JP2001180145A - 潜像刷版およびその製造方法 - Google Patents

潜像刷版およびその製造方法

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JP2001180145A
JP2001180145A JP37488499A JP37488499A JP2001180145A JP 2001180145 A JP2001180145 A JP 2001180145A JP 37488499 A JP37488499 A JP 37488499A JP 37488499 A JP37488499 A JP 37488499A JP 2001180145 A JP2001180145 A JP 2001180145A
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Masahisa Yokota
昌久 横田
Akira Nakabayashi
亮 中林
Shuichi Ishimura
秀一 石村
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高
いエネルギーの光の照射により疎水性を呈する膜を有す
る潜像刷版を提供することを目的とする。 【構成】 光触媒と親水性化合物及びシリコーン化合物
を含む膜を有する刷版であって、該被膜に光触媒のバン
ドギャップエネルギーよりも高いエネルギーを含む光を
照射することにより、照射された部分の20℃における
水との接触角が光照射前より10°以上増加することを
特徴とする潜像刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷装置に用いられ
る刷版に関するものであり、さらに詳しくは光触媒膜を
有し、光により該膜上に形成された潜像が刷版を構成す
る潜像刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、刷版は写真技術を利用して制作さ
れていた。例えば、ポジフィルムを作成し、PS版に焼
き付け後現像することにより制作されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】写真技術を利用した刷
版の制作には、複数の工程が必要であり、刷版の制作に
時間が必要であり、コストも高いという問題点があり、
特に少量印刷の場合、この影響が甚大であり、刷版作成
の革新が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本
発明の第1は、光触媒と親水性化合物及びシリコーン系
化合物を含む膜を有し、該膜の一部で光触媒のバンドギ
ャップエネルギーよりも高いエネルギーを含む光を照射
した部分の、20℃における該被膜と水との接触角が光
照射前より10°以上増加する潜像刷版である。
【0005】発明の第2は、発明の第1記載の潜像刷版
の膜に、光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高い
エネルギーを含む光の照射部分又は、非照射部分からな
る潜像を有する潜像刷版である。発明の第3は発明の1
に記載の潜像刷版の膜の一部に、光触媒のバンドギャッ
プエネルギーよりも高いエネルギーを含む光を照射する
ことにより、発明の第2記載の潜像を形成する潜像刷版
の製造方法である。
【0006】発明の第4は発明の第2に記載の潜像を親
水性又は、疎水性インキにより可視像とし、該親水性又
は、疎水性インキを用紙に転写する印刷装置である。発
明の第5は親水性基を有するヒドロシリル基含有化合物
で変性された光触媒からなることを特徴とする発明の第
1〜4記載の潜像刷版、潜像刷版の製造方法、および印
刷装置である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明において使用される光触媒として
は、TiO2、ZnO、SrTiO3、CdS、GaP、
InP、GaAs、BaTiO3、BaTiO4、K2
bO3、Fe23、Ta25、WO3、SnO2、Bi2
3、NiO、Cu2O、SiC、SiO2、MoS2、In
Pb、RuO2、CeO2等、及びこれらにPt、Rh、
Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/
又は金属の酸化物を添加あるいは固定化したものを使用
することができる。これらの光触媒の中で、TiO
2(酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れ
るため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ、ル
チル、ブルッカイトのいずれも使用できる。
【0008】一般に微細な粒子からなる粉体は、複数の
一次粒子が強力に凝集した二次粒子を形成するため、無
駄にする表面特性が多い上、これら二次粒子を再度一次
粒子にまで分散させるのは非常に困難である。これに対
し、光触媒ゾルの場合、光触媒粒子は一次粒子に近い形
で存在しているため表面特性を有効に利用でき、透明な
被膜の形成が容易であるため好ましく使用することがで
きる。特に好ましくは、一次粒子と二次粒子との混合物
の体積平均分散粒子径が300nm以下の光触媒ゾルが
変性後の光触媒の表面特性を有効に利用できるために望
ましい。より好ましくは200nm以下、さらに好まし
くは100nm以下1nm以上、さらに好ましくは80
nm以下5nm以上のものが好適に選択される。
【0009】該光触媒ゾルとして酸化チタンのゾルを例
にとると 、例えば水を分散媒とし、その中に酸化チタ
ン粒子が解膠された酸化チタンヒドロゾル等を挙げるこ
とができる。例えば、硫酸チタンや塩化チタンの水溶液
を加熱加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア
水で中和し、析出した水を含む酸化チタンを濾別、洗
浄、脱水させると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。
この凝集物を、硝酸、塩酸、又はアンモニア等の作用の
下に解膠させると酸化チタンヒドロゾルが得られる。ま
た、酸化チタンヒドロゾルとしては、酸化チタン粒子を
酸やアルカリの作用の下で解膠させたり、酸やアルカリ
を使用せず必要に応じ分散安定剤を使用し、強力なずり
応力の下で水中に分散させたゾルも用い得る。なお、酸
化チタンヒドロゾルはチタニアゾルとして市販されてい
る。
【0010】このようなヒドロゾルの粘度(20℃)は
比較的低いことが望ましく、例えば、2000cPa・
s〜0.5cPa・s程度の範囲にあればよい。好まし
くは1000cPa・s〜1cPa・s、さらに好まし
くは500cPa・s〜1cPa・sである。本発明に
おいて使用される親水性化合物としては、下記構造単位
(a)及び/又は(b)を有する数平均分子量100〜
1000000の化合物を挙げることができる。
【0011】
【化1】 (式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水
素原子あるいは置換基を有しても有さなくても良い炭素
数が1〜20個の炭化水素基を表す。Yは、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基あるいはそ
の塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン基あるいはそ
の塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた
少なくとも1つの親水性基、あるいは該親水性基を有す
る1価の有機基を表す。)
【0012】上記親水性化合物の例としては、例えばポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、部分
鹸化ポリ酢酸ビニル、アクリル酸重合体(共重合物を含
む)、メタクリル酸重合体(共重合物を含む)、アクリ
ルアミド重合体(共重合物を含む)、スチレンスルホン
酸重合体(共重合物を含む)、ビニルピロリドン重合体
(共重合物を含む)、ポリアリルアミン、ポリエチレン
グリコール類、ポリエチレングリコール−ポリテトラメ
チレングリコール共重合体、カルボキシルメチル化セル
ロース、カルボキシルメチル化ニトロセルロース等を挙
げることができる。
【0013】本発明のコーティング組成物において、上
述した光触媒(A)と親水性化合物(B)は固形分重量
比(A)/(B)=0.001〜1000の割合で含む
系が好ましい。本発明における光触媒は、シリコーン系
化合物(C)を含んでいても良い。シリコーン系化合物
を含むことによって、形成する被膜と水との接触角の光
触媒のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギー
を含む光を照射することによる増加率がより顕著にな
る。
【0014】本発明において使用されるシリコーン系化
合物(C)としては、例えば下記平均組成式(1)で示
される化合物を含む樹脂等を挙げることができる。該樹
脂中には該平均組成式(1)で示される化合物以外にコ
ロイダルシリカやアクリル系、エポキシ系、ウレタン系
等他の樹脂を含むことができる(例えばアクリル−シリ
コーン樹脂、エポキシ−シリコーン樹脂、ウレタン−シ
リコーン樹脂等)。この場合の該樹脂中の平均組成式
(1)で示される化合物量は1〜80重量%が好まし
い。
【0015】 RqrSiO(4-q-r)/2 (1) (式中、Rは、水素原子あるいは一価の有機基の1種も
しくは2種以上からなる官能基を表す。Qは、アルコキ
シ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。0≦
q<4、0≦r<4であり、0<(q+r)≦4であ
る。) 本発明の膜は、上述した光触媒(A)とシリコーン系化
合物(C)を固形分重量比(A)/(C)=0.001
〜1000の割合で含む系が好ましい。本発明におけ
る、光触媒と親水性化合物及びシリコーン系化合物
(C)を含む膜の好ましい例としては、例えば下記平均
組成式(2)で示される親水性基を有するヒドロシリル
基含有化合物で変性された親水性化合物を有する変性光
触媒からなる膜が挙げられる。 Hpqr tSiO(4-p-q-r-t)/2 (2) (式中、Yは親水性基を含む一価の有機基の1種もし
くは2種以上からなる官能基を表す。Rは一価の有機基
の1種もしくは2種以上からなる官能基を表す。Qは、
アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表
す。0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、0<t<4
であり、(p+q+r+t)≦4である。) 平均組成式(2)で表される化合物の例としては、例え
ば下記式(3)で表される化合物を挙げることができ
る。
【0016】 (RHSiO)a(RSiO)b(RSiO)c (RZSiO)d(RSiO1/2 (3) (式中、R、Rはそれぞれ独立に置換基を有しても
有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭化水素基を表
す。Yは、カルボキシル基あるいはその塩を含む1価
の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、スルホ
ン基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキ
レン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性
基を表す。Zは、エポキシ基を含む1価の基、アクリロ
イル基を含む1価の基、メタアクリロイル基を含む1価
の基、環状酸無水物を含む1価の基、ケト基を含む1価
の基、ヒドロキシル基を含む1価の基、アミノ基を含む
1価の基、カルボキシル基を含む1価の基、ヒドラジド
基を含む1価の基、イソシアネート基を含む1価の基、
イソチオシアネート基を含む1価の基、環状カーボネー
ト基を含む1価の基、エステル基を含む1価の基から選
ばれる反応性基を有する1価の基からなる群、及び炭素
数1〜30のフルオロアルキル基を含む1価の基、及び
置換基を有しても有さなくても良い炭素数が1〜30個
の炭化水素基を含む1価の基から選ばれた少なくとも1
つの有機基を表す。
【0017】a及びcは1以上の整数であり、b、dは
0又は1以上の整数である。eは0又は2である。ま
た、(a+b+c+d)≦10000である。また、上
記シリコーン化合物は、ランダム共重合体でも、ブロッ
ク共重合体でもよい。) 上記式(3)で表される化合物において、e=0の場合
は環状シリコーン化合物を表し、e=2の場合は鎖状シ
リコーン化合物を表わす。ここで、上記平均組成式
(3)で示される親水性基を有するヒドロシリル基含有
化合物における親水性基を含む一価の有機基(Y)の
好ましい具体例として、例えば式(4)で表されるポリ
オキシエチレン基や式(5)で表されるスルホン基ある
いはその塩を含む1価の基、さらには式(7)で表され
るカルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基等を挙
げることができる。 −CH2CH2CH2O(CH2CH2O)m (4) (式中、mは1〜1000の整数を表す。Rは、置換
基を有しても有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭
化水素基を表す。)
【0018】
【化2】 (式中、nは1〜100の整数を表す。Rは、置換基
を有しても有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭化
水素基を表す。Bは、水素原子、アルカリ金属、アンモ
ニウム又は式(6)で表される置換アンモニウムを表
す。 HNR1011 (6) (R、R10、R11は、それぞれ独立して、水素原
子、又は置換されていないか或いはヒドロキシル基で置
換されている直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のア
ルキル基を表す。)
【0019】
【化3】 (式中、Bは各々独立して、水素原子、アルカリ金属、
アンモニウム又は上記式(6)で表される置換アンモニ
ウムを表す。) 上記式(3)で示されるヒドロシリル基含有シリコーン
化合物は、例えば下記式(8)で表されるヒドロシリル
基含有化合物と、親水性基(Y)を有する炭素−炭素
不飽和結合化合物、及び必要に応じ他の置換基Zを有す
る炭素−炭素不飽和結合化合物とのヒドロシリル化反応
によって得ることができる。
【0020】 (RHSiO)a+c+d(RSiO)b(RSiO1/2e (8) (式中、R、Rはそれぞれ独立に置換基を有しても
有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭化水素基を表
す。aおよびcは1以上の整数であり、bおよびdは0
又は1以上の整数である。eは0又は2である。また、
(a+b+c+d+e)≦10000である。また、上
記ヒドロシリル基含有化合物(8)は、ランダム共重合
体でも、ブロック共重合体でもよい。) 上記式(8)で表されるヒドロシリル基含有化合物に親
水性基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合
物としては、カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基
あるいはその塩、スルホン基あるいはその塩、ポリオキ
シアルキレン基、環状酸無水物からなる群から選ばれた
少なくとも1つの親水性基を有するオレフィン類、アリ
ルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、
(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙
げられる。
【0021】上記親水性基を有する炭素−炭素不飽和結
合化合物の好ましい具体例として、例えば式(9)で表
されるポリオキシエチレン基含有アリルエーテルや式
(10)で表されるスルホン基あるいはその塩を含む1
価の基を有するアリルエーテル、さらには5−ノルボル
ネン−2,3−ジカルボン酸無水物等を挙げることがで
きる。 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)m (9) (式中、mは1〜1000の整数を表す。Rは、置換
基を有しても有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭
化水素基を表す。)
【0022】
【化4】 (式中、nは1〜100の整数を表す。Rは、置換基
を有しても有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭化
水素基を表す。Bは、水素原子、アルカリ金属、アンモ
ニウム又は上記式(6)で表される置換アンモニウムを
表す。) 上記式(8)で表されるヒドロシリル基含有化合物に他
の置換基Zを導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合
化合物としては、例えば式(11)で表されるパーフル
オロアルキル基を有するオレフィン類、アリルエーテル
類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸エステル類
等を用いることができる。
【0023】−(CF2)gCF3 (11) (式中、gは0〜29の整数を表す。) また、置換基Zとして、置換基を有しても有さなくても
良い炭素数が1〜30個の炭化水素基を含む1価の基を
導入する場合に用いる炭素−炭素不飽和結合化合物とし
てプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、イソブテン、5−メチル−1−ブテン、2−ヘキセ
ン、シクロヘキセン、5−ノルボルネンの如きオレフィ
ン類、酢酸アリル、プロピオン酸アリル、2−エチルヘ
キサン酸アリル、安息香酸 アリル等のアリルエステル
類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、ア
リル−n−ヘキシルエーテル、アリルシクロヘキシルエ
ーテル、アリル−2−エチルヘキシルエーテル、アリル
フェニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリ
ルエーテル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビ
ニル等のカルボン酸ビニルエステル類、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニル
エーテル等のビニルエーテル類、スチレン、(メタ)ア
クリロニトリル、クロトン酸エステル類等の他の炭素−
炭素不飽和結合化合物等が挙げられる。これらのうち、
1−ヘキセン、1−オクテン等の末端オレフィン類、ア
リルエステル類、アリルエーテル類が反応性の面で好ま
しい。
【0024】また、置換基Zとして、反応性基を導入す
るのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、エ
ポキシ基、(メタ)アクリロイル基、環状酸無水物基、
ケト基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、
ヒドラジド基、イソシアネート基、チオイソシアネート
基、環状カーボネート基、エステル基からなる群から選
ばれた少なくとも1つの反応性基を有するオレフィン
類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエス
テル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導
体等が挙げられる。
【0025】上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結
合化合物の好ましい具体例として、例えばアリルグリシ
ジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸アリル、ジアリルエーテル、ジアリルフ
タレート、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニ
ル、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステ
ル、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、5−ヘキセン−2−オン、アリルイソ
シアネート、アリルアルコール、エチレングリコールモ
ノアリルエーテル、アリルアミン等を挙げることができ
る。
【0026】上記炭素−炭素不飽和結合化合物と式
(8)で表されるヒドロシリル基含有化合物のヒドロシ
リル化反応は、好ましくは触媒の存在下、有機溶媒の存
在下あるいは非存在下において0〜200℃で炭素−炭
素不飽和結合化合物と式(8)で表されるヒドロシリル
基含有化合物を接触させることにより行うことができ
る。ヒドロシリル化反応の触媒としては、白金族触媒、
すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金の化合物が適しているが、特に白
金の化合物とパラジウムの化合物が好適である。白金の
化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロ
ロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白
金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウ
ム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金
(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペ
ンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン
錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や
白金の単体、アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担
持させたものが挙げられる。パラジウムの化合物として
は、例えば塩化パラジウム(II)、塩化テトラアンミ
ンパラジウム(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム
(II)等が挙げられる。
【0027】また、ヒドロシリル化反応に使用できる有
機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族
炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエ
ステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチ
レン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスル
ホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。また、本発明において、式(2)で表
される平均組成式を有する他の例として、分子中に下記
平均組成式(c)で表される繰り返し単位および/また
は下記平均組成式(d)で表される繰り返し単位を有す
るシリコーン化合物も挙げることができる。
【0028】
【化5】 (式(c)および式(d)において、R12は下記
(ア)から(ウ)の置換基から選ばれたものである。ま
た、R16は下記(イ)である。Aは、水素原子、炭素
数1〜30個の炭化水素基、−SiR131415
(R13、R14、R15は同じであっても異なってい
てもよく、水素原子または炭素数1〜30個の炭化水素
基を表す。)から選ばれた少なくとも1つの基を表す。 (ア)水素原子。 (イ)カルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基、
リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、スルホン基あ
るいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキレン基
からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基を含
む有機基。 (ウ)エポキシ基を含む1価の基、アクリロイル基を含
む1価の基、メタアクリロイル基を含む1価の基、環状
酸無水物を含む1価の基、ケト基を含む1価の基、カル
ボニル基を含む1価の基、ヒドロキシル基を含む1価の
基、アミノ基を含む1価の基、アルコキシ基、ヒドロキ
シル基からなる群、及び置換基を有しても有さなくても
良い炭素数が1〜30個の炭化水素基を含む1価の基、
及び炭素数1〜30個のフルオロアルキル基を含む1価
の基から選ばれた少なくとも1つの有機基。
【0029】また、0<ic<1、0<jc<1、0≦
kc<1、ic+jc+kc=1であり、0<id<
1、0<jd<1、0≦kd<1、id+jd+kd=
1である)。本発明において、上記平均組成式(2)で
表される親水性基を有するヒドロシリル基含有化合物に
よる光触媒の変性は、水及び/又は有機溶媒の存在、あ
るいは非存在下において、光触媒(A)と該親水性基を
有するヒドロシリル基含有化合物(C')を固形分重量
比(A)/(C')=0.001〜1000の割合で0
〜150℃にて混合することにより実施できる。
【0030】この変性の操作により混合液からは水素ガ
スが発生する。また、例えば光触媒として酸化チタンを
用いた場合、上記変性の操作により、Ti−OH基の減
少がIRスペクトルにおける3630〜3640cm
−1の吸収の減少として観測される。これらのことより
上記変性光触媒は、上記平均組成式(2)で表される親
水性基を有するヒドロシリル基含有化合物と光触媒との
単なる混合物ではなく、光触媒がヒドロシリル基含有化
合物との間に化学結合等の何らかの相互作用をもったも
のであることが予測できる。
【0031】ここで上記変性を行う場合、使用できる有
機溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケ
トン、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、エタノ
ール、メタノール等の親水性有機溶媒、及びトルエン、
キシレン、ヘキサン等の疎水性有機溶媒が挙げられる。
本発明のコーティング組成物には、必要により樹脂塗料
を混合して使用することもできる。該樹脂塗料としては
特に制限はなく、例えば油性塗料、ラッカー、溶剤系合
成樹脂塗料(アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタ
ン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン−アクリル樹脂
系、アルキド樹脂系、アミノアルキド樹脂系、ビニル樹
脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、塩化ゴム系等)、水
系合成樹脂塗料(エマルジョン系、水性樹脂系等)、無
溶剤合成樹脂塗料(粉体塗料等)、無機質塗料、電気絶
縁塗料等を例示することができる。
【0032】また、本発明のコーティング組成物には、
通常塗料等に添加配合される成分、例えば顔料、充填
剤、分散剤、光安定剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコ
ントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜助剤、防錆剤、染
料、防腐剤等がそれぞれの目的に応じて選択、組み合わ
せて配合することができる。本発明の光触媒と親水性化
合物及びシリコーン系化合物(C)を含む膜を有する潜
像刷版の基体は寸法的に安定なものが好ましく、紙、金
属(例えばアルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、
鉄、銅など)の板、プラスチック(例えば酢酸セルロー
ス、硝酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリカーボネートなど)のフィルム・板が挙げられる。
これら基体の厚みは印刷機械に合わせて任意に設定して
良い。これらの基体には必要に応じて、表面処理を施し
ても良く、例えば紙やプラスチックへの金属蒸着処理、
アルミニウム等の金属への陽極酸化処理や砂目立て処
理、ボール研磨等の粗面化処理、アルカリエッチング処
理、中和処理などが挙げられる。
【0033】上記基体に光触媒と親水性化合物及びシリ
コーン系化合物(C)を含む膜を形成させる方法はいか
なる方法でも良いが、光触媒と親水性化合物及びシリコ
ーン系化合物(C)を含むコーティング液を塗布する方
法が刷版の製造方法として簡便であり、好ましい方法で
ある。上記のコーティング液の基材への塗布方法として
は、例えばスプレー吹き付け法、フローコーティング
法、ロールコート法、ディップコーティング法、スピン
コーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング
法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等を挙げることが
できる。
【0034】塗布の際、必要に応じて光触媒と親水性化
合物及びシリコーン系化合物(C)等の成分を適当な溶
媒、例えば水、アルコール類、炭化水素類、エーテル
類、エステル類、アミド類等、で希釈しても良い。この
被膜の厚みは特に制限はないが、通常、0.05〜10
00μの範囲になるように塗布される。また、上記光触
媒と親水性化合物及びシリコーン系化合物(C)等を基
材に塗布する前に、中間層としてポリマー層を設けても
良い。その際用いるポリマーは、印刷特性に重要な欠点
をもたらさなければ特に制限はないが、例えば(メタ)
アクリル系のモノマーやエチレン、プロピレン、スチレ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の不飽和化合物か
らなる重合体、シリコーン重合体、含フッ素ポリマー、
セルロース誘導体、等が例示できる。この中間層の厚み
は特に制限はないが、通常、0.05〜1000μの範
囲になるように塗布される。
【0035】この様にして形成された刷版を用いて、該
被膜に含まれる光触媒のバンドギャップエネルギーより
も高いエネルギーを含む光を該被膜の一部に照射するこ
とにより、その部分の20℃における水との接触角が光
照射前より10°以上増加した部分疎水性膜を形成する
ことにより潜像刷版が得られる。例えば印刷に油性のイ
ンキを用いる場合、光照射された部分はインキとなじみ
が良く、湿し水を同時に用いると、光照射されない部分
には水が拡がり、版面上にインキ保持部分と水保持部分
ができ、紙などと接触することによりその被印刷面にイ
ンキが転写される。水性のインキを用いるときには、光
を照射された部分はインキをはじき、照射されない部分
にインキが保持され、同様に紙などに転写される。
【0036】上記潜像刷版の製造に関してより具体的に
説明する。潜像刷版の製造には、従来から行われている
リスフィルムを使用し、露光する方法の他、デジタルデ
ータから直接刷版上に記録するCTPの技術を用いる方
法等も使用できる。照射する光源は光触媒吸収光を含む
ものなら特に制限はないが、特にCTPで用いる場合に
は、レーザー光が好ましい。例えば水銀灯、タングステ
ンハロゲンランプ、その他メタルハライドランプ、キセ
ノンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、水冷アルゴ
ンレーザー、窒素ガリウムレーザー等が例示できる。
【0037】本発明の刷版は,照射光量に応じて,酸化
チタン等の光触媒が光を吸収励起し,表面の水の接触角
(つまり親水性・疎水性)を変化させるが、一定以上の
光量を越えると変化はしなくなる。本発明においては,
特にこの変化がなくなる光量まで光を照射する必要はな
く,水の接触角が照射以前よりも10度以上変化すれば
よい。該変化に必要な照射光量は,光触媒を有する画像
形成層の性質によって異なるが、好ましくは0.05〜
100joule/cm,より好ましくは0.05〜
10joule/cmである。
【0038】また、光照射においては相反則が概ね成立
しており、例えば10mW/cmで100秒の露光を
行っても、1W/cmで1秒の露光を行っても同じ効
果が得られるので,活性光を有する限り光源の選択は自
由に選択できるし、照射時間も光源に応じて選択され
る。上記の方法で露光された刷版は、所望により、水性
水、界面活性剤などを含有するリンス液、アラビアガム
や澱粉誘導体を含む不感脂化液により後処理される。こ
の様にして得られた原版は印刷装置に装着され、印刷に
供せられる。例えば親油性(疎水性)インキを用いたオ
フセット印刷装置の場合、版胴に原版が巻き付けられ、
インキ・湿し水が供給され、親水性の非潜像領域に水
が、親油性の潜像領域にインキが保持され、オフセット
印刷等が行われる。
【0039】また、潜像露光、印刷を組み込んだ装置へ
の応用も可能であり、その例として例えば、特開平10
−250027号、11−123804号、12380
5号、123806号、123807号等が挙げられ
る。ホストコンピューターの指令により所定の吸収波長
を含むレーザー(例えば紫外線レーザー)が本発明の刷
版上を走査されてパタニングが付され、必要に応じて湿
し水を付された後、インキをのせた後、通常の印刷で行
われるように用紙に転写される方法が例示できる。
【0040】また、別の方式として、本発明の刷版を所
定の吸収波長を含む光(例えば紫外線レーザー)により
全面露光し親水化した後、サーマルヘッドを有する発熱
体アレイを用い、刷版表面層と接触させることにより、
パタニングを行う方法も例示できる。上記のパタニング
及び印刷を一つに組み込んだ印刷装置も本発明の請求の
範囲に含まれる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例、比較例、合成例中の部は重量部を意味する。実施
例、比較例、合成例中に用いられる各種物性の測定方法
は、下記の通りである。
【0042】 体積平均分散粒子径 体積平均分散粒子径は、湿式粒度分析計(日機装(株)
製 マイクロトラックUPA−9230)を使用して測
定した。 部材の水との接触角 部材の水との接触角は、接触角計(協和界面科学(株)
製 CA−X150)を使用し、20℃において水滴を
滴下してから1分後の接触角を測定した。 粘度 光触媒ヒドロゾルの粘度はB型粘度計を用いて、ロータ
No.2、回転数60rpm、20℃の条件で測定し
た。
【0043】
【合成例1】親水性基を有するヒドロシリル基含有化合
物(i)の合成。 還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にい
れたジオキサン91.7部にメチルハイドロジェンシロ
キサン−ジメチルシロキサンコポリマー(商品名:KF
9901、信越化学(株)製、ヒドロシリル基7.14
mmol/g(カタログ値)のもの)50部を添加し、
撹拌下80℃に昇温した。これにポリオキシエチレンア
リルメチルエーテル(商品名:ユニオックス MUS−
8、日本油脂(株)製、重量平均分子量800(カタロ
グ値)のもの)125部と塩化白金(IV)酸六水和物
の5重量%イソプロパノール溶液0.5部をジオキサン
83.3部に溶解した溶液を80℃にて約1時間かけて
添加し、さらに80℃にて2時間撹拌を続けた後冷却す
ることにより親水性基を有するヒドロシリル基含有化合
物(i)のジオキサン溶液を得た。
【0044】得られた親水性基を有するヒドロシリル基
含有化合物(i)のジオキサン溶液1.35部にブチル
セロソルブ8部を添加・混合した後、1N水酸化ナトリ
ウム水溶液8mlを添加すると26℃において19.0
mlの水素ガスが発生した。水素生成量から求めた親水
性基を有するヒドロシリル基含有化合物(i)のジオキ
サン溶液におけるヒドロシリル基量は0.55mmol
/g(メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロ
キサンコポリマー当たりに換算したヒドロシリル基量は
約3.9mmol/g)であった。
【0045】
【合成例2】親水性基を有するヒドロシリル基含有化合
物(i)で変性された光触媒の合成。 還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にい
れた数平均分散粒子径10nmのアナターゼ型酸化チタ
ンゾル(商品名:タイノックA−6、多木化学(株)
製、アンモニア解膠型、TiO2濃度6重量%、平均結
晶子径10nm(カタログ値)のもの)500部に合成
例1で合成した親水性基を有するヒドロシリル基含有化
合物(i)のジオキサン溶液23.3部を室温30℃に
て約30分かけて添加し、さらに3時間撹拌を続けるこ
とにより非常に分散性の良好な、数平均分散粒子径15
nmの変性酸化チタンゾルを得た。この時、親水性基を
有するヒドロシリル基含有化合物(i)の反応に伴い生
成した水素ガス量は26℃において250mlであっ
た。
【0046】
【合成例3】親水性基を有するヒドロシリル基含有化合
物(i)で変性された光触媒オルガノゾルの合成。 還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にい
れた体積平均分散粒子径14nmのアナターゼ型酸化チ
タンゾル(商品名:STS−02、石原産業(株)製、
塩酸解膠型、TiO2濃度30重量%、平均結晶子径7
nm(カタログ値)のもの)300部に水150部を添
加し、撹拌下30℃に保持した。これに合成例1で合成
した親水性基を有するヒドロシリル基含有化合物(i)
のジオキサン溶液70部を30℃にて撹拌下約30分か
けて添加し、さらに30℃にて3時間撹拌を続けること
により、非常に分散性の良好な、体積平均分散粒子径2
9nmの変性酸化チタンゾルを得た。この時、親水性基
を有するヒドロシリル基含有化合物(i)の反応に伴い
生成した水素ガス量は24℃において610mlであっ
た。
【0047】得られた変性酸化チタンゾル440部にブ
チルセロソルブ440部を室温(23℃)で撹拌下にお
いて約10分かけて添加した後、水をエバポレーターに
て減圧除去し、ブチルセロソルブで固形分調整すること
により固形分6重量%のブチルセロソルブを溶媒とする
非常に分散性の良好な変性酸化チタンオルガノゾルを得
た。
【0048】
【実施例1】厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質
1050)を脱脂後砂目立てし、アルカリ洗浄、中和処
理の後、陽極酸化処理を行った。合成例2で得られた親
水性基を有するヒドロシリル基含有化合物によって変性
された酸化チタンゾルを処理されたアルミ板上に膜厚が
2μとなるようにスプレーコーティングした後、80℃
30分乾燥し、透明で平滑なコーティング膜を有する刷
版を得た。
【0049】この表面にポジ画像を有するリスフィルム
原稿を置き、上から石英硝子で機械的に密着した。これ
に光源として、500W高圧水銀灯を用い、15分間露
光を行った。接触角を測定したところ、照射前は27度
であり、照射後は露光部96度、非露光部27度であっ
た。この版を、サクライ社製オリバー52片面印刷機に
装着し、湿し水として純水、インキとして大日本インキ
化学製Newchampion Fグロス85墨を用いて、3千枚の
オフセット印刷を行った。鮮明な印刷物が得られ、刷版
の損傷も見られなかった。
【0050】
【実施例2】シリコン−アクリル系コーティング剤(商
品名:ビストレーターL(NSC−200A)、日本曹
達(株)製、固形分20重量%のもの。光触媒コーティ
ング剤におけるアンダーコート成膜薬剤である。)10
0部に合成例3で得た変性酸化チタンオルガノゾル15
0部を室温(23℃)で撹拌下において約10分かけて
添加し光触媒酸化チタン組成物を得た。得られた光触媒
酸化チタンゾル組成物を処理されたアルミ板上に膜厚が
10μとなるようにスプレーコーティングした後、80
℃30分乾燥し、透明で平滑なコーティング膜を有する
刷版を得た。この表面にポジ画像を有するリスフィルム
原稿を置き、上から石英硝子で機械的に密着した。これ
に光源として、500W高圧水銀灯を用い、15分間露
光を行った。
【0051】接触角を測定したところ、照射前は26度
であり、照射後は露光部88度、非露光部26度であっ
た。この版を、サクライ社製オリバー52片面印刷機に
装着し、湿し水として純水、インキとして大日本インキ
化学製Newchampion Fグロス85墨を用いて、3千枚の
オフセット印刷を行った。鮮明な印刷物が得られ、刷版
の損傷も見られなかった。
【0052】
【比較例1】アナターゼ型酸化チタンゾル(商品名:タ
イノックA−6、多木化学(株)製、アンモニア解膠
型、TiO2濃度6重量%、平均結晶子径10nm(カ
タログ値)のもの)を処理されたアルミ板上に膜厚が1
0μとなるようにスプレーコーティングした後、80℃
30分乾燥し、透明で平滑なコーティング膜を有する刷
版を得た。この表面にポジ画像を有するリスフィルム原
稿を置き、上から石英硝子で機械的に密着した。これに
光源として、500W高圧水銀灯を用い、15分間露光
を行った。接触角を測定したところ、照射前は28度で
あり、照射後は露光部31度、非露光部28度であっ
た。この版は接触角の差が小さいため、印刷は不可能で
あった。
【0053】
【比較例2】シリコン−アクリル系コーティング剤(商
品名:ビストレーターL(NSC−200A)、日本曹
達(株)製、固形分20重量%のもの。光触媒コーティ
ング剤におけるアンダーコート成膜薬剤である。)を処
理されたアルミ板上に膜厚が10μとなるようにスプレ
ーコーティングした後、80℃30分乾燥し、透明で平
滑なコーティング膜を有する刷版を得た。この表面にポ
ジ画像を有するリスフィルム原稿を置き、上から石英硝
子で機械的に密着した。これに光源として、500W高
圧水銀灯を用い、15分間露光を行った。接触角を測定
したところ、照射前は28度であり、照射後は露光部3
2度、非露光部28度であった。この版は接触角の差が
小さいため、印刷は不可能であった。
【0054】
【実施例3】実施例1で用いたと同様の照射前の刷版に
Arレーザーを円形に照射した。この刷版に親油性イン
キを乗せたところ、照射した通りに画像を形成し、印刷
が可能となった。
【0055】
【発明の効果】本発明の光触媒と親水性化合物及びシリ
コーン系化合物を含む膜を有する刷版は、光触媒のバン
ドギャップエネルギーよりも高いエネルギーを含む光を
照射による潜像刷版の製造が可能で、該潜像刷版は後処
理もいらず、鮮明な印刷が可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA06 AA07 AA08 BA16 BA20 EA02 EA04 LA17 LA30 2H114 AA04 AA23 AA24 BA01 BA10 DA05 DA08 DA43 DA50 DA51 DA53 DA55 DA60 DA62 EA01 EA02 FA06 GA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光触媒と親水性化合物及びシリコーン系化
    合物を含む膜を有し、該膜の一部で光触媒のバンドギャ
    ップエネルギーよりも高いエネルギーを含む光を照射し
    た部分の、20℃における該被膜と水との接触角が光照
    射前より10°以上増加する潜像刷版。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の潜像刷版の膜に、光触媒
    のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーを含
    む光の照射部分又は、非照射部分からなる潜像を有する
    潜像刷版。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の潜像刷版の膜の一部に、
    光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギ
    ーを含む光を照射することにより、請求項2記載の潜像
    を形成する潜像刷版の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の潜像を親水性又は、疎水
    性インキにより可視像とし、該親水性又は、疎水性イン
    キを用紙に転写する印刷装置。
  5. 【請求項5】親水性基を有するヒドロシリル基含有化合
    物で変性された光触媒からなることを特徴とする請求項
    1〜4に記載の潜像刷版、潜像刷版の製造方法、および
    印刷装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005032706A1 (ja) * 2003-10-03 2005-04-14 Daikin Industries, Ltd. 対水接触角の制御方法
US7303788B2 (en) * 2003-03-24 2007-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Method for manufacturing solar cell module having a sealing resin layer formed on a metal oxide layer

Cited By (3)

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WO2005032706A1 (ja) * 2003-10-03 2005-04-14 Daikin Industries, Ltd. 対水接触角の制御方法
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