JP2001188225A - ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子 - Google Patents

ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子

Info

Publication number
JP2001188225A
JP2001188225A JP37134199A JP37134199A JP2001188225A JP 2001188225 A JP2001188225 A JP 2001188225A JP 37134199 A JP37134199 A JP 37134199A JP 37134199 A JP37134199 A JP 37134199A JP 2001188225 A JP2001188225 A JP 2001188225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
film
alignment
thickness
optical compensation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37134199A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Toyooka
武裕 豊岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mitsubishi Oil Corp filed Critical Nippon Mitsubishi Oil Corp
Priority to JP37134199A priority Critical patent/JP2001188225A/ja
Priority to PCT/JP2000/005132 priority patent/WO2001009674A1/ja
Publication of JP2001188225A publication Critical patent/JP2001188225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラスト特性を損ねることなく、中間調
表示時の左右非対称性を低減したノーマリーブラックモ
ード型のTN液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セル
と、ツイステッドネマチック配向を保持し、かつ、ねじ
れ角がフィルムの膜厚にほぼ比例関係にある光学補償フ
ィルムと、光学的に負の異方性を示すフィルムと、を設
けてなるノーマリーブラックモード型ツィステッドネマ
チック液晶表示素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示コントラス
ト、階調特性及び表示色の視野角特性が改良されたノー
マリーブラックモード型のTN液晶素子(ノーマリーブ
ラックモード型のツイステッドネマチック液晶表示素
子)に関する。
【0002】
【従来の技術】TFT素子あるいはMIM素子等を用い
たアクティブ駆動のツイステッドネマチック型液晶表示
素子(以下、「TN−LCD」と略す。)は、薄型、軽
量、低消費電力というLCD本来の特長に加えて、正面
から見た場合CRTに匹敵する画質を有するために、ノ
ートパソコン、携帯用テレビ、携帯用情報端末等の表示
装置として広く普及している。電圧無印加時に黒表示と
なり、黒表示時のセル中の液晶配向状態がねじれ構造を
形成するノーマリーブラックモード型のTN−LCD
(以下、「NB−TN−LCD」と略す。)は、光学的
な異方性が平均化されているために電圧無印加時に白表
示となるノーマリーホワイト型のTN−LCD(以下、
「NW−TN−LCD」と略す。)と比較して視野角特
性が良好である。ただしNB−TN−LCDは、黒表示
時のセル中の液晶配向状態がねじれ構造であるが故に、
可視領域全体にわたって完全に光を遮光することができ
ず、黒表示が着色してしまい、表示のコントラストが低
下してしまうことから、NW−TN−LCDでは課題と
なり得ない色補償を行わなければならないという課題が
残されている。この課題を解決するために様々な色補償
方法が近年報告されており、例えばLCDパネルの各
色(R、G、B)の画素毎にセルギャップを最適値に設
定する方法(マルチギャップ法:Hatta et al.、 SI
D 1986 Digest、 p296)、複数の延伸フィルムを
用いて色補償を行う方法(Sergan et al.、 Jpn.
J. Appl. Phys.、 37(3A)、 p889)、補償用の
液晶セルにて色補償を行う方法(吉田ら、第16回液晶討
論会予稿集(1990)、2L307、p222)等が提案されてい
る。しかしながら、マルチギャップ方法ではセル全面
にわたって表示画素毎に基板に段差を設ける等の微細加
工が必要であり、結果としてセルの歩留り低下及びコス
ト上昇を招いてしまう。また、複数の延伸フィルムを
用いて色補償を行う方法では、コントラスト確保のため
に4枚以上のフィルムを用いる必要があり、フィルムの
ばらつき、貼合加工時の精度等により安定した特性を得
ることが困難である。補償用の液晶セルにて色補償を
行う方法では、セルを積層することから重量や厚み増加
の問題がある。さらには補償用液晶セルのパネル間のば
らつきにより表示特性が変化し、かつ補償用液晶セルの
面内ムラが表示ムラとなって現れるため、高精度かつ高
均一な補償用液晶セルが必要であり、セルの歩留まり低
下及びコスト上昇を招いてしまうものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みて成されたものであり、その目的は、コントラスト
特性を損ねることなく、中間調表示時の左右非対称性を
低減したノーマリーブラックモード型のTN液晶表示素
子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のノー
マリーブラックモード型のTN液晶表示素子は、2枚の
偏光板の間に、駆動用液晶セルと、ツイステッドネマチ
ック配向を保持し、かつ、ねじれ角がフィルムの膜厚に
ほぼ比例関係にある光学補償フィルムと、光学的に負の
異方性を示すフィルムとを設けたものである。また、本
発明のノーマリーブラックモード型のTN液晶表示素子
は、上記駆動用液晶セルを構成するネマチック液晶の屈
折率異方性Δnとそのネマチック液晶層の厚みdとの積
(Δnd値)が200nm〜600nmの範囲にあると
共にネマチック液晶層のねじれ配向時のねじれ角が80
゜〜100゜の範囲にあり、上記光学補償フィルムの屈
折率異方性△n1と該光学補償フィルムの厚みd1との
積(△n1d1値)のフィルム面内の平均値の絶対値が
上記Δnd値とほぼ同等であり、ツイステッドネマチッ
ク配向におけるねじれ方向がネマチック液晶層のねじれ
配向方向と逆方向であり、かつ、ツイステッドネマチッ
ク配向におけるねじれ角の平均値の絶対値が駆動用液晶
セルのねじれ角の絶対値とほぼ同等であり、上記光学的
に負の異方性を示すフィルムの膜厚方向の複屈折△n2
と該フィルムの厚みd2との積(△n2d2値)が−2
0〜−300nmの範囲にあることが好ましい。ここ
で、光学補償フィルムの屈折率異方性△n1とは、当該
光学補償フィルムを構成している液晶材料の屈折率異方
性を意味する。また、光学補償フィルムの厚みとは、フ
ィルム自体の正味の厚みを意味し、当該フィルムが配向
基板等の支持基板等に支持されている場合には、その支
持基板等の厚みを含まない。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明は、駆動用液晶セル、2枚の偏光板、光学
補償フィルム及び光学的に負の異方性を示すフィルムか
ら少なくとも構成されるノーマリーブラックモード型の
TN液晶表示素子である。本発明において使用される駆
動用液晶セルは、電極を備えた一対の透明基板の間に、
電圧無印加時にねじれ配向を形成するネマチック液晶を
封入した構造のもの(ネマチック液晶層を配設したも
の)である。このような構造を備えていれば、電極、透
明基板及びネマチック液晶の種類や液晶セルの製法等は
特に制限はない。駆動用液晶セルは駆動方式によって、
単純マトリクス方式と、能動素子を電極として用いるア
クティブマトリクス方式とに分類され、後者のアクティ
ブマトリクス方式はさらにTFT(Thin Film
Trasistor)電極を能動素子に用いるもの
と、MIM(Metal Insulator Met
al)電極又はTFD(Thin Film Diod
e)電極を能動素子に用いるものとに分類されるが、い
ずれの駆動方式であっても、本発明の駆動用液晶セルと
して用いることができる。本発明に用いられる駆動用液
晶セルとしては、当該液晶セルを構成するネマチック液
晶の屈折率異方性Δnとその液晶層の厚みdとの積(Δ
nd値)が、通常200nm〜600nm、好ましくは
300nm〜500nmの範囲にあることが望ましい。
△nd値が600nmより大きい場合には、ネマチック
液晶層と後述する光学補償フィルムとを組み合わせた際
に、着色が大きくなる恐れがあり、200nmより小さ
い場合には、正面の輝度やコントラストの低下が起こる
恐れがある。また、液晶セルの電圧無印加時におけるネ
マチック液晶のねじれ角は、通常80゜〜100゜、好
ましくは85゜〜95゜の範囲にあることが望ましい。
ねじれ角が上記範囲から外れた場合は、旋光効果を十分
に得ることができず、NB−TN−LCDとしての表示
特性が著しく低下する恐れがある。なお、ねじれ角のね
じれ方向は、左右どちらの方向であってもよい。
【0006】本発明の光学補償フィルムは、ツイステッ
ドネマチック配向が保持された、換言すれば、ツイステ
ッドネマチック配向が固定化された液晶層から少なくと
も構成されたフィルムであり、かつフィルムのねじれ角
がフィルム膜厚にほぼ比例関係にあるものであれば特に
制限されるものではない。ここでフィルムのねじれ角が
フィルム膜厚にほぼ比例関係にあるとは、フィルムを構
成する一層の液晶層において、層厚にばらつきがあり、
膜厚の厚い箇所ではねじれ角が大きく、膜厚の薄い箇所
ではねじれ角が小さい、ということを意味する。すなわ
ち、フィルムには膜厚が厚い箇所と薄い箇所があり、厚
い箇所ではねじれ角が大きく、膜厚の薄い箇所ではねじ
れ角が小さく膜厚に応じてねじれ角が比例的に変化し
て、膜厚とねじれ角とがほぼ比例関係となることであ
る。層厚のばらつきの範囲は、所望のフィルム膜厚に対
して好ましくは20%以内、より好ましくは10%以
内、さらに好ましくは5%以内である。
【0007】また、本発明の構成要素である光学補償フ
ィルムにおいて、当該フィルムの屈折率異方性△n1と
フィルムの厚みd1との積(△n1d1値)のフィルム
面内の平均値の絶対値が、上述した駆動用液晶セルの△
nd値とほぼ同等であることが望ましい。具体的には、
光学補償フィルムの△n1d1値のフィルム面内の平均
値の絶対値は、通常200nm〜600nm、好ましく
は300nm〜500nmの範囲にあることが望まし
い。△n1d1値のフィルム面内の平均値の絶対値が6
00nmより大きい場合には、NB−TN−LCDに不
必要な着色が多く見られる可能性がある。また△n1d
1値のフィルム面内の平均値の絶対値が200nmより
小さい場合には、LCDの正面の輝度やコントラストの
低下を生じる恐れがある。本発明の光学補償フィルムに
保持されているツイステッドネマチック配向のねじれ方
向は、駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶層のねじ
れ方向とは逆方向であり、そのねじれ角のフィルム面内
の平均値は駆動用液晶セルにおけるのネマチック液晶層
のねじれ角と絶対値においてほぼ同等であることが望ま
しい。具体的には、光学補償フィルムのねじれ角のフィ
ルム面内の平均値は、通常40゜〜120゜、好ましく
は80゜〜100゜、さらに好ましくは85゜〜95゜
の範囲にあることが望ましい。ねじれ角のフィルム面内
の平均値が上記範囲を外れた場合は、NB−TN−LC
Dの正面のコントラストが低下する恐れがある。
【0008】光学補償フィルムの調製に用いる液晶材料
は、フィルム形成能を有し、かつ、液晶状態で所望のツ
イステッドネマチック配向を保持できるものであれば特
に限定されないが、好ましくはさらに光学的に正の一軸
性を示すものがよい。この種の液晶材料としては液晶状
態で所望のツイステッドネマチック配向を保持できるも
のならば特に限定されず、例えば、低分子液晶,高分子
液晶及びこれらの混合物等が含まれる。ここで言う高分
子液晶は、主鎖型又は側鎖型高分子液晶のいずれであっ
ても差し支えない。具体的には、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等の主鎖
型液晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等の側鎖
型液晶ポリマー等が使用できる。これらのなかでも、ツ
イステッドネマチック配向を形成する上で配向性が良
く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ま
しい。ポリマーの構成単位としては、例えば、芳香族あ
るいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカ
ルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸単位を好適な例として挙げられる。また、低分子液
晶としては、例えば、アクリロイル基、ビニル基やエポ
キシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニ
ルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体等を基本骨格
としたもの等が挙げられる。液晶材料の全部又は大部分
に低分子液晶を使用する場合、その低分子液晶は、ライ
オトロピック性であっても、サーモトロピック性であっ
ても差し支えないが、本発明の光学補償フィルムを調製
する際の作業性の観点から、サーモトロピック性低分子
液晶であることがより好適である。光学補償フィルムの
調製に用いる液晶材料は、ツイステッドネマチック配向
を形成する上で、光学活性物質を含んでいることが必須
である。しかし、液晶材料に使用する高分子液晶及び/
又は低分子液晶が光学活性基(不斉炭素原子を持つ基)
を含有している場合には、その限りでない。光学活性基
を有する高分子液晶や低分子液晶を主成分とする液晶材
料から、本発明の光学補償フィルムを得る場合、当該液
晶材料に占める光学活性基の含有量は、高分子液晶や低
分子液晶の種類(組成比等)や諸物性によって、また所
望するツイステッドネマチック配向におけるねじれ角に
よって異なるため一概には言えないが、液晶材料に対し
て通常0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.0
5重量%〜40重量%、さらに好ましくは0.1重量%
〜30重量%、最も好ましくは0.2重量%〜20重量
%の範囲にあることが望ましい。含有量が上記範囲から
外れた場合には、所望のツイステッドネマチック配向を
得ることができない恐れがある。また、最終的に得られ
る光学補償フィルムの耐熱性を向上させるために、液晶
材料にはツイステッドネマチック相の発現を妨げない範
囲において、例えば、ビスアジド化合物やグリシジルメ
タクリレート等の架橋剤を添加することもできる。これ
ら架橋剤を添加することによりツイステッドネマチック
相を発現させた状態で架橋させることができる。さらに
液晶材料には、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各種添加剤を、本発
明の効果を損なわない範囲において適宜添加することも
できる。
【0009】一般に液晶セル等では、液晶層を2枚の配
向基板で挟持し、当該配向基板に施されている配向規制
力によって液晶分子の配向方向が規定されている。また
同様に二枚の配向基板を用いて液晶分子を配向させ、当
該配向を保持してなる液晶フィルムにおいても、その液
晶分子は両基板の配向規制力によって配向方向が規定さ
れることになる。このような液晶セルや液晶フィルムで
は、そのセルギャップやフィルム膜厚が変化しても液晶
分子のねじれ角は通常変化するものではない。本発明に
用いられる光学補償フィルムは、上記の如き液晶セルや
液晶フィルムとは異なり、液晶層の膜厚に応じて液晶分
子のねじれ角が変化したものであることが重要である。
このような液晶層の膜厚に応じて液晶分子のねじれ角が
変化し、当該膜厚とねじれ角とがほぼ比例関係となるよ
うな光学補償フィルムであれば、本発明においては当該
フィルムの製法等は特に制限されるものではないが、製
法上の観点から1枚の配向基板を用いる方法が推奨され
る。すなわち、配向基板上に液晶から構成される液晶材
料を展開し、液晶材料層の上面を液晶材料層面内に配向
規制力を持たせない状態、例えば空気界面を利用する等
によって、液晶を所望のツイステッドネマチック配向を
形成させ、当該配向を液晶材料に応じた保持方法で保持
してフィルム化する方法である。この方法では、液晶層
の一方の面にのみ配向規制力が加わるため、本発明に適
した光学補償フィルムを得ることが容易となる。すなわ
ち、所望のツイステッドネマチック配向を得るために
は、当該フィルムを構成する液晶材料層の少なくとも一
方が配向規制力を有する配向基板上に接している状態で
配向させることが望ましい。具体的な態様としては、例
えば一枚の配向基板上に液晶材料の塗布膜を形成し、当
該塗布膜の上面を空気界面とする方法が挙げられる。こ
こで液晶材料の塗布膜の上下界面とも配向基板に挟み込
むと、配向基板に接している液晶材料中の液晶分子の配
向方向が規制されるために、ねじれ角と膜厚との間に比
例関係が成立する本発明の光学補償フィルムを得ること
ができない恐れがある。また一方を配向基板とし、他方
を配向規制力を有しない非配向基板との間に液晶材料の
塗布膜を挟む込んで配向させることもできるが、プロセ
ス上のメリットは少ない。
【0010】また配向基板としては、液晶分子の基板界
面でのダイレクターを規定できるように異方性を有して
いるものが望ましく、例えばガラス基板又はプラスチッ
クフィルム、プラスチックシート等のプラスチック基板
等を例示することができる。配向基板が、全く液晶分子
のダイレクターを規定できない場合には、所望とするツ
イステッドネマチック配向を得ることができない恐れが
ある。配向基板としては、具体的には面内の異方性を有
しているものが望ましく、例えばポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン
サルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロー
ス系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等
のプラスチック基板、上記プラスチックの一軸延伸フィ
ルム、表面にスリット状の溝を付けたアルミニウム、
鉄、銅等の金属基板、表面をスリット状にエッチング加
工したアルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラ
ス等のガラス基板等を挙げることができる。本発明にお
いては、上記プラスチックフィルム基板にラビング処理
を施したラビングプラスチック基板、ラビング処理を施
したプラスチックフィルム、例えば、ラビングポリイミ
ドフィルム、ラビングポリビニルアルコールフィルム等
を積層させた各種基板、さらには、酸化珪素の斜め蒸着
膜を設けた各種基板等も配向基板として用いることがで
きる。上記各種の配向基板のなかでも好適な配向基板と
しては、ラビングポリイミド膜を有する各種基板、ラビ
ングポリイミド基板、ラビングポリエーテルエーテルケ
トン基板、ラビングポリエーテルケトン基板、ラビング
ポリエーテルスルフォン基板、ラビングポリフェニレン
サルファイド基板、ラビングポリエチレンテレフタレー
ト基板、ラビングポリエチレンナフタレート基板、ラビ
ングポリアリレート基板、ラビングセルロース系プラス
チック基板等を挙げることができる。
【0011】次いで、配向基板上に液晶材料を塗布する
手段としては、液晶材料を溶融した状態で行う溶融塗布
又は液晶材料を各種溶媒に溶解した状態で行う溶液塗布
等が挙げられるが、プロセス上溶液塗布が望ましい。溶
液塗布は、液晶材料を所定の割合で溶媒に溶解し、所定
濃度の溶液を調製する。溶媒としては、用いる液晶材料
の種類により異なるが、通常は、トルエン、キシレン、
ブチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロ
ナフタレン等の炭化水素系、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸
エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等
のエステル系、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系、ジ
クロロメタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系、ブチルアルコー
ル、トリエチレングリコール、ジアセトンアルコール、
ヘキシレングリコール等のアルコール系等を用いること
ができる。これらの溶媒は必要により2種以上を適宜混
合して使用することもできる。調製する溶液の濃度は、
溶質である高分子液晶や低分子液晶の分子量、溶解性、
さらには製造せんとする光学補償フィルムの膜厚等によ
り異なるため一概には言えないが、通常1重量%〜60
重量%、好ましくは3重量%〜40重量%、さらに好ま
しくは7重量%〜30重量%の範囲にあることが望まし
い。液晶材料の溶液には、塗布を容易にするために界面
活性剤等を加えても良い。界面活性剤としては、例え
ば、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルア
ミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面
活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮
合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレー
ト、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレン
グリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン
類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸
塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物
等の陰イオン系界面活性剤、ラウリルアミドプロピルベ
タイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活
性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性
剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレン
オキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアン
モニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オ
リゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系
界面活性剤等が使用可能である。界面活性剤の添加量
は、界面活性剤の種類や溶剤、あるいは塗布する配向基
板にもよるが、通常、液晶材料の重量に対する比率にし
て10ppm〜10%、好ましくは50ppm〜5%、
さらに好ましくは0.01%〜1%の範囲にあることが
望ましい。液晶材料溶液の配向基板への塗布には、例え
ば、ロールコート法、ダイコート法、バーコート法、グ
ラビアロールコート法、スプレーコート法、ディップコ
ート法、スピンコート法等を採用することができる。
【0012】塗布後は溶媒を除去するが、溶媒除去条件
は特に限定されず、溶媒がおおむね除去でき、塗膜が流
動したり、流れ落ちたりさえしなければよい。通常、室
温での乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付け等
を利用して溶媒を除去することができる。溶媒除去後の
塗膜には、必要な熱処理を施してツイステッドネマチッ
ク配向を完成させる。通常、ツイステッドネマチック配
向におけるねじれ角は、液晶材料に含まれる光学活性物
質ないしは光学活性基の濃度によって調節できるが、高
分子液晶や低分子液晶の種類によっては、ツイステッド
ネマチック配向におけるねじれ角が熱処理条件等によっ
て異なることがある。このような液晶材料を用いた場合
には、所望のねじれ角を得るために熱処理条件を適宜制
御することが好ましい。例えば、塗膜を形成している液
晶材料の如何によっては、これに所望のねじれ角のツイ
ステッドネマチック配向を行わせるためには、比較的低
温度での熱処理を必要とするが、低い温度では液晶材料
の粘性が高いために、所望の配向を得るのに長時間を要
する場合がある。このような液晶材料の場合には、一旦
高温度で熱処理を行い、モノドメインな配向を得た後
に、所望のねじれ角のツイステッドネマチック配向が形
成される温度まで、段階的又は連続的に徐冷する方法が
有効である。以上のように、本発明の光学補償フィルム
を得るには、用いる液晶材料の特性に応じて熱処理条件
を決めることが必要である。通常、熱処理温度としては
40℃〜300℃、好ましくは50℃〜280℃、さら
に好ましくは60℃〜260℃、最も好ましくは70℃
〜250℃の範囲が採用され、また熱処理時間として
は、通常、5秒〜2時間、好ましくは10秒〜1時間、
さらに好ましくは20秒〜30分の範囲が採用される
が、これらはあくまでも例示であり、本発明を何ら制限
するものではない。なお、塗膜の熱処理に際しては、磁
場や電場を利用することもできる。
【0013】上記の熱処理によって塗膜の液晶層に形成
された所望のツイステッドネマチック配向は、塗膜を構
成している液晶材料の特性に応じた方法で固定化され、
これによって、塗膜に安定なツイステッドネマチック配
向を保持させることができる。塗膜形成に使用した液晶
材料の全部又は大部分が高分子液晶である場合には、熱
処理によってツイステッドネマチック配向が形成された
塗膜を、急冷することによって当該配向がガラス固定化
される。また液晶材料の全部又は大部分が低分子液晶で
ある場合には、熱処理によってツイステッドネマチック
配向が形成されている塗膜中の液晶分子を、光、熱又は
電子線等により架橋させてツイステッドネマチック配向
を固定化する方法等を適宜採用することができる。
【0014】以上のような方法で配向基板上に形成され
た塗膜、すなわち、安定なツイステッドネマチック配向
を保持している液晶層は、前記配向基板が光学的に等方
で、かつ可視光波長域において透明であれば、配向基板
上から剥離することなく、そのまま本発明の光学補償フ
ィルムとして使用することができる。しかし、塗膜形成
に使用した配向基板が、光学的に異方性である場合や可
視光波長域において不透明である場合であって、配向基
板から安定なツイステッドネマチック配向を保持してい
る液晶層が充分な自己支持性を有する場合には、液晶層
を配向基板から剥離してこれを本発明の光学補償フィル
ムとすることができる。また、液晶層の自己支持性が不
充分である場合には、液晶層を光学的に等方で、かつ可
視光波長域において透明な基板(以下、これを第2の基
板と呼ぶ。)に転写し、これを本発明の光学補償フィル
ムとして使用することも可能である。転写の手法には、
液晶層の表面に接着剤を塗布して第2の基板に貼り合わ
せ、接着剤の硬化後、配向基板を液晶層から剥離させ
て、液晶層を第2の基板に転写する方法が採用できる。
第2の基板としては、例えば、フジタック(富士写真フ
ィルム社製)、コニカタック(コニカ社製)、TPXフ
ィルム(三井化学社製)、アートンフィルム(日本合成
ゴム社製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン社
製)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン社製)等を
好適に使用できる外、ガラス基板等も使用可能である。
また、別法として、駆動用液晶セルを構成するガラス基
板等に、上記の液晶層を直接転写することもでき、さら
には後述する光学的に負の異方性を示すフィルムに、上
記の液晶層を転写することもできる。
【0015】本発明の液晶表示素子に使用される光学的
に負の異方性を示すフィルムは、本発明の目的を達成し
うるものであれば特に制限されるものではなく、例え
ば、光学的に負の一軸性フィルム、負の二軸性フィルム
等で例示される如く、フィルム膜厚方向に複屈折(△n
2)等を有するものであればよい。より具体的には、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテル
ケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフ
ォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプ
ロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース及びそ
の部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からな
るプラスチックフィルムや、ディスコティック液晶等の
円盤状化合物からなるフィルム等が使用可能である。光
学的に負の異方性を示すフィルムは、フィルム膜厚方向
の複屈折△n2とフィルム厚みd2との積(△n2d2
値)を有するものであり、この値は、通常、−20nm
〜−300nm、好ましくは−30nm〜−250nm
の範囲であることが望ましい。
【0016】一般に、液晶表示素子は基本的には、2枚
の偏光板と、その間に挟まれた駆動用液晶セルとで構成
されるが、本発明のNB−TN−LCDでは、偏光板と
駆動用液晶セルとの間に、上に説明した光学補償フィル
ムと、光学的に負の異方性を示すフィルムとが設けられ
る。この場合、光学補償フィルムを一方の偏光板と駆動
用液晶セルとの間に設け、光学的に負の異方性を示すフ
ィルムを他方の偏光板と駆動用液晶セルとの間に設ける
ようにしても良い。また、上記2つのフィルムを重ね、
これら重ねた2つのフィルムを2枚の偏光板の任意の一
方と駆動用液晶セルとの間に設けるようにしても良い。
そして、2つのフィルムを重ねて設置するに当たって
は、駆動用液晶セル側に位置するフィルムは、光学補償
フィルムであって差し支えなく、また光学的に負の異方
性を示すフィルムであっても差し支えない。さらに、光
学的に負の異方性を示すフィルムは、偏光板と駆動用液
晶セルとの間に、複数枚設けるようにしても良い。例え
ば、光学的に負の異方性を示すフィルムを一方の偏光板
と駆動用液晶セルとの間に設け、光学補償フィルムを他
方の偏光板と駆動用液晶セルとの間に設けた場合には、
光学的に負の異方性を示すフィルムを他方の偏光板と駆
動用液晶セルとの間に設けるようにしても良く、光学補
償フィルムと光学的に負の異方性を示すフィルムとを重
ねたものを2枚の偏光板の任意の一方と駆動用液晶セル
との間に設けた場合には、光学的に負の異方性を示すフ
ィルムを他方の偏光板と駆動用液晶セルとの間に設ける
ようにしても良い。本発明のNB−TN−LCDにあっ
ては、駆動用液晶セルの一方の側に設置された光学補償
フィルムと、駆動用セルとが次のような配置条件を満た
していることが望ましい。すなわち、光学補償フィルム
が設置される側の駆動用液晶セル界面のラビング方向
(さらに詳しくは、セルを構成するガラス基板のラビン
グ方向)と、光学補償フィルム(液晶層)を形成してい
る液晶分子の遅相軸との成す角度が、通常70°〜11
0゜、好ましくは75°〜105゜、さらに好ましくは
80°〜100゜の範囲にあるか、又は通常−20°〜
20゜、好ましくは−15°〜15゜、さらに好ましく
は−10°〜10゜の範囲となるように配置することが
望ましい。
【0017】本発明における2枚の偏光板は、通常、当
該分野において用いることができるものであれば特に制
限されるものではない。例えば一軸延伸ポリビニルアル
コールフィルムに、偏光度の高いヨウ素分子を一定方向
に配列してなるハロゲン偏光フィルムや直接染料で染色
したポリビニルアルコールフィルム等を他の支持フィル
ムに挟んでなる各種偏光板を使用することができる。本
発明のNB−TN−LCDにおいて、上記偏光板は駆動
用液晶セルの例えば上下にそれぞれ配置されるものであ
る。具体的には、当該液晶セル上の一方の面上に直接設
けるか、また光学補償フィルム等の他の構成部材を介し
て設けることもできる。また偏光板は、通常のTN−L
CDと同様に上下偏光板の透過軸が互いに直交又は平行
になるように本発明のNB−TN−LCDに配置するこ
とができる。また上下偏光板の透過軸が互いに直交する
ように配置した場合には、偏光板の透過軸と偏光板に近
い側の駆動用液晶セルのラビング方向とを直交、平行又
は45度の角度をなすように配置することが望ましい。
なかでも本発明のNB−TN−LCDにおいては、光学
補償フィルムを介して上下偏光板を駆動用液晶セルの上
下に配置した際には、上下偏光板の透過軸の成す角が通
常70°〜110゜、好ましくは75°〜105゜、さ
らに好ましくは80°〜100゜の範囲、かつ偏光板の
透過軸と偏光板に近い側の駆動用液晶セルのラビング方
向の成す角が通常70°〜110゜、好ましくは75°
〜105゜、さらに好ましくは80°〜100゜の範
囲、又は通常−10°〜20゜、好ましくは−5°〜1
5゜、さらに好ましくは0°〜10゜の範囲に配置する
ことが望ましい。本発明のNB−TN−LCDは、各構
成要素を以上説明した配置条件を満足するように、その
まま積み重ねることによって機能しうるが、各層間を必
要に応じ粘着剤や接着剤等で貼り合わせて使用すること
もできる。
【0018】本発明のNB−TN−LCDには、その特
性をさらに向上させるために、必要に応じて位相差フィ
ルム、光拡散層、カラーフィルター等を付設することも
できる。前記の位相差フィルムとしては、一般的にポリ
カーボネート、ポリメタクリレート等を挙げることがで
き、光学的異方性を発現するものであれば特に限定され
るものではない。また前記光拡散層とは、入射光を等方
的あるいは異方的に拡散させる性質を有するものであれ
ば特に限定されるものではない。カラーフィルターの付
設は、色純度の高いマルチカラー又はフルカラー表示を
可能にする。
【0019】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0020】(参考例1(補償フィルム1の製造))テ
レフタル酸50mmol、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸50mmol、メチルヒドロキノンジアセテート4
0mmol、カテコールジアセテート62mmol、及
びN−メチルイミダゾール60mgを用いて窒素雰囲気
下、270℃で12時間重合を行った。次に得られた反
応生成物をテトラクロロエタンに溶解したのち、メタノ
ールで再沈殿を行って精製し、液晶性ポリエステル1
4.7gを得た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は
0.17(フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒
(6/4重量比)使用、30℃)、液晶相としてネマチ
ック相をもち、等方相−液晶相転移温度は250℃以
上、ガラス転移点(Tg)は115℃であった(ポリマ
ー1)。ビフェニルジカルボニルクロリド90mmo
l、テレフタロイルクロリド10mmol、2R,3R
−ジメトキシブタンジオール105mmolをジクロロ
メタン中で室温にて20時間反応させ、反応液をメタノ
ール中に投入し再沈殿させることにより液晶性ポリエス
テル12.3gを得た(ポリマー2)。ポリマー2の対
数粘度は0.11(フェノール/テトラクロロエタン混
合溶媒(6/4重量比)使用、30℃)、室温でキラル
スメクチック相を示し、アイソトロピック転移温度は4
0〜50℃の間であった。またTgは室温付近と思わ
れ、DSCによる測定では観測できなかった。ポリマー
1の19.3gとポリマー2の0.7gを80gのフェ
ノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)
に溶解させ溶液を調製した。この溶液を、レーヨン布に
てラビング処理したポリイミドフィルム(デュポン社
製、商品名カプトン)上に、バーコート法により塗布
し、乾燥し、240℃で30分熱処理したのち、室温下
で冷却・固定化し、平均実膜厚2.34μmの均一に配
向した液晶フィルムを得た(サンプル1)。実膜厚は触
針式膜厚計をもちいて測定した。次いでアッベ屈折計
(アタゴ社製Type−4)のプリズム面に、サンプル
1のポリイミド基板が接するように配置してサンプル1
の液晶の屈折率を測定した。サンプル1の液晶フィルム
における基板界面側が空気界面側より下になるように配
置した場合、フィルム面内の屈折率には異方性があり、
ラビング方向に垂直な面内の屈折率は1.55、平行な
面内の屈折率は1.75、膜厚方向の屈折率は試料の方
向によらず1.55で一定であった。このことから基板
側では、棒状の液晶分子が基板に対して、かつラビング
方向に平行に平面配向しており、液晶のno、neはそ
れぞれ1.55、1.75であることが分かった。次に
屈折率計のプリズム面に液晶フィルムの空気界面側が接
するように配置した場合、面内の屈折率はラビング方向
に平行な方向が1.55、垂直な方向が1.75にな
り、膜厚方向の屈折率は試料の方向によらず1.55で
一定であった。このことから、ポリマー分子は基板界
面、空気界面ともおおかたホモジニアス配向しており、
かつ基板界面側と空気界面側では棒状の液晶分子がフィ
ルム面内でほぼ90度ねじれている様子が確認された。
サンプル1は、不透明かつ光学的に異方性のあるポリイ
ミドフィルム上に形成されていることから、サンプル1
の空気界面側にUV硬化型接着剤(UV−3400、東
亞合成社製)を約5μmの厚みに塗布し、この上にトリ
アセチルセルロースフィルム(Δn2d2値−150n
m)をラミネートし、約600mJのUV照射により該
接着剤を硬化させた。このようにして得られた積層体
(トリアセチルセルロースフィルム/接着剤/サンプル
1(液晶フィルム/ポリイミドフィルム))からポリイ
ミドフィルムを剥離することにより、液晶フィルムを光
学的に負の異方性を示すフィルムの上に転写した。得ら
れた液晶フィルム(補償フィルム1)の偏光解析をおこ
なって、このフィルムの△n1d1とツイスト角(右ね
じれ)を測定したところ(表1)、Δn1d1とねじれ
角とが比例関係にあることが確認できた。
【0021】
【表1】
【0022】(参考例2(補償フィルム2の製造))参
考例1で得られたポリマー1を19.3gとポリマー2
を0.7g粉砕し混合したポリマーを、レーヨン布にて
ラビング処理したポリイミド膜付きガラス2枚の間に挟
み、240℃で30分熱処理したのち、室温下で冷却・
固定化し、平均実膜厚2.34μmの均一に配向した液
晶フィルムを得た。ポリイミド膜付きガラス及び得られ
た液晶フィルムの偏光解析をおこなって、ポリイミド膜
付きガラスが光学的に等方であること,及び液晶フィル
ムのΔn1d1とツイスト角の関係は表2に示すように
比例関係では無いことが確認できた。
【0023】
【表2】
【0024】(実施例1)液晶材料としてMerck社製ZLI
-4792を用い、セルギャップ4.8μm、Δnd=470
nm、ツイスト角90°(左ねじれ)、プレチルト角2
°のTNセルを作製した。当該セルに参考例1で作製し
た補償フィルム1(光学的に負の異方性を示すフィルム
を有する液晶フィルム)を1枚用い、図1に示すよう
に、2枚の偏光板の間に、光学的に負の異方性を示すフ
ィルム、補償フィルム及びTNセルを配設して、ノーマ
リーブラックモード型TN液晶表示素子を作成した。次
に作成した液晶表示素子の液晶セルに300Hzの矩形
波を印加し、黒表示を0V、白表示を6Vとし、正面で
の透過率が8等分されるように駆動電圧を設定した。ト
プコン社製色彩輝度計BM−5を用いて液晶セルの垂直
入射光に対する透過率測定を行い、黒表示時及び白表示
時の透過率の比(白/黒)からコントラスト比を求め
た。5点の測定点のうち最も高いコントラスト比を与え
た測定点2のコントラスト比を基準とした各測定点のコ
ントラスト比を表3及び図2に示した。次に浜松ホトニ
クス社製FFP光学系DVS−3000を用いて液晶セ
ルの全方位の透過率測定を行い、当該液晶セルの階調特
性の視野角依存性を求めた。得られた左右視角の階調特
性を図3に示した。また、左右の階調の非対称性度を表
5に示した。
【0025】
【表3】
【0026】(比較例1)補償フィルムとして参考例2
で作製した補償フィルム2を用いた以外は実施例1と同
様に評価を行った。その結果を表4,表5及び図2,図
4に示した。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、2枚の偏
光板の間に、駆動用液晶セルと、ツイステッドネマチッ
ク配向を保持し、かつ、ねじれ角がフィルムの膜厚にほ
ぼ比例関係にある光学補償フィルムと、光学的に負の異
方性を示すフィルムと、を設けたことにより、補償フィ
ルムのばらつきが表示品位に与える影響が少なく、中間
調表示時の左右の非対称性を解消した高品位な画像表示
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1における偏光板、光学補
償フィルム、ツイステッドネマチック駆動用液晶セルの
配置図である。
【図2】実施例1及び比較例1における光学補償フィル
ムのΔn1d1の変化に対するコントラスト(相対値)
の変化を示した図である。
【図3】実施例1における階調の視角(左右)特性を示
す図である。
【図4】比較例1における階調の視角(左右)特性を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA08 BA42 BB03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11Y FD05 FD08 FD10 HA07 KA02 KA03 KA10 LA17 5C094 AA05 AA06 AA12 BA44 ED14 ED20 GA10 JA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セル
    と、ツイステッドネマチック配向を保持し、かつ、ねじ
    れ角がフィルムの膜厚にほぼ比例関係にある光学補償フ
    ィルムと、光学的に負の異方性を示すフィルムと、を設
    けたことを特徴とするノーマリーブラックモード型TN
    液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 上記駆動用液晶セルを構成するネマチッ
    ク液晶の屈折率異方性Δnとそのネマチック液晶層の厚
    みdとの積(Δnd値)が200nm〜600nmの範
    囲にあると共にネマチック液晶層のねじれ配向時のねじ
    れ角が80゜〜100゜の範囲にあり、上記光学補償フ
    ィルムの屈折率異方性△n1と該光学補償フィルムの厚
    みd1との積(△n1d1値)のフィルム面内の平均値
    の絶対値が上記Δnd値とほぼ同等であり、ツイステッ
    ドネマチック配向におけるねじれ方向がネマチック液晶
    層のねじれ配向方向と逆方向であり、かつ、ツイステッ
    ドネマチック配向におけるねじれ角の平均値の絶対値が
    駆動用液晶セルのねじれ角の絶対値とほぼ同等であり、
    上記光学的に負の異方性を示すフィルムの膜厚方向の複
    屈折△n2と該フィルムの厚みd2との積(△n2d2
    値)が−20〜−300nmの範囲にある請求項1に記
    載のノーマリーブラックモード型TN液晶表示素子。
JP37134199A 1999-07-30 1999-12-27 ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子 Pending JP2001188225A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37134199A JP2001188225A (ja) 1999-12-27 1999-12-27 ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子
PCT/JP2000/005132 WO2001009674A1 (fr) 1999-07-30 2000-07-31 Affichage a cristaux liquides nematiques torsades en mode normalement noir

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37134199A JP2001188225A (ja) 1999-12-27 1999-12-27 ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001188225A true JP2001188225A (ja) 2001-07-10

Family

ID=18498544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37134199A Pending JP2001188225A (ja) 1999-07-30 1999-12-27 ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001188225A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4592005B2 (ja) 偏光素子、液晶パネル、液晶テレビおよび液晶表示装置、ならびに偏光素子の製造方法
KR100831918B1 (ko) 액정 패널, 액정 텔레비전 및 액정 표시 장치
EP0854376B1 (en) Optical film
TW201504731A (zh) 相位差膜、偏光板及液晶顯示裝置
WO2006090617A1 (ja) 偏光素子、液晶パネル、液晶テレビ、および液晶表示装置
JP2006268018A (ja) 偏光素子、液晶パネル、液晶テレビ、および液晶表示装置
JP4450011B2 (ja) 液晶パネル及び液晶表示装置
US20050286001A1 (en) Multilayer optical compensator, liquid crystal display, and process
US20050024561A1 (en) Multilayer optical compensator, liquid crystal display, and process
JP2009092847A (ja) 液晶パネル及び液晶表示装置
JP4202877B2 (ja) 液晶表示装置
JPH10186356A (ja) 液晶表示素子用光学補償フィルム
Lin et al. IPS-LCD using a glass substrate and an anisotropic polymer film
JP4488549B2 (ja) 反射型液晶表示素子
JPH10332933A (ja) 光学異方素子
JP5048279B2 (ja) 液晶パネル及び液晶表示装置
JP2002148441A (ja) 積層光学素子及び液晶表示装置
JP2004133171A (ja) 光学補償シート及び液晶表示装置
JPH11194325A (ja) 液晶表示装置
JP2008076706A (ja) 液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2009230050A (ja) 液晶パネルおよび液晶表示装置
JPH11119211A (ja) 光学異方素子
JP2001042325A (ja) 光学補償素子
JP2005121827A (ja) 位相差板の製造方法および液晶表示装置
JP2001051273A (ja) ノーマリーブラックモード型tn液晶表示素子