JP2001179682A - 切断用丸刃、切断用工具及び切断装置 - Google Patents

切断用丸刃、切断用工具及び切断装置

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JP2001179682A
JP2001179682A JP36868599A JP36868599A JP2001179682A JP 2001179682 A JP2001179682 A JP 2001179682A JP 36868599 A JP36868599 A JP 36868599A JP 36868599 A JP36868599 A JP 36868599A JP 2001179682 A JP2001179682 A JP 2001179682A
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cut
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Nobuyuki Iwano
信行 岩野
Tadakatsu Matsunaga
忠勝 松永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄く表面の平滑な磁気テープのようなフィル
ム状の帯状物を切断するときに、その切断面にハイエッ
ヂ不良及び片伸び不良が生じることはなく、切断部にお
けるテープエッヂ切れが良好でかつ低コストの切断用丸
刃、切断用工具及び切断装置を提供する。 【解決手段】 この切断用丸刃1,2は超硬合金からな
り、その切断外周面6,7の最大粗さ(Rt)が0.3
〜1.4μmの範囲内にある。また、切断用工具はこれ
らの上刃1と下刃2との組み合わせから構成され、上刃
と下刃との噛み合わせ深さLが100〜300μmの範
囲内にあり、上刃の下刃に対する側圧が9.5〜16.
0Nである。また、切断装置はこの切断用工具を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気テープ等のフィ
ルム状の連続帯状物の切断に用いて好適な切断用丸刃、
切断用工具及び切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気テープ等の比較的薄いフィル
ム状の帯状物を切断する際に、一対の丸刃からなる上刃
と下刃とを組み合わせた切断用工具を用いたシアーカッ
ト(せん断切り)方式を採用している。この場合、上刃
と下刃の切断面はその表面粗さが最大粗さ(Rt)で
0.1μm以下の鏡面仕上げに形成されているのが通例
であった。一方、特開平1−321196号公報には、
互いに刃先を対向させた一対のリング状刃物のうち少な
くとも一方に人工ダイヤモンド被膜または硬質炭素皮膜
を形成し、その被膜の表面粗さを2S以下に設定するこ
とにより、被切断材の刃先への溶着を防止できるとして
いる。
【0003】従来の切断用丸刃の切断外周面を最大粗さ
(Rt)で0.1μm以下の鏡面仕上げとしたものによ
れば、従来の磁気テープのように全厚が10μm以上と
厚い場合には問題なく切断を行うことができた。
【0004】ところで、近年、磁気記録媒体には益々、
高記録密度化、小型化が要求されており、これに伴い媒
体の平滑化及び薄膜化が一層要求されている。磁気記録
媒体の磁性層表面の平滑化は、Co系合金、Fe系合金
またはCo−Ni系合金等の強磁性材料の磁性層を真空
蒸着法等により非磁性支持体の上に直接または下地層を
介して蒸着することにより形成し、その上にプラズマ重
合により保護膜を設け、更に保護膜上に潤滑剤層を設け
ることにより実現している。また、小型でありながら大
容量を得るために磁気記録媒体の全体厚さが8μm以下
の薄膜に形成されている。このように表面が平滑であり
薄膜タイプの強磁性合金磁性層を有する磁気記録媒体が
主に民生用のビデオカメラ用として実用化されており、
例えばDVC−MEテープとして市販されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
薄く表面の平滑な合金磁性層を有する磁気テープの製造
時の切断において、上述のような鏡面仕上げの丸刃から
なる切断用工具を用いた場合、ハイエッヂ、片伸びとい
う問題が生じることがあった。即ち、ハイエッヂとは、
図5(a)のように切断後の磁気テープをパンケーキ状
に巻回したとき、図5(b)のように切断面のエッジが
盛り上がることをいい、この状態で磁気テープを保存す
ると局部的に磁気テープが永久変形してしまい、また、
片伸びとは、図5(c)のようにエッジがいわゆるワカ
メ状に変形することをいう。これらの不具合の生じたパ
ンケーキ状磁気テープは廃棄処分され、磁気テープの製
造の歩留まりが低下してしまう。また、丸刃の切断性能
(切れ味)が悪い場合や上刃と下刃との組み合わせ状態
が適切でない場合には、磁気テープの切断部に沿って微
視的に凹凸ができる切り口不良が生じる場合があり、磁
気テープの品質が低下してしまう。
【0006】また、特開平1−321196号公報のよ
うな硬質合金製リング状刃物の表面に人工ダイヤモンド
の被膜を形成する方法では被膜形成に多大なコストがか
かり、その結果、切断用工具が高価になってしまうとい
う問題があった。
【0007】本発明は、上述のような従来技術の問題に
鑑み、薄く表面の平滑な磁気テープのようなフィルム状
の帯状物を切断するときに、その切断面にハイエッヂ不
良及び片伸び不良が生じることはなく、切断部における
切り口状態が良好でかつ低コストの切断用丸刃、切断用
工具及び切断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するする
ために、本発明者らが鋭意研究した結果、中心線平均粗
さ(Ra)が4nm以下のように表面が平滑でかつ薄い
磁気テープのようなフィルム状の帯状物を切断する場
合、従来のように丸刃の切断外周面が鏡面仕上げである
と、却ってハイエッジ等の不具合が生じ易くなり、丸刃
の切断外周面がある範囲内で粗く形成されている方がハ
イエッジ不良防止には良好であること、更にこの丸刃を
上刃と下刃として一対組み合わせて切断工具を構成する
場合、上刃と下刃との噛み合わせ深さ及び上刃の下刃に
対する側圧をそれぞれ適正な範囲にすることによりハイ
エッヂ不良及び片伸び不良が生じることはなくかつ切断
部における切り口状態が良好になることが判明し、本発
明に至ったものである。
【0009】即ち、本発明の切断用丸刃は、超硬合金か
らなり、その切断外周面の最大粗さ(Rt)が0.3〜
1.4μmの範囲内にあることを特徴とする。
【0010】この切断用丸刃によれば、薄く表面の平滑
な帯状物を切断する場合、切断外周面の最大粗さ(R
t)が0.3μm以上であると、ハイエッジ不良が生じ
難くなり、また1.4μm以下であると、切り口不良が
発生し難くなる。また、切断用丸刃を超硬合金から構成
するから、比較的安価に製造でき、コスト的にも有利と
なる。なお、この切断用丸刃により切断するのに適した
被切断物は磁気テープのような表面が中心線平均粗さ
(Ra)が4nm以下のように比較的平滑であり比較的
薄いフィルム状の帯状物である。また、切断外周面の最
大粗さ(Rt)は、好ましくは0.4〜1.0μmの範
囲内であり、更に好ましくは0.6〜1.0μmの範囲
内であり、上述の効果を一層得ることができる。なお、
最大粗さ(Rt)とは、JISB0601に定義されて
いる粗さ曲線の測定長さ内における最大の山と最深の谷
との距離を表すものである。
【0011】また、本発明の切断用工具は、一対の丸刃
である上刃と下刃との組み合わせから構成された切断用
工具であって、前記上刃及び前記下刃の少なくとも一方
の切断外周面の最大粗さ(Rt)が0.3〜1.4μm
の範囲内にあり、前記上刃と前記下刃との噛み合わせ深
さが100〜300μmの範囲内にあり、前記上刃の前
記下刃に対する側圧が9.5〜16.0Nであることを
特徴とする。
【0012】この切断用工具によれば、上述のような丸
刃を上刃と下刃として組み合わせた場合に、上述のよう
に切断外周面の最大粗さ(Rt)が0.3μm以上であ
ると、ハイエッジ不良が生じ難くなり、また1.4μm
以下であると、切り口不良が発生し難くなることに加え
て、両者の噛み合わせ深さが100μm以上であると、
上刃が下刃に乗り上げる不具合が発生し難く、300μ
m以下であると、片伸び不良が発生し難くなる。更に、
上刃をその側面から下刃の側面に対し押し付ける際にそ
の側圧が9.5N以上であると、上刃と下刃との間のク
リアランスを極小にでき切断が良好に行われ、16.0
N以下であると、刃の欠けの不具合が生じ難くなる。ま
た、上刃と下刃とはそれぞれ回転軸に支持され回転可能
とされる。
【0013】この場合、前記上刃の前記下刃に対する側
圧を前記上刃の前記下刃に対する移動量により規定する
ことにより、上刃の下刃に対する側圧を容易に設定する
ことが可能となる。
【0014】また、前記上刃及び前記下刃の少なくとも
一方が超硬合金からなることにより、下刃と上刃とを比
較的安価に製造できるので、コスト的に有利となる。
【0015】また、前記上刃及び前記下刃を複数並列し
て配置することにより、比較的幅広の被切断物を切断す
ることができ、効率よく切断工程を行うことが可能とな
る。
【0016】また、本発明の切断装置は、上述のような
切断用工具と、前記上刃と前記下刃とを回転させる回転
機構と、前記切断用工具に対し被切断物の帯状物を供給
する供給手段と、切断後の帯状物を巻き取る巻き取り手
段とを具備する。
【0017】この切断装置によれば、薄く表面の平滑な
磁気テープのようなフィルム状の帯状物を切断するとき
に、ハイエッヂ不良及び片伸び不良が生じることはな
く、更に切り口状態が良好でかつ低コストの切断装置を
実現できる。また、切断装置により切断された磁気テー
プ等に不具合が生じないので、切断による製造の歩留ま
りが向上する。
【0018】また、上述の切断装置は、前記帯状物が平
滑面を有し、切断時に前記平滑面に前記最大粗さが0.
3〜1.4μmの範囲内の切断外周面を有する前記上刃
または前記下刃が少なくとも当たるように構成されるこ
とにより、上述の効果を発揮することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態を示す上刃と下刃とを組み合わせた切断用工具を示す
要部断面図(a)及び寸法関係を示した同じく要部断面
図(b)、図2は図1の上刃と下刃とを複数組み合わせ
た切断用工具を示す正面図(a)及び側面図(b)、図
3は図1の一部を拡大した拡大断面図である。
【0020】図1,図2に示すように、本実施の形態の
切断用工具10は、丸刃である複数の上刃1と、同じく
丸刃である複数の下刃2とを備え、複数の上刃1は回転
軸8に回転可能に同心円的にかつ軸方向に一定間隔で支
持され、下刃2は回転軸9に回転可能に同心円的にかつ
軸方向に一定間隔で支持されている。
【0021】図3に示すように、丸刃である上刃1は、
タングステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合
金からなる丸刃から構成され、その切断外周面6は最大
粗さ(Rt)で0.3〜1.4μmの範囲内に形成され
ている。同様に、丸刃である下刃2は、タングステンカ
ーバイド(WC)を主成分とする超硬合金からなる丸刃
から構成され、その切断外周面7は最大粗さ(Rt)で
0.3〜1.4μmの範囲内に形成されている。
【0022】上述のように、上刃1及び下刃2を構成す
る材料には、抗折力と硬度が要求され、WC−Co系超
硬合金等が好ましいが、この場合、WC粒子が脱落して
も良好な切断性を維持するために粒子サイズは例えば1
μm以下のように小さくすることが望ましい。また、切
断外周面6,7は、例えば砥石による研削加工を用いて
砥石の砥粒の粒度等を調整することにより所定の最大粗
さ(Rt)に形成できる。また、切断外周面6,7の最
大粗さ(Rt)は共に好ましくは0.4〜1.0μm、
さらに好ましくは0.6〜1.0μmである。
【0023】図1(a)に示すように、磁気テープ4は
比較的表面の粗いバックコート面4aと、比較的表面が
平滑な磁性層面4bとを有し、平滑な表面の磁性層面4
bが下刃2の切断外周面7に接するように上刃1と下刃
2との間に送り込まれる。この場合、少なくとも平滑な
表面の磁性層面4bに接する下刃2の切断外周面7の最
大粗さ(Rt)が0.3〜1.4μmの範囲内に形成さ
れていればよく、上刃1の切断外周面6がこの所定範囲
内に形成されていれば更によい。なお、磁気テープ4が
平滑な表面の磁性層面4bが上刃1の切断外周面6に接
するように配置されている場合には、少なくとも上刃1
の切断外周面6の最大粗さ(Rt)が上述の所定範囲内
に形成されていればよい。
【0024】また、図1、図2に示すように、上刃1の
切断外周面6が下刃2の噛み込み空洞2a内に入り込ん
で上刃1と下刃2とが噛み合わされている。図1
(b)、図2(a)に示すように、上刃1の噛み込み空
洞2a内における先端部と下刃2の上刃に1に対する先
端部との距離である噛み合わせ深さLは100〜300
μmの範囲内に設定されている。被切断物である連続帯
状物の磁気テープ原反11aが図2(a)のように上刃
1と下刃2との間に送り込まれて複数の磁気テープ4に
切断される。
【0025】また、上刃1の側面3aには皿ばね3が上
刃1を下刃2に対し押し付けるように配置されており、
皿ばね3が上刃1を下刃2に対して側圧を加えている。
上刃1と下刃2とを組み立てる際に、上刃1が下刃2に
基準線mで接触し、スラスト方向Sに所定の側圧で押し
付けられる。これらの側圧の合計の側圧Wについての適
正な範囲は、9.5〜16.0Nであり、一定強度の皿
ばねを用いている場合に、図2(b)のように、下刃2
の基準線mに対する上刃1の中心軸nにおける移動量P
により規定することができる。この場合、上刃1の移動
量Pを30〜150μmの範囲内に設定した。なお、皿
ばねの強度が変われば、それに応じて移動量Pを調整
し、側圧Wを9.5〜16.0Nの範囲内にすればよ
い。また、側圧Wの範囲は、より好ましくは、11.2
〜15.0Nである。
【0026】次に、図4により、上述のような切断用工
具10を備えた切断装置(スリッタ)について説明す
る。図4の切断装置(スリッタ)は、上述の切断用工具
10と、連続帯状物であるフィルム状の磁気テープ原反
11aを巻回した原反ロール11と、原反ロール11か
ら切断用工具10へ磁気テープ原反11aを供給する多
数のローラ等からなる供給部12と、磁気テープ原反1
1aが切断用工具10で裁断されて複数の磁気テープ4
に分離し複数の巻き取り経路13a,13bを経由して
巻き取りリール14,15に巻き取られるように構成さ
れた巻取部13とを備える。なお、巻き取り経路及び巻
き取りリールは、磁気テープ原反11aから切断される
磁気テープの本数に対応して設置することができる。
【0027】切断用工具10の回転軸8,9はモータ
(図示省略)等からなる回転機構により同期して駆動さ
れ、上刃1と下刃2との刃先の速度は、供給部12から
切断用工具10に送り込まれる磁気テープ原反11aの
送り速度と略同等となるようにされている。
【0028】図4の切断装置(スリッタ)の動作を説明
すると、まず、磁気テープ原反11aを巻回した原反ロ
ール11から供給部12の多数のローラを通して切断用
工具10へと送り込み、図2(b)のように、上刃1と
下刃2との間で磁気テープ原反11aを複数の磁気テー
プ4に切断し分離する。切断された複数の磁気テープ4
は、各巻き取り経路13a,13bを通って各巻き取り
リール14,15にパンケーキ状に巻き取られる。
【0029】上述の本実施の形態による切断用工具及び
切断装置によれば、上・下1対の超硬合金製の丸刃によ
って形成された上刃1と下刃2の各切断外周面6,7の
表面粗さが最大粗さ(Rt)で共に0.3μm〜1.4
μmであり、上刃と下刃との噛み合わせ深さLが100
〜300μmであり、上刃1の側圧が上刃1の移動量P
で30〜150μmとなるように構成することにより被
切断物であるフィルム状の帯状物の切断時におけるハイ
エッヂ不良及び片伸び不良を改善できるとともに、切り
口状態を良好にすることができる。また、丸刃を超硬合
金で作製するから、ダイヤモンドのような硬質被膜を形
成する必要がなく、丸刃の製造コストも低く抑えること
ができ、コスト的にも有利である。
【0030】
【実施例】次に、実施例により上述の実施の形態を更に
具体的に説明する。まず、被切断物としての帯状物であ
るフィルム状の磁気テープ原反を次のようにして作製し
た。
【0031】厚さ6.5μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート(PET)を非磁性支持体として、その一
方の面にコバルト(Co)を主体とする合金を真空中で
斜め蒸着することにより厚さ0.2μmのCo系強磁性
金属薄膜を形成した。この強磁性金属薄膜上にプラズマ
CVD法により厚さ10nmの硬質炭素膜を形成した。
更に、この硬質炭素膜の上にフッ素系の潤滑剤を塗布
し、潤滑膜を形成した。また、金属薄膜を形成した側と
反対の非磁性支持体の他方の面に、主としてカーボンブ
ラックと結合剤と溶剤とからなるバックコート塗料を塗
布し、乾燥し、乾燥厚さ0.5μmのバックコート膜を
形成した。このようにして得られたDVCテープである
磁気テープの金属薄膜の磁性層面(図1(a)の符号4
b)の表面粗さ(Ra)は3nmであり、バックコート
面(図1(a)の符号4a)の表面粗さ(Ra)は17
nmであった。
【0032】上述の磁気テープ原反を次の表1に示す切
断条件で、図4に示す切断装置により、テープ幅6.3
5mmの磁気テープに裁断し、各巻き取りリールにパン
ケーキ状に巻き取った。
【0033】 表1(切断条件) 切断部張力 29.4N/m幅 切断速度 100m/min 帯状物の幅 100mm 帯状物の厚さ 6.5μm
【0034】以上の切断条件の下で、図1に示すような
上刃1と下刃2との噛み合わせ深さL、皿ばね3による
側圧と上刃1の移動量Pによる側圧との合計である上刃
1の側圧W、上刃1及び下刃2の切断外周面6,7の最
大粗さ(Rt)をそれぞれ変え、実施例と比較例として
切断後のテープ外観形状及び切り口状態を観察した結果
を表2に示す。なお、皿ばね3はすべて同一のものを用
いた。また、上刃1の移動量Pは、図1(b)のスラス
ト方向Sへの移動量Pを電気マイクロメータで測定し
た。また、最大粗さ(Rt)の測定は、(株)東京精密
製のハンディサーフE−30Aを用い、以下の条件で行
った。 触針先端:ダイヤモンド90゜円錐 測定圧力:0.4gf以下
【0035】次に、上刃1の側圧Wの測定法について図
6により説明する。測定台25上のホルダ21の上で上
刃1に皿ばね3を組み合わせた状態とし、上刃1と皿ば
ね3とをねじ付き締め付け治具22によりホルダ21に
固定する。次に、テンションゲージ23の先端23aを
図6のように上刃1の側面1aに当て、図の下方に押し
ていく。このとき、先端24aを上刃1の側面1aに当
てた電気マイクロメータ24により、テンションゲージ
の先端23aが側面1aに当たった点からのテンション
ゲージの先端23aの移動量(P)を測定する。テンシ
ョンゲージ23には移動量に応じた荷重が表示されるの
で、この読み取り値が側圧Wである。このように、テン
ションゲージ23を下降させながら電気マイクロメータ
24の値(移動量Pに相当する)を確認し、そのときの
荷重をテンションゲージ23で測定することにより、上
刃1の側圧Wを測定する。
【0036】
【表2】
【0037】上述の表2における評価方法は次の通りで
ある。 (1)テープ外観形状
【0038】切断後にパンケーキ状に巻回した磁気テー
プの外周片側端面付近に突起が目視で認められるものを
ハイエッヂがあるものとした(図5(b)参照)。ま
た、切断後のパンケーキ状の磁気テープを解いてから、
テープのエッヂ部を目視で観察しワカメ状に変形してい
るものを片伸びがあるものとした。ハイエッヂ及び片伸
びがなく良好のものを◎,わずかにハイエッヂと片伸び
があるが実用上問題がなく良いものを○,ハイエッヂま
たは片伸びがあり実用上不適のものを×と評価した。
【0039】(2)切り口状態
【0040】切断後のパンケーキ状の磁気テープの外周
から1000mの部分について10m毎に両エッヂを光
学顕微鏡400倍で観察した。1つの観察中に1か所で
も凹凸が認められるものを凹凸有りとしその数が観察し
た数の1%以内であり良好のものを◎、1〜5%を○
(実用上問題なく良い)、5%より多いものを×(実用
上不適)と評価した。また、切断そのものに問題が発生
し、隣り合ったテープ同士が一部つながった状態になっ
てしまうものを切れ不良と表示した。
【0041】表2の実施例の実験2〜8と比較例の実験
1,9との結果から分かるように、上刃1と下刃2の切
断外周面6,7の表面粗さが最大粗さ(Rt)で共に
0.3μm〜1.4μmであると、テープ外観形状が良
好または実用上問題なく良い、の評価であり、かつ切り
口状態も良好または実用上問題なく良い、の評価であっ
た。これに対し、切断外周面6,7の表面の最大粗さ
(Rt)が0.2μmであると、ハイエッヂが発生し易
くなる一方、1.5μmであると、切り口状態が悪化す
ることが分かる。
【0042】また、上述の各結果に加えて、実施例の実
験10,11と比較例の実験12,13との結果から分
かるように、上刃と下刃との噛み合わせ深さLが100
〜300μmであると、テープ外観形状及び切り口状態
がともに良好または実用上問題なく良い、の評価であっ
た。これに対し、切断外周面6,7の表面の最大粗さ
(Rt)が上記範囲内であっても、噛み合わせ深さLが
80μmのように小さいと、切断する際テープの抵抗に
より上刃が逃げるようになり、切れが不良となって隣り
合ったテープ同士がつながった部分が発生した。また噛
み合わせ深さLが320μmのように大きいと、片伸び
が発生した。
【0043】更に、上述の各結果に加えて、実施例の実
験15,17と比較例の実験14,16との結果から分
かるように、上刃の側圧Wが9.3Nと小さいと、切断
する際テープの抵抗により上刃が逃げるようになり、切
れが不良となって隣り合ったテープ同士がつながった部
分が発生した。また、上刃の側圧Wが16.4Nと大き
くなると、上刃に刃欠けが生じてしまった。このよう
に、上刃の側圧が9.5〜16.0Nの範囲内になるよ
うにすることにより、テープ外観形状及び切り口状態が
ともに良好または実用上問題なく良い、の評価であっ
た。なお、上刃1の側圧の範囲は好ましくは11.2〜
15.0Nである。
【0044】以上のように本発明を実施の形態及び実施
例により説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が
可能である。例えば、上刃の下刃に対する側圧は上刃の
移動量で規定したが、これに限らず、加える荷重や圧力
で規定してもよく、また、上刃の移動量は上刃のサイズ
等により適宜その好ましい範囲を設定することができ
る。また、被切断物は、磁気テープに限定されず、他の
フィルム状の薄い物であってよいことは勿論である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、薄く表面の平滑な磁気
テープのようなフィルム状の帯状物を切断するときに、
その切断面にハイエッヂ不良及び片伸び不良が生じるこ
とはなく、切断部におけるテープエッヂ切れが良好でか
つ低コストである切断用丸刃、切断用工具及び切断装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す上刃と下刃とを組み
合わせた切断用工具を示す要部断面図(a)及び寸法関
係を示した同じく要部断面図(b)である。
【図2】図1の上刃と下刃とを複数組み合わせた切断用
工具を示す正面図(a)及び側面図(b)である。
【図3】図1の一部を拡大した拡大断面図である。
【図4】図1〜図3の切断用工具を配置した切断装置を
概略的に示す側面図である。
【図5】従来技術の問題を説明するための図であって、
磁気テープをパンケーキ状に巻回した状態を示す斜視図
(a)、ハイエッジ不良を説明するために磁気テープの
幅断面を示す断面図(b)及び片伸び不良を説明するた
めの同様の断面図(c)である。
【図6】本発明の実施例における上刃の側圧の測定法を
示す図である。
【符号の説明】
1 上刃(丸刃) 2 下刃(丸刃) 3 皿ばね 4 磁気テープ 4a バックコート面 4b 磁気層面(平滑面) 6 上刃の切断外周面 7 下刃の切断外周面 8,9 回転軸 10 切断用工具 11 原反リール 11a 磁気テープ原反 12 供給部 13 巻取部 14,15 巻き取りリール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金からなり、その切断外周面の最
    大粗さが0.3〜1.4μmの範囲内にあることを特徴
    とする切断用丸刃。
  2. 【請求項2】 一対の丸刃である上刃と下刃との組み合
    わせから構成された切断用工具であって、 前記上刃及び下刃の少なくとも一方の切断外周面の最大
    粗さが0.3〜1.4μmの範囲内にあり、 前記上刃と前記下刃との噛み合わせ深さが100〜30
    0μmの範囲内にあり、 前記上刃の前記下刃に対する側圧が9.5〜16.0N
    であることを特徴とする切断用工具。
  3. 【請求項3】 前記上刃の前記下刃に対する側圧が前記
    上刃の前記下刃に対する移動量により規定されている請
    求項2に記載の切断用工具。
  4. 【請求項4】 前記上刃及び前記下刃の少なくとも一方
    が超硬合金からなる請求項2または3に記載の切断用工
    具。
  5. 【請求項5】 前記上刃及び前記下刃を複数並列して配
    置した請求項2,3または4に記載の切断用工具。
  6. 【請求項6】 請求項2,3,4または5に記載の切断
    用工具と、 前記上刃と前記下刃とを回転させる回転機構と、 前記切断用工具に対し被切断物の帯状物を供給する供給
    手段と、 切断後の帯状物を巻き取る巻き取り手段と、を具備する
    切断装置。
  7. 【請求項7】 前記帯状物が平滑面を有し、切断時に前
    記平滑面に前記最大粗さが0.3〜1.4μmの範囲内
    の切断外周面を有する前記上刃または前記下刃が少なく
    とも当たるように構成された請求項6に記載の切断装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020131422A (ja) * 2019-02-12 2020-08-31 デクセリアルズ株式会社 刃及び刃の製造方法
JP2021100781A (ja) * 2017-03-28 2021-07-08 トヨタ自動車株式会社 回転刃

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