JP2001179805A - 多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体の製造方法 - Google Patents

多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体の製造方法

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JP2001179805A JP36755899A JP36755899A JP2001179805A JP 2001179805 A JP2001179805 A JP 2001179805A JP 36755899 A JP36755899 A JP 36755899A JP 36755899 A JP36755899 A JP 36755899A JP 2001179805 A JP2001179805 A JP 2001179805A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 複雑な工程が不要な多層ポリエチレン系樹脂
発泡成形体の製造方法。 【解決手段】 密度900〜940(kg/m3)のポ
リエチレン系樹脂であると共に、特定の貯蔵弾性率を有
する基材樹脂に、発泡剤を添加し溶融混練して得られる
発泡性溶融樹脂と、特定のメルトフローレイトを有する
合成樹脂を溶融して得られる溶融合成樹脂とを、共押出
することにより、ポリエチレン系樹脂発泡層2の少なく
とも外面に上記溶融合成樹脂よりなるポリエチレン系樹
脂層3を有する多層パリソン6を形成し、次いで該パリ
ソン最内面同士の少なくとも一部が融着するように成形
型にて成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン系樹
脂層を表皮とし内部にポリエチレン系樹脂発泡層を備え
る多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体に関し、具体的に
は、床やドア等の軽量断熱パネル、パレット、容器、自
動車部材等に用いられる多層ポリエチレン系樹脂発泡成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、樹脂発泡層の表面に熱可塑性
樹脂層が形成された、種々の形状の多層樹脂発泡成形体
が知られている。このような発泡層の表面にソリッド層
が形成された構造の多層樹脂発泡成形体は、洗浄可能な
リターナブル容器として使用可能であることから、使い
捨ての発泡スチロール製魚箱の代替品として従来から使
用されてきたが、近年のごみ問題の重要性に鑑み今後は
更なる需要が期待されている。
【0003】又、上記構造の多層樹脂発泡成形体の魚箱
は、冷凍倉庫等の低温雰囲気で使用されることが多く、
耐低温衝撃性が多層樹脂発泡成形体の重要な特性として
要求される。かかる観点からはポリスチレン系樹脂やポ
リプロピレン系樹脂を用いた容器は低温での耐衝撃性が
不充分であって、低温での使用に適したポリエチレン系
樹脂を用いて多層樹脂発泡成形体を製造することが求め
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる多層樹脂発泡成
形体の製造方法としては、例えば、熱可塑性樹脂にて中
空構造の成形体を成形し、その成形体内部の空洞部に、
ウレタン樹脂を注入する方法や樹脂発泡粒子などを充填
成形する方法が知られている(特公昭58−10217
号公報、特開平6−339979号公報等)。しかしな
がら、これらの方法は、表面の樹脂層の成形と内部の発
泡層との形成が別工程になるので成形工程が複雑になる
という問題や、特殊な成形機を必要としたりするという
問題があった。その結果、成形体内部にウレタン樹脂を
注入する方法や樹脂発泡粒子などを充填成形する方法で
は、安価な多層樹脂発泡成形体を提供するのは困難であ
った。
【0005】上記工程上の問題や価格上の問題を解決す
る方法として、樹脂発泡層の表面に熱可塑性樹脂層を有
する中空の多層パリソンを金型で圧縮しながら成形し、
該パリソンの対向する内面を融着させた多層樹脂発泡成
形体を得る方法が提案されている(特公昭62−279
78号公報、特開平6−312449号公報等)。
【0006】しかしながら、上記の金型で多層パリソン
を圧縮しながら成形する方法(特開平6−312449
号公報等)を採用して、密度400kg/m3以下とい
う低密度でしかも厚みのあるポリエチレン系樹脂発泡層
の表面にポリエチレン系樹脂層を有する多層樹脂発泡成
形体を製造しようとすると、発泡層を構成している気泡
の破泡や連泡化、発泡層の収縮が起こり易いなどの現象
が発生し、低密度で厚みのあるポリエチレン系樹脂発泡
層を有する多層樹脂発泡成形体を得ることが困難であっ
た。
【0007】本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、発
泡層表面の樹脂層となる成形体を製造後、その中に発泡
体を注入する等という複雑な工程が不要な多層ポリエチ
レン系樹脂発泡成形体の製造方法であって、しかも外観
が奇麗であり、軽量性、機械的強度、断熱性、緩衝性、
防音性、防振性、耐薬品性、リサイクル性、低温衝撃性
等にも優れた多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の多層ポリエ
チレン系樹脂発泡成形体の製造方法は、主成分が密度9
00〜940(kg/m3)のポリエチレン系樹脂であ
ると共に、190℃の温度条件下で振動歪みを与える動
的粘弾性測定において角周波数ω=10-1〜101(ra
d/sec)の範囲における貯蔵弾性率G'(Pa)が下
記(1)式を満足する基材樹脂に、発泡剤を添加し溶融
混練して得られる発泡性溶融樹脂と、20〜100重量
%のポリエチレン系樹脂を含む合成樹脂であると共に、
該合成樹脂のメルトフローレイト:MFR1(g/10
分)と上記基材樹脂のメルトフローレイト:MFR2
(g/10分)との比が下記(2)式を満足する合成樹
脂を、溶融して得られる溶融合成樹脂とを、共押出する
ことにより、上記発泡性溶融樹脂よりなるポリエチレン
系樹脂発泡層の少なくとも外面に上記溶融合成樹脂より
なるポリエチレン系樹脂層を有する多層パリソンを形成
し、次いで該パリソン最内面同士の少なくとも一部が融
着するように成形型にて成形することによってポリエチ
レン系樹脂発泡層の表面にポリエチレン系樹脂層を有す
る発泡成形体を得ることを特徴とする。
【0009】
【数5】 logG'=αlogω+β (1) α=0.50〜1.50 β=2.0〜5.0
【0010】
【数6】 MFR1/MFR2≧0.5 (2)
【0011】上記基材樹脂の貯蔵弾性率G'(Pa)は下
記(3)式を満足し、上記合成樹脂のメルトフローレイ
ト:MFR1(g/10分)と発泡層を形成する上記基
材樹脂のメルトフローレイト:MFR2(g/10分)
との比は、下記(4)式を満足することが好ましい。
【0012】
【数7】 logG'=αlogω+β (3) α=0.60〜1.40 β=2.0〜3.8
【0013】
【数8】 MFR1/MFR2≧0.8 (4)
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の方法によって得られる多
層ポリエチレン系樹脂発泡成形体(以下、「発泡成形
体」という。)の具体例を図1に示す。図1(a)に示
す発泡成形体は、ポリエチレン系樹脂発泡層の全表面が
ポリエチレン系樹脂層で覆われた構成を有する。図1
(a)において、1は発泡成形体を、12は発泡成形体
のポリエチレン系樹脂発泡層(以下、「発泡成形体の発
泡層」という。)を、13は発泡成形体のポリエチレン
系樹脂層(以下、「発泡成形体の樹脂層」という。)を
それぞれ示す。
【0015】図1(b)に示す発泡成形体1は、図1
(a)に示す発泡成形体1の表面が更に重合体層で覆わ
れた構成を有する。図1(b)において、14は発泡成
形体1の樹脂層13の外面に設けられた重合体層(以
下、「発泡成形体の重合体層」という。)を示す。
【0016】図1(c)に示す発泡成形体1は、ポリエ
チレン系樹脂の芯層が図1(a)に示す発泡成形体1の
発泡層12の中に挟まれている構成を有する。図1
(c)において、15はポリエチレン系樹脂の芯層(以
下、「発泡成形体の芯層」という。)を示す。
【0017】本発明の製造方法が目的とする上記発泡成
形体1は、多層パリソンを金型などの成形型に挟み込ん
で圧縮成形することで得られる。本発明において多層パ
リソンとは、吹き込み成形で金型に挟んで成形されるも
のと同じ又は類似の機能を発揮できるものである。
【0018】本発明の製造方法においては、後述する基
材樹脂に、発泡剤を添加し溶融混練して得られる発泡性
溶融樹脂と、後述する合成樹脂を溶融混練して得られる
溶融合成樹脂とを例えば筒状に共押出することにより、
上記多層パリソンが形成される。
【0019】図2に多層パリソンの一例を示す。図1
(a)に示す発泡成形体1は図2(a)に示す多層パリ
ソンから、図1(b)に示す発泡成形体1は図2(b)
に示す多層パリソンから、図1(c)に示す発泡成形体
1は図2(c)に示す多層パリソンから、それぞれ後述
する方法によってよって得られる。
【0020】図2(a)の多層パリソンは、ポリエチレ
ン系樹脂の発泡層の外面に、ポリエチレン系樹脂の樹脂
層が積層された構成を有する。図2(a)において、6
は多層パリソンを、2はポリエチレン系樹脂の発泡層
(以下、「多層パリソンの発泡層」という。)を、3は
ポリエチレン系樹脂の樹脂層(以下、「多層パリソンの
樹脂層」という。)をそれぞれ示す。
【0021】図2(b)に示す多層パリソン6は、図2
(a)に示す多層パリソンの樹脂層3の表面に重合体層
が積層された構成を有する。図2(b)において、4は
多層パリソン6の重合体層(以下、「多層パリソンの重
合体層」という。)を示し、該多層パリソンの重合体層
4は後述するようにポリオレフィン系樹脂等からなり、
必要に応じて設けられる。
【0022】図2(c)に示す多層パリソン6は、図2
(a)に示す多層パリソン6の内面にポリエチレン系樹
脂の樹脂層が積層された構成を有する。図2(c)にお
いて、5は多層パリソンの内面に設けられた内面の樹脂
層(以下、「多層パリソンの内面樹脂層」という。)を
示し、該多層パリソンの内面樹脂層5は必要に応じて設
けられる。
【0023】上記多層パリソンの発泡層2は図1(a)
(b)(c)に示す発泡成形体の発泡層12に対応し、
上記、多層パリソンの樹脂層3は図1(a)(b)
(c)に示す発泡成形体の樹脂層13に対応し、図2
(b)に示す多層パリソンの重合体層4は図1(b)に
示す発泡成形体の重合体層14に対応する。又、図2
(c)に示す多層パリソンの内面樹脂層5は図1(c)に
示す発泡成形体の芯層15に対応し、発泡成形体の芯層
15は、多層パリソンの内面樹脂層5の内面同士の少な
くとも一部が融着したものである。
【0024】上記多層パリソン6は、多層パリソンの発
泡層2を構成するポリエチレン系樹脂に発泡剤を添加し
て押出機内で溶融混練して調製した発泡性溶融樹脂と、
多層パリソンの樹脂層3を構成するポリエチレン系樹脂
を別の押出機内で溶融して調製した溶融樹脂(或いは更
に多層パリソンの重合体層4や内面樹脂層5を構成する
重合体やポリエチレン系樹脂を更に別の押出機内等で溶
融して調製したもの)とを、共押出用のダイ内にて合
流積層させ、該ダイから低圧域に共押出して発泡性樹脂
を発泡させる方法、又はダイ内で合流積層することな
く、各溶融樹脂ごとに出口が設けられたダイから各溶融
樹脂を低圧域に押出した後、好ましくは直後に発泡層2
を形成する発泡樹脂と、樹脂層3等を形成する樹脂とを
積層する共押出方法により得ることができる。
【0025】上記多層パリソンの発泡層2を構成する基
材樹脂(以下、「基材樹脂(A)」という)、即ち発泡
成形体の発泡層12を構成する基材樹脂の主成分(50
重量%以上の成分)は、樹脂密度が900〜940kg
/m3のポリエチレン系樹脂である。該樹脂密度は91
0〜930kg/m3であることが好ましい。樹脂密度
が900kg/m3未満であると結晶化度が低すぎるこ
とから、発泡成形体1の強度が低くなる虞がある。密度
が940kg/m3を超えると結晶化度が高くなりすぎ
て、発泡が困難となる虞がある。
【0026】上記多層パリソンの発泡層2を構成する基
材樹脂(A)は、190℃の温度条件下で振動歪みを与
える動的粘弾性測定において、角周波数ω=10-1〜1
1(rad/sec)の範囲における貯蔵弾性率G'(P
a)が下記(1)式を満足する。
【0027】
【数9】logG'=αlogω+β ‥‥(1) α=0.50〜1.50 β=2.0〜5.0 上記(1)式を満足しない基材樹脂を使用すると、高発
泡倍率、高厚みの多層パリソンの発泡層2を得ることが
できず、ひいては高発泡倍率、高厚みの発泡成形体の発
泡層12を有する発泡成形体1を得ることができない。
また、更に好ましい基材樹脂(A)は下記(3)式を満
足する樹脂であり、(3)式を満足する基材樹脂を使用
すると更に高発泡倍率、高厚みのものを得ることができ
る。
【0028】
【数10】logG'=αlogω+β ‥‥(3) α=0.6〜1.4 β=2.0〜3.8
【0029】上記α及びβは、動的粘弾性測定機(レオ
メトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー社製
のダイナミックアナライザーSR200型)により測定
することができる。α及びβは測定用サンプル樹脂板を
190℃に温度を保持した状態で、線形領域内において
角周波数:ωを変化させて動的粘弾性測定を行って得た
貯蔵弾性率G'の対数値を縦軸に、G'に対応するωの対
数値を横軸にプロットした結果により求めることができ
る。
【0030】本明細書における動的粘弾性の測定は、ヒ
ートプレスにより温度200℃、圧力8000kPaの
条件下で5分間プレス成形することにより得た厚さ2m
mの測定用サンプル樹脂板から直径25mmの円盤サン
プルを調製し、このサンプルを動的粘弾性測定機の直径
25mmのパラレルプレート間に挟んで190℃に昇温
し、約10分間放置した後、始点の角周波数を10ra
d/sec、終点の角周波数を10-1rad/sec、
5ポイント/decade、線形領域内(応力1×10
3Pa)の条件下でωを変化させてωに対応するG'の測
定を行なうものする。
【0031】本明細書におけるα及びβは、上記のよう
にして求めたωの値と、そのωに対応するG'の値を基
に、べき乗回帰計算により、回帰式 logG'=αlogω+β ・・・・(5) のα(傾き値)及びβ(切片)として求められる。
【0032】上記αが0.50未満の場合は上記βの値
が大きくなる傾向にあり、発泡時の弾性力が大きくなり
易く、高倍率の発泡層2を得ることが困難となる虞があ
る。また、ダイ内における発熱も大きくなって、発泡条
件の調整が難しくなる虞がある。一方、αが1.50を
超える場合は、気泡を維持する力が低いため発泡倍率が
高く、厚みが厚い良好な発泡層2を得ることができな
い。また、発泡層2のドローダウンが大きくなるので、
大型の発泡成形体を得るには特殊な装置が必要となる。
上記βが2.0未満の場合は、発泡層2を構成している
樹脂の歪みに対して抵抗する樹脂の弾性力が小さくなる
ので破泡が起きやすくなり、高倍率、高厚みの発泡層2
を得ることができない。逆にβが5.0を超える場合
は、樹脂の弾性力が大きすぎて抵抗力が強くなって高倍
率の発泡層2を得ることができない。
【0033】上記多層パリソンの樹脂層3、即ち発泡成
形体の樹脂層13は非発泡体あるいは密度400kg/
3以上の発泡体又は無機物充填非発泡体として構成す
ることが好ましい。該多層パリソンの樹脂層3(以下、
「合成樹脂(B)」という。)は、20〜100重量%
のポリエチレン系樹脂を含む合成樹脂によって形成され
る。ポリエチレン系樹脂の配合が20重量%未満の場合
は、樹脂層3と発泡層2との接着性が不充分となる場合
がある。また、他の重合体成分が多く含まれることにな
るので、リサイクル性の面で好ましくない。尚、合成樹
脂(B)に含有させ得るポリエチレン系樹脂以外の成分と
しては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
熱可塑性エラストマー、ゴム等が挙げられる。
【0034】多層パリソンの樹脂層3を構成する合成樹
脂(B)は、合成樹脂(B)のメルトフローレイト:M
FR1(g/10分)と上記基材樹脂(A)のメルトフ
ローレイト:MFR2(g/10分)との比が下記
(3)式を満足する樹脂である。更に合成樹脂(B)は
下記(4)式を満足することが好ましく、下記(5)式を
満足することがより好ましい。
【0035】
【数11】 MFR1/MFR2≧0.5 (3)
【数12】 MFR1/MFR2≧0.8 (4)
【数13】 MFR1/MFR2≧1.0 (5)
【0036】上記メルトフローレイト比が0.5未満の
場合は、多層パリソンの樹脂層3の流れが多層パリソン
の発泡層2よりも極端に悪くなるので、ダイにおける押
出温度を高くして多層パリソンの樹脂層3の流れを良く
しなければならない。これに対し、多層パリソンの樹脂
層3が積層される多層パリソンの発泡層2は発泡に適正
な粘度になるまでダイにおける押出温度を下げる必要性
があるため、結局、多層パリソンの樹脂層3の熱により
多層パリソンの発泡層2の気泡構造が破壊され、高厚
み、高倍率の発泡層2が得ることができなくなる。尚、
MFR1/MFR2の値が大きすぎる場合、樹脂層3の
厚みむら、多層パリソン6のドロ−ダウンが大きくなる
虞がある。MFR1/MFR2の上限値は20以下であ
ることが好ましい。
【0037】本発明において多層パリソンの発泡層2、
多層パリソンの内面樹脂層5、及び多層パリソンの樹脂
層3を構成するポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独
重合体、エチレンと炭素数が3〜12個のα−オレフィ
ンとの重合体等が60重量%以上含有されているもので
あって、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル
酸エチル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−ブテン共
重合体、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−グリ
シジルメタクリレート、エチレン−メタクリル酸共重合
体やエチレン−アクリル酸共重合体などのアイオノマー
等が挙げられる。
【0038】また、上記ポリエチレン系樹脂は、単独で
用いるのみならず、2種以上を混合することによって多
層パリソンの発泡層2等を構成することもできる。更
に、基材樹脂(A)には、ポリエチレン本来の特性、発
泡性が損なわれない範囲で、スチレン系樹脂、環状ポリ
オレフィン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、
スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等
の熱可塑性エラストマー等の他の重合体成分を必要に応
じて混合しても良い。ポリエチレン系樹脂に他の樹脂成
分を混合して基材樹脂(A)を調製する場合には、好ま
しくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上
の割合でポリエチレン系樹脂が含まれるようにする。
【0039】本発明におけるメルトフローレイト:MF
R(g/10分)は、JIS K7210に記載されて
いる190℃、荷重21.18Nで測定した値を採用す
るものとする。
【0040】動的粘弾性測定における上記(1)式を満
足する基材樹脂(A)は、主成分としてのポリエチレン
系樹脂として分岐鎖を有するポリエチレン系樹脂を用
い、該樹脂の分岐鎖の長さ、主鎖に対する分岐鎖の長さ
の割合、分子量、分子量分布等を調製することにより得
ることができる。該ポリエチレン系樹脂としては、例え
ば、日本ユニカー社製のNUC8008、NUC816
0、NUC8009などの原料が挙げられる。
【0041】メルトフローレイト比が上記(2)式で示
す関係を有する合成樹脂(B)は、配合するポリエチレ
ン系樹脂の分子量、分子量分布、滑剤の種類及び添加量
等を調製することにより得ることができる。
【0042】多層パリソンの発泡層2を形成するために
基材樹脂(A)に添加される発泡剤としては、物理発泡
剤、分解型発泡剤のいずれも使用可能であるが、発泡倍
率の高い発泡層を得るには物理発泡剤を使用することが
好ましい。物理発泡剤としては例えば、プロパン、ノル
マルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペン
タン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩
化炭化水素、1,1,1,2-テトラフロロエタン、1,1-ジフロ
ロエタン、ジフロロメタン等のフッ化炭化水素、二酸化
炭素、窒素、水、メチルアルコール、エチルアルコール
等が挙げられる。分解型発泡剤としては、アゾジカルボ
ンアミド等が挙げられる。上記した発泡剤は、2種以上
混合して使用することができ、又、気泡の調整も兼ねて
分解型発泡剤を物理発泡剤に添加することもできる。
【0043】発泡成形体の樹脂層13の外面に更に発泡
成形体の重合体層14を有する発泡成形体1を得る際
に、多層パリソンの重合体層4を構成するために用いら
れる熱可塑性重合体としては例えば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−
エチレンランダム共重合体、プロピレン−1ブテンラン
ダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合
体、プロピレン−1ブテンブロック共重合体等のポリプ
ロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系エラストマ
ー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラス
トマー等から選択される一種又は二種以上の混合物等の
熱可塑性重合体が挙げられる。尚、これらの樹脂のうち
で、多層パリソンの樹脂層3を構成する樹脂と実用的に
十分な熱接着性を有さない熱可塑性重合体を用いる場合
には、多層パリソンの重合体層4と多層パリソンの樹脂
層3との間に接着層を設けると良い。
【0044】多層パリソンの重合体層4として、ポリオ
レフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマ
ー、耐衝撃性ポリスチレンを用いることが、耐衝撃性に
優れた発泡成形体1を得ることができるので好ましく、
特にポリプロピレン系エラストマーを用いることが耐衝
撃性と共に耐熱性も優れる発泡成形体1を得ることがで
きるので好ましい。また、多層パリソンの重合体層4は
フィルム状又はシート状に限らず、不織布、織布等の繊
維状の形態のものであっても良く、また単層のものに限
らず多層のものであっても良い。
【0045】また、多層パリソンの発泡層2、多層パリ
ソンの樹脂層3、多層パリソンの重合体層4及び多層パ
リソンの内面樹脂層5には、収縮防止剤、耐候剤、紫外
線吸収剤、紫外線反射剤、赤外線吸収剤、赤外線反射
剤、難燃剤、流動性向上剤、耐候剤、着色剤、熱安定
剤、酸化防止剤、結晶核剤、無機充填剤、ゴム等の各種
添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
【0046】本発明における多層パリソン6は、上記発
泡性溶融樹脂よりなる多層パリソンの発泡層2の少なく
とも外面に上記溶融合成樹脂よりなる多層パリソンの樹
脂層3を有する。かかる構成の多層パリソン6は、上記
基材樹脂(A)に発泡剤と、必用に応じて添加するタル
ク等の気泡調整剤や収縮防止剤等とを押出機にて溶融混
練することにより得られる発泡性溶融樹脂と、上記合成
樹脂(B)と必要に応じて添加する各種添加剤と押出機
にて溶融混練することにより得られる溶融合成樹脂
(B)とを共押出することによって得られる。
【0047】尚、図2(b)に示す多層パリソンの樹脂
層3の外面に多層パリソンの重合体層4が設けられた多
層パリソン6等の3層以上の異なる層からなる多層パリ
ソンは、層の数に応じた押出機を使用するとともに、多
層パリソンの層の数に応じた複数の樹脂を合流積層する
ことができる構造の環状ダイ等を使用することによって
得られる。尚、図2(c)に示す多層パリソンの内面樹
脂層5が設けられた多層パリソン6等は、多層パリソン
の内面樹脂層5が多層パリソンの樹脂層3と同じ合成樹
脂で構成される場合には、押出機の数は増やさないで、
同一の押出機から供給される溶融合成樹脂を共押出用の
環状ダイ内にて分岐した後、各々を発泡性溶融樹脂と積
層することによっても得ることができる。
【0048】多層パリソン6の大きさは、用途に応じて
概ね1.5m3迄の範囲内で選択することができる。
【0049】多層パリソンの発泡層2の密度は、20〜
500kg/m3が好ましく、さらに好ましくは25〜
400kg/m3である。該多層パリソンの発泡層2の
密度が500kg/m3を超えると、該多層パリソンか
ら得られる発泡成形体1が軽量とは言い難くなる上に、
断熱性等の物性が低下する虞がある。また多層パリソン
の発泡層2の密度が20kg/m3未満の場合は、多層
パリソンの発泡層2を構成している気泡膜が薄くなるの
で成形時に破泡し易くなる等、良好な発泡成形体1を得
ることができない虞がある。
【0050】多層パリソンの発泡層2の厚みは、1mm
〜100mmが好ましい。多層パリソンの発泡層2の厚
みが1mm未満になると、該多層パリソンから得られる
発泡成形体1の強度、防音性、断熱性等の物性が低下す
る虞がある。一方、多層パリソンの発泡層2の厚みが1
00mmを超えると、発泡や成形が困難になり、良好な
発泡成形体1を得ることができない虞がある。
【0051】多層パリソンの樹脂層3の厚みは、100
μm〜10mmが好ましく、更に好ましくは100μm
〜7mmである。多層パリソンの樹脂層3の厚みが薄く
なりすぎると、該多層パリソンから得られる発泡成形体
1の表面平滑性が低下するため外観が悪くなる虞があ
る。一方、多層パリソンの樹脂層3の厚みが厚くなりす
ぎると、該多層パリソンから得られる発泡成形体1の重
量が重くなり、用途によっては軽量とは言い難くなり、
また、多層パリソンの発泡層2の独立気泡率が低くなる
虞がある。
【0052】多層パリソン6に図2(b)に示す多層パ
リソンの重合体層4を設ける場合、該多層パリソンの重
合体層4の厚みは、20μm〜10mmが好ましく、更
に好ましくは50μm〜7mmである。多層パリソンの
重合体層4の厚みが薄くなりすぎると、耐衝撃性、耐寒
性、耐熱性、耐薬品性、緩衝性、耐候性、難燃性、外観
の向上、機械的強度の向上など多層パリソンの重合体層
4を設けることにより発泡成形体1に付与される効果が
小さくなる可能性がある。一方、多層パリソンの重合体
層4の厚みが厚くなりすぎると、該多層パリソンから得
られる発泡成形体1の重量が重くなり、用途によっては
軽量とは言い難くなる。
【0053】多層パリソン6に図2(c)に示す多層パ
リソンの内面樹脂層5を設ける場合、該多層パリソンの
内面樹脂層5の厚みは、100μm〜10mmが好まし
い。多層パリソンの内面樹脂層5の厚みが100μm未
満になると、該多層パリソンから得られる発泡成形体に
おける収縮や変形の発生を防止するリブの如き働きが低
下し、発泡成形体の形状によっては収縮や変化が発生し
やすくなる虞がある。一方、多層パリソンの内面樹脂層
5の厚みが厚すぎる場合は発泡成形体の軽量性を損ねる
可能性がある。
【0054】本発明の発泡成形体1の製造方法において
は、上記多層パリソン6を、該パリソン6の最内面同士
の少なくとも一部が融着するように成形型にて成形する
ことによって、発泡成形体の発泡層12の表面に発泡成
形体の樹脂層13を有する発泡成形体1が得られる。
【0055】本明細書においては、上記多層パリソン6
の最内面同士の融着割合は、融着部面積比(%)で表す
ものとする。本発明においては、十分な機械的強度、寸
法安定性を有する発泡成形体1を得るという観点から、
融着部面積比が30%以上であることが好ましく、40
%以上であることがより好ましく、60%以上であるこ
とが特に好ましい。該融着部面積比の測定方法は以下の
通りである。
【0056】まず、発泡成形体1を、切断面が発泡成形
体1製造時の多層パリソン6の押出方向に直交し、且つ
多層パリソン6の金型圧縮方向に平行になるように等間
隔で10等分に切断する。
【0057】次に切断された発泡成形体切断片を、発泡
成形体1を形成していた順番通りに切断面が左右方向に
位置するように置き、各成形体切断片における右側の切
断面において多層パリソン最内面同士が融着している部
分の長さ(mm)を求め、これを2倍した値を融着部長
さL(mm)とする。又、該右側の切断面において、多
層パリソンの最内面同士が融着することなく空隙部を形
成している場合、空隙部の内周長さM(mm)を求め
る。尚、各切断面において前記融着部及び/又は空隙部
が複数存在する場合は各々の箇所について、各部分の融
着部長さ及び/又は各部分の空隙部の内周長さを求め、
各々の合計をL又はMとする。次に、これらの値から下
記式により融着部面積比(%)求める。
【0058】
【数14】 融着部面積比(%)=[L/(L+M)]×100
【0059】本明細書においては、各切断面(但し、最
内面融着部自体が存在しない切断面は除く)の融着部面
積比の算術平均値をもって発泡成形体の融着部面積比
(%)とする。尚、最内面同士が隙間なく融着してい
て、空隙部がない断面は融着部面積比は100%とな
る。
【0060】本発明の方法によって得られる発泡成形体
の発泡層12の密度は、20〜500kg/m3が好ま
しく、25〜400kg/m3がより好ましい。上記し
たように、多層パリソンの発泡層2を形成することによ
って、このような密度の発泡成形体の発泡層12を形成
することができる。発泡成形体の発泡層12の密度が5
00kg/m3を超える場合は、発泡成形体1が軽量と
は言い難くなる上に、断熱性等の物性が低下する虞れが
ある。また発泡成形体の発泡層12の密度が20kg/
3未満の場合は、発泡成形体の発泡層12を構成して
いる気泡膜が薄く、成形時に破泡し易いものである等、
良好な発泡成形体1とはならない虞れがある。
【0061】本明細書における発泡成形体の発泡層12
の密度は次のようにして求める。発泡成形体1より発泡
成形体の発泡層12のみを切り出し、切り出したサンプ
ルの重量(g)を、その外形寸法より求められる体積
(cm3)にて割り、得られた数値をkg/m3単位に換
算することにより求められる。また各層の厚みは、成形
体断面(必要に応じて顕微鏡により拡大し、拡大された
投影図を用いる)より求めることができる。尚、発泡成
形体1の部分ごとに発泡成形体の発泡層12の密度が異
なる場合があるため、発泡成形体1の底面、側面等の1
0箇所以上から発泡成形体の発泡層12のサンプルを切
り出し、各々のサンプルについて密度を測定し、最大値
及び最小値を除いた残りの測定値の算術平均をもって発
泡成形体の発泡層12の密度とする。
【0062】本発明の方法によって得られる発泡成形体
1において、発泡成形体の樹脂層13の厚みは100μ
m〜10mmが好ましく、更に好ましくは100μm〜
7mmである。多層パリソンの樹脂層3を、上記したよ
うに形成することによって、このような厚みの発泡成形
体の樹脂層13を得ることができる。発泡成形体の樹脂
層13の厚みが薄くなりすぎると表面平滑性が低下する
ため、発泡成形体1の外観が悪くなる虞れがある。一
方、発泡成形体の樹脂層13の厚みが厚くなりすぎる
と、発泡成形体1全体の重量も重くなって、用途によっ
ては、軽量とは言い難くなる上に、発泡成形体の発泡層
12の独立気泡率が低くなる虞がある。
【0063】本発明の方法によって得られる発泡成形体
1は、発泡成形体の発泡層12に挟まれた発泡成形体の
芯層15を設け、該発泡成形体の芯層15にリブの如き
働きをさせることによって、発泡成形品1に収縮や変形
が発生するのを防止することが好ましい。該発泡成形体
の芯層15の厚みは100μm〜10mmが好ましく、
上記の如く多層パリソンの内面樹脂層5を形成すること
によって、かかる厚みの発泡成形体の芯層15を得るこ
とができる。発泡成形体の芯層15の厚みが100μm
未満になると、上記のリブの如き働きが低下し、発泡成
形体1の形状によっては収縮や変形が発生しやすくなる
虞れがある。一方、発泡成形体の芯層15が厚すぎる場
合は発泡成形体の軽量性を損ねる可能性がある。
【0064】発泡成形体の芯層15は、目的とする厚み
に対応して次のように形成することができる。発泡成形
体の芯層15の厚みが薄い場合は、多層パリソン6から
発泡成形体1を成形する際に、成形条件を適宜選択する
ことによって多層パリソン6の内面同士が融着した部分
に比較的高密度の薄い発泡成形体の芯層15を形成する
ことができる。発泡成形体の芯層15の厚みが厚い場合
は、多層パリソン6に上記したような多層パリソンの内
面樹脂層5を設けることによって、目的とする発泡成形
体の芯層15を形成することができる。
【0065】本発明の方法によって得られる発泡成形体
1の全体の密度は、好ましくは20〜800kg/m3
であり、更に好ましくは20〜400kg/m3であ
る。該発泡成形体1の全体の密度が800kg/m3
超えると軽量性や断熱性が低下する虞れがある。また、
発泡成形体1の密度が20kg/m3未満の場合は圧縮
強度等の機械的物性が低下する虞れがある。
【0066】本明細書における発泡成形体1の全体の密
度は、発泡成形体1の重量(kg)を、該発泡成形体1
を水没して測定した体積(m3)(但し、発泡成形体内
部に空隙部が存在する場合であっても求められる該成形
体の体積より空隙部の容積を差し引くことはしない)で
除することにより求められる値である。
【0067】本発明の方法によって得られる容器の具体
例として挙げた図1に示す発泡成形体1は、多層パリソ
6ンの最内面同士を隙間なく完全に融着させた構成を採
用し、容器空間16が形成されるように成形することに
よって得られる。
【0068】図1に示すように発泡成形体の用途として
容器を選択する場合は、密度が30〜400kg/m3
となるように構成すると、より軽量で、断熱性に優れた
ものとなり、また発泡成形体の樹脂層13の厚みが20
0μm〜5mmとなるように構成すると、耐久性、表面
平滑性が高く、外観と軽量性のバランスのとれたものと
なる上に、成型後の容器の収縮が小さく、外力に対する
機械的強度に優れたものとなる。また、発泡成形体の樹
脂層13の表面に発泡成形体の重合体層14が設けられ
た多層樹脂発泡成形体製とすると、リターナブル容器と
して特に好適なものとなる。
【0069】本発明の発泡成形体1の製造方法を、図3
及び図4に基いて、更に詳しく説明する。多層パリソン
6は、図3に示すように、多層パリソン6の各層を形成
する基材樹脂をそれぞれ別々の押出機(図示しない)に
より溶融混練し、これらをダイ21内で積層合流させな
がら低圧域に押し出すことによって得られる。必要に応
じて押出機とダイ21の間もしくはダイ21内には、ア
キュームレーターを設置してもよい。
【0070】多層パリソン6から発泡成形体1を得る方
法は、次の通りである。まず、多層パリソン6を成形
後、図3に示すように、押し出された多層パリソン6を
両側面から挟むように分割形式の金型22a、22bを
閉鎖する。金型を閉鎖すると、発泡した多層パリソン6
が金型内面において圧縮されて、偏平状に変形しながら
金型に密着する。次に、図4に示すように金型を閉鎖す
ると、多層パリソン6の内側表面同士の少なくとも一部
が融着して、本発明の発泡成形体1が得られる。尚、図
1に示すように、多層パリソン6の最内面同士が完全に
密着して、隙間なく一体化した発泡成形体1が、機械的
強度、寸法安定性に優れるため好ましい。
【0071】また、図3に示すように金型に減圧用配管
23を設けることによって、金型222a,22bの内
面と多層パリソン6の外表面との間を減圧可能に形成さ
れた金型を用い、減圧しながら金型を閉鎖して成形する
と、多層パリソン6の外表面と金型内面とがよく密着
し、金型形状を良好に再現した発泡成形体1を得ること
ができる。しかも、このようにして得られた発泡成形体
1は、金型内面に模様を有する金型を使用した場合の発
泡成形体表面への金型模様転写性が向上し、更に外観に
優れたものとなる。
【0072】また多層パリソン6を押し出した直後、パ
リソンピンチにより多層パリソン6を閉鎖し、プリブロ
ーを行って膨張させた多層パリソン6を上記と同様にし
て成形してもよい。
【0073】多層パリソン6を深絞り成形する場合に
は、図5(a)、(b)に示すように、雌型22bの四方
の側面部25が底面部24を中心に可動可能に雌型22
bを構成することによって、雌型22bの型組み、展開
を可能にすることが好ましい。このように構成し、雌型
22bが展開した状態から、雌型22bの側面部25を
動かして雌型22bを型組みしながら、雄型22aと雌
型22bを閉鎖して成形すると、多層パリソン6の深絞
り成形が容易になる。
【0074】尚、図3〜5は発泡成形体の製造例を概念
的に示す説明図であり、本発明において発泡成形体を製
造する具体的な操作手順は図示するものに限定されな
い。
【0075】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明する。以下の実施例、比較例において使用したポリエ
チレン系樹脂のメルトフローレイト:MFR(g/10
分)、密度(kg/m3)、及びα、βの値は表1、表
2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】実施例1〜4 表3に示す多層パリソンの発泡層形成用樹脂100重量
部と、ポリエチレン100重量部に対してクエン酸ナト
リウム5重量部とタルク10重量部とを配合したポリエ
チレンベースの気泡調整剤マスターバッチ6重量部と、
ポリエチレン100重量部に対してステアリン酸モノグ
リセライドを12重量部配合したポリエチレンベースの
収縮防止剤マスターバッチ10重量部とを配合した原料
を押出機に供給して加熱、混練して溶融樹脂とした後、
更に物理発泡剤としてイソブタンを多層パリソンの発泡
層形成用樹脂100重量部対し2.2重量部(但し、実
施例4の場合は3.2重量部)の割合で押出機内の溶融
樹脂に圧入混練して発泡性溶融樹脂とした。
【0079】一方、表3に示す多層パリソンの樹脂層形
成用樹脂に着色剤を配合して、押出機に供給し、加熱溶
融して非発泡性の溶融合成樹脂とした。次いで、各押出
機内で溶融混練された溶融物を各押出機と連結した各ア
キュームレーターに各々充填した後、発泡性溶融樹脂と
溶融合成樹脂とがダイ内で合流積層するように各アキュ
ームレーターから発泡性溶融樹脂と溶融合成樹脂を射出
するとともに、ダイから押出し、発泡性溶融樹脂が発泡
して形成された多層パリソンの発泡層の外面に溶融合成
樹脂からなる多層パリソンの樹脂層が積層された多層パ
リソンを得た。
【0080】次いで、図5に示すように、押出された前
記パリソンを挟むようにダイ直下に設置された箱形状の
分割式の金型を閉鎖して、金型内面において多層パリソ
ンを偏平状に変形させ、更に金型を閉鎖して、金型内面
に多層パリソンを密着させて賦型した後、冷却、離型し
て、発泡成形体を得た。該発泡成形体は、開口部外形寸
法300mm×260mm、底面部外形寸法260mm
×180mm、高さ110mm、容器肉圧約20mmの
円すい台形の容器である。尚、上記金型には金型内面に
梨地加工を施したものを使用した。
【0081】上記実施例1〜4において得られた発泡成
形体は、いずれも表面平滑性が良く、収縮変形、座屈な
どが見られない外観良好なものであった。得られた発泡
成形体を切断して断面を観察したところ、いずれも発泡
成形体の発泡層の表面に、発泡成形体の樹脂層を有し、
また多層パリソンの発泡層の内面同士が隙間なく良好に
融着している発泡成形体であった。
【0082】各実施例において使用した多層パリソンの
発泡層形成用樹脂及び多層パリソンの樹脂層形成用樹脂
のメルトフローレイト、α、βの値、及びメルトフロー
レイト比(MFR1/MFR2)を表3に、また、得ら
れた発泡成形体の発泡層の厚み、発泡成形体の樹脂層の
厚み、発泡成形体の発泡層の密度、発泡成形体全体の密
度、及び常温と低温(−20℃)の各々の条件下で行な
った落錘衝撃試験の結果を表4に示す。
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】 ※1:発泡層の気泡の破れや収縮が大きく、外観が悪い
上に、各物性が測定可能な発泡成形体が得られなかっ
た。 ※2:ドローダウンが大きく、発泡層の厚みが薄く、各
物性が測定可能な発泡成形体が得られなかった。
【0085】外観の評価は、容器状発泡成形体を目視観
察して以下の基準で判断した。 ○:表面平滑性、金型再現性が良好である ×:収縮による凹凸が見られる
【0086】落錘衝撃試験は、JIS K7211に準
拠して行なった。具体的には、常温での落錘衝撃試験
は、サイズ100mm×100mmの試験片を発泡成形
体から切出し、温度23℃、湿度55%の恒温恒湿室に
おいて試験片を24時間放置した後、該試験片を使用し
て温度23℃、湿度55%の恒温恒湿室にて、株式会社
東洋精機製作所製No.621落錘衝撃試験機を用い
て、JIS K7211に規定する呼びなす1型(質量
1kg)のなす形重錘を1.5mの高さから自由落下さ
せて、試験片が破壊するか否かを評価した。尚、表4に
おいて、試験片が破壊しなかった場合を○で表した。
【0087】低温での落錘衝撃試験は、−20℃の恒温
槽に24時間放置したこと、及び各試験片を低温槽から
取り出してから温度23℃、湿度55%の恒温恒湿室に
おける測定までを2秒以内に行なった以外は、常温での
落錘衝撃試験と同様に行ない、同様の基準にて評価し
た。
【0088】実施例5 表3に示す多層パリソンの発泡層形成用樹脂、及び多層
パリソンの樹脂層形成用樹脂を用い、実施例1と同様に
多層パリソンを形成した。次に、実施例1で用いた金型
とは別の箱型形状の多分割式の金型を用いた以外は実施
例1と同様に成形して発泡成形体を得た。該発泡成形体
は直方体形状の容器であって、寸法は、開口部外径寸法
300mm×230mm、高さ120mm、容器肉厚み
約20mmである。
【0089】実施例5において得られた発泡成形体は、
表面平滑性が良く、収縮変形、座屈などが見られない外
観良好なものであった。得られた発泡成形体を切断して
断面を観察したところ、発泡成形体の発泡層の表面に、
発泡成形体の樹脂層を有し、また多層パリソンの発泡層
の内面同士が隙間なく良好に融着した発泡成形体であっ
た。
【0090】実施例6 実施例1と同様にして発泡性溶融樹脂を得た。一方、表
3に示す多層パリソンの樹脂層形成用樹脂を押出機に供
給し、加熱溶融して非発泡性の溶融合成樹脂とした。次
いで各押出機内で溶融混練された溶融物の各々を各押出
機と連結した各アキュムレーターに充填した。尚、非発
泡性の溶融合成樹脂は樹脂層形成用樹脂と内面樹脂層形
成用樹脂に別けられ、各々別々のアキュームレーターに
充填した。その後、3台のアキュームレーターより、外
側から順に樹脂層形成用の溶融合成樹脂、発泡性溶融樹
脂、内面樹脂層形成用の溶融合成樹脂がダイ内で合流積
層するように射出すると共に、ダイから押出し、外側か
ら順に樹脂層、発泡層、内面樹脂層が積層された多層パ
リソンを得た。次いで、実施例1と同様にして発泡成形
体を得た。
【0091】実施例6において得られた発泡成形体は、
いずれも表面平滑性が良く、収縮変形、座屈などが見ら
れない外観良好なものであった。得られた発泡成形体を
切断して断面を観察したところ、発泡成形体の発泡層の
表面に、発泡成形体の樹脂層を有し、また多層パリソン
の内面樹脂層の内面同士が隙間なく良好に融着して厚み
0.5mmの発泡成形体の芯層を形成している発泡成形
体であった。
【0092】比較例1 表3に示す発泡層形成用樹脂を及び樹脂層形成用樹脂を
用いて、実施例1と同様にして多層パリソンを得た。該
多層パリソンを成形したが、発泡層の収縮が大きく外観
良好な低密度の発泡成形体が得られなかった。
【0093】比較例2 表3に示す多層パリソンの発泡層形成樹脂及び多層パリ
ソンの樹脂層形成用樹脂を用い、物理発泡剤を多層パリ
ソンの発泡層形成樹脂100重量部対して2.4重量部
添加した以外は実施例1と同様にして多層パリソンを得
た。該多層パリソンを成形したが、発泡層の気泡の破れ
や収縮が大きく外観良好な発泡成形体が得られなかっ
た。
【0094】比較例3 表3に示す多層パリソンの発泡層形成樹脂及び多層パリ
ソンの樹脂層形成用樹脂を用い、実施例1と同様に多層
パリソンの製造を試みたが、気泡が破泡し発泡層の収縮
が激しくほとんど発泡せず、良好な多層パリソンが得ら
れなかった。この多層パリソンを実施例1と同様に成形
したが、ドローダウンが大きく発泡層の厚みが薄くな
り、良好な発泡成形体は得られなかった。
【0095】
【発明の効果】本発明の多層ポリエチレン系樹脂発泡成
形体の製造方法は、主成分が密度900〜940(kg
/m3)のポリエチレン系樹脂であると共に、190℃
の温度条件下で振動歪みを与える動的粘弾性測定におい
て角周波数ω=10-1〜101(rad/sec)の範囲
における貯蔵弾性率G'(Pa)が下記(1)式を満足す
る基材樹脂に、発泡剤を添加し溶融混練して得られる発
泡性溶融樹脂と、20〜100重量%のポリエチレン系
樹脂を含む合成樹脂であると共に、該合成樹脂のメルト
フローレイト:MFR1(g/10分)と上記基材樹脂
のメルトフローレイト:MFR2(g/10分)との比
が下記(2)式を満足する合成樹脂を、溶融して得られ
る溶融合成樹脂とを、共押出することにより、上記発泡
性溶融樹脂よりなるポリエチレン系樹脂発泡層の少なく
とも外面に上記溶融合成樹脂よりなるポリエチレン系樹
脂層を有する多層パリソンを形成し、次いで該パリソン
最内面同士の少なくとも一部が融着するように成形型に
て成形することによってポリエチレン系樹脂発泡層の表
面にポリエチレン系樹脂層を有する発泡成形体を得ると
いう構成を採用している。
【0096】
【数15】 logG'=αlogω+β (1) α=0.50〜1.50 β=2.0〜5.0
【数16】 MFR1/MFR2≧0.5 (2)
【0097】上記構成を採用したことにより、多層パリ
ソンを構成する発泡性溶融樹脂よりなるポリエチレン系
樹脂発泡層の少なくとも外面に上記溶融合成樹脂よりな
るポリエチレン系樹脂層を有する多層パリソンの厚み、
密度を任意に選択または調節することによって、得られ
る多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体を構成するポリエ
チレン系樹脂発泡層の厚み、密度を広い範囲で任意に選
択または調節することができる。従って、本発明の製造
方法によれば、高厚み、低密度の発泡層を有する多層ポ
リエチレン系樹脂発泡成形体を容易に得ることができ
る。また、本発明の方法によって得られるポリエチレン
系樹脂発泡層の表面に形成されたポリエチレン系樹脂層
は、厚みが均一で、表面に鱗状の模様、亀裂や穴が発生
することがないので、外観が良好である。
【0098】本発明の発多層ポリエチレン系樹脂発泡成
形体の製造方法は、ポリエチレン系樹脂発泡層の少なく
とも外面にポリエチレン系樹脂層を有する多層パリソン
を形成し、該パリソン最内面同士の少なくとも一部が融
着するように成形型にて成形するものである。従って、
本発明の製造方法においては、熱可塑性樹脂にて成形し
た中空構造の成形体を樹脂層とし、該成形体の内部の空
洞部にウレタン樹脂を注入する方法や、該内部の空洞部
に樹脂発泡粒子などを充填成形する等の従来の方法とは
異なり、複雑な製造工程や装置が不要である。
【0099】また本発明の製造方法においては、基材樹
脂の貯蔵弾性率G'(Pa)が下記(3)式を満足し、合
成樹脂のメルトフローレイト:MFR1(g/10分)
と発泡層を形成する上記基材樹脂のメルトフローレイ
ト:MFR2(g/10分)との比が下記(4)式を満
足するという構成を採用することにより、多層パリソン
のポリエチレン系樹脂発泡層の発泡性、ドローダウン性
等を更に改善すると共に、多層パリソンのポリエチレン
系樹脂層の外観、該樹脂層の伸び、ドローダウン性等も
更に改善され、従来の多層パリソンを成形する方法では
得ることが難しかった低密度の多層ポリエチレン系樹脂
発泡成形体が生産性良く得ることが可能になった。
【0100】
【数17】 logG'=αlogω+β (3) α=0.60〜1.40 β=2.0〜3.8
【数18】 MFR1/MFR2≧0.8 (4)
【0101】更に本発明の方法によって得られる多層ポ
リエチレン系樹脂発泡成形体は、軽量性、耐衝撃性、耐
寒性、耐熱性、耐薬品性、リサイクル性、断熱性、緩衝
性、防音性、防振性、圧縮、引張、曲げ等の機械的強度
に優れたものである。また該発泡成形体は、深絞り成形
物や大型成形物としても好適なものであり、リターナブ
ル容器等の容器をはじめ床やドアなどの軽量断熱パネ
ル、パレット、ピラーやバンパー、インスツルメントパ
ネルなどの自動車部材、机、いす、フロート、サーフボ
ード、ボディーボード等、特に冷凍倉庫などで使用され
る低温用容器などに好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって得られる多層ポリエチレ
ン系樹脂発泡成形体の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体の
製造方法に用いる多層パリソンの一例を示す一部切欠斜
視図である。
【図3】本発明の製造方法の一工程を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の製造方法の一工程を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の製造方法の異なる態様を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 発泡成形体 2 発泡層 3 樹脂層 6 多層パリソン 12 発泡成形体の発泡層 13 発泡成形体の樹脂層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 B29L 22:00 (72)発明者 極楽 広行 栃木県今市市森友1127−70 (72)発明者 今成 大典 栃木県宇都宮市駒生町1669 若葉ハイツ 201 (72)発明者 北浜 卓 栃木県宇都宮市砥上町1126−5 Fターム(参考) 4F100 AC10H AH02H AH08H AK04A BA02 CA01B DJ01B EH202 GB08 GB16 GB32 JA06B JA13B JJ02 JK01 JK07A YY00B 4F207 AA04 AB02 AB11 AB16 AE02 AG03 AG08 AG20 AH17 AH48 AH55 AH56 AH58 AM32 AR17 KA01 KA11 KA17 KB22 KF01 KL65

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分が密度900〜940(kg/m
    3)のポリエチレン系樹脂であると共に、190℃の温
    度条件下で振動歪みを与える動的粘弾性測定において角
    周波数ω=10-1〜101(rad/sec)の範囲にお
    ける貯蔵弾性率G'(Pa)が下記(1)式を満足する基
    材樹脂に、発泡剤を添加し溶融混練して得られる発泡性
    溶融樹脂と、20〜100重量%のポリエチレン系樹脂
    を含む合成樹脂であると共に、該合成樹脂のメルトフロ
    ーレイト:MFR1(g/10分)と上記基材樹脂のメ
    ルトフローレイト:MFR2(g/10分)との比が下
    記(2)式を満足する合成樹脂を、溶融して得られる溶
    融合成樹脂とを、共押出することにより、上記発泡性溶
    融樹脂よりなるポリエチレン系樹脂発泡層の少なくとも
    外面に上記溶融合成樹脂よりなるポリエチレン系樹脂層
    を有する多層パリソンを形成し、次いで該パリソン最内
    面同士の少なくとも一部が融着するように成形型にて成
    形することによってポリエチレン系樹脂発泡層の表面に
    ポリエチレン系樹脂層を有する発泡成形体を得ることを
    特徴とする多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体の製造方
    法。 【数1】 logG'=αlogω+β (1) α=0.50〜1.50 β=2.0〜5.0 【数2】 MFR1/MFR2≧0.5 (2)
  2. 【請求項2】 基材樹脂の貯蔵弾性率G'(Pa)が下記
    (3)式を満足し、合成樹脂のメルトフローレイト:M
    FR1(g/10分)と発泡層を形成する上記基材樹脂
    のメルトフローレイト:MFR2(g/10分)との比
    が下記(4)式を満足することを特徴とする請求項1記
    載の多層ポリエチレン系樹脂発泡成形体の製造方法。 【数3】 logG'=αlogω+β (3) α=0.60〜1.40 β=2.0〜3.8 【数4】 MFR1/MFR2≧0.8 (4)
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