JP2001176869A - 半導体絶縁膜の成膜法および半導体装置 - Google Patents
半導体絶縁膜の成膜法および半導体装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】有機珪素化合物を原料とした場合、埋め込み性
が良好で、かつ、均質な半導体絶縁膜の成膜法の提供。 【解決手段】有機珪素化合物と酸化剤とを原料ガスとし
CVD法により成膜する半導体絶縁膜の成膜法で、ウェ
ハ上に形成された溝の幅または孔の直径が0.03〜0.
4μmで、前記溝または孔の深さが1μm以下の領域
に、溝または孔の断面中心から溝幅または孔の直径の2
倍以内の範囲を表面粗さを無視して10nm毎に基板表
面上を包絡線で結び、該包絡線の曲率半径のうちの最大
値をRa(m)とした時、式〔1〕〔但し、Vは反応装置
内における成膜に寄与する化学種のうちSiを含む化学
種の平均モル体積(m3/mol)、γはウエハ上を被
覆する化学種の表面張力(N/m)、kは気体定数8.
314(J/mol・K)、Tはウエハ温度(K)〕で
示される値が0.1以上、0.3未満である半導体絶縁膜
の成膜法。 【数3】γV/Ra・k・T …〔1〕
が良好で、かつ、均質な半導体絶縁膜の成膜法の提供。 【解決手段】有機珪素化合物と酸化剤とを原料ガスとし
CVD法により成膜する半導体絶縁膜の成膜法で、ウェ
ハ上に形成された溝の幅または孔の直径が0.03〜0.
4μmで、前記溝または孔の深さが1μm以下の領域
に、溝または孔の断面中心から溝幅または孔の直径の2
倍以内の範囲を表面粗さを無視して10nm毎に基板表
面上を包絡線で結び、該包絡線の曲率半径のうちの最大
値をRa(m)とした時、式〔1〕〔但し、Vは反応装置
内における成膜に寄与する化学種のうちSiを含む化学
種の平均モル体積(m3/mol)、γはウエハ上を被
覆する化学種の表面張力(N/m)、kは気体定数8.
314(J/mol・K)、Tはウエハ温度(K)〕で
示される値が0.1以上、0.3未満である半導体絶縁膜
の成膜法。 【数3】γV/Ra・k・T …〔1〕
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に係わ
り、埋め込み性が良く、かつ、均質な半導体絶縁膜の成
膜法および半導体装置に関する。
り、埋め込み性が良く、かつ、均質な半導体絶縁膜の成
膜法および半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平11−233496号公報では、
下地をハロゲン化合物によって改質し、装置中で生成す
る中間体の流動性を増大させて埋め込み性、カバレジ
性、平坦化性を向上させる半導体絶縁膜の形成方法につ
いて述べている。
下地をハロゲン化合物によって改質し、装置中で生成す
る中間体の流動性を増大させて埋め込み性、カバレジ
性、平坦化性を向上させる半導体絶縁膜の形成方法につ
いて述べている。
【0003】特開平7−288253号公報では、TE
OSおよび側鎖が置換された各種の有機珪素化合物を原
料とし、生成した絶縁膜をCMP処理によって平坦化す
る方法について述べている。
OSおよび側鎖が置換された各種の有機珪素化合物を原
料とし、生成した絶縁膜をCMP処理によって平坦化す
る方法について述べている。
【0004】同様に各種の有機珪素化合物を挙げた例と
して、特開平7−193129号公報では、埋め込み性
が良好で、ボイドの無い優れた膜質の絶縁膜を形成する
方法について述べている。
して、特開平7−193129号公報では、埋め込み性
が良好で、ボイドの無い優れた膜質の絶縁膜を形成する
方法について述べている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平11−23
3496号公報によれば、オゾン−TEOS(Tetraeth
yl−ortho−silicate、または他の有機珪素化合物を用
いた)常圧CVD法は、次のような方法に分類できる。
3496号公報によれば、オゾン−TEOS(Tetraeth
yl−ortho−silicate、または他の有機珪素化合物を用
いた)常圧CVD法は、次のような方法に分類できる。
【0006】(1) 下地をプラズマもしくはガスなど
によって改質する。
によって改質する。
【0007】(2) TEOS分子の側鎖を他のアルキ
ル、ハロゲン化アルキル、水素などに置換した原料を用
いる。
ル、ハロゲン化アルキル、水素などに置換した原料を用
いる。
【0008】(3) オゾンガスの流量を成膜初期に少
なく、成膜後期に多くする。
なく、成膜後期に多くする。
【0009】上記は、該公報に記載のない新たな有機珪
素化合物を原料ガスとして用いた場合に、必ずしも適応
可能であるとは限らない。また、上記公報では、そのよ
うな有機珪素化合物を用いた場合に、埋め込み性と均一
な膜質とを両立可能かどうかについても明らかでない。
素化合物を原料ガスとして用いた場合に、必ずしも適応
可能であるとは限らない。また、上記公報では、そのよ
うな有機珪素化合物を用いた場合に、埋め込み性と均一
な膜質とを両立可能かどうかについても明らかでない。
【0010】本発明の目的は、均質、かつ、埋め込み性
が高い半導体絶縁膜の成膜法および該絶縁膜を用いた半
導体装置の提供にある。
が高い半導体絶縁膜の成膜法および該絶縁膜を用いた半
導体装置の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
明の要旨は次のとおりである。
【0012】有機珪素化合物と酸化剤とを原料ガスとし
CVD法により成膜する半導体絶縁膜の成膜法におい
て、ウェハ上に形成された溝の幅、または、孔の直径が
0.03〜0.4μmで、前記溝、または、孔の深さが1
μm以下の領域に、溝、または、孔の断面中心から溝
幅、または、孔の直径の2倍以内の範囲を表面粗さを無
視して10nm毎に基板表面上を包絡線で結び、該包絡
線の曲率半径のうち最大の値をRa(m)とした時、式
〔1〕
CVD法により成膜する半導体絶縁膜の成膜法におい
て、ウェハ上に形成された溝の幅、または、孔の直径が
0.03〜0.4μmで、前記溝、または、孔の深さが1
μm以下の領域に、溝、または、孔の断面中心から溝
幅、または、孔の直径の2倍以内の範囲を表面粗さを無
視して10nm毎に基板表面上を包絡線で結び、該包絡
線の曲率半径のうち最大の値をRa(m)とした時、式
〔1〕
【0013】
【数2】γV/Ra・k・T …〔1〕 〔但し、Vは反応装置内における成膜に寄与する化学種
のうちSiを含む化学種の平均モル体積(m3/mo
l)、γはウエハ上を被覆する化学種の表面張力(N/
m)、kは気体定数8.314(J/mol・K)、T
はウエハ温度(K)〕で示される値が0.1以上、0.3
未満であることを特徴とする半導体絶縁膜の成膜法にあ
る。
のうちSiを含む化学種の平均モル体積(m3/mo
l)、γはウエハ上を被覆する化学種の表面張力(N/
m)、kは気体定数8.314(J/mol・K)、T
はウエハ温度(K)〕で示される値が0.1以上、0.3
未満であることを特徴とする半導体絶縁膜の成膜法にあ
る。
【0014】O3と有機珪素化合物を原料として用いる
CVD法の埋め込み性は、溝、または、孔の断面中心か
ら溝幅、または、孔の直径の2倍以内の範囲を、表面粗
さを無視して10nm毎に基板表面上を包絡線で結び、
該包絡線の曲率半径のうち最大の値をRa(m)とした
時、Raの値が大となるほど高くなると考えられる。
CVD法の埋め込み性は、溝、または、孔の断面中心か
ら溝幅、または、孔の直径の2倍以内の範囲を、表面粗
さを無視して10nm毎に基板表面上を包絡線で結び、
該包絡線の曲率半径のうち最大の値をRa(m)とした
時、Raの値が大となるほど高くなると考えられる。
【0015】ここで、溝幅(または孔径)が0.4〜0.
03μm、かつ、アスペクト比(溝深さ/溝幅、また
は、孔深さ/孔径)β(=γV/Ra・k・T)が0.1
以上のとき埋め込み性が良いことを確認した。
03μm、かつ、アスペクト比(溝深さ/溝幅、また
は、孔深さ/孔径)β(=γV/Ra・k・T)が0.1
以上のとき埋め込み性が良いことを確認した。
【0016】また、βの値が0.2より大きくなる場
合、溝(または孔)中心付近の成膜速度が極めて高くな
ることが分かった。従って、βの値が0.1〜0.2であ
ることが好ましい。これにより溝(または孔)中央付近
での速い膜成長を従来例よりもさらに抑制することがで
きる。
合、溝(または孔)中心付近の成膜速度が極めて高くな
ることが分かった。従って、βの値が0.1〜0.2であ
ることが好ましい。これにより溝(または孔)中央付近
での速い膜成長を従来例よりもさらに抑制することがで
きる。
【0017】また、βの値が0.2以上、0.3未満が好
ましく、これによりボイド発生の可能性をさらに抑制す
ることができる。さらに好ましくは、βの値が0.15
〜0.25である。これによりボイド発生および膜また
は溝中心付近での速い膜成長をβを0.1以上、0.3
未満とした場合に比較してさらに抑制することができ
る。
ましく、これによりボイド発生の可能性をさらに抑制す
ることができる。さらに好ましくは、βの値が0.15
〜0.25である。これによりボイド発生および膜また
は溝中心付近での速い膜成長をβを0.1以上、0.3
未満とした場合に比較してさらに抑制することができ
る。
【0018】また、前記有機珪素化合物が、式〔2〕ま
たは/および式〔3〕
たは/および式〔3〕
【0019】
【化2】((CH3)3C−O)nR(4-n)Si …〔2〕 ((CH2)2HC−O)nR(4-n)Si …〔3〕 (但し、R:アルキル基,アルコキシ基,Hまたはハロ
ゲン類、n:1〜4の整数)である半導体絶縁膜の成膜
法にある。
ゲン類、n:1〜4の整数)である半導体絶縁膜の成膜
法にある。
【0020】有機珪素化合物を原料とする常圧CVD法
ではTEOS(Tetraethyl−ortho−silicate)が一般
的に用いられる。
ではTEOS(Tetraethyl−ortho−silicate)が一般
的に用いられる。
【0021】TEOSの側鎖はエトキシ基である。この
側鎖を嵩高いt−ブトキシ基またはiso−プロピル基
に置換した場合、同一の分子量の中間体であればモル体
積はTEOS分子よりも増大する。これによりβの値が
TEOSに比較して増大し、埋め込み性を向上させるこ
とができる。
側鎖を嵩高いt−ブトキシ基またはiso−プロピル基
に置換した場合、同一の分子量の中間体であればモル体
積はTEOS分子よりも増大する。これによりβの値が
TEOSに比較して増大し、埋め込み性を向上させるこ
とができる。
【0022】また、上記手段における有機珪素化合物の
Hの一部または全部がFによって置換された化合物が好
ましい。側鎖がCH2またはCH3で構成される飽和炭化
水素の場合、表面張力は24〜30mN/cmである
が、CF2が主たる側鎖の場合には18mN/cm以
下、CF3が主たる側鎖の場合には10mN/cm以下
となる。これにより、βの値が2/3〜1/3に抑制さ
れ、溝(または孔)中心部での急激な成長を抑制でき
る。
Hの一部または全部がFによって置換された化合物が好
ましい。側鎖がCH2またはCH3で構成される飽和炭化
水素の場合、表面張力は24〜30mN/cmである
が、CF2が主たる側鎖の場合には18mN/cm以
下、CF3が主たる側鎖の場合には10mN/cm以下
となる。これにより、βの値が2/3〜1/3に抑制さ
れ、溝(または孔)中心部での急激な成長を抑制でき
る。
【0023】好ましくは、上記においてウエハ上を被覆
する化学種の表面張力γの値として、原料とする有機珪
素化合物の側鎖がCHn(n:1〜3迄の整数)で構成
され、かつ、不飽和結合を持たない場合には24mN/
cmを用い、また、原料とする有機珪素化合物の側鎖が
CFn(n:1〜3迄の整数)で構成され、かつ、不飽
和結合を持たない場合には0.18mN/cmのものを
用いる。
する化学種の表面張力γの値として、原料とする有機珪
素化合物の側鎖がCHn(n:1〜3迄の整数)で構成
され、かつ、不飽和結合を持たない場合には24mN/
cmを用い、また、原料とする有機珪素化合物の側鎖が
CFn(n:1〜3迄の整数)で構成され、かつ、不飽
和結合を持たない場合には0.18mN/cmのものを
用いる。
【0024】上記の成膜法を用いた絶縁膜を用いること
で、均質、かつ、ボイドの無い半導体装置を提供するこ
とができる。
で、均質、かつ、ボイドの無い半導体装置を提供するこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】微小な液滴の蒸気圧はKelvi
nの式によればP/P0=exp(−2Ve・γe/R
・k・T)と表される(ここで、Ve:液滴のモル体
積、γe:液滴の表面張力、R:液滴の曲率半径、k:
気体定数、T:温度、P0:曲率0の時の蒸気圧、P:
曲率Rの時の蒸気圧)。
nの式によればP/P0=exp(−2Ve・γe/R
・k・T)と表される(ここで、Ve:液滴のモル体
積、γe:液滴の表面張力、R:液滴の曲率半径、k:
気体定数、T:温度、P0:曲率0の時の蒸気圧、P:
曲率Rの時の蒸気圧)。
【0026】ここで、図2のような溝の表面付近で、該
表面付近が液状物質で覆われている場合、溝の各部位を
液滴の表面と見なすことができる。気相で生成された中
間体が付着あるいは脱着を繰り返す平衡状態を考る。
表面付近が液状物質で覆われている場合、溝の各部位を
液滴の表面と見なすことができる。気相で生成された中
間体が付着あるいは脱着を繰り返す平衡状態を考る。
【0027】(R=Raの時の付着率)/(R=0の時
の付着率)=exp(−2Vγ/Ra・k・T)(V:中
間体モル体積、γ:溝表面の表面張力、Ra:溝表面の
曲率半径、但し、図2のように内接円が基板側にある時
を正とし、基板外にある時を負とする)が成り立つと考
えると、曲率半径が正の部分で付着率が減少し、曲率半
径が負の部分で付着率が増大することになる。
の付着率)=exp(−2Vγ/Ra・k・T)(V:中
間体モル体積、γ:溝表面の表面張力、Ra:溝表面の
曲率半径、但し、図2のように内接円が基板側にある時
を正とし、基板外にある時を負とする)が成り立つと考
えると、曲率半径が正の部分で付着率が減少し、曲率半
径が負の部分で付着率が増大することになる。
【0028】従って、図2の例では溝の肩部分では付着
率が減少し、溝の底部分では付着率が増大する。よっ
て、上記のVγ/Ra・k・T(以下βと表記)の値が
大きいほど溝を埋め込み易くなる。以上のことからβを
埋め込み性の尺度として用いることができると考えた。
率が減少し、溝の底部分では付着率が増大する。よっ
て、上記のVγ/Ra・k・T(以下βと表記)の値が
大きいほど溝を埋め込み易くなる。以上のことからβを
埋め込み性の尺度として用いることができると考えた。
【0029】上記の付着率計算法を用いて成膜シミュレ
ーションを実施した結果、実験結果を良く説明すること
ができた。
ーションを実施した結果、実験結果を良く説明すること
ができた。
【0030】上記に基づくシミュレーション結果、並び
に、成膜実験結果により実施例の効果を説明する。本発
明によれば下記実施例で用いたガスあるいは装置条件以
外でも、βの値が0.1以上0.3未満であればボイド無
しで、かつ、溝(または孔)中心部での急激な成長が起
らず、均質な膜を成膜できる。
に、成膜実験結果により実施例の効果を説明する。本発
明によれば下記実施例で用いたガスあるいは装置条件以
外でも、βの値が0.1以上0.3未満であればボイド無
しで、かつ、溝(または孔)中心部での急激な成長が起
らず、均質な膜を成膜できる。
【0031】〔実施例 1〕本発明におけるβ(=Vγ
/Ra・k・T)を実験的に求める方法について以下に
示す。
/Ra・k・T)を実験的に求める方法について以下に
示す。
【0032】O3−TEOS系ガスのCVDでは、気相
中でTEOS系ガスの重合が起り、図1のようなオリゴ
マー(以下中間体と呼ぶ)が形成される。このような中
間体が付着するために、膜表面は原料ガスの側鎖に相当
する炭化水素で覆われていると考えられる。
中でTEOS系ガスの重合が起り、図1のようなオリゴ
マー(以下中間体と呼ぶ)が形成される。このような中
間体が付着するために、膜表面は原料ガスの側鎖に相当
する炭化水素で覆われていると考えられる。
【0033】ここで、表面張力γは成膜中の膜表面に露
出している基によって決まるとすれば、原料ガスの側鎖
の種類によって決まることになる。即ち、不飽和結合の
ない炭化水素の場合、表面張力は24〜30mN/cm
の値になることが知られており、本実施例においては、
有機珪素化合物の側鎖が炭化水素系の場合には0.24
mN/cmをγとして用いる。
出している基によって決まるとすれば、原料ガスの側鎖
の種類によって決まることになる。即ち、不飽和結合の
ない炭化水素の場合、表面張力は24〜30mN/cm
の値になることが知られており、本実施例においては、
有機珪素化合物の側鎖が炭化水素系の場合には0.24
mN/cmをγとして用いる。
【0034】次に、中間体のモル体積V(cm3/mo
l)は、気相中の中間体の分子量(g/mol)を密度
(g/cm3)で割り付けることで求める。ここで、気
相中の中間体の分子量は、質量分析計にて実験的に測定
する。また、密度はSiO2ガラスの平均的な値2.2g
/cm3を用いる。
l)は、気相中の中間体の分子量(g/mol)を密度
(g/cm3)で割り付けることで求める。ここで、気
相中の中間体の分子量は、質量分析計にて実験的に測定
する。また、密度はSiO2ガラスの平均的な値2.2g
/cm3を用いる。
【0035】また、図2、図3を用いて曲率半径Raの
求め方について説明する。図2はウエハ上に形成された
溝の模式図である。溝表面の凹凸の曲率半径を考える場
合、どのスケールまで凹凸を考えるかが問題となる。
求め方について説明する。図2はウエハ上に形成された
溝の模式図である。溝表面の凹凸の曲率半径を考える場
合、どのスケールまで凹凸を考えるかが問題となる。
【0036】図3は溝肩部の拡大図で、溝に微小な凹凸
が存在した場合でも気相中の中間体の大きさのオーダか
ら、10nm以下の凹凸は成膜過程に影響を与えないと
考えられる。このため、ウエハ平面に沿って10nm毎
の各点を3次のスプライン曲線で結んで平均化し、スプ
ライン曲線上での曲率を計算して最大のものを曲率半径
Raとして採用した。
が存在した場合でも気相中の中間体の大きさのオーダか
ら、10nm以下の凹凸は成膜過程に影響を与えないと
考えられる。このため、ウエハ平面に沿って10nm毎
の各点を3次のスプライン曲線で結んで平均化し、スプ
ライン曲線上での曲率を計算して最大のものを曲率半径
Raとして採用した。
【0037】次に、上記の実験条件から求めたβと、シ
ミュレーションにおけるβの値が対応するかを検証し
た。
ミュレーションにおけるβの値が対応するかを検証し
た。
【0038】ここでの実験では760Torr、500
℃の条件でO3、TEOSを用いて成膜した。
℃の条件でO3、TEOSを用いて成膜した。
【0039】試料としたウエハ上には、幅0.07μm
×深さ0.3μmの溝が形成されている。溝の最大曲率
半径は上記方法に従って、計算した結果12nmであっ
た。また、質量分析の結果、中間体の平均分子量は85
0g/molであることが分かった。質量分析計による
計測では、気相中に存在する化学種の量(Ni)と、分
子量(Mi)が分かるので、式〔4〕数平均分子量Mを
算出することができる。
×深さ0.3μmの溝が形成されている。溝の最大曲率
半径は上記方法に従って、計算した結果12nmであっ
た。また、質量分析の結果、中間体の平均分子量は85
0g/molであることが分かった。質量分析計による
計測では、気相中に存在する化学種の量(Ni)と、分
子量(Mi)が分かるので、式〔4〕数平均分子量Mを
算出することができる。
【0040】
【数3】
【0041】(imaxは質量分析計で計測された最大
の質量数)上記において、O3、アルコール類、炭化水
素などは、Siを含む中間体と比較して分子量が小さ
く、100g/mol以上の分子量の化学種についての
み平均すれば、ほぼ中間体のみの平均分子量を知ること
ができる。
の質量数)上記において、O3、アルコール類、炭化水
素などは、Siを含む中間体と比較して分子量が小さ
く、100g/mol以上の分子量の化学種についての
み平均すれば、ほぼ中間体のみの平均分子量を知ること
ができる。
【0042】中間体の分子量は、ウエハに近づくにつれ
て増大するが、境界層よりウエハ側ではほぼ一定と考え
られるため、質量分析する際、反応装置中のガスをサン
プリングする位置は、ウエハから1cm以内が望まし
い。
て増大するが、境界層よりウエハ側ではほぼ一定と考え
られるため、質量分析する際、反応装置中のガスをサン
プリングする位置は、ウエハから1cm以内が望まし
い。
【0043】上記平均分子量から求めたモル体積は39
0cm3/molとなった。表面張力γ=24mN/c
mとすると、β=0.12である。成膜シュミレーショ
ンにより左記βの値で成膜形状を解析し、実験と比較し
た結果、両者は良く一致することが分かった。
0cm3/molとなった。表面張力γ=24mN/c
mとすると、β=0.12である。成膜シュミレーショ
ンにより左記βの値で成膜形状を解析し、実験と比較し
た結果、両者は良く一致することが分かった。
【0044】次に、図4を用いてβと埋め込み形状の関
係について説明する。図4は、βを変えて行った場合
に、どのように埋め込み形状が変化するかシュミレーシ
ョンしたものである。図4からβが0.1以上の時に、
ボイドの無い成膜が可能であることが分かる。
係について説明する。図4は、βを変えて行った場合
に、どのように埋め込み形状が変化するかシュミレーシ
ョンしたものである。図4からβが0.1以上の時に、
ボイドの無い成膜が可能であることが分かる。
【0045】またβが0.3以上では、溝中央に成膜速
度が速い領域が現れ、かつ、この領域が溝の入口にまで
到達している。特に、βが大きい場合(β≧0.40)
には稀HF溶液により、溝中央部のエッチレートが速く
なる現象が観察された。
度が速い領域が現れ、かつ、この領域が溝の入口にまで
到達している。特に、βが大きい場合(β≧0.40)
には稀HF溶液により、溝中央部のエッチレートが速く
なる現象が観察された。
【0046】従って、ボイド発生が無く、かつ、均質な
膜を成膜するには、βの領域を0.1以上、0.3未満と
すればよいと云える。また、本実施例におけるβは0.
12であり、ボイドが無く均質な絶縁膜が得られた。
膜を成膜するには、βの領域を0.1以上、0.3未満と
すればよいと云える。また、本実施例におけるβは0.
12であり、ボイドが無く均質な絶縁膜が得られた。
【0047】以上のように本実施例によれば、βの値を
0.1以上、0.3未満とすることによって埋め込み性、
均質な半導体絶縁膜を成膜することができる。
0.1以上、0.3未満とすることによって埋め込み性、
均質な半導体絶縁膜を成膜することができる。
【0048】〔実施例 2〕図5に、本実施例の半導体
絶縁膜成膜装置を示す。半導体絶縁膜製造装置は反応容
器1、原料ガス導入装置21、原料ガス供給装置22、
ウエハ保持装置23、ウエハ24、排気部25、バルブ
31,32、原料貯蔵装置および気化装置33、酸化剤
貯蔵装置34、原料/酸化剤輸送管35、ガス測定装置
41、ガス導入管42から構成される。
絶縁膜成膜装置を示す。半導体絶縁膜製造装置は反応容
器1、原料ガス導入装置21、原料ガス供給装置22、
ウエハ保持装置23、ウエハ24、排気部25、バルブ
31,32、原料貯蔵装置および気化装置33、酸化剤
貯蔵装置34、原料/酸化剤輸送管35、ガス測定装置
41、ガス導入管42から構成される。
【0049】成膜時の本装置の動作について以下に説明
する。ここでは有機珪素化合物としてTEOS、酸化剤
としてO3を用いる。反応容器1内の圧力は760To
rrであり、ウェハ温度は500℃に維持する。
する。ここでは有機珪素化合物としてTEOS、酸化剤
としてO3を用いる。反応容器1内の圧力は760To
rrであり、ウェハ温度は500℃に維持する。
【0050】また、ウエハ上には深さ0.3μm×幅0.
07μmの溝が形成されている。原料ガスは導入装置2
1,22を通って反応容器1に導入される。導入された
有機珪素化合物はO3によって酸化反応を起し、重合し
て中間体を形成する。
07μmの溝が形成されている。原料ガスは導入装置2
1,22を通って反応容器1に導入される。導入された
有機珪素化合物はO3によって酸化反応を起し、重合し
て中間体を形成する。
【0051】この中間体がウェハ24上に付着し絶縁膜
が形成される。絶縁膜形成に寄与しなかったガスは、排
気系25を経由して排出される。ここで、本実施例にお
けるβの値は、実施例1に基づき0.12としている。
本装置により成膜した絶縁膜は、ボイドが無く、かつ、
溝中央部でのエッチレートが側壁付近に比較して速くな
る現象も観察されなかった。
が形成される。絶縁膜形成に寄与しなかったガスは、排
気系25を経由して排出される。ここで、本実施例にお
けるβの値は、実施例1に基づき0.12としている。
本装置により成膜した絶縁膜は、ボイドが無く、かつ、
溝中央部でのエッチレートが側壁付近に比較して速くな
る現象も観察されなかった。
【0052】以上のように本実施例における成膜法によ
り、埋め込み性が良く、均質な半導体絶縁膜を成膜する
ことができる。
り、埋め込み性が良く、均質な半導体絶縁膜を成膜する
ことができる。
【0053】〔実施例 3〕上記曲率半径Raとして、
溝入口から全溝深さの30%以内の部分における最大の
曲率半径を用いても、実施例1と同様の効果が得られ
た。これは埋め込みに影響を与えるのは主として溝入口
付近であることによる。
溝入口から全溝深さの30%以内の部分における最大の
曲率半径を用いても、実施例1と同様の効果が得られ
た。これは埋め込みに影響を与えるのは主として溝入口
付近であることによる。
【0054】本実施例により、曲率半径の計算を、実施
例1の1/3の時間で行うことができる。
例1の1/3の時間で行うことができる。
【0055】〔実施例 4〕上記原料として、有機珪素
化合物中のHの一部または全部をFに置換し、βの値を
抑制した場合について以下に説明する。
化合物中のHの一部または全部をFに置換し、βの値を
抑制した場合について以下に説明する。
【0056】成膜中のウエハ表面が原料ガスの側鎖で被
覆されている場合、表面張力は原料ガスの側鎖の種類に
より決定される。
覆されている場合、表面張力は原料ガスの側鎖の種類に
より決定される。
【0057】飽和炭化水素系の側鎖を持つ場合、臨界表
面張力の値は24〜30mN/cmである。側鎖のHを
Fに置換したCF2が主たる側鎖の際には18mN/c
m以下、また、CF3が主たる側鎖の際には10mN/
cm以下となる(繊維と工業、53(1997)p12
0)。
面張力の値は24〜30mN/cmである。側鎖のHを
Fに置換したCF2が主たる側鎖の際には18mN/c
m以下、また、CF3が主たる側鎖の際には10mN/
cm以下となる(繊維と工業、53(1997)p12
0)。
【0058】表面張力をHのF置換によって2/3〜1
/3程度に抑制できるために、βの値も2/3〜1/3
となる。これにより、溝中央での急激な成長を抑制し
て、均一な膜質の絶縁膜を形成することができる。
/3程度に抑制できるために、βの値も2/3〜1/3
となる。これにより、溝中央での急激な成長を抑制し
て、均一な膜質の絶縁膜を形成することができる。
【0059】本実施例から側鎖のHをFに置換した場
合、βの値を0.1以上、0.3未満とすることでボイド
が無く均質な絶縁膜を形成することができる。
合、βの値を0.1以上、0.3未満とすることでボイド
が無く均質な絶縁膜を形成することができる。
【0060】〔実施例 5〕図6に本実施例の半導体絶
縁膜成膜装置を示す。この半導体絶縁膜製造装置は反応
容器1、原料ガス導入装置21、原料ガス供給装置2
2、ウエハ保持装置23、ウエハ24、排気部25、温
度センサ27、バルブ31、バルブ32、原料貯蔵装置
および気化装置33、酸化剤貯蔵装置34、原料/酸化
剤輸送管35、信号線52,54、制御装置5、ヒータ
6から構成される。
縁膜成膜装置を示す。この半導体絶縁膜製造装置は反応
容器1、原料ガス導入装置21、原料ガス供給装置2
2、ウエハ保持装置23、ウエハ24、排気部25、温
度センサ27、バルブ31、バルブ32、原料貯蔵装置
および気化装置33、酸化剤貯蔵装置34、原料/酸化
剤輸送管35、信号線52,54、制御装置5、ヒータ
6から構成される。
【0061】成膜時の本装置の動作について以下に説明
する。本実施例では有機珪素化合物としてTEOS、酸
化剤としてO3を用いた。
する。本実施例では有機珪素化合物としてTEOS、酸
化剤としてO3を用いた。
【0062】反応容器1内の圧力は760Torrであ
る。また、ウェハ24の温度は温度センサ27および信
号線54からの情報に基づき、制御装置5によってヒー
タの電流を制御して500℃に維持する。原料ガスは導
入装置21,22を通って反応容器1に導入した。
る。また、ウェハ24の温度は温度センサ27および信
号線54からの情報に基づき、制御装置5によってヒー
タの電流を制御して500℃に維持する。原料ガスは導
入装置21,22を通って反応容器1に導入した。
【0063】導入した有機珪素化合物は、O3によって
酸化反応を起し、重合して中間体を形成する。この中間
体がウェハ24上に付着し絶縁膜が形成される。絶縁膜
形成に寄与しなかったガスは、排気系25を経由して排
出される。紫外線照射装置26から発生される紫外線
は、中間体の炭化水素を分解しγが抑制されてβが増大
する。
酸化反応を起し、重合して中間体を形成する。この中間
体がウェハ24上に付着し絶縁膜が形成される。絶縁膜
形成に寄与しなかったガスは、排気系25を経由して排
出される。紫外線照射装置26から発生される紫外線
は、中間体の炭化水素を分解しγが抑制されてβが増大
する。
【0064】本実施例により、上記実施例と同様にβの
値をプロセスに合わせて最適な値に保持することが可能
となる。また、新たな有機珪素化合物を原料ガスとした
場合でも、βの値を0.1以上、0.3未満となるように
プロセス条件を決定することで、埋め込み性が良く、均
質な半導体絶縁膜を形成することが可能となる。
値をプロセスに合わせて最適な値に保持することが可能
となる。また、新たな有機珪素化合物を原料ガスとした
場合でも、βの値を0.1以上、0.3未満となるように
プロセス条件を決定することで、埋め込み性が良く、均
質な半導体絶縁膜を形成することが可能となる。
【0065】〔実施例 6〕図7に本実施例の半導体絶
縁膜成膜装置を示す。半導体絶縁膜製造装置は反応容器
1、原料ガス導入装置21、原料ガス供給装置22、ウ
エハ保持装置23、ウエハ24、排気部25、バルブ3
1,32、原料貯蔵装置および気化装置33、酸化剤貯
蔵装置34、原料/酸化剤輸送管35、ガス測定装置4
1、ガス導入管42、温度センサー43、制御装置5、
信号線51〜54、紫外線照射装置26、温度センサ2
7、ヒータ6から構成される。
縁膜成膜装置を示す。半導体絶縁膜製造装置は反応容器
1、原料ガス導入装置21、原料ガス供給装置22、ウ
エハ保持装置23、ウエハ24、排気部25、バルブ3
1,32、原料貯蔵装置および気化装置33、酸化剤貯
蔵装置34、原料/酸化剤輸送管35、ガス測定装置4
1、ガス導入管42、温度センサー43、制御装置5、
信号線51〜54、紫外線照射装置26、温度センサ2
7、ヒータ6から構成される。
【0066】本装置の動作について以下に説明する。本
実施例では有機珪素化合物としてTEOS、酸化剤とし
てO3を用いた。原料ガスは導入装置21,22を通っ
て反応容器1に導入した。導入した有機珪素化合物はO
3によって酸化反応を起し、重合して中間体を形成す
る。この中間体がウェハ24上に付着し絶縁膜が形成さ
れる。絶縁膜形成に寄与しなかったガスは排気系25を
経由して排出される。
実施例では有機珪素化合物としてTEOS、酸化剤とし
てO3を用いた。原料ガスは導入装置21,22を通っ
て反応容器1に導入した。導入した有機珪素化合物はO
3によって酸化反応を起し、重合して中間体を形成す
る。この中間体がウェハ24上に付着し絶縁膜が形成さ
れる。絶縁膜形成に寄与しなかったガスは排気系25を
経由して排出される。
【0067】反応容器1内の紫外線照射装置26は、β
を増大するために用いた。反応容器1内の気体はガス測
定装置41で分析した。本実施例ではガス測定装置とし
て質量分析計を用いている。ガス測定装置41で測定さ
れた分析結果は信号線51によって制御系5に送られ
る。
を増大するために用いた。反応容器1内の気体はガス測
定装置41で分析した。本実施例ではガス測定装置とし
て質量分析計を用いている。ガス測定装置41で測定さ
れた分析結果は信号線51によって制御系5に送られ
る。
【0068】制御系5では、測定結果から中間体のモル
体積を計算し、信号線52によってバルブ31,32の
開閉、あるいは、温度、圧力の調整を行う。
体積を計算し、信号線52によってバルブ31,32の
開閉、あるいは、温度、圧力の調整を行う。
【0069】上記を繰り返すことにより、最適なβのプ
ロセスが決定される。また、紫外線照射についても、信
号線53によって制御され、最適な照射条件を求めるこ
とができる。
ロセスが決定される。また、紫外線照射についても、信
号線53によって制御され、最適な照射条件を求めるこ
とができる。
【0070】本実施例の温度、圧力、ガス種を変えて実
施することにより、プロセスの最適化を迅速に求めるこ
とができる。また、新たな有機珪素化合物を原料ガスと
した場合でもβの値を0.1、0.3未満となるようにプ
ロセス条件を決定することで埋め込み性が良く、均質な
半導体絶縁膜を形成することができる。
施することにより、プロセスの最適化を迅速に求めるこ
とができる。また、新たな有機珪素化合物を原料ガスと
した場合でもβの値を0.1、0.3未満となるようにプ
ロセス条件を決定することで埋め込み性が良く、均質な
半導体絶縁膜を形成することができる。
【0071】〔実施例 7〕上記実施例において、βの
値を0.1〜0.2とすることで、溝中央での急激な成長
が起きる可能性をより減少でき、上記実施例に比較して
より均質な絶縁膜を成膜づることができる。
値を0.1〜0.2とすることで、溝中央での急激な成長
が起きる可能性をより減少でき、上記実施例に比較して
より均質な絶縁膜を成膜づることができる。
【0072】〔実施例 8〕上記実施例において、βの
値を0.2以上、0.3未満とすることで、上記実施例よ
りさらにボイド発生の可能性を抑制できる。ボイドの生
成はβを0.1以上とすることで防止可能であるが、反
応装置内での温度、圧力などの分布が大きい場合にはβ
の下限を0.2とすることで、よりボイド発生を抑制で
きる。
値を0.2以上、0.3未満とすることで、上記実施例よ
りさらにボイド発生の可能性を抑制できる。ボイドの生
成はβを0.1以上とすることで防止可能であるが、反
応装置内での温度、圧力などの分布が大きい場合にはβ
の下限を0.2とすることで、よりボイド発生を抑制で
きる。
【0073】〔実施例 9〕上記実施例において、βの
値を0.15〜0.25とすることで、溝中央での急激な
成長が起きる可能性をより抑制できる。また、ボイドの
生成はβを0.1以上とすることで防止可能であるが、
反応装置内での温度、圧力などの分布が大きい場合で
も、βの下限を0.15とすることでボイド発生を抑制
できる。
値を0.15〜0.25とすることで、溝中央での急激な
成長が起きる可能性をより抑制できる。また、ボイドの
生成はβを0.1以上とすることで防止可能であるが、
反応装置内での温度、圧力などの分布が大きい場合で
も、βの下限を0.15とすることでボイド発生を抑制
できる。
【0074】これにより、実施例1〜7に比較し、ボイ
ド発生の可能性を抑制することができ、また、より均質
な絶縁膜を成膜することができる。
ド発生の可能性を抑制することができ、また、より均質
な絶縁膜を成膜することができる。
【0075】〔実施例 10〕本発明に基づく半導体絶
縁膜成膜法を用いた半導体装置について、図8を用いて
以下に説明する。図8はSi基板上に形成された溝の埋
め込みシュミレーション結果である(β=0.12)。
縁膜成膜法を用いた半導体装置について、図8を用いて
以下に説明する。図8はSi基板上に形成された溝の埋
め込みシュミレーション結果である(β=0.12)。
【0076】解析対象とした半導体装置のSi基板上に
は、図8に示した3種の溝を形成し、この溝に絶縁膜を
埋め込む。図8より、β=0.12においてボイドがな
く均質な絶縁膜を形成できると予測した。実施例1に示
したβ=0.12となる条件で実際にSi基板上の溝を
埋め込んだところ、ボイドが無く、均質な膜を得ること
ができた。
は、図8に示した3種の溝を形成し、この溝に絶縁膜を
埋め込む。図8より、β=0.12においてボイドがな
く均質な絶縁膜を形成できると予測した。実施例1に示
したβ=0.12となる条件で実際にSi基板上の溝を
埋め込んだところ、ボイドが無く、均質な膜を得ること
ができた。
【0077】以上のように本発明における半導体絶縁膜
の成膜法を用いることによって、実際の半導体装置中の
溝をボイドが無く、均質な膜で埋め込むことができた。
の成膜法を用いることによって、実際の半導体装置中の
溝をボイドが無く、均質な膜で埋め込むことができた。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、各種の有機珪素化合物
を原料とした場合において、埋め込み性が良好で、均質
な半導体絶縁膜が得られる。
を原料とした場合において、埋め込み性が良好で、均質
な半導体絶縁膜が得られる。
【0079】また、半導体絶縁膜を本発明の上記半導体
絶縁膜の形成法により形成した半導体装置は、優れた特
性のものを提供することができる。
絶縁膜の形成法により形成した半導体装置は、優れた特
性のものを提供することができる。
【図1】有機珪素化合物が重合して形成される中間体表
面の模式図である。
面の模式図である。
【図2】半導体装置中の溝の断面を示す模式断面図であ
る。
る。
【図3】半導体装置中の溝肩部の拡大模式断面図であ
る。
る。
【図4】本発明における半導体装置の溝の埋め込み形状
のシュミレーション図である。
のシュミレーション図である。
【図5】本発明における成膜装置の構成を示す模式図で
ある。
ある。
【図6】本発明における成膜装置の構成を示す模式図で
ある。
ある。
【図7】本発明における成膜装置の構成を示す模式図で
ある。
ある。
【図8】本発明における半導体装置の溝の埋め込み形状
のシュミレーション図である。
のシュミレーション図である。
1…反応容器、5…制御装置、6…ヒータ、21…原料
ガス導入装置、22…原料ガス供給装置、23…ウエハ
保持装置、24…ウエハ、25…排気部、26…紫外線
照射装置、27…温度センサ、31…バルブ、32…バ
ルブ、33…原料貯蔵装置および気化装置、34…酸化
剤貯蔵装置、35…原料/酸化剤輸送管、41…ガス測
定装置、42…ガス導入管、51,52,53,54…
信号線。
ガス導入装置、22…原料ガス供給装置、23…ウエハ
保持装置、24…ウエハ、25…排気部、26…紫外線
照射装置、27…温度センサ、31…バルブ、32…バ
ルブ、33…原料貯蔵装置および気化装置、34…酸化
剤貯蔵装置、35…原料/酸化剤輸送管、41…ガス測
定装置、42…ガス導入管、51,52,53,54…
信号線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/76 H01L 21/76 L (72)発明者 高松 朗 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所半導体グル−プ内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA09 AA14 BA44 CA04 CA11 CA12 FA10 LA02 LA15 5F032 AA35 AA44 DA02 5F045 AA03 AB32 AC08 AD09 AE29 BB19 DP03 EE02 EE05 EK07 EK12 EK19 GB07 GB17 5F058 BA06 BA09 BC02 BC04 BF03 BF24 BF25 BF27 BF29 BJ01 BJ06
Claims (9)
- 【請求項1】 有機珪素化合物と酸化剤とを原料ガスと
しCVD法により成膜する半導体絶縁膜の成膜法におい
て、 ウェハ上に形成された溝の幅、または、孔の直径が0.
03〜0.4μmで、前記溝、または、孔の深さが1μ
m以下の領域に、溝もしくは孔の断面中心から溝幅、ま
たは、孔の直径の2倍以内の範囲を表面粗さを無視して
10nm毎に基板表面上を包絡線で結び、該包絡線の曲
率半径のうちの最大値をRa(m)とした時、式〔1〕 【数1】γV/Ra・k・T …〔1〕 〔但し、Vは反応装置内における成膜に寄与する化学種
のうちSiを含む化学種の平均モル体積(m3/mo
l)、γは反応装置内における成膜に寄与する化学種の
内のSiを含む化学種の表面張力(N/m)、kは気体
定数8.314(J/mol・K)、Tはウエハ温度
(K)〕で示される値が0.1以上、0.3未満であるこ
とを特徴とする半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項2】 前記式〔1〕の値が0.1〜0.2である
請求項1に記載の半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項3】 前記式〔1〕の値が0.2以上、0.3未
満である請求項1に記載の半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項4】 前記式〔1〕の値が0.15〜0.25で
ある請求項1に記載の半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項5】 前記有機珪素化合物が、式〔2〕または
/および式〔3〕 【化1】((CH3)3C−O)nR(4-n)Si …〔2〕 ((CH3)2HC−O)nR(4-n)Si …〔3〕 (但し、R:アルキル基,アルコキシ基,H、または、
ハロゲン類、n:1〜4の整数)である請求項1に記載
の半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項6】 前記有機珪素化合物のHの一部、また
は、全部がFによって置換された化合物である請求項5
に記載の半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項7】 前記式〔1〕におけるγの値として、原
料とする前記有機珪素化合物の側鎖がCHn(n:1〜
3の整数)で構成され、かつ、不飽和結合を持たない場
合には24mN/cmを用い、原料とする有機珪素化合
物の側鎖がCFn(n:1〜3)で構成され、かつ、不
飽和結合を持たない場合には0.18mN/cmを用い
る請求項1〜4のいずれかに記載の半導体絶縁膜の成膜
法。 - 【請求項8】 前記包絡線の曲率半径Raの値が、ウエ
ハ上の溝または孔の深さをL(m)としたとき、溝また
は孔の入口から深さ方向に0.3L(m)以内の領域に
おける最大の曲率半径を用いる請求項1〜4のいずれか
に記載の半導体絶縁膜の成膜法。 - 【請求項9】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の成
膜法により形成した半導体絶縁膜を用いたことを特徴と
する半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36044199A JP2001176869A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 半導体絶縁膜の成膜法および半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36044199A JP2001176869A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 半導体絶縁膜の成膜法および半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001176869A true JP2001176869A (ja) | 2001-06-29 |
Family
ID=18469419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36044199A Pending JP2001176869A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 半導体絶縁膜の成膜法および半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001176869A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004256479A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Tosoh Corp | 有機シラン化合物を含んでなる絶縁膜用材料、その製造方法および半導体デバイス |
US20160070823A1 (en) * | 2014-09-09 | 2016-03-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Topography simulation apparatus, topography simulation method and recording medium |
-
1999
- 1999-12-20 JP JP36044199A patent/JP2001176869A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004256479A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Tosoh Corp | 有機シラン化合物を含んでなる絶縁膜用材料、その製造方法および半導体デバイス |
JP4591651B2 (ja) * | 2003-02-27 | 2010-12-01 | 東ソー株式会社 | 有機シラン化合物を含んでなる絶縁膜用材料、その製造方法および半導体デバイス |
US20160070823A1 (en) * | 2014-09-09 | 2016-03-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Topography simulation apparatus, topography simulation method and recording medium |
US9996639B2 (en) * | 2014-09-09 | 2018-06-12 | Toshiba Memory Corporation | Topography simulation apparatus, topography simulation method and recording medium |
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