JP2001179305A - シャドウマスク用原板の製造方法 - Google Patents

シャドウマスク用原板の製造方法

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JP2001179305A
JP2001179305A JP2000383567A JP2000383567A JP2001179305A JP 2001179305 A JP2001179305 A JP 2001179305A JP 2000383567 A JP2000383567 A JP 2000383567A JP 2000383567 A JP2000383567 A JP 2000383567A JP 2001179305 A JP2001179305 A JP 2001179305A
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etching
manufacturing
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Fumio Mori
二美男 盛
Hirozo Sugai
普三 菅井
Toshihiro Maki
利広 牧
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング加工により開孔マトリックスを形
成した際に、孔径や孔形状にばらつきが発生することを
防止でき、かつエッチング後の焼鈍工程においても焼き
付きを生じない高品位のシャドウマスク用原板の製造方
法。 【解決手段】 所望組成となるように成分金属を所定量
配合した後溶解し、鋳造して得られた合金塊を所定厚さ
の原板とするシャドウマスク用原板の製造方法におい
て、最終圧延工程としてダル加工により原板表面にダル
ロール表面の凹凸を転写する加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシャドウマスク用原
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー受像管の蛍光面の直前に
は、所定の設計基準に基づいてマトリックス状に穿設さ
れた、多数の開孔を有するシャドウマスクが配設されて
いる。そして、カラー受像管に対する高精細度化の要求
に伴い、このようなシャドウマスクにおいても高精密化
が要求され、その要求は年々厳しさを増している。
【0003】通常、後方の電子銃から射出された電子ビ
ームは、シャドウマスクの開孔を透過して蛍光面におけ
る所定位置の蛍光ドットを照射し、そこにカラー画像を
現出させるが、このとき射出された電子ビームの全てが
開孔を通過するわけではなく、開孔を通過する電子ビー
ムは全体の約1/3以下であり、残りの電子ビームはシ
ャドウマスクを直撃してこれを加熱する。その結果、シ
ャドウマスクは熱膨張して開孔の位置が設計基準からず
れて変位するため、蛍光面における色ずれ現象を招くこ
とがある。そのため最近では、低熱膨張特性を備えたN
i−Fe系合金、例えば36mass%Ni−Fe合金
(アンバー合金)でシャドウマスク自体を構成し、色ず
れ現象を防止することが試みられている。
【0004】ところで、このようなNi−Fe系合金か
らシャドウマスクを製造する場合、まずは所定の合金組
成に調整され溶解鋳造された素材塊に、常法により鍛
造、圧延、焼鈍等の各処理を施して所定の厚さにし、か
つ必要な幅寸法にスリットして原板とする。次いで、こ
の原板の開孔位置をエッチングして、所定形状の電子ビ
ーム透過孔をマトリックス状に穿設する。エッチング方
法としては、まず原板にフォトレジストを塗布、乾燥
し、レジスト膜を形成した後、シャドウマスクのパター
ンを焼き付けたワーキングネガ(ネガ)を、レジスト膜
を設けた板上に配置し、真空引きにより密着させる。次
いで、水銀ランプ等により光(UV光)を照射してレジ
ストを感光させた後、現像、乾燥、焼き付けを順に行っ
てから、エッチング液で腐食して穿孔する方法が採られ
ている。さらに、こうしてエッチングが終了したシャド
ウマスクにおいては、プレス成形性を向上させるため
に、焼鈍が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Ni−Fe系合金等からなるシャドウマスク用原板で
は、エッチングにより形成された開孔(電子ビーム透過
孔)の径や形状にばらつきが発生し易く、開孔部に光を
透過させた際にむらが生じるといった難点があった。そ
のため、近年のカラー受像管における高精細度化の要求
に充分に応えることができないという問題があった。
【0006】また、一般にエッチング後の焼鈍は、原板
を複数枚重ねて行っているが、この焼鈍の際に原板に焼
き付きが生じ易いという問題もあった。
【0007】本発明は、このような従来の課題に対処す
るためになされたもので、本発明の目的は、エッチング
加工により開孔マトリックスを形成した際に、孔径や孔
形状にばらつきが発生することを防止でき、かつエッチ
ング後の焼鈍工程においても焼き付きを生じない高品位
のシャドウマスク用原板の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、上
記したエッチングむらの原因について検討を重ねた結
果、原板の表面状態が大きく影響し、その表面状態が不
適当な場合に、原板上に形成されるレジスト膜の密着性
が不充分となり、エッチング時のレジスト膜の剥離およ
びこれによるサイドエッチングが生じ、孔径や孔形状に
ばらつきが生じることを見出だした。また、原板の表面
状態が不適当な場合には、原板の表面状態がその上のレ
ジスト膜にまで影響するため、ネガを密着させるために
行っている真空引きが不充分となり、ネガと原板との間
に空隙が生じ、これが開孔精度を低下させる原因となっ
ているという知見を得た。
【0009】請求項1記載の第1の発明のシャドウマス
ク用原板の製造方法は、所望組成となるように成分金属
を所定量配合した後溶解し、鋳造して得られた合金塊を
所定厚さの原板とするシャドウマスク用原板の製造方法
において、最終圧延工程としてダル加工により原板表面
にダルロール表面の凹凸を転写する加工を施す工程を有
することを特徴とする。
【0010】また請求項2記載の第2の発明のシャドウ
マスク用原板の製造方法は、所望組成となるように成分
金属を所定量配合した後溶解し、鋳造して得られた合金
塊を所定厚さの原板とするシャドウマスク用原板の製造
方法において、前記合金塊に熱間圧延、冷間圧延、焼鈍
を順次行い、その後最終圧延としてダル加工により原板
表面にダルロール表面の凹凸を転写する加工を施すこと
を特徴とする。
【0011】本発明のシャドウマスク用原板を構成する
合金は、特に限定されるものではなく、各種合金を適用
することが可能であり、例えばNi−Fe系合金、Ni
−Cr−Fe系合金、Ni−Co−Fe系合金、Ni−
Co−Cr−Fe系合金等が好適である。
【0012】本発明のシャドウマスク用原板の製造方法
は、例えば次のようなものである。すなわち、まず所望
する組成となるように、Ni、Fe等の各成分金属を所
定量配合してこれを溶解し、合金塊を鋳造する。次い
で、得られた合金塊に鍛造、圧延、焼鈍等の各処理を施
して所定の厚さ(通常0.1mm〜0.3mm)の原板
とするが、最終圧延工程で、以下に示すようなダル加工
を施す。すなわち、ロール表面が任意の表面状態とされ
た圧延ロールを使用して仕上げを行い、原板表面にロー
ル表面の凹凸を転写する。
【0013】これにより、本発明の製造方法により得ら
れるシャドウマスク用原板は、その表面の表面粗さを、
JIS B 0601による算術平均粗さRaを0.3
μmを超えて1μm以下、凹凸の平均間隔Sm(基準長
さ内での断面曲線の平均線上に突出した凸部の間隔の平
均値)を100μm以下、凸部の平均傾斜角Δq(粗さ
曲線の二乗平均傾斜角)を2度以上10度以下、および
相対性スキューネスRskの値を正、と適正な値とする
ことができる。
【0014】Raが0.3μm以下では、原板に対する
レジスト膜の密着性が弱すぎるため、サイドエッチング
が進み過ぎて、孔径および孔形状に乱れが生じ、逆にR
aが1μmを超えた場合には、レジスト膜の密着性が強
すぎるため、現像後、穿孔されるべき部分にもレジスト
が残存することがあるためである。
【0015】またSmが100μmを超えた場合には、
局部的にレジスト膜の密着性が弱くなり、その部分でサ
イドエッチングが過度に進むため、孔形状が乱れるため
である。Smが適度に小さい場合には、レジスト膜の密
着性が孔のどの部分でも均一となり、孔形状に乱れが生
じない。特に、高温でエッチングする場合や孔径が小さ
い高精度マスクを製造する場合には、Smを50μm以
下とすることが望ましい。
【0016】さらに凸部の傾斜角Δqが2度未満では、
レジスト膜の密着性が弱すぎるため、サイドエッチング
が進みすぎて孔径および孔形状の乱れが生じ、逆にΔq
が10度を超えた場合には、レジスト膜の密着性が強す
ぎるため、現像後、穿孔されるべき部分にもレジストが
残存することがあるためである。
【0017】また、本発明で得られるシャドウマスク用
原板においては、エッチング後の焼鈍工程における焼き
付きをより効果的に防止するために、表面粗さを示すそ
の他のパラメータである相対性スキューネスRskの値
が、正であることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】[実施例]以下、本発明の実施の
形態を実施例に基いて具体的に説明する。
【0019】実施例1〜5 まず、所定の成分からなる36mass%Ni−Fe合
金いわゆるアンバー合金を溶解し、鋳造した後、熱間圧
延、冷間圧延、焼鈍等を順に行い、厚さ0.25mmの
原板とし、最終圧延工程でダル仕上げ加工を行って、そ
れぞれ表面粗さを表1に示すように調整した。
【0020】また、本発明との比較例として、最終のダ
ル仕上げ加工を省く以外は同様にして、シャドウマスク
用原板を作製した。これらの表面粗さを併せて表1に示
す。
【0021】次に、得られた各シャドウマスク用原板の
表面の脱脂を行った後、両面に感光液を塗布してそれぞ
れレジスト膜を形成した。次いで、両面のレジスト膜上
に大小の孔パターンを有するネガを配置し、真空引きに
より密着させた後、ネガの後方から超高圧水銀ランプで
露光することにより、レジストを感光させた。その後、
現像、乾燥、焼き付け硬化を経て、塩化第二鉄溶液を使
用してエッチングを行って、電子ビーム透過孔を形成し
た。
【0022】このようにして製造されたシャドウマスク
を、暗室内で透過光により観察し、むら品位を評価し
た。その結果を表1に示す。なお、むら品位は、むらが
全くなく特に品位が良好なものをA、むらがほとんどな
く品位が良好なものをB、むらが少しあるが実用上問題
がないものをC、むらがあり実用できないものをDと表
した。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、各実施例による
シャドウマスク用原板は、表面粗さRa、表面粗さの凹
凸の平均間隔Sm、凸部の平均傾斜角Δqが適切な範囲
にあるため、むらがなく良好なシャドウマスクが得られ
ている。また、エッチング後の焼鈍工程でも焼き付きが
発生することがなかった。なお、スキューネスRskに
ついては、実施例全てにおいて正であった。
【0025】これに対して比較例の各原板は、Ra、S
m、Δqの中で、少なくとも1つのパラメータが上記適
正な値となっておらず、得られるシャドウマスクはむら
が強く実用に供し得ないものであった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャドウ
マスク用原板の製造方法によれば、適度な表面粗さのシ
ャドウマスク用原板を製造することができ、孔径や孔形
状のばらつきが小さくなり、よってむらのない高品位の
シャドウマスクを得ることができる。したがって、最終
基準に適合し、性能の優れたシャドウマスクが得られ、
近年のカラー受像管の高精細度化の要求を充分に満足さ
せることができると共に、エッチング後の焼鈍工程で焼
き付きが生じることもないので、工業的な価値は極めて
大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望組成となるように成分金属を所定量
    配合した後溶解し、鋳造して得られた合金塊を所定厚さ
    の原板とするシャドウマスク用原板の製造方法におい
    て、最終圧延工程としてダル加工により原板表面にダル
    ロール表面の凹凸を転写する加工を施す工程を有するこ
    とを特徴とするシャドウマスク用原板の製造方法。
  2. 【請求項2】 所望組成となるように成分金属を所定量
    配合した後溶解し、鋳造して得られた合金塊を所定厚さ
    の原板とするシャドウマスク用原板の製造方法におい
    て、前記合金塊に熱間圧延、冷間圧延、焼鈍を順次行
    い、その後最終圧延としてダル加工により原板表面にダ
    ルロール表面の凹凸を転写する加工を施すことを特徴と
    するシャドウマスク用原板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記所望組成はNi−Fe系合金、Ni
    −Cr−Fe系合金、Ni−Co−Fe系合金、Ni−
    Co−Cr−Fe系合金のいずれか一種である請求項1
    または2記載のシャドウマスク用原板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10146001B2 (en) 2016-05-31 2018-12-04 Lextar Electronics Corporation Lighting system
KR20190034263A (ko) * 2016-08-31 2019-04-01 히다찌긴조꾸가부시끼가이사 메탈 마스크용 소재 및 그 제조 방법

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