JP2001183561A - 光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器 - Google Patents

光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器

Info

Publication number
JP2001183561A
JP2001183561A JP36539899A JP36539899A JP2001183561A JP 2001183561 A JP2001183561 A JP 2001183561A JP 36539899 A JP36539899 A JP 36539899A JP 36539899 A JP36539899 A JP 36539899A JP 2001183561 A JP2001183561 A JP 2001183561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical axis
rack
holding member
axis direction
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36539899A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Umetsu
梅津  琢治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP36539899A priority Critical patent/JP2001183561A/ja
Publication of JP2001183561A publication Critical patent/JP2001183561A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子保持部材のラックにスラストバネを配置
すると、ラックを絞りユニットとの干渉を避けるために
絞りの光軸直交方向外側にレイアウトしなければなら
ず、レンズ鏡筒等の大型化を招く。 【解決手段】 光学素子2を保持して光軸方向に移動可
能な素子保持部材8に取り付けられ、光軸方向に延びる
よう配置されたスクリュウ軸10aに噛み合うラック部
材81を有する光学素子駆動装置において、ラック部材
における素子保持部材への取付部81aが、弾性変形し
た状態で素子保持部材を光軸方向から挟み込む形状に形
成されており、この取付部に生じた弾性力により、ラッ
ク部材を素子保持部材に対して光軸方向に付勢圧接させ
るようする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラ等の
撮影装置、レンズ鏡筒その他の光学機器に用いられるレ
ンズ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラ用のズームレンズとして
は、例えば被写体側から順に固定の凸、可動の凹、固定
の凸、可動の凸の4つのレンズ群から構成されるものが
ある。
【0003】図11(A),(B)には、一般的な4群
レンズ構成のズームレンズの鏡筒構造を示している。な
お、(B)は(A)におけるA−A線断面を示してい
る。
【0004】このズームレンズを構成する4つのレンズ
群201a〜201dは、固定された前玉レンズ201
a、光軸に沿って移動することで変倍動作を行うバリエ
ーターレンズ群201b、固定されたアフォーカルレン
ズ201c、および光軸に沿って移動することで変倍時
の焦点面維持と焦点合わせを行うフォーシングレンズ群
201dからなる。
【0005】ガイドバー203,204a,204bは
光軸205と平行に配置され、移動するレンズ群の案内
および回り止めを行う。DCモーター206はバリエー
ターレンズ群201bを移動させる駆動源となる。
【0006】前玉レンズ201aは前玉鏡筒202に保
持され、バリエーターレンズ群201bはV移動環21
1に保持されている。また、アフォーカルレンズ201
cは中間枠215に、フォーカシングレンズ群201d
はRR移動環214に保持されている。
【0007】前玉鏡筒202は、後部鏡筒216に位置
決め固定されており、両鏡筒202,216によってガ
イドバー203が位置決め支持されているとともに、ガ
イドスクリュウ軸208が回転可能に支持されている。
このガイドスクリュウ軸208は、DCモータ206の
出力軸206aの回転がギア列207を介して伝達され
ることにより回転駆動される。
【0008】バリエーターレンズ群201bを保持する
V移動環211は、押圧ばね209とこの押圧ばね20
9の力でガイドスクリュウ軸208に形成されたスクリ
ュー溝208aに係合するボール210とを有してお
り、DCモータ206によってガイドスクリュウ軸20
8が回転駆動されることにより、ガイドバー203にガ
イドおよび回転規制されながら光軸方向に進退移動す
る。
【0009】後部鏡筒216とこの後部鏡筒216に位
置決めされた中間枠215にはガイドバー204a,2
04bが嵌合支持されている。RR移動環214は、こ
れらガイドバー204a,204bによってガイドおよ
び回転規制されながら光軸方向に進退可能である。
【0010】フォーカシングレンズ群201dを保持す
るRR移動環214には、ガイドバー204a,204
bにスライド可能に嵌合するスリーブ部が形成されてお
り、またラック213が光軸方向についてRR移動環2
14と一体的となるように組み付けられている。
【0011】ステッピングモーター212は、その出力
軸に一体形成されたリードスクリュー212aを回転駆
動する。リードスクリュー212aにはRR移動環21
4に組み付けられたラック213が係合しており、リー
ドスクリュー212aが回転することによって、RR移
動環214がガイドバー204a,204bによりガイ
ドされながら光軸方向に移動する。
【0012】なお、バリエーターレンズ群の駆動源とし
ては、フォーカシングレンズ群の駆動源と同様にステッ
ピングモータを用いてもよい。
【0013】そして、前玉鏡筒202、中間枠215お
よび後部鏡筒216により、レンズ等を略密閉収容する
レンズ鏡筒本体が形成される。
【0014】また、このようなステッピングモータを用
いてレンズ群保持枠を移動させる場合には、フォトイン
タラプタ等を用いて保持枠が光軸方向の1つの基準位置
に位置することを検出した後に、ステッピングモータに
与える駆動パルスの数を連続的にカウントすることによ
り、保持枠の絶対位置を検出する。
【0015】図12には、従来の撮像装置におけるカメ
ラ本体の電気的構成を示している。この図において、図
11にて説明したレンズ鏡筒の構成要素については、図
11と同符号を付す。
【0016】221はCCD等の固体撮像素子、222
はバリエーターレンズ群201bの駆動機構であり、モ
ータ206(又はステッピングモータ)、ギア列207
およびガイドスクリュウ軸208等を含む。
【0017】223はフォーカシングレンズ群201d
の駆動機構であり、ステッピングモータ212、リード
スクリュウ軸212aおよびラック213等を含む。
【0018】224はバリエーターレンズ群201bと
アフォーカルレンズ201cとの間に配置された絞り装
置235の駆動機構である。
【0019】225はズームエンコーダー、227はフ
ォーカスエンコーダーである。これらのエンコーダーは
それぞれ、バリエーターレンズ群201bおよびフォー
カシングレンズ群201dの光軸方向の絶対位置を検出
する。なお、図11に示すようにバリエーター駆動源と
してDCモータを用いる場合には、ボリューム等の絶対
位置エンコーダーを用いたり、磁気式のものを用いたり
する。
【0020】また、駆動源としてステッピングモーター
を用いる場合には、前述したような基準位置に保持枠を
配置してから、ステッピングモータに入力する動作パル
ス数を連続してカウントする方法を用いるのが一般的で
ある。
【0021】226は絞りエンコーダーであり、モータ
等の絞り駆動源224の内部にホール素子を配置し、ロ
ーターとステーターの回転位置関係を検出する方式のも
のなどが用いられる。
【0022】232は本カメラの制御を司るCPUであ
る。228はカメラ信号処理回路であり、固体撮像素子
221の出力に対して所定の増幅やガンマ補正などを施
す。これらの所定の処理を受けた映像信号のコントラス
ト信号は、AEゲート229およびAFゲート230を
通過する。即ち、露出決定およびピント合わせのために
最適な信号の取り出し範囲が全画面内のうちこのゲート
で設定される。このゲートの大きさは可変であったり、
複数設けられたりする場合がある。
【0023】231はAF(オートフォーカス)のため
のAF信号を処理するAF信号処理回路であり、映像信
号の高周波成分に関する1つもしくは複数の出力を生成
する。233はズームスイッチ、234はズームトラッ
キングメモリである。ズームトラッキングメモリ234
は、変倍に際して被写体距離とバリエーターレンズ位置
に応じてセットすべきフォーカシングレンズ位置の情報
を記憶する。なお、ズームトラッキングメモリとしてC
PU232内のメモリを使用してもよい。
【0024】例えば、撮影者によりズームスイッチ23
3が操作されると、CPU232は、ズームトラッキン
グメモリ234の情報をもとに算出したバリエーターレ
ンズとフォーカシングレンズの所定の位置関係が保たれ
るように、ズームエンコーダー225の検出結果となる
現在のバリエーターレンズの光軸方向の絶対位置と算出
されたバリエーターレンズのセットすべき位置、および
フォーカスエンコーダー227の検出結果となる現在の
フォーカスレンズの光軸方向の絶対位置と算出されたフ
ォーカスレンズのセットすべき位置がそれぞれ一致する
ように、ズーム駆動機構222とフォーカスシング駆動
機構223を駆動制御する。
【0025】また、オートフォーカス動作ではAF信号
処理回路231の出力がピークを示すように、CPU2
32は、フォーカシング駆動機構223を駆動制御す
る。
【0026】さらに、適正露出を得るために、CPU2
32は、AEゲート229を通過したY信号の出力の平
均値を所定値として、絞りエンコーダー226の出力が
この所定値となるように絞り駆動機構224を駆動制御
して、開口径をコントロールする。
【0027】ここで、従来のビデオカメラ用ズームレン
ズの移動レンズを保持する移動環の移動方式について説
明する。
【0028】従来の移動環の移動方式として、ネジ送り
方式が提案されている。このネジ送り方式は、図13に
示すように、光軸方向に沿って延びるガイドバー230
1,2302にバリエータレンズ等を保持する移動環2
303が移動自在に保持され、また移動環2303の近
傍に送りネジ7が光軸に沿って設けられている。
【0029】この移動環2307の外周部における光軸
方向前後に形成されたスリーブ部の孔2310,231
1には、ラック2309の両端軸部が係合保持されてい
る。ラック2309の後部におけるスリーブ部との間に
は、ガタ取り用のスラストバネ2308が弾性変形した
状態で配置されており、ラック2309を常に光軸方向
前方に付勢している。
【0030】そして、ラック2309は送りネジ7のネ
ジ山を挟み込むようにして送りネジ7に噛み合う。これ
により、送りネジ2307を不図示のモータにより回転
させることによって、ラック2309および移動環23
03を光軸方向に移動させることができる。この際、ス
ラストバネ2308の弾性力により、送りネジ2307
と移動環2303との光軸方向ガタが除去される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年撮影レ
ンズには、コストの削減と同時に、小型化、小径化が求
められているが、上記従来のレンズ鏡筒では、ラックに
ガタ取り用のスラストバネを配置するスペースを設けな
ければならない。しかも、スラストバネそのものがある
程度の長さを有するため、その分ラックは光軸方向に長
くなる。
【0032】しかしながら、ラックが光軸方向に長い
と、レンズ鏡筒内でラックをレイアウトする際に、バリ
エータやRR移動環等の所望の移動ストロークを確保す
るために、どうしても絞りユニットの外側にレイアウト
しなければ、絞りユニットと干渉してしまうという問題
がある。
【0033】そして、絞りユニットは常に光軸中心付近
に配置されているので、ラックは光軸中心から遠い位置
に配置されることとなり、レンズ鏡筒の大型化、大径化
につながる。
【0034】さらに、ラックとバネとを別部品にするこ
とによって、部品点数が増え、部品コストの増加、組み
込み工程時間の増大に伴うコストの増加につながる。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願第1の発明では、光学素子を保持して光軸方向
に移動可能な素子保持部材に取り付けられ、光軸方向に
延びるよう配置されたスクリュウ軸に噛み合うラック部
材を有する光学素子駆動装置において、ラック部材にお
ける素子保持部材への取付部が、弾性変形した状態で素
子保持部材を光軸方向から挟み込む形状に形成されてお
り、この取付部に生じた弾性力により、ラック部材が素
子保持部材に対して光軸方向に付勢圧接するようしてい
る。
【0036】これにより、スラストバネによりラック部
材を素子保持部材に対して光軸方向に付勢圧接させる従
来のものに比べて、ラック部材周辺部の光軸方向の長さ
を短くすることが可能となり、装置内にラック部材をレ
イアウトする際に、このラック部材を絞りユニットの光
軸直交方向外側に配置することなく、バリエータ保持部
材等、他の素子保持部材の所望の移動ストロークを確保
することが可能となり、装置の小型化に有効である。し
かも、ラック部材に一体形成された取付部に弾性力を発
生させるようにしているので、上記従来のものに比べて
部品点数が少なくなり、コスト削減にも有効である。
【0037】具体的には、ラック部材の取付部および素
子保持部材のうち一方に光軸方向を軸方向とする円形形
状若しくは一部円形形状の凹部を形成するとともに、他
方に光軸方向を軸方向とする円錐台形状若しくは一部円
錐台形状の突起部を形成し、これら凹部と突起部とをこ
れらの軸回りにて相対回転可能に嵌合させてラック部材
を素子保持部材に取り付けるようにする。
【0038】そして、この場合に、突起部を円錐台形状
における互いに軸直交方向にて対向する一対の側面部分
をストレートにカットした形状に形成するとともに、凹
部に軸直交方向にストレートに延びる導入溝をつなげた
上で、ラック部材の素子保持部材への取り付けに際し
て、突起部を、上記一対の側面部分を導入溝に平行にし
た状態で、導入溝を通じて軸直交方向から、この突起部
の軸位置が凹部の軸位置に略一致するまで凹部内に挿入
し、この後これらの軸回りでラック部材を素子保持部材
に対して回転させることにより、ラック部材の取付部を
弾性変形させるようにするのが好ましい。
【0039】これにより、ラック部材を素子保持部材に
簡単に取り付けることが可能になるとともに、ラック部
材の取付部を過度に変形させて必要な弾性力が得られな
くなることを防止することも可能になる。
【0040】また、本願第2の発明では、光学素子を保
持して光軸方向に移動可能な素子保持部材に光軸に平行
な軸回りで回転可能に取り付けられ、光軸方向に延びる
よう配置されたスクリュウ軸に噛み合うラック部材を有
する光学素子駆動装置において、ラック部材に、素子保
持部材に取り付けられた状態で素子保持部材に光軸直交
方向から当接するとともに光軸直交方向にて弾性変形が
可能な弾性当接部を形成し、この弾性当接部に生じた弾
性力により、ラック部材がスクリュウ軸に付勢圧接する
ようにしている。
【0041】これにより、バネ等のラック部材とは別の
弾性部材を用いなくても、スクリュウ軸に軸直交方向の
振れをラック部材自体(弾性当接部)によって吸収する
ことが可能となる。このため、ラック部材を常に確実に
スクリュウ軸に噛み合わせることができ、光学素子を通
じて形成される像の振れ等を防止することが可能とな
る。
【0042】また、弾性当接部に生じた弾性力により、
素子保持部材も、この素子保持部材を光軸方向にガイド
するガイド部材に対して付勢されるため、ガイド部材と
の係合ガタが抑えられ、像の振れ等を防止できるが、こ
の付勢される方向が、少なくともこの装置が正姿勢にあ
るときに素子保持部材がその自重によりガイド部材に押
圧される方向と略一致する方向であれば、弾性当接部の
設定自由度が大きくなるとともに、確実に像の振れ等を
防止することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】図1および図2には、本発明の実
施形態であるズームレンズ鏡筒の全体構成を示してい
る。なお、図1は、光軸直交方向のうちX方向から見た
ときの断面図、図2はY方向から見たときの断面図であ
る。また、本実施形態のレンズ鏡筒は、ビデオカメラ、
スチルカメラのような撮像装置やレンズ鏡筒その他の光
学機器に用いられる。
【0044】これらの図において、1は前玉レンズ群、
2はバリエーターレンズ群、3は固定のアフォーカルレ
ンズ群、4はフォーカシングレンズ群を示す。
【0045】5は第1レンズ群1を保持する前玉鏡筒で
ある。この前玉鏡筒5は、図3に示すように、上方向お
よび結像面方向に開口しているとともに、左右側面およ
び下面として結像面方向に延長された面を有している。
【0046】前玉鏡筒5の内壁下面には、梨地加工によ
り遮光線5aが形成されており、内面反射による有害な
反射ゴーストを防止している。この遮光線5aは、金型
の成形上、図3における上方向の型スライドにて成形さ
れる。このため、前玉鏡筒5の内壁形状は、寸法精度を
必要とされる部分の全てが上方向への型スライドで形成
できる形状とする必要がある。つまり、精度をあまり必
要としない固定ビスの下穴5b等は、スライド内スライ
ド等の成形方法で形成してよいが、結像面方向を向い
た、後述するガイドバー6a,6bの基準穴はこの方法
では形成できない。
【0047】仮にスライド内スライドの成形方法を用い
て基準穴を形成した場合には、成型バラツキが大きすぎ
て所望の光学性能が保証できない。
【0048】このため、本実施形態においては、図4に
示すように、前玉鏡筒5に左右方向への型スライドによ
って上・下方向および左右内側方向の3方向を規制した
基準溝5c,5dを形成し、さらに上方向の型スライド
によって左右外側方向を規制する基準リブ5e,5fを
形成することによって、ガイドバー6a,6bの外径の
4点に精度良く嵌合する基準穴5g,5hを形成してい
る。
【0049】7は後部鏡筒であり、ローパスフィルター
保持部7bとCCD保持部7cとを有する。この後部鏡
筒7は、図5に示すように、左右方向および光軸被写体
方向に開口しているとともに、前玉鏡筒5との当接基準
面7aを支持する、光軸被写体方向に延長された上側曲
面を有している。
【0050】本実施形態では、後部鏡筒7の内壁には遮
光手段を施していないため、金型のスライドの構成は、
図5に矢印にて示すように、前・後方向と左・右方向の
4方向スライドにて構成される。このため、ガイドバー
6a,6bを位置決め保持する基準穴7d,7eは、前
方向スライド型により容易に精度良く形成でき、その形
状も、図6に示すように真円形に形成できる。
【0051】なお、後部鏡筒の内壁に遮光手段を施す場
合には、前玉鏡筒5のように、左右方向スライド型によ
って精度良く基準穴を形成することが可能である。
【0052】ガイドバー6a,6bは、上記のように形
成された前玉鏡筒5の基準穴5g,5hおよび後部鏡筒
7の基準穴7d,7eに嵌合して、光路を挟んだ互いに
略反対側の位置に位置決め保持される。
【0053】バリエーターレンズ群2を保持するV移動
環8は、後述する中間枠12の側に延出形成されたスリ
ーブ部8aにてガイドバー6aに嵌合している。スリー
ブ部8aの長さを十分長く設定することにより、V移動
環8(バリエーターレンズ群2)の光軸方向に対する傾
き(倒れ)を阻止することができる。また、V移動環8
におけるスリーブ部8aに対して光路を挟んだ略反対側
の位置に形成されたU溝部8bは、ガイドバー6bに係
合し、V移動環8のガイドバー6aを中心とする回転を
阻止している。これらスリーブ部8aおよびU溝部8b
のガイドバー6a,6bとの嵌合又は係合により、V移
動環8(バリエーターレンズ群2)の光軸の位置出しを
行うことができる。
【0054】また、V移動環(請求の範囲にいう素子保
持部材)8には、図8に示すように、ラック81が光軸
方向にガタなく、光軸直交方向に回動可能に取り付けら
れており、図7にも示すように、PZモータ10のスク
リュウ軸10aに噛み合っている。このため、PZモー
タ10が作動してスクリュウ軸10aが回転すると、ス
クリュウ軸10aとラックとの噛み合い作用によってV
移動環8は光軸方向に進退移動する。なお、ラック81
のV移動環8に対する取付方法については後述する。
【0055】フォーカシングレンズ群4を保持するRR
移動環9は、後述する中間枠12の側に延出形成された
スリーブ部9aにてガイドバー6bに嵌合している。ス
リーブ部8aの長さを十分長く設定することにより、R
R移動環9(フォーカシングレンズ群4)の光軸方向に
対する傾き(倒れ)を阻止することができる。また、R
R移動環9におけるスリーブ部9aに対して光路を挟ん
だ略反対側の位置に形成されたU溝部9bは、ガイドバ
ー6aに係合し、RR移動環9のガイドバー6bを中心
とする回転を阻止している。これらスリーブ部9aおよ
びU溝部9bのガイドバー6b,6aとの嵌合又は係合
により、RR移動環9(フォーカシングレンズ群4)の
光軸の位置出しを行うことができる。
【0056】また、RR移動環9には、不図示のラック
が光軸方向にガタなく、光軸直交方向に回動可能に取り
付けられており、図7に示すように、AFモータ11の
スクリュウ軸11aに噛み合っている。このため、AF
モータ11が作動してスクリュウ軸11aが回転する
と、スクリュウ軸11aとラックとの噛み合い作用によ
ってRR移動環9は光軸方向に進退移動する。
【0057】固定のアフォーカルレンズ群3を保持し、
V移動環8およびRR移動環9の間に配置された中間枠
12には、図2および図9に示すように、基準位置決め
穴12aおよび振れ止め長穴12bが互いに光路を挟ん
だ略反対側にそれぞれ形成されている。基準位置決め穴
12aはガイドバー6aに嵌合し、振れ止め長穴12b
はガイドバー6bに係合している。これにより、中間枠
12(アフォーカルレンズ群3)の光軸直交方向の位置
決め、すなわち光軸出しを行うことができる。
【0058】ここで、V移動環8およびRR移動環9
は、スリーブ部8a,9aの光軸方向長さ(スリーブ
長)を長く設定することで倒れが阻止されているが、こ
のために中間枠12のガイドバー6aに対する嵌合長さ
を長く設定することは困難である。このため、本実施形
態では、中間枠12に、前玉鏡筒5との係止部を周方向
3箇所に設けることにより、中間枠12(アフォーカル
レンズ群3)の倒れを阻止している。
【0059】12c,12d,12eは中間枠12に設
けられた係合部である。係合部12cは、基準位置決め
穴12aの近傍(基準位置決め穴12aよりも光軸直交
方向外方)に延出形成され、前玉鏡筒5に形成された係
止溝部5iに光軸方向において係合し、係合部12cに
対して光路を挟んだ略反対側の位置であって、振れ止め
長穴12bの近傍(振れ止め長穴12bよりも光軸直交
方向外方)に延出形成された係合部12dは、前玉鏡筒
5に形成された係止溝部5jに光軸方向において係合す
る。さらに、係合部12cと係合部12dを結ぶ光軸直
交方向線に略直交する線上に延出形成された係合部12
eは、前玉鏡筒5に形成された係止長穴部5kに光軸方
向において係合する。
【0060】このような構成において、係合部12cも
しくは係合部12dが係止溝部5iもしくは係合溝部5
jに係合することにより、中間枠12の前玉鏡筒5に対
する光軸方向位置決めを行う。そして、反対側の係合部
12dもしくは係合部12cが係止溝部5jもしくは係
止溝部5iに係合することで、上記位置決め係合部を中
心とする中間枠12の倒れ(図9に示すX軸方向の倒
れ)を阻止する。さらに、係止部12eが係止長穴部5
kに係合することで、係合部12cおよび係合部12d
を中心とする中間枠12の倒れ(図9に示すY軸方向の
倒れ)を阻止する。なお、これら係合部12c,12
d,12eと係止溝部5i,5j又は係止長穴部5kと
の係合は、組立性を悪化させない範囲で軽い圧入設定と
してもよい。
【0061】次に、以上のように構成されるレンズ鏡筒
の組み立て手順例について説明する。まず、2本のガイ
ドバー6a,6bにV移動環8、中間枠12およびRR
移動環9を貫通保持させる。そして、このユニットを、
中間枠12の係合部12c,12d,12eをそれぞれ
前玉鏡筒5の係止溝部5i,5jや係止長穴部5kに光
軸直交方向から係合させながら前玉鏡筒5内に挿入し、
その後ガイドバー6a,6bを、前玉鏡筒5の基準穴5
g,5hに光軸方向から所要の嵌合長分スライドさせて
嵌合させ、さらに後部鏡筒7を光軸方向より組み込んで
前玉鏡筒5に固定する。これにより、略密閉された内部
空間を有するレンズ鏡筒本体が完成する、その後、PZ
モータ10、AFモータ11およびIGメータ(アイリ
ス)13を光軸直交方向から組み込んで、レンズ鏡筒と
して完成される。
【0062】なお、他の組立方法として、後部鏡筒7に
ガイドバー6a,6bを光軸方向から組み込んでおき、
その後ガイドバー6a,6bにRR移動環9、中間枠1
2およびV移動環8を順次嵌合又は係合させ、このユニ
ットを前玉鏡筒5に対して光軸直交方向から中間枠12
が正規位置になるまで落とし込むとともにガイドバー6
a,6bを前玉鏡筒5の基準穴5g,5hに嵌合させ、
その後、PZモータ10、AFモータ11およびIGメ
ータ13を組み込むようにしてもよい。
【0063】ここで、V移動環8へのラック81の組み
込み方法について説明する。この組み込み方法はRR移
動環9においても同様の性能を得ることができる。
【0064】図8(a)に示すように、ラック81のう
ちV移動環8への取付部81aは略U字形状に形成され
ており、このU字形状の開口が開閉する方向、すなわち
図8(c)に示すように光軸方向に面して配置されたV
移動環8に取り付けられる際に光軸方向に弾性変形が可
能となっている(以下、ラック81およびV移動環8が
図8(c)の状態に配置されているものとしてラック8
1およびV移動環8の形状を説明する)。また、この取
付部81aにおいて互いに対向する2つの内面には、突
起部81dが形成されている。
【0065】ここで、突起部81dは、光軸方向を軸方
向とする円錐台の光軸直交方向にて対向する一対の側面
部分をストレートにカットした形状を有する。以下、こ
のカットされた面をカット面81eと称する。
【0066】また、ラック81のうちスクリュウ軸10
aへの噛み合い部分の上方には、上記取付部81aの近
傍から延出し、光軸直交方向(スクリュウ軸10aに噛
み合う方向)に弾性変形可能な弾性当接部81bが形成
されている。
【0067】なお、ラック81は、摺動性、耐クリープ
性の良いポリアリレートにより形成されている。
【0068】一方、V移動環8には、光軸方向を軸方向
とする円形穴部(凹部)8dが形成されており、さらに
この円形穴部8dの外周の一部から光軸直交方向外方に
ストレートに延びる導入溝8cも形成されている。
【0069】このように形成されたラック81をV移動
環8に取り付ける際には、図8(c)に示すように両者
を配置した後、ラック81の取付部81aによってV移
動環8を光軸方向両側から挟むようにしながらV移動環
8の導入溝8cにラック81の突起部81dを光軸直交
方向から挿入する。このとき突起部81dのカット面8
1eを導入溝8cと平行にしながら挿入する。このた
め、ラック81の取付部81aはほとんど弾性変形しな
い。
【0070】そして、突起部81dの中心軸81cが円
形穴部8dの中心軸位置に達した後、ラック81をこれ
ら中心軸回りにV移動環8に対して所定量回転させる。
この回転により、突起部81dにおける斜面部分が円形
穴部8dの外周縁に乗り上げるかたちとなり、ラック8
1の取付部81aに所要の弾性変形が生ずる。
【0071】このように導入溝8cを通じて突起部81
dを円形穴部8dに嵌合させ組み込むことにより、組み
込み過程の中ではラック81の取付部81aが弾性域を
超えて変形することはないので、塑性変形による付勢力
の低下を回避することができる。
【0072】そして、ラック81は、V移動環8に対し
て、取付部81aに生じた適度な弾性力により光軸方向
に付勢圧接した状態で取り付けられ、これらラック81
のV移動環8に対する光軸方向のガタつきが防止され
る。したがって、V移動環8の高精度での光軸方向位置
制御が可能となる。
【0073】また、ラック81をV移動環8に対して回
転させることにより、ラック81の弾性当接部81bが
V移動環8に形成された突起8fに光軸直交方向から当
接する。
【0074】この状態でラック81に、スクリュウ軸1
0aを噛み合わせ、PZモータ10をレンズ鏡筒本体に
取り付けることにより、弾性当接部81bが弾性変形
し、適度な弾性力でラック81をスクリュウ軸10aに
対して噛み合い方向に付勢する。そして、ラック81
は、V移動環8に対し、突起部81dと円形穴部8dと
の嵌合部分を中心として回転可能である。このため、ラ
ック81をスクリュウ軸10aに対して常に確実に噛み
合わせることができる一方、スクリュウ軸10aが光軸
直交方向に振れても、弾性当接部81bの弾性変形によ
りこれを吸収することができ、V移動環8が振れること
はなく、CCDに結像される像に振れが生じない。
【0075】また、ラック81の弾性当接部81bが弾
性変形した状態では、V移動環8も図中8gの方向に付
勢反力を受ける。
【0076】ここで、V移動環8はスリーブ8aが嵌合
しているガイドバー6aを中心に回転でき、U溝部8b
はガイドバー6bに対してある程度がたを持って係合し
ている。
【0077】しかし、本実施形態では、図8(c)に示
すように、レンズ鏡筒が正姿勢である限り、U溝部8b
がV移動環8の自重によってガイドバー6aに押圧され
る方向8iと、V移動環8の回転中心に対して上記付勢
反力によりU溝部8bがガイドバー6bに付勢される方
向8gとが同じになる。このため、弾性当接部81bの
弾性力を自由に設定できるとともに、これによりU溝部
8bにガイドバー6bに対する係合ガタを無くすること
ができる。したがって、CCDに結像される像に振れが
生じない。
【0078】なお、本実施形態では、ラック81をポリ
アリレートにより形成した場合について説明したが、弾
性を有する取付部81aと弾性当接部81bのみ、ポリ
アリレートよりも耐クリープ性の良い金属で形成しても
よい。
【0079】(第2実施形態)図10には、本発明の第
2実施形態であるレンズ鏡筒内のV移動環の構成を示し
ている。なお、本実施形態のレンズ鏡筒の基本構成は、
第1実施形態のレンズ鏡筒と同じであるので、共通する
構成要素には第1実施形態と同符号を付して説明に代え
る。
【0080】上記第1実施形態では。ラック81に突起
部81dを設け、V移動環8に円形穴部8dおよび導入
溝8cを形成した場合について説明したが、本実施形態
では、ラック81′に円形穴部81gおよび導入溝81
fを形成し、V移動環8に突起部8jを設けている。
【0081】図10(a)に示すように、ラック81′
のうちV移動環8′への取付部81a′は略U字形状に
形成されており、このU字形状の開口が開閉する方向、
すなわち図10(c)に示すように光軸方向に面して配
置されたV移動環8′に取り付けられる際に光軸方向に
弾性変形が可能となっている(以下、ラック81′およ
びV移動環8′が図10(c)の状態に配置されている
ものとしてラック81′およびV移動環8′の形状を説
明する)。
【0082】また、この取付部81a′において互いに
対向する2つの面には、光軸方向を軸方向とする円形穴
部(凹部)81gが形成されており、さらにこの円形穴
部81gの外周の一部から光軸直交方向外方にストレー
トに延びる導入溝81fも形成されている。
【0083】また、ラック81′のうちスクリュウ軸1
0aへの噛み合い部分の上方には、上記取付部81a′
の近傍から延出し、光軸直交方向(スクリュウ軸10a
に噛み合う方向)に弾性変形可能な弾性当接部81bが
形成されている。
【0084】なお、ラック81′は、摺動性、耐クリー
プ性の良いポリアリレートにより形成されている。
【0085】一方、V移動環8′には、光軸方向を軸方
向とする円錐台を、その光軸直交方向にて対向する一対
の側面部分をストレートにカットした形状を有する突起
部8mが形成されている。なお、以下、上記カットされ
た面をカット面8kと称する。
【0086】このように形成されたラック81′をV移
動環8′に取り付ける際には、図10(c)に示すよう
に両者を配置した後、ラック81′の取付部81a′に
よってV移動環8′を光軸方向両側から挟むようにしな
がらラック81′の導入溝81fにV移動環8′の突起
部8mを光軸直交方向から挿入させる。このとき突起部
8mのカット面8kを導入溝81fと平行にしながら挿
入させる。このため、ラック81′の取付部81a′は
ほとんど弾性変形しない。
【0087】そして、突起部8mの中心軸8jが円形穴
部81gの中心軸位置に達した後、ラック81′をこれ
ら中心軸回りにV移動環8′に対して所定量回転させ
る。この回転により、突起部8mにおける斜面部分が円
形穴部81gの外周縁に乗り上げるかたちとなり、ラッ
ク81′の取付部81a′に所要の弾性変形が生ずる。
【0088】このように導入溝81fを通じて突起部8
mを円形穴部81gに嵌合させ組み込むことにより、組
み込み過程の中ではラック81′の取付部81a′が弾
性域を超えて変形することはないので、塑性変形による
付勢力の低下を回避することができる。
【0089】そして、ラック81′は、V移動環8′に
対して、取付部81a′に生じた適度な弾性力により光
軸方向に付勢圧接した状態で取り付けられ、これらラッ
ク81′のV移動環8′に対する光軸方向のガタつきが
防止される。したがって、V移動環8′の高精度での光
軸方向位置制御が可能となる。
【0090】また、ラック81′をV移動環8′に対し
て回転させることにより、ラック81′の弾性当接部8
1bがV移動環8′に形成された突起8fに光軸直交方
向から当接する。
【0091】この状態でラック81′に、スクリュウ軸
10aを噛み合わせ、PZモータ10をレンズ鏡筒本体
に取り付けることにより、弾性当接部81bが弾性変形
し、適度な弾性力でラック81′をスクリュウ軸10a
に対して噛み合い方向に付勢する。そして、ラック8
1′は、V移動環8′に対し、突起部8mと円形穴部8
1gとの嵌合部分を中心として回転可能である。このた
め、ラック81′をスクリュウ軸10aに対して常に確
実に噛み合わせることができる一方、スクリュウ軸10
aが光軸直交方向に振れても、弾性当接部81bの弾性
変形によりこれを吸収することができ、V移動環8′が
振れることはなく、CCDに結像される像に振れが生じ
ない。
【0092】また、ラック81′の弾性当接部81bが
弾性変形した状態では、V移動環8′も図中8gの方向
に付勢反力を受ける。
【0093】ここで、V移動環8′はスリーブ8aが嵌
合しているガイドバー6aを中心に回転でき、U溝部8
bはガイドバー6bに対してある程度がたを持って係合
している。
【0094】しかし、本実施形態では、図10(c)に
示すように、レンズ鏡筒が正姿勢である限り、U溝部8
bがV移動環8′の自重によってガイドバー6aに押圧
される方向8iと、V移動環8の回転中心に対して上記
付勢反力によりU溝部8bがガイドバー6bに付勢され
る方向8gとが同じになる。このため、弾性当接部81
bの弾性力を自由に設定できるとともに、これによりU
溝部8bにガイドバー6bに対する係合ガタを無くする
ことができる。したがって、CCDに結像される像に振
れが生じない。
【0095】なお、本実施形態では、ラック81をポリ
アリレートにより形成した場合について説明したが、弾
性を有する取付部81aと弾性当接部81bのみ、ポリ
アリレートよりも耐クリープ性の良い金属で形成しても
よい。
【0096】また、上記各実施形態では、4群レンズ構
成のレンズ鏡筒について説明したが、本発明は、これ以
外の構成を有するレンズ鏡筒にも適用することができ
る。
【0097】さらに、上記各実施形態では、ビデオカメ
ラ用のレンズ鏡筒について説明したが、本発明は、静止
画カメラその他の光学機器に装着される、レンズその他
の光学素子を駆動する装置にも適用可能である。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1の発明に
よれば、ラック部材における素子保持部材への取付部
を、弾性変形した状態で素子保持部材を光軸方向から挟
み込む形状に形成し、この取付部に生じた弾性力によ
り、ラック部材を素子保持部材に対して光軸方向に付勢
圧接させるようにしているので、スラストバネによりラ
ック部材を素子保持部材に対して光軸方向に付勢圧接さ
せる従来のものに比べて、ラック部材周辺部の光軸方向
の長さを短くすることができ、装置内にラック部材をレ
イアウトする際に、このラック部材を絞りユニットの光
軸直交方向外側に配置することなく、バリエータ保持部
材等、他の素子保持部材の所望の移動ストロークを確保
することができる。したがって、装置の小型化(レンズ
鏡筒の小径化)に有効である。しかも、ラック部材に一
体形成された取付部に弾性力を発生させるようにしてい
るので、上記従来のものに比べて部品点数が少なくな
り、コスト削減にも有効である。
【0099】なお、ラック部材の取付部および素子保持
部材のうち一方に設けた突起部を円錐台形状における互
いに軸直交方向にて対向する一対の側面部分をストレー
トにカットした形状に形成するとともに、他方に設けた
凹部に軸直交方向にストレートに延びる導入溝をつな
げ、ラック部材の素子保持部材への取り付けに際して、
突起部を、上記一対の側面部分を導入溝に平行にした状
態で、導入溝を通じて軸直交方向から、この突起部の軸
位置が凹部の軸位置に略一致するまで凹部内に挿入し、
この後これらの軸回りでラック部材を素子保持部材に対
して回転させることにより、ラック部材の取付部を弾性
変形させるようにすれば、ラック部材を素子保持部材に
簡単に取り付けることが可能になるとともに、ラック部
材の取付部を過度に変形させて必要な弾性力が得られな
くなることを防止することができる。
【0100】また、本願第2の発明によれば、ラック部
材に、素子保持部材に取り付けられた状態で素子保持部
材に光軸直交方向から当接するとともに光軸直交方向に
て弾性変形が可能な弾性当接部を形成し、この弾性当接
部に生じた弾性力により、ラック部材をスクリュウ軸に
付勢圧接させるようにしているので、バネ等のラック部
材とは別の弾性部材を用いなくても、スクリュウ軸に軸
直交方向の振れをラック部材自体(弾性当接部)によっ
て吸収することが可能となる。このため、ラック部材を
常に確実にスクリュウ軸に噛み合わせることができ、光
学素子を通じて形成される像の振れ等を防止することが
できる。
【0101】また、弾性当接部に生じた弾性力により、
素子保持部材も、この素子保持部材を光軸方向にガイド
するガイド部材に対して付勢されるため、ガイド部材と
の係合ガタが抑えられ、像の振れ等を防止できる。しか
も、この付勢される方向が、少なくともこの装置が正姿
勢にあるときに素子保持部材がその自重によりガイド部
材に押圧される方向と略一致する方向であれば、弾性当
接部の設定自由度を大きくすることができるとともに、
確実に像の振れ等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるズームレンズの縦
断面図。
【図2】上記ズームレンズの横断面図。
【図3】上記ズームレンズを構成する前玉鏡筒の金型ス
ライド構成図。
【図4】上記前玉鏡筒の後視図。
【図5】上記ズームレンズを構成する後部鏡筒の金型ス
ライド構成図。
【図6】上記後部鏡筒の正面図。
【図7】上記ズームレンズの分解斜視図。
【図8】上記ズームレンズを構成するV移動環とラック
との組立説明図。
【図9】上記ズームレンズを構成する中間枠と前玉鏡筒
との係合状態を表わす図。
【図10】本発明の第2実施形態であるV移動環とラッ
クとの組立説明図。
【図11】従来の一般的な4群構成ズームレンズの鏡筒
構造を示す図。
【図12】従来の撮像装置におけるカメラ本体の電気的
構成を示すブロック図。
【図13】従来のズームレンズ駆動機構の斜視図。
【符号の説明】
1・・前玉レンズ群 2・・バリエーターレンズ群 3・・アフォーカルレンズ群 4・・フォーカシングレンズ群 5・・前玉鏡筒 5a・・遮光線 5g,5h・・基準穴 5i,5j・・係止溝部 5k・・係止長穴部 6a,6b・・ガイドバー 7・・後部鏡筒 7b・・ローパスフィルター保持部 7c・・CCD保持部 7d,7e・・基準穴 8,8′・・V移動環 8a・・スリーブ部 8b・・U溝部 8c・・導入溝部 8d・・円形穴部 8f・・突起 8k・・カット面 8m・・突起部 9・・RR移動環 9a・・スリーブ部 9b・・U溝部 10・・PZモータ 10a・・スクリュウ軸 11・・AFモータ 11a・・スクリュウ軸 12・・中間枠 12a・・基準位置決め穴 12b・・振れ止め長穴 12c,12d,12e・・係合部 13・・アイリス 81,81′・・ラック 81a,81a′・・取付部 81b・・弾性当接部 81d・・突起部 81e・・カット面 81f・・導入溝部 81g・・円形穴部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子を保持して光軸方向に移動可能
    な素子保持部材に取り付けられ、光軸方向に延びるよう
    配置されたスクリュウ軸に噛み合うラック部材を有する
    光学素子駆動装置において、 前記ラック部材における前記素子保持部材への取付部
    が、弾性変形した状態で前記素子保持部材を光軸方向か
    ら挟み込む形状に形成されており、 前記取付部に生じた弾性力により、前記ラック部材が前
    記素子保持部材に対して光軸方向に付勢圧接することを
    特徴とする光学素子駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記ラック部材の取付部および前記素子
    保持部材のうち一方に光軸方向を軸方向とする円形形状
    若しくは一部円形形状の凹部を形成するとともに、他方
    に光軸方向を軸方向とする円錐台形状若しくは一部円錐
    台形状の突起部を形成し、 これら凹部と突起部とをこれらの軸回りにて相対回転可
    能に嵌合させて前記ラック部材を前記素子保持部材に取
    り付けたことを特徴とする請求項1に記載の光学素子駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記突起部を円錐台形状における互いに
    軸直交方向にて対向する一対の側面部分をストレートに
    カットした形状に形成するとともに、前記凹部に軸直交
    方向にストレートに延びる導入溝をつなげ、 前記ラック部材の前記素子保持部材への取り付けに際し
    て、 前記突起部を、前記一対の側面部分を前記導入溝に平行
    にした状態でこの導入溝を通じて軸直交方向から、この
    突起部の軸位置が前記凹部の軸位置に略一致するまで前
    記凹部内に挿入し、 この後これらの軸回りで前記ラック部材を前記素子保持
    部材に対して回転させることにより、前記ラック部材の
    取付部を弾性変形させることを特徴とする請求項2に記
    載の光学素子駆動装置。
  4. 【請求項4】 光学素子を保持して光軸方向に移動可能
    な素子保持部材に光軸に平行な軸回りで回転可能に取り
    付けられ、光軸方向に延びるよう配置されたスクリュウ
    軸に噛み合うラック部材を有する光学素子駆動装置にお
    いて、 前記ラック部材に、前記素子保持部材に取り付けられた
    状態で前記素子保持部材に光軸直交方向から当接すると
    ともに光軸直交方向にて弾性変形が可能な弾性当接部を
    形成し、 前記弾性当接部に生じた弾性力により、前記ラック部材
    が前記スクリュウ軸に対し噛み合い方向に付勢されるこ
    とを特徴とする光学素子駆動装置。
  5. 【請求項5】 光軸方向に延びるよう配置され、前記素
    子保持部材を光軸方向にガイドするガイド部材を有して
    おり、 前記弾性当接部に生じた弾性力により、前記素子保持部
    材が前記ガイド部材に対して光軸直交方向に付勢圧接す
    ることを特徴とする請求項4に記載の光学素子駆動装
    置。
  6. 【請求項6】 前記弾性当接部に生じた弾性力により前
    記素子保持部材が前記ガイド部材に対して付勢される方
    向が、少なくともこの装置が正姿勢にあるときに前記素
    子保持部材がその自重により前記ガイド部材に押圧され
    る方向と略一致することを特徴とする請求項5に記載の
    光学素子駆動装置。
  7. 【請求項7】 装置内に絞りユニットを有しており、 前記ラック部材は、前記素子保持部材の光軸方向全可動
    範囲において前記絞りユニットと光軸方向にて重ならな
    い領域に配置されていることを特徴とする請求項1から
    6のいずれかに記載の光学素子駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の光学
    素子駆動装置を備えたことを特徴とする光学機器。
JP36539899A 1999-12-22 1999-12-22 光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器 Pending JP2001183561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36539899A JP2001183561A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36539899A JP2001183561A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001183561A true JP2001183561A (ja) 2001-07-06

Family

ID=18484163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36539899A Pending JP2001183561A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001183561A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5416558A (en) Camera with shake preventing apparatus
US7414802B2 (en) Lens apparatus and camera
EP1731939A1 (en) Lens barrel and imaging apparatus
JPH10293237A (ja) レンズ鏡筒およびこれを備えた撮像装置
US7173772B2 (en) Lens barrel
JP4218964B2 (ja) レンズ装置および撮像装置
JP2002169074A (ja) レンズ鏡筒
JP5884057B2 (ja) レンズ鏡筒
JP2002214667A (ja) レンズ鏡筒および撮影装置
JP2003075707A (ja) 鏡枠装置及びこれを使用する電子カメラ
JP2002072284A (ja) 光量調節装置、レンズ装置および撮像装置
JP4387509B2 (ja) レンズ鏡筒およびこれを備えた光学機器
US5715479A (en) Blur prevention device for preventing image blur
JP2002258138A (ja) レンズ鏡筒および撮影装置
JP3960245B2 (ja) 撮像装置
JP4433272B2 (ja) 撮像装置およびレンズ装置
JP2001183561A (ja) 光学素子駆動装置およびこれを備えた光学機器
JPH07294975A (ja) 振れ防止装置
JP2717598B2 (ja) カメラのズームレンズ駆動装置
JP2000352648A (ja) レンズの偏心調整方法及びレンズ装置
JP4603833B2 (ja) レンズ装置及び撮像装置
JP2007072386A (ja) レンズ鏡筒および撮影装置
JP2002189163A (ja) 光学装置および撮影装置
JP2003222924A (ja) カメラ
JP7566832B2 (ja) レンズ鏡筒