JP2001183379A - 検出システム - Google Patents

検出システム

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JP2001183379A
JP2001183379A JP37292699A JP37292699A JP2001183379A JP 2001183379 A JP2001183379 A JP 2001183379A JP 37292699 A JP37292699 A JP 37292699A JP 37292699 A JP37292699 A JP 37292699A JP 2001183379 A JP2001183379 A JP 2001183379A
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Taizo Akimoto
泰造 秋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アレイ状に検出体がプロットされた試験片を
用いる遺伝子発現解析において、試験片に関する情報と
検出情報との不一致を防止する。 【解決手段】 試験片に関する管理情報をコード化して
識別情報として試験片1に配置する。識別情報と管理情
報とを対応付けて、記憶装置60の管理データファイル
61に記憶し、さらに試験片から読み取った検体に関す
る検出情報と管理情報とを対応付けて保存データファイ
ル63に記憶する。したがって、試験片から識別情報を
読み取り、これに基づいて記憶装置60を検索すれば、
試験片に対応した管理情報および検出情報を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロアレイ、マ
クロアレイ、DNAチップ等の試験片を用いた分析方法
に用いられる検出システム、詳しくは、多種類の生体分
子を検出体として基板上に配置固定しておき、これを標
識物質(放射性同位体、蛍光色素等)で標識付けられた
生体分子を含む検体とハイブリダイズさせ、ハイブリダ
イズした検出体を特定する試験片を用いた分析方法に用
いられる検出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】実験医学シリーズ(株式会社羊土社出
版)の第17巻(1999年)の1月号の61〜65頁
に、「マイクロアレイを用いた遺伝子発現解析」と題す
る論文が掲載されており、そこにマイクロアレイを用い
て遺伝子の発現解析を行う方法が詳細に説明されてい
る。
【0003】このマイクロアレイやマクロアレイ、DN
Aチップ等の試験片を用いた遺伝子発現解析技術は最近
広く知られ実施されており、図9に示すように、メンブ
レン、ガラス、スライドガラス、シリコン基板等の基板
40の表面に、多種類の生体分子(cDNA,オリゴD
NA,その他のDNA,PNAあるいはEST等が現在
多用されている)を検出体としてスポッタ装置等により
マトリクス状に配置固定した試験片を用いる。この試験
片は、基板40の種類、サイズ、スポット数、スポット
のサイズ、検出体(プローブ)および検体(ターゲッ
ト)の種類等に応じて、マクロアレイ、マイクロアレ
イ、DNAチップ等と称される。
【0004】その一方において、放射性同位体あるいは
蛍光色素などで標識付けられたcDNA,ゲノムDN
A,mRNA等のRNA、dNTPあるいはPNA等の
生体分子が検体として用意される。
【0005】そしてマトリクス状に固定された検出体と
放射性同位体などで標識付けられた検体とがハイブリダ
イゼーションされる。
【0006】ここで相互にハイブリダイゼーション(結
合)する生体分子が検出体および検体に含まれていれ
ば、両生体分子が基板上でハイブリダイズし、ハイブリ
ダイズした生体分子を有する検出体に、放射性同位体や
蛍光色素などの標識物質が生体分子を介して固定され
る。一方、ハイブリダイズされなかった検出体には放射
性同位体や蛍光色素などは固定されない。図9中の2重
丸は、ハイブリダイズした検出体の基板上の存在位置
で、放射性同位体や蛍光色素などの標識物質が固定され
た位置を模式的に示している。なお、図9は模式的説明
であってマトリクス状に配置されたドットの一つ一つが
識別可能に示されているが、実際には微細ドットが高密
度で配置されているため、肉眼では殆ど識別できない。
【0007】そして試験片上のどこに放射性同位体また
は蛍光色素などの標識物質が存在しているかを検出する
ことにより、その検出位置からハイブリダイズした検出
体の基板上の存在位置が特定され、その存在位置からハ
イブリダイズした検出体の種類が特定される。また、こ
れと同時にハイブリダイズした検体の量が検出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにハイブリダ
イズした検出体の種類を特定するためには、放射性同位
体や蛍光色素の検出位置に関する情報と試験片に配置固
定した検出体の種類と位置に関する情報とを比較しなけ
ればならない。
【0009】しかしながら、従来試験片に配置固定した
検出体の種類と位置に関する情報は試験片を製作する際
に使用されるスポッタ装置等に格納されていた。このた
め、放射性同位体や蛍光色素の検出位置に関する情報か
らハイブリダイズした検出体の種類を特定する際には、
研究者等が手作業でこれらの情報をコンピュータに入力
しなければならなかった。したがって、試験片に配置固
定する検出体の種類を変えて多くの種類の試験片につい
て実験を行った場合には、研究者が誤って違う種類の試
験片の情報を入力する入力ミスが発生しやすく、また異
なる種類の試験片について実験を行ってしまうおそれも
あるため、試験片に配置固定した検出体の種類と位置に
関する情報と検出した標識物質の位置に関する情報が対
応しないという問題があった。
【0010】本発明は、試験片に多数配置固定した検出
体の種類と位置等に関する情報と検出した標識物質の位
置に関する情報との対応が不一致となることを防止する
ことができる検出システムを提供することを目的とする
ものである。
【0011】なお、本発明では、試験片の用途を遺伝子
発現解析、塩基配列の決定、変異解析、多型解析など、
遺伝子の解析に供するものに限定せず、さらに広く、何
らかの反応により、基板にスポット状に固定配置された
検出体に選択的に結合する検体の分析にも応用できるも
のとして、広く定義するものとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による検出システ
ムは、標識物質で標識付けられた検体と結合する検出体
が多数配置固定された試験片の所定位置に該試験片に関
する識別情報を配置する配置手段と、前記検体と結合し
た検出体に関する検出情報を取得する取得手段と、前記
識別情報を検出する検出手段と、前記検出情報と前記識
別情報とを対応付けて格納する格納手段とを備えたこと
を特徴とするものである。
【0013】なお、本発明による検出システムにおいて
は、前記試験片に配置された識別情報を読み取る読取手
段と、該読み取った識別情報に基づいて前記格納手段を
検索して該読み取った識別情報に対応する前記検出情報
を検索する検索手段とをさらに備えることが好ましい。
【0014】試験片としては、マイクロアレイ、マクロ
アレイ、DNAチップ等、検出体を多数配置可能なもの
であればその種類を問わない。
【0015】検出体としては、cDNA,オリゴDN
A,その他のDNA,PNAあるいはEST等のアレイ
法に用いられるものであればよく、その種類を問わな
い。すなわち、本発明による試験片に配置固定される検
出体は生体分子に限らず、何らかの反応により、検体と
選択的に結合するものであれば、多種多様のものであり
得る。
【0016】検体としては、cDNA,ゲノムDNA,
mRNA,totalRNA、その他のRNA、dNTPあ
るいはPNA等の生体分子が通常用いられるが、これら
は例示であってこれらに限られない。
【0017】したがって、検体と検出体の「結合」の態
様には、相補的な塩基配列の間に安定な2本鎖を形成す
るハイブリダイゼーションの他、例えば特異的結合によ
って結合するもの等が含まれる。なお、検体と検出体が
何らかの反応により結合する場合とは、例えば各種のア
フィニティー(親和性)が考えられる。
【0018】標識物質としては、放射性同位体や蛍光色
素等が通常用いられるが、これらは例示であってこれら
に限られない。
【0019】また、「所定位置」とは、検出体が配置固
定される位置でなければどこでもよく、特に制限がある
わけではない。
【0020】また、「識別情報」とは、試験片を識別す
るための情報であり、少なくとも試験片に配置固定され
た検出体の種類や位置を特定するために必要となる情報
であり、例えば試験片毎に付与された識別番号等であっ
てもよい。また、識別情報には、試験片に使用した基板
の種類、試験片を作成した作成日、通し番号、ロット番
号、検出体の配置に関するフォーマット等の情報が含ま
れてもよい。また、検出体のみならず検体に関する情報
を含むものであってもよい。識別情報は、試験片上の所
定位置に配置されるが、配置するスペースを小さくする
観点から、コード化して配置することが好ましい。
【0021】また、「検出情報」とは、検出体と検体と
をハイブリダイゼーションさせた後に、ハイブリダイズ
した検出体に標識物質が固定されるが、この標識物質を
検出することにより得られる、ハイブリダイズした検出
体の存在位置を表す情報のことをいう。
【0022】なお、本発明による検出システムにおいて
は、前記識別情報が前記標識物質またはこれに類似する
標識物質からなることが好ましい。
【0023】ここで、「類似する標識物質」とは、標識
物質が放射性同位体の場合には、前記標識物質とは異な
るものの、前記標識物質と同様の放射線を発する物質の
ことをいう。なお、標識物質が蛍光体の場合には、前記
標識物質とは異なるものの、該標識物質に照射する励起
光と同様の波長域の励起光の照射により、該標識物質と
同様の波長域の蛍光を発する物質のことをいう。
【0024】また、本発明による他の検出システムは、
検出体が多数配置固定された試験片の管理情報を格納す
る第1の格納手段と、前記試験片の所定位置に前記管理
情報に関連付けたコード化識別情報を配置する配置手段
と、前記検出体と結合した検体に関する検出情報を取得
する取得手段と、前記コード化識別情報を検出する検出
手段と、前記検出したコード化識別情報から前記第1の
格納手段に格納されている管理情報を読み出し、該読み
出した管理情報と前記検出情報とを対応付けて格納する
第2の格納手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0025】なお、本発明による他の検出システムにお
いては、前記試験片に配置されたコード化識別情報を読
み取る読取手段と、該読み取ったコード化識別情報に基
づいて前記第1の格納手段を検索して該読み取ったコー
ド化識別情報に対応する管理情報を検索し、該検索によ
り得られた管理情報に基づいて前記第2の格納手段を検
索して該得られた管理情報に対応する前記検出情報を検
索する検索手段とをさらに備えることが好ましい。
【0026】また、本発明による他の検出システムにお
いては、前記識別情報が前記標識物質またはこれに類似
する標識物質からなることが好ましい。
【0027】ここで、「管理情報」とは、試験片を識別
するための情報であり、少なくとも試験片に配置固定さ
れた検出体の種類や位置を特定するために必要となる情
報であり、例えば試験片毎に付与された識別番号等であ
ってもよい。また、識別情報には、試験片に使用した基
板の種類、試験片を作成した作成日、通し番号、ロット
番号、検出体の配置に関するフォーマット等の情報が含
まれてもよい。また、検出体のみならず検体に関する情
報を含むものであってもよい。
【0028】また、「関連付ける」とは、コード化識別
情報から試験片の管理情報が特定できるようにすること
をいい、例えば、コード化識別情報として各試験片に識
別番号を付与し、この識別番号から試験片の管理情報を
特定できるようにしておくことをいう。
【0029】
【発明の効果】本発明の検出システムによれば、試験片
に関する識別情報が試験片に配置され、この識別情報と
検出情報とが対応付けられて格納手段に記憶されている
ため、検出情報と試験片に配置固定された検出体の種類
や位置に関する情報との対応が不一致となることを防止
できる。
【0030】また、読取手段により識別情報を読み取
り、読み取った識別情報に基づいて格納手段を検索する
ことにより、試験片と対応した検出情報を検索すること
ができるため、識別情報と検出情報との対応の不一致を
防止して、正確な検出情報に基づいて検体とハイブリダ
イズした検出体の種類を特定することができる。
【0031】さらに、識別情報を標識物質またはこれに
類似する標識物質からなるものとすることにより、試験
片上の標識物質を検出する際に、同時に識別情報を検出
することができるため、識別情報の検出手段と検出情報
を取得する取得手段とを兼用することができ、これによ
り余分な工程を増やすことなく処理を行うことができ
る。
【0032】また、本発明の他の検出システムによれ
ば、試験片に関するコード化識別情報が試験片に配置さ
れ、このコード化識別情報と管理情報が対応付けられて
第1の格納手段に格納され、さらに管理情報と検出情報
とが対応付けられて第2の格納手段に記憶されているた
め、試験片に配置固定された検出体の種類や位置を表す
管理情報と検出情報との対応が不一致となることを防止
できる。
【0033】また、読取手段によりコード化識別情報を
読み取り、読み取ったコード化識別情報に基づいて第1
のおよび第2の格納手段を検索することにより、試験片
と対応した管理情報および検出情報を検索することがで
きるため、管理情報と検出情報との対応の不一致を防止
して、正確な検出情報に基づいて検体とハイブリダイズ
した検出体の種類を特定することができる。
【0034】さらに、コード化識別情報を標識物質また
はこれに類似する標識物質からなるものとすることによ
り、試験片上の標識物質を検出する際に、同時にコード
化識別情報を検出することができるため、コード化識別
情報の検出手段と検出情報を取得する取得手段とを兼用
することができ、これにより余分な工程を増やすことな
く処理を行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、ハイブリダイゼーション後
の試験片上に存在する検出体と結合した検体の位置検出
を行う検出システムに、本発明を適用した一実施の形態
について説明する。
【0036】ここで、ハイブリダイゼーションまでの過
程を簡単に説明する。まず、スポッタ装置を用いて基板
(メンブレン)の上に多種類の生体分子(cDNA)を
マトリクス状に配置する。すなわち、図3に示すよう
に、メンブレン2の上に多種類の生体分子4がマトリク
ス状に配置されて試験片1が形成される。なお、メンブ
レン2上に配置されるcDNAをプローブ(検出体)と
する。そして、後述するように試験片1上に標識物質に
よりコード化した識別情報を配置する。次に、解析する
細胞から抽出したRNAを用いて調整したpoly(A)RNAを
鋳型とし、逆転写反応で放射性同位体により標識付けさ
れたcDNAを合成する。この標識されたcDNAをタ
ーゲット(検体)とする。そして、調整された溶液の中
に試験片1を浸してターゲットをハイブリダイゼーショ
ンさせる(図4)。その後、試験片1の表面を洗浄する
ことにより、ハイブリダイゼーションされなかったター
ゲット6を取り除き、図5に模式的に示すように、ハイ
ブリダイゼーションされた放射性同位体で標識付けられ
たターゲット8のみを試験片1上に残す。なお、試験片
1の識別情報を形成する放射性同位体としては、ターゲ
ットを標識付けるものと同一であってもよく、これとは
異なるがターゲットを標識付ける放射性同位体と同様の
放射線を発するものであってもよい。
【0037】図5の状態の試験片1上に残ったターゲッ
ト8の位置を、本発明の一実施の形態に係る検出システ
ムにより検出する。まず、検出システム50のシステム
構成について図1を用いて説明する。
【0038】本実施の形態に係る検出システム50は、
検出システム50を統括的に制御するプログラムされた
主制御部(以下、主制御部という)51と、主制御部5
1に接続され各種データを記憶する記憶装置60と、入
出力制御部56を介して主制御部51に接続されるキー
ボード等の入力装置52と、試験片1に関する識別情報
を試験片1にプリントするためのプリント装置53と、
試験片1上に残った放射性同位体により標識付けられた
ターゲットを検出するための検出装置54と、検出装置
54で検出された情報の表示等を行うディスプレイ等の
表示装置55を備える。
【0039】主制御部51は、OS(Operating syste
m)等の制御プログラム、入力された試験片1に関する
管理情報をコード化するためのコード化プログラム、検
出した放射性同位体の位置に関する情報からコード化さ
れた情報を抽出するためのプログラム、検出装置54や
プリント装置53を制御するためのプログラム、表示装
置55に表示される表示内容を制御するためのプログラ
ムや所要データを格納するための内部メモリを有してい
る。これら各種プログラムは、公知のプログラム技術を
適宜利用し作成される。
【0040】記憶装置60は、ハードディスクやフレキ
シブルディスク、あるいは光ディスク等の記憶手段であ
り、管理データファイル61と、検出データファイル6
2と、保存データファイル63が格納されている。管理
データファイル61には、試験片1に関する管理情報が
試験片1に配置された試験片1の識別情報と対応付けら
れて記憶される。具体的には、試験片1の作成日、作成
ナンバー、試験片1の種類、試験片1に配置固定したプ
ローブの種類、プローブの配置形態を表すフォーマット
に関する情報が記憶される。なお、ハイブリダイズする
ターゲットが予め分かっている場合には、このターゲッ
トの種類、ハイブリダイゼーションの条件等のターゲッ
トに関する情報を試験片1に関する管理情報に加えて管
理データファイル61に記憶してもよい。また、ハイブ
リダイズ後にターゲットに関する情報を管理データファ
イル61に記憶してもよい。そして、試験片1の識別情
報により各試験片1が識別され、さらに識別情報を用い
て管理データファイル61を検索することにより、試験
片1に関する管理情報すなわち試験片1に配置したプロ
ーブの種類等が特定される。検出データファイル62は
検出装置54で検出した放射性同位体の位置に関する検
出情報を記憶したファイルであり、保存データファイル
63は検出情報と、その検出情報に対応する試験片1に
関する管理情報とを併せて格納したファイルである。
【0041】なお、プリント装置53には、メンブレン
2上にプローブを配置するためのスポッタ装置を使用し
た。
【0042】また、本実施の形態では、試験片1上に存
在する放射性同位体(14C、32P、33P等)の位
置を検出する手段として、蓄積性蛍光体シートを利用す
る。したがって、検出装置54には、この蓄積性蛍光体
シートに蓄積された放射線エネルギを検出する公知の装
置を使用した(例えば、特開平10−3134号等)。
ここで、蓄積性蛍光体シートとは、放射線が照射される
と放射線エネルギを吸収して蓄積記録し、その後に、特
定の波長域のレーザ等を用いて励起すると、照射された
放射線のエネルギー量に応じた光量の輝尽発光光を発す
る特性を有するものをいい、代表的には支持体上にBa
FX(ここでXはハロゲン)蛍光体粒子がバインダ中に
高密度に充填されたものが塗布されたものが知られてお
り、輝尽性蛍光体を用いた放射線変換パネルとしても知
られている。
【0043】次に、本実施の形態の検出システムの動作
を図2に基づいて説明する。
【0044】まず、入力装置52から試験片1に関する
管理情報が入力される(S30)。なお、本実施の形態
では、試験片1の作成日、試験片1の種類、プローブの
種類に関する情報が入力されるものとするが、これらに
加えて作成番号、ロット番号、プローブの配置に関する
フォーマット等の情報を入力してもよい。この情報は入
出力制御部56および主制御部51を介して記憶装置6
0の管理データファイル61に記憶されると共に、主制
御部51においてコード化され(S32)、コード化さ
れた情報が識別情報として試験片1の図5中20で示す
位置に標識物質を用いて配置される(S34)。具体的
には、本実施の形態ではプリント装置53を用いて、放
射性同位体を試験片1の図5中20で示す位置に配置し
た。試験片1の表面に配置された放射性同位体の配置状
態を図6に示す。試験片1の表面に配置される識別情報
は、図6(a)に示すようにバーコード状として配置し
てもよく、また、図6(b)に示すようにドット状に配
置してもよい。この配置された識別情報は、作成日を示
す部分と、試験片1の種類を示す部分と、プローブの種
類を示す部分とから構成されるが、これらを1つにまと
めて1つのコード情報として表してもよい。このように
本実施の形態では、試験片1に関する識別情報がコード
化されているため、試験片1上の狭いスペースに識別情
報を配置することができる。
【0045】なお、ターゲットに関する情報が予め分か
っている場合には、これらの情報もコード化して試験片
1に配置することが好ましい。
【0046】そして、識別情報が配置された試験片1は
ハイブリダイズされる(S36)。次に、ハイブリダイ
ゼーションにより試験片1上に残ったターゲット8の位
置を検出するために、試験片1に蓄積性蛍光体シート3
0を図7に示すように密着させ、密着後暗所に試験片1
と蓄積性蛍光体シート30を密着させた状態で放置し
て、蓄積性蛍光体シート30に放射性同位体からの放射
線を露光する(S38)。なお、放射線の露光前に蓄積
性蛍光体シート30の全面に可視光を照射し、蓄積性蛍
光体シート30に蓄積されていた不要な情報を消去す
る。そして、密着後一定時間放置することにより、試験
片1に残ったターゲット8からの放射線エネルギと、試
験片1に関する識別情報として図5中20で示す位置に
配置した放射性同位体からの放射線エネルギを蓄積性蛍
光体シート30に蓄積させる。
【0047】次に試験片1と蓄積性蛍光体シート30を
分離して、検出装置54を用いて、蓄積性蛍光体シート
30に蓄積された放射線エネルギを検出する(S4
0)。検出装置54の動作を、図8を用いて簡単に説明
すると、ハーフミラーまたはダイクロイックミラー12
を用いて、読取用レーザ10を反射して蓄積性蛍光体シ
ート30の表面全域を走査し、蓄積性蛍光体シート30
で発光した輝尽発光光14をミラー12を通過させてフ
ォトマルチプライヤ(PMT)により検出する。すなわ
ち、ハイブリダイゼーションの過程で試験片1上のcD
NAのドット4にハイブリダイズされた標識付きのター
ゲット8の標識である放射性同位体からの放射線に曝さ
れて放射線エネルギを蓄積した箇所と、試験片1上に配
置固定した試験片1に関する情報を示す放射性同位体か
らの放射線に曝されて放射線エネルギを蓄積した箇所か
ら輝尽発光光が発光するため、それをPMTにより検出
することにより放射性同位体の位置が特定できる。PM
Tで検出した輝尽発光光は電気信号に変換され、入出力
制御部56等を介して記憶装置60の検出データファイ
ル62に発光位置を示す検出情報として記憶される。
【0048】次に、本実施の形態では、検出データファ
イル62に記憶した発光位置を示す検出情報の内、図5
中20で示す位置に対応する部分の情報からコード化さ
れた識別情報を抽出する(S42)。そして、S40で
抽出した識別情報に基づいて管理データファイル61に
記憶した管理情報を検索し(S44)、この管理情報と
検出装置54で検出した発光位置を示す検出情報とを対
応付けて保存データファイル63に格納する(S4
6)。
【0049】これにより保存データファイル63には、
実験に使用された試験片1に関する管理情報と、検出装
置54により検出した発光位置を示す検出情報とが対応
付けて格納されるため、試験片1に配置された識別情報
から管理情報を特定し、さらに管理情報から検出情報を
特定できる。したがって、試験片1から識別情報を読み
取り、この識別情報に基づいて記憶装置60を検索する
ことにより、試験片1に配置されたプローブの位置、種
類、細胞から抽出したRNAとハイブリダイゼーション
したcDNA等を表す管理情報と検出情報とを得ること
ができる。
【0050】以上、詳述したように、本実施の形態に係
る検出システムでは、プリント装置53により試験片1
に試験片1の管理情報(作成日、試験片の種類、プロー
ブ種)と対応付けられた識別情報が標識物質(放射性同
位体)を用いて付与されるため、蓄積性蛍光体シート3
0に試験片1の識別情報をも記憶させることができる。
したがって、蓄積性蛍光体シートからハイブリダイズし
たターゲットの位置を検出する際に試験片1の識別情報
をも同時に検出することができる。
【0051】また、試験片1の識別情報、管理情報およ
び検出情報を対応させて記憶装置60に格納しているた
め、試験片1に配置する検出体の種類が多くなり実験す
る試験片1の種類が多くなっても、試験片1から識別情
報を読み取れば、管理情報および検出情報を対応させて
取得することができ、これにより試験片1の管理情報と
検出情報とが不一致となることを防止することができ
る。
【0052】また、試験片1の識別情報を、標識物質と
同一またはこれに類似する物質を用いて配置しているた
め、この識別情報を読み取るために特別な読取装置を必
要とせず、かつハイブリダイゼーションしたターゲット
の標識物質の位置を検出する際に試験片1に関する情報
を同時に検出することができるため、余分な工程を増や
すことなく処理を行うことができる。
【0053】また、上記実施の形態では、ハイブリダイ
ズ前に試験片1の識別情報を試験片1に配置したが、こ
れに限られず、ハイブリダイズ後に識別情報を配置して
もよい(図3の状態)。また、ターゲットに関する情報
をハイブリダイズ後に試験片1に関する情報と対応付け
て管理データファイル61に格納してもよい。
【0054】さらに、上記実施の形態では、ターゲット
を標識付けするのに放射性同位体を使用したが、蛍光色
素(Cy5、Cy3等)を使用することもできる。この
場合には、蓄積性蛍光体シートを使用することなく、蛍
光色素を励起させるための励起光を試験片1に直接照射
し、蛍光色素から発せられる蛍光をPMTにより検出す
ればよい。
【0055】また、上記実施の形態では、標識物質と同
一またはこれに類似するの物質を用いて試験片1に関す
る情報を配置しているが、これに限られず、印刷などに
より試験片1に関する情報を配置してもよい。また、メ
ンブレン2に凹凸を形成したり、孔を形成する等の手法
により試験片1に試験片1に関する情報をコード化して
配置してもよい。
【0056】さらに、上記実施の形態では、試験片1に
管理情報と対応付けた識別情報を配置しているが、識別
情報そのものを試験片1に関する管理情報を表すものと
してもよい。この場合、識別情報はコード化して表して
もよいが、文字により識別情報を表すものであってもよ
い。なお、文字により識別情報を表した場合、識別情報
を得るためには文字認識を行う必要がある。この場合、
記憶装置60には管理データファイル61は格納され
ず、識別情報と検出情報とが対応付けられて保存データ
ファイル63に格納されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る検出システムの概略
構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態に係る検出システムの手順
を説明するためのフローチャート
【図3】試験片の表面にマトリクス状に検出体が配置固
定された状態を模式的に示す斜視図
【図4】ハイブリダイゼーション工程を模式的に示す斜
視図
【図5】ハイブリダイゼーション後の状態を模式的に示
す斜視図
【図6】試験片に配置固定されるコード化された識別情
報の一例を示す図
【図7】試験片に蓄積性蛍光体シートを重ね合わせて蓄
積性蛍光体シートを放射線に曝す工程を模式的に示す斜
視図
【図8】読取用レーザを照射して発光させる様子を模式
的に示す斜視図
【図9】従来のマイクロアレイの基板を模式的に示す斜
視図
【符号の説明】
1 試験片 2 メンブレン 4 cDNAのマトリクス 6 ターゲット 10 読取用レーザ PMT フォトマルチプライヤ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12M 1/34 C12M 1/34 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標識物質で標識付けられた検体と結合
    する検出体が多数配置固定された試験片の所定位置に該
    試験片に関する識別情報を配置する配置手段と、 前記検体と結合した検出体に関する検出情報を取得する
    取得手段と、 前記識別情報を検出する検出手段と、 前記検出情報と前記識別情報とを対応付けて格納する格
    納手段とを備えたことを特徴とする検出システム。
  2. 【請求項2】 前記試験片に配置された識別情報を読
    み取る読取手段と、 該読み取った識別情報に基づいて前記格納手段を検索し
    て該読み取った識別情報に対応する前記検出情報を検索
    する検索手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項
    1記載の検出システム。
  3. 【請求項3】 前記識別情報が前記標識物質またはこ
    れに類似する標識物質からなることを特徴とする請求項
    1または2記載の検出システム。
  4. 【請求項4】 検出体が多数配置固定された試験片の
    管理情報を格納する第1の格納手段と、 前記試験片の所定位置に前記管理情報に関連付けたコー
    ド化識別情報を配置する配置手段と、 前記検出体と結合した検体に関する検出情報を取得する
    取得手段と、 前記コード化識別情報を検出する検出手段と、 前記検出したコード化識別情報から前記第1の格納手段
    に格納されている管理情報を読み出し、該読み出した管
    理情報と前記検出情報とを対応付けて格納する第2の格
    納手段とを備えたことを特徴とする検出システム。
  5. 【請求項5】 前記試験片に配置されたコード化識別
    情報を読み取る読取手段と、 該読み取ったコード化識別情報に基づいて前記第1の格
    納手段を検索して該読み取ったコード化識別情報に対応
    する管理情報を検索し、該検索により得られた管理情報
    に基づいて前記第2の格納手段を検索して該得られた管
    理情報に対応する前記検出情報を検索する検索手段とを
    さらに備えたことを特徴とする請求項4記載の検出シス
    テム。
  6. 【請求項6】 前記コード化識別情報が前記標識物質
    またはこれに類似する標識物質からなることを特徴とす
    る請求項4または5記載の検出システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104458585A (zh) * 2013-09-12 2015-03-25 建舜生物科技股份有限公司 检测仪、测试条、以及识别测试条的方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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