JP2001179110A - 触媒担体および触媒コンバータ - Google Patents

触媒担体および触媒コンバータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒担体を軸方向に多段階に配列した構成の
触媒コンバータは良好な排気エミッション性能を示すも
のの構造が複雑で高コストであり、またメタル担体での
多段階化は強度および耐久性の面で不安を生じる。 【解決手段】 セラミクス製ハニカム触媒担体に、担体
横断面の一部を残してハニカム部を横断するスリットを
軸方向に複数個形成する。このスリット入り触媒担体
を、該触媒担体の外周部を包囲する耐熱ファイバー製マ
ットを介して触媒容器の内側に保持させた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主としてエンジンの
排気浄化に適用される触媒コンバータに関し、特に転換
効率および強度の改善を目的とした触媒担体形状の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】触媒担体を軸方向に多
数配列し、またはメタル触媒の途中部分にスリットを形
成した多段階構成の触媒コンバータが知られている(特
開平8−193513号公報、特開平6−312141
号公報、特表平10−501860号、実開平8−29
621号公報参照)。
【0003】このような多段階構成の触媒コンバータに
よると、担体間の隙間部分で排ガスの乱れを生じるため
排ガス内でのガス交換および触媒との接触が活発化し、
これにより優れた転化効率が得られることが、後述する
ように本発明者の実験により明らかになった。
【0004】しかしながら、このように多段階構成の触
媒コンバータは良好な排気エミッション性能が得られる
ものの、部品点数が多く構造が複雑化するため製造コス
トが高くなるという欠点がある。またメタル担体を使用
した場合には個々の担体部分の厚み(軸方向の寸法)が
薄くなるので排ガスの圧力や振動により変形や破損を起
こすおそれがあり、このため多段階化に限界を生じる。
【0005】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、転化効率に優れた多段階構造の触媒コンバ
ータの構造を改良することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、セラ
ミクスで形成した触媒担体において、担体横断面の一部
を残して横断するスリットを軸方向に複数個形成した触
媒担体である。
【0007】請求項2の発明は、上記スリットを、担体
中心周りに所定角度ずつ順次角度を変化させながら形成
する。
【0008】請求項3の発明は上記スリットを、担体横
断面上スリットの一側方にのみ非スリット部を有するも
のとする。
【0009】請求項4の発明は、上記スリットを、担体
横断面上スリットの両側方に非スリット部を有するもの
とする。
【0010】請求項5の発明は、上記スリットを、触媒
入口端側のピッチが大となるように形成したものとす
る。
【0011】請求項6の発明は、上記スリットを、非ス
リット部の担体横断面に対する面積割合が40%未満と
なるように形成したものとする。
【0012】請求項7の発明は、上記スリットを、担体
中央部の段数が周辺部よりも大となるように形成したも
のとする。
【0013】請求項8の発明は、上記各発明において、
担体の外周部に沿ってスリットの開放部を閉塞する部材
を担体と同程度の線膨張係数を有する材料にて形成した
ものとする。
【0014】請求項9の発明は、担体横断面の一部を残
して横断するスリットを軸方向に複数個形成したセラミ
クス製触媒担体を、該触媒担体の外周部を包囲する耐熱
ファイバー製マットを介して触媒容器の内側に保持させ
た触媒コンバータである。
【0015】請求項10の発明は、上記請求項9の発明
において、触媒担体の外周部に沿ってスリットの開放部
を閉塞する部材を担体と同程度の線膨張係数を有する材
料にて形成したものとする。
【0016】請求項11の発明は、上記請求項9の発明
において、触媒担体と耐熱ファイバー製マットとの間に
耐熱材料からなる箔材を介装したものとする。
【0017】請求項12の発明は、上記請求項11の発
明において、箔材に触媒担体のスリット開放部と重畳し
ない位置に多数の開口部を形成したものとする。
【0018】
【作用・効果】本発明による効果を説明するにあたり、
まず多段階構成の触媒担体(以下「多段担体」とい
う。)を有する触媒コンバータと、これと同容量の単一
構成の触媒担体(以下「リファレンス担体」という。)
を有する触媒コンバータとを比較した実験結果につき説
明する。図6はこの実験の概要を図示したものである。
触媒担体はこの場合何れも断面1平方インチあたり40
0セル(1平方センチメートルあたり約62セル)のメ
タル担体であり、多段担体の各触媒担体の合計容量およ
びリファレンス担体の担体容量は各々約0.3リット
ル、触媒貴金属はPd、触媒貴金属使用量は3.5g/
Lである。多段担体の各担体の外径はφ74、長さは5
mm、担体間の間隔は2mmで15個の担体を配列してあ
る。リファレンス担体の外径はφ74、全長は75mmで
ある。
【0019】実験は、実使用状態下での性能をシミュレ
ートするために、各触媒ともに内部温度850℃、50
時間の耐久運転を行ってある程度劣化させたものを使用
し、冷間状態から毎分1.1リットルのエンジン排ガス
を供給して、排ガスの供給開始からHC転化率が50%
に達するまでの時間を計測した。この結果、単一触媒担
体であるリファレンス担体を用いた触媒コンバータでは
45秒であったのに対して、多段担体を用いたものでは
35秒という優秀な成績が得られた。
【0020】このように、多段担体を用いた触媒コンバ
ータは担体間の間隙での乱流化作用により良好な排気エ
ミッション性能が得られるが、既述したように部品点数
が多く構造が複雑化するため製造コストが高くなり、ま
たメタル担体を使用した場合には強度および耐久性の面
で不安が生じるという問題がある。
【0021】これに対して上記本発明によれば、セラミ
クス製触媒担体の軸方向に沿って、横断面上の一部を残
して複数のスリットを形成した構成であるので、触媒の
個数が増えて構造が複雑化したり組立工数が増大したり
するようなことがなく、またセラミクス製触媒担体は必
要な強度が得られる軸方向寸法がメタル担体に比較して
小さいので、スリット間の厚みをより小さくして多段階
化を促進し、それだけ優れた排気エミッション性能を発
揮させることが可能である。
【0022】スリットは、担体中心周りに所定角度ずつ
順次角度を変化させながら形成したり、担体横断面上ス
リットの一側方にのみ非スリット部を有するもの、ある
いはスリットの両側方に非スリット部を有するものなど
種々の態様で形成することができる。特にスリットを角
度を変えて形成することにより、担体断面のどの部分を
排ガスが通過するかによらずスリット部分を排ガスが通
過する機会を確保できるので、より安定した触媒性能を
期待することができる。
【0023】また、スリットを、触媒入口端側のピッチ
(スリットまでの担体厚さ)が大となるように形成して
もよい。触媒入口端は最も排ガスの圧力が強く作用する
部分であるので、入口端のピッチを大とすることにより
必要十分な強度を持たせることができる。換言すれば、
比較的排ガス圧力の影響を受けにくい下流側については
スリットのピッチを小さくして多段階化の効果を促進す
ることができる。
【0024】スリットは、非スリット部の担体横断面に
対する面積割合が40%未満となるように形成し、ある
いは担体中央部の段数が周辺部よりも大となるように形
成することが望ましい。こうすることにより触媒担体の
中央部分を通過する排ガスは周辺部分を通過する排ガス
に比較してスリット部分を通過する機会が増大する。ま
た、中央部分を通過する排ガスがスリット部分を通過す
ることにより、触媒担体の周辺部分に拡散する機会が増
大する。触媒担体は一般に中央部の排ガス流量が周辺部
に比較して大きくなる傾向を有するので、担体中央部で
のスリット通過機会を大きくすることは、排ガス流量と
の関係から転化効率の向上に寄与する。
【0025】触媒担体の外周部に沿ってスリットの開放
部を閉塞する部材を担体と同程度の線膨張係数を有する
材料にて形成した場合、担体の強度または剛性を高めら
れると共に、触媒容器に保持させた場合の保持強度を高
めることができる。特に、上記スリット入りの触媒担体
を耐熱ファイバー製マットを介して触媒容器の内側に保
持させた触媒コンバータを構成した場合、スリットを閉
塞しておくことにより排ガスに晒される部分の風蝕によ
るマットの損耗を防止できるという利点もある。
【0026】マットの風蝕を防止するには、このように
スリット開放部を閉塞する代わりに、触媒担体と耐熱フ
ァイバー製マットとの間にスチールあるいはステンレス
等の耐熱材料からなる箔材を介装した構成としてもよ
い。この場合さらに、箔材の触媒担体のスリット開放部
と重畳しない位置に多数の開口部を形成してもよく、こ
れにより箔材とマットとの間の滑りを防止して排圧や振
動による触媒担体の軸方向の位置ずれを防止することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1〜図3に本発明による触媒担
体の実施形態を、図4と図5に本発明による触媒コンバ
ータの実施形態をそれぞれ示す。図1〜図3において、
1はセラミクス製ハニカム触媒担体、2はスリット、3
は非スリット部をそれぞれ示している。また、各図中の
(a)は前記触媒担体1の側面形状を、(b)は排気入
口側(図中のA矢視方向)から見たスリット形成方向の
説明図を表している。
【0028】図1に示した実施形態では、スリット2
を、触媒担体1を直径方向に貫通しかつ両側に非スリッ
ト部3が残るような態様に形成してある。このスリット
2は、(b)図に示したように触媒担体1の軸方向下流
側に向けて90度ずつ回転させながら所定の軸方向間隔
で形成してある。図2と図3の実施形態では、スリット
2は一方側にのみ非スリット部3が残るように半径方向
に開放した態様に形成してある。図2の実施例ではこの
ようなスリット2を180度ずつ回転させながら形成し
てあるのに対して、図3の実施例では90度ずつ、矢視
A方向から見て時計方向に回転させながら形成してあ
る。これらのスリット2は、セラミクス担体の製造過程
で型抜きまたはカッターを用いた機械加工を施すことに
より形成する。
【0029】図1〜3の各図中(b)には、スリット数
をa個とした場合における担体の段数を示している。こ
れから明らかなように、担体中央部の段数が周辺部より
も大となっている。こうすることにより触媒担体の中央
部分を通過する排ガスは周辺部分を通過する排ガスに比
較してスリット部分を通過する機会が増大する。また、
中央部分を通過する排ガスがスリット部分を通過するこ
とにより、触媒担体の周辺部分に拡散する機会が増大す
る。触媒担体は一般に中央部の排ガス流量が周辺部に比
較して大きくなる傾向を有するので、担体中央部でのス
リット通過機会を大きくすることは、排ガス流量との関
係から転化効率の向上に寄与する。
【0030】上記各実施形態において、入口単の触媒厚
t1が下流側の触媒厚t2よりも大となるように各スリ
ット2のピッチを設定してある。具体的には、例えばt
1を30mmとすればt2は20mm程度に設定する。また
スリット幅bは2mm程度である。このように入口端の厚
さを大とすることにより排ガスの圧力が最も強く作用す
る最上流側部分の強度を確保することができる。
【0031】また、これらの実施例では担体横断面に対
する非スリット部3の割合が40%未満となるように設
定してある。これにより触媒担体1の中央部を流れる排
ガスが最も多くのスリットを通過することになるので効
率よく排気浄化を行わせることができる。一方、複数の
スリット2を互いに角度をずらして設けたことにより、
触媒担体1の横断面上のどの部分から流入した排ガスに
対してもスリットを通過する機会が与えられるので、全
体として優れた転化効率が発揮される。
【0032】図4は上記触媒担体1を用いた触媒コンバ
ータの第1の実施形態である。図中の1は触媒担体、4
は触媒容器、5はセラミクスファイバーあるいはアルミ
ナファイバーなどからなる耐熱マットである。触媒担体
1はその外周部に巻回された耐熱マット5を介して触媒
容器4内に固定される。この実施形態では、触媒担体1
のスリット2の開放部分の外周を触媒担体1と同一の線
膨張係数を有する充填材6で埋めてある。充填材6の半
径方向の幅dは例えば2mm程度である。このように充填
材6を設けることにより、スリット2を抜けてきた排気
によりマット5が風蝕されて摩耗する不具合を防止する
ことができる。また、触媒担体1と同一の線膨張係数を
有する充填材6を用いることにより、触媒担体1の強度
を確保できる。
【0033】図5は触媒コンバータの第2の実施形態で
ある。これはマット5の風蝕を防止するために、充填材
6を設ける代わりに、触媒担体1とマット5との間にス
テンレスあるいはスチールからなる箔材7を介装してマ
ット5のスリット2に面する部分が排ガスに晒されない
ようにしたものである。箔材7の厚さとしては例えば3
0〜50μm程度である。この実施形態ではさらに、ス
リット開放部からの排ガスが直接マット5に触れないよ
うに、箔材7にスリット開放部と重畳しない位置に多数
の開口部8を形成してある。この開口部8を設けたこと
により、マット5の一部が開口部8に入り込むため、マ
ット5と箔材7との間の滑りが防止され、これにより排
圧や振動により触媒担体1が軸方向に位置ずれしてしま
う不具合を防止することができる。
【0034】なお、以上の図1〜図5はスリットの形成
態様や触媒コンバータの構造を説明するための図面であ
り、スリットの幅やピッチなどは説明の便宜のために実
際とは異なる寸法または比率で描いてある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による触媒担体の第1の実施形態の形状
説明図。
【図2】本発明による触媒担体の第2の実施形態の形状
説明図。
【図3】本発明による触媒担体の第3の実施形態の形状
説明図。
【図4】本発明による触媒コンバータの第1の実施形態
の縦断面図。
【図5】本発明による触媒コンバータの第2の実施形態
の縦断面図。
【図6】多段担体を有する触媒コンバータの効果を単一
担体を有する触媒コンバータと比較した実験についての
説明図。
【符号の説明】
1 触媒担体 2 スリット 3 非スリット部 4 触媒容器 5 マット 6 充填材 7 箔材 8 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西沢 公良 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 大内 健 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 BA01 BA39 GA14 GA16 GA21 GA24 GB01X GB01Z GB07W GB10X GB17X HA27 HA28 HA29 HA31 4G069 AA01 AA08 AA12 BA01A BA13A BA13B CA03 DA06 EA11 EA20 EB04 EB09 ED03 ED06 EE07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミクスで形成した触媒担体において、
    担体横断面の一部を残して横断するスリットを軸方向に
    複数個形成した触媒担体。
  2. 【請求項2】スリットは、担体中心周りに所定角度ずつ
    順次角度を変化させながら形成した請求項1に記載の触
    媒担体。
  3. 【請求項3】スリットは、担体横断面上スリットの一側
    方にのみ非スリット部を有する請求項1または請求項2
    に記載の触媒担体。
  4. 【請求項4】スリットは、担体横断面上スリットの両側
    方に非スリット部を有する請求項1または請求項2に記
    載の触媒担体。
  5. 【請求項5】スリットは、触媒入口端側のピッチが大と
    なるように形成した請求項1から請求項4の何れかに記
    載の触媒担体。
  6. 【請求項6】スリットは、非スリット部の担体横断面に
    対する面積割合が40%未満となるように形成した請求
    項1から請求項5の何れかに記載の触媒担体。
  7. 【請求項7】スリットは、担体中央部の段数が周辺部よ
    りも大となるように形成した請求項1から請求項6の何
    れかに記載の触媒担体。
  8. 【請求項8】担体の外周部に沿ってスリットの開放部を
    閉塞する部材を担体と同程度の線膨張係数を有する材料
    にて形成した請求項1から請求項7の何れかに記載の触
    媒担体。
  9. 【請求項9】担体横断面の一部を残して横断するスリッ
    トを軸方向に複数個形成したセラミクス製触媒担体を、
    該触媒担体の外周部を包囲する耐熱ファイバー製マット
    を介して触媒容器の内側に保持させた触媒コンバータ。
  10. 【請求項10】触媒担体の外周部に沿ってスリットの開
    放部を閉塞する部材を担体と同程度の線膨張係数を有す
    る材料にて形成した請求項9に記載の触媒コンバータ。
  11. 【請求項11】触媒担体と耐熱ファイバー製マットとの
    間に耐熱材料からなる箔材を介装した請求項9に記載の
    触媒コンバータ。
  12. 【請求項12】箔材には触媒担体のスリット開放部と重
    畳しない位置に多数の開口部を形成した請求項11に記
    載の触媒コンバータ。
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