JP2001187704A - くん煙防かび剤および防かび処理方法 - Google Patents

くん煙防かび剤および防かび処理方法

Info

Publication number
JP2001187704A
JP2001187704A JP37715899A JP37715899A JP2001187704A JP 2001187704 A JP2001187704 A JP 2001187704A JP 37715899 A JP37715899 A JP 37715899A JP 37715899 A JP37715899 A JP 37715899A JP 2001187704 A JP2001187704 A JP 2001187704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smoke
fungicide
facility
facilities
treated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37715899A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Ariga
春夫 有賀
Kenkichi Takagi
謙吉 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOKKO SANGYO KK
Original Assignee
HOKKO SANGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOKKO SANGYO KK filed Critical HOKKO SANGYO KK
Priority to JP37715899A priority Critical patent/JP2001187704A/ja
Publication of JP2001187704A publication Critical patent/JP2001187704A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】食品工場、醸造工場、その他各種製品の工場、
倉庫、書庫、植物栽培施設、農作物の貯蔵施設、高層ビ
ル、集合住宅、戸建住宅、地下建築物、地下構築物、地
下室、隧道、地下道、ならびにこれらの建設工事現場、
あるいは空家、医療保健施設、文化財保護施設、体育娯
楽施設、自動車、電車、その他の車輌連結、船舶、航空
機の内部の空間、それらの壁面、床面、天井等に発生
し、付着または浮遊するかび類を防除するくん煙防かび
剤とその処理方法を提供する。 【解決手段】ベンツイミダゾール系化合物を活性成分と
して含有することを特徴とする、くん煙防かび剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品工場、醸造工
場、その他各種製品の工場、倉庫、書庫、植物栽培施
設、農作物の貯蔵施設、高層ビル、集合住宅、マンショ
ン、戸建住宅、地下建築物、地下構築物、地下室、隧
道、地下道、ならびにこれらの建築、建設工事現場、あ
るいは空家、医療保健施設、文化財保護施設、体育娯楽
施設、自動車、電車、その連結車輌、船舶、航空機の内
部の空間、それらの壁面、床面、天井等に発生し、付着
または浮遊するかび等を防除するくん煙防かび剤とその
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国は湿度が高いので、かびが繁殖し
やすい。そのため、上記したごとくの各種の工場、倉
庫、植物栽培施設、住宅、地下構築物、医療保健施設、
隧道などの天井、側壁、床面やそれらの構造物中の機械
機具、製品などや、その空間では、かびが発生し、汚染
が進行すると、安全衛生面で好ましくないばかりか、当
該諸施設が本来具有し、発揮すべき経済性、生産性、商
品性等が著しく損なわれる。
【0003】こうしたことから、これまでこれらの諸施
設でかびの発生を防ぐ方法としては、かびが生えた壁面
などを水をかけながらブラシでこすり洗浄する方法、薬
剤を塗布する方法、液状の薬剤を壁面などに噴霧する方
法、換気する方法等が行われてきた。
【0004】一方、くん煙による防かび処理方法は、き
のこ栽培地で2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾー
ルを用いて行われている(特公昭55−30684号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かびはその性質上、一
定の湿度と温度などの発生条件が整えば、どこでも発生
し、前述したごとくの各種の建造物、住宅、工場、倉
庫、植物栽培施設、隧道などの諸施設内を汚染して、特
にそれらの天井、側壁、床面やそれらの構造物中に設置
された機械器具や工業製品などの外観を損ね、ひいては
そのものを徐々に劣化させる。このような劣化が起こら
ないように、かびの発生を防除するに当っては、まず第
1に、防かび効果は殺滅的であることが必要である。そ
うでなければ、かびはすぐに増殖しつづける。第2に、
防かび作業が簡便でかつ省力的に実施できる必要があ
る。そうでなければ、空中に浮遊するかびがもとですぐ
に防かび処理しなければならないことがしばしば起こ
る。このようなときには、防かび作業として一般的に行
われている薬剤散布する方法では、散布薬液の調製、そ
の運搬、散布器具の準備、操作の習熟等が必要であり、
労力も必要である。
【0006】また、上記した諸施設とその環境空間を防
かび処理するに当っては、当該施設や空間が複雑な構造
となっていると散布薬剤が目的とする場所に到達しなく
なり、所望の防かび効果が期待できない。
【0007】また、薬液を天井、側壁等に噴霧する場合
は、必然的に天井や側壁に付着した水滴がぽとぽと落ち
たり、側壁から水滴状に流れ落ちることになる。このよ
うなときには、散布する人や床面にある機械器具や工業
製品などがこれらの薬液に濡れて劣化するうえに、薬液
の落下で所望の薬量が付着しなくなるなどして、防かび
効果が低下しがちである。
【0008】このような事情から、当該諸施設およびそ
の環境(室内)空間では、かびに対して撲滅的な卓効を
示し、作業の簡便性や省力性を備えた防かび剤とその使
用方法の開発が待望されている。
【0009】本発明は、このような要望に合致した新し
い防かび剤とその使用方法を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究した。その結果、ベンツイ
ミダゾール系の殺菌活性成分を含有し、これをくん煙剤
とした薬剤が、先に述べた諸施設内で用いると使用方法
が簡便で省力的であって、作業性にすぐれているうえに
防かび剤として卓効を発揮することを見いだした。
【0011】本発明のくん煙防かび剤の活性成分として
使用されるベンツイミダゾール系殺菌活性成分として
は、くん煙剤としてその防かび活性を発揮するものなら
なんでも使用することができる。その代表例を例示す
る。本発明は、以下の例示のみに限定されない。
【0012】 TBZ:2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール MBC:2−(メトキシカルボニルアミノ)−ベンツイ
ミダゾール ベノミル:1−(n−ブチルカルバモイル)−2−ベン
ツイミダゾールカルバミン酸メチル
【0013】
【発明の実施の形態】(その1)本発明のくん煙防かび
剤の製剤化の方法 本発明のくん煙防かび剤の製剤化の方法は、くん煙剤の
一般的な製剤化の方法にしたがって製剤化して使用する
ことができる。
【0014】すなわち、発熱剤と殺菌活性成分であるベ
ンツイミダゾール系化合物と、必要により増量剤、粘結
剤などを加えて粉砕し、例えば2mm〜10mmの粒状
としてそれをそのまま金属製容器に入れて用いるか、ま
たは発熱剤、活性成分、増量剤、粘結剤などを混合し
て、これを水で混練し、造粒機で成型、乾燥し、粒剤に
するか、錠剤成型機を用いて錠剤にして用いることがで
きる。
【0015】ここで、発熱剤としては公知のものをその
まま用いることができ、特定のものに限られるものでは
ない。その例としては、硝酸カリウム、過塩素酸カリウ
ム、硝酸ナトリウム、塩素酸カリウムなどと糖類(澱
粉、乳糖など)との混合剤、ニトロセルロースなどが挙
げられる。
【0016】また、増量剤としては、クレー、ラジオラ
イト、タルク、ベントナイト、珪藻土、カオリンなどが
挙げられる。また、粘結剤としては、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコール(PVA)などが挙げられる。
【0017】また、燃焼調節剤(抗炎剤)としては、メ
ラミンまたはその誘導体、例えば、工業用メラミン、メ
ラミンホルマリン樹脂、硝酸メラミンなどが挙げられ
る。
【0018】本発明のくん煙防かび剤の製剤化に当り、
殺菌活性成分の添加量は、特に限定されるものではない
が、一般的に製剤中に1〜30%(重量%、以下同じ)
である。
【0019】また、発熱剤を30〜40%、燃焼調節剤
(抗炎剤)を5〜10%、粘結剤を2〜5%、増量剤を
残量添加するか、必要により、殺菌活性成分の保存また
は熱に対する安定化剤を添加して調製すればよい。
【0020】本発明のくん煙防かび剤は、上記した各々
の成分を上記した量の範囲内で配合して粉砕し、そのま
ま金属容器に入れて用いるか、または水で混練して造粒
機で成型、乾燥し粒剤にするか、錠剤成型機を用いて錠
剤にすればよいが、形状は通常用いられるくん煙剤と同
様とすればよい。
【0021】また、本発明のくん煙防かび剤は殺バクテ
リア剤などの他の殺菌成分や殺虫・殺ダニ成分を配合し
て使用することができる。
【0022】このような殺菌成分としては、パラオキシ
安息香酸エステル類(エステルとしてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等)、p−クロロメタクレゾー
ル、オルソフェニルフェノール、1,1’−ヘキサメチ
レンビス[s−(p−クロロフェニル)ビグアナイド]
等が挙げられる。
【0023】また、殺虫・殺ダニ成分としては、ペルメ
トリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、デル
タメトリンなどのピレスロイド系化合物が挙げられる。
【0024】次に、本発明のくん煙防かび剤の製剤化の
実施例を示すが、本発明は、以下に示す例のみに限定さ
れるものではない。
【0025】なお、実施例中で部は、すべて重量部を表
わす。
【0026】
【実施例】実施例1 TBZ 20部、ニトロセルロース 35部、メラミン
10部、カルボキシメチルセルロース 5部およびケ
イソウ土 30部を均一に混合粉砕して水で混練し、造
粒機で成型、乾燥し、約2mm〜10mmの粒剤、また
は錠剤成型機を用いて直径約15mmの錠剤にし、くん
煙防かび剤とする。
【0027】実施例2 TBZ 20部、ニトロセルロース 25部、塩素酸カ
リウム 15部、メラミン 5部およびクレー 35部
を均一に混合粉砕し、その70部を金属製の容器(直径
65mm×高さ70mm)に入れて、これに成型テルミ
ットなどの点火剤を配してくん煙防かび剤とする。
【0028】(その2)本発明のくん煙かび剤の使用方
法 本発明のくん煙防かび剤の使用方法は、例えば65mm
(直径)×70mm(高さ)の金属製の円筒状容器に顆
粒状(約2mm〜5mm)とした本発明のくん煙防かび
剤を入れて、これに点火すればよい。また、他の方法と
しては金属製の皿容器の上に顆粒または錠剤を入れ、下
部から300〜350℃に加熱すればよい。
【0029】ここに、円筒状の金属製容器の形状は特定
の大きさのものに限られるものではなく、適宜大きさを
変えて用いることができる。また、容器は円筒でなくて
もよく、例えば4角〜8角等の筒状であってもよい。
【0030】こうすれば、くん煙剤は燃焼して煙霧化
し、防かび活性成分であるベンツイミダゾール系化合物
が同時に気化し、防かび効果を発揮する。
【0031】くん煙剤の使用量は、使用する場所、広
さ、天井の高さ、かびの発生程度などにより適宜変えれ
ばよい。
【0032】その一例を挙げれば、実施例2で製造した
くん煙剤(65mm×70mmの円筒状のもの)は1個
で、一般的には約20m×20m×2m(縦×横×高
さ)の広さの防かび処理に使用される。
【0033】また、くん煙剤の設置場所は、狭いところ
では1か所か数か所で所望の防かび効果が得られるが、
大きな倉庫、長い隧道などの広い場所で同時に広範に防
かび処理する必要があるときは、適当な間隔、例えば1
0〜30mの間をおいて、多数設置すればよい。
【0034】また、植物栽培施設や倉庫などでは、その
中央部や側面等に設けたケーブルに金属製の円筒状くん
煙剤や金属製の皿に顆粒や錠剤をつり下げて点火し、ケ
ーブルを回転させるなどすれば、広範囲な場所を連続し
てくん煙処理することができる。
【0035】また、隧道や鉄道のトンネル、地下鉄道な
どでは、自動車や電車、トロッコなどに乗って、適当な
間隔を置きながら円筒状のくん煙剤を発火して順次置い
ていくことにより、くん煙処理することもできる。
【0036】
【発明の効果】本発明のくん煙防かび剤を使用すると、
次のような効果がもたらされる。
【0037】第1に、かびの発生を非選択的にかつ撲滅
的に阻止する。したがって、諸施設内および環境(室
内)空間のくん煙防かび剤として幅広く使用することが
できる。
【0038】第2に、くん煙による防除という特質か
ら、使用方法は、着火するだけでよいという簡単な方法
でよい。したがって、従来のごとくの薬液を散布機を用
いて噴霧するといった防除方法に比べると極めて省力的
であり、作業性に富む。
【0039】第3に、諸施設内の防かびを必要とする隅
々にまでまんべんに薬剤がいきわたるので、少ない薬量
で高い防かび効果が発揮される。
【0040】第4に、薬剤が散布する人に直接触れるこ
とがなく、人畜毒性などの問題を生じるおそれがほとん
どなく、安全性が高い。
【0041】本発明のくん煙防かび剤は、こうした特徴
を有するので、防かび処理を施す必要のある食品工場、
醸造工場、その他の各種製品の工場、倉庫、書庫、植物
栽培施設、農作物貯蔵施設、高層ビル、集合住宅、マン
ション、戸建住宅、地下建築物、地下構築物、地下室、
隧道、地下道、ならびにこれらの建築・建設現場、ある
いは空家、医療保健施設、文化財保護施設、体育娯楽施
設、自動車、電車、その連結車輌、船舶、航空機などの
環境(室内)空間およびその構成部分、例えば壁面、天
井、床面などにおいて、幅広く使用することができる。
【0042】また、本発明のくん煙防かび剤が有効な対
象かび類としては、次のようなものが挙げられる。
【0043】トリコデルマ属、ヒポクレア属、セファロ
スポリウム属、アスペルギルス属、グラドスポリウム
属、ケトミウム属、など。
【0044】本発明のくん煙防かび剤は、これらのかび
類の発生を完全に抑え、環境浄化に大きな効果を示す。
【0045】本発明の効果を立証するために試験例を示
す。
【0046】試験例1 ガラス温室内での空中落下菌調
査 試験方法:くん煙処理の前と後での空中落下菌数の調査
を実施するため、下記の条件で、くん煙処理効果の有無
の確認を行った。落下菌の採取は、くん煙剤の設置場所
(下記の2か所)より1m程離れたところにPDA培地
を入れた9cm径のシャーレを置き、くん煙処理前後に
それぞれ30分間シャーレのフタを開放して行った。そ
の後シャーレのフタをし、PDA培地を27℃で3日間
培養し、生じたコロニーを測定して落下菌数とした。
【0047】試験場所;野菜栽培農家のガラス温室(福
島市内) 広さ … 9m(入口側)×10m 高さ … 3.6m
【0048】くん煙剤の使用数;2個(50g/1個の
もの) くん煙剤の設置場所;ガラス温室を入って約2mのとこ
ろ(表中で手前と表示)と中央部(表中で奥と表示)に
各1個ずつ
【0049】使用寒天培地;下記のポテトデキストロー
ス寒天(PDA)培地
【0050】PDA培地;市販のジャガイモ200gの
皮をむき、さいの目に切り、2リットル容のコルベンに
入れ、イオン交換水1リットルを加え、湯煎する。1時
間後に2重ガーゼでろ過し、そこへイオン交換水を加え
て1リットルとし、デキストロースを10g、寒天 1
5gを加え、オートクレーブ滅菌(121℃、20分
間)したものを供試した。
【0052】シャーレの設置場所;くん煙剤の設置場所
(2か所)の1か所についてそれぞれ6シャーレを使用
した。
【0053】 調査時刻;(1)くん煙処理開始の35分前 (2)くん煙処理開始5時間後 それぞれの時刻から30分間シャーレのフタを開放し、
フタをした。
【0054】また、次式による菌の減少率(%)を求め
た。
【0055】
【数1】
【0056】試験結果:表1のとおりである。
【0057】
【表1】
【0058】試験例2 各種糸状菌に対するくん煙効果
試験 試験方法:くん煙処理によって床面に付着した薬剤によ
る防かび効果の有無を調査するため、次の試験を行っ
た。まず、下記の広さのビニール温室内のくん煙剤の設
置場所(下記の2か所)よりそれぞれ1m程離れたとこ
ろにPDA培地を入れた9cm径のシャーレを各くん煙
剤あたり、約1m離れたところに2シャーレ置き、くん
煙処理直前にフタを開けて処理中5時間放置した。そし
て、フタをしてそのシャーレを持ち帰り、翌日表中に記
載の各種のかびの胞子懸濁液を接種し、27℃で5日間
培養して、かびの生育の有無を調査した。
【0059】 試験場所;野菜栽培農家のビニール温室(福島市内) 広さ … 5m(入口側)×9m 高さ … 3.3m
【0060】くん煙剤の使用数;2個(50g/1個) くん煙剤の設置場所;ビニール温室を入って約2mのと
ころ(手前)と中央部(奥)に各1個ずつ設置。
【0061】使用寒天培地;ポテトデキストロース寒天
(PDA)培地(前述と同じ)
【0062】供試菌種;かび7種(菌名は表中に記載)
【0063】なお、無処理区は、くん煙剤の各設置場所
付近に2シャーレ置き、フタを開けて5時間放置した。
そして本発明区と同様にかびの生育の有無を調査した。
【0064】試験結果;表2のとおりである。
【0065】
【表2】
【0066】 結果の表記 −:生育なし +:生育あり 1)シャーレ1;奥のくん煙剤の周りに(約1m離し
て)置いたシャーレ 2)シャーレ2;手前のくん煙剤の周りに(約1m離し
て)置いたシャーレ
【0067】試験例3 集合住宅(鉄筋コンクリート)
におけるくん煙処理による防かび効果 試験 試験方法 後記の住宅の各部屋の床より1.5mの高さの壁面の任
意の位置に直径15cmのろ紙を部屋あたり各3枚張り
付け、実施例2で調製した薬剤(40g/缶)を用い、
番号をつけたNo.(1)〜(6)の各部屋に1個ずつ
くん煙処理した。処理後は6時間放置した。
【0068】試料のろ紙を4cm×4cm角に切り取
り、下記した供試菌胞子混合液(約400,000個/
ml)をその上に噴霧し、28℃で2日間の恒温室内で
培養した。培養2日後に、PD(ポテト・デキストロー
ス、すなわち、前述のPDA培地から寒天を除いたも
の)培地をろ紙片に噴霧し、27℃の恒温室で5日間培
養し、かびの生育状況を調査した。
【0069】くん煙場所の住宅としては、次の6室[N
o.(1)からNo.(6)まで]で行った。すなわ
ち、縦約8m×横約20mの一般家庭で左端に3面を外
気と壁を介して接した居間、食堂(1)(43m)を
配して、その右側方向の中央に通路(約1m幅)を設け
てなり、一方の側に右方向に和室(2)(20m)、
その右側に洋室(3)(15m)を配し、その向い側
に洋室(4)(15m)、その左側にトイレ(7
)、その左側に浴室(5)(11m)、その左側
に居間、食堂と接した台所(6)(15m)を配して
なり、各天井の高さが2.3mの広さの家で試験を実施
した[和室(2)の通路の向い側に浴室(5)とトイレ
があり、洋室(3)の通路の向い側に洋室(4)がある
形状]。
【0070】供試菌 Aspergillus属菌 Chaetomium属菌 Penicillium属菌 Myrothecium属菌
【0071】なお、無処理区はくん煙剤の処理前に各部
屋に本発明区と同様に、1.5mの高さの壁面にろ紙を
各3枚はりつけて6時間放置し、その後は本発明区と同
様にかびの生育状況を調査した。
【0072】試験結果は表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】注)表中の記号 − ろ紙上にかびの生育が認められない + ろ紙上にかびの生育がわずかに認められる
(1〜5個) ++ ろ紙上にかびの生育が認められる(6〜10
個) +++ ろ紙上にかびの生育がかなり認められる(1
1個以上)
【0075】試験例4 隧道におけるくん煙処理による
防かび効果試験 試験方法:掘削中の高さ3m、幅8mの半円形のトンネ
ル50m区間で試験した。すなわち、実施例2で調製し
た薬剤(40g/缶)を10m間隔で5缶を置き、くん
煙処理した。処理後24時間放置し、試験区の側壁1.
5m位置の20か所より滲出水約5mlを乾熱滅菌した
20ml容のコルベンに採取した。この採取水のそれぞ
れ0.5mlをローズベンガル40ppm添加のPDA
培地に入れ、28℃の恒温室で3日間培養し、かびの生
育の有無を調査した。
【0076】なお、無処理区は、試験場所より100m
離れた位置の側壁(入口から150mの地点から200
mの地点までの50m間を本発明と同様に左右10か所
ずつ)の滲出水を用いた。
【0077】試験結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】(注)表中のNo.1とNo.2とは、入
口から約5m入った地点の左右の壁面、No.19、N
o.20とは、約50m入った地点の左右の壁面でのデ
ータを示し、その他もこれと同様であることを示す。
【0080】注)表中の記号 − :シャーレ上にかびの生育が認められない + :シャーレ上にかびの生育がわずかに認められる
(1〜10個) ++ :シャーレ上にかびの生育が認められる(11〜
20個) +++:シャーレ上にかびの生育がかなり認められる
(20個以上)
【0081】試験例5 みそ醸造場での空中落下菌調査 試験方法:くん煙処理の前と後での空中落下菌数の調査
を実施するために、下記の条件で、くん煙処理効果の有
無を検討した。落下菌の採取は、ローズベンガル40p
pm加用のPDA培地を入れた直径9cm大のシャーレ
をくん煙処理前後にそれぞれ30分間フタを開放して行
った。そしてフタをしてそのシャーレを28℃で3日間
培養し、生じたコロニーを算定し、落下菌数とした。
【0082】試験場所;みそ醸造場(長野市内) 面積:6.5m(入口のある面)×9.5m 高さ:4m
【0083】くん煙剤の使用;実施例2で調製した3缶
(50g/缶)
【0084】くん煙剤の設置場所;入口から約1.5
m、約4.5m、約7.5mの地点の3か所にほぼ直線
的に1個ずつ設置。
【0085】シャーレの設置場所;直径9cm大のシャ
ーレにローズベンガル40ppm加用のPDA培地を入
れ、くん煙剤の設置場所から約1m離してくん煙剤のま
わりに円状に10枚ずつ置いた。
【0086】また、試験例1と同様に菌の減少率(%)
を算出した。
【0087】その結果を表5に示す。
【0088】
【表5】
【0089】試験例6 書庫におけるくん煙効果 くん煙処理による殺かび効果の有無を検討した。書庫の
床に任意に10個設置した直径9cm大のシャーレにP
DA培地を入れ、くん煙処理直前にシャーレのフタを開
け、下記のとおりの条件でくん煙処理し、その処理中5
時間放置した。そのシャーレは、処理後フタをして28
℃の恒温室で3日間培養して、かびの生育の有無を調査
した。
【0090】試験場所;私人の書庫(小平市内) 面積:4.5m×3m(入口のある面) 高さ:2.5m
【0091】くん煙剤の使用数;実施例1で調製した錠
剤4個(1個あたり直径2cm、重さ5gのもの)
【0092】くん煙法;書庫のほぼ中央部の床に置いた
電気くん煙器の皿の部分に錠剤をのせ、330℃に加熱
し、活性成分をくん煙させた。
【0093】かびの同定;形成した形態により、Cla
dosporium sp.、Penicillium
sp.、Aspergillus sp.を同定し、
それ以外のかびはその他糸状菌とした。また、無処理区
として、書庫の任意の5か所に本発明と同じシャーレ4
個を置いてフタを開け、5時間経過後にフタをし、本発
明区と同様にかびの数を求めた。
【0094】その結果は表6のとおりである。
【0095】
【表6】
【0096】試験例7 地下室におけるくん煙処理効果 くん煙処理の前と後での空中落下菌数の調査を実施する
ために、下記の条件で、くん煙処理効果の有無を検討し
た。落下菌の採取は、ローズベンガル40ppm加用の
PDA培地を入れた直径9cmのシャーレを置き、くん
煙処理前後にそれぞれ30分間フタを開放して行った。
そしてフタをしてそのシャーレを28℃で3日間培養
し、くん煙処理前と処理後に生じたコロニーを算定し、
落下菌数とした。そして、試験例1と同様に菌の減少率
(%)を求めた。
【0097】試験場所:住宅建設中の地下室(日野市
内) 面積:2.7m(入口のある面)×7.2m 高さ:2.5m
【0098】くん煙剤の使用;実施例2で調製した1缶
(40g/缶) くん煙剤の場所;地下室の床面のほぼ中央部に1缶設置
【0099】シャーレの設置場所;直径9cm大のシャ
ーレにローズベンガル40ppm加用のPDA培地を入
れ、くん煙剤の設置場所から約1m離してくん煙剤のま
わりに円状にほぼ均等間隔に5個置いた。
【0100】結果を表7に示す。
【0101】
【表7】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンツイミダゾール系化合物を活性成分
    として含有することを特徴とする、くん煙防かび剤。
  2. 【請求項2】 ベンツイミダゾール系化合物を活性成分
    として含有し、防かび処理する必要のある施設内ならび
    に処理する必要のある施設の建築、建設現場で使用する
    ことを特徴とする、くん煙防かび剤。
  3. 【請求項3】 ベンツイミダゾール系化合物が、2−
    (4−チアゾリル)ベンツイミダゾールである、請求項
    1または請求項2に記載のくん煙防かび剤。
  4. 【請求項4】 ベンツイミダゾール系化合物を活性成分
    として含有するくん煙防かび剤を用いてくん煙処理する
    ことを特徴とする、防かび処理方法。
  5. 【請求項5】 防かび処理する必要のある施設内ならび
    に防かび処理する必要のある施設の建築、建設現場でく
    ん煙処理することを特徴とする、請求項4に記載の防か
    び処理方法。
  6. 【請求項6】 施設が食品工場、醸造工場等の各種製品
    の工場、倉庫、書庫、植物栽培施設、農作物貯蔵施設で
    あることを特徴とする、請求項5に記載の防かび処理方
    法。
  7. 【請求項7】 施設が高層ビル、集合住宅、マンショ
    ン、戸建住宅、ならびにこれらの施設の建築、建設工事
    現場、あるいは空家であることを特徴とする、請求項5
    に記載の防かび処理方法。
  8. 【請求項8】 施設が地下建築物、地下構築物、地下
    室、隧道、地下道、これらの施設の建築、建設現場であ
    ることを特徴とする、請求項5に記載の防かび処理方
    法。
  9. 【請求項9】 施設が医療保健施設、文化財保護保管施
    設、体育娯楽施設であることを特徴とする、請求項5に
    記載の防かび処理方法。
  10. 【請求項10】 施設が自動車、電車およびその連結車
    輌、船舶、航空機であることを特徴とする、請求項5に
    記載の防かび処理方法。
JP37715899A 1999-12-28 1999-12-28 くん煙防かび剤および防かび処理方法 Pending JP2001187704A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37715899A JP2001187704A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 くん煙防かび剤および防かび処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37715899A JP2001187704A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 くん煙防かび剤および防かび処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001187704A true JP2001187704A (ja) 2001-07-10

Family

ID=18508353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37715899A Pending JP2001187704A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 くん煙防かび剤および防かび処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001187704A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103039148A (zh) * 2013-01-22 2013-04-17 中国农业科学院植物保护研究所 一种降低熏蒸剂向大气中散发的方法及环境保护剂
JP2021031390A (ja) * 2019-08-14 2021-03-01 昭栄薬品株式会社 浴室用防カビ剤及び浴室内への防カビ剤の定着方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5157827A (ja) * 1974-11-18 1976-05-20 Kaken Kagaku Kk Shokuyokinokosaibainiokeru gaikinbojozai
JPH06321707A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Hotsukou Sangyo Kk 畳表用防黴組成物及びそれで処理したい草製品
JPH0892012A (ja) * 1994-09-26 1996-04-09 Senkawa:Kk 抗菌組成物
JPH11139910A (ja) * 1997-11-11 1999-05-25 Hokko Chem Ind Co Ltd 防腐防かび剤

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5157827A (ja) * 1974-11-18 1976-05-20 Kaken Kagaku Kk Shokuyokinokosaibainiokeru gaikinbojozai
JPH06321707A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Hotsukou Sangyo Kk 畳表用防黴組成物及びそれで処理したい草製品
JPH0892012A (ja) * 1994-09-26 1996-04-09 Senkawa:Kk 抗菌組成物
JPH11139910A (ja) * 1997-11-11 1999-05-25 Hokko Chem Ind Co Ltd 防腐防かび剤

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103039148A (zh) * 2013-01-22 2013-04-17 中国农业科学院植物保护研究所 一种降低熏蒸剂向大气中散发的方法及环境保护剂
CN103039148B (zh) * 2013-01-22 2015-10-21 中国农业科学院植物保护研究所 一种降低熏蒸剂向大气中散发的方法及环境保护剂
JP2021031390A (ja) * 2019-08-14 2021-03-01 昭栄薬品株式会社 浴室用防カビ剤及び浴室内への防カビ剤の定着方法
JP7007339B2 (ja) 2019-08-14 2022-01-24 昭栄薬品株式会社 浴室用防カビ剤及び浴室内への防カビ剤の定着方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ebeling Sorptive dusts for pest control
CN111066808B (zh) 一种瓷砖防蟑剂及其制备方法、瓷砖防蟑方法、防蟑瓷砖
JP3848412B2 (ja) アリ類の忌避剤
MX2007011415A (es) Metodo de desparasitacion y polvo parasiticida.
KR101387111B1 (ko) 제올라이트를 이용한 설치류 기피제 조성물
KR100861704B1 (ko) 농약의 훈증,훈연제 조성물
JP2001187704A (ja) くん煙防かび剤および防かび処理方法
JPS6156190A (ja) トリ有機錫シラトラン誘導体、その製造法およびそれを有効成分として含有する殺虫、殺ダニ、殺菌剤
Parkin The relative toxicity and persistence of insecticides applied as water‐dispersible powders against stored‐product beetles
Tarshis Laboratory and field studies with sorptive dusts for the control of arthropods affecting man and animal
RU2399206C1 (ru) Фунгицидно-бактерицидная пиротехническая композиция
KR101791464B1 (ko) 플룩사피록사드를 이용한 식물병 방제용 훈연제 조성물 및 이의 용도
WO1999026481A1 (fr) Produit de preservation du bois, systeme de protection contre la pourriture et les insectes, et kit d'appat
JP2799577B2 (ja) 抗カビエアゾール剤
KR101893125B1 (ko) 항충용 코팅 조성물
EA009644B1 (ru) Производные 1-арил-3-амидоксимпиразола, способы их получения, пестицидная композиция на их основе и их применение для борьбы с вредителями
JPWO2002082899A1 (ja) 有害生物防除剤の実用散布薬量の決定方法、有害生物防除剤の開発方法及び有害生物防除剤の性能の表示方法
JPH0912410A (ja) 有害生物抗菌忌避剤組成物
GB2274779A (en) A microbiocidal formulation for domestic use
JPH10117662A (ja) 土壌有害生物防除のための土壌処理方法
RU2279214C1 (ru) Способ дезинфекции помещений хранения пчелиного инвентаря и ульев и состав для его осуществления
JPH01242503A (ja) ゴキブリ忌避剤
Koren Long term efficacy of acaricides against house dust mites (Dermatophagoides pteronyssinus) in a semi-natural test system
ÖZCAN et al. Mortalidad de tierra de diatomeas de Turquía contra adultos de la cucaracha alemana (Blattella germanica L. Blattodea: Ectobiidae)
JPH0372404A (ja) 防虫剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100601