JP2001184947A - 導電性弾性体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

導電性弾性体及びそれを用いた画像形成装置

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JP2001184947A JP37211999A JP37211999A JP2001184947A JP 2001184947 A JP2001184947 A JP 2001184947A JP 37211999 A JP37211999 A JP 37211999A JP 37211999 A JP37211999 A JP 37211999A JP 2001184947 A JP2001184947 A JP 2001184947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境変化、印加電圧による体積抵抗率の変
動、電気抵抗の位置ばらつき、連続通電時の電気抵抗変
動などを小さくし、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性に
優れ、画質の向上のみならず、リサイクルを容易にした
帯電、現像及び転写手段として好適な導電性弾性体とそ
れを用いた画像形成装置を提供すること 【解決手段】 ローラ状の導電性弾性体は、芯体からな
る基体1と、基体1に被覆され導電性を有する弾性体2
からなる弾性部と、該弾性部に被覆され導電性を有する
表層部3とからなる少なくとも3層構造をなし、前記弾
性部には弾性材料にセラミックス微粉末等からなる導電
性充填剤が混入されている。従って導電性弾性体は、電
気抵抗の位置ばらつき等を抑制でき、画質向上が図れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性弾性体に関
し、特に電子写真方式を採用して複写機又はレーザープ
リンタ等の画像形成装置において、像担持体に当接して
使用される導電性弾性体及びそれを用いた前記画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】電子写真法においては、従来、金属ワイヤ
ーに高電圧を印加し、発生するコロナにより感光体を帯
電させたり、転写させたりするコロナチャージ方式を採
用している。しかしコロナチャ−ジ方式では、コロナ発
生時にオゾンやNOx等のコロナ生成物により感光体の
表面を変質させるため、画像の白抜けや黒スジが生じる
等の画像品質上の他、オフィス環境の点においても問題
があった。そこでオゾンやNOx等を発生させない方式
として、導電性弾性体を感光体などに接触させて帯電及
び転写させる画像形成方式が提案されている。
【0003】例えば、電子写真方式の画像形成装置にお
いて、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転移
させるための手段として、像担持体に対向して付設され
た導電性弾性体に転写材の背面側より数百V〜2kV程度
の電圧を印加して接触転写を行うプロセスがある。この
画像形成方法において用いられる導電性弾性体に対し、
要求される特性と問題点を以下に記す。
【0004】・導電性弾性体内の体積固有抵抗の部分的
な電気抵抗ばらつきが少ないことや、数万ロットレベル
で量産した際のロット毎での電気抵抗ばらつきが少ない
ことが要求される。通常、設定値が108 Ω・cmであると
すると、抵抗のばらつき幅としては、使用するマシンの
条件にもよるが約0.8桁以内としている。これは、抵抗
ばらつきが大きいと転写むら等の画像劣化や環境条件に
よっては、転写不良が生じることから、ばらつき量は小
さければ小さい程良いが、この規定を厳しくすることに
より、導電性弾性体の歩留まり等が大きく影響してくる
からである。特にEPDM(エチレン-プロピレン-ジエン共
重合ゴム)等の無極性ゴムに導電性充填剤としてカーボ
ンブラックを充填させたものの場合、その分散の状態に
より部分的に抵抗ばらつきが発生しやすい。これは、導
電性充填剤のカーボンブラックの平均粒径が10μmと大
きく、さらに基材ゴム内に混入する際に均一に分散させ
ることが非常に困難であることから、少なからずともカ
ーボンブラックが凝集してしまうためである。逆にウレ
タンゴム等へ抵抗調整剤としてイオン導電性充填剤を充
填させたものは位置によって電気抵抗がばらつく現象
(以下、電気抵抗の位置ばらつきと称す)は少ない。
【0005】・環境変化に対する体積固有抵抗の変動を
小さくすることが要求される。体積固有抵抗の変動が大
きいと、転写効率が悪くなったり、逆転写、転写むら及
び異常放電といった問題が発生する。通常、低温低湿
(5℃20%、以下LLと略す)環境において、体積固有抵
抗が高くなり、印加電圧を高くしても、転写電流が流れ
なくなり転写効率が悪くなる。また、高温高湿(35℃85
%、以下HHと称する)環境において、導電性弾性体及び
転写材の抵抗率は低くなり、紙の表面または筐体(絶縁
体)の表面を通して異常放電現象が起こり、導電性弾性
体へは電流が流れなくなり、良好な転写性を得ることが
できず画質が劣化する。この環境変動に関しても、小さ
ければ小さい程良いが現状、設定値が108 Ω・cmとする
とウレタンゴム等へ抵抗調整剤としてイオン導電性充填
剤を充填させたものは現状約1桁〜2 桁程度であり、EP
DM等の無極性ゴムに抵抗調整剤としてカーボンブラック
等を充填させたものは依存性が少ない。環境変化に伴う
抵抗率変動が生じれば、各環境条件を検知し、検知した
環境に従い転写バイアスを変化させるといった制御が必
要となる。
【0006】・電気抵抗の印加電圧依存性が少ないこと
が要求される。小サイズの紙等を通紙した際の非通紙部
における過電流、通紙部における転写電流不足を防ぎ、
ひいては小サイズ紙における転写不良を防ぐためのもの
である。特にEPDM等の無極性ゴムに抵抗調整剤としてカ
ーボンブラック等を充填させた導電性弾性体において、
電圧依存性は大きく、ウレタンゴム等へ抵抗調整剤とし
てイオン導電性充填剤を充填させたものは、依存性が少
ない。
【0007】・連続通紙における連続電圧印加による電
気抵抗の変動幅が少ないことが要求される。連続通紙時
等における転写電圧を連続的に印加することにより、体
積固有抵抗が高くなってしまう現象で、特に、基材ゴム
中に導電性充填剤としてイオン系導電性充填剤が充填さ
れている場合などに顕著にみられる。この原因として
は、基材ゴム内部で導電性を発現させるために添加して
いる塩が解離、分極してしまい、中間層付近において電
気的に分断されるため結果として抵抗値が高くなってし
まうことが考えられる。抵抗値が高くなることによっ
て、所定の転写電流は確保できなくなるため転写不良が
発生することとなる。
【0008】・さらに導電性弾性体全般に求められてい
ることであるが、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性に優
れ、環境問題の面からリサイクルを容易にすることが求
められている。像担持体上に残った残トナーが、導電性
弾性体に転移して長期間の使用により汚染される。これ
により、転写不良、裏汚れ、導電性弾性体の体積抵抗の
上昇といった問題が生じる。従って、この導電性弾性体
に転移した残トナーをクリーニングする必要があるが、
その場合、導電性弾性体表面にブレード、ファーブラシ
等でクリーニングする方法や、所定の電圧を印加するこ
とにより、像担持体上にトナーを戻す方法等が考案され
ている。また現状、導電性弾性体を構成する発泡弾性体
は有機高分子であり原料に戻しリサイクルするのが困難
である。
【0009】上述したように、導電性弾性体には多くの
性能が要求されるが、現状の導電性弾性体は多くの不具
合を有している。特に、従来の導電性弾性体を用いた場
合、すなわちウレタンゴムにイオン導電性充填剤を充填
したものや、EPDM、シリコーンゴムにカーボンブラッ
ク、金属酸化物を充填したものでは、一長一短があるた
め、導電性弾性体に印加するバイアスを電気的に制御し
たり、複雑な制御を行うことにより問題を解決してき
た。
【0010】現状、商品化されている導電性弾性体とし
ては、大きく分けると、ポリウレタン発泡体に導電性付
与剤としてイオン導電性充填剤を充填させたものと、EP
DM、シリコーンゴム発泡体に導電性付与剤としてカーボ
ン、金属酸化物を充填させたものがあるが、いずれも十
分な性能は得られているとは言えない。
【0011】近年、上記問題を解決するため、導電性弾
性体の材質面に種々の特徴を持たせる技術開発が行われ
てきており、例えば特開平10-221980号公報には、導電
性材料として、ポリオール成分に、ポリエステルポリオ
ールを用いて得られたポリウレタンフォーム中に、第四
級アンモニウム塩からなる導電性付与剤を混合させたの
ち、加熱して反応硬化、発泡し導電性弾性体を得ること
で、導電性弾性体に係る電気抵抗の位置ばらつきを少な
くし、電気抵抗の印加電圧依存性、連続通電時の電気抵
抗変動幅及び環境変化による電気抵抗変動を少なくする
技術が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】上述の通り、同号公
報の記載によれば、導電性弾性体に係る電気抵抗の位置
ばらつきを少なくし、電気抵抗の印加電圧依存性、連続
通電時の電気抵抗変動幅及び環境変化による電気抵抗変
動を少なくすることができるとのことである。
【0013】しかしながら、同号公報に記載の導電性弾
性体に関し、各環境条件における抵抗値変動を検討する
と、環境変動15℃10%、32.5℃85%の場合において、最
も抵抗変動が少ないケースで約2桁だけ抵抗値が推移し
ている。抵抗変動が約2桁あると、導電性弾性体に印加
する電圧を各環境ごとに変化させないと、良好な転写を
行うことができず、そのため、各環境条件を検知し、検
知した環境に従い転写バイアスを変化させるといった複
雑な制御を行わなければならない。
【0014】また、この同号公報の実施例における環境
変動の上限値であるが、3.8×109Ωであり、本発明者の
実験では、この抵抗領域では抵抗が高すぎるため満足な
転写電流が得られず、転写効率が低下し転写不良になる
ことが判明した。
【0015】本発明は、上述した従来の問題点を解決す
るためになされたものであり、その目的とするところ
は、環境変化、印加電圧による体積抵抗率の変動、電気
抵抗の位置ばらつき、連続通電時の電気抵抗変動などを
小さくし、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性に優れ、画
質の向上のみならず、リサイクルを容易にした帯電、現
像及び転写手段として好適な導電性弾性体とそれを用い
た画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、芯体からなる基体部と、該基体部を被覆し導電性を
有する弾性体からなる弾性部と、該弾性部を被覆し導電
性を有する表層部とからなる少なくとも3層構造をなす
導電性弾性体であって、前記弾性部に導電性を付加する
べく混入させる導電性充填剤はセラミックス微粉末を含
むことを特徴とする導電性弾性体である。
【0017】請求項2に記載の発明は、上記セラミック
ス微粉末の誘電率は100以上であることを特徴とする請
求項1記載の導電性弾性体である。
【0018】請求項3に記載の発明は、上記セラミック
ス微粉末として2種以上の化合物から成る焼結体微粉末
が使用されることを特徴とする請求項1記載の導電性弾
性体である。
【0019】請求項4に記載の発明は、上記2種以上の
化合物から成る焼結体微粉末の少なくとも1種の化合物
は酸化チタンを含むことを特徴とする請求項3記載の導
電性弾性体である。
【0020】請求項5に記載の発明は、上記2種以上の
化合物から成る焼結体微粉末がBaTiO3、PbTiO3またはSr
TiO3の何れか1つを含むことを特徴とする請求項3及び
4記載の導電性弾性体。
【0021】請求項6に記載の発明は、上記セラミック
ス微粉末として、少なくとも3種以上の化合物から成る
焼結体微粉末が使用されることを特徴とする請求項1記
載の導電性弾性体である。
【0022】請求項7に記載の発明は、上記3種以上の
化合物から成る焼結体微粉末の1種の化合物に少なくと
も酸化チタンを含むことを特徴とする請求項6記載の導
電性弾性体である。
【0023】請求項8に記載の発明は、上記3種以上の
化合物から成る焼結体微粉末がPbTiO3-PbZrO3、BaTiO3-
SrTiO3-La2O3-TiO3であることを特徴とする請求項6及
び7記載の導電性弾性体である。
【0024】請求項9に記載の発明は、上記セラミック
ス微粉末の平均粒径が6μm以下であることを特徴とする
請求項1記載の導電性弾性体である。
【0025】請求項10に記載の発明は、上記弾性体を
形成する基質が無極性ゴムのエチレン-プロピレン-ジエ
ン共重合ゴム(EPDM)であることを特徴とする請求項1
記載の導電性弾性体である。
【0026】請求項11に記載の発明は、上記導電性弾
性体の硬度が10〜70°であることを特徴とする請求項1
記載の導電性弾性体である。
【0027】請求項12に記載の発明は、上記表層部
に、セラミックス微粉末からなる導電性充填剤を含有す
る被覆層を備えたことを特徴とする請求項1に記載の導
電性弾性体である。
【0028】請求項13に記載の発明は、請求項1乃至
請求項12の何れか一項に記載の導電性弾性体を、像担
持体表面を接触帯電させる帯電手段、前記像担持体表面
に形成される静電潜像に現像剤を供給して顕像化する現
像手段、及び上記像担持体上に形成された顕像を記録媒
体に転写する転写手段のうちの少なくとも1つに用いた
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。尚、本発明の実施形態に
係る導電性弾性体を具備する装置としては、特に限定は
ないが、以下の説明では導電性弾性体を画像形成装置に
適用した例について説明する。また画像形成装置として
は、被画像形成体に画像を記録する為に必要な像担持体
への画像形成方法は、カールソンプロセスや背面露光方
式等の種々の作像原理を使用可能であり、特に限定され
るものではない。以下に説明する本発明に係る実施形態
では、カールソンプロセスによる画像形成装置を例にと
って説明する。
【0030】図4は本発明の実施形態に係る画像形成装
置100の概略断面図である。画像形成装置100は、
例えばコンピュータ等の情報処理装置の出力装置(プリ
ンタ)として使用されるものが一般的であるが、これ以
外にワードプロセッサやFAX(ファクシミリ)の印字
部、デジタル複写機の印字部としても使用可能である。
【0031】画像形成装置100は、主に、画像を形成
する画像形成部10と該画像形成部10に用紙(転写
材)Pを供給する給紙装置30とから構成されている。
画像形成部10は、アルミ素管に感光層を配置した像担
持体としての感光体ドラム11と感光体ドラム11の周
囲にこの順序で周設される帯電装置12、露光装置(レ
−ザ−ユニット)13、現像装置14、転写装置15、
除電装置(除電ランプ)16、及び定着装置17とを備
えている。
【0032】帯電装置12は、感光体ドラム11の表面
に均一な電荷を付与するための帯電導電性部材(帯電手
段)18と、該帯電導電性部材18に電位を供給するた
めの帯電電源19とを備えている。上記レ−ザ−ユニッ
ト13は、帯電された感光体ドラム11の表面に画像デ
ータに応じてレーザーを照射し、該感光体ドラム11上
に電荷パターンからなる静電濳像を形成する。
【0033】現像装置14は、レ−ザ−ユニット13の
露光によって形成された上記静電濳像に対して現像剤で
あるトナー50を供給してトナー像を形成する現像導電
性部材(現像手段)21と、該現像導電性部材21に現
像電圧を供給する現像電源22とを備えている。
【0034】転写装置15は、用紙Pを感光体ドラム1
1に圧接して感光体ドラム11に形成されたトナ−像を
用紙Pに転写する転写導電性部材(転写手段)23と、
転写時に該転写導電性部材23に転写電圧を供給する転
写電源24とを備えている。
【0035】除電ランプ16は複数のLED(Light Emitt
ing Diode)からなり、感光体ドラム11の表面に光を
照射して感光体ドラム11の表面に残留した電荷を中和
して除電する。
【0036】給紙装置30は用紙Pを収容するカセット
31、該カセット31から用紙Pを送り出すピックアッ
プロ−ラ32、供給された用紙Pをガイドする給紙ガイ
ド33、及び給紙された用紙Pを所定の速度で搬送する
一対のレジストロ−ラ34からなる。また給紙装置30
は、用紙Pが供給されたことを検出する図示しない給紙
センサを備えている。
【0037】ピックアップロ−ラ32、帯電導電性部材
18、現像導電性部材21、転写導電性部材23、及び
感光体ドラム11は図示しない駆動装置によって回転駆
動される。これらの回転駆動は不図示のコントロール手
段によって所定のタイミングで適宜制御される。また画
像形成部10の用紙Pの出紙側には、用紙Pを装置外に
排出する排紙ロ−ラ41と排紙された用紙Pを保持する
排紙トレイ42を配置している。
【0038】上記構成の画像形成装置100において、
本発明に係る導電性弾性体は、帯電導電性部材18、現
像導電性部材21、又は転写導電性部材23のうちの少
なくとも1つの導電性部材に対し、好適に使用すること
ができる。
【0039】尚、図4では上記導電性弾性体がローラ形
状のものを図示しているが、本発明はこれにとどまらず
無端状のベルト形状であっても良い。導電性弾性体が無
端状のベルト形状であることにより、例えば転写ベルト
として使用した場合には、ニップ幅が多くとれるなどの
メリットから高画質を実現できたり、カラ−の場合は多
重転写方式よりもプロセススピ−ドが速いタンデム方式
に利用することが可能となる。また、転写ベルトと共に
転写材を搬送するので、転写材の適切な搬送も実現する
ことが可能となる。
【0040】本発明の一実施形態であるローラ形状を有
する導電性弾性体は、図1及び図2に示すような構造を
有している。即ち、基体部を構成する基体1は鉄、アル
ミニウム、SUS、真鍮などで構成された、いわゆる
「芯金」のほか、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からな
る芯体及びその表面にメッキを施したもの、熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂に対し導電性付与剤としての導電性
カーボンブラック又は金属粉末などを配合した導電性樹
脂成形品で形成した芯体、又はこれらの組み合わせから
なる芯体など、プラスチック、金属、セラミック材料か
ら選ばれた任意の材料からなるものであり、基体1に被
覆された無極性ゴムのエチレン-プロピレン-ジエン共重
合ゴム(EPDM)等を主原料とする弾性体2を有し、その
表層部(像担持体などと接触する部分)には、導電性を
付与した無極性のポリエチレン樹脂等の可撓性合成樹脂
3により、被覆されている。
【0041】導電性弾性体が無端状のロ−ラ形状であれ
ば、例えば転写ロ−ラとして使用した場合、対向部材
(OPC)との圧接を容易にし転写に十分なニップ幅を得
ることができ高画質な画像を得ることが可能となる。ま
た、対向部材(OPC)と転写ロ−ラが転写材を圧接する
ので、転写材の適切な搬送も実現することが可能とな
る。
【0042】一方、ブレ−ド形状を有する場合は、図3
に示すように基体1、弾性体2及び可撓性合成樹脂3は
平板状の形状である。このことにより、例えば転写ブレ
−ドとして使用した場合、転写ロ−ラと比較して、転写
部の上流部分でのトナ−飛散が少なく、対向部材(OP
C)との同等なニップ幅を得る導電性弾性体の容積は小
さくてすみ、構成が簡単で特別な製造技術を必要とする
ことなく安価で製造することができる。
【0043】尚、後述するように弾性体を形成する基質
がEPDMであることにより、弾性体を形成する基質自身が
環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがなく、弾
性体に導電性を付加させるために混入させる導電性充填
剤を選択することにより、ほとんど環境変化に伴う体積
抵抗率変動を生じることがない導電性弾性体を得ること
が可能となる。環境変化に伴う抵抗率変動がなければ、
各環境条件を検知し、検知した環境に従い転写バイアス
を変化させるといった制御が不要となる。
【0044】また、基体上に上記導電性弾性体とを少な
くとも1層有することにより、導電性弾性体の硬度を高
くせずとも導電性弾性体を基体で支えることができ、マ
シン内で使用した場合、時間的なへたりなどによる圧力
抜けを生じ耐久寿命が短くなることを防止することが可
能となり、設計及び量産を容易にすることができる。こ
こで、弾性体2及び可撓性合成樹脂3は、導電性充填剤
たるセラミックス微粉末4を配合して中抵抗化及び抵抗
値の調整を図っている。
【0045】尚、導電性弾性体の表層に可撓性の合成樹
脂を設けた理由としては、可撓性の合成樹脂を設けない
場合でも、環境変化、印加電圧による体積抵抗率の変動
や、電気抵抗の位置ばらつき、連続通電の際の電気抵抗
の変動などの電気的特性は十分であるが、可撓性の合成
樹脂を設けることにより、圧接部材との摩耗負荷による
導電性弾性体の摩耗劣化や基材ゴムの組成変化及び不純
物混入による導電性弾性体の体積固有抵抗率の変化、上
記導電性弾性体による圧接部材汚染などの不具合を防
止、さらにトナ−の離型性を向上させることによりクリ
−ニングを容易にし、導電性弾性体の強度が上昇するこ
とによりロングライフを実現することが可能となるから
であり、また上記導電性弾性体を転写手段に用いた場合
に画質の向上にも効果をもたらすためでもある。さらに
は導電性弾性体の再利用時に被覆層である可撓性の合成
樹脂を剥がし、新しい可撓性の合成樹脂を被覆すること
により、再利用することが可能となり、環境にやさし
く、リサイクルを容易にするためでもある。
【0046】弾性体2としては、ニトリルブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウ
レタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、
ノルボルネンゴムなどの有極性エラストマ−や、ポリス
チレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、低分子
量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、フェノール
樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、およびこれらの
共重合体や混合物などの無極性樹脂、クロロポリスチレ
ン、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体およ
びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノ
マー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、フッ素樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリアミド樹脂、リビニルブチラール樹脂およ
びこれらの共重合体や混合物などの有極性樹脂も可能で
あるが、より好適には環境変化に伴う体積抵抗率変動の
抑制効果及び低硬度化の観点から、エチレン−プロピレ
ンジエン重合体(EPDM)、ブタジエンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、ハイスチレンゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、天然ゴム(NR)な
どの無極性エラストマ−が最も好ましい。
【0047】一方、可撓性合成樹脂3としては、クロロ
ポリスチレン、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共
重合体およびスチレン−アクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニ
ル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸
エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたは
スチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化
ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変
性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体、フッ素樹脂、ポ
リカーボネート、ポリアミド樹脂、リビニルブチラール
樹脂およびこれらの共重合体や混合物などの有極性樹脂
も可能であるが、より好適には、環境変化に伴う体積抵
抗率変動の抑制効果から、ポリスチレン、ポリ−α−メ
チルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、低分子量ポリエチレン、低分
子量ポリプロピレン、フェノール樹脂、シリコーン樹
脂、キシレン樹脂、およびこれらの共重合体や混合物な
どの無極性樹脂が最も好ましい。
【0048】さらにセラミックス微粉末4としては、Si
O2、MgO、Al2O3、CaO、PbO、Fe2O3、BaO、TiO2、ZnO、Z
rO2、SrO、Li2Oなどの成分から成るムライト、コランダ
ム、クリストバライト、サフィリン、コ−ディエライ
ト、フォルステライト、スピネル、チタン酸バリウム
(BaTiO3)、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)、チタン
酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(Sr
TiO3)、チタン酸ランタン、チタン酸亜鉛、チタン酸ビ
スマス、、PbTiO3、KnbO3、MgTiO3-CaTiO3、BaO・4TiO
2-TiO2、2MgO・SiO2-SrO-BaO-TiO3、BaTiO3-Nd2O3-TiO
3、PbTiO3-PbZrO 3、BaTiO3-SrTiO3-La2O3-TiO2、SrTiO3
-CaTiO3-Bi2O3-TiO2などが挙げられる。
【0049】これら焼結体の微粉末は1000℃以上の高温
で熱処理されたものであり、化学的に安定で他の物質と
化学反応を起こすこともないので、弾性体2を得るため
の液体原料や弾性体2を構成する高分子の極性の有無や
製造工程の温度を選ぶこともない。微粉末の粒径は限度
なく小さくすることが可能であるので、セラミックス微
粉末4を混入した導電性弾性体の電気抵抗の位置ばらつ
きを抑制することが可能となる。
【0050】また、セラミックス微粉末4の誘電率が大
きいものを選択することにより、セラミックス微粉末4
に電荷が充電されることがないので、印加電圧に対して
も体積抵抗率変動を示すことがない。
【0051】酸化チタン単体を用いた場合は、誘電率が
100前後であるため、弾性体2への混入量が増加するこ
とによる弾性体2の硬度上昇や導電性弾性体表面への染
み出しなどの障害だけでなく、十分に体積抵抗率を下げ
ることができず、中抵抗の導電性弾性体を得ることがで
きていない。従って、中抵抗の導電性弾性体を得るため
には、誘電率が100以上、より好適には200以上のセラミ
ックス微粉末4を使用することが望ましい。この条件を
満たすセラミックス微粉末4は少なくとも酸化チタンを
含む2種もしくは3種以上の化合物からなるセラミック
ス微粉末4が多く存在する。
【0052】導電性添加剤以外の添加剤としては、他に
加硫剤、加流促進剤、発泡剤、老化防止剤、補強剤、充
填剤を必要に応じて配合する。
【0053】上記加硫剤としては、例えば硫黄、有機含
硫黄化合物の他、有機過酸化物なども使用可能である。
有機含硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウ
ラムジスルフィド等が挙げられる。また、有機過酸化物
としては、べンゾイルペルオキシド等を挙げることがで
きる。なお、これらのうち、加硫とともに発泡を行う場
合に加硫速度と発泡速度のバランスが良くなる点から硫
黄を用いるのが好ましい。
【0054】上記加硫促進剤としては、例えば、消石
灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機
促進剤や、以下に記す有機促進剤を使用することができ
る。有機促進剤としては、例えば、2−メルカプトベン
ゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
ールスルフェン等のチアゾール系加硫促進剤や、n−ブ
チルアミン、tert−ブチルアミン、プロピルアミン
等の脂肪族第1アミンと2−メルカプトベンゾチアゾー
ルとの酸化縮合物、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジ
ン、ピペリジン等の脂肪族第2アミンと2−メルカプト
ベンゾチアゾールとの酸化縮合物、脂環式第1アミンと
2−メルカプトペンゾチアゾールとの酸化縮合物、モリ
フォリン系化合物と2−メルカプトベンゾチアゾールと
の酸化縮合物等のスルフェンアミド系加硫促進剤や、テ
トラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テト
ラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチル
チウラムジモノスルフィド(TETD)、テトラブチルチウ
ラムジモノスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系加硫促進
剤や、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC) 、ジエ
チルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチ
ルカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)等のジチオカルバミン酸
塩系加硫促進剤などを使用することができる。また、加
硫促進助剤を配合することもでき、例えば、亜鉛華など
の金属化合物やステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸
等の脂肪酸を用いることができる。
【0055】上記発泡剤としては、例えば、水、A.I.B.
N.(アゾビスイソブチロニトリル)系、A.D.C.A.(アゾ
ジカルボンアミド)系、D.P.T.(ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン)系、T.S.H.(P-トルエンサルフオニル
ヒドラジド)系、O.B.S.H.(4,4’−オキシビスベン
ゼンスルホニルヒドラジッド)などの有機系発泡剤が用
いられる。発泡剤の配合量は組成物のゴム成分100重量
部に対して5〜11重量部程度とする。これは5重量部未満
では発泡が不十分になり、11重量部よりも多くなると発
泡剤が加硫を阻害して、加硫が不十分になるためであ
る。組成物を発泡体とした場合、柔軟性が向上する。こ
れを転写手段として使用したときに、感光体と転写手段
のニップが十分に確保でき、良好な画質を得ることがで
きる。
【0056】老化防止剤としては、例えば、2−メルカ
プトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニ
ル−α−ナフチルアミン,N,N′−ジ−β−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェ
ノールなどのフェノ一ル類などが挙げられる。
【0057】充填剤としては、例えば、シリカ、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩(DL
P)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を挙
げることができる。充填剤を配合するとゴム組成物の強
度が向上する。
【0058】次に、本発明による導電性弾性体の製法を
説明すると、まず1種類または2種類以上を組み合わせ
た上記2種もしくは3種以上の化合物からなるセラミッ
クス微粉末4と上記発泡剤、過酸化物または白金触媒存
在下でのハイドロジェンポリシロキサンや硫黄などの加
硫剤を所望の割合で一様に分散させた未加硫・未発泡の
ゴム材料をオープンロール、バンバリーミキサー等の公
知のゴム混練装置を用いて混練する。この時、必要に応
じて加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、補強剤、老化防止
剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合することもでき
る。
【0059】次いで上記未加硫・未発泡のゴム材料を、
例えばプレス成形、押出成形、射出成形などの方法によ
り形成し、加熱処理による加硫・発泡・硬化を行って、
未発泡弾性体と基体1を一体化させ、金型の内周面に沿
った形状を有する目的の弾性体2を得ることができる。
【0060】基体1は弾性体2の硬度を高くせずとも基
体1でささえることができ、時間的なへたりなどによる
圧力抜けを生じ耐久寿命が短くなることを防止すること
が可能となる。基体1には、その外周に耐熱温度が220
℃の接着剤が塗布されており、この弾性体2の表面に作
製させたスキン層を研磨及び研削する。これにより、弾
性体2の硬度を低下させることができ、圧接部材との摩
耗を防止することができると共に、疲労によるスキン層
のひび割れを事前に防止できる。以上の工程から基体1
と弾性体2のみから構成される導電性弾性体を得られ
る。
【0061】圧接部材との摩耗負荷による導電性弾性体
の摩耗劣化や基材ゴムの組成変化及び不純物混入による
導電性弾性体の体積固有抵抗率変化、上記導電性弾性体
による圧接部材汚染などの不具合防止、さらにトナ−の
離型性を向上させることによるクリ−ニング、導電性弾
性体の強度上昇を考慮した場合、上記工程により得られ
た弾性体2の表層に、上記セラミックス微粉末4をド−
プすることにより、抵抗率を調整した可撓性合成樹脂3
からなる被覆層を熱収縮により設ける方が好ましい。
【0062】この被覆層の被覆法は熱収縮に限らず、被
覆層を真空板により拡大膨張させ、その内部に弾性体2
を挿入することにより被覆しても良く、その他様々な手
法を用いることができる。この際、弾性体2と被覆層の
間に接着剤を用いてもかまわないが、リサイクルの際に
被覆層を容易に剥離することができ、導電性弾性体表面
に接着剤が染み出すことが無く、導電性弾性体全体の体
積抵抗率に悪影響を及ぼさないものが好ましく、接着剤
を用いずに弾性体2と被覆層を接着できるのが最も好ま
しい。即ち、接着剤を用いず上記被覆層を接着すること
により、リサイクルの際に被覆層を容易に剥がすことが
でき、被覆層下層をそのまま再利用することが可能とな
り、環境にやさしく、コストダウンにもなる。また、接
着剤が導電性弾性体表面に染み出すことが無く、ゴムロ
−ラ全体の体積抵抗率に及ぼす悪影響を防止することも
できる。
【0063】次に、本発明の一実施形態であるローラ形
状を有する発泡弾性体は、具体的には以下の方法で作製
するのが作業上及び性能上好ましい。すなわち、所望の
BaTiO3やPbTiO3-PbZrO3等のセラミックス微粉末4を適
量配合したゴム組成部の構成材料を混練機にて60〜120
℃で、5〜30分間混練し、押し出し成形機にてチューブ
状に成形し、その内径部に基体1を嵌入する。そして12
0〜200℃で5〜30分間加硫し、2次加硫を150〜180℃で1
〜4時間行う。この時、加流と同時に前述したアゾジカ
ルボンアミドなどの発泡剤を装入し、平均気泡径が250
μm以下で、且つ硬度が20〜60度の範囲内にある発泡弾
性体を得ることができる。加流終了後、取り出した導電
性弾性体は、所望の径となるよう必要に応じて表面研磨
を施す仕上げを行うことにより、スキン層を除去し、ロ
−ラ形状である場合は外径、真円性、円筒度を、ブレ−
ド形状である場合は真直度、平面度を出す。
【0064】次いで可撓性合成樹脂3、例えば、ポリエ
チレン樹脂チューブからなるチューブを弾性体2に熱収
縮密着させた後熱融着させ被覆層を形成する。ここで用
いられるポリエチレン樹脂チューブは、BaTiO3やPbTiO3
-PbZrO3等のセラミックス微粉末4を配合することによ
り、好ましくは104 〜1012Ω・cmの体積抵抗率となるよ
うに調整したもので、熱収縮性がなくてもよいが、好ま
しくは熱収縮性のものである。この際、接着剤は使用し
ていない。
【0065】このように弾性体2に被着した可撓性合成
樹脂チューブを、加熱により発泡ゴム弾性層に対して融
着させるが、その際の加熱はできるだけ均一であること
が望ましく、空気循環式の加熱炉を用いて徐々に昇温す
ることが好ましい。そしてその熱処理の温度範囲は、10
0〜170℃の範囲であることが好ましい。100℃より低い
ときは密着が十分でなく、また170℃より高過ぎるとき
は、弾性層の表面平滑度や硬度がばらつくなどの欠点が
現れるので望ましくない。
【0066】本発明によるローラ形状を有する導電性弾
性体を図4に示す画像形成装置に組み込み実験を行った
結果を以下に記す。尚、ここでローラとしては、ロ−ラ
長さが220mm。(被覆長さも同様)、ロ−ラ径及び弾性
層厚さが18φで5mmのロ−ラと30φで8mmのロ−ラを使用
し、硬度を振るために発泡タイプとソリッドタイプを併
用して検討した。
【0067】まず、被覆層である可撓性合成樹脂の厚
さ、10〜300μmについて調査を行った結果を表1に示
す。可撓性合成樹脂の厚さが30μm以下の場合、特に10
μm近傍では成形時のしわが生じただけでなく、十分な
耐摩耗性を有することができず帯電、転写時の異常放電
等によるピンホ−ルが発生し、250μm以上の場合、特に
270μm以上の場合は導電性弾性体の硬度が上昇してしま
い、所望の硬度を有する導電性弾性体を得る事ができな
かった。
【0068】次に、被覆層である可撓性合成樹脂の伸び
率、0〜600%について調査を行った結果を表2に示す。
伸び率が10%以下の場合、特に0%近傍の場合には対向
部材との圧接時に被覆層のひび割れが生じ、500%以上
の場合、特に600%以上の場合には研磨性が悪くなり所
望の表面粗さ(円筒度・平面度)が得られなかった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】 次に、セラミックス微粉末の平均粒径及び誘電率につい
ての導電性弾性体電気的特性の調査を行った結果を表3
及び4に示す。平均粒径が6μm以下の場合で特に5μm以
下で抵抗値の最も高い部分と抵抗値の最も低い部分の比
は1.2倍を下回ること、また誘電率が200以下の場合で特
に100以下である場合は印加電圧に対して体積抵抗率が
依存し、印加電圧の上昇に伴い体積抵抗率が急激に上昇
することがわかった。この傾向は誘電率が300以上にな
るとほとんどなくなる。従って、帯電、現像及び転写手
段に使用する場合はセラミックス微粉末の平均粒径6μm
以下及び誘電率100以上、より好適には、平均粒径5μm
以下及び300以上が望ましいことが判明した。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】 次いで、導電性弾性体の全体硬度5〜80°について調査
を行った結果を表5に示す。硬度が10°以下の場合、特
に5°近傍では十分な復元力を有することができずC-set
を生じてしまい、70°以上で特に80°以上であると感光
体などの対向部材の摩耗劣化を生じてしまった。転写手
段として使用した際、十分なニップ幅を得ることができ
たのは10〜70°の範囲、さらに好ましくは20〜60°であ
った。
【0073】
【表5】 導電性弾性体の体積抵抗率について調査を行った結果を
表6に示す。抵抗率測定の方法としては、この導電性弾
性体を感光体に片側500gfの力で圧接しながら、印加電
圧1000Vを印加して、普通紙を通紙し、この時の転写電
流値を測定する。次に感光体をアルミ素管に交換して、
測定した転写電流値で1分間、定電流制御を行い1分後
の電圧値を測定する。得られた転写電流値と電圧値を基
に体積固有抵抗率を計算した。
【0074】転写手段として使用した際、1×106Ω・cm
以下及び1×109Ω・cm以上の場合、特に1×105Ω・cm
以下及び1×1010Ω・cm以上の場合には、転写電流の過
不足やパッシェン放電のため転写効率の低下及びトナ−
飛散、文字の中抜け等の画像劣化を生じ、良好な画像は
得られなかった。これに対し、1×106Ω・cm以上1×1
09Ω・cm以下の場合、特に1×108Ω・cm以下及び1×1
07Ω・cm以上の場合には、印加電圧さえ制御すれば良好
な画質を得ることができた。
【0075】
【表6】 以上から、被覆層を形成する可撓性の合成樹脂の厚さが
30μm〜250μmであることにより、成形時のしわや帯
電、転写時の異常放電等によるピンホ−ルを防ぐことが
できるとともに、導電性弾性体の適切な硬度及び体積固
有抵抗、耐摩耗強度を保持することができる。
【0076】また、上記体積固有抵抗の設定値は、転写
効率、転写によるトナー飛散や文字の中抜け等の画質か
ら考慮すると、107〜108Ω・cm程度がよく、この値に対
して、電気抵抗の位置ばらつき及び連続通電の際の電気
抵抗変動が1.2倍以内で、環境変化に対する抵抗率変動
及び印加電圧に対する抵抗率変動が0.5桁以内であれ
ば、実使用においても問題無いことが確認できた。
【0077】上記検討結果をふまえて、導電性弾性体の
環境変化に伴う体積抵抗率変動の検討を行った。各環境
(LL:5℃・20%、NN:20℃・50%、HH:35℃・80%)
で測定を行い、得られた結果を図5に記す。尚、縦軸の
1.0E+06、1.0E+07、1.0E+08、1.0E+09、1.0E+10は夫
々、1.0×106、1.0×107、1.0×108、1.0×109、1.0×1
010、を表しており、図6〜図8の標記についても同様
である。
【0078】比較対象として、イオン導電性充填剤をド
−プした有極性高分子から成る導電性弾性体とカ−ボン
ブラックをド−プした無極性高分子から成る導電性弾性
体を(イオン導電性充填剤をドープした導電性弾性体、
カーボンブラックをドープした導電性弾性体、本発明の
実施形態に係る導電性弾性体)それぞれ測定して、その
違いを検証した。結果としては、LL〜HHの環境変動で、
全体体積抵抗率が2×108Ω・cm(NN値)のイオン導電性
充填剤をド−プした有極性高分子から成る導電性弾性体
が1.5桁変動しているのに対し、全体体積抵抗率が9×10
7Ω・cm(NN値)の本発明の導電性弾性体及び全体体積
抵抗率が1×108・cm(NN値)のカ−ボンブラックをド−
プした無極性高分子から成る導電性弾性体はほとんど変
動していない。
【0079】次に前記の各々の導電性弾性体に0.2〜2.6
kVまで0.2kV毎に印加電圧を変化させていき、その時流
れる転写電流値から体積抵抗率の変化を測定し、得られ
た結果を図6に示す。
【0080】600V(0.6kV)と1400V(1.4kV)を印加
時の体積固有抵抗率を比較すると、本発明の実施形態に
係る導電性弾性体及びイオン導電性充填剤をド−プした
有極性高分子から成る導電性弾性体においては、ほとん
ど変動していないのに対し、カ−ボンブラックをド−プ
した無極性高分子から成る導電性弾性体においては1桁
変動しているという結果が得られた。
【0081】即ち、抵抗率の印加電圧依存性が少ない
程、転写材の種類やサイズに影響されず、良好な転写を
行うことができることから、本発明に係る導電性弾性体
は良好な転写性を有することになる。
【0082】次に、電気抵抗の位置ばらつきについて検
討した結果を図7に示す。このときの条件は、外径φ1
8、長さ245mmの導電性弾性体を用いて、10mm幅の銅テー
プを等間隔に周方向で90度毎に4点、長手方向で8点、合
計32点設置し、印加電圧1000Vで測定を行うというもの
である。
【0083】結果として、本実施形態における導電性弾
性体及びイオン導電性充填剤をド−プした有極性高分子
から成る導電性弾性体においては、抵抗値の最も高い部
分は抵抗値の最も低い部分の1.2倍であったのに対し、
カ−ボンブラックをド−プした無極性高分子から成る導
電性弾性体においては約6.6倍であった。
【0084】本実施形態の導電性弾性体及びイオン導電
性充填剤をド−プした有極性高分子から成る導電性弾性
体、カ−ボンブラックをド−プした無極性高分子から成
る導電性弾性体を用い、実際に画像形成を行うときの性
能を確かめるべく、実機試験を行った。
【0085】ここでは、画像形成装置の感光体をアルミ
ニウム素管に変更し、NN下において1000Vの電圧を印加
したまま150時間連続して回転させた後、前述した同様
の方法により体積固有抵抗率を測定した。結果として、
連続通電前後の比較では、本発明の導電性弾性体及びカ
−ボンブラックをド−プした無極性高分子から成る導電
性弾性体において抵抗率上昇は1.2倍以内となったのに
対し、イオン導電性充填剤をド−プした有極性高分子か
ら成る導電性弾性体において抵抗率上昇は7倍以上とな
った。
【0086】次いで、劣化した本発明の導電性弾性体の
被覆層を剥がし、同じ弾性層上に再度被覆層を設けるこ
とによりリサイクルした導電性弾性体も、新規の導電性
弾性体と同等の性能を再現できることを確認した。これ
により、このような高分子発泡弾性体のリサイクルを容
易にし、環境にやさしく製造コストをダウンさせること
も可能となる。さらに、被覆層無しの導電性弾性体の表
面にはトナ−が目詰まりしてクリ−ニングが困難であっ
たが、被覆層を設けた導電性弾性体はトナ−の離型性が
良くクリ−ニングは容易にできた。
【0087】図8は、本実施形態に係る導電性弾性体に
よる転写効率と文字抜け、トナー飛散を示すグラフであ
り、(a)は導電性弾性体に被覆層のある場合、(b)
が被覆層のない場合をそれぞれ表す。そして、LL、NN、
HH環境下にて、グレースケール,黒ベタ,白ベタ画像を
印刷したところ、図8(a)に示すように被覆層を設け
た導電性弾性体はそれぞれ良好な画像(トナ−の転写効
率が良くトナ−飛散や濃度むらが発生しない)が得られ
たのに対し、被覆層無しの導電性弾性体においては、図
8(b)に示すように、LLにおいて転写効率が低下し所
望の濃度が得られなかった。
【0088】被覆層を設けた導電性弾性体については、
被覆層の体積抵抗率を弾性層の体積抵抗率よりも高くし
ているため(ρ1>ρ2)、記録紙のサイズが導電性弾
性体幅よりも小さくなっても転写電流が逃げることなく
良好な画質を得ることができた。そのときの実験結果を
表7に示す。
【0089】
【表7】
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、弾性体に対する導電性
充填剤として、セラミックス微粉末を使用することによ
り、第4アンモニウム塩などのイオン導電性充填剤より
も化学的に安定で、弾性体を構成する高分子やその他の
混合物質と化学変化を生じることなく、弾性体を構成す
る高分子の極性の有無や製造工程の加熱温度を選ぶこと
もないという効果がある。
【0091】また、カ−ボンブラックなどの電子導電性
充填剤よりも粒径を小さくすることが可能なので、導電
性充填剤の分布状態による電気抵抗の位置ばらつきや印
加電圧による体積抵抗率の変動が生じることもない。し
たがって、イオン導電性充填剤や電子導電性充填剤の環
境変化、印加電圧による体積抵抗率の変動や、電気抵抗
の位置ばらつき、連続通電時の電気抵抗変動などの問題
を抑制した理想的な導電性弾性体を得ることができる。
環境変化に伴う抵抗率変動がなければ、各環境条件を検
知し、検知した環境に従い転写バイアスを変化させると
いった制御が不要となる。
【0092】さらに上記セラミックス微粉末の誘電率が
100以上であることにより、導電性弾性体に電圧を印加
する際、セラミックス微粉末に電荷が充電されることな
く、印加電圧の上昇に伴って徐々に電流が増加すること
から、印加電圧による体積抵抗率の変動を抑制でき、連
続通電時の電気抵抗変動も防止できる。
【0093】またさらに、上記セラミックス微粉末とし
て少なくとも2種以上の化合物から成る焼結体微粉末が
使用されることにより、1種の化合物からなる焼結体微
粉末よりもさらに化学的に安定で、弾性体を構成する高
分子やその他の混合物質と化学変化を生じることなく、
弾性体を構成する高分子の極性の有無や製造工程の加熱
温度を選ぶこともない。また、価格も比較的安価である
という格別の効果を奏し得る。
【0094】またさらに、上記2種以上の化合物から成
る焼結体微粉末の少なくとも1種の化合物に酸化チタン
を含むことにより、誘電率が150以上の焼結体微粉末を
得ることや安価に製造することが容易となり、環境にや
さしい導電性充填剤を提供することができる。
【0095】またさらに、上記2種以上の化合物から成
る焼結体微粉末がBaTiO3、PbTiO3またはSrTiO3であるこ
とにより、誘電率が200以上の導電性充填剤を提供する
ことができ、印加電圧の上昇に伴って徐々に電流が増加
することから、印加電圧による体積抵抗率の変動を抑制
することができる。
【0096】またさらに、上記セラミックス微粉末とし
て、少なくとも3種以上の化合物から成る焼結体微粉末
が使用されることにより、1、2種の化合物からなる焼
結体微粉末よりもさらに化学的に安定となり、弾性体を
構成する高分子やその他の混合物質と不要な化学変化を
生じることなく、弾性体を構成する高分子の極性の有無
や製造工程の加熱温度を選ぶこともない。また、1、2
種の化合物からなる焼結体微粉末よりも誘電率が高い焼
結体微粉末を得られるという効果もある。
【0097】またさらに、上記3種以上の化合物から成
る焼結体微粉末の1種の化合物に少なくとも酸化チタン
を含むことにより、誘電率が300以上の焼結体微粉末を
得ることが容易となり、安価に製造することができ、環
境にやさしい導電性充填剤を提供することができる。
【0098】またさらに、上記3種以上の化合物から成
る焼結体微粉末がPbTiO3-PbZrO3、BaTiO3-SrTiO3-La2O3
-TiO3であることにより、誘電率が600以上の導電性充填
剤を提供することができ、印加電圧の上昇に伴って徐々
に電流が増加することから、印加電圧による体積抵抗率
の変動を抑制することができる。
【0099】またさらに上記セラミックス微粉末の平均
粒径が5μm以下であることにより、イオン導電性充填剤
を使用した場合と同等の分散状態を実現することができ
るので、電気抵抗の位置ばらつきを生じない導電性弾性
体を得ることができる。
【0100】またさらに、上記弾性体を形成する基質が
無極性ゴムのエチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム
(EPDM)であることにより、弾性体を形成する基質自身
が環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがないの
で、弾性体に導電性を付加させるために混入させる導電
性充填剤を選択することにより、ほとんど環境変化に伴
う体積抵抗率変動を生じることがない導電性弾性体を得
ることができる。環境変化に伴う抵抗率変動がなけれ
ば、各環境条件を検知し、検知した環境に従い転写バイ
アスを変化させるといった複雑な制御が不要となる。
【0101】またさらに、上記導電性弾性体の硬度が10
〜70°であることにより、転写手段として使用した場
合、導電性弾性体を感光体と対向して当接した際に形成
されるニップ幅が十分に確保でき、安定した画質が得ら
れ、安定した転写材の搬送ができるという効果を奏し得
る。
【0102】尚、上記導電性弾性体の体積固有抵抗率を
106〜109Ω・cmとすることにより、転写手段として使用
した場合、転写材を選ばず、全環境に渡って良好な転写
性能を得ることもできる。
【0103】またさらに、上記導電性弾性体の表層に被
覆層を設けることにより、圧接部材との摩耗負荷による
導電性弾性体の摩耗劣化や基材ゴムの組成変化及び不純
物混入による導電性弾性体の体積固有抵抗率の変化、上
記導電性弾性体による圧接部材汚染などの不具合を防止
でき、さらに被覆層をセラミックス微粉末により導電性
を付加させることで、環境変化、印加電圧による体積抵
抗率の変動や、電気抵抗の位置ばらつきが生じることを
抑制できる。環境変化に伴う抵抗率変動がなければ、各
環境条件を検知し、検知した環境に従い転写バイアスを
変化させるといった制御が不要になるという格別な効果
を奏し得る。
【0104】尚、上記被覆層が可撓性の合成樹脂からな
るように構成しても良く、子の場合には圧接部材との摩
耗負荷による導電性弾性体の摩耗劣化や基材ゴムの組成
変化及び不純物混入による導電性弾性体の体積固有抵抗
率の変化さらには、上記導電性弾性体による圧接部材汚
染などの不具合を防止、さらにトナ−の離型性を向上さ
せることによりクリ−ニングを容易にし、導電性弾性体
の強度が上昇することによりロングライフを実現するこ
とが可能となる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥がす
ことができるため、被覆層下層をそのまま再利用するこ
とが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもな
る。
【0105】また、上記被覆層を形成する可撓性の合成
樹脂の厚さが30μm〜250μmであるように構成しても良
く、この場合には、成形時のしわや帯電、転写時の異常
放電等によるピンホ−ルを防ぐことができるとともに、
上記導電性弾性体の適切な硬度及び体積固有抵抗、耐摩
耗強度を保持することもできる。
【0106】さらに、上記被覆層の伸び率を10〜500%
であるように構成しても良く、この場合には、伸び率が
10%以下の場合、被覆層下層が低硬度の場合に生じる上
記被覆層のひび割れ、500%以上の場合、研磨性が悪く
なるため所望の表面粗さが得られない、また電気抵抗の
位置ばらつきが増大するといった問題を回避できる。
【0107】またさらに、上記被覆層の体積固有抵抗率
ρ1と上記導電性弾性体の体積固有抵抗率ρ2の関係がρ
1>ρ2とするように構成しても良く、この場合には、
導電性弾性体表層及び長手方向への電荷移動速度を適正
化でき、例えば転写手段として使用した場合、記録紙の
サイズがロ−ラ幅よりも小さくなっても転写電流が逃げ
ることなく良好な画質を得ることができる。
【0108】またさらに、上記被覆層を形成する可撓性
の合成樹脂の基質が無極性高分子樹脂であるようにして
も良く、環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じない導電
性弾性体が得られる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥
離でき、被覆層下層をそのまま再利用することが可能と
なり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。
【0109】またさらに、上記被覆層を形成する可撓性
の合成樹脂の基質をポリエチレンとすることにより、上
記被覆層自身が環境変化による体積抵抗率変動を生じな
いことから、全体として導電性弾性体の環境変化による
体積抵抗率変動を抑制することが可能となる。この場
合、耐オゾン性に優れ、導電性弾性体の強度を上昇させ
るだけでなく、トナ−の離型性を良くしクリ−ニング性
を向上させ、導電性弾性体表面のセルへのトナ−の侵入
を防止することにより、導電性弾性体の体積抵抗率の上
昇を防止できる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥がす
ことができるため、被覆層下層をそのまま再利用するこ
とが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもな
る。
【0110】またさらに、上記導電性弾性体の表層に上
記被覆層を接着する手段として、接着剤を用いず上記被
覆層を接着するようにしても良く、リサイクルの際に被
覆層を容易に剥離でき、被覆層下層をそのまま再利用で
きるので、環境にやさしく、コストダウンにもなる。ま
た、接着剤が導電性弾性体表面に染み出すことが無く、
ゴムロ−ラ全体の体積抵抗率に及ぼす悪影響を防止する
できる。
【0111】またさらに、上記導電性弾性体を無端状の
ベルト形状でとすることも可能であり、この場合には、
例えば転写ベルトとして使用した場合、ニップ幅が多く
とれるなどのメリットから高画質を実現できたり、カラ
−の場合は多重転写方式よりもプロセススピ−ドが速い
タンデム方式に利用できる。また、転写ベルトと共に転
写材を搬送するので、転写材の適切な搬送も実現でき
る。
【0112】またさらに、基体上に上記導電性弾性体と
を少なくとも1層有するように構成しても良く、この場
合には、導電性弾性体の硬度を高くせずとも導電性弾性
体を基体で支えることができ、マシン内で使用した場
合、時間的なへたりなどによる圧力抜けを生じ耐久寿命
が短くなることを防止でき、設計及び量産を容易にする
とすることができる。
【0113】またさらに、上記導電性弾性体が無端状の
ロ−ラ形状とすることもでき、この場合、例えば転写ロ
−ラとして使用した場合、対向部材(OPC)との圧接を
容易にし転写に十分なニップ幅を得ることができ高画質
な画像を得ることができる。また、対向部材(OPC)と
転写ロ−ラが転写材を圧接するので、転写材の適切な搬
送も実現することが可能となる。
【0114】またさらに、上記導電性弾性体が平板状ブ
レ−ド形状にすることもでき、例えば転写ブレ−ドとし
て使用した場合、転写ロ−ラと比較して、転写部の上流
部分でのトナ−飛散が少なく、対向部材(OPC)との同
等なニップ幅を得る導電性弾性体の容積は小さくてす
み、構成が簡単で特別な製造技術を必要とすることなく
安価で製造することが可能となる。
【0115】またさらに、前記導電性弾性体を帯電、現
像及び転写手段として使用することにより、環境変化に
よる導電性弾性体の体積抵抗率変動はしないので、印加
電圧等を変化させる高価な電源は必要なく、マシンのコ
ストダウンにつながる。さらに、耐オゾン性に優れ、導
電性弾性体の強度を上昇させるだけでなく、トナ−の離
型性を良くしクリ−ニング性を向上させ、導電性弾性体
表面のセルへのトナ−の侵入を防止することにより、導
電性弾性体の体積抵抗率の上昇を防止でき、品質的に優
れた画像を得られる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥
離できることから、被覆層下層をそのまま再利用するこ
とが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもつ
ながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るローラ形状を有する
導電性弾性体の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るローラ形状を有する導
電性弾性体の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るブレ−ド形状を有する
導電性弾性体の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるローラ形状を有する
導電性弾性体を画像形成装置に適用したときの概略構成
を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る導電性弾性体の各環境
における体積固有抵抗率の変動を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態に係る導電性弾性体の印加電
圧変化における体積固有抵抗率の変動を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の実施形態に係る導電性弾性体の電気抵
抗の位置ばらつきを示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態に係る導電性弾性体による転
写効率と文字抜け、トナー飛散を示すグラフであり、
(a)は導電性弾性体に被覆層のある場合、(b)が被
覆層のない場合をそれぞれ表す。
【符号の説明】
1 基体 2 弾性体 3 表層部 4 セラミック微粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/08 501D 5G307 15/16 15/16 H01B 3/44 H01B 3/44 F 5/02 5/02 A (72)発明者 亀井 幸和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 大西 英樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 若原 史郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC05 EE11 2H032 AA05 BA05 2H077 AD02 AD06 FA21 FA25 5G303 AA10 AB01 AB20 BA01 BA02 CA01 CA09 CB03 CB15 CB25 CB32 CB35 CB39 5G305 AA20 AB40 BA15 BA21 BA22 BA25 BA26 CA01 CA08 CA47 CA51 CC02 CD16 CD20 5G307 BA04 BB04 BB09 BC10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯体からなる基体部と、該基体部を被覆
    し導電性を有する弾性体からなる弾性部と、該弾性部を
    被覆し導電性を有する表層部とからなる少なくとも3層
    構造をなす導電性弾性体であって、 前記弾性部に導電性を付加するべく混入させる導電性充
    填剤はセラミックス微粉末を含むことを特徴とする導電
    性弾性体。
  2. 【請求項2】 上記セラミックス微粉末の誘電率は100
    以上であることを特徴とする請求項1記載の導電性弾性
    体。
  3. 【請求項3】 上記セラミックス微粉末として2種以上
    の化合物から成る焼結体微粉末が使用されることを特徴
    とする請求項1記載の導電性弾性体。
  4. 【請求項4】 上記2種以上の化合物から成る焼結体微
    粉末の少なくとも1種の化合物は酸化チタンを含むこと
    を特徴とする請求項3記載の導電性弾性体。
  5. 【請求項5】 上記2種以上の化合物から成る焼結体微
    粉末がBaTiO3、PbTiO3またはSrTiO3の何れか1つを含む
    ことを特徴とする請求項3及び4記載の導電性弾性体。
  6. 【請求項6】 上記セラミックス微粉末として、少なく
    とも3種以上の化合物から成る焼結体微粉末が使用され
    ることを特徴とする請求項1記載の導電性弾性体。
  7. 【請求項7】 上記3種以上の化合物から成る焼結体微
    粉末の1種の化合物に少なくとも酸化チタンを含むこと
    を特徴とする請求項6記載の導電性弾性体。
  8. 【請求項8】 上記3種以上の化合物から成る焼結体微
    粉末がPbTiO3-PbZrO 3、BaTiO3-SrTiO3-La2O3-TiO3であ
    ることを特徴とする請求項6及び7記載の導電性弾性
    体。
  9. 【請求項9】 上記セラミックス微粉末の平均粒径が6
    μm以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性
    弾性体。
  10. 【請求項10】 上記弾性体を形成する基質が無極性ゴ
    ムのエチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)で
    あることを特徴とする請求項1記載の導電性弾性体。
  11. 【請求項11】 上記導電性弾性体の硬度が10〜70°で
    あることを特徴とする請求項1記載の導電性弾性体。
  12. 【請求項12】上記表層部に、セラミックス微粉末から
    なる導電性充填剤を含有する被覆層を備えたことを特徴
    とする請求項1に記載の導電性弾性体。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項12の何れか一項
    に記載の導電性弾性体を、像担持体表面を接触帯電させ
    る帯電手段、前記像担持体表面に形成される静電潜像に
    現像剤を供給して顕像化する現像手段、及び上記像担持
    体上に形成された顕像を記録媒体に転写する転写手段の
    うちの少なくとも1つに用いたことを特徴とする画像形
    成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007182586A (ja) * 2007-03-27 2007-07-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
US7365119B2 (en) 2003-05-27 2008-04-29 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for tire tread comprising a piezoelectric material
JP2008122617A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc 現像ローラ、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2009265168A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Canon Inc 保護層付き現像ローラ、電子写真用プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置

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