーフトーン膜からなるパターン1102が形成されて
いる。透明基板の下方から紫外露光光が照射されると、
マスク近傍に存在する酸素分子が励起され、オゾンに変
化する。このオゾンは活性が高く、ハーフトーン膜表面
1103でオゾンとハーフトーン膜材料が反応し、変質
してしまう。その結果、ハーフトーン膜の位相シフト量
及び紫外光透過率等の光学特性が変化することとなる。
従来例においては、紫外露光光照射により、明部と暗部
の光位相シフト量が180度からずれてしまうことから
明部透過光と暗部透過光の光の干渉が減少し、解像度が
低下することになる。これに対して、図11(b)の本
発明のハーフトーン型位相シフトマスクでは、露光光照
射により生成したオゾンによって、暗部ハーフトーン膜
表面1103の材料は、従来例と同様に変質して位相シ
フト量が変化するものの、マスクの明部1104におい
ても同様に位相シフト量が変化するため、両者の差分で
ある位相シフト量はほとんど変わることはない。従っ
て、紫外露光光照射によっても光位相シフト量は180
度付近に維持されることから、従来例のような解像度低
下を招くこともない。
【0033】また、前述のように紫外露光光照射によっ
てハーフトーン膜の紫外光透過率が上昇すると、この露
光用マスクを使用してパターン形成を行った場合にサイ
ドロブが発生することになる。その機構について、図を
用いて説明する。図12は、従来のハーフトーン型位相
シフトマスクを用いてコンタクトホールを形成する工程
を説明するための図であり、図13は、従来のハーフト
ーン型位相シフトマスクを長時間使用し、ハーフトーン
膜にオゾンによる変質が発生したマスクを使用してコン
タクトホールを形成する工程を説明するための図であ
る。
【0034】図12(a)は、露光マスクを上方から見
た図であり、コンタクトホール形成のための開口部であ
る明部と暗部からなるパターンが形成されている。図1
2(b)は、この露光用マスクについてA−A’線で切
断した断面図であり、透明基板上にハーフトーン膜が形
成されている。このマスクに紫外光を照射すると、図1
2(c)に見られるように明部から透過する紫外光に対
応する正の振幅のピークと、暗部を透過し、位相が18
0度変化した負のピークを有している。そして光の強度
は振幅の自乗に相当することからこれらの光を合成する
と、図12(d)の光の波形が得られ、点線の感度を有
するレジストにこの紫外光を照射すれば、暗部透過光は
レジストを感光させないから、図12(e)のサイドロ
ブの見られない転写精度のよいコンタクトホールのパタ
ーンが得られる。
【0035】これに対して、長時間紫外光を照射して劣
化した従来例のハーフトーン型位相シフトマスクを用い
てコンタクトホールの形成を行った場合、明部では透過
光の振幅は図12の初期状態と異ならないものの、暗部
ではハーフトーン膜の透過率が上昇していることから、
負のピーク値(絶対値)が大きくなっている。従って、
前述したように暗部の紫外照射光強度が増加し、レジス
トの感度を上回るピークが発生してしまう。これによ
り、レジスト上に形成されるパターンには図13(e)
に見られるようにサイドロブが発生することになる。そ
して、かかるハーフトーン型位相シフトマスクにおいて
は明部を通過する紫外光についてはその振幅に変化はな
く、暗部を通過する紫外光についてのみ振幅に変化が生
じることから、レジスト材料の感度を調整してサイドロ
ブを回避しようとしても、暗部と明部との透過高強度の
差は減少する一方であるため、調整には限界がある。
【0036】一方、本発明のハーフトーン膜を用いた場
合には、紫外光の長時間照射によって暗部透過光の振幅
は上昇するものの、明部に存在するハーフトーン膜の透
過率も併せて上昇し、明部透過光の振幅も上昇すること
から明部と暗部の透過光強度の差は小さくなることはな
い。従って、ハーフトーン膜を長時間紫外光照射した
後、露光量の補正やレジストの感度補正によりサイドロ
ブの生じないパターン形成が可能になる。
【0037】
【実施例】(実施例1、比較例1)以下、本発明の第1
の実施例を図を用いて説明する。図3は本発明の第1の
実施例の露光用マスクの断面図であり、図7がその作成
工程を示す図である。
【0038】図7(a)に示すような透明基板300、
ハーフトーン膜313、レジスト314からなるハーフ
トーンブランクスを用意した。透明基板としては152
mm(6インチ)角、7.3mm(0.25インチ)厚
の石英基板、レジスト314は500nm厚のフォトレ
ジストとし、ハーフトーン膜はMoSiNからなる厚さ
75nmの膜を用いた。この膜は、193nmの露光波
長に対する位相変化は193度、透過率5.3%であっ
た。次にレジスト314にレーザー描画機を用いて所望
パターンを描画した後、ベーク、現象の処理を経て、図
7(b)に示したレジストパターン304を得た。この
レジストパターンをエッチングマスクとして、ハーフト
ーン膜明部領域302にハーフトーン膜303が5nm
残るように制御しながらハーフトーン膜313をRIE
装置でエッチングした(図7(c))。この時、エッチ
ングの終点検知には、触針式段差計で測定して行った。
エッチング条件はCF=100sccm、圧力3.4
Pa、RFパワー100Wであった。所望量のエッチン
グが終了した後、過酸化水素水:濃硫酸=1:4に混合
した溶液中でレジストを酸化除去することによりレジス
ト304を除去した(図7(d))。
【0039】以上の工程によって、図3のMoSiN膜
を用いたハーフトーン膜303を形成した。得られたハ
ーフトーン型位相シフトマスクにおいては、明部302
のハーフトーン膜の膜厚は5nm、暗部301の膜厚は
75nmであった。また、露光波長193nmに対する
石英基板300、ハーフトーン膜明部302、暗部30
1の空気に対する透過率はそれぞれ90%、82%、
5.3%であった。この結果、明部302を透過した波
長193nmの露光光に対する暗部301の露光光の透
過率は6.2%となった。また、明部302を透過した
波長193nm露光光と暗部301を透過した露光光と
の位相差は180度であった。
【0040】比較のため、図1に見られる従来公知のハ
ーフトーン型位相シフトマスクを用意した。すなわち、
実施例1と同様にMoSiNをハーフトーン膜材料とし
て使用し、ハーフトーン膜101の膜厚を70nmとし
た露光マスクを作成した。この露光マスクは、露光波長
193nmの露光光に対して実施例1と同様に、180
度の位相差を有していた。さらに、暗部の明部に対する
初期透過率は6.2%であった。また、後述する照射耐
性評価のための紫外光照射試験終了後の透過率は6.8
%に変化していた。これはArFエキシマレーザーの露
光により、露光光学系の雰囲気中の酸素がオゾンに変化
し、これがハーフトーン膜表面近傍の膜質を変化させた
ためである。
【0041】以上のようにして得られたハーフトーン型
位相シフトマスクの露光波長に対する照射耐性を調べる
ため、次の紫外光照射試験を行った。すなわち、光源と
して露光波長193nmのArFエキシマレーザーを用
い、総照射量12.2kJ/cmとなるようにエキシ
マレーザーを照射した。なお、比較のため従来の露光用
マスクに対して10kJ/cmのエキシマレーザーを
照射した。本発明の露光用マスクの方が総照射量が大き
いのは、本発明の露光用マスクは明部の露光光透過率が
従来例の82%であるため、従来例に対する総照射量を
0.82倍となるように調整したものである。これらの
結果を表にまとめて示す。
【0042】
【表1】
【0043】(実施例2)本実施例は、本発明の図6に
示すハーフトーン膜上に遮光膜を形成したブランクスを
使用した場合のハーフトーン型位相シフトマスクに関す
るものである。本実施例の露光用マスクの製造工程を示
す図10を用いて説明する。石英などの透明基板600
上に反応性スパッタ法により、MoSiONからなるハ
ーフトーン膜材料層613を形成した。この層の厚さ
は、55nmとした。次いで、ハーフトーン膜材料層の
上にCrO/Crからなる膜である遮光膜を反応性スパ
ッタ法で形成した。この遮光膜の膜厚は100nmとし
た。次いで、該遮光膜上にレジスト膜617を形成し、
レジスト膜上に常法に従い、レジストパターン607を
形成した後、まず遮光膜614をエッチングした。エッ
チングはC1/O=80/20sccm、圧力6.
8Pa、RFパワー100Wの条件でのRIE法により
行った。その後、このCr遮光膜624及びレジスト6
07をエッチングマスクとして、実施例1と同じ方法で
ハーフトーン膜603をエッチングした(図10
(c))。
【0044】ハーフトーン膜603のエッチング後、一
度レジスト607を除去してから、再度、レジストを塗
布・ベークして、フォトマスクの露光領域内のレジスト
が溶解するように描画を行い、ベーク・現象を行ってレ
ジストパターン608を得た。このレジストパターン6
08をエッチングマスクとして遮光膜624をウェット
エッチングし、最後にレジストパターン608を酸化除
去した。このようにして作成されたハーフトーン型位相
シフトマスクの特性を、表に併せて示す。この方法によ
ってハーフトーン位相シフト機能を全く損なわずに、位
置決めマークをマスク上に作成できることが明らかとな
った。
【0045】(実施例3)次に、ハーフトーン膜暗部
と、明部を別工程で形成したハーフトーン型位相シフト
マスクの例を示す。図4が本実施例の露光用マスクの断
面図であり、図8がその作成工程を示す図である。ま
ず、図8(a)に示すような透明基板400、ハーフト
ーン膜413、レジスト416からなるハーフトーンブ
ランクスを用意した。透明基板としては152mm(6
インチ)角、7.3mm(0.25インチ)厚の石英基
板、レジスト314は500nm厚のフォトレジストと
し、ハーフトーン膜はMoSiNからなる厚さ70nm
の膜を用いた。この膜は、193nmの露光波長に対す
る位相変化は180度、透過率5.5%であった。次に
レジスト416にレーザー描画機を用いて所望パターン
を描画した。その後、ベーク、現象の処理を経て、図8
(b)に示したレジストパターン406を得た。このレ
ジストパターンをエッチングマスクとして、ハーフトー
ン膜明部領域402にはハーフトーン膜303が残らな
いように完全にハーフトーン膜をRIE装置でエッチン
グ除去した(図8(c))。エッチング条件はCF
100sccm、圧力3.4Pa、RFパワー100W
であった。エッチングが終了した後、過酸化水素水:濃
硫酸=1:4に混合した溶液中でレジストを酸化除去す
ることによりレジスト406を除去した(図8
(d))。次いで、パターン形成された暗部領域及び明
部領域の全面にわたって、ハーフトーン膜403と同じ
材料を用いてハーフトーン膜材料層をスパッタ法により
成膜した(図8(e))。この際、暗部領域表面層40
4及び明部領域表面層405の膜厚は5nmとした。
【0046】こうして得られたハーフトーン型位相シフ
トマスクの露光波長に対する照射耐性を実施例1と同様
に調べた。その結果、本発明のハーフトーン型位相シフ
トマスクでは露光波長193nmの初期透過率は明部で
73.8%、暗部で4.8%であり、明部に対する暗部
の透過率が6.2%であった。評価終了後の透過率は明
部、暗部それぞれ81.2%、5.2%と変化していた
が、明部に対する暗部の透過率は6.4%であり、透過
率変化は0.2%に抑えられていた。これは、露光によ
って生じたオゾンにより明部・暗部両方のハーフトーン
膜の透過率が変化したものの明部・暗部の透過率比が変
わらなかったためであると言える。照射後の位相変化に
ついていも同様に従来例のハーフトーン型位相シフトマ
スクでは変化が大きく、本実施例のハーフトーン型位相
シフトマスクでは明部と暗部との間の位相差の変化は非
常に小さかった。これらの結果を、表に併せて示す。
【0047】(実施例4)続いて本発明のオゾンと高い
化学反応性を有する物質を含有させたハーフトーン膜材
料を用いた実施例を説明する。本実施例では、ハーフト
ーン膜材料として、MoSiNを用いて、図4に示す構
造の露光マスクを準備した。
【0048】まず、図8の製造工程に従って暗部内層ハ
ーフトーン膜403を形成した。得られたハーフトーン
膜403の透過率は6.2%、位相差は180度であっ
た。次いで、同じ材質のハーフトーン膜材料にオゾンと
高い反応性を示す物質として臭素を用いスパッタ方法に
より暗部表面ハーフトーン膜404及び明部表面ハーフ
トーン膜405を形成した。臭素の含有量はおよそ50
0ppmであった。このハーフトーン膜404及び40
5の膜厚は5nmとした。この結果、明部402でのハ
ーフトーン膜の膜厚は5nm、暗部401での膜厚は7
5nmとなった。この時、露光波長193nmに対する
石英基板400、ハーフトーン膜明部402、暗部40
1の透過率はそれぞれ90%、88%、5.5%であっ
た。また、明部402を透過した波長193nmの露光
光に対する暗部401の露光光の透過率は6.2%とな
った。さらに、明部402を透過した波長193nmの
露光光と暗部401を透過した露光光との位相差は18
0度であった。
【0049】このハーフトーン型位相シフトマスクを用
いて実施例1に記載した照射耐性の評価試験を行った。
光源として露光波長193nmのArFエキシマレーザ
ーを用い、総照射量は本発明のフォトマスクに対して1
1.4kJ/cmとした。
【0050】本実施例の露光用マスクの評価試験終了後
の透過率は、明部、暗部それぞれ87.1%、5.6%
と変化していたが、明部に対する暗部の透過率は6.4
%となった。照射後の位相変化について、本実施例のハ
ーフトーン型位相シフトマスクでは明部と暗部との間の
位相差の変化は非常に小さかった。これらの結果を表に
併せて示す。
【0051】本実施例では、オゾンと反応する物質をハ
ーフトーン膜に添加してスパッタした膜を用いたが、ハ
ーフトーン膜ではなく、透明膜にオゾンと反応する物質
を添加してもよい。
【0052】以上の実施例1ないし実施例4において
は、露光光照射試験前後での暗部と明部の透過率比の変
化は、0.2%程度であったが、比較例における透過率
比の変化は、0.6%と高いことが判明した。
【0053】(実施例5、比較例2)実施例1及び比較
例1で作成した露光マスクを用いたコンタクトホールの
パターン形成についての実施例及び比較例を説明する。
露光マスクのパターンは、マスクは600nmx600
nmの開口部を有し、非開口部のライン幅は600nm
であった。このマスクを用いて、波長193nmのAr
Fエキシマレーザーを用いて、照射光強度11mJ/c
でシリコンウェハ上に形成されたレジスト上に露光
マスクのパターンを転写した。次いで、実施例1に記載
した紫外光照射試験の条件で紫外光を照射した後、再度
同様のパターンを形成した。その結果、比較例1の露光
マスクでは透過率、位相変化が大きいため、コンタクト
ホールパターン近傍にサイドロブを生じてしまい、コン
トラストが低下してしまった。これは、露光量補正、現
像時間補正で修正することが不可能であった。一方、本
実施例のマスクでは紫外光照射試験以前の露光量、現像
時間と比べて若干の補正が必要であったが、コンタクト
ホールパターンにサイドロブなどを生じることなく、高
いコントラストでパターンを形成し続けることができ
た。
【0054】
【発明の効果】ハーフトーン型位相シフトマスクのパタ
ーン明部にも暗部と同質の膜を付加したことにより、紫
外光領域での露光によるハーフトーン膜の位相・透過率
に変化が生じても、明部と暗部の位相差・透過光強度の
比は変わらなかった。この結果、ハーフトーン型位相シ
フトマスクの寿命が延び、1枚のマスクで露光できる半
導体チップの総数が増大して、チップ1個当たりのコス
トを低減する効果が得られた。また、ハーフトーン型位
相シフトマスクの膜にオゾン分解性の高い物質を付加し
たことにより、露光時に発生したマスク表面および膜中
のオゾンを分解することができたため、ハーフトーン膜
の寿命をさらに延長することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、従来の露光用マスクの一例を示した
断面図である。
【図2】 図2は、従来の他の露光用マスクの例を示し
た断面図である。
【図3】 図3は、本発明の露光用マスクの一例を示す
断面図である。
【図4】 図4は、本発明の露光用マスクの他の例を示
す断面図である。
【図5】 図5は、本発明の露光用マスクの他の例を示
す断面図である。
【図6】 図6は、本発明の露光用マスクの他の例を示
す断面図である。
【図7】 図7は、図3の本発明の露光用マスクの作成
工程を示した断面図である。
【図8】 図8は、図4の本発明の露光用マスクの作成
工程を示した断面図である。
【図9】 図9は、図5の本発明の露光用マスクの作成
工程を示した断面図である。
【図10】 図10は、図6の本発明の露光用マスクの
作成工程を示した断面図である。
【図11】 図11は、露光によるハーフトーン膜の変
質を説明する図である。
【図12】 図12は、従来の露光用マスクを用いたパ
ターン形成を説明するための図である。
【図13】 図13は、図12の露光用マスクが変質し
て転写パターンにサイドロブを生じる場合を説明する図
である。
【符号の説明】
100…石英基板、101…ハーフトーン膜、200…
石英基板、201…ハーフトーン膜、22…透明膜、3
00…石英基板、301…暗部、302…明部、303
…ハーフトーン膜、313…ハーフトーン膜材料層、3
14…レジスト膜、400…石英基板、401…暗部、
402…明部、403…暗部内層ハーフトーン膜、40
4…暗部表面ハーフトーン膜、405…明部表面ハーフ
トーン膜、413…ハーフトーン膜材料層、416…レ
ジスト膜、500…石英基板、501…暗部、502…
明部、503…下層膜、504…暗部中間ハーフトーン
膜、505…暗部表面ハーフトーン膜、506…明部表
面ハーフトーン膜、514…ハーフトーン膜材料層、5
17…レジスト膜、600…石英基板、601…暗部、
602…明部、603…ハーフトーン膜、604…遮光
部、607暗部レジストパターン…、608…レジスト
パターン、613…ハーフトーン膜材料層、614…遮
光膜、617…レジスト膜、1101…透明基板、11
02…暗部ハーフトーン膜透過率不変部、1103…暗
部ハーフトーン膜透過率変化部、1104…明部ハーフ
トーン膜透過率変化部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に、紫外光領域の露光波長に対
    して半透明な少なくとも1層以上の膜からなる第1の領
    域と、前記紫外光領域の露光波長に対して透明または半
    透明な少なくとも1層以上の膜からなり、該露光波長に
    対する前記第1の領域との位相差が概ね180度となる
    第2の領域を有し、該露光波長での前記第1の領域と前
    記第2の領域との透過光強度の比が、0.03〜0.1
    5:1であることを特徴とする露光用マスク。
  2. 【請求項2】透明基板上に、紫外光領域の露光波長に対
    して半透明な少なくとも1層以上の膜からなる第1の領
    域と、前記透明基板のみで構成されるか、或いは透明ま
    たは半透明な少なくとも1層以上の膜からなる第2の領
    域を有し、該露光波長に対する前記第1の領域と第2の
    領域との位相差が概ね180度となり、該露光波長での
    前記第1の領域と前記第2の領域との透過光強度の比
    が、0.03〜0.15:1であり、前記第1の領域、
    または前記第1および第2の領域の少なくとも一部の膜
    がオゾンと高い化学反応性を有する物質を含むことを特
    徴とする露光用マスク。
  3. 【請求項3】請求項2記載の露光用マスクにおいて、前
    記オゾンと高い化学反応性を有する物質が、紫外光照射
    によって、塩素、臭素、水素、及びそのイオン化物の少
    なくとも一部を発生する物質であることを特徴とする露
    光用マスク。
  4. 【請求項4】請求項3記載の露光用マスクにおいて、前
    記膜中に前記オゾンと高い化学反応性を有する物質を1
    00〜1000ppmの割合で含有していることを特徴
    とする露光用マスク。
  5. 【請求項5】透明基板上に、露光光照射により光学特性
    において劣化を生ずる材料層を少なくとも表面に有す
    る、露光光に対して不透明もしくは半透明な材料からな
    る第1の領域と、前記露光光照射により光学特性におい
    て劣化を生ずる材料層を表面に有し、前記第1の領域よ
    り膜厚が薄く、露光光に対して半透明もしくは透明な材
    料層からなる第2の領域を有することを特徴とする露光
    用マスク。
  6. 【請求項6】被加工基体上にレジスト膜を形成する工程
    と、透明基板上に、紫外光領域の露光波長に対して半透
    明な少なくとも1層以上の膜からなる第1の領域と、前
    記紫外光領域の露光波長に対して透明または半透明な少
    なくとも1層以上に膜からなり、該露光波長に対する前
    記第1の領域との位相差が概ね180度となる第2の領
    域を有し、該露光波長での前記第1の領域と前記第2の
    領域との透過光強度の比が、0.03〜0.15:1で
    ある露光用マスクを用いて前記レジスト膜上に紫外光に
    よるパターン露光を行う工程と、前記レジスト膜を現像
    処理する工程からなることを特徴とするパターン形成方
    法。
JP37431999A 1999-12-28 1999-12-28 露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法 Pending JP2001188335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37431999A JP2001188335A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37431999A JP2001188335A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001188335A true JP2001188335A (ja) 2001-07-10

Family

ID=18503649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37431999A Pending JP2001188335A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001188335A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20080001466A (ko) * 2006-06-29 2008-01-03 주식회사 하이닉스반도체 하프톤 위상반전마스크 및 그 제조방법
KR20100002162A (ko) * 2008-06-25 2010-01-06 호야 가부시키가이샤 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크 및 위상 시프트 마스크 블랭크의 제조 방법
KR20110047756A (ko) * 2009-10-30 2011-05-09 삼성전자주식회사 하프톤형 위상반전 블랭크 포토마스크와 하프톤형 위상반전 포토마스크 및 그의 제조방법
JP2012155334A (ja) * 2006-05-15 2012-08-16 Hoya Corp Fpdデバイス製造用マスクブランク、フォトマスク、及びfpdデバイス製造用マスクブランクの設計方法
JP2016018192A (ja) * 2014-07-11 2016-02-01 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法
JP2017151480A (ja) * 2017-05-29 2017-08-31 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012155334A (ja) * 2006-05-15 2012-08-16 Hoya Corp Fpdデバイス製造用マスクブランク、フォトマスク、及びfpdデバイス製造用マスクブランクの設計方法
KR20080001466A (ko) * 2006-06-29 2008-01-03 주식회사 하이닉스반도체 하프톤 위상반전마스크 및 그 제조방법
KR20100002162A (ko) * 2008-06-25 2010-01-06 호야 가부시키가이샤 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크 및 위상 시프트 마스크 블랭크의 제조 방법
JP2010009038A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Hoya Corp 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクおよび位相シフトマスクブランクの製造方法
JP2014130360A (ja) * 2008-06-25 2014-07-10 Hoya Corp 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクおよび位相シフトマスクブランクの製造方法
KR101630874B1 (ko) 2008-06-25 2016-06-15 호야 가부시키가이샤 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크 및 위상 시프트 마스크 블랭크의 제조 방법
KR20110047756A (ko) * 2009-10-30 2011-05-09 삼성전자주식회사 하프톤형 위상반전 블랭크 포토마스크와 하프톤형 위상반전 포토마스크 및 그의 제조방법
JP2011095744A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Samsung Electronics Co Ltd ハーフトーン型位相シフトフォトマスクブランクとハーフトーン型位相シフトフォトマスク及びその製造方法
US8865375B2 (en) 2009-10-30 2014-10-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Halftone phase shift blank photomasks and halftone phase shift photomasks
KR101656456B1 (ko) * 2009-10-30 2016-09-12 삼성전자주식회사 하프톤형 위상반전 블랭크 포토마스크와 하프톤형 위상반전 포토마스크 및 그의 제조방법
JP2016018192A (ja) * 2014-07-11 2016-02-01 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法
JP2017151480A (ja) * 2017-05-29 2017-08-31 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7691546B2 (en) Photomask blank and photomask
JP5036544B2 (ja) フォトマスクブランク、及びフォトマスクとその製造方法、並びに半導体装置の製造方法
US9075320B2 (en) Mask blank, transfer mask, method of manufacturing a transfer mask, and method of manufacturing a semiconductor device
KR101780068B1 (ko) 마스크 블랭크 및 전사용 마스크의 제조 방법
US8658334B2 (en) Transfer mask, method of manufacturing a transfer mask, and method of manufacturing a semiconductor device
US9372393B2 (en) Mask blank, transfer mask, method of manufacturing a transfer mask, and method of manufacturing a semiconductor device
WO2007074806A1 (ja) フォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法
EP2261736B1 (en) Method of manufacturing a photomask
US7972750B2 (en) Mask blank and mask
JP2008304956A (ja) フォトマスクブランク及びフォトマスク
WO2008032819A1 (fr) Ébauche de masque et procédé de fabrication de masque de transfert
US8367276B2 (en) Mask blank and method of manufacturing mask
EP2594992B1 (en) Evaluation of etching conditions for pattern-forming film
JP2003107675A (ja) マスクブランク、及びマスク
JP2001188335A (ja) 露光用マスク、及びそれを用いたパターン形成方法
US9618838B2 (en) Photomask blank
KR100945921B1 (ko) 반도체 소자의 포토마스크 형성방법
US7901849B2 (en) Photomask and method of fabricating the same
JP5219201B2 (ja) フォトマスク、フォトマスク用ブランク、フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法
JP5058735B2 (ja) マスクブランクの製造方法及びマスクの製造方法
JP2020140106A (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
US20210407803A1 (en) Manufacturing method of photomask, and photomask blank
JP6627926B2 (ja) 位相シフトマスクブランクスの製造方法
JPH075676A (ja) 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク
JPH04137717A (ja) 位相シフトマスク、位相シフトマスクブランク及び位相シフト部材形成用ターゲット

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040528

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040713