JP2001185398A - 常圧プラズマ処理装置及び処理方法 - Google Patents

常圧プラズマ処理装置及び処理方法

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JP2001185398A
JP2001185398A JP36737699A JP36737699A JP2001185398A JP 2001185398 A JP2001185398 A JP 2001185398A JP 36737699 A JP36737699 A JP 36737699A JP 36737699 A JP36737699 A JP 36737699A JP 2001185398 A JP2001185398 A JP 2001185398A
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gas
electrodes
plasma processing
atmospheric pressure
electrode
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JP36737699A
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English (en)
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Hitoshi Nakao
整 中尾
Masahisa Tosaka
昌久 登坂
Naoki Nishiguchi
直樹 西口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1つの処理容器内で連続したプラズマ処理を複
数の原料ガス種に対し同時に行うことを可能とし、さら
に副反応物等の影響をさけながらプラズマ反応領域を広
げる。 【解決手段】処理容器内に設置された1つの電極に対
し、複数の電極を対向配置して複数組の電極対を設け、
それら複数組の電極間に大気圧近傍下で電界を印加する
ことにより放電プラズマを発生させて、各電極間でプラ
ズマ処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧近傍の圧力
下で発生させた放電プラズマを利用して基材を処理する
常圧プラズマ処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、低圧条件下でグロー放電プラ
ズマを発生させて、プラスチック、ガラス、セラミック
または金属等の基材材料の表面に接触させることで接着
性や濡れ性を改善したり、薄膜を形成することで機械特
性・電子特性・光学特性等の機能を付与する表面改質処
理法が実用化されている。
【0003】しかし、低圧条件下における処理は、真空
装置や処理容器等の設備が複雑かつ高価であり、また基
材材料が低圧下で存在できることが条件であるため、工
業的には不利であり、電子部品などの高価な処理品に対
してしか適用されていないのが現状である。
【0004】一方、近年、大気圧近傍の圧力下でグロー
放電プラズマを発生させる方法が提案されている。例え
ばヘリウムガス雰囲気下で処理を行う方法が特公平2−
48626号公報に開示されており、また、アルゴンガ
スとアセトンガス及び/またはヘリウムガスからなる雰
囲気下で処理を行う方法が特開平4−74525号公報
に開示されている。
【0005】しかし、これら公報に開示されている方法
は、いずれもヘリウムガスまたはケトン類を含有するガ
ス雰囲気中でプラズマを発生させるものであり、ガス雰
囲気が限定される。さらに、ヘリウムガスは高価である
ため工業的には不利であり、また、有機化合物を含有さ
せたい場合には、有機化合物自身が被処理体と反応する
場合が多く、目的とする表面改質処理ができないことが
ある。
【0006】従来の大気圧近傍下のグロー放電プラズマ
処理によれば、例えば特願平9−27871号に記載さ
れているように、対向電極として通常1対の電極のみを
使用しているため、異種原料ガスを用いて異なる表面処
理を原料ガス同士の混合をさけながら同時に行うことは
できない。また、異なる表面処理を同時に行うには別に
電極1組とそれを収容する真空チャンバのような処理容
器が必要になる。
【0007】さらに、対向電極として1対の電極を使用
している場合、プラズマ反応領域を広げるために電極幅
を大きくすると、反応時間が長くなってしまい、原料ガ
ス種によっては目的としない副反応物がプラズマ空間内
で発生し、処理面に悪影響を及ぼすことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な実情に鑑みてなされたもので、処理の際のガス雰囲気
を問わず、大気圧近傍の圧力下で均一なグロー放電プラ
ズマを発生させることができ、さらに副反応物等の影響
をさけながらプラズマ反応領域を広げることができると
ともに、1つの処理容器内で連続したプラズマ処理を複
数の原料ガス種に対し同時に行うことが可能な常圧プラ
ズマ処理装置及び処理方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の常圧プラズマ処
理装置は、処理容器内に設置された1つの電極に対し、
複数の電極を対向配置して複数組の電極対を設け、それ
ら複数組の電極間に大気圧近傍下で電界を印加すること
により放電プラズマを発生させて、各電極間でプラズマ
処理を行うように構成されていることによって特徴づけ
られる。
【0010】本発明の常圧プラズマ処理装置において、
対向配置した複数組の電極間に原料ガスとキャリアガス
を供給・排気するガスノズルには、原料ガスとキャリア
ガスを略均一に供給・排気することができ、かつ電極間
内でのガスの滞留と異種原料ガスの混合が起こらないよ
うにガスを供給・排気することが可能な構造のガスノズ
ルを用いることが好ましい。
【0011】本発明の常圧プラズマ処理装置において、
各電極間にパルス化された電界を印加すれば、ヘリウム
またはアセトン等のガスを含有する特定のガス雰囲気に
限られることなく、放電プラズマを安定して発生させる
ことができる。すなわち、大気圧近傍の圧力下では、プ
ラズマ放電状態からアーク放電状態に至る時間が長いガ
ス成分以外は、安定してプラズマ状態が保持されずに瞬
時にアーク放電状態に移行するが、パルス化された電界
を印加することにより、各電極間の放電をグロー放電か
らアーク放電に移行する前に停止させることができ、こ
のような周期的なパルス電界を対向電極間に形成するこ
とにより、微視的にパルス的なグロー放電が繰り返し発
生し、結果として安定したグロー放電状態で放電プラズ
マを長期に渡って発生させることが可能になる。
【0012】本発明の常圧プラズマ処理方法は、上記し
た装置を用いてプラズマ処理を行うにあたり、複数組の
電極間に印加する電界の強度を各電極間ごとに変えるこ
と、また、同様にプラズマ処理を行うにあたり、複数組
の電極間に供給する原料ガスあるいはキャリアガスの種
類を各電極間ごとに変えることによって特徴づけられ
る。
【0013】本発明の常圧プラズマ処理装置・方法にお
いて、大気圧近傍の圧力とは、13300〜10640
0Paの圧力を言い、中でも、圧力調整が容易で装置構
成が簡単となる93100〜103740Paの圧力範
囲とすることが好ましい。
【0014】本発明の常圧プラズマ処理装置・方法に用
いる電極の材質としては、例えば銅、アルミニウム等の
金属単体、ステンレス、真鍮等の合金あるいは金属化合
物を挙げることができる。また電極表面には誘電体を被
覆しておくことが好ましい。
【0015】誘電体としては、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラス
チック、ガラス(二酸化珪素)、酸化アルミニウム、二
酸化ジルコニウム、二酸化チタニウム等の金属酸化物、
チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。誘電体
の被膜は均一にかつ強固に電極に密着させる必要があ
り、その被膜厚みは10-4〜10-6mが好ましい。
【0016】電極の形状と構成は、1つの回転可能なロ
ール電極に対し、それに対向するように複数の曲面電極
を配置することが、連続主産性のうえで好ましい。
【0017】各電極間に設置する原料供給用ガスノズル
と排気用ガスノズルの各構造及びその配置は、幅方向に
均一な原料ガスの供給・排気が可能で、電極間での原料
ガスの滞留及び電極間外への原料ガスの漏れがなく、ま
た、各電極間で異なる原料ガスを使用する場合は、異種
原料ガスの混ざりがないような構造であることが好まし
い。
【0018】各電極間に印加する電界の強度は、処理に
用いる原料ガスあるいはキャリアガスに応じて変える必
要がある。また、各電極間で異なる処理を行う場合は、
それぞれ異なる強度の電界を印加して処理を行ってもよ
い。
【0019】本発明の常圧プラズマ処理装置・方法にお
いて、幅方向に均一なガスの供給・排気を行うために
は、ガスの吹出口・吸引口はスリット状である必要があ
る。また、内部構造についても、スリット状の吹出口・
吸引口に対して平行に孔あき板(多孔板)を設置した
り、あるいは内部にも同様なスリットを設けるなどして
適度な圧力損失を与えるようにする。孔あき板の孔径や
孔のピッチ、あるいはガスノズル内部のスリット幅等の
条件は、原料ガスの種類やガスノズルの大きさ等により
変更する必要があるが、原料ガス供給量及び排気量が十
分確保できる場合、圧力損失が大きくなるように設定し
た方がよい。
【0020】本発明の常圧プラズマ処理装置・方法にお
いて、各電極間に供給する原料ガス及びキャリアガスの
種類は、各電極間ごとに変えてもよいし、同種のガスと
してもよい。ただし、異種のガスを使用する場合は、ガ
スの混合を防ぐ必要がある場合がある。
【0021】電極間での原料ガスの滞留を防ぐには、滞
留部分を排気できるようにしたり、あるいは反応性のな
い希ガスなどを滞留部分に供給する等の手段を講じて、
電極間には定常的なガス流れをつくる必要がある。
【0022】電極間からのガス漏れを防止する場合、基
材供給方向と垂直方向の漏れに対しては、ロール電極と
曲面電極に接触するようにカバーをつけ、基材供給方向
と平行方向の漏れに対しては、スカート状カバーを設置
すればよい。この場合、スカート状カバーとロール電極
との間隔を、ロール電極と曲面電極との間の間隔よりも
十分狭くなるようにすることで、ガスの漏れる方向への
抵抗をつけて、ガス漏れを軽減すればよいが、さらに漏
れが生じる場合には、漏れ分を排気するなどの措置を講
ずればよい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下、図
面に基づいて説明する。
【0024】図1は本発明の実施の形態の全体構成を模
式的に示す図である。
【0025】図1に示す常圧プラズマ処理装置は、主と
して、処理容器10、高電圧パルス電源20、30、巻
き出しロール41、巻き取りロール42、真空ポンプ
(図示せず)などによって構成されている。
【0026】処理容器10の内部には、1つのロール電
極1と、これに隙間(例えば2×10-3m)をあけて対
向する2つの曲面電極2、3が設置されている。ロール
電極1と2つの曲面電極2、3の各表面はそれぞれ誘電
体によって被覆されている。また、ロール電極1と2つ
の曲面電極2、3の各内部には、それぞれ温水の循環用
流路(図示せず)が形成されており、その各電極の表面
温度を、基材Fの成膜に適した温度(例えば70℃)に
保持することができる。
【0027】処理容器10の内部には、ロール電極1と
一方の曲面電極2との間(放電空間)、及びロール電極
1と他方の曲面電極3との間(放電空間)にそれぞれ原
料ガスを供給する原料供給用ガスノズル4、5と、その
原料ガスを反応後に排気する排気用ガスノズル6、7と
が設置されている。また、原料供給用ガスノズル4、5
間に原料ガスが滞留すること防ぐために、それら原料供
給用ガスノズル4、5間にキャリアガスを供給するキャ
リアガス供給用ノズル8が設置されており、さらに電極
間外への原料ガスの漏れを防ぐためのスカート状カバー
9が、ロール電極1の前後(基材Fの走行方向における
前後)に設置されている。このスカート状カバー9は例
えば樹脂製の部材で、ロール電極1の外周面に対して、
電極間の隙間よりも狭い空隙を形成した状態で配置され
ている。なお、処理容器10の前後には、それぞれ基材
Fの入口11と出口12が設けられている。
【0028】原料供給用ガスノズル4、5は、図7の斜
視図(A)及び断面図(B)に示すように、ガス流入口
101aが設けられた第1室101と第2室102の2
室によって構成されており、これら第1室101と第2
室102とは多孔板103(図10参照、孔:φ3×1
-3m)によって仕切られている。第2室102には、
端部に一様な隙間を有する隙間板104が設けられてい
るとともに、縁部近傍にスリット状の吹出口105(ス
リット幅:2×10-3m)が形成されており、ガス流入
口101aを通じて第1室101に流入したガスが、多
孔板103を通過して第2室102に流入し、隙間板1
04を回り込んでスリット状の吹出口105から層流と
なって放電空間内に吹き出す構造となっている。
【0029】排気用ガスノズル6、7には、原料供給用
ガスノズル4、5と同じ構造のものが使用されている。
【0030】キャリアガス供給用ノズル8は、図8の斜
視図(A)及び断面図(B)に示すように、ガス流入口
201aが設けられた第1室201と第2室202の2
室によって構成されており、これら第1室201と第2
室202とは多孔板203(図10参照、孔:φ3m
m)によって仕切られている。第2室202は、先端中
央に向かうに従って空間が狭くなる形状(テーパ形状)
となっており、その先端中央部にスリット状の吹出口2
05(スリット幅:2×10-3m)が形成されている。
また、第2室202内には、両端部に一様な隙間を有す
る隙間板204が設けられており、ガス流入口201a
を通じて第1室201に流入したガスが、多孔板203
を通過して第2室202に流入し、隙間板204を回り
込んでスリット状の吹出口205から層流となって吹き
出す構造となっている。
【0031】そして、以上の構造の常圧プラズマ処理装
置では、真空ポンプによって処理容器10内を減圧して
略真空状態にした後、ロール電極1と曲面電極2との間
(放電空間)、及びロール電極1と曲面電極3との間
(放電空間)に、原料供給用ガスノズル4、5から原料
ガスを供給するとともに、キャリアガス供給用ノズル8
からキャリアガス(例えばアルゴンガス)を供給しなが
ら、排気用ガスノズル6、7から排気を行い、この状態
で、ロール電極1と曲面電極2との間、及びロール電極
1と曲面電極3との間に、それぞれ、高電圧パルス電源
20、30からのパルス電界を印加して放電プラズマを
発生させることができ、その発生プラズマによって、ロ
ール電極1に沿って走行する基材S上に薄膜を形成する
ことができる。
【0032】図2は本発明の常圧プラズマ処理装置の他
の実施形態の構成を模式的に示す図である。この実施形
態では、図1に示した常圧プラズマ処理装置において、
原料供給用ガスノズル4、5及びキャリアガス供給用ガ
スノズル8に代えて、原料供給用ガスノズル50を設置
したところに特徴がある。
【0033】その原料供給用ガスノズル50は、図9の
斜視図(A)及び断面図(B)に示すように、ガス流入
口301aが設けられた第1室301と第2室302の
2室によって構成されており、これら第1室301と第
2室302とは多孔板303(図10参照、孔:φ3×
10-3m)によって仕切られている。第2室302に
は、両端部に一様な隙間を有する隙間板304が設けら
れているとともに、先端中央部にスリット状の吹出口3
05(スリット幅:2×10-3m)が形成されており、
ガス流入口301aを通じて第1室301に流入したガ
スが、多孔板303を通過して第2室302に流入し、
隙間板304を回り込んでスリット状の吹出口305か
ら層流となって放電空間内に吹き出す構造となってい
る。
【0034】図3は本発明の常圧プラズマ処理装置の別
の実施形態の構成を模式的に示す図である。この実施形
態では、図1に示した常圧プラズマ処理装置において、
排気用ガスノズル6とスカート状カバー9との間、及び
排気用ガスノズル7とスカート状カバー9との間に、そ
れぞれ、排気用ガスノズル6、7と同じ構造のノズル6
0、70を設置したところに特徴がある。
【0035】図4は本発明の常圧プラズマ処理装置の更
に別の実施形態の構成を模式的に示す図である。この実
施形態では、排気用ガスノズル6とスカート状カバー9
との間に、排気用ガスノズル6と同じ構造のノズル60
を設置したところに特徴がある。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに説明
する。 <実施例1>図1に示した常圧プラズマ処理装置におい
て、処理容器10内に配置のロール電極1として、直
径:0.400m、幅:0.810m、表面にTiO2
:20重量%、Al2 O3 :80重量%からなる厚み
1×10-3m の誘電体が溶射法で被覆されているもの
を用いた。また、ロール電極1に対向して配置された2
つの曲面電極2、3として、曲率半径:0.202m、
ロール電極1の軸方向幅:0.810m、ロール電極1
の回転方向長さ:0.100m、表面にTiO2 :20
重量%、Al2 O3 :80重量%からなる厚み1×10
-3m の誘電体が溶射法で被覆されているものを用い、
これら2つの曲面電極2、3とロール電極1との間隔を
2×10-3mとした。
【0037】ロール電極1と曲面電極2との間、及びロ
ール電極1と曲面電極3との間にそれぞれ原料ガスを供
給する原料供給用ガスノズル4、5と、その原料ガスを
反応後に排気する排気用ガスノズル6、7に、それぞ
れ、図7に示す構造・寸法のものを用い、また、原料供
給用ガスノズル4、5間に原料ガスが滞留するのを防ぐ
ためのキャリアガス供給用ノズル8として、図8に示す
構造・寸法のものを用いた。さらに、電極間外への原料
ガスの漏れを防ぐスカート状カバー9を設置し、フィル
ム状基材F(PETフィルム、幅0.710m、厚み
0.188×10-3m)をロール電極1に密着配置し
た。
【0038】そして、処理容器10内を100Paにま
で真空ポンプで排気した後、アルゴンガスを導入して
1.0×105 Paとし、さらにアルゴンガスをアルゴ
ンガス供給口(図示せず)から供給して処理容器10内
を微加圧しながら、フィルム状基材Fが走行する処理容
器10の入口11及び出口12を開放した。
【0039】次いで、巻き出しロール41と巻き取りロ
ール42との間に98N/m2 の張力をかけながら、走
行速度8.3×10-3m/sでフィルム状基材Fを走行
させるとともに、ロール電極1を、フィルム状基材Fの
走行方向にかつ基材走行速度に対応させて回転させた。
このとき、ロール電極1及び2つの曲面電極2、3に温
水を循環させて、各電極の表面温度を70℃に保持し
た。
【0040】次に、テトライソプロポキシチタネート
(以下、TTIPという)を気化し、TTIPの混合量
が0.1体積%となるようにアルゴンガスと混合したも
のを原料ガスとし、この原料ガスを、原料供給用ガスノ
ズル4、5からそれぞれ1.0×10-33 /sの流
量、またキャリアガス供給用ノズル8からアルゴンガス
を0.17×10-33 /sの流量にて供給しながら、
排気用ガスノズル6、7からそれぞれ1.17×10-3
3 /sの流量で排気した。この状態で、ロール電極1
と曲面電極2との間、及びロール電極1と曲面電極3と
の間に、それぞれ、電圧Vp-p =4kV、周波数f=
3.5kHzのパルス電界を印加して放電プラズマを発
生させて、フィルム状基材Fの表面にプラズマ放電成膜
を行った。 <実施例2>実施例1において、キャリア供給用ノズル
8から0.17×10-33 /sの流量で排気したこと
以外は、実施例1と同じとしてプラズマ放電成膜を行っ
た。 <実施例3>実施例1において、テトラメトキシシラン
(以下、TMOSという)を気化し、TMOSの混合量
が0.2体積%となるように窒素、酸素、アルゴンの混
合ガス(混合比=窒素:酸素:アルゴン=17: 4:
4)と混合したものを原料ガスとし、原料供給用ガスノ
ズル5から原料ガスを0.83×10-33 /sの流量
で供給し、排気用ガスノズル7から0.92×10-3
3 /sの流量で排気した状態で、ロール電極1と曲面電
極3との間に、電圧Vp-p =12kV、周波数f=4k
Hzのパルス電界を印加して放電プラズマを発生させた
こと以外は、実施例1と同じとしてプラズマ放電成膜を
行った。 <実施例4>実施例1において、原料供給用ガスノズル
4、5及びキャリアガス供給用ガスノズル8に代えて、
図9に示す構造の原料供給用ガスノズル50を設置し
(図2)、原料供給用ガスノズルからTTIPを気化
し、TTIPの混合量が0.2体積%となるようにアル
ゴンガスと混合した原料ガスを2.0×10-33 /s
の流量で供給したこと以外は、実施例1と同じとしてプ
ラズマ放電成膜を行った。 <実施例5>実施例1において、排気用ガスノズル6と
スカート状カバー9との間、及び排気用ガスノズル7と
スカート状カバー9との間に、それぞれ、排気用ガスノ
ズル6、7と同じ構造のノズル60及び70を設置し
(図3)、原料ガスを排気用ガスノズル6、7から1.
0×10-33 /sの流量で排気したこと以外は、実施
例1と同じとしてプラズマ放電成膜を行った。 <実施例6>実施例1において、排気用ガスノズル6と
スカート状カバー9との間に、排気用ガスノズル6と同
じ構造のノズル60を設置し(図4)、原料ガスを排気
用ガスノズル6及び原料供給用ガスノズル5からそれぞ
れ1.0×10-33 /sで供給し、原料供給用ガスノ
ズル4及び排気用ガスノズル7から1.17×10-3
3 /s、ノズル60から0.5×10-33 /sで排気
したこと以外は、実施例1と同じとしてプラズマ放電成
膜を行った。 <比較例1>実施例1において、曲面電極2、原料供給
用ガスノズル4及びキャリアガス供給用ノズル8を取り
外し、図5に示すように、排気用ノズル6と原料供給用
ノズル5を密着配置し、原料供給用ガスノズル5から原
料ガスを1.0×10-33/sで排気したこと以外
は、実施例1と同じとしてプラズマ放電成膜を行った。 <比較例2>比較例1において、曲面電極3のロール電
極回転方向長さを0.200mとしたこと以外は、比較
例1と同じとしてプラズマ放電成膜を行った(図6)。
【0041】以上の実施例1〜6と比較例1、2の各例
で成膜したフィルムの膜厚及び外観を観察した。膜厚は
エリプソメーター(溝尻光学工業社製、型式BVA−3
6VW)で測定した。その測定結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
処理容器内に設置された1つの電極に対し、複数の電極
を対向配置して複数組の電極対を設け、それら複数組の
電極間に大気圧近傍下で電界を印加することにより放電
プラズマを発生させて、各電極間でプラズマ処理を行う
ので、副反応物等の影響をさけながらプラズマ反応領域
を広げることができるとともに、1つの処理容器内で連
続したプラズマ処理を複数の原料ガス種に対して同時に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を模式的に示す図であ
る。
【図2】本発明の他の実施形態の構成を模式的に示す図
である。
【図3】本発明の別の実施形態の構成を模式的に示す図
である。
【図4】本発明の更に別の実施形態の構成を模式的に示
す図である。
【図5】比較例1で用いた常圧プラズマ処理装置の構成
を模式的に示す図である。
【図6】比較例2で用いた常圧プラズマ処理装置の構成
を模式的に示す図である。
【図7】原料供給用ガスノズル及び排気用ガスノズルの
構成を模式的に示す斜視図(A)及び断面図(B)であ
る。
【図8】キャリアガス供給用ノズルの構成を模式的に示
す斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図9】原料供給用ガスノズルの他の例の構成を模式的
に示す斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図10】図7〜図9に示すノズルに用いる多孔板の部
分正面図である。
【符号の説明】
1 ロール電極 2,3 曲面電極 4,5 原料供給用ガスノズル 50 原料供給用ガスノズル 6,7 排気用ガスノズル 8 キャリアガス供給用ノズル 9 スカート状カバー 10 処理容器 11 入口 12 出口 20,30 高電圧パルス電源 41 巻き出しロール 51 巻き取りロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理容器内に設置された1つの電極に対
    し、複数の電極を対向配置して複数組の電極対を設け、
    それら複数組の電極間に大気圧近傍下で電界を印加する
    ことにより放電プラズマを発生させて、各電極間でプラ
    ズマ処理を行うように構成されていることを特徴とする
    常圧プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 対向配置した複数組の電極間に原料ガス
    とこれを搬送するキャリアガスとを略均一に供給・排気
    することができ、かつ電極間内でのガスの滞留と異種原
    料ガスの混合が起こらないようにガスを供給・排気する
    ことが可能な構造のガスノズルを設置したことを特徴と
    する請求項1記載の常圧プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の常圧プラズマ処
    理装置を用いてプラズマ処理を行うにあたり、複数組の
    電極間に印加する電界の強度を、各電極間ごとに変える
    ことを特徴とする常圧プラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の常圧プラズマ処
    理装置を用いてプラズマ処理を行うにあたり、複数組の
    電極間に供給する原料ガスあるいはキャリアガスの種類
    を、各電極間ごとに変えることを特徴とする常圧プラズ
    マ処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002339075A (ja) * 2001-05-17 2002-11-27 Konica Corp 長尺基材の表面処理方法及びその方法により製造された光学フィルム
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KR101909467B1 (ko) * 2017-04-25 2018-10-18 주식회사 플라즈맵 안정적인 고속 표면처리가 가능한 선형 플라즈마 발생 장치

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