JP2001185794A - 半導体レーザ励起固体レーザ - Google Patents

半導体レーザ励起固体レーザ

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JP2001185794A
JP2001185794A JP36427599A JP36427599A JP2001185794A JP 2001185794 A JP2001185794 A JP 2001185794A JP 36427599 A JP36427599 A JP 36427599A JP 36427599 A JP36427599 A JP 36427599A JP 2001185794 A JP2001185794 A JP 2001185794A
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laser
state laser
semiconductor laser
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JP36427599A
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Toshitsugu Ueda
敏嗣 植田
Muneaki Wakamatsu
宗明 若松
Nobuhiro Tomosada
伸浩 友定
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Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲温度の変動があっても発振周波数の変動
が少ない半導体励起固定レーザを提供する。 【解決手段】 励起用の半導体レーザと、この半導体レ
ーザの出力光により励起されてレーザ光を発振させて出
射する固体レーザとを備えた半導体レーザ励起固体レー
ザにおいて、前記半導体レーザの出力波形を直流成分と
パルス波の混合波形とし、前記固体レーザの出力光を前
記パルス波に同期させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ励起
固体レーザに関し、特にレーザの発振周期の安定化を図
った半導体励起固体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ励起固体レーザは半導体レ
ーザの出力光を固体レーザ結晶であるレーザ媒体に入射
してレーザ媒体を励起してレーザ光を発振させるもので
ある。
【0003】図13はこのような半導体レーザ励起固体
レーザの構成を示すもので、半導体レーザ(以下、LD
という)1から出射した励起光は集光手段(レンズ)2
により集光され、光ファイバ3の一端に入射して他端か
ら出射し固体レーザ4に入射する。この場合、LD1か
らは例えば808nm程度の波長の励起光が出射し、固
体レーザからは1064nm程度の波長のレーザ光が出
射する。
【0004】なお、LD1からの励起光を光ファイバ3
に入射させるのはLD1から出射する励起光のスロー軸
(半導体レーザの接合部平面に平行な出力光 …20度
程度)とファースト軸(半導体レーザの接合部平面に垂
直な出力光 …60度程度)の広がり角度(発散角)の
違いによる影響を軽減するためである。
【0005】即ち、励起光を光ファイバ3内を伝播させ
て他端から出射させると、光ファイバ3の他端からの出
射光は点光源からの出射光として見なすことができ、ス
ロー軸及びファースト軸のどちらの方向に対しても同一
の発散角となってスロー軸及びファースト軸の発散角の
違いによる影響が軽減されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような半導体励起
固定レーザでは図14に断面図で示すような固体レザー
結晶であるレーザ媒体(Nd:YAG)6に過飽和吸収
体9を接合した固体レーザ14が用いられる。7aはL
D1の励起光1aを透過し、レーザ媒体6a内で発振し
たレーザ光を反射させるコーティング膜、7bはLD1
の出力光1aを反射し、レーザ媒体6内で発振したレー
ザ光の大半を反射させると共に一部を透過させるコーテ
ィング膜、14aは発振したレーザ光である。
【0007】過飽和吸収体9とはCr4+:YAG(クロ
ムをドーピングしたイットリウム・アルミニウム・ガー
ネット)等であり、受動的Qスイッチとして働く。すな
わち、過飽和吸収体9は入射される光の強度が低い場合
には吸収率が高く、入射される光の強度が高くなると吸
収の飽和により光の吸収が弱くなる。言い換えれば、光
の強度が高くなると吸収率が低くなり透明となる。
【0008】LD1の励起光1aはレーザ媒体6の一端
に設けられたコーティング膜7aを透過してレーザ媒体
6に入射され、レーザ媒体6と過飽和吸収体9との接合
面及び過飽和吸収体9内を透過し、過飽和吸収体9の一
端に設けられたコーティング膜7bで反射される。
【0009】一方、この励起光1aにより励起され発振
したレーザ光14bはコーティング膜7aとコーティン
グ膜7bとの間で反射されながらエネルギーが増幅され
る。但し、過飽和吸収体9の働きにより発振したレーザ
光14bの強度がある程度高くなるまで過飽和吸収体9
により吸収されて出射されないので、ピークパワーの大
きなパルスのレーザ光14aとして出射することにな
る。
【0010】ところで、このような半導体励起固体レー
ザでは発振周期が過飽和吸収体9の閾値で決定されるた
め周囲温度や励起条件で大幅に変動する。本発明は周囲
温度の変動があっても発振周波数の変動が少ない半導体
励起固定レーザを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るために、本発明の半導体励起固定レーザの請求項1に
おいては、励起用の半導体レーザと、この半導体レーザ
の出力光により励起されてレーザ光を発振させて出射す
る固体レーザとを備えた半導体レーザ励起固体レーザに
おいて、前記半導体レーザの出力波形を直流成分とパル
ス波の混合波形とし、前記固体レーザの出力光を前記パ
ルス波に同期させたことを特徴とする。
【0012】請求項2においては、請求項1記載の半導
体励起固定レーザにおいて、前記半導体レーザの直流成
分を前記固体レーザが発振する閾値の99〜70%の間
に設定したことを特徴とする。
【0013】請求項3においては、請求項1記載の半導
体励起固定レーザにおいて、半導体レーザ励起固体レー
ザの周囲温度を検出する温度検出手段と固体レーザ光の
出力パルス間隔を検出するパルス間隔検出手段を備え、
これらの検出結果に基づいて前記直流成分を制御したこ
とを特徴とする。
【0014】請求項4においては、請求項1記載の半導
体励起固定レーザにおいて、直流成分に重畳されるパル
ス成分の積算励起エネルギー量が固体レーザの1つのパ
ルスを発生させるようにしたことを特徴とする。
【0015】請求項5においては、請求項1記載の半導
体励起固定レーザにおいて、直流成分に重畳されるパル
ス成分の大きさを、固体レーザからの出力パルス光のパ
ルス間隔に基づいて制御したことを特徴とする。
【0016】請求項6においては、請求項1記載の半導
体励起固定レーザにおいて、前記半導体レーザからの出
力を光拡散部材(カライドスコープ)を介して前記固体
レーザに入力したことを特徴とする。
【0017】請求項7においては、請求項6記載の半導
体励起固定レーザにおいて、光拡散部材の一端を固体レ
ーザに接触させたことを特徴とする。請求項8において
は、請求項6記載の半導体励起固定レーザにおいて、光
拡散部材の一端を固体レーザの非コーティング面に接触
させたことを特徴とする。
【0018】請求項9においては、請求項6記載の半導
体励起固定レーザにおいて、光拡散部材として金属パイ
プを用いたことを特徴とする。請求項10においては、
請求項6記載の半導体励起固定レーザにおいて、光拡散
部材として固体レーザ媒体と同一媒体を用いたことを特
徴とする。
【0019】請求項11においては、請求項1記載の半
導体励起固定レーザにおいて、前記半導体レーザは発振
波長を目標値より高くなるように、このレーザの設定値
温度を低く設定しておくことを特徴とする。
【0020】請求項12においては、請求項11記載の
半導体励起固定レーザにおいて、半導体レーザに印加す
る励起パルス間隔を1ms以下としたことを特徴とす
る。請求項13においては、請求項11記載の半導体励
起固定レーザにおいて、半導体レーザに印加するパルス
レーザ電流波形関数が進み遅れ要素で校正されたことを
特徴とする。
【0021】請求項14においては、請求項11記載の
半導体励起固定レーザにおいて、半導体レーザに印加す
る電圧波形の形状を、パルス間隔、パルス幅で対応して
変更することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態の一例を図
面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る半導体
レーザ励起固体レーザの一実施例を示す構成断面図であ
る。図1において14は図13に示す固体レーザであり
14aは発振したレーザ光である。
【0023】LD1の励起光1aは直接固体レーザ14
に入射され、この固体レーザ14からは発振したレーザ
光14aが出射する。出射したレーザ光14aは分光器
15により分光されて一部がフォトダイオード(以下、
PDという)等の光電変換器16に入射してその光強度
に応じた電流がコントローラ17に入力する。
【0024】コントローラ17からはレーザ光14aの
出射パルスに対応した信号がパルス発生器(以下、PG
という)18に出力され、このPG18からのパルス出
力はドライバ19から出力される直流成分に重畳してL
D1を励起する。
【0025】次に、図2のタイムチャートを用いて図1
に示す実施形態の動作を説明する。図2(a)はLD1
から出力される励起光の波形である。直流成分に一定周
期のパルス信号が重畳されている。このLD1の出力に
より固体レーザ14内の光子数が増幅される。
【0026】光子数を増幅するためのドライバ19から
の直流成分は図2(b)に示すように過飽和吸収体9が
飽和する閾値(K)より小さくなるように飽和する閾値
の99から70%に設定しておく。時刻t1においてパ
ルスが重畳されるとこのパルス成分により図(b)に示
すように光子が増加する。
【0027】光子数が閾値(K)を超えると共振器とし
て機能する過飽和吸収体9のQ値が図(c)に示すよう
にt2において急激に増加し、図(d)に示すように固
体レーザ14からパルス状のレーザ光が瞬時に出力し、
同時に光子数は急激に減少する(図(b)イで示す部
分)。
【0028】次に、何らかの原因により外乱が起こり固
体レーザ14の過飽和吸収体9の閾値が低下して(図
(b)ロで示す部分)K'となる。従って、少ない光子
数で固体レーザ14からパルス状のレーザ光が出力す
る。その結果、図(d)に示すように出射パルスの間隔
はT1≠T2≠T3のように変化する。
【0029】そこで本発明では、その出射パルスの間隔
をコントローラ17で検出し、パルス間隔が例えばはじ
めのパルス間隔T1と同様にT1=T4となるようにL
D1から出射される直流成分を変化させて制御する。な
お、この出射パルスの間隔は閾値の変動に応じてパルス
成分の大きさを変化させてもよく、両方を変化させるよ
うにしてもよい。
【0030】上述のように本発明では、固体レーザ14
の出力光をPD16などで光電変換し、これをコントロ
ーラ17に入力する。このコントローラ17でPG18
を制御して固体レーザ14のパルス出力の変動を小さく
するようなパルス波形を生成する。そして、PG18の
パルスでドライバ19を制御し、固体レーザ14のパル
ス出力を一定となるように制御する。
【0031】そして、本発明では直流成分に重畳する一
つのパルスの積算励起エネルギー量で一つのレーザ光が
出射するようにしているので同期が取り易く、更にLD
から出射する直流成分を過飽和吸収体の閾値の99〜7
0%に設定することによりパルス成分による固体レーザ
14からの出射のタイミングのばらつきを小さくするこ
とができる。
【0032】図3(a〜c)は直流成分を過飽和吸収体
の閾値の20と80%にした場合の固体レーザ14から
の出力の状態を模式的に示すものである。図3(a)は
LDの直流成分を閾値に対して20と80%に設定して
いる状態。図3(b)はLDの直流成分にパルス電圧が
重畳され光子数が蓄積されている状態を示している。
【0033】直流成分が80%の場合は閾値に達するま
での時間が短かいので外乱の影響を受け難く、直流成分
が20%の場合にはパルス電圧が重畳されて光子数が閾
値まで蓄積される時間が長くかかる。そのため、閾値に
達しない間に外乱があった場合、閾値に達する時間にば
らつきが生じ図3(c)に示すように固体レーザの出力
にばらつきが生じることを示している。。
【0034】図4は本発明の請求項6に関する実施形態
の一例を示す拡大断面ブロック図である。図において図
1と同一要素には同一符号を付している。この例ではL
D1からの励起光1aを光拡散部材(以下、カライドス
コープという)20を介して固体レーザ14の側面(非
コーティング面)に照射する。
【0035】ここで、カライドスコープ20としては光
学ガラス(望ましくは過飽和吸収体やレーザ結晶などの
母材媒体)を直方体に形成したもので、LD1に対向す
る端面20aは光を散乱するスリガラス状に処理したも
のである。
【0036】この他にもカライドスコープ20としては
筒体の内面にアルミニウムのコーティングを施して一方
の面を鏡面として4枚の板ガラスを鏡面側を内側にして
長方形の内部空間を形成したものや、単に光学ガラスあ
るいはメタクリルなどの光透過材料で柱状体としてもよ
く、金属板の一方の面を鏡面に仕上げたものを内側にし
て長方形の内部空間を形成したものであってもよい。
【0037】なお、カライドスコープ20の一端を固体
レーザ14の側面に接触させれば固体レーザ14内で発
生する発熱を放熱することができ、光拡散部材20を過
飽和吸収体9やレーザ結晶などの母材媒体6で構成した
場合は固体レーザ14との境界面での損失が小さく効率
よく発振させることができる。
【0038】また、図では省略するがカライドスコープ
は固体レーザのコーティング面に接触若しくは非接触の
状態で配置してもよい。このようにLD1からの励起光
をカライドスコープ20を介して出力することにより簡
便な構造で固体レーザ光を得ることができる。
【0039】次に請求項11の実施形態の一例について
説明する。図5は一般的なダブルヘテロ構造の半導体レ
ーザダイオード(LD)の構成を示す斜視図である。ク
ラッド層であるp層,n層間に電圧を印加すると活性層
mからレーザが励起されて出力する。
【0040】ところで、通常LDの波長は半導体チップ
の温度に対して0.25〜0.3nm/℃変動する。従
って一般的にはLDはペルチェ素子や水冷方法により所
定の温度に保った状態で使用される。
【0041】しかし、そのような温度制御方法では、L
Dの接合部に発生する高速度の温度変動を制御すること
はできない。例えばLDをパルス電流でドライブする場
合、LDのpn接合部の温度が20℃上昇した場合は5
〜6nmの波長シフトが生じることになる。
【0042】図6はpn接合部の温度上昇による波長シ
フトの状態を示すもので、左の縦軸は固体レーザの吸収
量、右の縦軸はLDの出力エネルギーの強度(無単位)
を示し横軸はLDの出力波長を示している。図中イで示
す線分が吸収量、ロ,ハで示す線分がエネルギー強度で
ある。
【0043】例えば808nmの発振が得られるように
設定していたLDの接合部の温度が20℃上昇して発振
波長が813nmにシフトした場合、固体レーザの吸収
量はA→Bに低下する。
【0044】ところで、本発明で使用する固体レーザは
808nm付近で大きな吸収があり、励起結晶の厚さが
大きな場合はこの波長から外れても十分吸収されるが、
大きな励起結晶は高価となり、かつ体積も大きくなる。
従って、低価格,コンパクト化を図るために例えば厚さ
を2〜3mm程度に薄く形成している。そのため波長シ
フトはLDの結晶に対する吸収が著しく低下することと
なる。
【0045】図7は上述の接合部の温度上昇による波長
シフトを見込んでLDの制御を行うためのブロック構成
図である。ここで図1とはLDの温度を制御するための
ペルチェ素子21及びこの素子21の温度を制御する温
度コントローラ22を設けた点のみが異なっている。そ
して、ここではLDが電圧印加により発振したときにレ
ーザ媒体(Nd:YAG)の吸収波長(808nm)に
なるようにLDの温度を低めに設定しておく。
【0046】図8は図7の構成によりLD1を励起する
ためのタイミングチャートを示す図である。図8(a)
に示すようにレーザ光14aの出力パルスに関連したパ
ルス信号がPG18から出力する。そのパルス信号はド
ライバ19の直流信号に重畳されて図8(b)に示すよ
うな出力信号となる。
【0047】即ち、LDドライバ19の出力電流は一瞬
F地点まで上昇し、その後Gで示すように指数関数的に
低下して所定の電流値Hで安定する。パルスが消滅した
後はドライバの直流出力に対応した出力電流Jとなる。
その結果、図8(c)に示すようにLDの温度は一瞬上
昇し、ピークKから僅かに下降した状態でパルス幅に相
当する間Mに一定に維持されパルスが消滅した時点でも
との温度Nに下降する。
【0048】図8(d)はこのように制御されたLDの
周波数出力を示すもので、LDの温度を低く設定してい
るt1の間は周波数が高く、電流注入によりLDの接合
部の温度が高くなったら周波数が低くなる。そして本発
明ではパルス出力が重畳されて温度が高くなったときに
808nmに相当周波数が出るように設定しておくこと
により効率のよい吸収が可能な半導体励起固体レーザを
実現することができる。
【0049】次に、本発明では半導体レーザに印加する
励起パルス間隔を1ms以下としている。例えば、本発
明では固体レーザとしてNd:YAGレーザを使用する
が、このレーザで励起された光子の寿命は250μs程
度である。
【0050】従って、あるパワーの励起光をNd:YA
Gレーザに印加して250μs経過して発振しなければ
励起光のパワー不足と考えることができる。逆に発振す
るのに充分なパワーを印加すれば必ず発光する。
【0051】一方、LDに印加する電流を1ms以下の
パルス間隔とすれば、LD光は電流の波形に同期して1
ms以下の間隔で出力する。このように電流パルスに同
期したLD光で励起することにより時間のばらつき(ジ
ッタ)の小さい固体レーザ光を得ることができる。Qス
イッチを利用したランプ励起の固体レーザでは、1ms
以下のパルス間隔でジッタの小さいレーザを得ることは
困難である。
【0052】なお、過飽和吸収体を用いた受動的なQス
イッチを利用した場合はパルス間隔を非常に小さくする
ことができる。しかし、一度の励起で多数のパルス光が
固体レーザから出力されたり、多数のパルス光でない場
合もジッタが大きかったり、品質の悪いパルス光が出力
する。
【0053】図9(a)は受動的なQスイッチを利用し
たパルス波形の例である。多数のパルスが発生するのに
充分な励起光を固体レーザに印加すると1ms以下の間
隔で多数のパルスが発生している。しかし、a,b,c
それぞれのパルス間隔のばらつきは大きい。
【0054】一方、図9(b)は励起光の1パルス毎に
固体レーザの1パルスが出力するように励起光のパルス
と同期して出力されるので、パルス間隔のばらつきを小
さくでき、かつ1ms以下の間隔でパルスを発生するこ
とが可能となる。
【0055】図7に戻り、この図で示すドライバ19の
パルス出力回路は電流波形関数が進み遅れ要素で構成さ
れている。この進み遅れ要素は一般にゲインを1とする
と伝達関数は G(s)=(1+TaS)/(1+TbS) で表わされ、微分遅れ要素Taと積分遅れ要素Tbの関
係は図10で示すようなものとなる。
【0056】そして本発明ではTa<Tbのときの出力
(イ)を用い、更にこのようなパルス波形をLDに入力
したときにLDの温度が上昇し出力波長が808nmと
なるようにペルチェ素子の温度を予め低く設定しておく
とともにTa,Tbを変化させ、最も短時間で出力波長
が808nmに整定するように電流波形を調節する。
【0057】図11はLDの等価回路を示すもので、前
述の温度上昇のメカニズムの説明図である。図示のよう
にLDは容量が理想ダイオードに並列に接続されたもの
となっている。このような回路に図10に示す(イ)の
微分要素の強い立ち上がりのパルス電流を印加する。
【0058】その結果、並列に接続された容量が急激に
チャージされ短時間で理想ダイオードを駆動することが
できる。そして、抵抗に電流が流れ、ジュール熱が発生
し温度の上昇に伴いLDの出力波長が長くなって目標の
波長に整定する。
【0059】次に請求項14について説明する。パルス
間隔が大きいとLDの平均パワーは小さくなる。その結
果、LDの平均温度も低下する。逆にパルス間隔が小さ
いとLDの温度は上昇する。この温度の低下と上昇を利
用して温度によって変化するLDの出力波長を調整する
ことができる。
【0060】平均的な温度が低いということは図8
(c)のLDの温度のオフセット分Nが小さいことであ
り、平均温度が高いということはオフセット分Nが大き
いということである。ここでは温度のオフセット分を調
整し、パルスが重畳してLDのレーザ光が出力するとき
にちょうど良い波長になるように制御する。
【0061】図12はパルス幅(LDドライバの出力電
流)とLDの温度との関係を示すもので、パルス幅を短
くすることによりLDの温度上昇が途中で下降可能とな
る様子を示している。
【0062】図12(a)はパルス幅を1〜4に変化さ
せる状態、、(b)は(a)の状態に応じて途中で温度
が下降している状態である。本発明ではこのようにパル
ス幅を変化させてLDの温度を調整し目的の波長を出力
するようにしている。
【0063】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば次のような効果がある。請求項1〜請求
項5の発明によれば、ジッタの小さい半導体励起固体と
レーザを実現することができる。
【0064】また、請求項6〜10の発明によれば、光
学系の構成を簡単にできる。
【0065】また、請求項11〜14の発明によれば、
効率のよい吸収が可能な半導体励起固体レーザを実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザの一
実施例を示すブロック構成図である。
【図2】図1の動作を説明するタイムチャートである。
【図3】直流成分を過飽和吸収体の閾値の20と80%
にした場合の固体レーザからの出力の状態を示す模式図
である。
【図4】他の実施例を示す構成断面図である。
【図5】半導体レーザ(LD)の一般的構成を示す斜視
図である。
【図6】固体レーザの波長と吸収量の関係を示す説明図
である。
【図7】他の実施例を示す構成断面図である。
【図8】半導体レーザに注入する電流とパルスを印加し
たときの半導体レーザの温度上昇及び出力周波数との関
係を示すタイムチャートである。
【図9】LDに印加するパルス電流の間隔と固体レーザ
の出力の関係を示す模式説明図である。
【図10】微分遅れ要素と積分遅れ要素の関係を示す図
である。
【図11】LDの等価回路を示す図である。
【図12】LDに印加するパルス幅の変化との温度変化
の状態を示す図である。
【図13】従来の半導体励起固体レーザの構成図であ
る。
【図14】本発明で使用する固体レーザの一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ(LD) 1a 励起光 2 集光手段 3 光ファイバ 4,14 固体レーザ 6 レーザ媒体(Nd:YAG) 7a,7b コーティング膜 9 過飽和吸収体(Cr4+:YAG) 15 分光器 16 光電変換器(PD) 17 コントローラ 18 パルス発生器(PG) 19 ドライバ 20 光拡散部材(カライドスコープ) 21 ペルチェ素子 22 温度コントローラ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励起用の半導体レーザと、 この半導体レーザの出力光により励起されてレーザ光を
    発振させて出射する固体レーザとを備えた半導体レーザ
    励起固体レーザにおいて、 前記半導体レーザの出力波形を直流成分とパルス波の混
    合波形とし、前記固体レーザの出力光を前記パルス波に
    同期させたことを特徴とする半導体レーザ励起固体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】前記半導体レーザの直流成分を前記固体レ
    ーザが発振する閾値の99〜70%の間に設定したこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体レーザ励起固体レー
    ザ。
  3. 【請求項3】半導体レーザ励起固体レーザの周囲温度を
    検出する温度検出手段と固体レーザ光の出力パルス間隔
    を検出するパルス間隔検出手段を備え、これらの検出結
    果に基づいて前記直流成分を制御したことを特徴とする
    請求項1記載の半導体レーザ励起固体レーザ。
  4. 【請求項4】直流成分に重畳されるパルス成分の積算励
    起エネルギー量が固体レーザの1つのパルスを発生させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の半導体レ
    ーザ励起固体レーザ。
  5. 【請求項5】直流成分に重畳されるパルス成分の大きさ
    を、固体レーザからの出力パルス光のパルス間隔に基づ
    いて制御したことを特徴とする請求項1記載の半導体レ
    ーザ励起固体レーザ。
  6. 【請求項6】前記半導体レーザからの出力を光拡散部材
    (カライドスコープ)を介して前記固体レーザに入力し
    たことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ励起固
    体レーザ。
  7. 【請求項7】光拡散部材の一端を固体レーザに接触させ
    たことを特徴とする請求項6記載の半導体レーザ励起固
    体レーザ。
  8. 【請求項8】光拡散部材の一端を固体レーザの非コーテ
    ィング面に接触させたことを特徴とする請求項6記載の
    半導体レーザ励起固体レーザ。
  9. 【請求項9】光拡散部材として金属パイプを用いたこと
    を特徴とする請求項6記載の半導体レーザ励起固体レー
    ザ。
  10. 【請求項10】光拡散部材として固体レーザ媒体と同一
    媒体を用いたことを特徴とする請求項6記載の半導体レ
    ーザ励起固体レーザ。
  11. 【請求項11】前記半導体レーザは発振波長を目標値よ
    り低くなるように、このレーザの設定値温度を低く設定
    しておくことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ
    励起固体レーザ。
  12. 【請求項12】半導体レーザに印加する励起パルス間隔
    を1ms以下としたことを特徴とする請求項11記載の
    半導体レーザ励起固体レーザ。
  13. 【請求項13】半導体レーザに印加するパルスレーザ電
    流波形関数が進み遅れ要素で構成されたことを特徴とす
    る請求項11記載の半導体レーザ励起固体レーザ。
  14. 【請求項14】半導体レーザに印加する電圧波形の形状
    を、パルス間隔、パルス幅で対応して変更することを特
    徴とする請求項11記載の半導体レーザ励起固体レー
    ザ。
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