JP2001184121A - センサ劣化検知装置 - Google Patents

センサ劣化検知装置

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JP2001184121A
JP2001184121A JP36550199A JP36550199A JP2001184121A JP 2001184121 A JP2001184121 A JP 2001184121A JP 36550199 A JP36550199 A JP 36550199A JP 36550199 A JP36550199 A JP 36550199A JP 2001184121 A JP2001184121 A JP 2001184121A
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sensor
plant
deterioration
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model
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JP36550199A
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Chikasuke Nakamura
愼祐 中村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラントのセンサ劣化とプラント特性変化と
を精度よく分離し、センサ自体の劣化を確実に検知する
こと。 【解決手段】 運転開始時のプラント入出力データをも
とに生成した初期プラントモデル1と、運転開始後のプ
ラント入出力データをもとに生成した時間経過後プラン
トモデル2と、初期プラントモデル1をもとにプラント
内の所定のセンサの劣化を推定するセンサ劣化推定部4
と、センサ劣化推定部による所定のセンサの劣化と実プ
ラント3の出力との類似性を判定する類似性判定部6
と、時間経過後プラントモデル2の出力と実プラント3
の出力との類似を判定する類似性判定部7と、類似性判
定部6,7の判定結果をもとに所定のセンサのみの劣化
と、所定のセンサおよび実プラント3自体の特性変化と
のいずれが生じたのかを判定するセンサ劣化判定部8
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラントを運転
制御する場合に、該プラントの物理モデルまたは状態推
定モデルを構築し、このモデルをもとに実プラント内の
所定のセンサの出力劣化を検知するセンサ劣化検知装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、プラントの運転制御を行う場
合に、このプラントの物理モデルまたは状態推定モデル
を構築し、このプラントのセンサ出力を推定することに
よって、実プラントにおけるセンサ劣化を検知するよう
にしていた。
【0003】たとえば、図5は、プラントの運転制御時
におけるセンサ劣化を検知する従来のセンサ劣化検知装
置の概要構成を示すブロック図である。図5において、
このセンサ劣化検知装置は、プラントの運転開始時にお
けるプラント入出力データをもとに構築した初期プラン
トモデル101と、プラントの運転開始後のプラント入
出力データをもとに構築した時間経過後プラントモデル
102とを有する。初期プラントモデル101、時間経
過後プラントモデル102、および実プラント103に
は、プラント運転制御のための入力109がデータS1
01として入力される。
【0004】相関性判定部106には、初期プラントモ
デル101から出力されるセンサ出力データS103と
実プラント103から出力されるセンサ出力データS1
05とが入力され、相関性判定部106は、センサ出力
データS103とセンサ出力データS105との相関を
とることによって類似性を判定し、その類似度をデータ
S106として出力する。相関性判定部107は、時間
経過後プラントモデル102から出力されるセンサ出力
データS104と実プラント103から出力されるセン
サ出力データS105とが入力され、相関性判定部10
7は、センサ出力データS104とセンサ出力データS
105との相関をとることによって類似性を判定し、そ
の類似度をデータS107として出力する。
【0005】すなわち、相関性判定部106は、プラン
ト内における判定対象のセンサ出力が全く劣化していな
いとする初期プラントモデル101からのセンサ出力デ
ータS103と実プラント103における判定対象のセ
ンサ出力状態との類似性を判定することによって、判定
対象のセンサ出力がどの程度劣化しているかを判定す
る。一方、相関性判定部107は、プラント内における
判定対象のセンサ出力の劣化を含めた時間経過後プラン
トモデル102からのセンサ出力データS104と実プ
ラント103における判定対象のセンサ出力状態との類
似性がどの程度ずれているかを判定する。
【0006】センサ劣化判定部108は、相関性判定部
106から出力されたデータS106と相関性判定部1
07から出力されたデータS107とをもとにプラント
のセンサが劣化しているか否かを判定する。すなわち、
センサ劣化判定部108は、相関性判定部106からの
データS106が示す類似性が小さい場合、あるいは相
関性判定部107からのデータS107が示す類似性が
小さい場合には、センサが劣化しているものと判定す
る。この判定結果を用いることによって、プラントの運
転制御を安全に行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のセンサ劣化検知装置では、実プラント103か
ら出力される実センサ値であるセンサ出力データS10
5が、センサの劣化だけではなく、実プラント103自
体の特性変化の影響を受けたデータであるため、センサ
のみが劣化しているか、実プラント103自体の特性が
変化したのかを峻別することができず、センサ自体の劣
化を確実に検知することができないという問題点があっ
た。
【0008】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
プラントのセンサ劣化とプラント特性変化とを精度よく
分離し、センサ自体の劣化を確実に検知することができ
るセンサ劣化検知装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかるセンサ劣化検知装置は、プラント
の物理モデルまたは状態推定モデルを構築し、このモデ
ルをもとに実プラント内の所定のセンサの出力劣化を検
知するセンサ劣化検知装置において、運転開始時のプラ
ント入出力データをもとに生成した初期プラントモデル
と、運転開始後のプラント入出力データをもとに生成し
た時間経過後プラントモデルと、前記初期プラントモデ
ルをもとにプラント内の前記所定のセンサの劣化を推定
するセンサ劣化推定手段と、前記センサ劣化推定手段に
よる前記所定のセンサの劣化と前記実プラントの出力と
の類似性を判定する第1の類似判定手段と、前記時間経
過後プラントモデルの出力と前記実プラントの出力との
類似を判定する第2の類似判定手段と、前記第1の類似
判定手段による判定結果と前記第2の類似判定手段によ
る判定結果とをもとに前記所定のセンサのみの劣化と、
前記所定のセンサおよび前記実プラント自体の特性変化
とのいずれが生じたのかを判定するセンサ劣化判定手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、運転開始時のプラント
入出力データをもとに初期プラントモデルを生成すると
ともに、運転開始後のプラント入出力データをもとに時
間経過後プラントモデルを生成し、センサ劣化推定手段
が、前記初期プラントモデルをもとにプラント内の前記
所定のセンサの劣化を推定し、第1の類似判定手段が、
前記センサ劣化推定手段による前記所定のセンサの劣化
と前記実プラントの出力との類似性を判定し、第2の類
似判定手段が、前記時間経過後プラントモデルの出力と
前記実プラントの出力との類似を判定し、センサ劣化判
定手段が、前記第1の類似判定手段による判定結果と前
記第2の類似判定手段による判定結果とをもとに前記所
定のセンサのみの劣化と前記所定のセンサおよび前記実
プラント自体の特性変化とのいずれが生じたのかを判定
するようにしている。
【0011】また、請求項2にかかるセンサ劣化検知装
置は、上記の発明において、前記センサ劣化推定手段
は、前記所定のセンサが劣化する複数の予測パターンを
予め求めておき、この複数の予測パターンをもとに前記
所定のセンサの劣化を推定することを特徴とする。
【0012】この発明によれば、センサ劣化推定手段
が、前記所定のセンサが劣化する複数の予測パターンを
予め求めておき、この複数の予測パターンをもとに前記
所定のセンサの劣化を推定するようにし、センサのみの
劣化推定を容易に行うようにしている。
【0013】また、請求項3にかかるセンサ劣化検知装
置は、上記の発明において、前記プラントのプラント入
出力と前記所定のセンサの出力との因果関係を物理的に
定式化できる場合、この定式化した式をもとに前記初期
プラントモデルおよび前記時間経過後プラントモデルを
生成することを特徴とする。
【0014】この発明によれば、前記プラントのプラン
ト入出力と前記所定のセンサの出力との因果関係を物理
的に定式化できる場合、この定式化した式をもとに前記
初期プラントモデルおよび前記時間経過後プラントモデ
ルを生成するようにしている。
【0015】また、請求項4にかかるセンサ劣化検知装
置は、上記の発明において、前記プラントのプラント入
出力と前記所定のセンサの出力との因果関係を物理的に
定式化することが困難な場合、該所定のセンサの各出力
値毎に状態推定方法あるいはニューラルネットワークに
よって該所定のセンサの出力値を推定することによって
前記初期プラントモデルおよび前記時間経過後プラント
モデルを生成することを特徴とする。
【0016】この発明によれば、前記プラントのプラン
ト入出力と前記所定のセンサの出力との因果関係を物理
的に定式化することが困難な場合、該所定のセンサの各
出力値毎に状態推定方法あるいはニューラルネットワー
クによって該所定のセンサの出力値を推定することによ
って前記初期プラントモデルおよび前記時間経過後プラ
ントモデルを生成するようにしている。
【0017】また、請求項5にかかるセンサ劣化検知装
置は、上記の発明において、前記プラントが、前記所定
のセンサの出力に対して高い類似性をもって出力する他
のセンサを有する場合、各センサの類似性をもとに前記
初期プラントモデルおよび前記時間経過後プラントモデ
ルを生成することを特徴とする。
【0018】この発明によれば、前記プラントが、前記
所定のセンサの出力に対して高い類似性をもって出力す
る他のセンサを有する場合、各センサの類似性をもとに
前記初期プラントモデルおよび前記時間経過後プラント
モデルを生成するようにしている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明にかかるセンサ劣化検知装置の好適な実施の形態を
説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定
されるものではない。
【0020】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1であるセンサ劣化検知装置の概要構成を示すブ
ロック図である。図1において、このセンサ劣化検知装
置は、プラントの運転開始時におけるプラント入出力デ
ータをもとに構築した初期プラントモデル1と、プラン
トの運転開始後のプラント入出力データをもとに構築し
た時間経過後プラントモデル2とを有する。初期プラン
トモデル1、時間経過後プラントモデル2、および実プ
ラント3には、プラント運転制御のための入力9がデー
タS1として入力される。初期プラントモデル1および
時間経過後プラントモデル2は、検知対象のセンサの出
力とその他のプラント入出力データとの因果関係を物理
的に定式化したものである。
【0021】センサ劣化推定部4は、検出対象のセンサ
の劣化パターンを予測した複数の予想パターン(予測パ
ターン)4−1〜4−nを有し、初期プラントモデル1
から出力される検出対象のセンサ出力データS2をもと
に、センサ劣化時の出力を推定し、この推定結果をセン
サ出力データS3として出力する。ここで、センサ劣化
推定モデル5は、初期プラントモデル1とセンサ劣化推
定部4とを有する。なお、初期プラントモデル1には、
検知対象のセンサ劣化を含めていない。また、時間経過
後プラントモデル2には、検知対象のセンサ劣化とプラ
ント自体の特性変化とを含めている。
【0022】相関性判定部6には、センサ劣化推定部4
から出力されるセンサ出力データS3と実プラント3か
ら出力されるセンサ出力データS5とが入力され、相関
性判定部6は、センサ出力データS3とセンサ出力デー
タS5との相関をとることによって類似性を判定し、そ
の類似度をデータS6として出力する。なお、実プラン
ト3から出力されるセンサ出力データS5は、実データ
である。相関性判定部7は、時間経過後プラントモデル
2から出力されるセンサ出力データS4と実プラント3
から出力されるセンサ出力データS5とが入力され、相
関性判定部7は、センサ出力データS4とセンサ出力デ
ータS5との相関をとることによって類似性を判定し、
その類似度をデータS7として出力する。
【0023】すなわち、相関性判定部6は、検知対象の
センサのみが劣化した場合のモデルによるセンサ出力
と、センサ劣化とプラントの特性変化とを含む実プラン
ト3からのセンサ出力との類似性を判定する。一方、相
関性判定部7は、センサ劣化とプラントの特性変化とを
含めたモデルによるセンサ出力と、センサ劣化とプラン
トの特性変化とを含む実プラント3からのセンサ出力と
の類似性を判定する。
【0024】センサ劣化判定部8は、相関性判定部6か
ら出力されたデータS6と相関性判定部7から出力され
たデータS7とをもとに、検知対象のセンサのみが劣化
しているのか、あるいは検知対象のセンサ劣化とプラン
トの特性変化とのいずれも生じているのかを判定する。
すなわち、センサ劣化判定部8は、相関性判定部6から
出力されたデータS6が高い類似度を示すデータである
場合には、検知対象のセンサのみが劣化しているものと
判定し、相関性判定部7から出力されたデータS7が高
い類似度を示すデータである場合には、検知対象のセン
サ劣化とプラント自体の特性変化との双方が生じている
いるものと判定する。これによって、センサ劣化のみが
発生しているのか、センサ劣化とプラント自体の特性変
化との双方が発生しているのかを確実に峻別することが
できる。
【0025】図2は、実施の形態1が適用されるプラン
トの一例を示す図である。図2では、熱交換器10を対
象のプラントとしている。図2において、熱交換器10
から流出する流体の出口温度Toutが検知対象のセンサ
出力である場合、出口温度Toutは、熱交換器10に流
入する入口温度Tinと、熱交換器10への入熱Qとによ
って計算することができる。すなわち、出口温度Tout
と、入口温度Tinおよび入熱Qとの因果関係は、物理的
に定式化することができる。このような場合、この出力
温度Toutの計算値と出口温度Toutの実測値とを比較
し、定式化した数式を実測値に合うように補正する。そ
して、この補正を行ったものを、初期プラントモデル1
および時間経過後プラントモデル2としている。
【0026】この実施の形態1によれば、プラントのセ
ンサ出力と、プラントのその他のセンサ出力との因果関
係を物理的に定式化できる場合、この定式化した式をも
とに初期プラントモデル1および時間経過後プラントモ
デル2を生成し、この初期プラントモデル1のセンサ出
力をもとにセンサ劣化推定部4がセンサのみのセンサ劣
化を推定し、相関性判定部6がこのセンサ劣化と実プラ
ント3のセンサ出力との類似性を判定し、相関性判定部
7が時間経過後プラントモデル2のセンサ出力と実プラ
ント3のセンサ出力との類似性を判定し、各相関性判定
部6,7の類似性判定結果をもとに、センサ劣化判定部
8が、センサ劣化のみが生じているのか、センサ劣化お
よびプラント自体の特性変化の双方が生じているのかを
確実に峻別し、プラント運転制御の安全性を担保するよ
うにしている。
【0027】(実施の形態2)つぎに、この実施の形態
2について説明する。実施の形態1では、検知対象のセ
ンサ出力と、他のセンサ出力との因果関係を物理的に定
式化できる場合について説明したが、この実施の形態2
では、検知対象のセンサ出力と、他のセンサ出力との因
果関係を物理的に定式化することが困難な場合でも、検
知対象のセンサ出力の劣化判定を確実に行うことができ
るようにしている。
【0028】この実施の形態2の構成は、図1に示した
センサ劣化検知装置と同じ構成である。ただし、初期プ
ラントモデル1および時間経過後プラントモデル2の生
成方法が異なる。図3は、検知対象のセンサ出力と他の
センサ出力との因果関係があるが物理的な定式化が困難
な場合のプラントの一例を示す図である。
【0029】図3では、流体21と流体22とが合流
し、流体23を出力するプラントを示している。検知さ
れるセンサ出力としては、流体21の流量である上流側
流量Qaと、流体21の温度である上流側温度Taと、
流体22の圧力である上流側圧力Paと、流体23の圧
力である下流側圧力Pbである。ここで、下流側圧力P
bが検知対象のセンサ出力である場合、下流側圧力Pb
は、上流側流量Qaと上流側温度Taと上流側圧力Pa
とを用いて物理的に定式化することができないが、因果
関係がある。
【0030】そこで、流体21〜23の流量を予め決定
しておき、この決定した流量の値近傍において周知の状
態推定方法あるいはニューラルネットワークを用いて上
述した初期プラントモデルおよび時間経過後プラントモ
デルを構築する。さらに、決定した流量の値を様々な値
に変更して同様な初期プラントモデルおよび時間経過後
プラントモデルを構築し、これらを統合した初期プラン
トモデル1および時間経過後プラントモデル2を生成す
る。
【0031】この実施の形態2によれば、プラントのセ
ンサ出力と、プラントのその他のセンサ出力との因果関
係を物理的に定式化できない場合、すなわち因果関係を
論理的に明確にできない場合であっても、状態推定方法
あるいはニューラルネットワークを用いて初期プラント
モデル1および時間経過後プラントモデル2を生成し、
この初期プラントモデル1のセンサ出力をもとにセンサ
劣化推定部4がセンサのみのセンサ劣化を推定し、相関
性判定部6がこのセンサ劣化と実プラント3のセンサ出
力との類似性を判定し、相関性判定部7が時間経過後プ
ラントモデル2のセンサ出力と実プラント3のセンサ出
力との類似性を判定し、各相関性判定部6,7の類似性
判定結果をもとに、センサ劣化判定部8が、センサ劣化
のみが生じているのか、センサ劣化およびプラント自体
の特性変化の双方が生じているのかを確実に峻別し、プ
ラント運転制御の安全性を担保するようにしている。
【0032】(実施の形態3)つぎに、この実施の形態
3について説明する。実施の形態1では、検知対象のセ
ンサ出力と、他のセンサ出力との因果関係を物理的に定
式化できるプラントの場合を説明し、実施の形態2で
は、検知対象のセンサ出力と、他のセンサ出力との因果
関係を物理的に定式化できない場合に状態推定方法ある
いはニューラルネットワークを用いるプラントの場合に
ついて説明したが、この実施の形態3では、検知対象の
センサ出力と、他のいずれかのセンサ出力とが高い類似
性をもつプラントの場合にも、検知対象のセンサ出力の
劣化判定を確実に行うことができるようにしている。
【0033】この実施の形態3の構成は、図1に示した
センサ劣化検知装置と同じ構成である。ただし、初期プ
ラントモデル1および時間経過後プラントモデル2の生
成方法が異なる。図4は、検知対象のセンサ出力と他の
いずれかのセンサ出力とが高い類似性をもつプラントの
一例を示す図である。
【0034】図4では、流体31が流体32と流体33
とに分流するプラントを示している。検知されるセンサ
出力としては、流体32の温度である温度T1と流体3
3の温度である温度T2である。ここで、温度T1を検
知対象のセンサ出力とする場合、温度T1と温度T2と
は、強い線形類似性をもつ。
【0035】そこで、温度T1,T2の実測値を比較
し、相関関係を取得する。この取得した温度T1と温度
T2との相関関係をもとに、初期プラントモデル1およ
び時間経過後プラントモデル2を生成する。
【0036】この実施の形態3によれば、プラントのセ
ンサ出力と、プラントのその他のいずれかのセンサ出力
との因果関係が高い類似性をもつプラントの場合、これ
らのセンサ出力間の相関関係を把握し、この相関関係を
用いて初期プラントモデル1および時間経過後プラント
モデル2を生成し、この初期プラントモデル1のセンサ
出力をもとにセンサ劣化推定部4がセンサのみのセンサ
劣化を推定し、相関性判定部6がこのセンサ劣化と実プ
ラント3のセンサ出力との類似性を判定し、相関性判定
部7が時間経過後プラントモデル2のセンサ出力と実プ
ラント3のセンサ出力との類似性を判定し、各相関性判
定部6,7の類似性判定結果をもとに、センサ劣化判定
部8が、センサ劣化のみが生じているのか、センサ劣化
およびプラント自体の特性変化の双方が生じているのか
を確実に峻別し、プラント運転制御の安全性を担保する
ようにしている。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
センサ劣化検知装置(請求項1)によれば、運転開始時
のプラント入出力データをもとに初期プラントモデルを
生成するとともに、運転開始後のプラント入出力データ
をもとに時間経過後プラントモデルを生成し、センサ劣
化推定手段が、前記初期プラントモデルをもとにプラン
ト内の前記所定のセンサの劣化を推定し、第1の類似判
定手段が、前記センサ劣化推定手段による前記所定のセ
ンサの劣化と前記実プラントの出力との類似性を判定
し、第2の類似判定手段が、前記時間経過後プラントモ
デルの出力と前記実プラントの出力との類似を判定し、
センサ劣化判定手段が、前記第1の類似判定手段による
判定結果と前記第2の類似判定手段による判定結果とを
もとに前記所定のセンサのみの劣化と前記所定のセンサ
および前記実プラント自体の特性変化とのいずれが生じ
たのかを判定するようにしているので、センサのみの劣
化が生じたのか、あるいはセンサおよび実プラント自体
の特性変化が生じたのかを確実に峻別することができ、
プラント運転制御の安全性を高めることができるという
効果を奏する。
【0038】また、この発明にかかるセンサ劣化検知装
置(請求項2)によれば、センサ劣化推定手段が、前記
所定のセンサが劣化する複数の予測パターンを予め求め
ておき、この複数の予測パターンをもとに前記所定のセ
ンサの劣化を推定するようにし、センサのみの劣化推定
を容易に行うようにしているので、迅速なセンサ劣化推
定を行うことができ、プラント運転制御の安全性を一層
高めることができるという効果を奏する。
【0039】また、この発明にかかるセンサ劣化検知装
置(請求項3)によれば、前記プラントのプラント入出
力と前記所定のセンサの出力との因果関係を物理的に定
式化できる場合、この定式化した式をもとに前記初期プ
ラントモデルおよび前記時間経過後プラントモデルを生
成するようにしているので、初期プラントモデルあるい
は時間経過後プラントモデルの生成を容易に行うことが
できるという効果を奏する。
【0040】また、この発明にかかるセンサ劣化検知装
置(請求項4)によれば、前記プラントのプラント入出
力と前記所定のセンサの出力との因果関係を物理的に定
式化することが困難な場合、該所定のセンサの各出力値
毎に状態推定方法あるいはニューラルネットワークによ
って該所定のセンサの出力値を推定することによって前
記初期プラントモデルおよび前記時間経過後プラントモ
デルを生成するようにしているので、プラントのプラン
ト入出力と所定のセンサの出力との因果関係を物理的に
定式化できないプラントである場合にも、初期プラント
モデルおよび時間経過後プラントモデルを生成すること
ができ、柔軟なセンサ劣化の検知を行うことができると
いう効果を奏する。
【0041】また、この発明にかかるセンサ劣化検知装
置(請求項5)によれば、前記プラントが、前記所定の
センサの出力に対して高い類似性をもって出力する他の
センサを有する場合、各センサの類似性をもとに前記初
期プラントモデルおよび前記時間経過後プラントモデル
を生成するようにしているので、プラントのセンサ劣化
の検知を柔軟に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるセンサ劣化検
知装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したセンサ劣化検知装置が適用される
プラントの一例を示す図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態2が適用されるプ
ラントの一例を示す図である。
【図4】この発明にかかる実施の形態3が適用されるプ
ラントの一例を示す図である。
【図5】従来におけるセンサ劣化検知装置の概要構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 初期プラントモデル 2 時間経過後プラントモデル 3 実プラント 4 センサ劣化推定部 4−1〜4−n 予想パターン 5 センサ劣化推定モデル 6,7 相関性判定部 8 センサ劣化判定部 9 入力 10 熱交換器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラントの物理モデルまたは状態推定モ
    デルを構築し、このモデルをもとに実プラント内の所定
    のセンサの出力劣化を検知するセンサ劣化検知装置にお
    いて、 運転開始時のプラント入出力データをもとに生成した初
    期プラントモデルと、 運転開始後のプラント入出力データをもとに生成した時
    間経過後プラントモデルと、 前記初期プラントモデルをもとにプラント内の前記所定
    のセンサの劣化を推定するセンサ劣化推定手段と、 前記センサ劣化推定手段による前記所定のセンサの劣化
    と前記実プラントの出力との類似性を判定する第1の類
    似判定手段と、 前記時間経過後プラントモデルの出力と前記実プラント
    の出力との類似を判定する第2の類似判定手段と、 前記第1の類似判定手段による判定結果と前記第2の類
    似判定手段による判定結果とをもとに前記所定のセンサ
    のみの劣化と、前記所定のセンサおよび前記実プラント
    自体の特性変化とのいずれが生じたのかを判定するセン
    サ劣化判定手段と、 を備えたことを特徴とするセンサ劣化検知装置。
  2. 【請求項2】 前記センサ劣化推定手段は、前記所定の
    センサが劣化する複数の予測パターンを予め求めてお
    き、この複数の予測パターンをもとに前記所定のセンサ
    の劣化を推定することを特徴とする請求項1に記載のセ
    ンサ劣化検知装置。
  3. 【請求項3】 前記プラントのプラント入出力と前記所
    定のセンサの出力との因果関係を物理的に定式化できる
    場合、この定式化した式をもとに前記初期プラントモデ
    ルおよび前記時間経過後プラントモデルを生成すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のセンサ劣化検知
    装置。
  4. 【請求項4】 前記プラントのプラント入出力と前記所
    定のセンサの出力との因果関係を物理的に定式化するこ
    とが困難な場合、該所定のセンサの各出力値毎に状態推
    定方法あるいはニューラルネットワークによって該所定
    のセンサの出力値を推定することによって前記初期プラ
    ントモデルおよび前記時間経過後プラントモデルを生成
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記
    載のセンサ劣化検知装置。
  5. 【請求項5】 前記プラントが、前記所定のセンサの出
    力に対して高い類似性をもって出力する他のセンサを有
    する場合、各センサの類似性をもとに前記初期プラント
    モデルおよび前記時間経過後プラントモデルを生成する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の
    センサ劣化検知装置。
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