JP2001175313A - 数値制御システムおよびそれに用いられる位置指令値補正装置 - Google Patents

数値制御システムおよびそれに用いられる位置指令値補正装置

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JP2001175313A
JP2001175313A JP2000109677A JP2000109677A JP2001175313A JP 2001175313 A JP2001175313 A JP 2001175313A JP 2000109677 A JP2000109677 A JP 2000109677A JP 2000109677 A JP2000109677 A JP 2000109677A JP 2001175313 A JP2001175313 A JP 2001175313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の位置指令値補正装置では、ロストモー
ションを補正するための位置指令補正値が固定値あるい
は多層ニューラルネットに基づく推論値であるため、簡
単な設定で、且つ、直動案内などの駆動伝達系における
経年変化や温度変化などに起因するロストモーションの
変動量を好適に補正することができなかった。 【解決手段】 記憶手段8にはテーブル1の位置に応じ
た摩擦量を記憶させ、これに基づいて反転位置における
補正量を算出するものである。また、記憶手段8の記憶
内容を更新するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、いわゆるNC加
工システム、NCロボットシステム、NC搬送システム
などの数値制御システムおよびそれに用いられる位置指
令値補正装置に係り、特に、制御対象を反転駆動する際
に生じるロストモーションを簡易な設定にて高精度に補
正するための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の数値制御システムの構成
を示すブロック図である。図において、1は被加工物
(ワーク)や工具などが固定されるテーブル、2はこの
テーブル1の下面に固定されたボールネジナット、3は
このボールネジナット2と嵌合されたボールネジ、4は
このボールネジ3を回転駆動するサーボモータ、5はこ
のサーボモータ4の回転量を検出するエンコーダであ
る。
【0003】6は位置指令値を出力する位置指令値出力
手段、7は位置指令値に基づいてテーブル1の制御方向
の反転を検出して反転検出信号を出力する反転検出手
段、23は当該反転検出時に位置補正信号を出力するロ
ストモーション補正ゲイン算出手段、10は位置補正信
号を位置指令値に加算する位置加算手段である。また、
11は位置加算手段10の出力に示される目標位置とエ
ンコーダ5の検出回転量に示される現在位置との距離に
応じた速度指令値を出力する位置制御手段、12は速度
指令値に応じた電流指令値を出力する速度制御手段、2
4は反転検出信号が入力された際に一定の大きさの電流
指令補正値を出力する摩擦補正ゲイン算出手段、14は
電流指令値にこの電流指令補正値を加算する電流加算手
段、15はこの電流加算手段14の出力に応じた電流値
の電流をサーボモータ4に供給する電流制御手段であ
る。
【0004】次に動作について説明する。位置指令値出
力手段6から位置指令値が出力されると、反転検出手段
7はこの位置指令値に基づいてテーブル1の制御方向の
反転を検出する。反転する場合には、反転後の制御方向
に応じて正または負の大きさ1の反転検出信号が出力さ
れる。逆に、反転しない場合には、以前と同じ符号の大
きさ1の反転検出信号が出力される。上記反転検出信号
に基づいてロストモーション補正ゲイン算出手段23か
ら位置補正信号が出力され、これが加算された電流指令
値が位置制御手段11に入力され、この位置制御手段1
1から速度指令値が出力され、速度制御手段12から電
流指令値が出力される。同様に、上記反転検出信号に基
づいて摩擦補正ゲイン算出手段24から電流補正値が出
力され、これが加算された電流指令値は電流制御手段1
5に入力され、この電流指令値に基づいてサーボモータ
4はボールネジ3を駆動し、この回転量に応じた分だけ
テーブル1は移動する。
【0005】そして、このような構成であれば、単にテ
ーブル1をサーボモータ4で一方向に精度良く移動させ
るだけでなく、ボールネジ3とボールネジナット2との
間のがたつきなどがあって、且つ、移動方向が切り替わ
る場合であったとしてもそれを上記位置指令補正値など
で補正して補い、例えば真円加工などの加工精度を向上
させることができる。
【0006】しかしながら、このような従来の数値制御
システムでは、ロストモーション補正ゲインは一定値で
あり、算出されるロストモーション補正量の符号は変化
するがその絶対値は一定である。従って、実際の製品に
おいては位置、速度および直動案内機構の潤滑状態によ
り変化してしまうロストモーション量を適正に補正する
ことができないという問題があった。
【0007】図13は位置とロストモーション量の関係
を説明する図である。同図(a)において、25は直動
案内、26はそれぞれこの直動案内25に固定されると
ともにボールネジ3を軸支する軸受である。同図(b)
はその構成の場合のテーブル位置と摩擦量との代表的な
関係を示す特性図である。そして、このような軸受構造
である場合、ボールネジ3はその両端に設置された一対
の軸受26により軸支されるが、このときボールネジナ
ット2の位置におけるテーブル1からボールネジ3まで
の間隔と、軸受26の位置におけるテーブル1からボー
ルネジ3までの間隔とが微妙に異なる時があり、そのよ
うな時にはボールネジナット2が軸受26に近づけば近
づくほど大きな摩擦が生じてしまい、ボールネジ3の回
転負荷が増加してしまうことになる。その結果、ボール
ネジナット2が両端の軸受26から最も遠い位置におい
て最小となり、そこから両端に近づけば近づくほど大き
くなってしまうように摩擦量は変化する。
【0008】また、直動案内25がすべり案内である場
合には、速度が小さいときには直動案内25の案内面と
テーブル1とが接触した状態にあり、速度が上昇するに
従ってテーブル1が案内面から浮上して摩擦が小さくな
ることが知られている。この現象はすべり案内に供給さ
れている潤滑油の状態に大きく依存し、特に温度が変化
すると潤滑油の粘性係数が変動し摩擦が変動する。
【0009】そこで、特開平4−362603号公報に
はロストモーション補正ゲインを可変する従来の数値制
御システムが提案されている。図14はその従来の数値
制御システムの構成を示すブロック図である。図におい
て、27は主制御部27a、制御プログラム記憶部27
b、ロストモーション補正量算出部27c、多層ニュー
ラルネット型推定部27d、出力部27e、入力部27
fおよび結合重み係数算出部27gを備え、上記制御プ
ログラム記憶部27bに記憶された制御プログラムと回
転検出量とに基づいて制御信号を出力する軸制御部、2
8は制御信号を増幅してサーボモータ4に供給するアン
プ、29は軸制御部27をトレーニングする際に関数を
出力する関数発生部である。
【0010】次に動作について説明する。関数発生部2
9の出力に基づいて軸制御部27のトレーニングが完了
した状態において、当該軸制御部27が制御プログラム
と回転検出量とに基づいて制御信号を出力すると、この
制御信号はアンプ28で増幅され、その増幅された制御
信号に基づいてサーボモータ4が回転し、その回転に応
じてテーブル1は直線運動を行う。そして、サーボモー
タ4の回転量をエンコーダ5で検出し、このエンコーダ
5の検出回転量に基づいてテーブル1の新たな位置が軸
制御部27において把握され、次の制御信号が出力され
る。
【0011】そして、このような構成であれば、多層ニ
ューラルネットを用いてその時の位置や速度などに応じ
てロストモーションの補正量を変化させることができる
ので、単に一定のロストモーション補正量を位置指令に
加算するようなものに比べ、位置、速度、ガイドの潤滑
状態などによらずロストモーションを高精度に補正する
ことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の数値制御システ
ムおよびそれに用いられる位置指令値補正装置は以上の
ように構成されているので、位置、速度、ガイドの潤滑
状態などに応じて最適なロストモーション補正をさせる
ためには予め位置、速度、ガイドの潤滑状態の想定され
る使用環境を想定して、その全体に渡る使用環境につい
て1つ1つの組合わせを再現して多層ニューラルネット
に学習させる必要があり、特に、複数の要因を考慮して
精度良く補正することができるロストモーション補正量
を得ようとすればするほど多数の使用環境を再現して学
習させる必要があり、このような作業は非常に多量の手
間が必要となって煩雑となってしまうなどの課題があ
る。
【0013】また、このような従来の数値制御システム
において制御対象たるテーブル1の移動方向を規制する
部材として好適に用いられるすべり案内などにおいて
は、その潤滑状態が季節や日時により変動したり、温度
変化やすべり案内面の経年変化によっても変動してしま
うが、そのような変動に起因するロストモーションを補
正することはできない。
【0014】そして、組立誤差によるずれなどの発生の
仕方が異なる1つ1つの製品についてこのような作業を
することは現実的ではないので、その結果、この多層ニ
ューラルネットに学習させるデータは多数の製品に共通
のデータとするのが現実的であり、その結果、ずれなど
の発生の仕方が異なる複数の製品における平均値的なデ
ータを使用することとなって一定以上の高精度化を現実
的に図ることができないなどの課題もある。
【0015】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、精度良く補正することができるロ
ストモーション補正量を少ない測定にて設定することが
でき、ひいては簡易な手間で各製品毎にロストモーショ
ン量を測定しつつ位置、速度、ガイドの潤滑状態などに
よらず高精度にロストモーション補正量を設定すること
ができる数値制御システムおよびそれに用いられる位置
指令値補正装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係る位置指令
値補正装置は、制御対象の数値制御に利用する位置指令
値を補正する位置指令値補正装置において、上記位置指
令値が入力され、上記位置指令値の増減に基づいて制御
方向の反転を検出して反転検出情報を出力する反転検出
手段と、予め測定された制御対象の位置毎の摩擦量を記
憶する記憶手段を備え、制御対象の現在位置に基づいて
当該位置の摩擦量を選択して出力する摩擦量出力手段
と、当該摩擦量記憶手段からの摩擦量出力とともに上記
反転検出信号が入力され、当該摩擦量に応じて異なる値
となる位置指令補正値を生成して出力する位置指令補正
値出力手段と、当該位置指令補正値を用いて上記位置指
令値の補正演算を行う演算手段とを備えるものである。
【0017】この発明に係る位置指令補正装置は、制御
対象の数値制御に利用する位置指令値を補正する位置指
令値補正装置において、上記位置指令値が入力され、上
記位置指令値の増減に基づいて制御方向の反転を検出し
て反転検出情報を出力する反転検出手段と、予め測定さ
れた制御対象の位置毎の摩擦量を記憶する記憶手段を備
え、制御対象の現在位置に基づいて当該位置の摩擦量を
選択して出力する摩擦量出力手段と、予め測定された制
御対象の位置毎のバネ係数を記憶する記憶手段を備え、
制御対象の現在位置に基づいて当該位置のバネ係数を選
択して出力するバネ係数出力手段と、当該バネ係数記憶
手段からのバネ係数出力とともに上記摩擦量記憶手段か
らの摩擦量出力ならびに上記反転検出信号が入力され、
当該バネ係数ならびに当該摩擦量に応じて異なる値とな
る位置指令補正値を生成して出力する位置指令補正値出
力手段と、当該位置指令補正値を用いて上記位置指令値
の補正演算を行う演算手段とを備えるものである。
【0018】この発明に係る位置指令値補正装置は、摩
擦量出力手段が、所定のスケジュールに基づいて制御対
象を動作させ、その時の制御対象の位置情報とこの制御
対象を駆動する駆動手段への指令値とに基づいて各位置
における摩擦量を演算する摩擦量演算手段を備え、記憶
手段が、この摩擦量演算手段により演算された制御対象
の位置毎の摩擦量を記憶するものである。
【0019】この発明に係る位置指令値補正装置は、摩
擦量演算手段が、一定の位置指令値に基づいて制御対象
を動作させた際の摩擦量を演算するものである。
【0020】この発明に係る位置指令値補正装置は、制
御対象の数値制御に利用する位置指令値を補正する位置
指令値補正装置において、上記位置指令値が入力され、
上記位置指令値の増減に基づいて制御方向の反転を検出
して反転検出情報を出力する反転検出手段と、制御対象
を駆動する駆動手段に対する指令値が入力され、制御対
象のモデリングに基づく演算式を用いて位置指令補正値
を生成して出力する位置指令補正値出力手段と、当該位
置指令補正値を用いて上記位置指令値の補正演算を行う
演算手段とを備えるものである。
【0021】この発明に係る位置指令値補正装置は、位
置指令補正値出力手段が、制御対象の現在速度に関する
情報が入力され、制御対象のモデリングに基づく演算式
を用いて制御対象の速度に応じても異なる値となる位置
指令補正値を生成して出力するものである。
【0022】この発明に係る数値制御システムは、制御
対象の数値制御に利用する位置指令値を出力する位置指
令値出力手段と、この位置指令値が入力され、上記制御
対象の反転検出信号に基づいて当該位置指令値を補正す
る上記位置指令値補正装置と、当該位置指令値補正装置
から出力される補正された位置指令値に基づいて電流指
令値を生成する電流指令値生成手段と、この電流指令値
が入力され、上記制御対象の反転検出信号に基づいて所
定の摩擦補正ゲインを用いて上記電流指令値を補正する
電流指令値補正装置と、当該電流指令値補正装置から出
力される補正された位置指令値に基づいて上記制御対象
を駆動する駆動手段とを備えるものである。
【0023】この発明に係る数値制御システムは、電流
指令値補正装置が、位置指令値補正装置で生成された位
置指令補正値に基づいて摩擦補正ゲインを演算し、この
摩擦補正ゲインを用いて上記電流指令値を補正するもの
である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるN
C加工システムの一軸分の構成を示すブロック図であ
る。図において、1は被加工物(ワーク)や工具などが
固定されるテーブル(制御対象)、2はこのテーブル1
の下面に固定されたボールネジナット(駆動手段)、3
はこのボールネジナット2と嵌合されたボールネジ(駆
動手段)、4はこのボールネジ3を回転駆動するサーボ
モータ(駆動手段)、5はこのサーボモータ4の回転量
を検出するエンコーダである。そして、上記ボールネジ
3およびボールネジナット2はサーボモータ4の回転運
動を直線運動に変換し、テーブル1はこのボールネジ3
およびボールネジナット2などの駆動伝達部材と図示外
の直動案内機構(ガイドレール)とに従って所定の位置
に設定制御されたり、目標の軌道にて移動動作を実施す
る。
【0025】6は加工プログラムなどに基づいて上記テ
ーブル1の所定の一軸方向の位置を数値制御するための
位置指令値を出力する位置指令値出力手段、7は位置指
令値が入力され、その位置指令値の値の増減に基づいて
テーブル1の当該軸方向の制御方向が反転するか否かを
判断し、反転する場合には反転後の位置指令値の増減方
向に応じた正または負の大きさ1のステップ状の反転検
出信号を出力し、反転しない場合には前回の判断結果と
同じ符号の大きさ1のステップ状の反転検出信号を出力
する反転検出手段、8はテーブルの位置毎の摩擦量を予
め記憶するとともに上記エンコーダ5の検出回転量が入
力され、この検出回転量に基づいて推測されるテーブル
1の位置における上記摩擦量を出力する摩擦量記憶手段
(摩擦量出力手段)、9はこの摩擦量とともに反転検出
信号が入力され、サーボモータ4、ボールネジ3及びテ
ーブル1の動摩擦に相当する摩擦補正ゲインで当該摩擦
量に応じた大きさとなるように反転検出信号の大きさを
補正したものを位置補正信号として出力するロストモー
ション補正ゲイン算出手段(位置指令補正値出力手
段)、10はこの位置補正信号を位置指令値に加算する
位置加算手段(演算手段)である。
【0026】なお、このロストモーション補正ゲイン算
出手段9においては、エンコーダ5の検出回転量に基づ
いて判断される現在位置をp、その現在位置の摩擦量と
して摩擦量記憶手段8に記憶されている摩擦量関数をf
(p)、位置指令補正値(ロストモーション補正量)を
LMとした場合、下記式1に示す演算に基づいて位置指
令補正値を生成する。ただし、Kは摩擦量と位置指令補
正値との関係を表す定数であり、バネ係数(この実施の
形態では一定値)に相当する。 LM = f(p)/K ・・・式1
【0027】また、このバネ係数Kは以下の手順により
設定されている。まず、一定の位置および一定の速度に
おいてテーブル1を移動させた状態で、接触式変位計な
どの位置計測手段を用いてテーブル1のロストモーショ
ン量を計測するとともに、サーボモータ4への最終的な
供給電流値を記録する。次に、これらのデータを下記式
2に代入してバネ係数Kを求める。但し、Ktはサーボ
モータ4のトルク定数であり一般的にサーボモータ4の
仕様として既知のものであり、i(p1)はテーブル位
置p1におけるサーボモータ4への供給電流値であり、
LM(p1)はテーブル位置p1におけるテーブル1の
ロストモーション量である。 K = Kt×i(p1)/LM(p1) ・・・式2
【0028】11はこの位置加算手段10の出力および
エンコーダ5の検出回転量が入力され、位置加算手段1
0の出力に示される目標位置とエンコーダ5の検出回転
量に示される現在位置との距離に応じた速度指令値を出
力する位置制御手段(電流指令値生成手段)、12はこ
の速度指令値に応じたサーボモータ4への電流指令値を
出力する速度制御手段(電流指令値生成手段)、13は
反転検出信号が入力され、これを一定の大きさの摩擦補
正ゲインで補正してサーボモータ4に作用する摩擦を打
ち消す補正トルク量となる電流指令補正値を出力する摩
擦補正ゲイン算出手段(電流指令値生成手段)、14は
電流指令値にこの電流指令補正値を加算する電流加算手
段(電流指令値生成手段)、15はこの電流加算手段1
4の出力が入力され、この出力に応じた電流値の電流を
サーボモータ4に供給する電流制御手段(駆動手段)で
ある。
【0029】ところで、摩擦量記憶手段8には予め基準
となる動作における電流指令値を計測し、その電流指令
値から推定される位置に依存する摩擦量が記憶される。
例えば、速度および加速度の影響がサーボモータ4の電
流値に大きく現れない十分な低速度において各駆動軸に
等速直線運動をさせ、その時のテーブル1の位置をエン
コーダ5を用いて計測するとともに、サーボモータ4へ
の最終的な供給電流値を計測し、下記式3を用いて各位
置の摩擦量を演算し、これを記憶させる。但し、Ktは
サーボモータ4のトルク定数であり一般にサーボモータ
4の仕様として既知であり、i(p)は位置pにおける
サーボモータ4への供給電流値である。 f(p) = Kt×i(p) ・・・式3
【0030】なお、上記式2の関係を得るためには、製
品出荷前に少なくとも1度だけ任意の1点p1で、接触
式変位計などのテーブル位置を測定する手段で計測する
必要がある。そして、このロストモーションLMは、エ
ンコーダ5で計測したモータの位置と、接触式変位計な
どで計測したテーブルの位置との差であり、ミクロン以
下の精度が要求される。これに対して、上記式3の段階
では、位置精度はたとえば1mm程度のオーダでよく、
エンコーダ5を用いたモータ位置検出で十分なものとな
る。バネ係数Kは固定値であるため以降は計測する必要
は無く、テーブルの位置を計測する手段は必要ない。エ
ンコーダ5によるモータ位置の検出は容易であるが、テ
ーブル位置の検出は余分な器具が必要となり煩雑であ
る。
【0031】図2はこの発明の実施の形態1による摩擦
量記憶手段に記憶されているテーブル1の位置と摩擦量
との関係の一例を示す説明図である。同図(a)は横軸
を位置、縦軸を摩擦量とする摩擦量分布グラフ、同図
(b)はそのグラフのもととなる計測データである。そ
して、同図に示すものでは、テーブル1の位置が軸の中
央部から両端部に移動するほどにだんだんと摩擦量が増
加する特性となっている。
【0032】次に動作について説明する。位置指令値出
力手段6から加工プログラムなどに基づいて位置指令値
が出力されると、反転検出手段7はその位置指令値の値
の増減に基づいてテーブル1の当該軸方向の制御方向が
反転するか否かを判断する。そして、反転しない場合に
は前回の判断結果と同じ符号の、反転する場合には反転
後の当該軸の制御方向に応じた正または負の大きさ1の
ステップ状の反転検出信号が出力される一方で、摩擦量
記憶手段8から検出回転量に基づいて推測されるテーブ
ル1の現在位置における摩擦量が出力され、ロストモー
ション補正ゲイン算出手段9はこの摩擦量に応じた大き
さとなるように反転検出信号の大きさを補正し、位置加
算手段10においてこの位置補正信号と上記位置指令値
とが加算される。そして、位置制御手段11からは上記
加算値に示される目標位置とエンコーダ5の検出回転量
に示される現在位置との距離に応じた速度指令値が出力
される。また、速度制御手段12からこの速度指令値に
応じた電流指令値が出力される一方で、摩擦補正ゲイン
算出手段13が上記反転検出信号の大きさを補正して電
流指令補正値を出力するので電流加算手段14において
これらが加算され、この加算電流指令値が電流制御手段
15に入力され、電流制御手段15の出力電流がサーボ
モータ4に供給され、サーボモータ4はボールネジ3を
回転駆動し、テーブル1はボールネジナット2とともに
上記速度指令の速度で上記位置指令値の位置まで移動す
る。
【0033】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、上記位置指令値が入力され、上記位置指令値の増減
に基づいて制御方向の反転を検出して反転検出信号を出
力する反転検出手段7と、予め測定された制御対象の位
置毎の摩擦量を記憶するとともにテーブル1の現在位置
に基づいて当該位置の摩擦量を選択して出力する摩擦量
記憶手段8と、当該摩擦量記憶手段8からの摩擦量出力
とともに上記反転検出信号が入力され、反転検出信号が
入力された際に当該摩擦量に応じて変化する位置指令補
正値を生成して出力するロストモーション補正ゲイン算
出手段9と、当該位置指令補正値を用いて上記位置指令
値の補正演算を行う位置加算手段10とを備えて、テー
ブル1の数値制御に利用する位置指令値を補正するの
で、摩擦量記憶手段8に予め測定されたテーブル1の位
置毎の摩擦量を記憶させることで、テーブル1の制御方
向に反転が生じた位置毎に異なる値の摩擦量に基づい
て、各位置において最適な位置指令補正値を用いて位置
指令値の補正演算を行うことができる。
【0034】従って、テーブル1の位置に応じて異なる
摩擦量を得、これに基づいて位置指令値を補正すること
ができるので、ボールネジナット2とボールネジ3との
間の遊びなどに起因するがたつき(バックラッシ)やこ
れらの駆動伝達部材の剛性と摩擦との関係に依存する弾
性変形があったとしても、単にテーブル1の制御方向が
反転した際に一定の位置指令補正値を用いて位置指令値
の補正演算を行う場合に比べて精度良くロストモーショ
ンを補正して精度良く位置を制御することができる効果
がある。
【0035】また、テーブル1の位置に応じた位置指令
補正値を生成し、これを用いて位置指令値を補正してい
るので、テーブル1の位置と摩擦量との関係モデルに基
づく位置指令補正値を生成することができ、ある一定の
条件の下でテーブル1の位置と摩擦量との関係を測定す
るだけで当該テーブル1の位置に応じた摩擦量を摩擦量
記憶手段8に記憶させることができる。従って、従来の
多層ニューラルネットを用いた位置指令値補正装置のよ
うにあらゆるパラメータを変化させた全ての組み合わせ
について測定を行う必要はなく、少ない測定にて位置指
令補正値を設定することができる。
【0036】更に、このように少ない測定にて摩擦量を
設定することができるので、各製品毎に1つ1つ測定を
行ったとしても莫大な手間にはならないので、各製品毎
にそれぞれのずれを精度良く補正することができる位置
指令補正値を設定することができ、従来にない高精度化
を実現することができる効果がある。
【0037】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2によるNC加工システムの一軸分の構成を示すブロ
ック図である。図において、16は摩擦量記憶手段8か
らの摩擦量とともにエンコーダ5の検出回転量が入力さ
れ、反転検出信号が入力された場合には、検出回転量に
基づいて判断されるテーブル1の移動速度に応じて下記
式4を用いて位置指令補正値を生成して出力するロスト
モーション補正ゲイン算出手段(位置指令補正値出力手
段)である。但し、g(v)は現在速度に依存するロス
トモーション量の増減をあらわす関数である。これ以外
の構成は実施の形態1と同様であり説明を省略する。 LM = f(p)×g(v)/K ・・・式4
【0038】図4はこの発明の実施の形態2によるテー
ブル1の速度と摩擦量との関係を示す説明図である。同
図(a)は横軸を速度、縦軸を上記式4におけるロスト
モーション係数g(v)とする摩擦分布グラフ、同図
(b)はそのグラフのもととなる計測データである。そ
して、同図に示すものでは、テーブル1の速度が増加す
ると一定の速度範囲まではだんだんと摩擦量が減少して
上記ロストモーション係数g(v)が減少し、更にその
速度範囲を超えて速度が増加すると徐々に摩擦量が増加
して上記ロストモーション係数g(v)も増加する特性
となっている。
【0039】次に動作について説明する。反転検出手段
7から反転検出信号が入力されると、ロストモーション
補正ゲイン算出手段16は、摩擦量および検出回転量に
基づいて判断されるテーブル1の移動速度に応じて上記
式4を用いて位置指令補正値を生成して出力する。これ
以外の動作は実施の形態1と同様であり説明を省略す
る。
【0040】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、ロストモーション補正ゲイン算出手段16が、エン
コーダ5からの検出回転量が入力され、テーブル駆動系
のモデリングに基づく演算式を用いてテーブル1の速度
に応じても異なる値となる位置指令補正値を生成して出
力するので、速度に応じて異なるテーブル1の摩擦量を
位置指令補正値で補正することができ、単にテーブル1
の位置のみを考慮した位置指令補正値を用いる場合より
も精度良く位置を制御することができる効果がある。
【0041】しかも、従来の多層ニューラルネットを用
いた位置指令値補正装置のようにあらゆるパラメータを
まとめて考慮させることなく、テーブル1の駆動系のモ
デリングに基づいてテーブル1の位置と速度とを分離し
て考慮することができるので、このように考慮すべき要
因数が増加したとしても、それにかかわらず少ない測定
にて摩擦量記憶手段8の記憶内容や演算式のパラメータ
を設定しつつ、各製品毎にそれぞれのずれを精度良く補
正することができる効果がある。
【0042】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3によるNC加工システムの一軸分の構成を示すブロ
ック図である。図において、17はテーブルの位置毎の
バネ係数を予め記憶するとともにエンコーダ5の検出回
転量が入力され、この回転検出量に基づいて推測される
テーブル1の位置における上記バネ係数を出力するバネ
係数記憶手段(バネ係数出力手段)、18は摩擦量記憶
手段8からの摩擦量とともにエンコーダ5の検出回転量
が入力され、反転検出信号が入力された場合には、検出
回転量に基づいて判断されるテーブル1の位置に応じて
下記式5を用いて位置指令補正値を生成して出力するロ
ストモーション補正ゲイン算出手段(位置指令補正値出
力手段)である。但し、k(p)は現在位置に依存して
変化するバネ係数としてバネ係数記憶手段17に記憶さ
れているものである。これ以外の構成は実施の形態1と
同様であり説明を省略する。 LM = f(p)/k(p) ・・・式5
【0043】図6はこの発明の実施の形態3によるテー
ブル1の位置とバネ係数との関係を示す説明図である。
同図(a)は横軸を位置、縦軸を上記式5におけるバネ
係数k(p)とするバネ係数分布グラフ、同図(b)は
そのグラフのもととなる計測データである。そして、同
図に示すものは、テーブル1の位置が増加すると徐々に
バネ係数k(p)が減少する特性となっている。
【0044】また、このバネ係数の分布関数k(p)は
以下の手順により設定されている。まず、一定の速度に
おいてテーブル1を動作範囲全体に渡って移動させなが
ら、接触式変位計などの位置計測手段を用いてテーブル
1のロストモーション量を計測するとともに、サーボモ
ータ4への供給電流値を記録する。次に、これらのデー
タを下記式6に代入してバネ係数の分布関数k(p)を
求める。但し、Ktはサーボモータ4のトルク定数、i
(p)はテーブル位置pにおけるサーボモータ4への供
給電流値であり、LM(p)はテーブル位置pにおける
テーブル1のロストモーション量である。そして、上記
バネ係数分布グラフはこれをプロットしたものである。 k(p) = Kt×i(p)/LM(p) ・・・式6
【0045】次に動作について説明する。バネ係数記憶
手段から現在位置に応じたバネ係数が出力された状態で
反転検出手段7から反転検出信号が入力されると、ロス
トモーション補正ゲイン算出手段18は、摩擦量記憶手
段8からの出力である摩擦量とバネ係数記憶手段17か
らの出力であるバネ係数から上記式5を用いて位置指令
補正値を生成して出力する。これ以外の動作は実施の形
態1と同様であり説明を省略する。
【0046】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、ロストモーション補正ゲイン算出手段18が、制御
対象の位置に応じて変化する摩擦量および制御対象の位
置に応じて変化するバネ係数を用いて位置指令補正値を
生成して出力するので、制御対象の位置毎のバネ係数が
変化したとしても、それに応じた位置指令補正値を演算
することができ、単に制御対象の摩擦量の変動のみを考
慮した位置指令補正値を用いる場合よりも精度良く位置
を制御することができる効果がある。
【0047】しかも、従来の多層ニューラルネットを用
いた位置指令値補正装置のようにあらゆるパラメータを
まとめて考慮することなく、テーブル1の位置による摩
擦量の変化と、テーブル1の位置によるバネ係数の変化
を分離して考慮することができるので、このように考慮
すべき要因数が増加したとしても、それに係わらず少な
い測定にて補正量記憶手段8の記憶内容や演算式のパラ
メータを設定しつつ、各製品毎にそれぞれのずれを精度
良く補正することができる効果がある。
【0048】なお、図7に示すように、実施の形態2の
NC加工システムの構成を前提としても同様の効果を得
ることができる。図において、19は摩擦量記憶手段8
からの摩擦量およびバネ係数記憶手段17からのバネ係
数とともにエンコーダ5の検出回転量が入力され、反転
検出信号が入力された場合には、検出回転量に基づいて
判断されるテーブル1の速度に応じて下記式7を用いて
位置指令補正値を生成して出力するロストモーション補
正ゲイン算出手段(位置指令補正値出力手段)である。
これ以外の構成は実施の形態2と同様であり説明を省略
する。 LM = f(p)×g(v)/k(p) ・・・式7
【0049】また、上記説明では制御対象の位置に依存
する摩擦量およびバネ係数を表形式で持つ例を示した
が、表形式のデータから抽出した近似関数を用いてもよ
い。あるいは、制御対象の位置に依存するバネ係数に関
しては、制御対象の機械系モデルに基づいた下記式8を
用いてもよい。但し、A,Bは現在位置をバネ係数に換
算するための定数である。 k(p)=1/(A×p+B) ・・・式8
【0050】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4によるNC加工システムの一軸分の構成を示すブロ
ック図である。図において、20はエンコーダ5の検出
回転量およびサーボモータ4への最終的な供給電流値が
入力され、電源起動、所定の連続稼働時間、ユーザ指示
などに基づいて把握される所定のスケジュールにて摩擦
量記憶手段8の記憶内容の更新処理を実施する関数導出
手段(摩擦量演算手段)である。この関数導出手段20
は具体的には例えば、テーブル1をその移動範囲全体に
おいて通常の使用速度よりもずっと低い一定の速度で移
動させる位置指令値を位置指令値出力手段6から出力さ
せつつ、その時のテーブル1の位置情報と供給電流値と
に基づいて各位置における摩擦量を上記式3を用いて演
算し、これを摩擦量記憶手段8に記憶させる。これ以外
の構成は実施の形態1と同様であり説明を省略する。
【0051】次に動作について説明する。上記スケジュ
ールに基づいて摩擦量記憶手段8の記憶内容の更新処理
タイミングがくると、関数導出手段20は具体的には例
えば、テーブル1を移動範囲全体において通常の使用速
度よりもずっと低い一定の速度にて移動させる位置指令
値を位置指令値出力手段6から出力させつつ、その時の
テーブル1の位置情報と供給電流値とに基づいて各位置
における摩擦量を演算し、これを摩擦量記憶手段8に記
憶させる。これ以外の動作は実施の形態1と同様であり
説明を省略する。
【0052】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、所定のスケジュールに基づいてテーブル1を動作さ
せ、その時のテーブル1の位置情報とこのテーブル1を
駆動するサーボモータ4への最終的な電流指令値とに基
づいて各位置における摩擦量を演算する関数導出手段2
0を備え、摩擦量記憶手段8が、この関数導出手段20
により演算されたテーブル1の位置毎の摩擦量を記憶す
るので、摩擦量記憶手段8にはその時々の環境や状態に
応じた位置指令補正値を記憶させることができる。
【0053】従って、直動案内の潤滑状態などが温度変
化や経年変化などに応じて変化し、その結果、テーブル
1の位置毎の摩擦量が変化したとしても、つまり直動案
内機構の潤滑状態が変化したとしても、それに応じて摩
擦量記憶手段8の記憶内容を更新することができるの
で、これらの温度変化や経年変化によらず、しかも、ガ
イドの潤滑状態の変化によらず、ロストモーションを精
度良く補正することができる効果がある。
【0054】この実施の形態4によれば、関数導出手段
20が、一定の位置指令値に基づいてテーブル1を動作
させた際の摩擦量を演算するので、その移動範囲略全体
に渡って略一定の速度でテーブル1を移動させた状態の
摩擦量を得ることができ、速度変化に伴う摩擦量の変化
を防止し、テーブル1の位置に応じた摩擦量や位置指令
補正値の精度を向上させることができる効果がある。
【0055】実施の形態5.図9はこの発明の実施の形
態5によるNC加工システムの一軸分の構成を示すブロ
ック図である。図において、21は位置指令補正値に基
づいて摩擦補正ゲインを演算し、反転検出信号が入力さ
れた場合には、下記式9を用いてそれの大きさをこの摩
擦補正ゲインで補正して電流指令補正値として出力する
摩擦補正ゲイン算出手段(電流指令値補正装置)であ
る。但し、fcは摩擦補正量、LMはロストモーション
補正量、Kはロストモーション補正量と摩擦量の関係を
示すバネ係数である。これ以外の構成は実施の形態1と
同様であり説明を省略する。 fc = LM×K ・・・式9
【0056】次に動作について説明する。反転検出手段
7から反転検出信号が出力され、更にこの反転検出信号
に基づいてロストモーション補正ゲイン算出手段9から
位置補正信号が出力されると、摩擦補正ゲイン算出手段
21は位置指令補正値に基づいて摩擦補正ゲインを演算
し、反転検出信号の大きさをこの摩擦補正ゲインで補正
して電流指令補正値を出力する。これ以外の動作は実施
の形態1と同様であり説明を省略する。
【0057】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、ロストモーション補正ゲイン算出手段9で生成され
た位置指令補正値に基づいて摩擦補正ゲインを演算し、
この摩擦補正ゲインを用いて上記電流指令値を補正する
摩擦補正ゲイン算出手段21を備えているので、テーブ
ル1の位置に依存する摩擦量の増減分をこの摩擦補正ゲ
インで相殺させることができ、この摩擦量の増減による
位置補正精度の悪化を防止することができる効果があ
る。
【0058】なお、図10に示すように、実施の形態2
のNC加工システムの構成を前提としても同様の効果を
得ることができる。
【0059】実施の形態6.図11はこの発明の実施の
形態6によるNC加工システムの一軸分の構成を示すブ
ロック図である。図において、22はサーボモータ4へ
の最終的な供給電流値およびエンコーダ5の検出回転量
が入力され、反転検出信号が入力された場合には、検出
回転量に基づいて判断されるテーブル1の移動速度に応
じて下記式10を用いて位置指令補正値を生成して出力
するロストモーション補正ゲイン算出手段(位置指令補
正値出力手段)である。但し、fは推定されたサーボモ
ータ軸換算の摩擦量、Ktはサーボモータ4のトルク定
数、iはサーボモータ4への電流指令値、Jは可動部す
べてを含むサーボモータ軸換算のイナーシャ、ddΘは
サーボモータ4の角加速度、Cはサーボモータ軸換算の
粘性摩擦係数、dΘはサーボモータ4の角速度である。
これ以外の構成は実施の形態2と同様であり説明を省略
する。 f = Kt×i−J×ddΘ−C×dΘ ・・・式10
【0060】なお、イナーシャJ及び粘性摩擦係数C
は、サーボモータ4の駆動軸に適当な最大速度を持つ正
弦波運動をさせた場合の位置(角度)、速度(角速
度)、加速度(角加速度)および推力(サーボモータト
ルク)から最小二乗法を用いて下記の式群11で計算さ
れる。但し、[]’は転置行列、[τ]はサーボモータ
トルクの時系列データからなるm行の列ベクトル、Bは
角加速度ddΘと角速度dΘ及びdΘの符号sign
(dΘ)はそれぞれの時系列データからなるm行の列ベ
クトルで構成されるm行×3列の行列、Aは行列Bから
計算される3行×3列の逆行列である。 [J C f]’ = A[τ] B = [ddΘ dΘ sign(dΘ)] τ = Kt×i ・・・式群11
【0061】次に動作について説明する。反転検出手段
7から反転検出信号が出力されると、ロストモーション
補正ゲイン算出手段22はその時のサーボモータ4への
最終的な供給電流値およびエンコーダ5の検出回転量か
ら判断される現在速度とを用いて上記式10に基づいて
位置指令補正値を生成する。これ以外の動作は実施の形
態2と同様であり説明を省略する。
【0062】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、位置指令値が入力され、上記位置指令値の増減に基
づいて制御方向の反転を検出して反転検出信号を出力す
る反転検出手段7と、テーブル1を駆動するサーボモー
タ4に対する最終的な供給電流値が入力され、テーブル
1のモデリングに基づく演算式を用いて位置指令補正値
を生成して出力するロストモーション補正ゲイン算出手
段22と、当該位置指令補正値を用いて上記位置指令値
の補正演算を行う位置加算手段10とを備えて、テーブ
ル1の数値制御に利用する位置指令値を補正するので、
テーブル1のモデリングに基づく演算式を用いてテーブ
ル1の反転が生じた位置毎に異なる値の位置指令値の補
正演算を行うことができる。
【0063】従って、位置に応じて異なるテーブル1の
摩擦量に応じて位置指令値を補正することができるの
で、単にテーブル1が反転した際に一定の位置指令補正
値を用いて位置指令値の補正演算を行う場合に比べて精
度良く位置を制御することができる効果がある。
【0064】また、テーブル1の位置と摩擦量との関係
モデルに基づく位置指令補正値を生成することができる
ので、従来の多層ニューラルネットを用いた位置指令値
補正装置のようにあらゆるパラメータを変化させた全て
の組み合わせについて測定を行う必要はなく、少ない測
定にて上記演算式のパラメータを設定することができ
る。
【0065】更に、このように少ない測定にて演算式を
設定することができるので、各製品毎に1つ1つ測定を
行ったとしても莫大な手間にはならないので、各製品毎
にそれぞれのずれを精度良く補正することができる位置
指令補正値を設定することができるので、従来にない高
精度化を実現することができる効果がある。
【0066】最後に、ロストモーション補正ゲイン算出
手段22には、その時々の環境や状態に応じて摩擦量が
変化すれば、それに応じて変化するサーボモータ4への
最終的な供給電流値が入力されるので、直動案内の潤滑
状態などが温度変化や経年変化などに応じて変化し、そ
の結果、テーブル1の位置毎の摩擦量が変化したとして
も、それに応じた位置指令補正値を演算することができ
るので、これらの温度変化や経年変化によらず、しか
も、直動案内の潤滑状態の変化によらず、ずれを精度良
く補正することができる効果がある。
【0067】この実施の形態6によれば、ロストモーシ
ョン補正ゲイン算出手段22が、テーブル1のモデリン
グに基づく演算式を用いてテーブル1の速度に応じても
異なる値となる位置指令補正値を生成して出力するの
で、速度に応じて異なるテーブル1の摩擦量を位置指令
補正値で補正することができ、単にテーブル1の位置の
みを考慮した位置指令補正値を用いる場合よりも精度良
く位置を制御することができる効果がある。
【0068】しかも、従来の多層ニューラルネットを用
いた位置指令値補正装置のようにあらゆるパラメータを
まとめて考慮させることなく、テーブル1のモデリング
に基づいてテーブル1の位置と速度とを分離して考慮す
ることができるので、このように考慮すべき要因数が増
加したとしても、それにかかわらず少ない測定にて演算
式のパラメータを設定しつつ、各製品毎にそれぞれのロ
ストモーションを精度良く補正することができる効果が
ある。
【0069】なお、以上の実施の形態では、テーブル1
の現在位置をエンコーダ5の検出回転量に基づいて判断
しているが、位置指令値出力手段6の出力である位置指
令値を用いて判断しても同様の効果を得ることができ
る。
【0070】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、制御
対象の数値制御に利用する位置指令値を補正する位置指
令値補正装置において、上記位置指令値が入力され、上
記位置指令値の増減に基づいて制御方向の反転を検出し
て反転検出情報を出力する反転検出手段と、予め測定さ
れた制御対象の位置毎の摩擦量を記憶する記憶手段を備
え、制御対象の現在位置に基づいて当該位置の摩擦量を
選択して出力する摩擦量出力手段と、当該摩擦量記憶手
段からの摩擦量出力とともに上記反転検出信号が入力さ
れ、当該摩擦量に応じて異なる値となる位置指令補正値
を生成して出力する位置指令補正値出力手段と、当該位
置指令補正値を用いて上記位置指令値の補正演算を行う
演算手段とを備えるので、記憶手段に予め測定された制
御対象の位置毎の摩擦量を記憶させることで、制御対象
の反転が生じた位置毎に異なる値の摩擦量に基づいて、
各位置において最適な位置指令補正値を用いて位置指令
値の補正演算を行うことができる。
【0071】従って、位置に応じて異なる制御対象の摩
擦量に応じて位置指令値を補正することができるので、
単に制御対象が反転した際に一定の位置指令補正値を用
いて位置指令値の補正演算を行う場合に比べて精度良く
位置を制御することができる効果がある。
【0072】また、制御対象の位置に応じた補正値を生
成し、これを用いて位置指令値を補正しているので、制
御対象の位置と摩擦量との関係モデルに基づく位置指令
補正値を生成することができ、ある一定の条件の下で制
御対象の位置と摩擦量との関係を測定するだけで当該制
御対象の位置に応じた位置指令補正値を記憶手段に記憶
させることができる。従って、従来の多層ニューラルネ
ットを用いた位置指令値補正装置のようにあらゆるパラ
メータを変化させた全ての組み合わせについて測定を行
う必要はなく、少ない測定にて位置指令補正値を設定す
ることができる。
【0073】更に、このように少ない測定にて位置指令
補正値を設定することができるので、各製品毎に1つ1
つ測定を行ったとしても莫大な手間にはならないので、
各製品毎にそれぞれのロストモーションを精度良く補正
することができる位置指令補正値を設定することができ
るので、従来にない高精度化を実現することができる効
果がある。
【0074】この発明によれば更に、予め測定された制
御対象の位置毎のバネ係数を記憶する記憶手段を備え、
制御対象の現在位置に基づいて当該位置のバネ係数を選
択して出力するバネ係数出力手段を設けるとともに、ロ
ストモーション補正ゲイン算出手段が、制御対象の位置
に応じて変化する摩擦量および制御対象の位置に応じて
変化するバネ係数を用いて位置指令補正値を生成して出
力するので、制御対象の位置毎のバネ係数が変化したと
しても、それに応じた位置指令補正値を演算することが
でき、単に制御対象の摩擦量の変動のみを考慮した位置
指令補正値を用いる場合よりも精度良く位置を制御する
ことができる効果がある。
【0075】この発明によれば、摩擦量出力手段が、所
定のスケジュールに基づいて制御対象を動作させ、その
時の制御対象の位置情報とこの制御対象を駆動する駆動
手段への指令値とに基づいて各位置における摩擦量を演
算する摩擦量演算手段を備え、記憶手段が、この摩擦量
演算手段により演算された制御対象の位置毎の摩擦量を
記憶するので、記憶手段にはその時々の環境や状態に応
じた位置指令補正値を記憶させることができる。従っ
て、ガイドの潤滑状態などが温度変化や経年変化などに
応じて変化し、その結果、制御対象の位置毎の摩擦量が
変化したとしても、それに応じて記憶手段の位置指令補
正値を更新することができるので、これらの温度変化や
経年変化によらず、しかも、ガイドの潤滑状態の変化に
よらず、ロストモーションを精度良く補正することがで
きる効果がある。
【0076】この発明によれば、摩擦量演算手段が、一
定の位置指令値に基づいて制御対象を動作させた際の摩
擦量を演算するので、その移動範囲略全体に渡って略一
定の速度で制御対象を移動させた状態の摩擦量を得るこ
とができ、速度変化に伴う摩擦量の変化を防止し、制御
対象の位置に応じた補正量や位置指令補正値の精度を向
上させることができる効果がある。
【0077】この発明によれば、制御対象の数値制御に
利用する位置指令値を補正する位置指令値補正装置にお
いて、上記位置指令値が入力され、上記位置指令値の増
減に基づいて制御方向の反転を検出して反転検出情報を
出力する反転検出手段と、制御対象を駆動する駆動手段
に対する指令値が入力され、制御対象のモデリングに基
づく演算式を用いて位置指令補正値を生成して出力する
位置指令補正値出力手段と、当該位置指令補正値を用い
て上記位置指令値の補正演算を行う演算手段とを備える
ので、制御対象のモデリングに基づく演算式を用いて制
御対象の反転が生じた位置毎に異なる値の位置指令値の
補正演算を行うことができる。
【0078】従って、位置に応じて異なる制御対象の摩
擦量に応じて位置指令値を補正することができるので、
単に制御対象が反転した際に一定の位置指令補正値を用
いて位置指令値の補正演算を行う場合に比べて精度良く
位置を制御することができる効果がある。
【0079】また、制御対象の位置と摩擦量との関係モ
デルに基づく位置指令補正値を生成することができるの
で、従来の多層ニューラルネットを用いた位置指令値補
正装置のようにあらゆるパラメータを変化させた全ての
組み合わせについて測定を行う必要はなく、少ない測定
にて上記演算式のパラメータを設定することができる。
【0080】更に、このように少ない測定にて演算式を
設定することができるので、各製品毎に1つ1つ測定を
行ったとしても莫大な手間にはならないので、各製品毎
にそれぞれのずれを精度良く補正することができる位置
指令補正値を設定することができるので、従来にない高
精度化を実現することができる効果がある。
【0081】最後に、位置指令補正値出力手段には、そ
の時々の環境や状態に応じて摩擦量が変化すれば、それ
に応じて変化する制御対象を駆動する駆動手段に対する
指令値が入力されるので、ガイドの潤滑状態などが温度
変化や経年変化などに応じて変化し、その結果、制御対
象の位置毎の摩擦量が変化したとしても、それに応じた
位置指令補正値を演算することができるので、これらの
温度変化や経年変化によらず、しかも、ガイドの潤滑状
態の変化によらず、ロストモーションを精度良く補正す
ることができる効果がある。
【0082】この発明によれば、位置指令補正値出力手
段が、制御対象の現在速度に関する情報が入力され、制
御対象のモデリングに基づく演算式を用いて制御対象の
速度に応じても異なる値となる位置指令補正値を生成し
て出力するので、速度に応じて異なる制御対象の摩擦量
を位置指令補正値で補正することができ、単に制御対象
の位置のみを考慮した位置指令補正値を用いる場合より
も精度良く位置を制御することができる効果がある。
【0083】しかも、従来の多層ニューラルネットを用
いた位置指令値補正装置のようにあらゆるパラメータを
まとめて考慮させることなく、制御対象のモデリングに
基づいて制御対象の位置と速度とを分離して考慮するこ
とができるので、このように考慮すべき要因数が増加し
たとしても、それにかかわらず少ない測定にて記憶手段
の記憶内容や演算式のパラメータを設定しつつ、各製品
毎にそれぞれのロストモーションを精度良く補正するこ
とができる効果がある。
【0084】この発明によれば、制御対象の数値制御に
利用する位置指令値を出力する位置指令値出力手段と、
この位置指令値が入力され、上記制御対象の反転検出信
号に基づいて当該位置指令値を補正する上記位置指令値
補正装置と、当該位置指令値補正装置から出力される補
正された位置指令値に基づいて電流指令値を生成する電
流指令値生成手段と、この電流指令値が入力され、上記
制御対象の反転検出信号に基づいて所定の摩擦補正ゲイ
ンを用いて上記電流指令値を補正する電流指令値補正装
置と、当該電流指令値補正装置から出力される補正され
た位置指令値に基づいて上記制御対象を駆動する駆動手
段とを備えるので、少ない測定に基づくデータで位置指
令補正値を生成することができ、しかも、単に制御対象
が反転した際に一定の位置指令補正値を用いて位置指令
値の補正演算を行う場合に比べて精度良く位置を制御す
ることができる効果がある。
【0085】この発明によれば、電流指令値補正装置
が、位置指令値補正装置で生成された位置指令補正値に
基づいて摩擦補正ゲインを演算し、この摩擦補正ゲイン
を用いて上記電流指令値を補正するので、テーブルの位
置に依存する摩擦量の増減分をこの摩擦補正ゲインで相
殺させることができ、この摩擦量の増減による位置補正
精度の悪化を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるNC加工シス
テムの一軸分の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による摩擦量記憶手
段に記憶されているテーブルの位置と摩擦量との関係の
一例を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるNC加工シス
テムの一軸分の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2によるテーブルの速
度と摩擦量との関係を示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態3によるNC加工シス
テムの一軸分の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による位置とバネ係
数の関係を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態3によるNC加工シス
テムの変形例を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態4によるNC加工シス
テムの一軸分の構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態5によるNC加工シス
テムの一軸分の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態5によるNC加工シ
ステムの変形例を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態6によるNC加工シ
ステムの一軸分の構成を示すブロック図である。
【図12】 従来の数値制御システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図13】 位置とロストモーション量の関係を説明す
る図である。
【図14】 従来の数値制御システムの構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 テーブル(制御対象)、2 ボールネジナット(駆
動手段)、3 ボールネジ(駆動手段)、4 サーボモ
ータ(駆動手段)、5 エンコーダ、6 位置指令値出
力手段、7 反転検出手段、8 摩擦量記憶手段(摩擦
量出力手段)、9,16,18,19,22 ロストモ
ーション補正ゲイン算出手段(位置指令補正値出力手
段)、10 位置加算手段(演算手段)、11 位置制
御手段(電流指令値生成手段)、12 速度制御手段
(電流指令値生成手段)、13 摩擦補正ゲイン算出手
段(電流指令値補正装置)、14 電流加算手段(電流
指令値補正装置)、15 電流制御手段(駆動手段)、
17 バネ係数記憶手段(バネ係数出力手段)、20
関数導出手段(摩擦量演算手段)、21 摩擦補正ゲイ
ン算出手段(電流指令値補正装置)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の数値制御に利用する位置指令
    値を補正する位置指令値補正装置において、 上記位置指令値が入力され、上記位置指令値の増減に基
    づいて制御方向の反転を検出して反転検出情報を出力す
    る反転検出手段と、 予め測定された制御対象の位置毎の摩擦量を記憶する記
    憶手段を備え、制御対象の現在位置に基づいて当該位置
    の摩擦量を選択して出力する摩擦量出力手段と、 当該摩擦量記憶手段からの摩擦量出力とともに上記反転
    検出信号が入力され、当該摩擦量に応じて異なる値とな
    る位置指令補正値を生成して出力する位置指令補正値出
    力手段と、 当該位置指令補正値を用いて上記位置指令値の補正演算
    を行う演算手段とを備えることを特徴とする位置指令値
    補正装置。
  2. 【請求項2】 制御対象の数値制御に利用する位置指令
    値を補正する位置指令値補正装置において、 上記位置指令値が入力され、上記位置指令値の増減に基
    づいて制御方向の反転を検出して反転検出情報を出力す
    る反転検出手段と、 予め測定された制御対象の位置毎の摩擦量を記憶する記
    憶手段を備え、制御対象の現在位置に基づいて当該位置
    の摩擦量を選択して出力する摩擦量出力手段と、 予め測定された制御対象の位置毎のバネ係数を記憶する
    記憶手段を備え、制御対象の現在位置に基づいて当該位
    置のバネ係数を選択して出力するバネ係数出力手段と、 当該バネ係数記憶手段からのバネ係数出力とともに上記
    摩擦量記憶手段からの摩擦量出力ならびに上記反転検出
    信号が入力され、当該バネ係数ならびに当該摩擦量に応
    じて異なる値となる位置指令補正値を生成して出力する
    位置指令補正値出力手段と、 当該位置指令補正値を用いて上記位置指令値の補正演算
    を行う演算手段とを備えることを特徴とする位置指令値
    補正装置。
  3. 【請求項3】 摩擦量出力手段は、所定のスケジュール
    に基づいて制御対象を動作させ、その時の制御対象の位
    置情報とこの制御対象を駆動する駆動手段への指令値と
    に基づいて各位置における摩擦量を演算する摩擦量演算
    手段を備え、 記憶手段は、この摩擦量演算手段により演算された制御
    対象の位置毎の摩擦量を記憶することを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の位置指令値補正装置。
  4. 【請求項4】 摩擦量演算手段は、一定の位置指令値に
    基づいて制御対象を動作させた際の摩擦量を演算するこ
    とを特徴とする請求項3記載の位置指令値補正装置。
  5. 【請求項5】 制御対象の数値制御に利用する位置指令
    値を補正する位置指令値補正装置において、 上記位置指令値が入力され、上記位置指令値の増減に基
    づいて制御方向の反転を検出して反転検出情報を出力す
    る反転検出手段と、 制御対象を駆動する駆動手段に対する指令値が入力さ
    れ、制御対象のモデリングに基づく演算式を用いて位置
    指令補正値を生成して出力する位置指令補正値出力手段
    と、 当該位置指令補正値を用いて上記位置指令値の補正演算
    を行う演算手段とを備えることを特徴とする位置指令値
    補正装置。
  6. 【請求項6】 位置指令補正値出力手段は、制御対象の
    現在速度に関する情報が入力され、制御対象のモデリン
    グに基づく演算式を用いて制御対象の速度に応じても異
    なる値となる位置指令補正値を生成して出力することを
    特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項
    記載の位置指令値補正装置。
  7. 【請求項7】 制御対象の数値制御に利用する位置指令
    値を出力する位置指令値出力手段と、 この位置指令値が入力され、上記制御対象の反転検出信
    号に基づいて当該位置指令値を補正する請求項1または
    請求項5記載の位置指令値補正装置と、 当該位置指令値補正装置から出力される補正された位置
    指令値に基づいて電流指令値を生成する電流指令値生成
    手段と、 この電流指令値が入力され、上記制御対象の反転検出信
    号に基づいて所定の摩擦補正ゲインを用いて上記電流指
    令値を補正する電流指令値補正装置と、 当該電流指令値補正装置から出力される補正された位置
    指令値に基づいて上記制御対象を駆動する駆動手段とを
    備える数値制御システム。
  8. 【請求項8】 電流指令値補正装置は、位置指令値補正
    装置で生成された位置指令補正値に基づいて摩擦補正ゲ
    インを演算し、この摩擦補正ゲインを用いて上記電流指
    令値を補正することを特徴とする請求項7記載の数値制
    御システム。
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