JP2001185709A - イメージセンサ及びこのイメージセンサを用いたイメージセンサユニット - Google Patents

イメージセンサ及びこのイメージセンサを用いたイメージセンサユニット

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JP2001185709A
JP2001185709A JP36719699A JP36719699A JP2001185709A JP 2001185709 A JP2001185709 A JP 2001185709A JP 36719699 A JP36719699 A JP 36719699A JP 36719699 A JP36719699 A JP 36719699A JP 2001185709 A JP2001185709 A JP 2001185709A
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Takahiro Omori
▲たか▼広 大森
Takahiko Murata
隆彦 村田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿画像からの光信号を精度良く電気信号に
変換することができるイメージセンサ及びこのイメージ
センサを用いたイメージセンサユニットを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 イメージセンサを、シリコン基体12の
一表面に光の入射量に応じた電荷を発生する複数の光電
変換部と、光電変換部からの電気信号を読み出す電子回
路とが形成され、光電変換部および電子回路の表面を覆
うように少なくとも略透明の酸化シリコン膜8と略透明
の窒化シリコン膜9が積層された構造の保護被膜11が
形成されており、少なくとも窒化シリコン膜9が全ての
光電変換部の上で一定の面積だけ除去されて形成される
センサ用窓10をもつ構成とし、保護被膜11の厚み分
布に起因する光電変換部の感度ばらつきの発生を抑える
ことができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を電気信号に変
換するイメージセンサ及びこのイメージセンサを用いた
イメージセンサユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ファクシミリやフラットベット
スキャナ等に使用される文字画像読み取り用のイメージ
センサユニットには、密着型イメージセンサユニットが
数多く使用されている。密着型イメージセンサユニット
に用いられるイメージセンサとしては、特開平6−26
0625号公報にも記載されているように、半導体集積
回路技術を応用して作製されるフォトトランジスタを用
いたバイポーラ型や、フォトダイオードを用いたMOS
型のチップが利用されている。
【0003】従来のイメージセンサの一例として、フォ
トダイオードを用いたMOS型のチップの構造を図を用
いて説明する。
【0004】図8は、従来のイメージセンサの斜視図、
図9は、同イメージセンサの要部正面図、図10は、同
イメージセンサの要部断面図である。
【0005】図中の101は光電変換部であるフォトダ
イオード、102は電圧電流変換回路部、103はシフ
トレジスタ回路部、104は増幅回路部、105は配
線、106はパッド、107は結線用窓、108は酸化
シリコン膜、109は窒化シリコン膜、110は保護被
膜、111はシリコン基体、112はイメージセンサで
ある。
【0006】一つの前記イメージセンサ112の中には
複数のフォトダイオード101が配列されており、各々
のフォトダイオードについて電圧電流変換回路部102
およびシフトレジスタ回路部103が一対一に対応して
配列されている。また、これらフォトダイオード10
1、電圧電流変換回路部102、シフトレジスタ回路部
103および増幅回路部104は、C−MOS形成プロ
セス技術を用いてシリコン基体111の表面に形成さ
れ、回路全体を覆うように絶縁保護用の酸化シリコン膜
108が被服されている。酸化シリコン膜108の上に
は、各回路を結ぶ配線105および外部との入出力を行
うためのパッド106が形成され、さらにその上に保護
膜として窒化シリコン膜109が形成されている。
【0007】なお、窒化シリコン膜109は絶縁性であ
るため、パッド106の上部のみ窒化シリコン膜が取り
除かれた結線用窓107が形成されており、外部の入出
力端子との電気的接続を行えるようになっている。前記
の従来の技術では、保護被膜110は、酸化シリコン膜
108に窒化シリコン膜109が積層されて構成されて
いる。
【0008】次に、イメージセンサ112の動作につい
て説明する。保護被膜110である略透明の窒化シリコ
ン膜109および酸化シリコン膜108を透過してフォ
トダイオード101に入射した光は光電変換され、フォ
トダイオード101内に電荷を生じさせる。発生した電
荷は、電圧電流変換回路部102で電圧変化として取り
出され、電流変化に交換されて電気信号化される。シフ
トレジスタ回路部103ではフォトダイオード101を
一個ずつ選択してゆき、選択されたフォトダイオード1
01からの電気信号が順次増幅回路部104で増幅され
て、パッド106のうち外部出力用に用意されたものか
ら順次外部へ出力されていく。
【0009】この従来のイメージセンサ112を用いた
密着型イメージセンサユニットでは、イメージセンサ1
12を多数個並べ、被読み取り物である原稿に照射した
光の反射光を結像光学系でイメージセンサ112のフォ
トダイオード101上に結像し、原稿画像を電気信号に
変換して読み取っている。原稿画像を正確に読み取るた
めには原稿の濃淡を精度良く電気信号に変換することが
必要であり、そのためにイメージセンサ112において
は、フォトダイオード101での入射光量に対する電気
信号変化量の比で表される感度が個々のフォトダイオー
ド101で均一であることが求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のイメージセンサにおいては、フォトダイオードに入
射する光は保護被膜である窒化シリコン膜および酸化シ
リコン膜を透過するため、これら保護被膜の光学的特性
の影響を受けてしまう。保護被膜は、フォトダイオード
での読み取りに必要な透過光量を確保すること、および
厚く均一に成膜するためには、高価な装置および長い成
膜時間を要して量産には適さないこと等の理由から、通
常1000nm前後の厚みの薄膜として形成されてい
る。また、比屈折率は、空気で1.0であるのに対し、
酸化シリコン膜で1.5前後、窒化シリコン膜で2.0
前後であるため、保護被膜の各層の界面で屈折率差が生
じている。以上のことから、保護被膜においては可視光
域で干渉作用が発生し、波長に対する透過率で定義され
る透過特性は一定ではなく大きく波打ってしまう。この
干渉作用は保護被膜の膜厚に依存し、膜厚が変化すると
透過特性は相似形のまま波長方向に移動する。
【0011】この従来の技術では、窒化シリコン膜厚と
酸化シリコン膜厚が共に1000nmを規定値として形
成され、膜厚が部分的に異なる厚み分布は両者共厚みの
4%の範囲内で発生していた。
【0012】図11は同イメージセンサにおける保護被
膜の厚みによる透過特性変化を示すグラフである。
【0013】密着イメージセンサユニットで使用される
原稿照射用の光源は、通常発光ダイオードや蛍光灯等の
発光波長域が狭い光源が使用されている。モノクロの密
着イメージセンサユニットで、最も一般的な光源である
緑色発光ダイオードの発光中心波長は560nmであ
り、この波長での透過率を図11中で比較すると、保護
被膜の厚みに4%の差が生じたことで、その透過率に略
24%の差が生じている。
【0014】保護被膜で部分的に透過率の差があると同
一光量の光が入射してもフォトダイオードに届く光量は
異なり、フォトダイオード自体の感度が均一でも、イメ
ージセンサ全体で見た場合のフォトダイオードの感度が
異なってくる。したがって、従来の光電変換装置では、
保護被膜の厚み分布により透過特性がばらつき、フォト
ダイオードの感度が部分的に異なるという課題を有して
いた。
【0015】本発明は、上記の従来の課題を解決するも
のであり、保護被膜の厚み分布に起因する光電変換部の
感度ばらつきの発生を抑えることができ、原稿画像から
の光信号を精度良く電気信号に変換することができるイ
メージセンサ及びこのイメージセンサを用いたイメージ
センサユニットを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のイメージセンサは、シリコン基体の一表面
に光の入射量に応じた電荷を発生する複数の光電変換部
と、光電変換部からの電気信号を読み出す電子回路とが
形成され、光電変換部および電子回路の表面を覆うよう
に少なくとも略透明の酸化シリコン薄膜と略透明の窒化
シリコン薄膜が積層された構造の保護被膜が形成されて
おり、少なくとも窒化シリコン膜が全ての光電変換部の
上で一定の面積だけ除去されている構成とする。
【0017】また、イメージセンサユニットを、上記の
いずれかのイメージセンサを複数個配列したイメージセ
ンサ列と、読み取り対象物に光を照射する光源と、読み
取り対象物からの反射光をイメージセンサ列の光電変換
部上に結像させる光学レンズと、イメージセンサ列と光
源と光学レンズを支持するシャーシとを備えた構成とす
る。
【0018】本発明によれば、保護被膜の厚み分布に起
因する光電変換部の感度ばらつきの発生を抑えることが
でき、原稿画像からの光信号を精度良く電気信号に変換
することができるイメージセンサを得ることができる。
ここで、光電変換部の上の窒化シリコン膜が除去された
面積が光電変換部の受光面積の40%から80%の範囲
内にあれば、保護被膜の厚み分布に起因する光電変換部
の感度ばらつきの発生を最も効果的に抑えることができ
る。
【0019】また、本発明によれば、原稿画像の読み取
り精度の高いイメージセンサユニットを得ることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、シリコン基体の一表面に光の入射量に応じた電荷を
発生する複数の光電変換部と、光電変換部からの電気信
号を読み出す電子回路とが形成され、光電変換部および
電子回路の表面を覆うように少なくとも略透明の酸化シ
リコン薄膜と略透明の窒化シリコン薄膜が積層された構
造の保護被膜が形成されており、少なくとも窒化シリコ
ン膜が全ての光電変換部の上で一定の面積だけ除去され
ているイメージセンサであり、光電変換部上に窒化シリ
コン膜のない領域を一部設けることで、保護被膜の透過
率に対し窒化シリコン膜の厚み分布による影響のある部
分とない部分を発生させ、両者の合成により光電変換部
上の保護被膜の透過率変化を減少させることができると
いう作用を有する。
【0021】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載のイメージセンサにおいて、光電変換部の上の
窒化シリコン膜が除去された面積が光電変換部の受光面
積の40%から80%の範囲内に制限されたものであ
り、窒化シリコン膜のある部分の保護被膜の透過率変化
量と窒化シリコン膜のない部分の保護被膜の透過率変化
量が、両者を合成するときに略相殺されるため、保護被
膜全体の透過率変化を最も効果的に抑制できるという作
用を有する。
【0022】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載のいずれかのイメージセンサを
複数個配列したイメージセンサ列と、読み取り対象物に
光を照射する光源と、読み取り対象物からの反射光をイ
メージセンサ列の光電変換部上に結像させる光学レンズ
と、イメージセンサ列と光源と光学レンズを支持するシ
ャーシとを備えたイメージセンサユニットであり、イメ
ージセンサの保護被膜の透過率変化が小さいため、光源
により照射された原稿面からの反射光強度をイメージセ
ンサ列で精度良く電気信号に変換できるという作用を有
する。
【0023】次に、本発明の本実施の形態について図1
〜6を用いて説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1のイメージセンサの斜視図、図2は、同イメージ
センサの要部正面図、図3は、同イメージセンサの要部
断面図である。
【0025】図中の1は光電変換部であるフォトダイオ
ード、2は電圧電流変換回路部、3はシフトレジスタ回
路部、4は増幅回路部、5は配線、6はパッド、7は結
線用窓、8は酸化シリコン膜、9は窒化シリコン膜、1
0はセンサ用窓、11は保護被膜、12はシリコン基
体、13はイメージセンサを示す。
【0026】本実施の形態1においては、フォトダイオ
ード1はn型のシリコン基体12にホウ素等のアクセプ
タイオンを高濃度に注入し、シリコン基体12の表面に
PN接合を作り出して形成している。また、フォトダイ
オード1の周囲にはリング状の接地領域を設け、ノイズ
となる周辺からのフォトダイオード1への電荷の流入を
極力防止している。電圧電流変換回路部2、シフトレジ
スタ回路部3、増幅回路部4は、シリコン基体12表面
にホウ素等のアクセプタイオンやリン等のドナーイオン
を低濃度に注入したPウェルおよびNウェル領域を作製
し、この中にMOSトランジスタで回路を構成するいわ
ゆるCMOSプロセスを用いて形成している。なお、本
実施の形態ではn型のシリコン基体を用いているが、p
型のシリコン基体を用いてもよく、その場合回路の極性
を全て逆にすればよい。
【0027】上記回路の表面は、回路の絶縁および保護
のため、上記回路に近い側から酸化シリコン膜8、窒化
シリコン膜9の順に積層された保護被膜11で被服して
いる。
【0028】保護被膜11における下層の酸化シリコン
膜8は化学蒸着法、上層の窒化シリコン膜9はプラズマ
化学蒸着法を用いて各々形成しており、両者とも略10
00nmの厚みの略透明な膜である。酸化シリコン膜8
と窒化シリコン膜9の間にはアルミの配線5を設け、必
要な箇所では酸化シリコン膜8に穴を開けて配線5と下
部のフォトダイオード1、電圧電流変換回路部2、シフ
トレジスタ回路部3、および増幅回路部4と電気的に接
続している。また、イメージセンサ13と外部回路との
電気的接続を図るため、配線5の数ヶ所にパッド6を設
け、パッド6の上部では窒化シリコン膜9に結線用窓7
を開けている。このアルミの配線5はスパッタ法により
形成したが、真空蒸着法等で形成してもよい。
【0029】このように構成された本実施の形態1にお
けるイメージセンサ13の動作は、従来のイメージセン
サと同様であり、保護被膜11を透過してフォトダイオ
ード1に入射した光が電気信号化され、シフトレジスタ
回路部3で選択されたフォトレジスタからの電気信号が
順次外部出力用のパッド6を通じて出力される。ただ
し、本実施の形態1においては、全てのフォトダイオー
ド1上の窒化シリコン膜9を一定面積だけ除去し、窒化
シリコン膜9にセンサ用窓10を設けている。このセン
サ用窓10により、保護被膜11の厚み分布による透過
率のばらつきの影響を抑えることができ、フォトダイオ
ード1の感度ばらつきを抑えることができる構造となっ
ている。
【0030】この効果について、図4を用いて詳しく説
明する。図4は、同イメージセンサの要部正面図であ
る。
【0031】フォトダイオード1は略長方形の形状とな
っており、この長方形の内部が光に対する感度を持つ受
光面となっている。図4中斜線で示すA部がフォトダイ
オード1の受光面中センサ用窓10の範囲内にある領
域、つまり保護被膜11が酸化シリコン膜8のみとなっ
ている領域であり、この部分の面積をSA、保護被膜1
1の透過率をTAとする。また、B部がフォトダイオー
ド1の受光面中センサ用窓10の外側にある領域、つま
り保護被膜11が酸化シリコン膜8と窒化シリコン膜9
の積層構造となっている領域であり、この部分の面積を
SB、保護被膜11の透過率をTBとする。
【0032】フォトダイオード1は、受光面中では単位
面積あたりの感度が均一であるため、受光面における保
護被膜11の合成透過率TCは、次の式で表される。
【0033】TC=TA×SA/(SA+SB)+TB
×SB/(SA+SB) 当初、この合成透過率TCのばらつきが最も小さくなる
のは、酸化シリコン膜8および窒化シリコン膜9が各々
独立に厚み分布を有することを考慮して、窒化シリコン
膜9が完全に無い場合、つまりセンサ用窓10がフォト
ダイオード1の受光面を全て覆いSBが0となる場合と
予想された。しかしながら実際には、B部が若干存在す
ると、A部とB部で透過特性波形が干渉し合い、B部が
全くない場合に比べ合成透過率TCのばらつきがより小
さくなることが判明した。
【0034】図5は本発明の実施の形態1のイメージセ
ンサにおけるセンサ用窓の大きさによる保護被膜の透過
率ばらつきの変化を示すグラフ、保護被膜11を構成す
る窒化シリコン膜9および酸化シリコン膜8が各々平均
1000nmの厚みで形成され、各膜厚の10%にあた
る厚さ100nmの範囲で分布を持った場合の、センサ
用窓10のフォトダイオード受光面に占める面積比率に
対する保護被膜11の合成透過率TCのばらつきを調べ
た結果である。
【0035】図5のグラフの縦軸となる合成透過率TC
のばらつきは、波長560nmにおける最大透過率と最
小透過率の差の絶対値であるΔTCで表示している。図
5より、センサ用窓10を設けない従来のイメージセン
サにおける保護被膜では、その透過率のばらつきが36
%あった。これに対し、センサ用窓10を設けることで
透過率のばらつきは低減され、その効果はセンサ用窓1
0のフォトダイオード受光面に占める面積比率が60%
付近で最大となる。この場合、合成透過率のばらつきは
16%となり、従来の保護被膜と比べ透過率のばらつき
が半分以下に抑えられている。なお、透過率のばらつき
に最大の効果を発揮するセンサ用窓10の面積比率は保
護被膜の各層の厚みで変化する。保護被膜11の各層の
厚みを実用的な300nmから1500nmの間に設定
し、この範囲内の膜厚の組み合わせて調査を行った結
果、保護被膜11の透過率のばらつきに最大の効果を発
揮するセンサ用窓10の面積比率は、ほぼ40%から8
0%の範囲内にあることが判明した。
【0036】本実施の形態1のイメージセンサにおいて
は、フォトダイオード1を長さ80μm,幅30μmの
大きさで作製し、センサ用窓10のフォトダイオード受
光面に占める面積比率が60%になるよう形成した。こ
れを同様に構成された従来のイメージセンサと比較した
結果、保護被膜11が厚み4%分の厚み分布を持って
も、フォトダイオード1上の保護被膜11の透過率ばら
つきは24%から11%に大きく低減し、イメージセン
サ全体で見たフォトダイオード1の感度ばらつきも略半
減した。
【0037】また、本実施の形態1においては、センサ
用窓10を開けた部分の保護被膜11が酸化シリコン膜
8のみとなるため、回路保護性能の低下、特に耐湿性の
低下が懸念された。しかし、温度85℃,湿度90%の
環境下で1000時間放置した高温高湿試験の結果は、
従来のイメージセンサによる結果と差異がなく、信頼性
の劣化はないことが分かった。
【0038】さらに本実施の形態1においては、窒化シ
リコン膜9を除去しセンサ用窓10を形成する工程を、
従来のイメージセンサでも行っていたパッド上に結線用
窓を形成する工程と同時に行うため、工数を増加させる
ことなく容易にセンサ用窓10を形成することができ
る。
【0039】このように、本実施の形態1においては、
フォトダイオード1上の窒化シリコン膜9を一定面積だ
け除去してセンサ用窓10を設けることで、厚み分布に
よる保護被膜11の透過率ばらつきを抑えることがで
き、フォトダイオード1の感度ばらつきの小さいイメー
ジセンサを得ることができる。また、保護被膜11の透
過率ばらつきの抑制効果は、センサ用窓10がフォトダ
イオード1の有度領域を覆う面積が全体の40%から8
0%の範囲にあるとき最大となる。
【0040】以上は波長560nmの光を想定しての結
果であるが、保護被膜11の透過特性は干渉作用により
生じるため、保護被膜11の膜厚による変化は、先の図
11で示したように透過特性波形が波長方向に平行移動
するような形で変化する。したがって、異なる波長で見
ても透過率は膜厚に対し振動するように変化し、変化の
様子は同じようになる。このことから、イメージセンサ
に入射する光が青や赤の波長域にある光でも、上記と全
く同じ原理が成り立ち、保護被膜11の透過率ばらつき
の抑制について同様の効果が得られる。
【0041】(実施の形態2)実施の形態2として、前
記実施の形態1のイメージセンサを用いた密着型イメー
ジセンサユニットの例を図6および図7により説明す
る。図6は、本発明の実施の形態2のイメージセンサユ
ニットの斜視図、図7は、同イメージセンサユニットの
要部断面図である。
【0042】図中14はイメージセンサ列、15は回路
基板、16はワイヤ、17は光学レンズ、18はカバー
ガラス、19は光源、20はシャーシ、21はイメージ
センサユニットである。
【0043】前記イメージセンサ列14は、実施の形態
1のイメージセンサを複数個一列に並べたものであり、
各素子はパッドに接着された導電性金属のワイヤ16を
通じて回路基板15と電気的に接続されている。光源1
9は緑色発光ダイオードを数個並べたものであり、中心
波長560nmで発光する。カバーガラス18は略透明
なガラスであり、原稿読み取り時には原稿面に密着され
る。光学レンズ17は正立等倍レンズであり、一方の焦
点が原稿面となるカバーガラス上面に、もう一方の焦点
がイメージセンサ列中のフォトダイオード上になるよう
設置されている。
【0044】光学レンズ17としては分布屈折率型レン
ズを用いたが、マイクロレンズアレイでもよい。これら
各部品シャーシ20内に固定され、各々の位置関係が保
持されている。
【0045】このように構成されたイメージセンサユニ
ット21の動作について説明する。
【0046】光源19が発した光はカバーガラス18を
通じ原稿面を照射する。原稿面で反射された光は光学レ
ンズ17に入射し、イメージセンサ列14のフォトダイ
オード上に結像される。フォトダイオードに入射した光
は、その光量に応じた電気信号に変換され、ワイヤ16
を通じて回路基板15へ出力される。以上の動作を、イ
メージセンサユニット21をイメージセンサ列と垂直な
方向に走査しつつ繰り返し行い、原稿画像の読み取りを
行う。
【0047】ここで、イメージセンサ列14には実施の
形態1のイメージセンサが使用されているため、原稿面
からの反射光強度をより正確にフォトダイオードに伝え
ることができ、原稿画像の読み取り精度の高い密着型イ
メージセンサユニットを得ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によるイメージセンサは、シリコン基体の一表面に光の
入射量に応じた電荷を発生する複数の光電変換部と光電
変換部からの電気信号を読み出す電子回路とが形成さ
れ、光電変換部および電子回路の表面を覆うように少な
くとも略透明の酸化シリコン薄膜と略透明の窒化シリコ
ン薄膜が積層された構造の保護被膜が形成されており、
少なくとも窒化シリコン膜が全ての光電変換部の上で一
定の面積だけ除去されている構成としたため、保護被膜
の厚み分布に起因する光電変換部の感度ばらつきの発生
を抑えることができ、原稿画像からの光信号を精度良く
電気信号に変換することができるという効果を有する。
【0049】また、本発明による本イメージセンサは、
前記のイメージセンサにおいて、光電変換部の上の窒化
シリコン膜が除去された面積が光電変換部の受光面積の
40%から80%の範囲内にあるとしたため、保護被膜
の厚み分布に起因する光電変換部の感度ばらつきの発生
を最も効果的に抑えることができるという効果を有す
る。
【0050】また、本発明によるイメージセンサユニッ
トは、上記のいずれかのイメージセンサを複数個配列し
たイメージセンサ列と、読み取り対象物に光を照射する
光源と、読み取り対象物からの反射光をイメージセンサ
列の光電変換部上に結像させる光学レンズと、イメージ
センサ列と光源と光学レンズを支持するシャーシとを備
えた構成としたため、保護被膜の厚み分布に起因する光
電変換部の感度ばらつきの小さいイメージセンサを用い
ることで原稿画像の読み取り精度の高いイメージセンサ
ユニットを得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のイメージセンサの斜視
【図2】同イメージセンサの要部正面図
【図3】同イメージセンサの要部断面図
【図4】同イメージセンサの要部正面図
【図5】同イメージセンサにおけるセンサ用窓の大きさ
による保護被膜の透過率ばらつきの変化を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態2のイメージセンサユニッ
トの斜視図
【図7】同イメージセンサユニットの要部断面図
【図8】従来のイメージセンサの斜視図
【図9】同イメージセンサの要部正面図
【図10】同イメージセンサの要部断面図
【図11】同イメージセンサにおける保護被膜の厚みに
よる透過特性変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 フォトダイオード 2 電圧電流変換回路部 3 シフトレジスタ回路部 4 増幅回路部 5 配線 6 パッド 7 結線用窓 8 酸化シリコン膜 9 窒化シリコン膜 10 センサ用窓 11 保護被膜 12 シリコン基体 13 イメージセンサ 14 イメージセンサ列 15 回路基板 16 ワイヤ 17 光学レンズ 18 カバーガラス 19 光源 20 シャーシ 21 イメージセンサユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 AA06 AB01 BA06 CA03 CA33 DA01 FA08 GA07 GD03 HA02 5C024 AA01 AA18 CA14 DA04 FA02 GA01 GA51 5C051 AA01 BA04 DA03 DB01 DB04 DB05 DB06 DB07 DC02 DC07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン基体の一表面に光の入射量に応じ
    た電荷を発生する複数の光電変換部と、前記光電変換部
    からの電気信号を読み出す電子回路とが形成され、前記
    光電変換部および前記電子回路の表面を覆うように少な
    くとも略透明の酸化シリコン薄膜と略透明の窒化シリコ
    ン薄膜が積層された構造の保護被膜が形成されており、
    少なくとも前記窒化シリコン膜が、全ての前記光電変換
    部の上で一定の面積だけ除去されていることを特徴とす
    るイメージセンサ。
  2. 【請求項2】光電変換部の上の窒化シリコン膜が除去さ
    れた面積が、光電変換部の受光面積の40%から80%
    の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のイメー
    ジセンサ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のイメージセンサ
    を複数個配列したイメージセンサ列と、読み取り対象物
    に光を照射する光源と、前記読み取り対象物からの反射
    光を前記イメージセンサ列の光電変換部上に結像させる
    光学レンズと、前記イメージセンサ列と前記光源と前記
    光学レンズを支持するシャーシとを備えたことを特徴と
    するイメージセンサユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2578353A3 (de) * 2011-10-07 2013-04-24 iie GmbH & Co. KG Montagearbeitsplatz

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