JP2001177202A - メタルコア回路基板およびそれを用いたメタルコア多層回路基板 - Google Patents

メタルコア回路基板およびそれを用いたメタルコア多層回路基板

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JP2001177202A
JP2001177202A JP35496299A JP35496299A JP2001177202A JP 2001177202 A JP2001177202 A JP 2001177202A JP 35496299 A JP35496299 A JP 35496299A JP 35496299 A JP35496299 A JP 35496299A JP 2001177202 A JP2001177202 A JP 2001177202A
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moisture
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insulating layer
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Yasushi Inoue
泰史 井上
Toku Nagasawa
徳 長沢
Takuji Okeyui
卓司 桶結
Kei Nakamura
圭 中村
Satoshi Tanigawa
聡 谷川
Nobuhiko Yoshio
信彦 吉尾
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐高温高湿性に優れたメタルコア回路基板を提
供する。 【解決手段】絶縁層3中に芯材として金属箔4が配設さ
れ、かつ上記絶縁層3の少なくとも片面に回路5が形成
されてなるメタルコア回路基板である。そして、上記金
属箔4の表裏両面と絶縁層3との界面に、透湿率が25
0g/m2 ・h以下の耐透湿層6が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタルコア回路基
板およびそれを用いたメタルコア多層回路基板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化,高性能化に伴
い、電子機器を構成する半導体装置およびこれを実装す
る多層プリント配線基板には、小型薄型化、高性能化、
高信頼性が要求されている。これらの要求を受けて、実
装方法はピン挿入型パッケージから表面実装型パッケー
ジへと移行してきており、最近では半導体素子を直接プ
リント基板に実装するベアチップ実装と呼ばれる実装方
法が研究されている。また、チップの大きさとほぼ等し
いCSP(Chip Size Package)が実用化され、携帯電子
機器に多く使用されている。
【0003】上述のごとく、実装形態が変化してきたこ
とにより、プリント基板への実装信頼性の確保は大きな
問題となっている。すなわち、ベアチップ実装において
は、半導体素子を構成するシリコンの熱膨張率(約3.
5ppm/℃)と、プリント基板(ガラスエポキシ基
板)の熱膨張率(約15〜18ppm/℃)の差が大き
いため、接続部に熱応力が発生し、温度サイクルテスト
で接続不良が発生しやすくなる等の問題がある。また、
CSPを実装する場合においても、接続ピッチが小さい
もの(例えば、0.5mm)になると、同様の熱膨張率
のミスマッチによって、充分な信頼性を確保することが
困難である。
【0004】上記のような問題を解決するため、本出願
人は、図9に示すような、絶縁層93中に芯材として金
属箔94を有するメタルコア基板の両面に、導電体から
なる回路95を形成したメタルコア回路基板をすでに提
案している(特願平9−260201号)。そして、絶
縁層93中に熱膨張率の小さい金属箔94を配置するこ
とにより、例えば、基板の熱膨張率を、半導体素子を構
成するシリコンの熱膨張率(約3.5ppm/℃)と略
同程度にまで低く制御することが可能であり、このメタ
ルコア回路基板を用いると、ベアチップ実装の信頼性が
飛躍的に向上することを確認している。また、金属箔の
種類や厚みを選択することにより、基板の熱膨張率を所
望の範囲に制御することが可能であるとともに、熱伝導
性の高い金属箔を使用すると、高熱放散の基板として使
用することも可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記メ
タルコア回路基板は、金属箔94と絶縁層93との密着
性に劣り、高温高湿環境での保存において、金属箔94
と絶縁層93との界面に水分が浸入し、層間剥離が生じ
る等の難点がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐高温高湿性に優れたメタルコア回路基板およ
びそれを用いたメタルコア多層回路基板の提供をその目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、絶縁層中に芯材として金属箔が配設さ
れ、かつ上記絶縁層の少なくとも片面に回路が形成され
てなるメタルコア回路基板であって、上記金属箔の表裏
両面と絶縁層との界面に、透湿率が250g/m 2 ・h
以下の耐透湿層が形成されているメタルコア回路基板を
第1の要旨とする。
【0008】また、本発明は、上記メタルコア回路基板
を複数枚積層一体化してなるメタルコア多層回路基板を
第2の要旨とする。
【0009】すなわち、本発明者らは、耐高温高湿性に
優れたメタルコア回路基板を得るため、一連の研究を行
った。その結果、金属箔の表裏表面と絶縁層との界面に
耐透湿層を設け、かつ、この耐透湿層の透湿率を250
g/m2 ・h以下にすると、高温高湿環境での保存にお
いても、界面への水分の浸入を充分に抑制することがで
き、層間剥離が生じないことを見出し、本発明に到達し
た。
【0010】そして、上記耐透湿層が、金属箔の表裏両
面と絶縁層との界面に加えて、金属箔の側面と絶縁層と
の界面にも形成されていると、界面への水の浸入をより
効果的に抑制することができる。
【0011】また、上記耐透湿層が、特定のシリコーン
変性ポリイミド樹脂を用いて形成されていると、金属箔
と絶縁層との密着性が高くなり、いわゆる易接着層とし
ての効果も奏するため、耐透湿効果と接着効果の相乗効
果が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0013】本発明のメタルコア回路基板は、例えば、
図1に示すように、接着剤層1とポリイミド層2からな
る絶縁層3中に、芯材として金属箔4が配設されてなる
メタルコア基板の両面に、導電体からなる回路5が形成
されて構成されている。そして、本発明は、上記金属箔
4と絶縁層3(特に接着剤層1)との界面に、耐透湿層
6が形成されていることが最大の特徴である。なお、図
において、7はスルーホール、8は基板両面の回路5を
電気的に接続するスルーホールめっき部である。
【0014】上記絶縁層3を構成する接着剤層1の形成
材料としては、特に限定はなく、例えば、ポリイミド系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテルイミド等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。これらのなかでも、耐熱性に優れる点で、ポリイミ
ド系樹脂が好適に用いられる。
【0015】上記接着剤層1とともに絶縁層3を構成す
るポリイミド層2の厚みは、通常、1〜50μmであ
り、好ましくは5〜30μmである。
【0016】上記絶縁層3中に芯材として配設される金
属箔4としては、特に限定はなく、例えば、鉄/ニッケ
ル系合金箔、チタン箔、アルミニウム箔、銅箔、SUS
箔、銅/インバー/銅クラッド箔等があげられる。
【0017】上記金属箔4として、鉄/ニッケル系合金
箔を用いる場合、ニッケルの含有量により熱膨張率が変
化するため、ニッケルの含有量は鉄/ニッケル系合金箔
全体の31〜50重量%の範囲に設定することが好まし
く、特に好ましくは31〜45重量%である。また、上
記チタン箔は、純チタン箔、チタン合金箔のいずれであ
ってもよい。上記チタン合金としては、主成分のTiに
対してAl,V,Cr,Mn,Sn,Zr等の金属を配
合した合金が使用される。これらのチタン箔は、熱膨脹
率が8.5〜9.0ppm/℃程度であるが、比重が
4.5程度で体積当りの重量が軽い特徴を有している。
【0018】上記金属箔4の熱膨張率は1〜30ppm
/℃の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜15ppm
/℃である。
【0019】上記金属箔4の厚みは、目的に応じて選択
すればよいが、通常、0.01〜1mmであり、好まし
くは0.01〜0.3mmである。すなわち、0.01
mm未満であると、基板の熱膨張率を低く抑えることが
困難となり、逆に1mmを超えると、加工性が低下した
り、スルーホールめっきの信頼性が低下する傾向が見ら
れるからである。
【0020】上記耐透湿層6は、金属箔4の表裏両面と
絶縁層3(特に接着剤層1)との界面に加えて、金属箔
4の側面と絶縁層3との界面にも形成されている。上記
耐透湿層6は、透湿率が250g/m2 ・h以下に設定
されていなければならず、好ましくは150g/m2
h以下であり、下限値は通常、0.1g/m2 ・hであ
る。すなわち、透湿率が250g/m2 ・hを超える
と、耐透湿層6の透湿率が高すぎるため、高温高湿環境
での保存において、金属箔4と絶縁層3との界面に水分
が浸入し、層間剥離が生じるからである。本発明でいう
透湿率とは、一定時間内に水分をどれだけ通すかの指標
であり、水分をどれだけ吸収するかの指標である吸湿率
とは異なる。
【0021】上記耐透湿層6の透湿率の測定方法を、図
2(a),(b)に基づいて具体的に説明する。まず、
ステンレス製の円筒状吸湿カップ(内径1.8cm)2
1および中空円柱状の蓋22(中空部22aの直径1.
8cm)を準備する。一方、上記耐透湿層6の形成材料
を準備し、これを有機溶媒に溶解した溶液を基材の表面
にコーティングした後、基材から剥離して厚み50μm
の円形状フィルム(直径1.8cm以上)26を作製す
る。ついで、上記円筒状吸湿カップ21の中に、充分乾
燥したシリカゲル23を2g正確に計量して入れた後、
上記フィルム26をパッキン24を介して吸湿カップ2
1の開口部にセットする。そして、上記フィルム26上
に蓋22をかぶせ、蓋22の外周部の4箇所(図2
(a)では2箇所のみ示し、図2(b)では省略)をボ
ルト25で固定して密閉した後、全体の重さ(W1 )を
正確に記録する。ついで、この吸湿カップ21を、12
1℃、100%RH、213kPaの高温高湿高圧の条
件でプレッシャークッカーテストに1時間投入した後、
全体の重さ(W2 )を再度正確に計量する。透湿率は、
2 とW1 の差からシリカゲルが何グラムの水分をすっ
たかを計算し、これをフィルム1m2 当たりの面積に換
算し、1時間当たりフィルム1m2 の面積に何グラムの
水分が透過したかで表した。
【0022】上記耐透湿層6の形成材料としては、特定
の透湿率に調整可能で、かつ、金属箔4と絶縁層3(特
に接着剤層1)との接着性を阻害しない材料であれば特
に限定はないが、シリコーン変性ポリイミド樹脂が好適
に用いられる。なかでも、耐透湿効果と、金属箔4と絶
縁層3(特に接着剤層1)との密着性を向上させる接着
効果の相乗効果が得られる点で、下記の一般式(1)で
表されるシリコーン変性ポリイミド樹脂が特に好まし
い。なお、各構造単位はランダム重合、ブロック重合等
のいかなる重合形態であってもよい。
【0023】
【化2】
【0024】上記一般式(1)で表されるシリコーン変
性ポリイミド樹脂は、mとnのモル比がm/n=99.
5/0.5〜80/20の範囲に設定されており、好ま
しくはm/n=98/2〜90/10である。すなわ
ち、nのモル比が0.5未満であると、透湿率は低い
が、絶縁材料との接着性が悪くなり、逆にnのモル比が
20を超えると、絶縁材料との接着性は良いが、透湿率
が高くなりすぎ、高温高湿環境での保存において、金属
箔4と絶縁層3との界面に水分が浸入し、層間剥離が生
じるおそれがあるからである。
【0025】上記耐透湿層6の厚みは、0.1〜10μ
mの範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは0.
1〜5μmである。すなわち、0.1μm未満では、耐
透湿効果を充分に得ることができず、逆に10μmを超
えると、コーティング後の乾燥(硬化)収縮により、金
属箔4との密着性が悪くなる傾向が見られるからであ
る。
【0026】上記回路5を構成する導電体の形成材料と
しては、銅が好適に用いられるが、これに限定するもの
ではなく、金、銀等の金属材料を用いることも可能であ
る。
【0027】上記図1に示したメタルコア回路基板の製
法の一例を、図3および図4に基づいて具体的に説明す
る。まず、芯材となる金属箔4を準備し〔図3(a) 〕、
上記金属箔4にスルーホールを形成するための孔4aを
開ける〔図3(b) 〕。そして、上記耐透湿層6の形成材
料を有機溶媒に溶解し、この溶液を金属箔4の両面にコ
ーティングした後、乾燥(必要であれば硬化)すること
により、耐透湿層6を形成する〔図3(c) 〕。ついで、
上記耐透湿層6を形成した金属箔4の両面に、接着シー
ト1a(接着剤層1となる)を介して、銅箔5a/ポリ
イミド2aの2層基材を重ね合わせる〔図3(d) 〕。こ
れを真空プレス機等を用いて加熱、加圧接着することに
より、接着剤層1とポリイミド層2からなる絶縁層3を
形成する〔図4(a) 〕。つぎに、上記金属箔4の孔4a
と同じ位置に、それより小さい孔を開けてスルーホール
7を形成した後〔図4(b) 〕、無電解めっき、電解めっ
きの順で、スルーホール7の全面に銅のスルーホールめ
っきを行ってスルーホールめっき部8を形成する〔図4
(c) 〕。なお、必要であれば、上記スルーホール7内を
樹脂や導電性材料等で埋めてもよい。そして、上記銅箔
5aに従来のエッチング法により回路5を形成すること
により、図1に示したようなメタルコア回路基板を作製
することができる。
【0028】上記金属箔4にスルーホールを形成するた
めの孔4aを開ける方法としては、特に限定はなく、例
えば、ドリルやパンチング等の機械的手法の他、各種レ
ーザーを使用することも可能である。また、上記スルー
ホール7の形成方法としても特に限定はなく、例えば、
ドリルやパンチング等の機械的手法の他、各種レーザ
ー、ウェットエッチング等の手法も可能である。
【0029】図5は、本発明のメタルコア回路基板の他
の例を示す説明図であり、耐透湿層16が、金属箔4の
表裏両面と絶縁層3(特に接着剤層1)との界面にのみ
形成され、金属箔4の側面と絶縁層3との界面には形成
されていない以外は、図1と同様の構成である。
【0030】そして、上記図5に示したメタルコア回路
基板は、例えば、金属箔4の両面に予め耐透湿層16を
形成し、ついでスルーホールを形成するための孔4aを
開ける以外は、上記図1に示したメタルコア回路基板の
製法に準じて作製することができる。
【0031】なお、上記図5に示したメタルコア回路基
板は、耐透湿層16が、金属箔4の表裏両面と絶縁層3
との界面にのみ形成され、金属箔4の側面と絶縁層3と
の界面には形成されていないが、金属箔4の厚みは通常
1mm以下と非常に薄く、金属箔4の側面からの水の浸
入は、金属箔4の表裏両面に比べて非常に少ないため、
高温高湿環境での保存においても、層間剥離を充分に防
止することができ、実用上問題ではない。
【0032】図6は、本発明のメタルコア多層回路基板
の一例を示す説明図である。このメタルコア多層回路基
板は、2枚のメタルコア回路基板31,32を、接着剤
層33を介して積層一体化したものであり、上記基板同
士はバンプ34を介して電気的に接続されている。な
お、各メタルコア回路基板31,32は、上記図1に示
したメタルコア回路基板と同様の構成である。
【0033】そして、上記図6に示したメタルコア多層
回路基板は、例えば、つぎのようにして製造することが
できる。まず、前記と同様にしてメタルコア回路基板3
1を作製する〔図7(a) 〕。そして、上記メタルコア回
路基板31の表面に、接着フィルムをラミネートして接
着剤層33を形成する〔図7(b) 〕。つぎに、上記接着
剤層33の接続用ランド位置に、レーザー等を用いて孔
33aを開け、回路5を露出させる〔図7(c) 〕。つぎ
に、孔33aを開けた部分に導電性材料をスクリーン印
刷等で塗布した後、乾燥(必要ならば硬化)することに
より、バンプ34を形成する〔図8(a) 〕。そして、上
記バンプ34を形成したメタルコア回路基板31の上
に、別のメタルコア回路基板32を位置合わせして重ね
る〔図7(b) 〕。ついで、これを真空プレス機等を用い
て加熱、加圧接着して一体化することにより、図6に示
したようなメタルコア多層回路基板を作製することがで
きる。
【0034】なお、上記接着剤層33は、接着剤溶液を
塗布することにより形成しても差し支えない。
【0035】また、上記バンプ34を形成する導電性材
料としては、例えば、ニッケル、銅、銀等を分散した樹
脂や、半田ペースト等が用いられる。
【0036】なお、上記基板同士の電気的接続は、スク
リーン印刷等の方法に限定されるものではなく、例え
ば、ドリル、パンチング、レーザー、ウェットエッチン
グ等により、予め孔を形成した接着フィルムを準備し、
これを回路に位置合わせして貼り合わせた後、半田ペー
ストを印刷し、一旦加熱溶融させた後、フラックスを洗
浄冷却することにより半田バンプを形成することにより
行っても差し支えない。
【0037】なお、本発明のメタルコア多層回路基板に
おいては、メタルコア回路基板の積層枚数は特に限定は
なく、必要に応じた枚数を選択して使用すればよい。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】
【実施例1】まず、金属箔として、厚み100μmの鉄
/ニッケル合金箔〔鉄/ニッケル=64/36(重量
比)〕を準備した。そして、この鉄/ニッケル合金箔の
両面に、下記の式(2)で表されるシリコーン変性ポリ
イミド前駆体溶液を塗布し、300℃で1時間窒素雰囲
気中でイミド化させ、膜厚2μmの耐透湿層を形成し
た。つぎに、上記金属箔上に形成した耐透湿層の所定の
位置に、ドリルを用いて直径0.5mmの孔を形成し
た。そして、この孔を形成した耐透湿層の両面に、厚み
50μmのポリイミド系熱可塑性接着フィルムを介し
て、銅/ポリイミド基材(銅厚:18μm、ポリイミド
基材厚:13μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用い
て180℃×1時間、5.0MPa加熱加圧して貼り合
わせた。さらに、上記金属箔に開けた孔と同じ位置に、
ドリルを用いて直径0.3mmの孔を開け、一般的な方
法でスルーホールめっきを行った。その後、エッチング
により回路形成を行い、目的とするメタルコア回路基板
を作製した。このメタルコア回路基板は、図5に示した
ように、耐透湿層が金属箔の表裏両面と絶縁層との界面
にのみ形成され、金属箔の側面と絶縁層との界面には形
成されていないタイプである。なお、上記耐透湿層の形
成材料を用いて、前述の図2に示した方法に準じて透湿
率を測定した結果、透湿率は171g/m2 ・hであっ
た。
【0040】
【化3】
【0041】
【実施例2】上記式(2)で表されるシリコーン変性ポ
リイミド前駆体溶液のmとnのモル比を、m/n=85
/15(モル比)に代えたものを用いた。それ以外は、
実施例1と同様にして、メタルコア回路基板を作製し
た。なお、上記耐透湿層の形成材料を用いて、前記と同
様にして透湿率を測定した結果、透湿率は240g/m
2 ・hであった。
【0042】
【比較例1】金属箔と絶縁層との界面に耐透湿層を形成
しなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、メタ
ルコア回路基板を作製した(図9参照)。
【0043】
【比較例2】上記式(2)で表されるシリコーン変性ポ
リイミド前駆体溶液のmとnのモル比を、m/n=50
/50(モル比)に代えたものを用いた。それ以外は、
実施例1と同様にして、メタルコア回路基板を作製し
た。なお、上記耐透湿層の形成材料を用いて、前記と同
様にして透湿率を測定した結果、透湿率は574g/m
2 ・hであった。
【0044】
【比較例3】上記式(2)で表されるシリコーン変性ポ
リイミド前駆体溶液のmとnのモル比を、m/n=70
/30(モル比)に代えたものを用いた。それ以外は、
実施例1と同様にして、メタルコア回路基板を作製し
た。なお、上記耐透湿層の形成材料を用いて、前記と同
様にして透湿率を測定した結果、透湿率は300g/m
2 ・hであった。
【0045】このようにして得られた実施例品および比
較例品のメタルコア回路基板を用いて、高温高湿高圧の
条件(121℃、100%RH、213kPa)でプレ
ッシャークッカーテストを行った。そして、金属箔と絶
縁層との界面の層間剥離の有無を目視により確認した。
【0046】その結果、実施例1品は、金属箔と絶縁層
との界面に、透湿率の極めて小さい耐透湿層を形成して
いるため、168時間後でも層間の剥離が生じなかっ
た。実施例2品は、実施例1品よりも若干透湿率が高い
が、96時間後でも層間の剥離が生じなかった。なお、
実施例品は、特定のシリコーン変性ポリイミド樹脂を用
いて耐透湿層を形成しているため、金属箔と絶縁層との
密着性が高くなり、いわゆる易接着層としての効果が得
られることが確認された。
【0047】これに対して、比較例1品は、金属箔と絶
縁層との界面に耐透湿層を形成していないため、高温高
湿での保存において、24時間以内に界面で剥離が生じ
た。比較例2品は、金属箔と絶縁層との界面に耐透湿層
を形成しているが、透湿率が極めて大きいため、界面に
水分が浸入し、48時間以内に層間の剥離が生じた。比
較例3品は、金属箔と絶縁層との界面に耐透湿層を形成
しているが、透湿率が大きいため、界面に水分が浸入
し、72時間以内に層間の剥離が生じた。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明のメタルコア回路
基板は、金属箔の表裏両面と絶縁層との界面に透湿率が
小さい耐透湿層が設けられているため、高温高湿環境で
の保存においても、界面への水分の浸入を充分に抑制す
ることができ、層間剥離を防止できるという優れた効果
を奏する。
【0049】そして、上記耐透湿層が、金属箔の表裏両
面と絶縁層との界面に加えて、金属箔の側面と絶縁層と
の界面にも形成されていると、界面への水の浸入をより
効果的に抑制することができる。
【0050】また、上記耐透湿層が、特定のシリコーン
変性ポリイミド樹脂を用いて形成されていると、金属箔
と絶縁層との密着性が高くなり、いわゆる易接着層とし
ての効果も奏するため、耐透湿効果と接着効果の相乗効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルコア回路基板の一例を示す説明
図である。
【図2】(a)は耐透湿層の透湿率の測定方法を示す説
明図であり、(b)は蓋の平面図である。
【図3】本発明のメタルコア回路基板の製法の一例を示
す説明図である。
【図4】本発明のメタルコア回路基板の製法の一例を示
す説明図である。
【図5】本発明のメタルコア回路基板の他の例を示す説
明図である。
【図6】本発明のメタルコア多層回路基板の一例を示す
説明図である。
【図7】本発明のメタルコア多層回路基板の製法の一例
を示す説明図である。
【図8】本発明のメタルコア多層回路基板の製法の一例
を示す説明図である。
【図9】従来のメタルコア回路基板を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
3 絶縁層 4 金属箔 5 回路 6 耐透湿層
フロントページの続き (72)発明者 桶結 卓司 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 中村 圭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 谷川 聡 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 吉尾 信彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J043 PA04 PA08 PA09 PA19 QB15 QB26 QB31 RA35 SA06 SB02 TA22 TB01 UA132 UA151 UB021 UB131 UB351 UB402 VA022 VA031 VA041 VA062 YA06 ZB50 5E315 AA05 AA07 AA11 AA13 BB01 BB16 CC01 CC14 CC24 DD13 DD17 GG09 GG14 5E346 AA03 AA12 AA22 BB01 CC10 EE01 HH11 HH17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層中に芯材として金属箔が配設さ
    れ、かつ上記絶縁層の少なくとも片面に回路が形成され
    てなるメタルコア回路基板であって、上記金属箔の表裏
    両面と絶縁層との界面に、透湿率が250g/m2 ・h
    以下の耐透湿層が形成されていることを特徴とするメタ
    ルコア回路基板。
  2. 【請求項2】 上記耐透湿層が、金属箔の表裏両面と絶
    縁層との界面に加えて、金属箔の側面と絶縁層との界面
    にも形成されている請求項1記載のメタルコア回路基
    板。
  3. 【請求項3】 上記耐透湿層が、シリコーン変性ポリイ
    ミド樹脂を用いて形成されたものである請求項1または
    2記載のメタルコア回路基板。
  4. 【請求項4】 上記シリコーン変性ポリイミド樹脂が、
    下記の一般式(1)で表される構造単位を備えたもので
    ある請求項3記載のメタルコア回路基板。 【化1】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のメ
    タルコア回路基板を複数枚積層一体化してなることを特
    徴とするメタルコア多層回路基板。
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