JP2001188109A - 光拡散粒子及びその製造方法 - Google Patents

光拡散粒子及びその製造方法

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JP2001188109A
JP2001188109A JP37576399A JP37576399A JP2001188109A JP 2001188109 A JP2001188109 A JP 2001188109A JP 37576399 A JP37576399 A JP 37576399A JP 37576399 A JP37576399 A JP 37576399A JP 2001188109 A JP2001188109 A JP 2001188109A
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Yoshinori Yamada
芳範 山田
Fuminori Kasuga
文則 春日
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光拡散体に混合した時の全光線透過率が高く、
強度や耐熱性向上の効果が高い光拡散粒子を提供する。 【解決手段】平均粒子径が1〜30μmの球状であり、
下式で表わされる粒度分布の幾何標準偏差σが1.5以
下であり、なおかつシラノール基を6μmol/g以上有す
る球状シリカからなる光拡散粒子。 【数1】σ=(D1/D20.51:累積84重量%の時の粒径 D2:累積16重量%の時の粒径。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置の導光
体や光拡散層の他、面発光素子等にも光散乱粒子として
使用されるものであり、光を散乱すると共に無駄な吸収
がないために、光源光を極めて効率よく面状に拡散させ
ることができる光拡散粒子及びその製造方法に関する物
である。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示パネルにおいては、エッ
ジライト方式と呼ばれる方式が主流であり、導光体の側
端に光源を置き、導光体を通って画面に出射する光を、
光拡散板によって均一に拡散してから液晶基板を透過さ
せるのが普通である。この光拡散板には、ガラス、アク
リル、シリカ等の艶消し微粒子を分散させた乳白色透明
の板の他に、透明樹脂板の表面をランダム凹凸型や円柱
レンチキュラーレンズ形状等に成形した物が用いられて
いる。また、液晶基板を通過した画像について、いわゆ
る視野角と呼ばれる、液晶を覗く角度によって画面の色
調・光度が正常に見えない問題に対して、液晶画面の上
にさらに光拡散板を置き、液晶画面の光を拡散させるこ
とによって視野角を拡大し、正面輝度とのバランスを向
上させる方法が特開平11-194204号報に開示されてい
る。
【0003】乳白色と透明の2種類の光拡散板のうち、
透明板の表面に凹凸やレンズ形状を設けることによって
透明板の表面のみで光を反射、屈折、拡散させる方法は
光の損失が少ないことから近年主流となりつつあるが、
実際の液晶装置の構造を考えた場合、光拡散板は導光体
と液晶の偏光板との間に挟んで使用されることが問題で
あり、導光体と光拡散板、偏光板の3者ともに透明樹脂
からなっておりその屈折率が略同一であることから、3
者の境で光拡散板の機能がなくなってしまうという欠点
があった。この問題を避けるには、3者を離して設置す
るか、ガラス等の屈折率の異なる素材を組み合わせて使
用するなどの方法があるが、いずれも薄型軽量化を求め
られる液晶装置には好ましい方法ではなかった。
【0004】この形状の光拡散板を液晶表面に設置して
視野角拡大の目的に使用する場合、表面に微妙なレンズ
構造を持つために傷や汚れに弱く、それを避けるための
保護板を設けるとしても、同様に保護板との間を離した
り、屈折率の異なる材料を用いる必要があって、やはり
薄型軽量化を求められる液晶装置には好ましくなかっ
た。また、光拡散板は光導伝体や液晶に対して一定の位
置を保ち、波打ったりしわになったりしないだけの機械
的強度や耐熱性が要求されるが、そのためには一定以上
の厚さが必要であり、この意味でも薄型軽量化を求めら
れる液晶装置には不向きな上、透明樹脂といえども多少
は光の吸収があるので、厚みが増大するほどに光源光の
吸収ロスが大きくなり、画面が暗くなる問題があった。
【0005】一方、透明基体中に透明微粒子を分散させ
ることによる乳白色の光拡散板、あるいは塗布などの方
法によって形成される光拡散層は、表面がいかなる材料
と接触しようとその機能を損なうことはないため、液晶
基板や光導伝体に密着させて使用することができ、液晶
装置の薄型化には有効な物であったが、光拡散板を通過
する光源光の損失が大きく、画面が暗くなるという問題
があった。また、顔料を含むことによる樹脂強度や耐熱
性の向上が期待されたが、アクリル系粒子などの有機系
粒子では粒子自体の強度や耐熱性が低いために実際には
効果はなく、シリカなどの無機系粒子では十分な耐熱性
を得るためには多量の粒子を混合しなければならないた
め、全光線透過率が低くなってしまうという問題があっ
た。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】液晶装置の光源側あ
るいは液晶画面上に使われる光拡散板等に使われる従来
の光拡散粒子は、光拡散体に混合した時の全光線透過率
が低く、強度や耐熱性向上の効果も不十分であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の問題について検討
した結果、本発明者らは、一定量以上のシラノール基を
持つ球状シリカを用いた場合、光の損失が少なく効率よ
く光を拡散させる光拡散体が実現でき、その上樹脂とシ
リカとの密着性が高いため、光拡散体自身の強度や耐熱
性が高まることを見出して本発明を完成させた。すなわ
ち、本発明は、平均粒子径が1〜30μmの球状であ
り、下式で表わされる粒度分布の幾何標準偏差σが1.
5以下であり、なおかつシラノール基を6μmol/g以上
有する球状シリカからなる光拡散粒子である。
【0008】
【数2】σ=(D1/D20.51:累積84重量%の時の粒径 D2:累積16重量%の時の粒径
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光拡散粒子は、湿式法によって合成されたシリ
カゲルを精密な温度管理下に一定温度で焼成する事によ
って製造される。湿式法によるシリカゲルの製造方法の
例としては以下の方法があり、いずれの方法も公知であ
る。具体的には水ガラスや珪酸ナトリウムなどのアルカ
リ金属ケイ酸塩の水溶液を硫酸、硝酸、リン酸、塩酸等
の無機酸や、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機酸のアン
モニウム塩水溶液で中和する方法や、メチルシリケー
ト、エチルシリケート、イソプロピルシリケート等のア
ルキルシリケートを塩酸や酢酸等の酸触媒やアンモニア
水等の塩基触媒の存在下で水により加水分解する方法で
製造できる。一般的に不純物の含有量が少ないアルキル
シリケートを原料にする方が粒子自体の屈折率が一定に
なり、望ましくない光吸収を生じないので好ましい。金
属ケイ酸塩の水溶液を原料とした場合でも、シリカゲル
のくり返し洗浄や、原料溶液をイオン交換などによって
精製することにより、シリカの中の不純物を少なくする
ことができる。
【0010】光拡散粒子が破砕片状の形状の場合、平ら
な破砕面で光が強く反射してしまうため、球状の方が好
ましく、球形の内でも粒子の配向等によって光の拡散方
向に異方性が出る恐れがあるので、通常は真球状の形状
であることが好ましい。粒度分布はあまり広すぎると、
粒子間で複雑な乱反射をする間に光源光が吸収を受け、
全光線透過率が低くなるため好ましくないので狭い分布
に集中したシャープな分布形態をもつ方が好ましい。よ
り具体的には下式で表わされる粒度分布の幾何標準偏差
σが1.5以下である物が好ましく用いられる。
【0011】
【数3】σ=(D1/D20.51:累積84重量%の時の粒径 D2:累積16重量%の時の粒径
【0012】このような形状と粒度をもつシリカ粒子の
製造方法としては、スチーバ法と呼ばれる、アルコール
中でアルコキシシランを加水分解する方法が有名である
が、他にエマルジョン法と呼ばれる方法も好ましく用い
られる。エマルジョン法は、油中水型、水中油型、油中
油型等のエマルジョンの液中粒子形状を利用して、例え
ば油中水型の場合、水粒子の中でシリカゲルが生成する
ような条件でゾルゲル反応を起こす事により、球状のシ
リカゲルを得る方法である。
【0013】湿式法の他には、乾式法と呼ばれるシリカ
の製造法も知られている。例えば天然あるいは合成のシ
リカを粉砕し、火炎中などで高温にさらして溶融して球
状にした溶融シリカや、塩化ケイ素やアルキルシリケー
ト、金属珪素等の珪素源を高温で反応させる方法、金属
珪素を爆発燃焼させる方法などがある。これらを総称し
て乾式法シリカと呼ぶが、いずれの方法も高温のプロセ
スである事が共通しており、湿式法と異なって得られた
シリカは非孔質になり、シラノール基が残っていないた
め、たとえシランカップリング剤を併用したとしてもシ
リカとシランカップリング剤との反応がほとんど起き
ず、界面の密着力が得難いという欠点があった。
【0014】湿式法シリカは湿式のプロセスを経るた
め、合成したシリカは通常スラリーとして得られる 、
このスラリーからシリカを分離、乾燥、焼成等の工程を
行うことでシリカが製造される。分離、乾燥については
例えばスラリーをろ過した後、アルコールやアセトン
等、合成に使用した有機溶媒を溶解する溶剤で繰り返し
洗浄し、1000℃未満で数時間加熱する方法等がある。高
温での焼成により有機分は分解されるため、分離洗浄を
省いていきなり焼成することも可能である。分離、乾燥
等のプロセスは工業的に数多くの方法が行われており、
これらのいずれの方法でも好ましく用いる事ができる。
【0015】湿式法により合成したシリカ中間ゲルには
多量のシラノール基が存在する事は公知であるが、これ
を焼成する時、シラノール基同士が脱水縮合する事によ
りシラノール基量が減少すると共に、架橋が生じるため
にシリカ自体の強度が上がることが古くから言われてい
る。この焼成の温度を精密にコントロールする事によっ
て、十分なシリカの強度と、シランカップリング剤と反
応して界面の密着力を上げるのに十分なシラノール基量
とを同時に実現するのが本発明の球状シリカである。
【0016】6μmol/g以上のシラノール基を残す焼成
の方法としては、1050℃以下の温度で温度コントロール
を精密に行って一定時間焼成する方法と、それより高い
温度で短時間の熱処理を行う方法があり、いずれも好ま
しく用いる事ができるが、高温短時間の方法は、シラノ
ール基量への熱処理時間の影響が大きく、工業的プロセ
スを考えた場合、大量に処理される粉体内部での温度の
不均一が生じたり、滞留した粉体の焼結が進みすぎる等
の問題が起き易いため、1050℃以下の温度で一定時間焼
成を行った方が好ましい。焼成に用いる装置に関しては
1050℃未満の温度を維持できる装置であれば形状大きさ
は問わず、また熱源は電気によるジュール熱、石油やガ
ス等の燃焼熱でも構わない。具体的にはロ−タリーキル
ンやシャトル炉等の装置が用いられる。これらの炉には
何らかの温度制御方法が備えられている事が好ましい。
【0017】好ましい焼成条件としては、最低限のシリ
カの強度を得るために焼成温度が300℃以上である事が
好ましく、6μmol/g以上のシラノール基を残すために
は1050℃以下である事が好ましい。さらに好ましくは70
0℃以上1000℃以下の範囲である。また、該温度での焼
成時間としては、一定量の粉体内部まで均一な温度に達
するために10分以上である事が好ましく、また経済的
な理由から24時間以下である。さらに好ましくは1時
間以上8時間以下である。該温度に達するまでの昇温速
度はあまり急激では応力割れなどを引き起こす場合があ
り、一方あまり遅いと経済的でないため、1℃/分以上
100℃/分以下、さらには5℃/分以上20℃/分以
下が好ましい。降温の方は0.1℃/分以上40℃/分
以内であればよい。昇降温は必ずしも連続一様である必
要はなく、段階的な温度変化も可能であり、この場合は
上記昇降温速度以外でも好ましく実施できる。
【0018】焼成後のシリカのシラノール基量は、赤外
線吸光分光法等の測定装置や中和滴定法、シランカップ
リング剤との反応量等から測定できる。具体的には、例
えば赤外線吸光分光器や近赤外吸光分光器、核磁気共鳴
分析装置などによってシリカに含まれるシラノール基の
吸収・共鳴を測定したり、滴定指示薬あるいは電位差滴
定電極を用いた酸塩基滴定、シランカップリング剤を溶
解したベンゼン等の非極性溶媒にシリカを分散し、ガス
クロ等によってシランカップリング剤の濃度変化から定
量するなどの方法であり、いずれも好ましく用いる事が
できる。該測定方法によって、焼成後のシリカのシラノ
ール基量を確かめる事ができる他、焼成プロセス中のシ
リカを取り出して測定を行い、目的とするシラノール基
量に達した時点で焼成を止めるなどの工程管理に使用す
ることもできる。
【0019】こうして得られる球状シリカの好ましいシ
ラノール基の量としては、シラノール基が樹脂自体とあ
るいはシランカップリング剤と反応して化学結合をもた
らし、界面の密着力を高めるので多い方が好ましく、そ
の値は6μmol/g以上である。一方であまりシラノール
基の密度が高くなると、たとえ樹脂やシランカップリン
グ剤と反応させても反応しきれないシラノール基が残
り、樹脂組成物自体の吸湿性が高くなったりして電子・
液晶用材料としては好ましくない場合がある。好ましい
シラノール基量の値は6μmol/g以上5mmol/g以下、さら
に好ましくは10μmol/g以上1mmol/g以下である。
【0020】該球状シリカのシラノール基は、それ自体
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂と反応する
事ができる他、シランカップリング剤などの界面改質剤
と反応して界面の密着力を高める事ができる。シランカ
ップリング剤を用いる場合は公知のものが使用できる。
例えば、光拡散体に、アクリル系の樹脂を用いたい場合
には、エポキシ系、アミノ系などのカップリング剤が好
ましく、ポリカーボネート系樹脂の場合はアミノ系カッ
プリング剤、ポリスチレン樹脂にはメタクリロキシ系、
アミノ系カップリング剤が好ましいなど、好ましいシラ
ンカップリング剤の選択は公知の方法が適用できる。ま
た、いわゆるシランカップリング剤以外でもシラノール
基を持ったシリコーンをシリカのシラノール基に縮合反
応で結合させたりする方法も行う事ができる。
【0021】該球状シリカとシランカップリング剤等の
処理方法は、樹脂及びシリカを混合する時にシランカッ
プリング剤を同時に添加・混合するインテグラルブレン
ド法や、樹脂との混合前に予めシリカを処理をする前処
理法などがあるが任意の方法を選択することができる。
カップリング処理の効果を得やすくするためには前処理
法の方が好ましい。処理量はシラノール基と当量以上で
あれば良いが、過剰に添加すると凝集の可能性があるた
め、シラノール基と当量の1〜5倍、好ましくは1〜3
倍が良い。
【0022】本発明のシリカと共に用いて光拡散体を形
成するマトリックス樹脂には、透明であれば特に限定さ
れることはないが、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂など、一般的に使用できるものなら何
でも良いが、中でも光の透過率が高いアクリル系樹脂、
メタクリル系樹脂が好ましい。これらの樹脂層を復層構
造にしたり、混合して用いる事も差し支えない。酸化防
止剤その他の添加剤が配合する事もできる。これらの添
加剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量
とする事ができる。
【0023】本発明の球状シリカを樹脂に混合する際に
は、加熱、加圧、減圧しながらの混合、溶剤を使って樹
脂を溶解しての混合、樹脂モノマーへの混合、樹脂ポリ
マーへの練り込み等の通常の方法のいずれも好ましく用
いることができ、光拡散体としての成形方法も、塗布、
印刷、キャスト等の他、あらゆる公知の加工技術と機械
によって任意の形状に成形して用いることができる。光
拡散体の中での分散状態としては、均一分散させたり、
特定の領域や層へ高濃度に存在させたりすることも好ま
しく行われる。光拡散板として用いる時の板厚あるいは
層厚には特に限定はないが、光拡散板の表面を平滑に保
つためには少なくとも練りこんだシリカ粒子の直径より
も厚いことが好ましい。一方で厚さが厚くなるほど樹脂
自体の吸収による光の損失が発生するため厚すぎるのは
好ましくない。本発明のシリカを混合した光拡散体の曲
げ強度は通常の体質顔料を練りこんだ場合に比べても更
に高くなるため、顔料を含まない従来の光拡散板に比べ
てかなり薄くしても十分な強度を保つことができる他、
光拡散層が多層間の接着を兼ねる場合には従来の顔料を
用いる場合よりも接着強度が高くなることが特徴であ
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を具体的に説
明する。 [実施例1]200L反応器にキシレン90kg、乳化
剤(SPAN−80)0.8kg、純水30kgおよ
び、塩酸0.1kgを仕込み、液温を45℃に保持して
100rpmで攪拌しつつテトラメトキシシランオリゴマ
ー27kgを60分かけて供給した。その後、45℃で2時
間保持した後、110℃まで加温した。そして、反応液を
ろ別し、シャトル炉に入れて3℃/分で600℃まで昇
温し、600℃±20℃で4時間保持した後、4℃/分
で常温に戻して白色粉末を得た。粉末を走査型電子顕微
鏡で観察したところそれぞれ独立した真球状であった。
【0025】この粉末を純水に分散してレーザー回折式
粒度分布計によって粒度分布を測定した所、平均粒径は
5.7μmでσは1.37であり、赤外吸光分光計(F
T−NIR)により拡散反射法によってシラノール基量
を測定した所1.4mmol/gであった。次にこの粉末をヘ
ンシェルミキサーに入れ、常温で攪拌しつつシラノール
基と当量のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを投
入して20分間攪拌した後、100℃で1時間乾燥して
カップリング剤処理を完結させた。
【0026】ポリエステル樹脂100重量部を、トルエ
ン130部とメチルエチルケトン100部とに溶解し、
ここにカップリング処理済の粉末120部を分散し、ト
ルエン/メチルエチルケトン=1/1希釈溶剤で適当に
希釈してバーコート法により液晶表示素子を形成する対
向する両方の偏光板の外表面に塗布し、120℃で10
分間乾燥した。その結果、塗工量11g/m2で20μm
の光拡散層の膜厚が得られた。この液晶表示素子にテス
トパターンを表示させ、視野角と正面輝度を測定した。
【0027】[比較例1]ポリエステル樹脂100重量
部を、トルエン130部とメチルエチルケトン100部
とに溶解し、粉末成分は加えずに、トルエン/メチルエ
チルケトン=1/1希釈溶剤で適当に希釈してバーコー
ト法により液晶表示素子を形成する対向する両方の偏光
板の外表面に塗布し、120℃で10分間乾燥した。そ
の結果、塗工量11g/m2で18μmの膜厚が得られ
た。この液晶表示素子にテストパターンを表示させ、視
野角と正面輝度を測定した
【0028】[比較例2]ポリエステル樹脂100重量
部を、トルエン130部とメチルエチルケトン100部
とに溶解し、ここに平均粒径6μmの酸化マグネシウム
粉末120部を分散し、トルエン/メチルエチルケトン
=1/1希釈溶剤で適当に希釈してバーコート法により
液晶表示素子を形成する対向する両方の偏光板の外表面
に塗布し、120℃で10分間乾燥した。その結果、塗
工量11g/m2で20μmの光拡散層の膜厚が得られ
た。この液晶表示素子にテストパターンを表示させ、視
野角と正面輝度を測定した。
【0029】比較例1の正面輝度の測定値を100%と
して表した各例の正面輝度と、上下方向から画面を見込
む角度によって白黒のコントラストが5以上で階調反転
の起きない領域を視野角として表1に表した。
【0030】
【表1】
【0031】比較例2では視野角拡大効果はあるが、光
の損失が大きく、正面輝度が低いのに対して実施例1で
は視野角、正面輝度ともに優れた値が得られた。
【0032】[実施例2]焼成温度を980℃とした以
外は実施例1と同じ方法でシリカを製造した。このシリ
カのシラノール基量は0.08mmol/g、平均粒径は5.
7μmでσは1.35だった。このシリカを樹脂中濃度
で10重量%となるようにポリプロピレン樹脂パウダー
に混合し、射出成形によってテストピースを作成し、J
ISK7203により曲げスピード2mm/minで曲
げ強度を測定した。
【0033】[比較例3]シリカを加えない他は実施例
2と同じ方法でテストピースを作成し、曲げ強度を測定
した。
【0034】[比較例4]シリカの代わりに平均粒径5
μmの炭酸カルシウムを樹脂中濃度で10重量%となる
ように添加した他は実施例2と同じ方法でテストピース
を作成し、曲げ強度を測定した。
【0035】実施例2、比較例3、比較例4の曲げ強度
測定結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】比較例4でもある程度の強度向上の傾向は
あるが、実施例2の曲げ強度向上の効果は著しく、当発
明の光拡散粒子は効率よく光を拡散できるだけでなく、
樹脂の強度を高める効果にも従来の光拡散粒子にはない
特徴がある。
【0038】
【発明の効果】本発明の光拡散粒子は、樹脂との密着力
が高いため、機械的強度が高く、光の損失が少なくて効
率よく光を拡散できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA15 BA20 4G072 AA28 BB07 CC13 GG01 GG03 HH21 HH29 HH30 JJ11 JJ13 LL06 LL07 LL11 MM01 MM02 MM36 PP17 QQ06 RR05 RR06 RR12 TT01 TT02 TT30 UU09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が1〜30μmの球状であり、
    下式で表わされる粒度分布の幾何標準偏差σが1.5以
    下であり、なおかつシラノール基を6μmol/g以上有す
    る球状シリカからなる光拡散粒子。 【数1】σ=(D1/D20.51:累積84重量%の時の粒径 D2:累積16重量%の時の粒径
  2. 【請求項2】請求項1記載の球状シリカにシランカップ
    リング剤による表面処理を施した光拡散粒子。
  3. 【請求項3】球状シリカからなる光拡散粒子を製造する
    に際して、湿式法で得られた球状シリカを300℃以上105
    0℃未満で焼成して前記球状シリカのシラノール基を6
    μmol/g以上5mmol/g以下とすることを特徴とする光拡散
    粒子の製造方法。
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