JP2001179745A - 加硫装置 - Google Patents

加硫装置

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JP2001179745A
JP2001179745A JP36590999A JP36590999A JP2001179745A JP 2001179745 A JP2001179745 A JP 2001179745A JP 36590999 A JP36590999 A JP 36590999A JP 36590999 A JP36590999 A JP 36590999A JP 2001179745 A JP2001179745 A JP 2001179745A
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laminate
induction heating
coil
mold
vulcanizing apparatus
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JP36590999A
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English (en)
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Hirohiko Fukumoto
裕彦 福元
Natsushiro Kino
夏四郎 嬉野
Yoshinori Kurokawa
好徳 黒川
Shigeto Adachi
成人 足立
Kazuhiko Sakiyama
和彦 崎山
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層体1を積層方向に均一に加熱可能にし、
各種サイズおよび断面形状の積層体に対して高効率で誘
導加熱を行う。 【解決手段】 未加硫ゴム7と内部鋼板6とを交互に積
層した積層体1に対して磁束を貫通させることによっ
て、内部鋼板6を誘導加熱により発熱させて積層体1を
加熱するものである。積層体1を収納するモールド2
と、モールド2に収納された積層体1の積層方向の上方
および下方にそれぞれ配置され、コイル面3a・4aが
積層体1の上面および下面に対向されたパンケーキ型コ
イルからなる上側誘導加熱コイル3および下側誘導加熱
コイル4を備えている。そして、これらの加熱コイル3
・4は、磁束を発生させる交流電流の通電領域Aが拡縮
可能にされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未加硫ゴムと磁性
板とを交互に積層した積層体を誘導加熱を利用して加熱
する加硫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴムと金属板とを交互に積層して形成さ
れた積層ゴムは、地震動等の外力に対して安定した剪断
変形を生じるため、ビルや建物、橋梁、機械装置等の構
造物の免振構造部材として注目されている。このような
積層ゴムの製造は、通常、未加硫ゴムと金属板(以下、
内部鋼板と称する)とを交互に積層することにより20
〜40層程度の積層体とした後、この積層体の積層方向
の両端面に建物等に接続するための厚い金属板(以下、
連結鋼板と称する)を取り付ける。この後、積層体の周
囲をモールドで拘束し、積層体を加圧しながら所定の加
硫温度にまで加熱することによって、ゴムを介して内部
鋼板および連結鋼板を強固に加硫接着することにより製
造する。
【0003】ところで、積層体への加熱は、熱盤等を用
いて周囲から熱を与える方式の加硫装置が一般的である
が、ゴムの熱伝導性が低いため、周囲から与えた熱が内
部に浸透するまでに多くの時間が必要である。そこで、
近年においては、積層体におけるゴムおよび鋼板の積層
構造に着目し、電磁誘導による方式を採用した加硫装置
が提案されている。例えば特開平11−99520号公
報には、未加硫積層ゴムを拘束するモールドの周囲にソ
レノイダルコイルを配置し、このコイルから交番磁界を
発生させて積層体に対して積層方向に印加する構成が提
案されている。そして、この構成によれば、交番磁界が
内部鋼板に渦電流を発生させることによるジュール損失
で内部鋼板を発熱させることができるため、積層体を内
部から加熱することが可能になり、結果として熱盤加熱
に比べて非常に短い時間で積層体の全体を加硫温度にま
で加熱することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、積層体の周囲に配置されたソレノイダルコ
イルにより交番磁界を印加する構成では、以下のような
問題がある。
【0005】即ち、ソレノイダルコイルで発生する交
番磁界は、磁場強度がコイル高さ中心を最大として中心
から離れるのに従って減衰するという軸方向分布を示
す。また、積層体の積層方向の両端面には、内部鋼板に
比べて大きな板厚の連結鋼板が設けられ、さらには上下
のモールドが当接されている。これにより、ソレノイダ
ルコイルで誘導加熱すると、積層体の積層方向における
コイル高さ中心位置でのゴム温度が連結鋼板に比べて高
温になり、この温度差により加硫の程度に不均一が生じ
るという問題がある。
【0006】また、ソレノイダルコイルによる誘導加
熱は、被加熱体である積層体を貫通する磁束の数が多い
ほど効率が高くなることが知られている。従って、ソレ
ノイダルコイルと積層体とは、高効率の誘導加熱を実現
するように、形状およびサイズが常に一定の関係にある
ことが望まれている。ところが、積層ゴムの形状やサイ
ズは実に様々であり、例えば建物の支持部材として用い
られる積層ゴムは、φ500〜1500mm程度の範囲
内で円形断面の各種サイズのものが存在する。また、橋
梁等の支承として用いられる積層ゴムは、各種サイズの
矩形断面である場合が多い。
【0007】これにより、従来は、各種サイズおよび形
状の積層体に対して1台の加硫装置で対応しようとする
と、最大サイズの積層体に対応した大きなサイズのソレ
ノイダルコイルを備えることが必要となって、小さなサ
イズの積層体の誘導加熱の効率が極めて低下するという
問題が発生する。一方、サイズの異なるソレノイダルコ
イルを備えた複数台の加硫装置で対応しようとすると、
誘導加熱が極端に低下することは回避できるが、設備コ
ストが極めて高騰するという問題が発生する。
【0008】従って、本発明は、積層体を積層方向に均
一に加熱することができる加硫装置を提供し、さらに、
比較的に安価な装置構成で各種サイズおよび形状の積層
体に対して高効率で誘導加熱を行うこともできる加硫装
置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、未加
硫ゴムと磁性板とを交互に積層した積層体に対して磁束
を貫通させることによって、前記磁性板を誘導加熱によ
り発熱させて前記積層体を加熱する加硫装置において、
前記積層体を収納するモールドと、前記モールドに収納
された積層体の積層方向の上方および下方にそれぞれ配
置され、コイル面が前記積層体の上面および下面に対向
されたパンケーキ型コイルからなる誘導加熱コイルを備
えていることを特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、誘導加熱コイルがパ
ンケーキ型コイルからなるため、この誘導加熱コイルの
コイル面に対して垂直方向に磁束が形成される。そし
て、この磁束は、コイル面と積層体の積層方向の上下面
とが対向されているため、モールドを透過して積層体の
積層方向に貫通する。この際、コイルに近ければ近い
程、磁場強度が大きくなり発熱量も大きくなる。また、
上下面は、内部よりも発熱量が多い反面、放熱も大き
い。従って、コイルと上下面との距離を適当に調整する
ことによって、内部と上下面とが同一の昇温速度を得る
ことが可能となる。この結果、積層体の半径方向の周囲
に誘導加熱コイルを配置した従来の加硫装置で積層体を
加熱した場合のように、積層体の最上層や最下層が中間
層よりも過剰に加熱されることによる不具合を防止する
ことができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の加硫装
置であって、前記モールドには、該モールドの温度を任
意の温度となるように制御可能な温調装置が設けられて
いることを特徴としている。上記の構成によれば、誘導
加熱コイルの磁束による誘導加熱とモールドの温度とを
制御することによって、積層体の積層方向の温度分布を
細かく調整することが可能になり、結果として積層体を
積層方向においてより均等に加熱することができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の加硫装置であって、前記誘導加熱コイルは、前記磁束
を発生させる交流電流の通電領域が拡縮可能にされてい
ることを特徴としている。上記の構成によれば、加熱対
象となる積層体のサイズや形状に対応して通電領域を設
定することができるため、1台の加硫装置で多種類の積
層体を高い効率で加熱することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項3記載の加硫装
置であって、前記誘導加熱コイルは、中心側から外周側
まで一体的に形成されており、中心側の端部に共通端子
が設けられていると共に、中心側から半径方向に複数の
入出力端子が設けられていることを特徴としている。上
記の構成によれば、入出力端子の数量や配設位置を変更
することによって、任意の大きの通電領域を容易に設定
および変更することができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項3記載の加硫装
置であって、前記誘導加熱コイルは、中心側から外周側
までが複数のコイル部材を組み合わせることで形成され
ていることを特徴としている。上記の構成によれば、コ
イル部材の組み合わせ数を変更することにより各種サイ
ズの誘導加熱コイルを容易に形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図7に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る加
硫装置は、図1に示すように、積層体1を収納するモー
ルド2と、モールド2の上方に配置された上側誘導加熱
コイル3と、モールド2の下方に配置された下側誘導加
熱コイル4と、両コイル3・4に誘導電力を供給する電
源装置5とを有している。
【0016】上記の積層体1は、内部鋼板6と未加硫積
層ゴム7とを平行状態を保ったまま交互に積層し、内部
鋼板6を未加硫ゴム7で挟んで埋設状態とし、さらに積
層方向(図中上下方向)の両端面に連結鋼板8・8をそ
れぞれ張設することによって、中心部に貫通穴1aを備
えた円柱形状に形成されている。上記の内部鋼板6は、
鉄板等の磁性体からなっており、加硫成形時において発
熱媒体として機能し、加硫形成後において積層体1の積
層方向の剛性を高めるように機能する。また、連結鋼板
8は、内部鋼板6と同様に鉄板等の磁性体からなってお
り、加硫成形時において発熱媒体として機能し、ビルや
建物等の構造物等の取付け時に使用される取付けプレー
ト等をネジ止めするためのフランジとして機能する。
【0017】尚、積層体1は、内部鋼板6が未加硫ゴム
7に完全に埋設された構成であっても良いし、全ての内
部鋼板6のうちの一部または全部が未加硫ゴム7から露
出された構成であっても良い。さらには、内部鋼板6に
おける側周面の一部または全部が未加硫ゴム7から露出
された構成であっても良い。そして、内部鋼板6が未加
硫ゴム7に完全に埋設された構成であれば、一回の加硫
成形により内部鋼板6を十分に防錆した加硫ゴム成形品
とすることできる。一方、内部鋼板6の一部または全部
が未加硫ゴム7から露出された構成であれば、モールド
2に当接した内部鋼板6を介して未加硫ゴム7を一層効
率良く加熱することができると共に、冷却時において内
部鋼板6を介して放熱させることにより効率良く冷却す
ることができる。
【0018】上記のように構成された積層体1を収納す
るモールド2は、円板状の下モールド部11と、円筒状
の中間モールド部12と、円板状の上モールド部13と
を3分割可能に備えている。尚、モールド2は、3分割
に限らず4分割や6分割、8分割可能にされていても良
い。また、モールド2は、棒状部材14を中心部に備え
ている。棒状部材14は、上および下モールド部11・
13を強固に型締するように、下端部と上端部とが下モ
ールド部11と上モールド部13とにそれぞれ係止可能
にされている。そして、モールド2は、加熱コイル3・
4で生成された磁束を積層体1に透過させるように、各
部がSUS304等の非磁性体で形成されている。
【0019】上記の加熱コイル3・4は、モールド2の
上方および下方にそれぞれ配置されている。これらの各
加熱コイル3・4は、図3に示すように、中心側から外
周側にかけて導線15を巻回して一体的に形成されたパ
ンケーキ型コイルからなっており、コイル面3a・4a
が積層体1の上面および下面に対してそれぞれ平行に対
向されている。各加熱コイル3・4には、中心側の端部
に共通端子16aが設けられていると共に、3種類の通
電領域Aを形成するように中心側から半径方向に一定間
隔毎に第1〜第3入出力端子16b〜16dが設けられ
ている。そして、図1に示すように、両加熱コイル3・
4の第1〜第3入出力端子16b〜16dは、加熱対象
となる積層体1の外周端に最も近い位置の端子同士が選
択されて導線17を介して接離可能に接続されている。
【0020】尚、第1〜第3入出力端子16b〜16d
の配設位置(間隔)は、通電領域Aの外径をDおよび積
層体1の外径をdとしたときに、0.5<d/D<1.
5の関係にあることが高効率の加熱を実現する上で望ま
しい。従って、上記の第1〜第3入出力端子16b〜1
6dによる3種類の通電領域Aによっては全種類の積層
体1に対して上記の関係を満足させることができない場
合には、さらに多種類の通電領域Aを出現させることが
できるように、多くの入出力端子が狭い間隔で配置され
ていることが望ましい。
【0021】一方、各加熱コイル3・4の共通端子16
a・16aは、電源装置5に接続されている。電源装置
5は、1KHz以下の低周波数の交流電流(誘導電力)
を加熱コイル3・4に供給する。これにより、上側誘導
加熱コイル3および下側誘導加熱コイル4の共通端子1
6aの中心側から第1〜第3入出力端子16b〜16d
同士が接続された通電領域Aで交流電流が通電し、この
通電領域Aの周囲に強度の磁界が発生する。
【0022】上記の構成において、加硫装置の動作につ
いて説明する。先ず、未加硫ゴム7と鉄板等の内部鋼板
6とを交互に積層することにより20〜40層程度の積
層体1とした後、この積層体1の積層方向の両端面に連
結鋼板8を取り付ける。この後、積層体1をモールド2
に収納し、棒状部材14により型締を行った後、上側誘
導加熱コイル3と下側誘導加熱コイル4との間にモール
ド2を積層体1と共に搬送する。そして、積層体1の中
心軸と加熱コイル3・4のコイル中心とが一致するよう
に、モールド2をセットする。
【0023】次に、手動操作であれば、作業員がモール
ド2を目視することによりモールド2に収納された積層
体1のサイズを認識する。そして、積層体1の外周端に
最も近い位置の第1〜第3入出力端子16b〜16dを
選択する。そして、選択した第1〜第3入出力端子16
b〜16d同士を導線17を介して接続する。例えば中
型サイズの積層体1であれば、中間位置に配置された第
2入出力端子16cを選択して接続し、例えば図2に示
すように、大型サイズの積層体1であれば、最外周位置
に配置された第3入出力端子16dを選択して接続す
る。また、小型サイズの積層体1であれば、最内周位置
に配置された第1入出力端子16bを選択して接続す
る。
【0024】尚、自動操作であれば、上記の積層体1の
サイズの認識、第1〜第3入出力端子16b〜16dの
選択および接続を検出センサや情報処理装置等により行
う。
【0025】この後、図4の磁気シールド板18を加熱
コイル3・4を囲むようにセットした後、電源装置5を
作動状態(ON状態)にし、電源装置5から交流電流を
加熱コイル3・4に供給する。交流電流は、導線17を
介して接続された第1〜第3入出力端子16b〜16d
と共通端子16aとの通電領域Aを流れることによっ
て、この通電領域Aの周囲に交流と同期して向きが変わ
る磁束をコイル面3a・4aに対して垂直方向に形成す
る。そして、図4に示すように、積層体1の上下面およ
び内部鋼板6がコイル面3a・4aに対して対向されて
いるため、磁束が積層体1の内部鋼板6を板面に対して
直角方向に貫通する。従って、略同数の磁束が各内部鋼
板6を貫通することによって、各内部鋼板6に電磁誘導
による渦電流を同程度に発生させ、渦電流によるジュー
ル損失により各内部鋼板6を同程度に発熱させる。
【0026】この結果、全ての内部鋼板6が積層体1を
内部から均等に加熱するため、積層体1が積層方向にお
いて均等に昇温すると共に、積層体1の全体が短時間で
所望の加硫温度にまで昇温する。これにより、従来のよ
うな積層方向の最上層や最下層の未加硫ゴム7を過剰に
加熱することによる加硫の不均一という不具合を発生さ
せることなく短時間で内部鋼板6および連結鋼板8を強
固に加硫接着した積層体1を得ることができる。また、
モールド2や連結鋼板8が加熱コイル3・4に近接して
いるため、内部鋼板6よりもジュール発熱量が大きくな
り、放熱の影響等で低温になり易かった連結鋼板8付近
を有効に加熱することも可能になっている。さらに、内
部鋼板6を発熱させる際に、通電領域Aの磁束の形成範
囲と積層体1とが略一致されているため、大部分の磁束
が内部鋼板6の発熱に利用されることから、積層体1を
極めて効率良く加熱することが可能になっている。
【0027】次に、本実施形態の加硫装置により積層体
1を加熱したときの中間層および最上層の温度履歴をシ
ミュレーションにより調査した。尚、調査にあたって
は、40mm厚の連結鋼板8が2層、7.5mm厚の未
加硫ゴム7が27層、4.5mm厚の内部鋼板6が26
層からなるφ1000mmの積層体1を加硫対象とし、
1200mmの通電領域Aを磁束の発生源とし、さら
に、モールド2の上下に熱盤等の加温機構を付加しない
ことをシミュレーションの条件とした。また、比較のた
め、積層体1の周方向に誘導加熱コイルを配置した従来
の加硫装置により加熱した場合の温度履歴もシミュレー
ションにより調査した。
【0028】この結果、図5に示すように、本実施形態
の加硫装置で積層体1を加熱した場合には、中間層と最
上層との温度差が5℃以内に納まっていることが確認さ
れた。これに対し、図6に示すように、従来の加硫装置
で積層体1を加熱した場合には、中間層と最上層との温
度差が40℃以上になっていることが確認された。
【0029】以上のように、本実施形態の加硫装置は、
図1に示すように、未加硫ゴム7と内部鋼板6(磁性
板)とを交互に積層した積層体1に対して磁束を貫通さ
せることによって、内部鋼板6を誘導加熱により発熱さ
せて積層体1を加熱するものであり、積層体1を収納す
るモールド2と、モールド2に収納された積層体1の積
層方向の上方および下方にそれぞれ配置され、コイル面
3a・4aが積層体1の上面および下面に対向されたパ
ンケーキ型コイルからなる上側誘導加熱コイル3および
下側誘導加熱コイル4を備えた構成にされている。
【0030】上記の構成によれば、誘導加熱コイル3・
4がパンケーキ型コイルからなるため、この誘導加熱コ
イル3・4のコイル面3a・4aに対して垂直方向に磁
束が形成される。そして、この磁束は、コイル面3a・
4aと積層体1の積層方向の上下面とが対向されている
ため、モールド2を透過して積層体1の積層方向に貫通
する。この際、コイル3・4に近ければ近い程、磁場強
度が大きくなり発熱量も大きくなる。また、上下面は、
内部よりも発熱量が多い反面、放熱も大きい。従って、
コイル3・4と上下面との距離を適当に調整することに
よって、内部と上下面とが同一の昇温速度を得ることが
可能となる。この結果、積層体1の半径方向の周囲に誘
導加熱コイル3・4を配置した従来の加硫装置で積層体
1を加熱した場合のように、積層体1の最上層や最下層
が中間層よりも過剰に加熱されることによる不具合を防
止することができる。
【0031】尚、上記のモールド2には、モールド2の
温度を任意の温度となるように制御可能な温調装置が設
けられていることが好ましく、特に、積層方向に任意の
温度分布に制御可能な温調装置が設けられていることが
望ましい。そして、この場合には、誘導加熱コイル3・
4の磁束による誘導加熱とモールド2の温度とを制御す
ることによって、積層体1の積層方向の温度分布を細か
く調整することが可能になり、結果として積層体1を積
層方向においてより均等に加熱することができる。
【0032】また、本実施形態の加硫装置における誘導
加熱コイル3・4は、磁束を発生させる交流電流の通電
領域Aが拡縮可能に構成されている。これにより、加熱
対象となる積層体1のサイズや形状に対応して通電領域
Aを設定することができるため、1台の加硫装置で多種
類の積層体1を高い効率で加熱することができる。
【0033】具体的には、図3に示すように、誘導加熱
コイル3・4は、中心側から外周側まで一体的に形成さ
れており、中心側の端部に共通端子16aが設けられて
いると共に、中心側から半径方向に複数の第1〜第3入
出力端子16b〜16dが設けられた構成にされてい
る。これにより、1台の加硫装置で多種類の積層体1を
高い効率で加熱することができることに加えて、第1〜
第3入出力端子16b〜16dの数量や配設位置を変更
することによって、任意の大きの通電領域Aを容易に設
定および変更することができる。
【0034】尚、誘導加熱コイル3・4は 上記の構成
に限定されるものではなく、図7(a)・(b)に示す
ように、中心側から外周側までが複数のコイル部材21
a〜21cを組み合わせることで形成されていても良
い。そして、この構成によれば、1台の加硫装置で多種
類の積層体1を高い効率で加熱することができることに
加えて、コイル部材21a〜21cの組み合わせ数を変
更することにより大型から小型までの各種サイズの誘導
加熱コイル3・4を容易に形成することができる。
【0035】さらに、誘導加熱コイル3・4は、第1〜
第3入出力端子16b〜16dにより段階的に通電領域
Aを変更可能にされているが、これに限定されるもので
もなく、中心側から外周側にかけて連続的に端子位置を
変更可能なスライド端子機構により任意の大きさの通電
領域Aを形成可能にされていても良い。そして、この場
合には、積層体1のサイズや形状に最適な通電領域Aを
確実に設定することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明は、未加硫ゴムと磁性板
とを交互に積層した積層体に対して磁束を貫通させるこ
とによって、前記磁性板を誘導加熱により発熱させて前
記積層体を加熱する加硫装置において、前記積層体を収
納するモールドと、前記モールドに収納された積層体の
積層方向の上方および下方にそれぞれ配置され、コイル
面が前記積層体の上面および下面に対向されたパンケー
キ型コイルからなる誘導加熱コイルを備えている構成で
ある。
【0037】上記の構成によれば、誘導加熱コイルがパ
ンケーキ型コイルからなるため、この誘導加熱コイルの
コイル面に対して垂直方向に磁束が形成される。そし
て、この磁束は、コイル面と積層体の積層方向の上下面
とが対向されているため、モールドを透過して積層体の
積層方向に貫通する。この際、コイルに近ければ近い
程、磁場強度が大きくなり発熱量も大きくなる。また、
上下面は、内部よりも発熱量が多い反面、放熱も大き
い。従って、コイルと上下面との距離を適当に調整する
ことによって、内部と上下面とが同一の昇温速度を得る
ことが可能となる。この結果、積層体の半径方向の周囲
に誘導加熱コイルを配置した従来の加硫装置で積層体を
加熱した場合のように、積層体の最上層や最下層が中間
層よりも過剰に加熱されることによる不具合を防止する
ことができる。
【0038】請求項2の発明は、請求項1記載の加硫装
置であって、前記モールドには、該モールドの温度を任
意の温度となるように制御可能な温調装置が設けられて
いる構成である。上記の構成によれば、誘導加熱コイル
の磁束による誘導加熱とモールドの温度とを制御するこ
とによって、積層体の積層方向の温度分布を細かく調整
することが可能になり、結果として積層体を積層方向に
おいてより均等に加熱することができる。
【0039】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の加硫装置であって、前記誘導加熱コイルは、前記磁束
を発生させる交流電流の通電領域が拡縮可能にされてい
る構成である。上記の構成によれば、加熱対象となる積
層体のサイズや形状に対応して通電領域を設定すること
ができるため、1台の加硫装置で多種類の積層体を高い
効率で加熱することができる。
【0040】請求項4の発明は、請求項3記載の加硫装
置であって、前記誘導加熱コイルは、中心側から外周側
まで一体的に形成されており、中心側の端部に共通端子
が設けられていると共に、中心側から半径方向に複数の
入出力端子が設けられている構成である。上記の構成に
よれば、入出力端子の数量や配設位置を変更することに
よって、任意の大きの通電領域を容易に設定および変更
することができる。
【0041】請求項5の発明は、請求項3記載の加硫装
置であって、前記誘導加熱コイルは、中心側から外周側
までが複数のコイル部材を組み合わせることで形成され
ている構成である。上記の構成によれば、コイル部材の
組み合わせ数を変更することにより各種サイズの誘導加
熱コイルを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中型サイズの積層体を加熱する状態を示す加硫
装置の説明図である。
【図2】大型サイズの積層体を加熱する状態を示す加硫
装置の説明図である。
【図3】入出力端子の配置を示す説明図である。
【図4】磁束の状態をシミュレーションにより示した説
明図である。
【図5】積層方向の昇温状態を示すグラフである。
【図6】従来の積層方向の昇温状態を示すグラフであ
る。
【図7】加硫装置の概略構成を示すものであり、(a)
は分解斜視図、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1 積層体 1a 貫通穴 2 モールド 3 上側誘導加熱コイル 3a コイル面 4 下側誘導加熱コイル 4a コイル面 5 電源装置 6 内部鋼板 7 未加硫ゴム 8 連結鋼板 11 下モールド部 12 中間モールド部 13 上モールド部 14 棒状部材 15 導線 16a 共通端子 16b〜16d 第1〜第3入出力端子 18 磁気シールド板 21a〜21c コイル部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 好徳 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 足立 成人 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 崎山 和彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 Fターム(参考) 4F202 AG03 AH47 AR06 CA27 CB01 CN01 CN20 4F203 AA45 AA46 AG03 AH47 AK11 DA11 DB01 DC01 DC15 DF01 DF15 DK01 DL15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加硫ゴムと磁性板とを交互に積層した
    積層体に対して磁束を貫通させることによって、前記磁
    性板を誘導加熱により発熱させて前記積層体を加熱する
    加硫装置において、 前記積層体を収納するモールドと、 前記モールドに収納された積層体の積層方向の上方およ
    び下方にそれぞれ配置され、コイル面が前記積層体の上
    面および下面に対向されたパンケーキ型コイルからなる
    誘導加熱コイルを備えていることを特徴とする加硫装
    置。
  2. 【請求項2】 前記モールドには、該モールドの温度を
    任意の温度となるように制御可能な温調装置が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の加硫装置。
  3. 【請求項3】 前記誘導加熱コイルは、前記磁束を発生
    させる交流電流の通電領域が拡縮可能にされていること
    を特徴とする請求項1または2記載の加硫装置。
  4. 【請求項4】 前記誘導加熱コイルは、 中心側から外周側まで一体的に形成されており、 中心側の端部に共通端子が設けられていると共に、中心
    側から半径方向に複数の入出力端子が設けられているこ
    とを特徴とする請求項3記載の加硫装置。
  5. 【請求項5】 前記誘導加熱コイルは、 中心側から外周側までが複数のコイル部材を組み合わせ
    ることで形成されていることを特徴とする請求項3記載
    の加硫装置。
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