JP2001181876A - オゾン発生用電解セルとその製造方法 - Google Patents

オゾン発生用電解セルとその製造方法

Info

Publication number
JP2001181876A
JP2001181876A JP36541499A JP36541499A JP2001181876A JP 2001181876 A JP2001181876 A JP 2001181876A JP 36541499 A JP36541499 A JP 36541499A JP 36541499 A JP36541499 A JP 36541499A JP 2001181876 A JP2001181876 A JP 2001181876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead dioxide
electrolytic cell
sheet
electrode plate
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36541499A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihisa Koganezawa
明央 小金澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TEEIKU WAN SOGO JIMUSHO KK
Original Assignee
TEEIKU WAN SOGO JIMUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TEEIKU WAN SOGO JIMUSHO KK filed Critical TEEIKU WAN SOGO JIMUSHO KK
Priority to JP36541499A priority Critical patent/JP2001181876A/ja
Priority to US09/598,165 priority patent/US6328862B1/en
Priority to EP00305283A priority patent/EP1111095A1/en
Publication of JP2001181876A publication Critical patent/JP2001181876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/13Ozone
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B9/00Cells or assemblies of cells; Constructional parts of cells; Assemblies of constructional parts, e.g. electrode-diaphragm assemblies; Process-related cell features
    • C25B9/17Cells comprising dimensionally-stable non-movable electrodes; Assemblies of constructional parts thereof
    • C25B9/19Cells comprising dimensionally-stable non-movable electrodes; Assemblies of constructional parts thereof with diaphragms
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で信頼性の高いオゾン発生用電解セルを
提供する。 【解決手段】 通気・通水構造を有する導電体からなる
陽極電極板と陰極電極板とによって固体電解質膜が狭持
され、前記陽極電極板と前記固体電解質と間に二酸化鉛
層が介在するとともに前記陽極電極板の少なくとも前記
二酸化鉛層に接する面に白金層が介在する構造を備えた
電解セルにおいて、前記二酸化鉛層は、粉末状の二酸化
鉛とPTFEディスパージョンと揮発性分散媒との混練
物をシート状に形成するとともに、100℃以下の雰囲
気で前記分散媒を揮発させて乾燥させたシート状二酸化
鉛としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオゾン発生用電解セ
ルとその製造方法に関し、とくにオゾン発生触媒として
電解セルに組み込まれる二酸化鉛層の形成方法の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】オゾンを工業的に発生させる方式として
電解セルを使用した方式がある。図1は一般的な電解セ
ルの概略構造を断面図として示している。電解セル1
は、メッシュ状あるいは多孔質状など通気・通水性構造
をなすチタンからなる陽極電極板3と、同じく通気・通
水構造をなすステンレスメッシュやチタンを基材とした
陰極電極板4とによってPEM(水素イオン交換膜)と
呼ばれる固体電解質膜2を狭持した構造を基本としてい
る。陽極電極板3の少なくともPEM2側表面にはメッ
キなどによって白金層6が形成されており、この白金層
6と固体電極膜2との間には二酸化鉛層5が介在する。
また、陰極電極板4のPEM2側表面には白金などの金
属が担持されて水素発生7触媒層を形成している。
【0003】さらに、両極の電極板3、4と電源とを接
続するためのリード端子部となる集電板8、9が電極板
3、4の外側に積層されている。そして、陽極集電板8
と陰極集電板9との間に積層される各構成要素は圧接な
どによって互いに電気的に接続される。また、集電板
8、9には孔部10、11が適宜に穿設されており、電
解セル1の外部から電極板3、4を通過してPEM2に
至る通水経路や通気経路を確保している。
【0004】この構造の電解セル1に対して陽極側に水
を供給するとともに陽・陰極電極板3、4間に電流を流
すと、水が電気分解される。水素イオンはPEM2を通
過して陰極側に到達し、ここで電子が供給されて水素に
なる。一方、陽極側で発生した酸素は、その一部が二酸
化鉛層5の触媒作用によってオゾンになる。
【0005】上述したように、電解セルにおける二酸化
鉛層はオゾンを発生させるための触媒である。そのた
め、二酸化鉛層の成膜状態がオゾン発生効率や電解セル
の信頼性を大きく左右する。従来、二酸化鉛層は電着に
よって陽極電極板2の表面に形成している。そして、陽
極電極板における白金層は、電着時に二酸化鉛の密着性
を向上させるために設けられれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の電解セルは、電着によって二酸化鉛層を陽極電極板に
形成している。しかし電着された二酸化鉛膜は、膜質が
堅く、わずかな応力によって亀裂が発生したりはがれ落
ちたりする。そのため、大面積のチタン板に二酸化鉛を
一括して電着した後、陽極電極板の形状に合わせて切り
出すという工程を採用することができない。そこで、チ
タン板を陽極電極板の形状に切り出した後、個々の電極
板に対して電着を行っている。そのため、生産性に欠
け、電解セルの製造コストを増加させる。
【0007】また、電着では、物理的な凹凸や抵抗値の
大小などが発生しやすく、平滑で均一な膜質にすること
が難しい。不均一な二酸化鉛膜をPEMに圧接すれば、
凹凸による密着度の差や、抵抗値の差によってPEMに
電流が流れ易い部分と流れ難い部分とができる。抵抗値
が高い部分に電流が流れれば当然発熱する。この発熱は
オゾン発生効率を低下させる。また、PEMを破損させ
る可能性もある。そのため、均一な電着膜を形成するた
めに、電着溶液の温度や濃度などを厳しく管理するとと
もに、電着条件を手作業によって微妙に調整しているの
が現状である。この電着条件の管理も製造コスト増加の
要因となっている。
【0008】さらに、二酸化鉛の電着は酸素雰囲気中で
行われるため、二酸化鉛の結晶格子のエネルギー準位が
電着時の条件に左右されてしまうことも知られている。
そして、電着直後におけるエネルギー準位は時間が経過
するにつれて落ちてしまうため二酸化鉛の物性が経時変
化するという問題がある。経験的には、電解セルに電着
二酸化鉛層を組み込んですぐに電流を流すか、時間をお
いてから流すか、電解セルに通水してすぐに電気分解す
るか、通水後に時間をおいてから電気分解するかなど、
電解セルへの組み込み後の時間経過や動作状況に応じて
オゾン発生効率が変化することで知られている。これで
は、信頼性に大きな問題を抱えることになる。
【0009】電着二酸化鉛層が抱える種々の問題に対
し、特開平8−213027号公報(引用例1)では二
酸化鉛を柔軟なシート状に形成する技術を開示してい
る。具体的には、シート状のPTFEに二酸化鉛とPE
Mを構成する固体電解質樹脂との混合溶液を充填してシ
ート状の陽極触媒を形成し、陽極触媒/PEM/陰極媒
層(カーボンペーパーに白金を担持)の順に積層すると
ともにこの積層体をホットプレスによって120℃〜1
40℃の温度で圧着して二酸化鉛の触媒層を形成いる。
そして、陽・陰極の電極板間にこの圧着体を狭持して電
解セルに作製している。
【0010】また、特開平11−131276号公報
(引用例2)にはPEM上に積層したシート状PTFE
の上に二酸化鉛粉末を塗布してシート状の二酸化鉛を形
成する技術が開示されている。この例においても、陽極
集電板/陽極電極板/シート状二酸化鉛/PEM/陰極
電極板/陰極集電板の順に積層された積層体を160℃
の温度でホットプレスして圧着し、電解セルに作製して
いる。
【0011】確かに、上記引用例1、2では二酸化鉛を
柔軟なシート状にして電解セルに組み込でいるため、電
着二酸化鉛層に見られる亀裂や剥離を防止でき、生産性
が向上する。また、均一な成膜によってエネルギー準位
や物理的な不均一性などに起因する信頼性の低下なども
回避することができる。しかし、周知のごとく、二酸化
鉛は酸化性が極めて高く、熱に対して不安定な物質であ
る。上記引用例1、2では、ホットプレスによる120
〜160℃の加熱工程によって二酸化鉛層を形成してい
るため、二酸化鉛が分解する可能性がある。二酸化鉛層
の表面に熱分解した部分があれば、層表面の電気抵抗に
偏りが発生し、電解セルの動作は不安定なものとなって
しまう。結局、原因が異なるだけで電着による二酸化鉛
層と同様な信頼性の低下という問題が発生することにな
る。
【0012】そこで本発明は、低い製造コストと高い信
頼性を達成した電解セルを提供するために、100℃以
下のプロセスによって二酸化鉛層を形成した電解セル
と、その電解セルの作製方法に関する技術を開示するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明はオゾン発生
用電解セルであって、通気・通水構造を有する導電体か
らなる陽極電極板と陰極電極板とによって固体電解質膜
が狭持され、前記陽極電極板と前記固体電解質と間に二
酸化鉛層が介在するとともに前記陽極電極板の少なくと
も前記二酸化鉛層に接する面に白金層が介在する構造を
備え、前記二酸化鉛層は、粉末状の二酸化鉛とPTFE
ディスパージョンと揮発性分散媒との混練物をシート状
に形成するとともに、100℃以下の雰囲気で前記分散
媒を揮発させて乾燥させたシート状二酸化鉛であること
としている。
【0014】第2の発明は、第1の発明に記載のオゾン
発生用電解セルの製造方法であって、粉末状の二酸化鉛
とPTFEディスパージョンと揮発性分散媒とを混合・
攪拌する工程と、当該混合攪拌工程にて得られた混練物
を別途用意されたプレート上に塗布する工程と、前記プ
レート上に塗布された前記混練物の前記分散媒を揮発さ
せて乾燥する工程と、当該乾燥したシート状混練物を前
記プレートから剥離する工程とによって前記シート状二
酸化鉛を作製し、当該シート状二酸化鉛を前記陽極電極
板と前記固体電解質との間に挿入することで前記二酸化
鉛層を形成することとしている。この第2の発明におい
て、前記プレートを紙としたオゾン発生用電解セルの製
造方法を第3の発明としている。
【0015】また第4の発明は、第1の発明に記載のオ
ゾン発生用電解セルの製造方法であって、粉末状の二酸
化鉛とPTFEディスパージョンと揮発性分散媒とを混
合・攪拌する工程と、当該混合攪拌工程にて得られた混
練物を前記固体電解質膜上に塗布する工程とによって前
記二酸化鉛層を形成することとし、粉末状の二酸化鉛と
PTFEディスパージョンと揮発性分散媒とを混合・攪
拌する工程と、当該混合攪拌工程にて得られた混練物を
前記陽極電極板上に塗布する工程とによって前記二酸化
鉛層を形成するオゾン発生用電解セルの製造方法を第5
の発明とした。
【0016】
【発明の実施の形態】===電解セルの基本構造== 本発明の電解セルの基本構成は従来例として図1に示し
た構成とほぼ同様である。しかし、二酸化鉛層の形態や
形成方法が大きく異なる。まず、本発明の実施例におけ
る電解セルの基本構造を図1に従って説明する。
【0017】本実施例の電解セルは、PEM2にパーフ
ロロスルフォン酸樹脂膜(米デュポン社製:ナフィオン
<登録商標>#117)を使用している。陽極電極板3
は開口率などが異なる4種のエキスパンドチタンを4層
積層するとともに、PEM2側に面した層にのみ白金メ
ッキを施してこれを白金層6としている。陰極電極板4
は、ステンレスメッシュを基材とし、PEM2側の面に
カーボンペーパーに白金を担持させた陰極触媒層7を形
成している。PEM2と陽極電極板3との間には本発明
の本質でもある二酸化鉛層5が介在している。そして、
通気・通水孔10が穿設されたチタン板8を陽極電極板
3の外側に配置して陽極集電板8とし、同じように通水
・通気孔11が穿設されたステンレス板9を陰極電極板
4の外側に配置して陰極集電板9としている。このよう
にして上記各構成要素を積層することで電解セル本体1
が構成される。
【0018】図2、図3は本実施例における電解セルの
詳細構造を示している。図2は電解セルの分解図であ
り、図3はその分解図に従ってセルを組み立てたときの
概略断面図である。本実施例において、電解セルを組み
立てる段階では、二酸化鉛層5はシート状二酸化鉛とし
て陽極電極板3とPEM2との間に個別要素として挿入
されている。また、電解セルの各構成要素は概して円盤
上に形成され、所定の要素には、その周縁部にボルトの
貫通孔15が穿設されている。積層される各構成要素間
にはフッ素樹脂などオゾン耐性材料によって作製された
パッキン12が適宜に挿入されるとともに、同じくオゾ
ン耐性材料によるケーシング13、14によって電解セ
ル本体を密閉している。このケーシング13、14には
両極の集電板8、9の通気・通水孔10、11にガスや
水を導入/導出するための孔16が開口している。そし
て、ケーシング13、14の外側からセルの各構成要素
の前記貫通孔15にボルト17を通し、これをナット1
8に螺嵌・締結して積層状態にある電解セルの各構成要
素を互いに圧着させている。
【0019】なお、本実施例において、陽極集電板8と
陽極電極板3とは、密着させた状態で電流を流して溶接
することで電気的に接続している。それによって、オゾ
ンによってチタン表面が酸化して表面の抵抗が増加して
も溶接による融着部では表層の酸化被膜の内側に低抵抗
の導電路が確保されるようにしている。また、陽極電極
板3と二酸化鉛層5、および二酸化鉛層5とPEM2と
は溶接ができないため、上述のボルト16による圧着に
よって互いに圧接させて電気的な接続をとっている。し
たがって、本実施例における陽極白金層は、チタン製の
陽極電極板3が二酸化鉛層5と接する面で陽極酸化し、
抵抗が増加するのを防ぐために設けられている。なお、
陰極電極板4についても圧着によってPEM2との接続
をとっている。次に本発明の電解セルの製造方法を、シ
ート状二酸化鉛の作製プロセスを主体として説明する。
【0020】===シート状二酸化鉛の作製=== 図2(A)〜(D)は、シート状二酸化鉛の作製プロセ
スにおける一実施例を示している。 (A)粉末状の二酸化鉛と、市販のPTFEディスパー
ジョン(MDF PTFE30−J<商品名:三井・デ
ュポンフロロケミカル株式会社>など)とを混合する。
PTFEの量は二酸化鉛に対して約5wt%の量として
いる。この混合物にエタノールを適量(実施例では混合
物と同量の体積分)加えて混合・攪拌してスラリー状の
混練物20とし、この混練物20を塩化ビニル製のロー
ラ21を用いてパラフィン紙22上に膜厚300μmと
なるように塗布する。なお、100℃以下の融点で混合
物を分散できればイソプロビルアルコールなど他の分散
媒を使用してもよい。 (B)工程(A)によってシート状に塗布された混練物
20を放置してエタノールを揮発させて自然乾燥させ
る。このとき、100℃以上の温度に曝さなければ、加
熱乾燥させることとしてもよい。 (C)乾燥したシート状混練物20を陽極電極板の形状
にカッティングする。 (D)パラフィン紙22から混練物20を剥離してシー
ト状の二酸化鉛とする。
【0021】上記工程(A)〜(D)によって得られた
シート状二酸化鉛を陽極電極板とPEMとの間に挿入し
て陽極集電板/陽極電極板/シート状二酸化鉛/PEM
/陰極電極板の順に配置された積層体を圧着して電解セ
ルに作製する。
【0022】===電解セルの性能・考察=== 上記工程によって作製した電解セルに対して、実際に通
水して両極間に電流を流し、電解セルを運転してみた。
二酸化鉛層を電着によって形成し、それ以外は上記実施
例と同じ構成とした電解セルと較べてみたところ、流す
電流を同じとしたとき、両極間の電圧が0.5vも低下
した。すなわち、従来はこの0.5vの電圧降下分が熱
となっていたことになり、本発明による電解セルがオゾ
ン発生効率を大幅に向上させることがわかった。
【0023】また、本実施例の電解セルを運転後に分解
し、二酸化鉛層の変化を観察した。それによると、セル
に組み込んだ時点では茶褐色であったシート状の二酸化
鉛が全面黒色に変化していた。すなわち、二酸化鉛層全
面に渡って均一に電流が流れたことを示している。ま
た、二酸化鉛層がPEMの表面に強固に粘着していた。
これは、PEMとシート状二酸化鉛が含むPTFEとが
同じフッ素系樹脂であり、両者の親和性によって密着し
やすいためと思われる。
【0024】===その他の実施例=== 上記実施例では、粉末二酸化鉛と液状PTFEとの混練
物をパラフィン紙に塗布することで、混練物が含む分散
媒を紙面に吸収させて、乾燥時間を短くするようにして
いるが、混練物は、乾燥後に剥離できれば、金属や樹脂
などのプレート上に塗布してもよい。あるいは、剥離用
のプレートに塗布せず、PEM上や陽極電極板上に直接
塗布することとしてもよい。もちろん、塗布方法はロー
ルコート法に限るものでもない。さらに、型を用いて混
練物をシート状に成型することもできる。
【0025】
【発明の効果】本発明の電解セルによれば、シート状に
成形された二酸化鉛を陽極電極板と固体電解質膜との間
に介在させた構成としている。シート状二酸化鉛は柔軟
であり、大面積のシート状二酸化鉛をあらかじめ作製し
てから電極形状に合わせて切り出す工程を採用すること
ができる。そのため、電解セルの生産性が向上し、製造
コストを低下させる。
【0026】また、電着された二酸化鉛と異なりシート
状二酸化鉛は経時変化による劣化がない。そのため、電
解セルにシート状二酸化鉛を組み込むまでの経過時間や
組み込み後の動作状況などによって性能が左右されず、
信頼性が向上する。
【0027】しかも、本発明の電解セルにおける二酸化
鉛層は100℃以下の温度で作製されたシート状二酸化
鉛を陽極電極板と固体電解質膜との間に挿入するだけで
形成される。そのため、従来のシート状二酸化鉛を適用
した電解セルに見られる二酸化鉛の分解がなく、信頼性
をさらに向上させる。
【0028】シート状二酸化鉛を、プレート上に二酸化
鉛とPTFEとをスラリー状に混合した混練物を塗布し
て乾燥する工程によって作製すれば、このプレート上に
乾燥させた状態でシート状二酸化鉛を長期間保存するこ
とができる。また、プレートを紙にすれば、混練物が含
む分散媒が紙面を通して裏側から揮発し、分散媒の残留
を確実に防止し、混練物を均一に乾燥させることができ
る。もちろん、乾燥時間を短くさせる効果もある。
【0029】なお、混練物の塗布は、固体電解質膜上や
陽極電極板上に塗布することも可能であり、電解セルの
生産設備などに柔軟に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解セルの基本構造の概略を断面図として示し
ている。
【図2】本発明の実施例における電解セルの詳細な構造
を分解図として示している。
【図3】上記実施例における断面図を示している。
【図4】上記実施例に組み込まれるシート状二酸化鉛の
製造プロセスの一例を概略図として示している。
【符号の説明】
1 電解セル 2 固体電解質膜 3 陽極電極板 5 二酸化鉛層 6 白金層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気・通水構造を有する導電体からなる
    陽極電極板と陰極電極板とによって固体電解質膜が狭持
    され、前記陽極電極板と前記固体電解質との間に二酸化
    鉛層が介在するとともに前記陽極電極板の少なくとも前
    記二酸化鉛層に接する面に白金層が介在する構造を備え
    るオゾン発生用電解セルにおいて、前記二酸化鉛層は、
    粉末状の二酸化鉛とPTFEディスパージョンと揮発性
    分散媒との混練物をシート状に形成するとともに、10
    0℃以下の雰囲気で前記分散媒を揮発させて乾燥させた
    シート状二酸化鉛であることを特徴とするオゾン発生用
    電解セル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のオゾン発生用電解セル
    の製造方法であって、粉末状の二酸化鉛とPTFEディ
    スパージョンと揮発性分散媒とを混合・攪拌する工程
    と、当該混合攪拌工程にて得られた混練物を別途用意さ
    れたプレート上に塗布する工程と、前記プレート上に塗
    布された前記混練物の前記分散媒を揮発させて乾燥する
    工程と、当該乾燥したシート状混練物を前記プレートか
    ら剥離する工程とによって前記シート状二酸化鉛を作製
    し、当該シート状二酸化鉛を前記陽極電極板と前記固体
    電解質との間に挿入することで前記二酸化鉛層を形成す
    ることを特徴とするオゾン発生用電解セルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記プレートは紙で
    あることを特徴とするオゾン発生用電解セルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のオゾン発生用電解セル
    の製造方法であって、粉末状の二酸化鉛とPTFEディ
    スパージョンと揮発性分散媒とを混合・攪拌する工程
    と、当該混合攪拌工程にて得られた混練物を前記固体電
    解質膜上に塗布する工程とによって前記二酸化鉛層を形
    成することを特徴とするオゾン発生用電解セルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のオゾン発生用電解セル
    の製造方法であって、粉末状の二酸化鉛とPTFEディ
    スパージョンと揮発性分散媒とを混合・攪拌する工程
    と、当該混合攪拌工程にて得られた混練物を前記陽極電
    極板上に塗布する工程とによって前記二酸化鉛層を形成
    することを特徴とするオゾン発生用電解セルの製造方
    法。
JP36541499A 1999-12-22 1999-12-22 オゾン発生用電解セルとその製造方法 Pending JP2001181876A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36541499A JP2001181876A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 オゾン発生用電解セルとその製造方法
US09/598,165 US6328862B1 (en) 1999-12-22 2000-06-21 Ozone generating electrolysis cell and method of fabricating the same
EP00305283A EP1111095A1 (en) 1999-12-22 2000-06-22 Ozone generating electrolysis cell and method of fabricating the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36541499A JP2001181876A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 オゾン発生用電解セルとその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001181876A true JP2001181876A (ja) 2001-07-03

Family

ID=18484196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36541499A Pending JP2001181876A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 オゾン発生用電解セルとその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6328862B1 (ja)
EP (1) EP1111095A1 (ja)
JP (1) JP2001181876A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011246800A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Aquaecos Ltd 膜−電極接合体、これを用いる電解セル、オゾン水製造装置、オゾン水製造方法、殺菌方法及び廃水・廃液処理方法
JP2011246799A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Aquaecos Ltd 膜−電極接合体、これを用いる電解セル、オゾン水製造装置、オゾン水製造方法、殺菌方法及び廃水・廃液処理方法
WO2012115180A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 クロリンエンジニアズ株式会社 陽極触媒体およびその製造方法
KR20220150039A (ko) * 2021-05-03 2022-11-10 주식회사 프록시헬스케어 물 정화 장치

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5830798A (en) * 1996-01-05 1998-11-03 Micron Technology, Inc. Method for forming a field effect transistor
HU227638B1 (en) * 2005-12-23 2011-10-28 Thales Rt Flowing laboratorial ozonizating apparatus and method for ozonization reaction
HUP0501204A2 (en) 2005-12-23 2007-07-30 Thales Rt Ozone generating electrolytic cell

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR910001950B1 (ko) 1987-11-27 1991-03-30 페르메렉 덴꾜꾸 가부시끼가이샤 전극 구조물 및 그 제조 방법
US6054230A (en) 1994-12-07 2000-04-25 Japan Gore-Tex, Inc. Ion exchange and electrode assembly for an electrochemical cell
JP3504021B2 (ja) 1994-12-08 2004-03-08 ジャパンゴアテックス株式会社 電気化学装置用電極とその製造方法
US5529683A (en) 1995-03-20 1996-06-25 United Technologies Corp. Method for preventing degradation of membranes used in electrolytic ozone production systems during system shutdown
CH692299A5 (de) * 1996-12-19 2002-04-30 Dirk Schulze Vorrichtung zur Erzeugung von Sauerstoff bzw. Ozon-Sauerstoffgemisch.
TW401373B (en) 1997-03-07 2000-08-11 Univ Wuhan Electrolytic ozone generating apparatus
JP3201316B2 (ja) 1997-10-24 2001-08-20 三菱電機株式会社 電解式オゾン発生素子および電解式オゾン発生装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011246800A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Aquaecos Ltd 膜−電極接合体、これを用いる電解セル、オゾン水製造装置、オゾン水製造方法、殺菌方法及び廃水・廃液処理方法
JP2011246799A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Aquaecos Ltd 膜−電極接合体、これを用いる電解セル、オゾン水製造装置、オゾン水製造方法、殺菌方法及び廃水・廃液処理方法
KR101450993B1 (ko) * 2010-04-30 2014-10-15 아쿠아에코스 주식회사 오존수 제조장치, 오존수 제조방법, 살균방법 및 폐수·폐액 처리방법
WO2012115180A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 クロリンエンジニアズ株式会社 陽極触媒体およびその製造方法
JP5873071B2 (ja) * 2011-02-25 2016-03-01 デノラ・ペルメレック株式会社 陽極触媒体の製造方法およびオゾン発生用電解セルの製造方法
KR20220150039A (ko) * 2021-05-03 2022-11-10 주식회사 프록시헬스케어 물 정화 장치
KR102522333B1 (ko) * 2021-05-03 2023-04-17 주식회사 프록시헬스케어 물 정화 장치

Also Published As

Publication number Publication date
EP1111095A1 (en) 2001-06-27
US6328862B1 (en) 2001-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5180473B2 (ja) 水の電気分解のための、膜電極アセンブリ
US7226689B2 (en) Method of making a membrane electrode assembly for electrochemical fuel cells
US20070209758A1 (en) Method and process for unitized mea
JP3423799B2 (ja) 燃料電池の反応層形成方法
JP3711545B2 (ja) 固体高分子型燃料電池
KR100599667B1 (ko) 질화티타늄을 코팅한 금속을 이용한 연료 전지용 분리판,그 제조 방법 및 상기 분리판을 포함하는 고분자 전해질연료 전지
WO2005057698A1 (ja) 燃料電池
JP2001181876A (ja) オゾン発生用電解セルとその製造方法
JP2000100452A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池とその製造法
JP2002280003A (ja) 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法
JP2007087728A (ja) 積層体及びその製造方法並びに燃料電池
JP2003059507A (ja) 燃料電池用電解質膜−電極接合体、その製造方法、および高分子電解質型燃料電池
JP3442408B2 (ja) 電極−電解質接合体の製造方法及びそれを用いた燃料電池
JP6981883B2 (ja) 燃料電池のエージング方法
JP2005209403A (ja) 燃料電池の電極形成方法
JPH07296840A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP2000235859A (ja) ガス拡散電極及びそれを備えた燃料電池
JPH0633284A (ja) 水電解セル
JP3508100B2 (ja) 固体高分子電解質型燃料電池及びその製造方法
JP2004349013A (ja) 燃料電池スタック
US8288057B2 (en) Electrode layer of fuel cell and method of fabricating the same
JP4187708B2 (ja) 固体電解質膜および固体電解質膜の製造方法
JP2003203645A (ja) 固体高分子型燃料電池用セパレータおよびそれを用いた燃料電池
JP2004253293A (ja) 燃料電池用電極、燃料電池及び燃料電池用電極の製造方法
JP2001303285A (ja) 固体電解質膜および固体電解質膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061120

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061120

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20061120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090428