JP2001179212A - 灰中ダイオキシンの熱分解装置 - Google Patents

灰中ダイオキシンの熱分解装置

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JP2001179212A
JP2001179212A JP37217899A JP37217899A JP2001179212A JP 2001179212 A JP2001179212 A JP 2001179212A JP 37217899 A JP37217899 A JP 37217899A JP 37217899 A JP37217899 A JP 37217899A JP 2001179212 A JP2001179212 A JP 2001179212A
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加津也 佐々木
Toru Shimizu
徹 清水
Kazuo Nomura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 灰を効率良く所定の温度まで加熱する。ダイ
オキシンの熱分解に要する時間を短縮する。小型化を図
る。設備コストを安くする。 【解決手段】 ダイオキシンを含有する灰を受け入れる
熱分解処理槽1と、熱分解処理槽1内に入れられた複数
の塊状灰加熱媒体3と、熱分解処理槽1内に高温の媒体
加熱用ガスを送り込むガス供給装置4とを備えている。
熱分解処理槽1内に、熱分解処理槽1内に投入された灰
と灰加熱媒体3とを攪拌混合する混合装置5を設ける。
熱分解処理槽1の下端部に形成された灰出口6に、かつ
熱分解処理槽1内において灰加熱媒体3の有する熱によ
りダイオキシンが熱分解された処理済み灰と灰加熱媒体
3とを分離して処理済み灰だけを灰出口を通して槽外に
排出させる分離具7を設ける。熱分解処理槽1から排出
された処理済み灰を冷却装置8により冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ごみ焼却設備で
発生する灰、たとえば飛灰中に含まれるダイオキシンを
分解する装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】飛灰中に
含まれるダイオキシンは、飛灰を、所定の温度、たとえ
ば200〜500℃、好ましくは300〜400℃、望
ましくは350℃程度に加熱することにより熱分解する
ことが知られている。
【0003】従来、飛灰中に含まれるダイオキシンを熱
分解する装置として、金属で形成されかつ両端が閉鎖さ
れるとともに、内部全体が熱分解処理室となされた横型
円筒状の熱分解処理槽と、熱分解処理室内に設けられか
つ熱分解処理室内に投入された飛灰を攪拌する攪拌機
と、熱分解処理槽の周壁の外周に配置されかつ熱分解処
理室内の飛灰を加熱する電気ヒータとを備えたものが考
えられている。
【0004】そして、この装置では、熱分解処理室内に
不活性ガス、たとえば窒素ガスを注入して無酸素雰囲気
とし、室内に投入された飛灰を攪拌機で攪拌しつつ、電
気ヒータにより槽外から加熱することによりダイオキシ
ンを熱分解するようになっている。
【0005】しかしながら、従来の装置を用いた熱分解
方法では、槽内の飛灰を電気ヒータにより槽外から加熱
しているので加熱効率が悪く、飛灰が所定の温度、たと
えば350℃に達するまでに長い時間を要するという問
題があった。
【0006】そこで、このような問題を解決するため
に、本出願人は、先に、塊状灰加熱媒体を加熱する媒体
加熱装置と、媒体加熱装置とは別個に設けられかつ所定
温度に加熱された灰加熱媒体およびダイオキシンを含有
する灰を受け入れる熱分解処理槽と、熱分解処理槽内に
設けられかつ灰加熱媒体と灰とを攪拌混合する混合装置
と、熱分解処理槽から排出された灰加熱媒体と灰とを分
離する分離装置と、分離装置において分離された処理済
み灰を冷却する冷却装置と、分離装置で分離された灰加
熱媒体を媒体加熱装置に戻す媒体搬送装置とを備えた灰
中ダイオキシンの熱分解装置を提案した(特願平11−
253703号参照)。
【0007】しかしながら、この装置では、熱分解処理
槽、混合装置、分離装置および冷却装置の他に、熱分解
処理槽とは別個に設けられた媒体加熱装置と、分離装置
で分離された灰加熱媒体を媒体加熱装置に戻す媒体搬送
装置とを備えているので、全体として大型化するととも
に、設備コストが高くなるという問題のあることが判明
した。
【0008】この発明の目的は、上記問題を解決し、灰
を効率良く所定の温度まで加熱することができるととも
に、ダイオキシンの熱分解に要する時間を短縮すること
ができ、しかも小型化を図ることができるとともに、設
備コストが安価になる灰中ダイオキシンの熱分解装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と発明の効果】請求項1の
発明による灰中ダイオキシンの熱分解装置は、ダイオキ
シンを含有する灰を受け入れる熱分解処理槽と、熱分解
処理槽内に入れられた複数の塊状灰加熱媒体と、熱分解
処理槽内に高温の媒体加熱用ガスを送り込むガス供給装
置と、熱分解処理槽内に設けられ、かつ熱処理槽内に投
入された灰と灰加熱媒体とを攪拌混合する混合装置と、
熱分解処理槽の下端部に形成された灰出口に設けられ、
かつ熱分解処理槽内において灰加熱媒体の有する熱によ
りダイオキシンが熱分解された処理済み灰と灰加熱媒体
とを分離して処理済み灰だけを灰出口を通して槽外に排
出させる分離具と、熱分解処理槽から排出された処理済
み灰を冷却する冷却装置とを備えているものである。
【0010】請求項1の発明の灰中ダイオキシンの熱分
解装置によれば、ガス供給装置により、熱分解処理槽内
に高温の媒体加熱用ガスを送り込むことによって熱分解
処理槽内に入れられている塊状灰加熱媒体を所定温度、
たとえば350〜500℃に加熱した後、媒体加熱用ガ
スの供給を停止し、ついでダイオキシンを含有した灰を
熱分解処理槽内に投入した後混合装置により灰加熱媒体
と灰とを攪拌混合する。すると、灰が灰加熱媒体の有す
る熱により加熱され、灰中のダイオキシンが熱分解され
る。したがって、従来の装置に比べて加熱効率が飛躍的
に向上し、熱分解処理槽内に投入された灰を短時間で所
定温度まで加熱することができ、灰に含まれているダイ
オキシンの熱分解に要する時間を短縮することができ
る。さらに、ダイオキシンの熱分解処理が行われた処理
済み灰は、冷却装置により急冷されるので、処理済み灰
の安定化を図ることができる。
【0011】また、本出願人が先に提案した装置のよう
に、熱分解処理槽とは別個に設けられた媒体加熱装置
と、分離具で分離された灰加熱媒体を媒体加熱装置に戻
す媒体搬送装置とを備えていないので、装置全体として
の小型化を図ることができるとともに、設備コストを安
価にすることができる。
【0012】請求項2の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1の発明において、熱分解処理槽
内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を備えて
いるものである。この場合、ダイオキシンを含有した灰
の灰加熱媒体による加熱を、不活性ガス雰囲気中で行う
ことができ、ダイオキシンの熱分解が一層促進される。
【0013】請求項3の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1または2の発明において、灰加
熱媒体が、金属、セラミックス、砂利またはガラスによ
り形成された球状体からなるものである。ここで、金属
としては、たとえば鉄(ステンレス鋼を除く鉄系合金お
よび純鉄を意味する)、ステンレス鋼、銅(銅系合金お
よび純銅を意味する)等が用いられる。
【0014】請求項4の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項3の発明において、灰加熱媒体の
球相当径が5〜50mmとなされているものである。こ
こで、灰加熱媒体の球相当径を5〜50mmに限定した
のは、この範囲内であれば、灰と灰加熱媒体との分離性
能、および灰加熱媒体による灰加熱性能が良好になるか
らである。
【0015】請求項5の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1〜4のうちのいずれかの発明に
おいて、ガス供給装置が、熱分解装置の外部に設けられ
たガス加熱装置と、熱分解処理槽とガス加熱装置との間
で媒体加熱用ガスを循環させるガス循環装置とを備えて
いるものである。
【0016】請求項6の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明に
おいて、混合装置が、熱分解処理槽の内周面に沿って回
転するスパイラルリボン状の回転翼を備えているもので
ある。この場合、塊状灰加熱媒体は、回転翼により熱分
解処理槽の内周面に沿って掻き上げられ、その上端から
落下するので、灰加熱媒体と灰とが効率良く攪拌混合さ
れる。その結果、灰加熱媒体の灰加熱効率が一層向上す
る。
【0017】請求項7の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1〜6のうちのいずれかの発明に
おいて、分離具が、同心円上に配置された複数の径の異
なるリングを備えており、隣り合うリング間の隙間が灰
加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間隙となされている
ものである。
【0018】請求項8の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1〜6のうちのいずれかの発明に
おいて、分離具が、網状体を備えており、網状体の網目
が灰加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間隙となされて
いるものである。
【0019】請求項9の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1〜6のうちのいずれかの発明に
おいて、分離具が、格子状体を備えており、格子状体の
目が灰加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間隙となされ
ているものである。
【0020】請求項10の発明による灰中ダイオキシン
の熱分解装置は、請求項1〜6のうちのいずれかの発明
において、分離具が、ハニカム状体を備えており、ハニ
カム状体の目が灰加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間
隙となされているものである。
【0021】請求項11の発明による灰中ダイオキシン
の熱分解装置は、請求項1〜10のうちのいずれかの発
明において、熱分解処理槽の灰出口と冷却装置とが処理
済み灰排出路によりを連通させられており、熱分解処理
槽の灰出口と冷却装置との間に2つの開閉自在な通路閉
鎖部材が間隔をおいて設けられており、両通路閉鎖部材
の間の部分において処理済み灰排出路に媒体加熱用ガス
が供給されるようになされているものである。
【0022】
【発明の実施形態】以下、この発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。
【0023】図1はこの発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置の全体構成を示し、図2は熱分解処理槽を示
し、図3は分離具を示し、図4は冷却装置の攪拌兼搬送
装置を示す。
【0024】図1において、灰中ダイオキシンの熱分解
装置は、内部がダイオキシンを含有した灰を受け入れる
気密室(2)となされた熱分解処理槽(1)と、熱分解処理槽
(1)の気密室(2)内に入れられた多数の塊状灰加熱媒体
(3)と、熱分解処理槽(1)内に高温の媒体加熱用ガスを供
給するガス供給装置(4)と、熱分解処理槽(1)内に投入さ
れた灰と灰加熱媒体(3)とを混合する混合装置(5)と、熱
分解処理槽(1)の下端部に形成された灰出口(6)に設けら
れ、かつ熱分解処理槽(1)内において灰加熱媒体(3)の有
する熱によりダイオキシンが熱分解された処理済み灰と
灰加熱媒体(3)とを分離して処理済み灰だけを灰出口(6)
を通して槽(1)外に排出させる分離具(7)と、熱分解処理
槽(1)から排出された処理済み灰を急冷する冷却装置(8)
とを備えている。
【0025】図2に示すように、熱分解処理槽(1)の周
壁は、その上端部を構成する円筒状部分(1a)と、円筒状
部分(1a)の下端に連なりかつ下方に向かって縮径された
円錐状部分(1b)とよりなり、円錐状部分(1b)の下端に灰
出口(6)が形成されている。熱分解処理槽(1)の頂壁には
灰投入口(9)が形成され、灰投入口(9)に、ダイオキシン
を含有した灰を貯留しているホッパ(11)の下端開口がロ
ータリバルブ(12)を介して接続されている。熱分解処理
槽(1)の灰出口(6)に、開閉自在のスライドゲート(13)を
介して下端部がホッパ状となされた処理済み灰排出路(1
4)が接続されている。処理済み灰排出路(14)の途中に
は、スライドゲート(15)が開閉自在に設けられている。
上側のスライドゲート(13)は、下側のスライドゲート(1
5)と間隔をおいて処理済み灰排出路(14)の途中に設けら
れていてもよい。これらのスライドゲートに代えて、ダ
ンパが開閉自在に設けられていてもよい。また、熱分解
処理槽(1)に、気密室(2)内に窒素ガス、燃焼排ガス等の
不活性ガスを供給して気密室(2)内を不活性ガス雰囲気
とする不活性ガス供給装置(16)が接続されている。
【0026】灰加熱媒体(3)は、金属、セラミックス、
砂利またはガラスにより形成された球状体からなり、こ
れらのうちの1種または2種以上が熱分解処理槽(1)の
気密室(2)内に入れられている。灰加熱媒体(3)の球相当
径は5〜50mmとなされている。なお、「球」という
語には、完全な球体の他に、だ円球等の球体に近似した
形状のものも含む。
【0027】ガス供給装置(4)は、熱分解処理槽(1)の外
部に設けられたヒータ、バーナ等からなるガス加熱装置
(17)と、熱分解処理槽(1)の気密室(2)とガス加熱装置(1
7)との間で媒体加熱用ガスを循環させるガス循環装置(1
8)とを備えている。ガス循環装置(18)は、一端が熱分解
処理槽(1)の頂壁に形成されたガス出口(19)に接続され
るとともに、他端が処理済み灰排出路(14)における2つ
のスライドゲート(13)(15)間の部分に形成されたガス入
口(21)に接続されているガス循環用配管(22)を備えてお
り、ガス循環用配管(22)の途中にガス加熱装置(17)が設
けられている。また、ガス循環用配管(22)には、ガス加
熱装置(17)により加熱された高温の媒体加熱用ガスを熱
分解処理槽(1)の気密室(2)内に送り込み、気密室(2)内
において灰加熱媒体(3)の加熱に供されたガスをガス加
熱装置(17)に戻す送風機(23)と、開閉弁(24)とが設けら
れている。
【0028】図2に示すように、混合装置(5)は、熱分
解処理槽(1)の気密室(2)内に配されかつ上端部において
熱分解処理槽(1)の頂壁に回転自在に支持された垂直回
転軸(25)と、熱分解処理槽(1)の頂壁上に設置されかつ
垂直回転軸(25)をその軸線の周りに回転させる電動機(2
6)と、垂直回転軸(25)に固定されたスパイラルリボン状
回転翼(27)とよりなる。回転翼(27)の外側縁は熱分解処
理槽(1)の周壁における円錐状部分(1b)の内周面に沿う
円錐面上に位置している。回転翼(27)の外側縁と円錐状
部分(1b)の内周面との間隔は、灰加熱媒体(3)の球相当
径よりも小さくなされており、これにより回転翼(27)が
回転したさいに気密室(2)内の下端部に溜まっていた灰
加熱媒体(3)が、気密室(2)の内周面に沿って掻き上げら
れるようになっている。
【0029】図3に示すように、分離具(7)は、熱分解
処理槽(1)における灰出口(6)の周囲の部分に固定された
支持部材(28)と、同心円上にくるように支持部材(28)に
固定された複数の異径リング(29)とよりなる。支持部材
(28)は円環状枠部分(28a)と、枠部分(28a)に固定状に設
けられた十字状部分(28b)とよりなり、十字状部分(28b)
にリング(29)が固定されている。隣接するリング(29)間
の間隔は、灰加熱媒体(3)の球相当径の0.1〜0.9
倍となされており、隣接するリング(29)間の間隙が灰加
熱媒体(3)の通過を防止しうる灰通過間隙(30)となって
いる。
【0030】冷却装置(8)は、両端が閉鎖された横向き
冷却筒(31)と、冷却筒(31)の周囲に配されたウォータジ
ャケット(32)とを備えている。冷却筒(31)の周壁右端部
の上側に処理済み灰投入口(33)が形成され、ロータリバ
ルブ(34)を介して処理済み灰排出路(14)に接続されてい
る。また、冷却筒(31)の周壁左端部の下側に処理済み灰
排出口(35)が形成されている。冷却筒(31)内に、処理済
み灰投入口(33)から投入された処理済み灰を処理済み灰
排出口(35)側に送るとともに混合する搬送兼混合装置(3
6)が配置されている。搬送兼混合装置(36)は、水平回転
軸(37)に、その周方向に180度離隔した位置にある2
つの攪拌パドル(38)からなる対が、その長さ方向に間隔
をおいて複数対固着されたものである。回転軸(37)の長
さ方向に隣接する2つの対の攪拌パドル(38)は、回転軸
(37)の周方向に90度ずれた位置にある。また、図4に
示すように、各攪拌パドル(38)は、回転軸(37)を同図に
矢印で示す方向に回転させたさいに、処理済み灰を投入
口(33)から排出口(35)側に搬送しうるように、若干ねじ
られている。そして、投入口(33)から冷却筒(31)内に投
入された処理済み灰は、搬送兼混合装置(36)により排出
口(35)まで混合されつつ搬送される間に、ウォータジャ
ケット(32)内を流れる冷却水により所定温度以下に冷却
される。
【0031】上記構成の熱分解装置を用いて飛灰中のダ
イオキシンを熱分解する方法は、次の通りである。
【0032】すなわち、2つのロータリバルブ(12)(34)
および下側のスライドゲート(15)をそれぞれ閉状態とし
ておくとともに、上側のスライドゲート(13)および開閉
弁(24)をそれぞれ開状態としておき、ガス循環装置(18)
によってガス加熱装置(17)と気密室(2)との間で、たと
えば大気からなる媒体加熱用ガスを循環させることによ
り、ガス加熱装置(17)において加熱された高温の媒体加
熱ガスを気密室(2)内に送り込み、これにより灰加熱媒
体(3)を高温、たとえば350〜500℃程度に加熱す
る。ついで、不活性ガス供給装置(4)により気密室(2)内
に不活性ガスと供給して不活性ガス雰囲気とする。
【0033】ついで、スライドゲート(13)および開閉弁
(24)をそれぞれ閉じるとともに、ロータリバルブ(12)を
開いてホッパ(11)から熱分解処理槽(1)の灰投入口(9)を
通して気密室(2)内にダイオキシンを含有した飛灰を所
定量投入する。
【0034】ついで、ロータリバルブ(12)を閉じ、電動
機(26)により垂直回転軸(25)を回転させることによっ
て、灰加熱媒体(3)と飛灰とを攪拌混合し、灰加熱媒体
(3)の有する熱により飛灰を所定温度、たとえば350
℃以上に加熱する。このとき、気密室(2)内の下端部に
溜まっていた灰加熱媒体(3)は、回転翼(27)により熱分
解処理槽(1)の周壁における円錐状部分(1b)の内周面に
沿って掻き上げられて回転翼(27)の上端から落下するの
で、灰加熱媒体(3)と飛灰とが効率良く攪拌混合され、
その結果灰加熱媒体(3)による飛灰の加熱が効率良く行
われる。こうして、飛灰中のダイオキシンが熱分解され
る。ついで、上側のスライドゲート(13)を開くと、ダイ
オキシンが熱分解された処理済み飛灰と灰加熱媒体(3)
とは分離具(7)により分離され、処理済み飛灰だけが分
離具(7)の灰通過間隙(30)を通過して処理済み灰排出路
(14)内に入り、一旦下側のスライドゲート(15)上に溜ま
る。
【0035】ついで、下側のスライドゲート(15)を開く
とともにロータリバルブ(34)を開き、処理済み飛灰を所
定量ずつ投入口(33)から冷却筒(31)内に投入する。冷却
筒(31)内に投入された処理済み飛灰は、搬送兼混合装置
(36)により混合されつつ処理済み灰排出口(35)に送られ
る間に、ウォータジャケット(32)内を流れる冷却水によ
り所定温度以下、たとえば60℃以下に急冷され、その
結果処理済み飛灰の安定化が図られてダイオキシンの再
生成が防止される。その後、処理済み飛灰は排出口(35)
から排出される。
【0036】処理済み灰排出路(14)内の全ての処理済み
飛灰が冷却筒(31)内に投入された後、ロータリバルブ(3
4)および下側のスライドゲート(15)を閉じ、上述したの
と同様にして灰加熱媒体(3)を加熱する。
【0037】このような操作を繰り返して、飛灰中に含
有されたダイオキシンが順次熱分解される。
【0038】図5は分離具の変形例を示す。
【0039】図5において、分離具(40)は、熱分解処理
槽(1)における灰出口(6)の周囲の部分固定された支持部
材(41)と、支持部材(41)に張設された金網(42)(網状
体)とよりなる。支持部材(41)は円環状枠部分(41a)
と、枠部分(41a)に固定状に設けられた格子状部分(41b)
とよりなる。金網(42)の金網の網目の大きさは、灰加熱
媒体(3)の球相当径の0.1〜0.6倍となされてお
り、網目が灰加熱媒体(3)の通過を防止しうる灰通過間
隙となっている。
【0040】図6は分離具の他の変形例を示す。
【0041】図6において、分離具(45)は、熱分解処理
槽(1)における灰出口(6)の周囲の部分に固定されてお
り、円環状枠部分(45a)と、枠部分(45a)に固定状に設け
られた格子状部分(45b)とよりなる。格子状部分(45b)の
目の大きさは、灰加熱媒体(3)の球相当径の0.1〜
0.6倍となされており、目が灰加熱媒体(3)の通過を
防止しうる灰通過間隙(47)となっている。
【0042】図7は分離具のさらに他の変形例を示す。
【0043】図7において、分離具(50)は、熱分解処理
槽(1)における灰出口(6)の周囲の部分に固定されてお
り、円環状枠部分(50a)と、枠部分(50a)に固定状に設け
られた正六角形の目を有するハニカム状部分(50b)とよ
りなる。ハニカム状部分(50b)の目の対角線の長さは、
灰加熱媒体(3)の球相当径の0.1〜0.9倍となされ
ており、目が灰加熱媒体(3)の通過を防止しうる灰通過
間隙(52)となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による灰中ダイオキシンの熱分解装置
の全体構成を示す図である。
【図2】熱分解処理槽の拡大垂直断面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】冷却装置の搬送兼混合装置を示す部分拡大斜視
図である。
【図5】分離具の変形例を示す図3相当の図である。
【図6】分離具の他の変形例を示す図3相当の図であ
る。
【図7】分離具のさらに他の変形例を示す図3相当の図
である。
【符号の説明】
(1):熱分解処理槽 (3):灰加熱媒体 (4):ガス供給装置 (5):混合装置 (6):灰出口 (7)(40)(45)(50):分離具 (8):冷却装置 (16):不活性ガス供給装置 (17):ガス加熱装置 (18):ガス循環装置 (27):回転翼 (29):リング (30)(43)(47)(52):灰通過間隙 (42):金網(網状体) (45b):格子状部分(格子状体) (50b):ハニカム状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 和夫 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 岡田 利幸 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AB07 CA12 CA15 CA24 CB03 CB27 CB31 CB36 CB44 DA02 DA03 DA06 DA20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシンを含有する灰を受け入れる
    熱分解処理槽と、熱分解処理槽内に入れられた複数の塊
    状灰加熱媒体と、熱分解処理槽内に高温の媒体加熱用ガ
    スを送り込むガス供給装置と、熱分解処理槽内に設けら
    れ、かつ熱分解処理槽内に投入された灰と灰加熱媒体と
    を攪拌混合する混合装置と、熱分解処理槽の下端部に形
    成された灰出口に設けられ、かつ熱分解処理槽内におい
    て灰加熱媒体の有する熱によりダイオキシンが熱分解さ
    れた処理済み灰と灰加熱媒体とを分離して処理済み灰だ
    けを灰出口を通して槽外に排出させる分離具と、熱分解
    処理槽から排出された処理済み灰を冷却する冷却装置と
    を備えている灰中ダイオキシンの熱分解装置。
  2. 【請求項2】 熱分解処理槽内に不活性ガスを供給する
    不活性ガス供給装置を備えている請求項1記載の灰中ダ
    イオキシンの熱分解装置。
  3. 【請求項3】 灰加熱媒体が、金属、セラミックス、砂
    利またはガラスにより形成された球状体からなる請求項
    1または2記載の灰中ダイオキシンの熱分解装置。
  4. 【請求項4】 灰加熱媒体の球相当径が5〜50mmと
    なされている請求項3記載の灰中ダイオキシンの熱分解
    装置。
  5. 【請求項5】 ガス供給装置が、熱分解装置の外部に設
    けられたガス加熱装置と、熱分解処理槽とガス加熱装置
    との間で媒体加熱用ガスを循環させるガス循環装置とを
    備えている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の灰中
    ダイオキシンの熱分解装置。
  6. 【請求項6】 混合装置が、熱分解処理槽の内周面に沿
    って回転するスパイラルリボン状の回転翼を備えている
    請求項1〜5のうちのいずれかに記載の灰中ダイオキシ
    ンの熱分解装置。
  7. 【請求項7】 分離具が、同心円上に配置された複数の
    径の異なるリングを備えており、隣り合うリング間の隙
    間が灰加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間隙となされ
    ている請求項1〜6のうちのいずれかに記載の灰中ダイ
    オキシンの熱分解装置。
  8. 【請求項8】 分離具が、網状体を備えており、網状体
    の網目が灰加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間隙とな
    されている請求項1〜6のうちのいずれかに記載の灰中
    ダイオキシンの熱分解装置。
  9. 【請求項9】 分離具が、格子状体を備えており、格子
    状体の目が灰加熱媒体の通過を防止しうる灰通過間隙と
    なされている請求項1〜6のうちのいずれかに記載の灰
    中ダイオキシンの熱分解装置。
  10. 【請求項10】 分離具が、ハニカム状体を備えてお
    り、ハニカム状体の目が灰加熱媒体の通過を防止しうる
    灰通過間隙となされている請求項1〜6のうちのいずれ
    かに記載の灰中ダイオキシンの熱分解装置。
  11. 【請求項11】 熱分解処理槽の灰出口と冷却装置とが
    処理済み灰排出路によりを連通させられており、熱分解
    処理槽の灰出口と冷却装置との間に2つの開閉自在な通
    路閉鎖部材が間隔をおいて設けられており、両通路閉鎖
    部材の間の部分において処理済み灰排出路に媒体加熱用
    ガスが供給されるようになされている請求項1〜10の
    うちのいずれかに記載の灰中ダイオキシンの熱分解装
    置。
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