JP2001180886A - スプレッダ用電気ケーブル収納装置およびクレーン - Google Patents

スプレッダ用電気ケーブル収納装置およびクレーン

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JP2001180886A
JP2001180886A JP36833399A JP36833399A JP2001180886A JP 2001180886 A JP2001180886 A JP 2001180886A JP 36833399 A JP36833399 A JP 36833399A JP 36833399 A JP36833399 A JP 36833399A JP 2001180886 A JP2001180886 A JP 2001180886A
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spreader
electric cable
trolley
winding
external gear
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JP36833399A
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English (en)
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Kanji Obata
寛治 小幡
Masanori Masumoto
雅典 益本
Takashi Chikura
孝 千蔵
Seiji Nakamichi
晴史 中道
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Electric Cable Arrangement Between Relatively Moving Parts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気ケーブルの損傷や電気ケーブルの引っ掛
かりによる操業の停止といった事態を防止すること、さ
らにこれらを防止することによりクレーンの高速稼動を
可能にすること。 【解決手段】 ガーダ10上を移動可能なトロリ11と
トロリ11から吊下されて昇降可能なスプレッダ12と
を備えるクレーンに設けられ、トロリ11から伸びてス
プレッダ12に接続される電気ケーブル14をスプレッ
ダ12の昇降に合わせて収納または排出するスプレッダ
用電気ケーブル収納装置として、電気ケーブル14を巻
き取りまたは送り出しする巻取ドラム15と、電気ケー
ブル14の余剰分を保持するケーブルバスケット18と
を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロリから伸びて
スプレッダに接続される電気ケーブルをスプレッダの昇
降に合わせて収納または排出するスプレッダ用電気ケー
ブル収納装置およびクレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】大型の定型資材や製品を保管する自動倉
庫やコンテナヤード等では、荷の運搬のために、ガーダ
上を横方向に移動可能なトロリと、このトロリから吊下
げロープにより吊下されて昇降可能なスプレッダとを備
えるクレーンが使用されている。このようなクレーンに
は、スプレッダに具備される各種の電気駆動部に電力を
供給したり信号を送ったりするための電気ケーブルが、
トロリから伸びてスプレッダに接続されている。
【0003】従来のクレーンの一例を図12に示す。図
において符号1はトロリ、2はスプレッダ、3は吊下げ
ロープ、4は電気ケーブルであり、各吊下げロープ3の
一端を図示しない所定位置に固定し、各吊下げロープ3
の他端を同方向に同期して移動させることでスプレッダ
2を昇降させるようになっている。
【0004】このクレーンには、スプレッダ2上に電気
ケーブル4の接続位置を内底部に配置するようにしてケ
ーブルバスケット5が設けられており、スプレッダ2が
下降することで電気ケーブル4がケーブルバスケット5
から引き出され、スプレッダ2が上昇することで電気ケ
ーブル4がケーブルバスケット5の内部にとぐろを巻く
ように収納されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記クレーンにおいて
は、スプレッダ2を昇降させている最中に強い風が吹き
付けた場合、トロリ1を横行させながらスプレッダ2を
上昇させる場合、あるいはスプレッダ2を非常に速い速
度で上昇させた場合等に、電気ケーブル4がケーブルバ
スケット5の内部にうまく納まらず外側に垂れ下がって
しまうことがある。
【0006】また、電気ケーブル4が太いと、スプレッ
ダ2を上昇させるときに元のとぐろの巻き形にうまく戻
らず、同様に外側に垂れ下がってしまうことがある。電
気ケーブル4がケーブルバスケット5の外側に垂れ下が
ってしまうと、ケーブルバスケット5自体やその下のス
プレッダ2、その他の構造体に擦れる等して電気ケーブ
ル4を傷付ける恐れがある。また、電気ケーブルが何か
に引っ掛かってしまうと、クレーンの操業を停止させな
ければならないような事態も起こりかねない。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、電気ケーブルをスプレッダの昇降に合わせて収
納または排出することにより、電気ケーブルの損傷や電
気ケーブルの引っ掛かりによる操業の停止といった事態
を防止すること、さらにこれらを防止することによって
クレーンの高速稼動を可能にすることを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、次のような構成のスプレッダ用電気ケ
ーブル収納装置およびクレーンを採用する。すなわち、
請求項1記載のスプレッダ用電気ケーブル収納装置は、
ガーダ上を移動可能なトロリと該トロリから吊下されて
昇降可能なスプレッダとを備えるクレーンに設けられ、
前記トロリから伸びて前記スプレッダに接続される電気
ケーブルを該スプレッダの昇降に合わせて収納または排
出するスプレッダ用電気ケーブル収納装置であって、前
記トロリに設置されて前記電気ケーブルを巻き取りまた
は送り出しする巻取機構と、前記スプレッダの昇降動作
を検出して前記巻取機構を作動させる制御部と、前記電
気ケーブルに弛みとなるべくあらかじめ付与されている
余剰分を保持し必要に応じてこれを繰り出す余剰分保持
部とを備えることを特徴とする。
【0009】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、スプレッダの上昇動作が検出されると巻取機
構が電気ケーブルを巻き取るべく作動し、スプレッダの
下降動作が検出されると巻取機構が電気ケーブルを送り
出すべく作動するので、電気ケーブルが必要以上に弛ん
だり張りを生じたりしなくなる。
【0010】ところで、スプレッダに補着した荷が非常
に重かったりスナッグ(荷が何かに引っかかった状態)
を起こしたりした場合、吊下げロープの巻上げ機構が正
常に作動していても吊下げロープとトロリ上のガイドシ
ーブとの間に滑りが生じて荷が正しく昇降せず、正常に
作動するときよりもスプレッダの上昇速度が遅くなった
り下降速度が速くなったりすることがある。こうなる
と、巻取機構が電気ケーブルを過剰に巻き取ったり反対
に送り出し量が足らなかったりして張りを生じることも
起こり得る。そこで、電気ケーブルには弛みとなる余剰
分があらかじめ付与されている。
【0011】この電気ケーブルの余剰分は、通常は余剰
分保持部に収容されており、正常時よりもスプレッダの
上昇速度が遅くなったり下降速度が速くなったりした場
合に余剰分保持部から繰り出されるので、スプレッダ等
との干渉は起こらず、損傷したり何かに引っ掛かったり
することはない。
【0012】請求項2記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、請求項1記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置において、前記巻取機構が、回動可能に支持さ
れて前記電気ケーブルを巻き取りまたは送り出しする巻
取ドラムを備えることを特徴とする。
【0013】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、巻取機構として巻取ドラムを回転駆動する機
構を備えており、構造が簡易で各部品も従来一般の機器
を用いているので、製作が容易でかつ製造コストが安価
に抑えられる。
【0014】請求項3記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、ガーダ上を移動可能なトロリと該トロリか
ら吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレーン
に設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダに接
続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わせて
収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納装置
であって、前記トロリに設置されて前記電気ケーブルを
収納または排出する収納機構と、前記スプレッダの昇降
動作を検出して前記収納機構を作動させる制御部と、前
記電気ケーブルに弛みとなるべくあらかじめ付与されて
いる余剰分を保持し必要に応じてこれを繰り出す余剰分
保持部とを備え、前記収納機構が、互いに接近離間可能
かつ両者がそれぞれ独立して回転自在に支持された一対
の巻き胴を有し、該一対の巻き胴間に前記電気ケーブル
が巻回されていることを特徴とする。
【0015】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おける収納機構は、請求項2記載の巻取機構に比べて構
造が複雑になるが、電気ケーブルを巻き取らないため、
回転部への給電設備が不要となる。
【0016】請求項4記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、請求項1、2または3記載のスプレッダ用
電気ケーブル収納装置において、前記余剰分保持部が、
前記スプレッダ上に設置されて上方に開口する容器体で
あることを特徴とする。
【0017】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、電気ケーブルの余剰分は、重力によりスプレ
ッダとの接続部近くに集まり、通常は弛みとなって容器
体の内部に溜まっている。そして、正常時よりもスプレ
ッダの上昇速度が遅くなったり下降速度が速くなったり
した場合に、この容器体から余剰分が繰り出される。
【0018】請求項5記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、請求項1、2または3記載のスプレッダ用
電気ケーブル収納装置において、前記余剰分保持部が、
前記スプレッダに設置されて伸長方向に弾性変形可能で
あり、前記電気ケーブルの所定位置を所定の張力で下方
に引っ張る牽引部を備えることを特徴とする。
【0019】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、電気ケーブルの余剰分が牽引部に引っ張ら
れ、通常は所定位置以下の部分に弛みとなって現れてい
る。そして、正常時よりもスプレッダの上昇速度が遅く
なったり下降速度が速くなったりした場合に、牽引部が
伸長して余剰分が繰り出される。
【0020】請求項6記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、請求項1、2または3記載のスプレッダ用
電気ケーブル収納装置において、前記余剰分保持部が、
前記電気ケーブルの少なくとも一部を所定曲率で屈曲し
て所定形状に保持しておき、該電気ケーブルに所定の大
きさ以上の張力が作用した場合に前記所定曲率を保ちな
がらも前記所定形状をくずして電気ケーブルを繰り出す
ことを特徴とする。
【0021】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、電気ケーブルの余剰分が所定形状に保持さ
れ、通常はあたかも弛みのように現れている。そして、
正常時よりもスプレッダの上昇速度が遅くなったり下降
速度が速くなったりした場合に、所定形状がくずれて余
剰分が繰り出される。
【0022】請求項7記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、ガーダ上を移動可能なトロリと該トロリか
ら吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレーン
に設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダに接
続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わせて
収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納装置
であって、前記トロリに設置されて前記電気ケーブルを
巻き取りまたは送り出しする巻取機構と、前記スプレッ
ダの移動量を算出し該移動量に基づいて前記巻取機構を
作動させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0023】既に述べたように、当該のクレーンでは吊
下げロープの巻上げ機構が正常に作動するときよりもス
プレッダの上昇速度が遅くなったり下降速度が速くなっ
たりすることがある。しかしながら、このスプレッダ用
電気ケーブル収納装置においては、スプレッダの上昇時
または下降時の移動量を算出し、該移動量に基づいて巻
取機構を作動させ、スプレッダの移動量に見合うだけの
長さの電気ケーブルを巻き取るか送り出すので、電気ケ
ーブルが必要以上に弛んだり張りを生じたりしなくな
る。
【0024】請求項8記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、ガーダ上を移動可能なトロリと該トロリか
ら吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレーン
に設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダに接
続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わせて
収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納装置
であって、前記電気ケーブルを巻き取りまたは送り出し
する巻取機構と、前記スプレッダの昇降動作を検出して
前記巻取機構を作動させる制御部と、前記電気ケーブル
を巻き取りまたは送り出しする際に前記巻取機構に作用
するトルクを所定の大きさ以下に制限する滑りクラッチ
とを備えることを特徴とする。
【0025】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、スプレッダの上昇動作が検出されると巻取機
構が電気ケーブルを巻き取るべく作動し、スプレッダの
下降動作が検出されると巻取機構が電気ケーブルを送り
出すべく作動するので、電気ケーブルが必要以上に弛ん
だり張りを生じたりしなくなる。なお、制御部には電気
的な制御を行うもの、機械的な制御を行うもののいずれ
も採用可能である。
【0026】ところで、既に述べたように、当該のクレ
ーンでは吊下げロープの巻上げ機構が正常に作動すると
きよりもスプレッダの上昇速度が遅くなったり下降速度
が速くなったりすることがある。こうなると、巻取機構
が電気ケーブルを過剰に巻き取ったり反対に送り出し量
が足らなかったりして張りを生じたりすることも起こり
得る。そこで、巻取機構には滑りクラッチが付設されて
いる。
【0027】スプレッダを上昇させるときに巻取機構は
正常に作動しているがスプレッダの上昇速度が遅くな
る、スプレッダは所定の速度で上昇しているがこれに対
して巻取機構の巻き上げ速度が速めに設定されている
等、電気ケーブルの巻き取り速度に対してスプレッダの
上昇速度が遅くなってしまう場合には、電気ケーブルは
弛み分を巻き取られて巻取機構とスプレッダとの間で張
り詰められた状態となる。巻取機構がこのままの速度で
巻き取りを続けると電気ケーブルは切れてしまうが、こ
こで滑りクラッチが作動し、巻取機構が電気ケーブルを
巻き取る際に発生するトルクを所定の大きさ以下に制限
しながら巻き取り速度を遅めるため、巻き取りを続行し
ても電気ケーブルが切断には至らない程度に張り詰めら
れた状態に保たれる。
【0028】また、スプレッダを下降させるときに巻取
機構は正常に作動しているがスプレッダの下降速度が速
くなる、スプレッダは所定の速度で下降しているがこれ
に対して巻取機構の送り出し速度が遅めに設定されてい
る等、電気ケーブルの送り出し速度に対してスプレッダ
の下降速度が速くなってしまう場合には、電気ケーブル
は弛み分をスプレッダの先行により吸収されて巻取機構
とスプレッダとの間で張り詰めた状態となる。巻取機構
がこのままの速度で送り出しを続けると電気ケーブルは
切れてしまうが、ここで滑りクラッチが作動し、電気ケ
ーブルが巻取機構に与えるトルクを所定の大きさ以下に
制限しながら送り出し速度を速めるため、送り出しを続
行しても電気ケーブルが切断には至らない程度に張り詰
められた状態に保たれる。
【0029】請求項9記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置は、請求項8記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置において、前記トロリには回動自在な2個1組
のガイドシーブが取り付けられ、前記スプレッダには支
持用シーブが取り付けられ、前記2個1組のガイドシー
ブのうち一方のガイドシーブには一端を所定位置に固定
されて前記スプレッダを前記トロリから吊り下げるため
の吊下げロープが巻回され、他方のガイドシーブには前
記一方のガイドシーブを経て前記支持用シーブに巻回さ
れた前記吊下げロープが巻回され、これら2個1組のガ
イドシーブ、支持用シーブおよび吊下げロープにより、
該吊下げロープの他端を移動させることで前記スプレッ
ダを昇降させ、前記吊下げロープの他端を定位置に保持
したままでの前記トロリの横行時には前記スプレッダを
一定の高さに保ったまま前記トロリとともに横行させる
べく構成されており、前記制御部は、前記一方のガイド
シーブに回転中心を一致させて固定され該一方のガイド
シーブと共回りする第1の外歯車と、前記他方のガイド
シーブに回転中心を一致させて取り付けられ前記第1の
外歯車と同一平面内において他方のガイドシーブと共回
りする第2の外歯車と、前記第1の外歯車の周囲に外歯
を噛合させて配置され該第1の外歯車の周囲を遊星回転
する複数の遊星歯車と、該遊星歯車に内歯を噛合させる
とともに前記第2の外歯車に外歯を噛合させた太陽歯車
と、前記遊星歯車を回転自在に軸支し前記第1の外歯車
と前記太陽歯車との間で行われる前記遊星歯車の遊星回
転に伴って回転するキャリアと、該キャリアに設けられ
て前記巻取機構を駆動する出力軸と、前記出力軸の回転
数を変化させて前記巻取機構による送り出し速度を遅く
する変速機構とを備えることを特徴とする。
【0030】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、スプレッダを上昇させるときには他方のガイ
ドシーブのみが一方向に回転し(動作パターン(I))、
スプレッダを下降させるときには他方のガイドシーブの
みが他方向に回転し(動作パターン(II))、スプレッダ
の高さを一定に保ったままトロリとともに横行させると
きには2個1組のガイドシーブが同方向に回転する(動
作パターン(III))。
【0031】動作パターン(I)のときには第2の外歯車
が他方のガイドシーブと一体となって一方向に回転し、
第2の外歯車の回転が太陽歯車に伝達され、太陽歯車の
回転が各遊星歯車に伝達される。このとき、第1の外歯
車がロックされた状態となっているので、各遊星歯車は
第1の外歯車の周囲を遊星回転し、各遊星歯車の遊星回
転がキャリアに伝達されて出力軸が他方のガイドシーブ
とは異なる他方向に回転する。巻取機構は出力軸の回転
を受けて電気ケーブルを巻き取るべく作動する。
【0032】動作パターン(II)のときには、他方のガイ
ドシーブの他方向への回転が上記と同様に伝達されて出
力軸が他方のガイドシーブとは異なる一方向に回転し、
出力軸の回転を受けて巻取機構が電気ケーブルを送り出
すべく作動する。なお、出力軸の回転は変速機構により
減速されるため、電気ケーブルの送り出し速度はスプレ
ッダの下降速度よりも遅くなる。
【0033】動作パターン(III)のときには、第1の外
歯車が一方のガイドシーブと一体となって回転するとと
もに第2の外歯車が他方のガイドシーブと一体となって
第1の歯車と同じ方向に同期回転し、第1の外歯車の回
転は各遊星歯車に伝達され、第2の外歯車の回転は太陽
歯車に伝達される。このとき、各遊星歯車は太陽歯車の
内歯に沿って遊星回転しようとするが、太陽歯車は遊星
回転とは逆方向に回転するので、各遊星歯車は定位置を
保って自転するだけに留まってキャリアには回転が伝達
されない。このため、出力軸は回転せず巻取機構は作動
しない。
【0034】請求項10記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置は、請求項8または9記載のスプレッダ用電
気ケーブル収納装置において、前記第1の外歯車の歯数
をZ1、前記第2の外歯車の歯数をZ2、前記太陽歯車
の内歯の歯数をZ3、同じく太陽歯車の外歯の歯数をZ
4とするとき、次の条件式( Z1=Z2×Z3/Z4
)を満たすことを特徴とする。
【0035】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、条件式( Z1=Z2×Z3/Z4 )を満た
すように各歯車の歯数を設定しておくことにより、スプ
レッダを昇降させないで行う横行時において出力軸が全
く回転しないので、巻取機構を作動させないようにする
ことができる。
【0036】請求項11記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置は、請求項8、9または10記載のスプレッ
ダ用電気ケーブル収納装置において、前記変速機構が、
前記出力軸の一方向への回転のみを伝達し他方向への回
転は伝達しない第1のワンウェイクラッチを介して出力
軸と連結されて前記巻取機構を駆動する連結軸と、前記
出力軸に固定された第3の外歯車と、前記他方向への回
転のみを前記連結軸に伝達し前記一方向への回転は伝達
しない第2のワンウェイクラッチを介して連結軸に取り
付けられた第4の外歯車と、前記第3の外歯車に噛合す
る第5の外歯車と、該第5の外歯車に回転中心を一致さ
せて固定されるとともに前記第4の外歯車に噛合し第5
の外歯車と共回りする第6の外歯車とを備えることを特
徴とする。
【0037】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいて、出力軸が一方向に回転すると、第1のワンウェ
イクラッチが繋がってその回転が連結軸に伝達されて巻
取機構に出力される。なお、連結軸が一方向に回転する
と第2のワンウェイクラッチは切れるので第4の外歯車
に回転は伝達されない。
【0038】また、出力軸が他方向に回転すると第1の
ワンウェイクラッチは切れるが、その回転は第3の外歯
車から第5の外歯車に伝達され、第5の外歯車と一体と
なって第6の外歯車が一方向に回転する。第6の外歯車
の回転は第4の歯車に伝達され、第2のワンウェイクラ
ッチが繋がって連結軸が他方向に回転し、その回転が巻
取機構に出力される。
【0039】出力軸の回転速度は適宜設定されるが、第
3、第4、第5、第6の各外歯車の歯数の設定とも合わ
せ、好ましくは巻取機構の巻き取り速度がスプレッダの
上昇速度よりも速く、送り出し速度がスプレッダの下降
速度よりも遅くなるように設定するのが望ましい。
【0040】スプレッダを上昇させるときに巻取機構が
上記の速度で巻き取りを続けると電気ケーブルは切れて
しまうが、ここで滑りクラッチが作動し、巻取機構が電
気ケーブルを巻き取る際に発生するトルクを所定の大き
さ以下に制限しながら巻き取り速度を遅めるため、巻き
取りを続行しても電気ケーブルが切断には至らない程度
に張り詰められた状態に保たれる。
【0041】また、スプレッダを下降させるときに巻取
機構が上記の速度で送り出しを続けると電気ケーブルは
切れてしまうが、ここで滑りクラッチが作動し、電気ケ
ーブルが巻取機構に与えるトルクを所定の大きさ以下に
制限しながら送り出し速度を速めるため、送り出しを続
行しても電気ケーブルが切断には至らない程度に張り詰
められた状態に保たれる。
【0042】請求項12記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置は、請求項8、9、10または11記載のス
プレッダ用電気ケーブル収納装置において、前記トロリ
には前記2個1組のガイドシーブが複数設けられ、前記
スプレッダには前記2個1組のガイドシーブの各組に対
応して同数の支持用シーブが設けられ、これら2個1組
のガイドシーブの各組および各支持用シーブにそれぞれ
前記吊下げロープが巻回されて前記トロリから前記スプ
レッダが吊下されており、前記2個1組のガイドシーブ
のいずれかの組に前記巻取機構、制御機構および変速機
構が設けられていることを特徴とする。
【0043】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、スプレッダを複数の吊下げロープで吊下する
クレーン、例えばコンテナクレーンやトランスファーク
レーン、レードルクレーン等についても電気ケーブルの
巻き取りおよび送り出しが可能になる。
【0044】請求項13記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置は、ガーダ上を移動可能なトロリに回動自在
な2個1組のガイドシーブが取り付けられ、前記トロリ
から吊下されて昇降可能なスプレッダには支持用シーブ
が取り付けられ、前記2個1組のガイドシーブのうち一
方のガイドシーブには一端を所定位置に固定されて前記
スプレッダを前記トロリから吊り下げるための吊下げロ
ープが巻回され、他方のガイドシーブには前記一方のガ
イドシーブを経て前記支持用シーブに巻回された前記吊
下げロープが巻回され、これら2個1組のガイドシー
ブ、支持用シーブおよび吊下げロープにより、前記吊下
げロープの他端を移動させることで前記スプレッダを昇
降させ、前記吊下げロープの他端を定位置に保持したま
までの前記トロリの横行時には前記スプレッダを一定の
高さに保ったまま前記トロリとともに横行させるべく構
成されたクレーンに設けられ、前記トロリから伸びて前
記スプレッダに接続される電気ケーブルを該スプレッダ
の昇降に合わせて収納または排出するスプレッダ用電気
ケーブル収納装置であって、前記トロリに設置されて前
記電気ケーブルを巻き取りまたは送り出しする巻取ドラ
ムと、前記他方のガイドシーブの回転を利用して駆動さ
れる油圧ポンプと、該油圧ポンプの駆動によって生じる
油圧の供給を受けて前記巻取ドラムを巻き取り方向に回
転させる油圧モータと、前記巻取ドラムを送り出し方向
に回転させるトルクが作用したときこれに伴う前記油圧
モータの回転によって生じる油圧を所定の大きさに保つ
リリーフバルブとを備えることを特徴とする。
【0045】このスプレッダ用電気ケーブル収納装置に
おいては、スプレッダを上昇させるとき、他方のガイド
シーブの回転によって油圧ポンプが駆動され、その駆動
により生じた油圧で油圧モータが駆動して巻取ドラムが
電気ケーブルを巻き取る方向に回転する。
【0046】スプレッダを下降させるときも、他方のガ
イドシーブの回転によって油圧ポンプが駆動され、その
駆動により生じた油圧で油圧モータが駆動するが、スプ
レッダを下降させると電気ケーブルを引き出される格好
となって巻取ドラムおよび油圧モータには巻き取り方向
と逆方向、すなわち送り出し方向に回転させようとする
トルクが作用する。このとき、油圧ポンプは油圧モータ
に油圧を供給しようとし、かたや油圧モータは外部から
のトルクを受けて逆回転しようとするため、結果的に油
圧が過度に高まりリリーフバルブから排除される。これ
により、油圧モータおよび巻取ドラムは電気ケーブルを
送り出す方向に回転する。
【0047】巻取ドラムの回転速度は油圧モータの回転
数や巻取ドラムの径を選択することにより適宜設定され
るが、好ましくは巻き取り速度がスプレッダの上昇速度
よりも速くなるように設定するのが望ましい。
【0048】スプレッダを上昇させるときに巻取ドラム
が上記の速度で巻き取りを続けると電気ケーブルは切れ
てしまうが、ここでリリーフバルブが作動し、巻取ドラ
ムが電気ケーブルを巻き取る際に発生するトルクを所定
の大きさ以下に制限しながら巻き取り速度を遅めるた
め、巻き取りを続行しても電気ケーブルが切断には至ら
ない程度に張り詰められた状態に保たれる。
【0049】また、スプレッダを下降させるときに巻取
ドラムが巻き取りを行おうとすると電気ケーブルは切れ
てしまうが、ここでもリリーフバルブが作動し、巻取ド
ラムが電気ケーブルを送り出す方向に回転するため、送
り出しを続行しても電気ケーブルが切断には至らない程
度に張り詰められた状態に保たれる。
【0050】請求項14記載のクレーンは、請求項1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ま
たは13記載のスプレッダ用電気ケーブル収納装置を備
えることを特徴とする。
【0051】このクレーンにおいては、電気ケーブルを
スプレッダの昇降に合わせて収納または排出することに
より、電気ケーブルの損傷や電気ケーブルの引っ掛かり
によるクレーンの操業停止といった事態が防止される。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1ない
し図3に示して説明する。図1にクレーンの概略構成を
示す。図において、符号10はガーダ、11はガーダ1
0上をその幅方向に横行可能なトロリ、12はトロリ1
1から吊下されて昇降可能であり下部には荷を補着する
機構を備えるスプレッダ、13はスプレッダ12を吊下
する吊下げロープ、14はスプレッダに具備される各種
の電気駆動部に電力を供給したり信号を送ったりするた
めの電気ケーブルである。
【0053】このクレーンには、スプレッダ12の昇降
に合わせて電気ケーブル14を収納または排出するスプ
レッダ用電気ケーブル収納装置として、電気ケーブルを
巻き取りまたは送り出しする巻取ドラム(巻取機構)1
5と、巻取ドラム15に巻回された電気ケーブル14に
電力や信号を伝達する継手としてのスリップリング16
と、スプレッダ12の昇降動作を検出して巻取ドラム1
5を回転させる制御部17と、電気ケーブル14の余剰
分保持部としてのケーブルバスケット(容器体)18と
が具備されている。
【0054】トロリ11上面の四隅には、ガーダ10の
長手方向に平行な鉛直面内で回動自在な2個1組の同径
のガイドシーブ19がそれぞれ取り付けられ、スプレッ
ダ12上面の四隅には、ガイドシーブ19の各組に対応
して同数の支持用シーブ20が取り付けられている。
【0055】ガイドシーブ19のうち一方のガイドシー
ブ19-1には、主桁に設置されたその他のガイドシーブ
21a〜21cを経て一端を傾転装置22に固定された
吊下げロープ13が巻回され、ガイドシーブ19のうち
他方のガイドシーブ19-2にはガイドシーブ19-1を経
て支持用シーブ20に巻回された吊下げロープ13が巻
回されている。ガイドシーブ19-2を経た吊下げロープ
13は、主桁に設置されたその他のガイドシーブ21d
〜21fを経て巻上用ドラム23に接続されて巻回され
ている。巻上用ドラム23は図示しない駆動機構により
正逆両方向に回転駆動されるようになっており、スプレ
ッダ12はこの巻上用ドラム23をいずれかの方向に回
転させることで昇降するようになっている。
【0056】巻上用ドラム23は独立した駆動機構を備
える2基が設けられており、一方の巻上用ドラム23A
には、トロリ11上においてガーダ10の長手方向に直
交する方向に離間するガイドシーブ19A,19Bの各
組とガイドシーブ19C,19Dの各組のうち、ガイド
シーブ19A,19Bの各組に巻回された吊下げロープ
13A,13Bが接続され、他方の巻上用ドラム23B
には、ガイドシーブ19C,19Dにそれぞれ巻回され
た吊下げロープ13C,13Dが接続されている。
【0057】ガーダ10には、長手方向に平行な面内で
回転自在なその他のガイドシーブ24a〜24dが取り
付けられており、そのうちの2個(24a,24b)は
トロリ11の横行可能な範囲の一方の限界位置(図中左
方向)よりも外に、残りの2個(24c,24d)は他
方の限界位置(図中右方向)よりも外にそれぞれ配置さ
れている。
【0058】これらガイドシーブ24a〜24dには、
ガーダ10の長手方向の一方に面するトロリ11の端面
に一端を固定され、ガーダ10の長手方向の他方に面す
るトロリ11の端面に他端を固定された横行ケーブル2
5が同一面内を通るようにして巻回されている。横行ケ
ーブル25には余剰分が設けられており、その余剰分は
ループして横行用ドラム26に巻回されている。横行用
ドラム26は正逆両方向に回転駆動されるようになって
おり、トロリ11はこの横行用ドラム24をいずれかの
方向に回転させることでガーダ10上を往復移動(横
行)するようになっている。
【0059】本実施形態のクレーンは、上記の構成を備
えることによりトロリ11を停止させた状態でのスプレ
ッダ12の昇降動作、スプレッダ12の高さを一定に保
った状態でトロリ11を横行することによるスプレッダ
12の横行動作、さらにこれらを組み合わせたスプレッ
ダ12の斜行動作が行えるようになっている。
【0060】次に、スプレッダ用電気ケーブル収納装置
について説明すると、巻取ドラム15は、図2および図
3に示すようにスプレッダ12のほぼ中央に取り付けら
れて駆動モータ27によって駆動されるようになってい
る。また、巻上用ドラム23にはその回転量を検出する
エンコーダ28が付設されている。
【0061】制御部17は、エンコーダ28の検出結果
から吊下げロープ13の巻き取りまたは送り出し量を算
出しこれに基づいてスプレッダ12の上昇速度または下
降速度を算出し、さらにスプレッダ12の上昇速度また
は下降速度に基づいてその移動量に見合うだけの長さの
電気ケーブル14を巻き取るか送り出すべく巻取ドラム
15を回転させる機能を備えている。
【0062】ケーブルバスケット18は、電気ケーブル
14に弛みとなるべくあらかじめ付与されている余剰分
を保持し必要に応じてこれを繰り出す働きを担ってい
る。スプレッダ12に補着した荷が非常に重かったりス
ナッグを起こしたりした場合、巻上用ドラム23が正常
に作動していても吊下げロープ14とガイドシーブ17
との間に滑りが生じて荷が正しく昇降せず、計算値より
もスプレッダ12の上昇速度が遅くなったり下降速度が
速くなったりすることがある。こうなると、巻取ドラム
15が電気ケーブル14を過剰に巻き取ったり反対に送
り出し量が足らなかったりすることも起こり得る。電気
ケーブル14の余剰分は、こういった予測が難しい変位
分を吸収する弛みとなるべくあらかじめ付与されたもの
である。電気ケーブル14の余剰分は、普段は重力によ
りスプレッダ12との接続部近くに集まり、弛みとなっ
てケーブルバスケット18の内部に溜まっており、必要
に応じて繰り出される。
【0063】上記のように構成されたクレーンにおいて
は、上記のようにスプレッダ12の昇降動作、横行動作
および斜行動作が可能である。以下ではスプレッダ12
の動作を上昇、下降、横行、斜行の4つに分け、それぞ
れの動作を行う場合におけるスプレッダ用電気ケーブル
収納装置の作動の仕方について説明する。
【0064】[上昇動作]巻上用ドラム23を回転させ
てスプレッダ12を上昇させると、巻上用ドラム23の
巻き取り方向への回転が検出され、その検出結果に基づ
いてスプレッダ12の上昇速度が算出され、その上昇速
度に基づいてスプレッダ12の上方への移動量が算出さ
れ、さらにスプレッダ12の移動量に見合うだけの長さ
の電気ケーブル14を巻き取るべく巻取ドラム15が回
転駆動される。このように、スプレッダ12が上昇する
と電気ケーブル14が順次巻き取られていくので、電気
ケーブル14には余計な弛みが生まれない。
【0065】[下降動作]巻上用ドラム23を回転させ
てスプレッダ12を下降させると、巻上用ドラム23の
送り出し方向への回転が検出され、その検出結果に基づ
いてスプレッダ12の下降速度が算出され、その下降速
度に基づいてスプレッダ12の下方への移動量が算出さ
れ、さらにスプレッダ12の移動量に見合うだけの長さ
の電気ケーブル14を送り出すべく巻取ドラム15が回
転駆動される。このように、スプレッダ12が下降する
と電気ケーブル14が順次送り出されていくので、電気
ケーブル14には余計な張力が働かない。
【0066】[横行動作]スプレッダ12の高さを一定
に保ったままトロリ11とともに横行させると、トロリ
11においては見かけ上吊下げロープ13の送り出しが
行われるが、巻上用ドラム23が駆動されることはない
ので電気ケーブル14の巻き取りまたは送り出し操作は
行われない。したがって、電気ケーブル14においては
適度な弛みを与えられた状態が保持される。
【0067】[斜行動作]スプレッダ12を上昇または
下降させながらトロリ11とともに横行させると、上昇
動作や下降動作の場合と同様にスプレッダ12が昇降を
開始すると同時に巻取ドラム15が回転して電気ケーブ
ル14の巻き取りまたは送り出しが行われるので、電気
ケーブル14には余計な弛みが生まれたり余計な張力が
働いたりしない。
【0068】なお、スプレッダ12の昇降動作時におい
て、スプレッダ12に補着した荷が非常に重かったりス
ナッグを起こしたりした場合は、電気ケーブル14に付
与された余剰分としての弛みがその変位分を吸収するの
で、こういった場合も電気ケーブル14には余計な弛み
が生まれたり余計な張力が働いたりしない。
【0069】ところで、電気ケーブル14の余剰分は、
通常はケーブルバスケット18に保持されており、上記
のような場合にケーブルバスケット18から繰り出され
るので、スプレッダ12や他の構造体との干渉は起こら
ず、電気ケーブル14が損傷したり何かに引っ掛かった
りすることはない。
【0070】上記のように、本実施形態におけるスプレ
ッダ用電気ケーブル収納装置によれば、スプレッダ12
にどのような動作を行わせても電気ケーブルが必要以上
に弛まない。また、電気ケーブル14に付与された余剰
分が普段はケーブルバスケット18に収納されており、
スプレッダ12から垂れ下がったりしない。これによ
り、電気ケーブル14の損傷や引っ掛かりを防止するこ
とができる。
【0071】さらに、巻取機構に巻取ドラム15を駆動
モータ36で回転駆動する構造を採用しており、その構
造が簡易で各部品も従来一般に入手が簡単な機器を用い
ているので、製作が容易でかつ製造コストが安価に抑え
ることができる。
【0072】また、上記スプレッダ用電気ケーブル収納
装置を備えるクレーンは、電気ケーブル14の損傷や引
っ掛かりによる操業の停止といった事態が防止されるの
で、高速稼動が可能になる。
【0073】本実施形態においては、電気ケーブル14
の余剰分保持部としてケーブルバスケット18を採用し
たが、余剰分保持部には、この他にも図4に示す構造の
ものが採用できる。まず、図4(a)に示す余剰分保持部
は、スプレッダ12に設置されて伸長方向に弾性変形可
能であり、電気ケーブル14の所定位置を所定の張力で
下方に引っ張るバネ機構(牽引部)29を備えている。
バネ機構29が発揮する張力は電気ケーブル14に負荷
することが許される限界張力よりも小さく設定されてい
る。この余剰分保持部の場合、電気ケーブル14の余剰
分はバネ機構29に引っ張られ、所定位置以下の部分に
弛みとなって現れており、正常時よりもスプレッダ12
の上昇速度が遅くなったり下降速度が速くなったりした
場合には、バネ機構29が伸長して余剰分が繰り出され
る。
【0074】また、図4(b)に示す余剰分保持部は、電
気ケーブル14の2箇所を所定曲率で屈曲してS字形状
に保持するケーブルベア30と、ケーブルベア30の一
部に接続されて電気ケーブル14の牽引方向とは逆方向
に所定の張力で引っ張るバネを有するレール部31とを
備えており、電気ケーブル14に所定の大きさ以上の張
力が作用した場合に所定曲率を保ちながらもケーブルベ
ア30のS字形状をくずして電気ケーブル14を繰り出
すようになっている。この余剰分保持部の場合、電気ケ
ーブル14の余剰分はバネに引っ張られ、S字形状の弛
みとなって現れており、正常時よりもスプレッダ12の
上昇速度が遅くなったり下降速度が速くなったりした場
合には、レール部31に沿ってバネが伸長してS字形状
がくずれ、余剰分が繰り出される。
【0075】また、本実施形態においては、巻取機構に
巻取ドラム15を駆動モータ27で回転駆動する構造を
採用したが、巻取機構には、この他にも図5に示す構造
のものが採用できる。図5に示す電気ケーブル14の収
納機構は、トロリ11上に設置された一対の多重プーリ
(巻き胴)32,33間に電気ケーブル14が複数回に
わたって巻回されたものである。一方の多重プーリ32
はトロリ11上の定位置に回転自在に支持され、他方の
多重プーリ33はトロリ11上において多重プーリ32
に対し駆動モータ34によって接近離間可能かつ回転自
在に支持されている。
【0076】この収納機構の場合、多重プーリ33を一
方の多重プーリ32から離間させることで両者間に巻回
された電気ケーブル14が収納され、多重プーリ33を
多重プーリ32に接近させることで両者間に巻回された
電気ケーブル14が送り出される構造となっており、巻
取ドラム15を駆動モータ27で回転駆動する構造を採
用した場合に比べて構造は複雑になるが、電気ケーブル
14を巻き取らないため、回転部への給電設備が不要と
なる。
【0077】次に、本発明の第2実施形態を図6に示し
て説明する。なお、第1実施形態において既に説明した
構成要素には同一符号を付して説明は省略する。図6に
はトロリ11の構造を示す。本実施形態におけるトロリ
11には、第1実施形態における制御部17にかえて、
スプレッダ12の移動量を検出しその移動量に基づいて
巻取ドラム15の回転を制御する制御部35が採用され
ている。また、トロリ11には、トロリ11とスプレッ
ダ12との距離を計測するレーザ距離計36が設置され
ており、制御部351はレーザ距離計36の計測結果に
基づいてスプレッダ12の上昇時または下降時の移動量
を算出する。
【0078】本実施形態のスプレッダ用電気ケーブル収
納装置においては、スプレッダ12の上昇時または下降
時の移動量に基づいて巻取ドラム15を回転させ、スプ
レッダ12を上昇させるときにはその移動量に見合うだ
けの長さの電気ケーブル14を巻き取り、スプレッダ1
2を下降させるときにはその移動量に見合うだけの長さ
の電気ケーブル14を送り出すので、電気ケーブル14
が必要以上に弛んだり緊張したりしなくなる。これによ
り、電気ケーブル14の損傷や引っ掛かりを防止するこ
とができる。なお、レーザ距離計36にかえて光セン
サ、超音波距離計といった機器を使用することも可能で
ある。
【0079】次に、本発明の第3実施形態を図7ないし
図9に示して説明する。なお、上記各実施形態において
既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略
する。本実施形態における巻取ドラム15は、図7に示
すように、ガイドシーブ19Dの組に制御機構40を介
して取り付けられている。制御機構40は、スプレッダ
12の昇降時および横行時におけるガイドシーブ19D
の組の動作パターンを検出しそれぞれの動作パターンに
応じて巻取ドラム15を駆動させるようになっている。
【0080】図8に示すように、制御機構40は、ガイ
ドシーブ19-1に回転中心を一致させて固定されガイド
シーブ19-1と共回りする外歯車(第1の外歯車)41
と、ガイドシーブ19-2に回転中心を一致させて取り付
けられ外歯車41と同一平面内においてガイドシーブ1
-2と共回りする外歯車(第2の外歯車)42と、外歯
車41の周囲に外歯を噛合させて配置され外歯車41の
周囲を遊星回転する3個の遊星歯車43と、各遊星歯車
43に内歯を噛合させ外歯を外歯車42に噛合させた太
陽歯車44と、遊星歯車43を回転自在に軸支し外歯車
41と太陽歯車44との間で行われる遊星歯車43の遊
星回転に伴って回転するキャリア45と、キャリア45
に直結されて巻取ドラム15を回転駆動する出力軸46
とを備えている。
【0081】外歯車41は外歯車42よりも小径に構成
され、遊星歯車43はすべて外歯車41と同径に構成さ
れている。太陽歯車44は、外歯車41、遊星歯車43
およびキャリア45を内部に納めるように組み合わされ
た中空ハブ47に取り付けられている。中空ハブ47の
中央には筒状部47aが設けられており、太陽歯車44
はこの筒状部47aとガイドシーブ19-2を支持する軸
受け48との間にベアリング49を配して回転自在に支
持されている。
【0082】キャリア45は、3個の遊星歯車43を両
側から挟むように組み合わされており、遊星歯車43の
軸を両側で回転自在に支持している。また、キャリア4
5は中央に設けられた筒状部45aを中空ハブ47の筒
状部47aの内側に配しその間にベアリング50を配し
て回転自在に支持されている。
【0083】ところで、上述したようにスプレッダ用電
気ケーブル収納装置はスプレッダ12の昇降に合わせて
電気ケーブル14の巻き取りまたは送り出しを行うが、
スプレッダ12を横行させる場合には電気ケーブル14
の巻き取りまたは送り出しを行う必要はない。これはつ
まり、ガイドシーブ19-2のみが回転するスプレッダ1
2の昇降時にはキャリア45(出力軸46および後述す
る変速機構51を介して巻取ドラム15に接続されてい
る)を回転させ、ガイドシーブ19-1,19-2が同方向
に同期回転するスプレッダ12の横行時にはキャリア4
5は回転させないということである。なお、ガイドシー
ブ19-1,19-2の動作パターンについては後に詳述す
る。
【0084】そこで制御機構50では、外歯車41の外
歯の歯数をZ1、外歯車42の外歯の歯数をZ2、太陽
歯車44の内歯の歯数をZ3、同じく太陽歯車44の外
歯の歯数をZ4として(遊星歯車27の歯数は外歯Z1
に等しい)、各歯車の歯数が次の条件式 Z1=Z2×Z3/Z4 … (※) を満たすように設定されている。
【0085】上記の制御機構50において、外歯車41
(歯数Z1)とキャリア45との速度比は Z1/(Z1+Z3) で表され、太陽歯車44(内歯の歯数Z3)とキャリア
45との速度比は Z3/(Z1+Z3) で表される。スプレッダ12の横行時にキャリア45が
回転しないためには、ガイドシーブ19-1に固定された
外歯車41とガイドシーブ19-2に固定された外歯車4
2とが同方向に回転するときに各遊星歯車43が定位置
を保って自転しなければならない。つまり、 Z1/(Z1+Z3)=[Z3/(Z1+Z3)]×Z
1/Z4 ∴Z1=Z2×Z3/Z4 となって条件式(※)が導かれるのである。
【0086】条件式(※)によれば、外歯車41と太陽
歯車44の内歯との歯数比(Z1/Z3)を1/3とす
ると太陽歯車44の外歯と外歯車42との歯数比(Z4
/Z2)は3/1となる。この歯数比を用い、外歯車4
1の回転数をW1、外歯車42の回転数をW2、キャリ
ア45の回転数W3としてスプレッダ12の昇降時およ
び横行時におけるキャリア45の回転数W3を求める
と、まず、スプレッダ12の昇降時にはW1=0となる
から、 W3=[Z3/(Z1+Z3)]×(Z2/Z4)×W
2=(1/4)×W2 また、スプレッダ12の横行時にはW1=W2となるか
ら、 W3=[Z1/(Z1+Z3)]×W1−[Z3/(Z
1+Z3)]×(Z1/Z4)×W2=0 したがって、条件式(※)を満たすように各歯車の歯数
を設定することにより、スプレッダ12の昇降時にはキ
ャリア45を回転させ、横行時には停止させておくこと
が可能になる。
【0087】出力軸46と巻取ドラム15との間には、
出力軸46の回転数を変化させて巻取ドラム15による
送り出し速度を遅くしたりする変速機構51が設けられ
ている。
【0088】変速機構51は、出力軸46の一方向(す
なわち巻き取り方向)への回転のみを伝達し他方向(す
なわち送り出し方向)への回転は伝達しないワンウェイ
クラッチ(第1のワンウェイクラッチ)52を介して出
力軸46と連結されて巻取ドラム15を巻き取り方向に
回転させる連結軸53と、出力軸46に固定された外歯
車(第3の外歯車)54と、送り出し方向への回転のみ
を連結軸53に伝達し巻き取り方向への回転は伝達しな
いワンウェイクラッチ(第2のワンウェイクラッチ)5
5を介して連結軸53に取り付けられた外歯車(第4の
外歯車)56と、外歯車54に噛合する外歯車(第5の
外歯車)57と、外歯車57に回転中心を一致させて固
定されるとともに外歯車56に噛合し外歯車57と共回
りする外歯車(第6の外歯車)58とを備えている。
【0089】また、変速機構51と巻取ドラム15との
間には、電気ケーブル14を巻き取りまたは送り出しす
る際に巻取ドラム15に作用するトルクを所定の大きさ
以下に制限する滑りクラッチが設けられている。滑りク
ラッチには、励磁すると磁化されて粉体と動作面との摩
擦力で所定の大きさ以下のトルクを伝達するパウダクラ
ッチ59が採用されている。なお、パウダクラッチ59
が断続する境界となるトルクの限界値は、電気ケーブル
14に負荷することが許される限界張力により発生する
トルクと同値に設定されている。
【0090】ところで、出力軸46には、上記の構成の
もとでスプレッダ12の上昇に対応して電気ケーブル1
4が常に張りを生むべく、巻き取り速度がスプレッダ1
2の上昇速度よりも10%増となるように適切な回転速
度が設定されている。また、変速機構51の作動の仕方
は後述するが、各外歯車54,55,54,57の歯数
は、巻取ドラム15の送り出し速度がスプレッダ12の
下降速度よりも10%減となるように設定されている。
【0091】本実施形態においても、第1実施形態と同
様にスプレッダ12の動作を上昇、下降、横行、斜行の
4つに分け、それぞれの動作を行う場合におけるスプレ
ッダ用電気ケーブル収納装置の作動の仕方について説明
する。
【0092】[上昇動作]スプレッダ12を上昇させる
と、ガイドシーブ19-2のみが一方向に回転する動作パ
ターン(I)となり、制御機構50では、図9(a)に示す
ように外歯車42がガイドシーブ19-2と一体となって
図中P方向に回転する。外歯車42の回転は太陽歯車4
4に伝達され、太陽歯車44の回転は各遊星歯車43に
伝達される。このとき、外歯車41がロックされた状態
となっているので、各遊星歯車43は外歯車41の周囲
を遊星回転し、各遊星歯車43の遊星回転がキャリア4
5に伝達されて出力軸46がP方向とは逆方向(すなわ
ち巻き取り方向)に回転する。出力軸46の回転は変速
機構51においても変速されることなく連結軸53、励
磁された状態のパウダクラッチ59を介して巻取ドラム
15に伝達され、巻取ドラム15はこの回転を受けて電
気ケーブル14を巻き取るべく回転する。
【0093】上昇動作の場合、電気ケーブル14はスプ
レッダ12の上昇に伴って弛もうとするが、巻取ドラム
15は、スプレッダ12が上昇を開始すると同時にスプ
レッダ12の上昇速度よりも速く電気ケーブル14を巻
き取っていく。巻取ドラム15がこのままの速度で巻き
取りを続けると電気ケーブル14は切れてしまうが、こ
こでパウダクラッチ59が作動し、巻取ドラム15が電
気ケーブル14を巻き取る際に発生するトルクを所定の
大きさ以下に制限しながら巻き取り速度を遅めるため、
巻き取りを続行しても電気ケーブル14が切断には至ら
ない程度に張り詰められた状態が保たれる。
【0094】[下降動作]スプレッダ12を下降させる
と、ガイドシーブ19-2のみが他方向に回転する動作パ
ターン(II)となり、制御機構50では、図9(b)に示す
ようにガイドシーブ19-2の図中Q方向(P方向とは逆
方向)への回転が上記と同様に伝達して出力軸46がP
方向(すなわち送り出し方向)に回転する。出力軸46
の回転は変速機構51において減速され変速され、連結
軸53、励磁された状態のパウダクラッチ59を介して
巻取ドラム15に伝達され、巻取ドラム15はこの回転
を受けて電気ケーブル14を送り出すべく回転する。
【0095】下降動作の場合、電気ケーブル14はスプ
レッダ12の下降に伴って張りを生むが、巻取ドラム1
5はスプレッダ12が下降を開始すると同時にスプレッ
ダ12の下降速度よりもさらに遅い速度で電気ケーブル
14を送り出していく。巻取ドラム15がこのままの速
度で送り出しを続けると電気ケーブル14は切れてしま
うが、ここでパウダクラッチ59が作動し、電気ケーブ
ル14が巻取ドラム15に与えるトルクを所定の大きさ
以下に制限しながら巻き取り速度を速めるため、送り出
しを続行しても電気ケーブルが切断には至らない程度に
張り詰められた状態が保たれる。
【0096】[横行動作]スプレッダ12の高さを一定
に保ったままトロリ11とともに横行させると、ガイド
シーブ19-1,19-2が同じ方向に同一回転数で同期回
転する(動作パターン(III))。なお、ガイドシーブ1
-1,19-2の回転方向はトロリ11の進む方向により
異なるが双方の回転方向が一致することは変わりない。
動作パターン(III)となると、制御機構50では、図9
(c)に示すように外歯車41がガイドシーブ19-1と一
体となってP方向(またはその逆方向)に回転するとと
もに外歯車42がガイドシーブ19-2と一体となって同
じくP方向(またはその逆方向)に回転し、外歯車41
の回転は各遊星歯車43に伝達され、外歯車42の回転
は太陽歯車44に伝達される。このとき、各遊星歯車4
3は太陽歯車44の内歯に沿って遊星回転しようとする
が、太陽歯車44は遊星回転方向とは逆方向に回転する
ので、各遊星歯車43は定位置を保って自転するだけに
留まってキャリア45には回転が伝達されない。このた
め、出力軸46は回転せず巻取ドラム15も回転しな
い。
【0097】横行動作の場合、トロリ11においては見
かけ上吊下げロープ13の送り出しが行われるが、トロ
リ11とスプレッダ12との間隔は一定なので、電気ケ
ーブル14には余計な弛みが生まれず、巻取ドラム15
を回転させなくても適度に張り詰められた状態が保持さ
れる。
【0098】[斜行動作]スプレッダ12を上昇または
下降させながらトロリ11とともに横行させると、スプ
レッダ12は斜め上方または斜め下方に移動(斜行)す
る。このときガイドシーブ19-1,19-2は同一方向に
異なる回転数で回転する(動作パターン(I)と動作パタ
ーン(III)、または動作パターン(II)と動作パターン(II
I)いずれかの組合せ)。ガイドシーブ19-1,19-2
動作パターン(I)または動作パターン(II)のいずれかと
なるので、制御機構50では、動作パターン(I)となる
と電気ケーブル14を巻き取るべく[上昇動作]の要領
で巻取ドラム15が回転し、動作パターン(II)となると
電気ケーブル14を送り出すべく[下降動作]の要領で
巻取ドラム15が回転する。
【0099】斜行動作の場合も、上昇動作や下降動作の
場合と同様にスプレッダ12が昇降を開始すると同時に
巻取ドラム15が回転して電気ケーブル14の巻き取り
または送り出しが行われるので、電気ケーブル14には
余計な弛みが生まれず、適度に張り詰められた状態が保
持される。
【0100】上記のように、本実施形態におけるスプレ
ッダ用電気ケーブル収納装置によれば、スプレッダ12
が上昇、下降、横行および斜行のいずれの動作を行うと
きにも電気ケーブル14が適度に張り詰められた状態が
保持されるので、電気ケーブル14が必要以上に弛まな
くなる。これにより、電気ケーブル14の損傷や引っ掛
かりを防止することができる。
【0101】なお、本実施形態においては巻取ドラム1
5および制御機構40をガイドシーブ19Dの組に取り
付けたが、その他のガイドシーブの組に取り付けても構
わない。
【0102】次に、本発明の第4実施形態を図10およ
び図11に示して説明する。なお、上記各実施形態にお
いて既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は
省略する。本実施形態におけるトロリ11には、図10
および図11に示すように、すべてのガイドシーブ19
-2に回転中心を一致させて外歯車60が取り付けられ、
外歯車60に噛合される外歯車61によって駆動される
油圧ポンプ62がガイドシーブ19-2に対応して4基設
置されている。ガイドシーブ19A,19Cの組のガイ
ドシーブ19-2に取り付けられる外歯車60に噛合する
外歯車61には、ガイドシーブ19-2がスプレッダ12
を上昇させる方向に回転したときにのみ油圧ポンプ62
A,62Cに回転を伝達するワンウェイクラッチ63が
設けられ、ガイドシーブ19B,19Dの組のガイドシ
ーブ19-2に取り付けられる外歯車60に噛合する外歯
車61には、ガイドシーブ19-2がスプレッダ12を下
降させる方向に回転したときにのみ油圧ポンプ62B,
62Dに回転を伝達するワンウェイクラッチ64が設け
られている。
【0103】油圧ポンプ62は、ガイドシーブ19-2
回転により生じる油圧を伝達する配管系を通じて油圧モ
ータ65に接続されている。油圧モータ65の出力軸は
巻取ドラム15に接続されている。なお、油圧モータ6
5および巻取ドラム15には、巻き取り速度がスプレッ
ダ12の上昇速度よりも速くなるように適宜設定がなさ
れている。
【0104】油圧を伝達する配管系には、巻取ドラム1
5を送り出し方向に回転させようとするトルクが作用し
たときこれに伴う油圧モータ65の回転によって生じる
油圧を所定の大きさに保つリリーフバルブ66が設けら
れている。また、油圧モータ65に圧力を与えた後の作
動オイル、またはリリーフバルブ66を通じて油圧モー
タ65を駆動せぬまま排除される作動オイルを流通させ
る配管系には、作動オイルを冷却するオイルクーラ67
が設けられている。さらに、油圧モータ65には、モー
タ駆動されてスプレッダ12の初期加速時に補助的に油
圧を供給する油圧ポンプ68が別個に接続されている。
なお、符号69はリリーフバルブ66や作動オイルの油
槽を内蔵する油圧ユニットである。
【0105】本実施形態においても、第1、第3実施形
態と同様にスプレッダ12の動作を上昇、下降、横行、
斜行の4つに分け、それぞれの動作を行う場合における
スプレッダ用電気ケーブル収納装置の作動の仕方につい
て説明する。
【0106】[上昇動作]スプレッダ12を上昇させる
と、ガイドシーブ19A,19Cの組のガイドシーブ1
-2が回転し、その回転が油圧ポンプ72A,72Cに
伝達され、これら油圧ポンプ72A,72Cの駆動によ
り生じた油圧で油圧モータ75が駆動されて巻取ドラム
15が電気ケーブル14を巻き取る方向に回転する。
【0107】上昇動作の場合、電気ケーブル14はスプ
レッダ12の上昇に伴って弛もうとするが、巻取ドラム
15は、スプレッダ12が上昇を開始すると同時にスプ
レッダ12の上昇速度よりも速く電気ケーブル14を巻
き取っていく。巻取ドラム15がこのままの速度で巻き
取りを続けると電気ケーブル14は切れてしまうが、油
圧モータ75では、巻取ドラム15を送り出し方向に回
転させようとするトルクを受けて油圧が過度に高まる。
この油圧はリリーフバルブ76から排除され、油圧モー
タ75は電気ケーブル14を巻き取る際に発生するトル
クを所定の大きさ以下に制限しながら減速するので、巻
き取りを続行しても電気ケーブル14が切断には至らな
い程度に張り詰められた状態が保たれる。
【0108】[下降動作]スプレッダ12を下降させる
と、ガイドシーブ19B,19Dの組のガイドシーブ1
-2が回転し、その回転が油圧ポンプ72B,72Dに
伝達され、これら油圧ポンプ72B,72Dの駆動によ
り生じた油圧で油圧モータ75が駆動されて巻取ドラム
15が電気ケーブル14を巻き取る方向に回転する。
【0109】下降動作の場合、電気ケーブル14はスプ
レッダ12の下降に伴って張りを生むが、巻取ドラム1
5はこれに反して巻き取り方向に回転しスプレッダ12
が下降を開始すると同時に電気ケーブル14を巻き取っ
ていく。巻取ドラム15がこのまま巻き取りを続けると
電気ケーブル14は切れてしまうが、油圧モータ75で
は、巻取ドラム15を送り出し方向に回転させようとす
るトルクを受けて油圧が過度に高まる。この油圧はリリ
ーフバルブ76から排除されるので、結果的には巻取ド
ラム15が電気ケーブル14を送り出す方向に回転す
る。このとき、油圧モータ75は電気ケーブル14を送
り出す際に発生するトルクを所定の大きさ以下に制限す
るので、送り出しを続行しても電気ケーブル14が切断
には至らない程度に張り詰められた状態が保たれる。
【0110】[横行動作]スプレッダ12を横行させる
と、トロリ11の移動方向に応じてガイドシーブ19
A,19Cの2組、またはガイドシーブ19B,19D
の2組のいずれかのガイドシーブ19-2が回転し、その
回転が油圧ポンプ72A,72C、または油圧ポンプ7
2B,72Dに伝達され、油圧ポンプ72A,72C、
または油圧ポンプ72B,72Dの駆動により生じた油
圧で油圧モータ75が駆動されて巻取ドラム15が電気
ケーブル14を巻き取る方向に回転する。
【0111】横行動作の場合、トロリ11とスプレッダ
12との間隔は一定であるが、巻取ドラム15が巻き取
り方向に回転し電気ケーブル14を巻き取っていく。巻
取ドラム15がこのまま巻き取りを続けると電気ケーブ
ル14は切れてしまうが、油圧モータ75では、巻取ド
ラム15を巻き取り方向に回転させないようにするトル
クを受けて油圧が過度に高まる。この油圧はリリーフバ
ルブ76から排除されるので、結果的には巻取ドラム1
5は停止したままとなる。このとき、油圧モータ75は
電気ケーブル14を巻き取ろうとする際に発生するトル
クを所定の大きさ以下に制限するため、巻き取りドラム
15が停止したままでも電気ケーブル14が切断には至
らない程度に張り詰められた状態が保たれる。
【0112】[斜行動作]スプレッダ12を斜行させる
と、横行動作の場合と同様にトロリ11の移動方向に応
じてガイドシーブ19A,19Cの2組、またはガイド
シーブ19B,19Dの2組のいずれかのガイドシーブ
19-2が回転し、その回転が油圧ポンプ72A,72
C、または油圧ポンプ72B,72Dに伝達され、油圧
ポンプ72A,72C、または油圧ポンプ72B,72
Dの駆動により生じた油圧で油圧モータ75が駆動され
て巻取ドラム15が電気ケーブル14を巻き取る方向に
回転する。そして、スプレッダ12を斜め上方に移動さ
せる場合は、電気ケーブル14を巻き取るべく[上昇動
作]の要領で巻取ドラム15が回転し、スプレッダ12
を斜め下方に移動させる場合には、電気ケーブル14を
送り出すべく[下降動作]の要領で巻取ドラム15が回
転する。
【0113】斜行動作の場合も、上昇動作や下降動作の
場合と同様に巻取ドラム15が回転して電気ケーブル1
4の巻き取りまたは送り出しが行われるので、電気ケー
ブル14には余計な弛みが生まれず、適度な張力を与え
られた状態が保持される。
【0114】上記のように、本実施形態におけるスプレ
ッダ用電気ケーブル収納装置によれば、スプレッダ12
が上昇、下降、横行および斜行のいずれの動作を行うと
きにも電気ケーブル14が適度に張り詰められた状態が
保持されるので、電気ケーブル14が必要以上に弛まな
くなる。これにより、電気ケーブル14の損傷や引っ掛
かりを防止することができる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る請求
項1記載のスプレッダ用電気ケーブル収納装置によれ
ば、電気ケーブルの余剰分は、通常は余剰分保持部に収
容されており、正常時よりもスプレッダの上昇速度が遅
くなったり下降速度が速くなったりした場合に余剰分保
持部から繰り出されるので、スプレッダ等との干渉は起
こらず、損傷したり何かに引っ掛かったりすることはな
い。したがって、電気ケーブルの損傷や引っ掛かりを原
因とするクレーンの操業停止といった事態を防止するこ
とができる。
【0116】請求項2記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、巻取ドラムを回転駆動する巻取機構
は、構造が簡易で各部品にも従来一般の入手が容易な機
器を用いているので、製作が容易でかつ製造コストを安
価に抑えることができる。
【0117】請求項3記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、収納機構の構造は複雑になるが、電
気ケーブルを巻き取らないため、回転部への給電設備が
不要となる。
【0118】請求項4記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、電気ケーブルに作用する重力を利用
して余剰分の取り込みを行っており、構成としては容器
体をスプレッダ上に設置するだけなので、製作が容易で
かつ製造コストを安価に抑えることができる。
【0119】請求項5記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、余剰分を強制的に所定箇所に集めて
おけるので、余剰分が予期しないところに垂れ下がった
りすることがなく、電気ケーブルが損傷したり何かに引
っ掛かったりすることがない。
【0120】請求項6記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、余剰分を強制的に所定形状に留めて
おくので、余剰分が予期しないところに垂れ下がったり
することがなく、電気ケーブルが損傷したり何かに引っ
掛かったりすることがない。
【0121】請求項7記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、スプレッダの上昇時または下降時の
移動量を算出し、該移動量に基づいて巻取機構を作動さ
せ、スプレッダの移動量に見合うだけの長さの電気ケー
ブルを巻き取るか送り出すので、電気ケーブルが必要以
上に弛んだり緊張したりしない。したがって、電気ケー
ブルの損傷や引っ掛かりを原因とするクレーンの操業停
止といった事態を防止することができる。
【0122】請求項8記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、巻取機構に滑りクラッチを付設した
ことにより、電気ケーブルの巻き取り速度に対してスプ
レッダの上昇速度が遅くなってしまう場合、電気ケーブ
ルの送り出し速度に対してスプレッダの下降速度が速く
なってしまう場合、いずれの場合においても、電気ケー
ブルを切断には至らない程度に張り詰められた状態に保
つことができ、電気ケーブルに余計な弛みを作らないの
で、電気ケーブルの損傷や引っ掛かりを原因とするクレ
ーンの操業停止といった事態を防止することができる。
【0123】請求項9記載のスプレッダ用電気ケーブル
収納装置によれば、スプレッダの上昇時において他方の
ガイドシーブのみの一方向への回転を検出したときには
その回転を出力軸に伝達して電気ケーブルをスプレッダ
の上昇速度よりも速く巻き取るべく巻取機構を作動さ
せ、その速度差は滑りクラッチで吸収し、下降時におい
て他方のガイドシーブのみの他方向への回転を検出した
ときにはその回転を出力軸に伝達してスプレッダの下降
速度よりも遅く電気ケーブルを送り出すべく巻取機構を
作動させ、その速度差は滑りクラッチで吸収し、横行時
においては2個1組のガイドシーブの同方向への回転を
検出したときには他方のガイドシーブの回転の伝達を一
方のガイドシーブの回転が阻んで巻取機構を作動させな
いので、いかなる動作時にも電気ケーブルを切断には至
らない程度に張り詰められた状態に保つことができる。
【0124】請求項10記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置によれば、条件式( Z1=Z2×Z3/Z
4 )を満たすように各歯車の歯数を設定しておくこと
により、スプレッダを昇降させないで行う横行時におい
て出力軸が全く回転しないので、巻取機構を作動させな
いようにすることができる。
【0125】請求項11記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置によれば、出力軸の一方向への回転はそのま
ま巻取機構に伝達され、出力軸の他方向への回転は変速
機構を介して連結軸に伝達される。そこで、巻取機構の
巻き取り速度がスプレッダの上昇速度よりも速く、送り
出し速度がスプレッダの下降速度よりも遅くなるように
出力軸の回転速度と第3、第4、第5および第6の外歯
車の歯数とを設定すれば、スプレッダの上昇、下降いず
れの場合においても、滑りクラッチが作動して電気ケー
ブルを切断には至らない程度に張り詰められた状態に保
つことができる。
【0126】請求項12記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置によれば、スプレッダを複数の吊下げロープ
で吊下する大型のクレーンについても電気ケーブルの巻
き取りおよび送り出しが可能になる。
【0127】請求項13記載のスプレッダ用電気ケーブ
ル収納装置によれば、スプレッダの上昇時において、他
方のガイドシーブの回転により油圧ポンプが駆動され、
その駆動により生じた油圧で油圧モータが駆動して巻取
ドラムが電気ケーブルを巻き取る方向に回転し、スプレ
ッダの下降時および横行時においては、他方のガイドシ
ーブの回転により油圧ポンプが駆動され、その駆動によ
り生じた油圧で油圧モータは駆動しようとするが、巻取
ドラムは送り出し方向へのトルクを受けて逆回転しよう
とするため、作動オイルの油圧が過度に高まりリリーフ
バルブから排除されて結果的に油圧モータおよび巻取ド
ラムは電気ケーブルを送り出す方向に回転する。したが
って、いかなる動作時にも電気ケーブルを切断には至ら
ない程度に張り詰められた状態に保つことができる。
【0128】請求項14記載のクレーンによれば、電気
ケーブルをスプレッダの昇降に合わせて収納または排出
することにより、電気ケーブルの損傷や電気ケーブルの
引っ掛かりによる操業の停止といった事態が防止される
ので、クレーンの高速稼動が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスプレッダ用電気ケーブル収納
装置およびクレーンの第1実施形態を示す図であって、
トロリおよびスプレッダの駆動系の概略構成を示す斜視
図である。
【図2】 トロリと該トロリに設置されたスプレッダ用
電気ケーブル収納装置とを示す平面図である。
【図3】 図2におけるIII-III線矢視断面図である。
【図4】 電気ケーブルの余剰分保持部の他の実施形態
を示す側面図である。
【図5】 巻取機構の他の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図6】 本発明に係るスプレッダ用電気ケーブル収納
装置の第2実施形態を示す図であって、トロリと該トロ
リに設置されたスプレッダ用電気ケーブル収納装置とを
示す平面図である。
【図7】 本発明に係るスプレッダ用電気ケーブル収納
装置の第3実施形態を示す図であって、トロリと該トロ
リに設置されたスプレッダ用電気ケーブル収納装置とを
示す平面図である。
【図8】 制御機構および変速機構の平断面図である。
【図9】 スプレッダの上昇、下降、横行の各動作中に
おける制御機構の作動の仕方を示す状態説明図である。
【図10】 本発明に係るスプレッダ用電気ケーブル収
納装置の第4実施形態を示す図であって、トロリと該ト
ロリに設置されたスプレッダ用電気ケーブル収納装置と
を示す平面図である。
【図11】 本実施形態にスプレッダ用電気ケーブル収
納装置の系統図である。
【図12】 従来のクレーンの一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 ガーダ 11 トロリ 12 スプレッダ 13 吊下げロープ 14 電気ケーブル 15 巻取ドラム 16 制御機構 17 制御部 18 ケーブルバスケット 27 駆動モータ 28 エンコーダ
フロントページの続き (72)発明者 千蔵 孝 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 中道 晴史 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガーダ上を移動可能なトロリと該トロ
    リから吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレ
    ーンに設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダ
    に接続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わ
    せて収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納
    装置であって、 前記トロリに設置されて前記電気ケーブルを巻き取りま
    たは送り出しする巻取機構と、前記スプレッダの昇降動
    作を検出して前記巻取機構を作動させる制御部と、前記
    電気ケーブルに弛みとなるべくあらかじめ付与されてい
    る余剰分を保持し必要に応じてこれを繰り出す余剰分保
    持部とを備えることを特徴とするスプレッダ用電気ケー
    ブル収納装置。
  2. 【請求項2】 前記巻取機構が、回動可能に支持され
    て前記電気ケーブルを巻き取りまたは送り出しする巻取
    ドラムを備えることを特徴とする請求項1記載のスプレ
    ッダ用電気ケーブル収納装置。
  3. 【請求項3】 ガーダ上を移動可能なトロリと該トロ
    リから吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレ
    ーンに設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダ
    に接続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わ
    せて収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納
    装置であって、 前記トロリに設置されて前記電気ケーブルを収納または
    排出する収納機構と、前記スプレッダの昇降動作を検出
    して前記収納機構を作動させる制御部と、前記電気ケー
    ブルに弛みとなるべくあらかじめ付与されている余剰分
    を保持し必要に応じてこれを繰り出す余剰分保持部とを
    備え、前記収納機構が、互いに接近離間可能かつ両者が
    それぞれ独立して回転自在に支持された一対の巻き胴を
    有し、該一対の巻き胴間に前記電気ケーブルが巻回され
    ていることを特徴とするスプレッダ用電気ケーブル収納
    装置。
  4. 【請求項4】 前記余剰分保持部が、前記スプレッダ
    上に設置されて上方に開口する容器体であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載のスプレッダ用電気ケ
    ーブル収納装置。
  5. 【請求項5】 前記余剰分保持部が、前記スプレッダ
    に設置されて伸長方向に弾性変形可能であり、前記電気
    ケーブルの所定位置を所定の張力で下方に引っ張る牽引
    部を備えることを特徴とする請求項1、2または3記載
    のスプレッダ用電気ケーブル収納装置。
  6. 【請求項6】 前記余剰分保持部が、前記電気ケーブ
    ルの少なくとも一部を所定曲率で屈曲して所定形状に保
    持しておき、該電気ケーブルに所定の大きさ以上の張力
    が作用した場合に前記所定曲率を保ちながらも前記所定
    形状をくずして電気ケーブルを繰り出すことを特徴とす
    る請求項1、2または3記載のスプレッダ用電気ケーブ
    ル収納装置。
  7. 【請求項7】 ガーダ上を移動可能なトロリと該トロ
    リから吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレ
    ーンに設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダ
    に接続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わ
    せて収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納
    装置であって、 前記トロリに設置されて前記電気ケーブルを巻き取りま
    たは送り出しする巻取機構と、前記スプレッダの動作速
    度を検出し該動作速度に同調して前記巻取機構を作動さ
    せる制御部とを備えることを特徴とするスプレッダ用電
    気ケーブル収納装置。
  8. 【請求項8】 ガーダ上を移動可能なトロリと該トロ
    リから吊下されて昇降可能なスプレッダとを備えるクレ
    ーンに設けられ、前記トロリから伸びて前記スプレッダ
    に接続される電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わ
    せて収納または排出するスプレッダ用電気ケーブル収納
    装置であって、 前記電気ケーブルを巻き取りまたは送り出しする巻取機
    構と、前記スプレッダの昇降動作を検出して前記巻取機
    構を作動させる制御部と、前記電気ケーブルを巻き取り
    または送り出しする際に前記巻取機構に作用するトルク
    を所定の大きさ以下に制限する滑りクラッチとを備える
    ことを特徴とするスプレッダ用電気ケーブル収納装置。
  9. 【請求項9】 前記トロリには回動自在な2個1組の
    ガイドシーブが取り付けられ、前記スプレッダには支持
    用シーブが取り付けられ、前記2個1組のガイドシーブ
    のうち一方のガイドシーブには一端を所定位置に固定さ
    れて前記スプレッダを前記トロリから吊り下げるための
    吊下げロープが巻回され、他方のガイドシーブには前記
    一方のガイドシーブを経て前記支持用シーブに巻回され
    た前記吊下げロープが巻回され、 これら2個1組のガイドシーブ、支持用シーブおよび吊
    下げロープにより、該吊下げロープの他端を移動させる
    ことで前記スプレッダを昇降させ、前記吊下げロープの
    他端を定位置に保持したままでの前記トロリの横行時に
    は前記スプレッダを一定の高さに保ったまま前記トロリ
    とともに横行させるべく構成されており、 前記制御部は、前記一方のガイドシーブに回転中心を一
    致させて固定され該一方のガイドシーブと共回りする第
    1の外歯車と、前記他方のガイドシーブに回転中心を一
    致させて取り付けられ前記第1の外歯車と同一平面内に
    おいて他方のガイドシーブと共回りする第2の外歯車
    と、前記第1の外歯車の周囲に外歯を噛合させて配置さ
    れ該第1の外歯車の周囲を遊星回転する複数の遊星歯車
    と、該遊星歯車に内歯を噛合させるとともに前記第2の
    外歯車に外歯を噛合させた太陽歯車と、前記遊星歯車を
    回転自在に軸支し前記第1の外歯車と前記太陽歯車との
    間で行われる前記遊星歯車の遊星回転に伴って回転する
    キャリアと、該キャリアに設けられて前記巻取機構を駆
    動する出力軸と、前記出力軸の回転数を変化させて前記
    巻取機構による送り出し速度を遅くする変速機構とを備
    えることを特徴とする請求項8記載のスプレッダ用電気
    ケーブル収納装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の外歯車の歯数をZ1、前
    記第2の外歯車の歯数をZ2、前記太陽歯車の内歯の歯
    数をZ3、同じく太陽歯車の外歯の歯数をZ4とすると
    き、次の条件式( Z1=Z2×Z3/Z4 )を満たす
    ことを特徴とする請求項8または9記載のスプレッダ用
    電気ケーブル収納装置。
  11. 【請求項11】 前記変速機構が、前記出力軸の一方
    向への回転のみを伝達し他方向への回転は伝達しない第
    1のワンウェイクラッチを介して出力軸と連結されて前
    記巻取機構を駆動する連結軸と、前記出力軸に固定され
    た第3の外歯車と、前記他方向への回転のみを前記連結
    軸に伝達し前記一方向への回転は伝達しない第2のワン
    ウェイクラッチを介して連結軸に取り付けられた第4の
    外歯車と、前記第3の外歯車に噛合する第5の外歯車
    と、該第5の外歯車に回転中心を一致させて固定される
    とともに前記第4の外歯車に噛合し第5の外歯車と共回
    りする第6の外歯車とを備えることを特徴とする請求項
    8、9または10記載のスプレッダ用電気ケーブル収納
    装置。
  12. 【請求項12】 前記トロリには前記2個1組のガイ
    ドシーブが複数設けられ、前記スプレッダには前記2個
    1組のガイドシーブの各組に対応して同数の支持用シー
    ブが設けられ、これら2個1組のガイドシーブの各組お
    よび各支持用シーブにそれぞれ前記吊下げロープが巻回
    されて前記トロリから前記スプレッダが吊下されてお
    り、 前記2個1組のガイドシーブのいずれかの組に前記巻取
    機構、制御機構および変速機構が設けられていることを
    特徴とする請求項8、9、10または11記載のスプレ
    ッダ用電気ケーブル収納装置。
  13. 【請求項13】 ガーダ上を移動可能なトロリに回動
    自在な2個1組のガイドシーブが取り付けられ、前記ト
    ロリから吊下されて昇降可能なスプレッダには支持用シ
    ーブが取り付けられ、前記2個1組のガイドシーブのう
    ち一方のガイドシーブには一端を所定位置に固定されて
    前記スプレッダを前記トロリから吊り下げるための吊下
    げロープが巻回され、他方のガイドシーブには前記一方
    のガイドシーブを経て前記支持用シーブに巻回された前
    記吊下げロープが巻回され、 これら2個1組のガイドシーブ、支持用シーブおよび吊
    下げロープにより、前記吊下げロープの他端を移動させ
    ることで前記スプレッダを昇降させ、前記吊下げロープ
    の他端を定位置に保持したままでの前記トロリの横行時
    には前記スプレッダを一定の高さに保ったまま前記トロ
    リとともに横行させるべく構成されたクレーンに設けら
    れ、前記トロリから伸びて前記スプレッダに接続される
    電気ケーブルを該スプレッダの昇降に合わせて収納また
    は排出するスプレッダ用電気ケーブル収納装置であっ
    て、 前記トロリに設置されて前記電気ケーブルを巻き取りま
    たは送り出しする巻取ドラムと、 前記他方のガイドシーブの回転を利用して駆動される油
    圧ポンプと、 該油圧ポンプの駆動によって生じる油圧の供給を受けて
    前記巻取ドラムを巻き取り方向に回転させる油圧モータ
    と、 前記巻取ドラムを送り出し方向に回転させるトルクが作
    用したときこれに伴う前記油圧モータの回転によって生
    じる油圧を所定の大きさに保つリリーフバルブとを備え
    ることを特徴とするスプレッダ用電気ケーブル収納装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12または13記載のスプレ
    ッダ用電気ケーブル収納装置を備えることを特徴とする
    クレーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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