JP2001185557A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
半導体装置及びその製造方法Info
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- JP2001185557A JP2001185557A JP36417699A JP36417699A JP2001185557A JP 2001185557 A JP2001185557 A JP 2001185557A JP 36417699 A JP36417699 A JP 36417699A JP 36417699 A JP36417699 A JP 36417699A JP 2001185557 A JP2001185557 A JP 2001185557A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低耐圧の縦型MOSトランジスタの低オン抵
抗化、短チャネル効果の改善及びベース領域の形成時間
の短縮化。 【解決手段】 p+半導体基板1上に、同一導電型で同
基板1よりも順次低濃度のp−,p−−エピタキシャル
層2,3を積層し、p−−エピタキシャル層3内に両層
2,3の界面12に達するまでn型不純物を選択的に拡
散してn−ベース領域33を形成する。これにより、n
型不純物が拡散し易くなる結果、n−ベース領域33に
おける濃度プロファイルはステップ型となり短チャネル
特性が改善されると共に、同領域33の形成時間の短縮
化を図りうる。しかも、p−エピタキシャル層2の厚み
と比抵抗とが従来よりも小さくなり、オン抵抗を低減化
しうる。その後、n−ベース領域33内にp+のソース
領域を形成し、更にトレンチを形成してゲート酸化膜を
介してゲート電極をトレンチ内に充填する。
抗化、短チャネル効果の改善及びベース領域の形成時間
の短縮化。 【解決手段】 p+半導体基板1上に、同一導電型で同
基板1よりも順次低濃度のp−,p−−エピタキシャル
層2,3を積層し、p−−エピタキシャル層3内に両層
2,3の界面12に達するまでn型不純物を選択的に拡
散してn−ベース領域33を形成する。これにより、n
型不純物が拡散し易くなる結果、n−ベース領域33に
おける濃度プロファイルはステップ型となり短チャネル
特性が改善されると共に、同領域33の形成時間の短縮
化を図りうる。しかも、p−エピタキシャル層2の厚み
と比抵抗とが従来よりも小さくなり、オン抵抗を低減化
しうる。その後、n−ベース領域33内にp+のソース
領域を形成し、更にトレンチを形成してゲート酸化膜を
介してゲート電極をトレンチ内に充填する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モバイル機器(携
帯電話、デジタルカメラ)やコンピュータ周辺機器(液
晶,CRT,プリンター,DVD)等の電源部の制御素
子に用いられる低耐圧の縦型半導体装置及びその製造技
術に関するものである。
帯電話、デジタルカメラ)やコンピュータ周辺機器(液
晶,CRT,プリンター,DVD)等の電源部の制御素
子に用いられる低耐圧の縦型半導体装置及びその製造技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような利用分野に用いられてい
る、比較的大電流を扱う低耐圧、低オン抵抗のパワー素
子であるp−chトレンチMOS装置(DMOS装置)
を用いて、従来技術の説明をする。
る、比較的大電流を扱う低耐圧、低オン抵抗のパワー素
子であるp−chトレンチMOS装置(DMOS装置)
を用いて、従来技術の説明をする。
【0003】図9は従来技術のDMOS装置で用いられ
るエピタキシャルウエハを示す図であり、p+半導体基
板1の表面上にp−エピタキシャル層22が形成されて
いる。このウエハに形成された従来のDMOS装置のユ
ニットセル部の断面図を示すものが、図10である。
又、そのチップ外周部の断面図を示すものが、図11で
ある。図10において、高濃度のボロン不純物を含むp
+半導体基板1上に積層された、同一導電型で不純物の
濃度が同基板1よりも低いp−エピタキシャル層22の
表面層に、選択的にドナー型不純物(例えばリン)を注
入・拡散して同不純物を含むn−ベース領域33Pを形
成する。そのn−ベース領域33Pの表面層の一部にp
+ソース領域4を形成する。また、p+ソース領域4の
表面よりn−ベース領域33Pを貫通してp−エピタキ
シャル層22にまで達するトレンチを形成し、その内部
にゲート酸化膜5を介してゲート電極6を充填する。こ
のゲート電極6の上には、絶縁膜7を形成する。そし
て、n−ベース領域33Pとp+ソース領域4との表面
部には、両者33P,4に共通に接触するソース電極8
を形成し、p+半導体基板1の裏面にドレイン電極9を
形成している。
るエピタキシャルウエハを示す図であり、p+半導体基
板1の表面上にp−エピタキシャル層22が形成されて
いる。このウエハに形成された従来のDMOS装置のユ
ニットセル部の断面図を示すものが、図10である。
又、そのチップ外周部の断面図を示すものが、図11で
ある。図10において、高濃度のボロン不純物を含むp
+半導体基板1上に積層された、同一導電型で不純物の
濃度が同基板1よりも低いp−エピタキシャル層22の
表面層に、選択的にドナー型不純物(例えばリン)を注
入・拡散して同不純物を含むn−ベース領域33Pを形
成する。そのn−ベース領域33Pの表面層の一部にp
+ソース領域4を形成する。また、p+ソース領域4の
表面よりn−ベース領域33Pを貫通してp−エピタキ
シャル層22にまで達するトレンチを形成し、その内部
にゲート酸化膜5を介してゲート電極6を充填する。こ
のゲート電極6の上には、絶縁膜7を形成する。そし
て、n−ベース領域33Pとp+ソース領域4との表面
部には、両者33P,4に共通に接触するソース電極8
を形成し、p+半導体基板1の裏面にドレイン電極9を
形成している。
【0004】このp−chトレンチMOSFETにおい
て、ドレイン電極9とソース電極8との間に電圧を印加
し、ゲート電極6に負の電圧をしきい値電圧以上に加え
ると、ゲート電極6の横のn−ベース領域33Pのゲー
ト側両サイドに反転層ができ、ホールがp+ソース領域
4からそのチャネルを通りp−エピタキシャル層22に
流れ込み、その後、電界によってp+半導体基板1に達
し、ソース電極9とドレイン電極8とが導通する。ゲー
ト電極6のバイアスをとれば、チャネルが消滅してソー
ス電極9とドレイン電極8とは遮断される。
て、ドレイン電極9とソース電極8との間に電圧を印加
し、ゲート電極6に負の電圧をしきい値電圧以上に加え
ると、ゲート電極6の横のn−ベース領域33Pのゲー
ト側両サイドに反転層ができ、ホールがp+ソース領域
4からそのチャネルを通りp−エピタキシャル層22に
流れ込み、その後、電界によってp+半導体基板1に達
し、ソース電極9とドレイン電極8とが導通する。ゲー
ト電極6のバイアスをとれば、チャネルが消滅してソー
ス電極9とドレイン電極8とは遮断される。
【0005】このような縦型半導体素子(DMOS)の
構造は、半導体基板表面の利用率を高くすることがで
き、しかも電流容量を大きくできるので、パワー素子に
適している。
構造は、半導体基板表面の利用率を高くすることがで
き、しかも電流容量を大きくできるので、パワー素子に
適している。
【0006】又、図12は、平面型構造のDMOS装置
のユニットセル部の断面図であり、図12中、図10と
同一符号のものは同一のものを表わしている。尚、この
場合の外周部構造は図11に示すものと同一となる。
のユニットセル部の断面図であり、図12中、図10と
同一符号のものは同一のものを表わしている。尚、この
場合の外周部構造は図11に示すものと同一となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の制御系の電源電
圧は、10V駆動のものや4V駆動のものが圧倒的に多
かった。しかし、最近の携帯電話のリチュウムイオン電
池の充電及び放電を制御するパワーMOSFETの市場
要求として、2.5V駆動や1.5V駆動の低駆動素子
の要求がある。このように制御系の電源電圧が低くなる
と、そこで使用される駆動素子で生じる電圧降下が無視
できなくなり、より一層低いオン抵抗を有するパワーM
OSFET(DMOS装置)の実現化が求められる。更
に、携帯電話やパーソナルコンピュータ等のバッテリー
使用装置の長寿命化という観点から、低オン抵抗の駆動
素子の実現化要求や、小型・軽量化の要求等がある。更
には、製品の低コスト化要求に応えるべく、DMOS装
置の製造プロセスにおけるコスト削減化という強い要求
もある。
圧は、10V駆動のものや4V駆動のものが圧倒的に多
かった。しかし、最近の携帯電話のリチュウムイオン電
池の充電及び放電を制御するパワーMOSFETの市場
要求として、2.5V駆動や1.5V駆動の低駆動素子
の要求がある。このように制御系の電源電圧が低くなる
と、そこで使用される駆動素子で生じる電圧降下が無視
できなくなり、より一層低いオン抵抗を有するパワーM
OSFET(DMOS装置)の実現化が求められる。更
に、携帯電話やパーソナルコンピュータ等のバッテリー
使用装置の長寿命化という観点から、低オン抵抗の駆動
素子の実現化要求や、小型・軽量化の要求等がある。更
には、製品の低コスト化要求に応えるべく、DMOS装
置の製造プロセスにおけるコスト削減化という強い要求
もある。
【0008】 この様な要求を実現すべく、従来の低
耐圧DMOS装置を検討すると、例えば耐圧が30Vの
p−chトレンチMOS装置では、チャネル抵抗のオン
抵抗への寄与率は約50%を占めているが、今後は、サ
ブミクロン技術の採用に伴いチャネル領域の抵抗の上記
寄与率は増々小さくなるものと考えられる。このため、
図10や図12に示すp−エピタキシャル層22におけ
る抵抗のオン抵抗への寄与率はチャネル抵抗のオン抵抗
への寄与率と比較して相対的に大きくならざるを得なく
なり、今後の課題として、p−エピタキシャル層22の
最適化を図って同層22で生じる抵抗をより一層小さく
することが必要になると考えられる。そこで、p−エピ
タキシャル層22の比抵抗と厚みとをより小さくするこ
とが必要となる。しかし、図10や図12に示す従来技
術のDMOS装置においては、図5中に破線で模擬的に
示している濃度プロファイルからも理解される通り、n
−ベース領域33Pの形成に際してリン等のn型不純物
をp−エピタキシャル層22内に均一に拡散することは
容易でないため、n−ベース領域33Pにおける濃度分
布は深さに対して急激に減少するものとなり、n−ベー
ス領域33Pのシャロウ(Shallow)化が生じやすい。
この傾向は、p−エピタキシャル層22の比抵抗と厚み
とをより小さくする程に強くなる。このため、現状で
は、p−エピタキシャル層22の比抵抗と厚みとを比較
的高めに設定してn−ベース領域33Pの形成を容易化
することで、製品化を行っている。従って、図10や図
12に示す従来のDMOS装置の構造では、より一層の
オン抵抗の低減化を促進することが難しいのが現状であ
る。
耐圧DMOS装置を検討すると、例えば耐圧が30Vの
p−chトレンチMOS装置では、チャネル抵抗のオン
抵抗への寄与率は約50%を占めているが、今後は、サ
ブミクロン技術の採用に伴いチャネル領域の抵抗の上記
寄与率は増々小さくなるものと考えられる。このため、
図10や図12に示すp−エピタキシャル層22におけ
る抵抗のオン抵抗への寄与率はチャネル抵抗のオン抵抗
への寄与率と比較して相対的に大きくならざるを得なく
なり、今後の課題として、p−エピタキシャル層22の
最適化を図って同層22で生じる抵抗をより一層小さく
することが必要になると考えられる。そこで、p−エピ
タキシャル層22の比抵抗と厚みとをより小さくするこ
とが必要となる。しかし、図10や図12に示す従来技
術のDMOS装置においては、図5中に破線で模擬的に
示している濃度プロファイルからも理解される通り、n
−ベース領域33Pの形成に際してリン等のn型不純物
をp−エピタキシャル層22内に均一に拡散することは
容易でないため、n−ベース領域33Pにおける濃度分
布は深さに対して急激に減少するものとなり、n−ベー
ス領域33Pのシャロウ(Shallow)化が生じやすい。
この傾向は、p−エピタキシャル層22の比抵抗と厚み
とをより小さくする程に強くなる。このため、現状で
は、p−エピタキシャル層22の比抵抗と厚みとを比較
的高めに設定してn−ベース領域33Pの形成を容易化
することで、製品化を行っている。従って、図10や図
12に示す従来のDMOS装置の構造では、より一層の
オン抵抗の低減化を促進することが難しいのが現状であ
る。
【0009】 図5に破線で示したn−ベース領域内
のn型不純物の分布より明らかな通り、ソース−ドレイ
ン間電圧印加によってn−ベース領域内における空乏層
化の比率が大きくならざる得ず、このため、しきい値電
圧の波形がショートチャネル特性となる。このようなシ
ョートチャネル効果が生ずると、装置の耐圧も低下する
こととなる。従って、ショートチャネル波形が少ないD
MOS装置の実現化が、オン抵抗の低減化と併せて要求
される。
のn型不純物の分布より明らかな通り、ソース−ドレイ
ン間電圧印加によってn−ベース領域内における空乏層
化の比率が大きくならざる得ず、このため、しきい値電
圧の波形がショートチャネル特性となる。このようなシ
ョートチャネル効果が生ずると、装置の耐圧も低下する
こととなる。従って、ショートチャネル波形が少ないD
MOS装置の実現化が、オン抵抗の低減化と併せて要求
される。
【0010】 で既述した通りn型不純物がp−エ
ピタキシャル層の表面層内を拡散しにくい傾向があるた
め、n−ベース領域の形成に時間がかかりすぎるという
問題点がある。特に、オン抵抗を下げるために低比抵抗
のエピタキシャルウエハを使用するために、n−ベース
領域形成に比較的長時間を要する。
ピタキシャル層の表面層内を拡散しにくい傾向があるた
め、n−ベース領域の形成に時間がかかりすぎるという
問題点がある。特に、オン抵抗を下げるために低比抵抗
のエピタキシャルウエハを使用するために、n−ベース
領域形成に比較的長時間を要する。
【0011】この発明は、このような懸案事項を克服す
べくなされたものであり、より一層の低オン抵抗化、
ショートチャネル特性の低減化、及びベース領域形
成時間の短縮化を可能とするDMOS装置を提供するこ
とを目的とする。
べくなされたものであり、より一層の低オン抵抗化、
ショートチャネル特性の低減化、及びベース領域形
成時間の短縮化を可能とするDMOS装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に形成さ
れた、前記半導体基板よりも低濃度の前記第1導電型の
第1半導体層と、前記第1半導体層上に形成された、前
記第1半導体層よりも低濃度の前記第1導電型の第2半
導体層と、前記第2半導体層の表面より前記第1半導体
層と前記第2半導体層との界面に至るまで前記第2半導
体層内部に形成された、第2導電型の第3半導体層とを
備えたことを特徴とする。
第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に形成さ
れた、前記半導体基板よりも低濃度の前記第1導電型の
第1半導体層と、前記第1半導体層上に形成された、前
記第1半導体層よりも低濃度の前記第1導電型の第2半
導体層と、前記第2半導体層の表面より前記第1半導体
層と前記第2半導体層との界面に至るまで前記第2半導
体層内部に形成された、第2導電型の第3半導体層とを
備えたことを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1記載の半
導体装置であって、前記第3半導体層の表面より前記第
3半導体層内に形成された、前記第1半導体層よりも高
濃度の前記第1導電型の第4半導体層と、前記第3半導
体層の前記表面より前記第4半導体層と前記第3半導体
層とを貫通して前記第2半導体層内部にまで達するトレ
ンチと、前記トレンチの壁面上に形成されたゲート酸化
膜と、前記ゲート酸化膜を介して前記トレンチ内に充填
されたゲート電極層とを更に備えたことを特徴とする。
導体装置であって、前記第3半導体層の表面より前記第
3半導体層内に形成された、前記第1半導体層よりも高
濃度の前記第1導電型の第4半導体層と、前記第3半導
体層の前記表面より前記第4半導体層と前記第3半導体
層とを貫通して前記第2半導体層内部にまで達するトレ
ンチと、前記トレンチの壁面上に形成されたゲート酸化
膜と、前記ゲート酸化膜を介して前記トレンチ内に充填
されたゲート電極層とを更に備えたことを特徴とする。
【0014】請求項3に係る発明は、第1導電型の半導
体基板上に、前記半導体基板よりも低濃度の前記第1導
電型の第1半導体層を形成し、前記第1半導体層よりも
低濃度の前記第1導電型の第2半導体層を前記第1半導
体層上に形成し、前記第2半導体層の表面より前記第1
半導体層と前記第2半導体層との界面に至るまで前記第
2半導体層内に第2導電型の第3半導体層を選択的に形
成し、前記第1半導体層よりも高濃度の前記第1導電型
の第4半導体層を前記第3半導体層の表面より前記第3
半導体層内に形成することを特徴とする。
体基板上に、前記半導体基板よりも低濃度の前記第1導
電型の第1半導体層を形成し、前記第1半導体層よりも
低濃度の前記第1導電型の第2半導体層を前記第1半導
体層上に形成し、前記第2半導体層の表面より前記第1
半導体層と前記第2半導体層との界面に至るまで前記第
2半導体層内に第2導電型の第3半導体層を選択的に形
成し、前記第1半導体層よりも高濃度の前記第1導電型
の第4半導体層を前記第3半導体層の表面より前記第3
半導体層内に形成することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本実施の形態に係るエピ
タキシャルウエハの縦断面図である。本ウエハは、周知
のエピタキシャル成長法によって形成される。その構造
上の特徴点は次の点にある。即ち、p+型(第1導電型
に該当)の半導体基板1の第1表面ないしは第1主面上
に、同基板2よりも低濃度で同一導電型のp−エピタキ
シャル層(第1半導体層に該当)2が形成されており、
更に同層2の表面上に、同層2よりも低濃度で同一導電
型のp−−エピタキシャル層(第2半導体層に該当)3
が形成されている。図1のウエハの厚みは図9に示した
従来のウエハの厚みとほぼ同一であるので、本ウエハに
おけるp−エピタキシャル層2の厚みは図9のウエハの
p−エピタキシャル層22のそれよりも十分に小さい。
図1に示すウエハにおける、深さに対する表面濃度のプ
ロファイルを図2に示す。図2に示す通り、p−エピタ
キシャル層2の不純物濃度は図9のp−エピタキシャル
層22のそれよりも大きいが、p−−エピタキシャル層
3のそれはp−エピタキシャル層22のそれよりも小さ
く設定されている。この様な構造を有するエピタキシャ
ルウエハに対してウエハ上面より選択的にn型不純物の
注入・拡散を行い、トレンチを形成する等の工程を経る
ことによって形成した半導体装置、即ち縦型半導体素子
(DMOS)を以下に示す。
タキシャルウエハの縦断面図である。本ウエハは、周知
のエピタキシャル成長法によって形成される。その構造
上の特徴点は次の点にある。即ち、p+型(第1導電型
に該当)の半導体基板1の第1表面ないしは第1主面上
に、同基板2よりも低濃度で同一導電型のp−エピタキ
シャル層(第1半導体層に該当)2が形成されており、
更に同層2の表面上に、同層2よりも低濃度で同一導電
型のp−−エピタキシャル層(第2半導体層に該当)3
が形成されている。図1のウエハの厚みは図9に示した
従来のウエハの厚みとほぼ同一であるので、本ウエハに
おけるp−エピタキシャル層2の厚みは図9のウエハの
p−エピタキシャル層22のそれよりも十分に小さい。
図1に示すウエハにおける、深さに対する表面濃度のプ
ロファイルを図2に示す。図2に示す通り、p−エピタ
キシャル層2の不純物濃度は図9のp−エピタキシャル
層22のそれよりも大きいが、p−−エピタキシャル層
3のそれはp−エピタキシャル層22のそれよりも小さ
く設定されている。この様な構造を有するエピタキシャ
ルウエハに対してウエハ上面より選択的にn型不純物の
注入・拡散を行い、トレンチを形成する等の工程を経る
ことによって形成した半導体装置、即ち縦型半導体素子
(DMOS)を以下に示す。
【0016】(実施の形態1)図3は、本実施の形態に
係るDMOS装置のユニットセル部の縦断面構造を示す
図である。又、図4は、DMOS装置の外周部分の断面
構造を示す図である。尚、本装置のチップ外周部の断面
構造は左右対称であるため、便宜上、図4は片側のチッ
プ外周部断面構造のみを示している。このユニットセル
部は、ストライプ構造又はメッシュ構造のセルが多数集
積されて構成されていることが多い。
係るDMOS装置のユニットセル部の縦断面構造を示す
図である。又、図4は、DMOS装置の外周部分の断面
構造を示す図である。尚、本装置のチップ外周部の断面
構造は左右対称であるため、便宜上、図4は片側のチッ
プ外周部断面構造のみを示している。このユニットセル
部は、ストライプ構造又はメッシュ構造のセルが多数集
積されて構成されていることが多い。
【0017】両図3,4に示す通り、n型(第2導電型
に相当)のn−ベース領域(第3半導体層に該当)33
が、p−−エピタキシャル層3の表面より両エピタキシ
ャル層2,3の界面12に至るまで、p−−エピタキシ
ャル層3の内部にn型不純物の拡散によって選択的に形
成されている。換言すれば、ユニットセル部のn−ベー
ス領域33は、チップ外周部において、p−−エピタキ
シャル層3によって囲まれた状態にある。そして、n−
ベース領域33の表面より所定の深さだけ同領域33の
内部に入った位置までに、p−エピタキシャル層2より
も高濃度のp+型のソース領域(第4半導体層に該当)
4が形成されている。更に、トレンチ11が、n−ベー
ス領域33の表面よりソース領域4とn−ベース領域3
3とを貫通してp−エピタキシャル層2の内部にまで形
成されていると共に、トレンチ11は、トレンチ11の
壁面全体に渡って形成されたゲート酸化膜5を介して、
ゲート電極(層)6で充填されている。そして、ゲート
電極(層)6及びゲート酸化膜5の表面全体上並びにソ
ース領域4の表面の一部分上に絶縁膜7が形成され、絶
縁膜7の表面上、ソース領域4の表面の他部分上及びn
−ベース領域33の表面上に、ソース電極8が形成され
ている。又、p+半導体基板1の第2表面ないしは第2
主面上には、ドレイン電極9が形成され、チップ外周部
には、チャネルストッパ10及びパシベーション膜77
が形成されている。
に相当)のn−ベース領域(第3半導体層に該当)33
が、p−−エピタキシャル層3の表面より両エピタキシ
ャル層2,3の界面12に至るまで、p−−エピタキシ
ャル層3の内部にn型不純物の拡散によって選択的に形
成されている。換言すれば、ユニットセル部のn−ベー
ス領域33は、チップ外周部において、p−−エピタキ
シャル層3によって囲まれた状態にある。そして、n−
ベース領域33の表面より所定の深さだけ同領域33の
内部に入った位置までに、p−エピタキシャル層2より
も高濃度のp+型のソース領域(第4半導体層に該当)
4が形成されている。更に、トレンチ11が、n−ベー
ス領域33の表面よりソース領域4とn−ベース領域3
3とを貫通してp−エピタキシャル層2の内部にまで形
成されていると共に、トレンチ11は、トレンチ11の
壁面全体に渡って形成されたゲート酸化膜5を介して、
ゲート電極(層)6で充填されている。そして、ゲート
電極(層)6及びゲート酸化膜5の表面全体上並びにソ
ース領域4の表面の一部分上に絶縁膜7が形成され、絶
縁膜7の表面上、ソース領域4の表面の他部分上及びn
−ベース領域33の表面上に、ソース電極8が形成され
ている。又、p+半導体基板1の第2表面ないしは第2
主面上には、ドレイン電極9が形成され、チップ外周部
には、チャネルストッパ10及びパシベーション膜77
が形成されている。
【0018】次に、図3に示すユニットセル部の製造方
法について説明する。
法について説明する。
【0019】図3において、高濃度のボロン不純物を含
むp+半導体基板1の第1表面上に、同じ導電型で且つ
不純物の濃度が順次に低くなる2層のp−及びp−−エ
ピタキシャル層2,3を周知のエピタキシャル成長法に
よって積層する。次に、p−−エピタキシャル層3の表
面よりリン等のドナー型不純物を同層3内に選択的に注
入・拡散させて、同層3内に選択的にドナー型不純物を
含むn−ベース領域33を形成する。次に、n−ベース
領域33の表面層の一部に、p+ソース領域4を拡散工
程によって形成する。また、p+ソース領域4の表面よ
り、n−ベース領域33を貫通してp−エピタキシャル
層2内にまで達するトレンチ11を形成し、トレンチ1
1の内部にゲート酸化膜5を介してゲート電極6を充填
する。その後、ゲート電極6の表面上に絶縁膜7を形成
する。そして、n−ベース領域33の表面上と絶縁膜7
で覆われていないp+ソース領域4の表面上に、両領域
33,4に共通に接触するソース電極8を形成し、p+
半導体基板1の第2表面(裏面)上にドレイン電極9を
形成する。
むp+半導体基板1の第1表面上に、同じ導電型で且つ
不純物の濃度が順次に低くなる2層のp−及びp−−エ
ピタキシャル層2,3を周知のエピタキシャル成長法に
よって積層する。次に、p−−エピタキシャル層3の表
面よりリン等のドナー型不純物を同層3内に選択的に注
入・拡散させて、同層3内に選択的にドナー型不純物を
含むn−ベース領域33を形成する。次に、n−ベース
領域33の表面層の一部に、p+ソース領域4を拡散工
程によって形成する。また、p+ソース領域4の表面よ
り、n−ベース領域33を貫通してp−エピタキシャル
層2内にまで達するトレンチ11を形成し、トレンチ1
1の内部にゲート酸化膜5を介してゲート電極6を充填
する。その後、ゲート電極6の表面上に絶縁膜7を形成
する。そして、n−ベース領域33の表面上と絶縁膜7
で覆われていないp+ソース領域4の表面上に、両領域
33,4に共通に接触するソース電極8を形成し、p+
半導体基板1の第2表面(裏面)上にドレイン電極9を
形成する。
【0020】このp−chトレンチMOSFETにおい
て、ドレイン電極9とソース電極8との間に電圧を印加
し、ゲート電極6に負の電圧をしきい値電圧以上に加え
ると、n−ベース領域33のゲート側両サイドに反転層
ができ、ホールがp+ソース領域4からそのチャネルを
通りp−エピタキシャル層2に流れ込む。その後、ホー
ルは、電界によってp+半導体基板1に達し、ソース電
極8とドレイン電極9とが導通する。ゲート電極6のバ
イアスをとれば、チャネルが消滅してソース電極8とド
レイン電極9とは遮断される。
て、ドレイン電極9とソース電極8との間に電圧を印加
し、ゲート電極6に負の電圧をしきい値電圧以上に加え
ると、n−ベース領域33のゲート側両サイドに反転層
ができ、ホールがp+ソース領域4からそのチャネルを
通りp−エピタキシャル層2に流れ込む。その後、ホー
ルは、電界によってp+半導体基板1に達し、ソース電
極8とドレイン電極9とが導通する。ゲート電極6のバ
イアスをとれば、チャネルが消滅してソース電極8とド
レイン電極9とは遮断される。
【0021】図3に示す様に、半導体基板の両表面に電
極を配し、半導体基板の厚さ方向に電流が流れる構造の
半導体素子を縦型半導体素子(DMOS)と呼ぶ。この
ような構造は半導体基板表面の利用率を高くすることが
でき、しかも電流容量を大きくできるので、パワー素子
に適している。
極を配し、半導体基板の厚さ方向に電流が流れる構造の
半導体素子を縦型半導体素子(DMOS)と呼ぶ。この
ような構造は半導体基板表面の利用率を高くすることが
でき、しかも電流容量を大きくできるので、パワー素子
に適している。
【0022】次に、図3及び図4に示すDMOS装置の
利点について説明する。ここで、図5は図3及び図10
のB−B間の表面濃度プロファイルを示す図である。本
DMOS装置では、従来のp−エピタキシャル層22よ
りも低濃度のp−−エピタキシャル層3の表面にリン等
のn型不純物を選択的に注入して同不純物のp−−エピ
タキシャル層3内の拡散を行っているので、従来のp−
エピタキシャル層22内にリン等のn型不純物を注入・
拡散させる場合よりも格段に当該n型不純物を容易に且
つ均一に拡散させることができる。このため、n−ベー
ス領域33を形成するための拡散時間を格段に低減する
ことができ、以て製品の低コスト化を図り得る。そし
て、この様なn型不純物のp型エピタキシャル層内への
拡散の容易化・均一化によって、図5に示す通り、n−
ベース領域33におけるn型不純物の表面濃度は深さ方
向に対してステップ状に変化することになる。このた
め、図5に示す従来品の場合とは異なり、n−ベース領
域33のシャロー化を阻止して、ソース−ドレイン間電
圧印加時にn−ベース領域33内に生ずる空乏層化の比
率を従来品よりも格段に小さくすることができる。この
ことは、図3及び図4に示す本発明のDMOS装置にお
いてはショートチャネル効果の改善が得られることを意
味し、従って、耐圧特性の改善をもたらす。この点を図
6及び図7に示す。図6は、本発明のDMOS装置と従
来品とのしきい値電圧波形を比較して示す図であり、横
軸はソース−ドレイン間電圧(V)である。又、図7は
本発明のDMOS装置と従来品との耐圧波形を示す図で
あり、横軸はソース−ドレイン間電圧(V)である。図
6より明らかな通り、本発明のDMOS装置では、しき
い値電圧がショートチャネル波形でなくなり、ショート
チャネル効果の発生を抑制することが可能となってい
る。又、図7より明らかな通り、本発明のDMOS装置
によれば耐圧の向上を図り得る。
利点について説明する。ここで、図5は図3及び図10
のB−B間の表面濃度プロファイルを示す図である。本
DMOS装置では、従来のp−エピタキシャル層22よ
りも低濃度のp−−エピタキシャル層3の表面にリン等
のn型不純物を選択的に注入して同不純物のp−−エピ
タキシャル層3内の拡散を行っているので、従来のp−
エピタキシャル層22内にリン等のn型不純物を注入・
拡散させる場合よりも格段に当該n型不純物を容易に且
つ均一に拡散させることができる。このため、n−ベー
ス領域33を形成するための拡散時間を格段に低減する
ことができ、以て製品の低コスト化を図り得る。そし
て、この様なn型不純物のp型エピタキシャル層内への
拡散の容易化・均一化によって、図5に示す通り、n−
ベース領域33におけるn型不純物の表面濃度は深さ方
向に対してステップ状に変化することになる。このた
め、図5に示す従来品の場合とは異なり、n−ベース領
域33のシャロー化を阻止して、ソース−ドレイン間電
圧印加時にn−ベース領域33内に生ずる空乏層化の比
率を従来品よりも格段に小さくすることができる。この
ことは、図3及び図4に示す本発明のDMOS装置にお
いてはショートチャネル効果の改善が得られることを意
味し、従って、耐圧特性の改善をもたらす。この点を図
6及び図7に示す。図6は、本発明のDMOS装置と従
来品とのしきい値電圧波形を比較して示す図であり、横
軸はソース−ドレイン間電圧(V)である。又、図7は
本発明のDMOS装置と従来品との耐圧波形を示す図で
あり、横軸はソース−ドレイン間電圧(V)である。図
6より明らかな通り、本発明のDMOS装置では、しき
い値電圧がショートチャネル波形でなくなり、ショート
チャネル効果の発生を抑制することが可能となってい
る。又、図7より明らかな通り、本発明のDMOS装置
によれば耐圧の向上を図り得る。
【0023】更に本発明のDMOS装置によれば、オン
抵抗のより一層の低減化を図ることが可能となる。即
ち、p−−エピタキシャル層3を設けたことによりn−
ベース領域33を形成するn型不純物の拡散が格段に容
易となった結果、本DMOS装置では、図5に示す様
に、p−エピタキシャル層2の不純物濃度を従来のp−
エピタキシャル層22のそれよりも大きくすることがで
きるので、p−エピタキシャル層2の比抵抗を従来のp
−エピタキシャル層22のそれよりも大きくすることが
できる。しかも、p−−エピタキシャル層3を設けた分
だけp−エピタキシャル層2の厚みを従来のp−エピタ
キシャル層22のそれよりも小さくすることができる
(図2)。従って、比抵抗と厚みとの積より決定される
p−エピタキシャル層2の抵抗を従来のp−エピタキシ
ャル層22のそれよりも格段に小さくすることができ、
オン抵抗中に占めるp−エピタキシャル層の抵抗の寄与
率を従来品よりも小さくすることが可能となる。
抵抗のより一層の低減化を図ることが可能となる。即
ち、p−−エピタキシャル層3を設けたことによりn−
ベース領域33を形成するn型不純物の拡散が格段に容
易となった結果、本DMOS装置では、図5に示す様
に、p−エピタキシャル層2の不純物濃度を従来のp−
エピタキシャル層22のそれよりも大きくすることがで
きるので、p−エピタキシャル層2の比抵抗を従来のp
−エピタキシャル層22のそれよりも大きくすることが
できる。しかも、p−−エピタキシャル層3を設けた分
だけp−エピタキシャル層2の厚みを従来のp−エピタ
キシャル層22のそれよりも小さくすることができる
(図2)。従って、比抵抗と厚みとの積より決定される
p−エピタキシャル層2の抵抗を従来のp−エピタキシ
ャル層22のそれよりも格段に小さくすることができ、
オン抵抗中に占めるp−エピタキシャル層の抵抗の寄与
率を従来品よりも小さくすることが可能となる。
【0024】(実施の形態2)図8は、実施の形態2に
係る平面構造型の本DMOS装置のユニットセル部を示
す縦断面図である。そのチップ外周部における縦断面構
造は、図4に示すものと同様である。図8において、高
濃度のボロン不純物を含むp+半導体基板1の上に、同
じ導電型で不純物の濃度が順次に低くなる2層のp−及
びp−−エピタキシャル層2,3を積層する(図1)。
そして、この基板の最上層であるp−−エピタキシャル
層3内に選択的にドナー型不純物(リン等)を注入・拡
散させて、n−ベース領域33をp−−エピタキシャル
層3内に形成する。この場合、p−−エピタキシャル層
3中、DMOSFETのチャネル領域となる部分には、
n−ベース領域33を形成しない。そして、n−ベース
領域33の表面層の一部にp+ソース領域4を形成す
る。また、p+ソース領域4、チャネル領域をなすp−
−エピタキシャル層3及びn−ベース領域33上に、ゲ
ート酸化膜5を介して、ゲート電極6を形成する。そし
て、このゲート電極6の上には絶縁膜7を形成する。そ
して、n−ベース領域33とp+ソース領域4との表面
部上に、共通に接触するソース電極8を形成し、p+半
導体基板1の裏面上にドレイン電極9を形成する。
係る平面構造型の本DMOS装置のユニットセル部を示
す縦断面図である。そのチップ外周部における縦断面構
造は、図4に示すものと同様である。図8において、高
濃度のボロン不純物を含むp+半導体基板1の上に、同
じ導電型で不純物の濃度が順次に低くなる2層のp−及
びp−−エピタキシャル層2,3を積層する(図1)。
そして、この基板の最上層であるp−−エピタキシャル
層3内に選択的にドナー型不純物(リン等)を注入・拡
散させて、n−ベース領域33をp−−エピタキシャル
層3内に形成する。この場合、p−−エピタキシャル層
3中、DMOSFETのチャネル領域となる部分には、
n−ベース領域33を形成しない。そして、n−ベース
領域33の表面層の一部にp+ソース領域4を形成す
る。また、p+ソース領域4、チャネル領域をなすp−
−エピタキシャル層3及びn−ベース領域33上に、ゲ
ート酸化膜5を介して、ゲート電極6を形成する。そし
て、このゲート電極6の上には絶縁膜7を形成する。そ
して、n−ベース領域33とp+ソース領域4との表面
部上に、共通に接触するソース電極8を形成し、p+半
導体基板1の裏面上にドレイン電極9を形成する。
【0025】このp−ch平面構造型MOSFETにお
いて、ドレイン電極9とソース電極8との間に電圧を印
加し、ゲート電極6に負の電圧をしきい値電圧以上に加
えると、n−ベース領域33のゲート側両サイドに反転
層ができ、ホールがp+ソース領域4からp−−エピタ
キシャル層3におけるチャネルを通りp−エピタキシャ
ル層2に流れ込む。その後、ホールは、電界によってp
+半導体基板1に達し、ソース電極8とドレイン電極9
とが導通する。ゲート電極のバイアスをとれば、チャネ
ルが消滅してソース電極8とドレイン電極9とは遮断さ
れる。
いて、ドレイン電極9とソース電極8との間に電圧を印
加し、ゲート電極6に負の電圧をしきい値電圧以上に加
えると、n−ベース領域33のゲート側両サイドに反転
層ができ、ホールがp+ソース領域4からp−−エピタ
キシャル層3におけるチャネルを通りp−エピタキシャ
ル層2に流れ込む。その後、ホールは、電界によってp
+半導体基板1に達し、ソース電極8とドレイン電極9
とが導通する。ゲート電極のバイアスをとれば、チャネ
ルが消滅してソース電極8とドレイン電極9とは遮断さ
れる。
【0026】図8に示す様な、半導体基板の両表面に電
極を配し、半導体基板の厚さ方向に電流が流れる平面構
造の半導体素子を縦型半導体素子(DMOS)と呼ぶ。
極を配し、半導体基板の厚さ方向に電流が流れる平面構
造の半導体素子を縦型半導体素子(DMOS)と呼ぶ。
【0027】図8に示す構造を有するDMOSFETに
おいても、実施の形態1で述べた利点は全て得られる。
但し、図8のDMOSFETでは、チャネル層が水平に
形成され、そこからp−−エピタキシャル層3内を電流
が流れるので、図3に示すトレンチ構造のDMOSFE
Tと比べてオン抵抗が高くなるという傾向がある。この
場合、周知の技術で以てn−ベース間(JFET)のp
−−エピタキシャル層3内へ高濃度のp型不純物を注入
・拡散することで、上記の傾向を改善することは可能で
ある。尚、図8に示すDMOSFETは、オン抵抗より
も他の特性を重視した分野において多く製品化されてい
る。
おいても、実施の形態1で述べた利点は全て得られる。
但し、図8のDMOSFETでは、チャネル層が水平に
形成され、そこからp−−エピタキシャル層3内を電流
が流れるので、図3に示すトレンチ構造のDMOSFE
Tと比べてオン抵抗が高くなるという傾向がある。この
場合、周知の技術で以てn−ベース間(JFET)のp
−−エピタキシャル層3内へ高濃度のp型不純物を注入
・拡散することで、上記の傾向を改善することは可能で
ある。尚、図8に示すDMOSFETは、オン抵抗より
も他の特性を重視した分野において多く製品化されてい
る。
【0028】(変形例)実施の形態1及び2ではpチャ
ネルDMOS装置について説明したが、nチャネルDM
OS装置についても本発明を適用可能である。この場合
には、n型が「第1導電型」となり、p型が「第2導電
型」となると共に、図1に示したウエハは、n+基板上
に形成された、n−エピタキシャル層とn−−エピタキ
シャル層とから成る積層構造を有することになる。
ネルDMOS装置について説明したが、nチャネルDM
OS装置についても本発明を適用可能である。この場合
には、n型が「第1導電型」となり、p型が「第2導電
型」となると共に、図1に示したウエハは、n+基板上
に形成された、n−エピタキシャル層とn−−エピタキ
シャル層とから成る積層構造を有することになる。
【0029】(まとめ)本実施の形態1,2及び変形例
に係るDMOS装置によれば、次の利点が得られる。
に係るDMOS装置によれば、次の利点が得られる。
【0030】 2層エピタキシャル構造を用いた低耐
圧p−ch又はn−ch縦型MOSFETにおいて、n
−ベース領域又はp−ベース領域を形成するプロセスを
従来よりも短時間で行うことができる。
圧p−ch又はn−ch縦型MOSFETにおいて、n
−ベース領域又はp−ベース領域を形成するプロセスを
従来よりも短時間で行うことができる。
【0031】 しきい値電圧がショートチャネル波形
でなくなり、長期の寿命試験で耐圧リーク、ゲートショ
ートといった発生が少なくなる。
でなくなり、長期の寿命試験で耐圧リーク、ゲートショ
ートといった発生が少なくなる。
【0032】 耐圧を決めるp−エピタキシャル層
(p−ch)又はn−エピタキシャル層(n−ch)の
設計が容易となる。
(p−ch)又はn−エピタキシャル層(n−ch)の
設計が容易となる。
【0033】 他の低耐圧クラス(例えば耐圧150
V以下)のDMOS装置にも、図3、図4や図8に示し
たものと同一構造及び同一プロセスを展開できる。
V以下)のDMOS装置にも、図3、図4や図8に示し
たものと同一構造及び同一プロセスを展開できる。
【0034】 平面型及びトレンチ型の両DMOS装
置を比較すると、p−−エピタキシャル層(p−ch)
又はn−−エピタキシャル層(n−ch)の影響が少な
い(オン抵抗がより小さくなる)点で、トレンチ型のD
MOSへの適用が最適である。
置を比較すると、p−−エピタキシャル層(p−ch)
又はn−−エピタキシャル層(n−ch)の影響が少な
い(オン抵抗がより小さくなる)点で、トレンチ型のD
MOSへの適用が最適である。
【0035】
【発明の効果】請求項1ないし3の各発明によれば、第
3半導体層の形成が従来よりも容易となるので、第3半
導体層の形成時間を短縮できると共に、第3半導体層の
表面濃度分布がステップ状となりショートチャネル特性
及び耐圧特性の改善を図ることができる。しかも、本発
明によれば、第1半導体層の比抵抗と厚みとを従来技術
よりも小さく設定することが可能となり、装置のオン抵
抗をより一層低減することができる。
3半導体層の形成が従来よりも容易となるので、第3半
導体層の形成時間を短縮できると共に、第3半導体層の
表面濃度分布がステップ状となりショートチャネル特性
及び耐圧特性の改善を図ることができる。しかも、本発
明によれば、第1半導体層の比抵抗と厚みとを従来技術
よりも小さく設定することが可能となり、装置のオン抵
抗をより一層低減することができる。
【図1】 実施の形態1及び2に係るエピタキシャルウ
エハを示す断面図である。
エハを示す断面図である。
【図2】 図1及び図9のA−A間の濃度プロファイル
を示す図である。
を示す図である。
【図3】 実施の形態1に係るDMOS装置のユニット
セル部を示す断面図である。
セル部を示す断面図である。
【図4】 実施の形態1に係るDMOS装置のチップ外
周部を示す断面図である。
周部を示す断面図である。
【図5】 図3及び図10のB−B間の濃度プロファイ
ルを示す図である。
ルを示す図である。
【図6】 本発明及び従来品の各々のしきい値電圧波形
を示す図である。
を示す図である。
【図7】 本発明及び従来品の各々の耐圧波形を示す図
である。
である。
【図8】 実施の形態2に係る平面構造型のDMOS装
置のユニットセル部を示す断面図である。
置のユニットセル部を示す断面図である。
【図9】 従来のエピタキシャルウエハを示す断面図で
ある。
ある。
【図10】 従来のDMOS装置のユニットセル部を示
す断面図である。
す断面図である。
【図11】 従来のDMOS装置のチップ外周部を示す
断面図である。
断面図である。
【図12】 従来の平面構造型のDMOS装置のユニッ
トセル部を示す断面図である。
トセル部を示す断面図である。
1 p+半導体基板、2,22 p−エピタキシャル層
(第1半導体層)、3p−−エピタキシャル層(第2半
導体層)、4 ソース領域(第4半導体層)、5 ゲー
ト酸化膜、6 ゲート電極、7 絶縁膜、8 ソース電
極、9 ドレイン電極、10 チャネルストッパ、11
トレンチ、12 界面、33 n−ベース領域(第3
半導体層)、77 パシベーション膜。
(第1半導体層)、3p−−エピタキシャル層(第2半
導体層)、4 ソース領域(第4半導体層)、5 ゲー
ト酸化膜、6 ゲート電極、7 絶縁膜、8 ソース電
極、9 ドレイン電極、10 チャネルストッパ、11
トレンチ、12 界面、33 n−ベース領域(第3
半導体層)、77 パシベーション膜。
Claims (3)
- 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された、前記半導体基板よりも
低濃度の前記第1導電型の第1半導体層と、 前記第1半導体層上に形成された、前記第1半導体層よ
りも低濃度の前記第1導電型の第2半導体層と、 前記第2半導体層の表面より前記第1半導体層と前記第
2半導体層との界面に至るまで前記第2半導体層内部に
形成された、第2導電型の第3半導体層とを備えたこと
を特徴とする、半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置であって、 前記第3半導体層の表面より前記第3半導体層内に形成
された、前記第1半導体層よりも高濃度の前記第1導電
型の第4半導体層と、 前記第3半導体層の前記表面より前記第4半導体層と前
記第3半導体層とを貫通して前記第2半導体層内部にま
で達するトレンチと、 前記トレンチの壁面上に形成されたゲート酸化膜と、 前記ゲート酸化膜を介して前記トレンチ内に充填された
ゲート電極層とを更に備えたことを特徴とする、半導体
装置。 - 【請求項3】 第1導電型の半導体基板上に、前記半導
体基板よりも低濃度の前記第1導電型の第1半導体層を
形成し、 前記第1半導体層よりも低濃度の前記第1導電型の第2
半導体層を前記第1半導体層上に形成し、 前記第2半導体層の表面より前記第1半導体層と前記第
2半導体層との界面に至るまで前記第2半導体層内に第
2導電型の第3半導体層を選択的に形成し、 前記第1半導体層よりも高濃度の前記第1導電型の第4
半導体層を前記第3半導体層の表面より前記第3半導体
層内に形成することを特徴とする、半導体装置の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36417699A JP2001185557A (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 半導体装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36417699A JP2001185557A (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 半導体装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001185557A true JP2001185557A (ja) | 2001-07-06 |
Family
ID=18481164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36417699A Pending JP2001185557A (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 半導体装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001185557A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005533367A (ja) * | 2001-11-21 | 2005-11-04 | ゼネラル セミコンダクター,インク. | パッシベーション層のクラックの発生を防止した集積回路 |
-
1999
- 1999-12-22 JP JP36417699A patent/JP2001185557A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005533367A (ja) * | 2001-11-21 | 2005-11-04 | ゼネラル セミコンダクター,インク. | パッシベーション層のクラックの発生を防止した集積回路 |
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