JP2001138175A - 工作機械の熱変形抑制方法および温度制御装置 - Google Patents
工作機械の熱変形抑制方法および温度制御装置Info
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Abstract
調の最適な目標温度を求め、工作機械の熱変形を高度に
抑制する全く新しい方法を提供する。 【構成】工作機械の構造体温度、前記工作機械周囲の温
度、前記工作機械の強制温調温度等に関する入力データ
群を入力し、そのときの前記工作機械の熱変位量を出力
し、入出力間に非線形関数を含むニューラルネットワー
クに、入力データと教師データとを与えることにより、
前記入力データ群と前記熱変位量との関係を学習させる
手順と、前記ニューラルネットワークに学習させた前記
入力データ群と前記熱変位量との関係により、前記熱変
位量が最小となる強制温調温度である最適温調設定温度
を求める手順と、強制温調温度が前記最適温調設定温度
となるように制御して前記工作機械の強制温調を行う手
順とを有する。
Description
形抑制方法および温度制御装置に関するものであり、さ
らに詳しくは、ニューラルネットワークの逆解法により
工作機械の熱変形を抑制する方法およびそれを利用した
温度制御装置に関するものである。
精度および寸法精度等への影響をできるだけ少なくする
ために、工作機械を強制温調(冷却または加熱)して各
構造体の温度を一定値に保つことや室温等に追従させる
ことは従来から行われていた。また、工作機械の温度変
化による熱変形量を予測して、各座標軸方向の送り量を
補正することにより熱変形による影響を減少させること
も従来から知られていた。
械を強制温調して各構造体の温度を目標値に保とうとし
ても、各構造体の温度を完全に目標値に追従制御するこ
とは不可能であり、目標値への追従制御による強制温調
によって熱変形による影響を減少させることには限界が
あった。また、工作機械の温度変化による熱変形量を精
度よく予測することも困難であり、各座標軸方向の送り
量を補正することによる熱変形の補償にも限界があっ
た。そして送り方向以外の方向での熱変形を補償するた
めには、各送り軸の制御が複雑となり補償精度がさらに
悪化することとなる。
クの逆解法により強制温調の最適な目標温度を求め、工
作機械の熱変形を高度に抑制する全く新しい方法および
その方法を利用した温度制御装置を提供することを目的
とする。
に、本発明の工作機械の熱変形抑制方法は、工作機械の
構造体温度、前記工作機械周囲の温度、前記工作機械の
強制温調温度等に関する入力データ群を入力し、そのと
きの前記工作機械の熱変位量を出力し、入出力間に非線
形関数を含むニューラルネットワークに、入力データと
教師データとを与えることにより、前記入力データ群と
前記熱変位量との関係を学習させる手順と、前記ニュー
ラルネットワークに学習させた前記入力データ群と前記
熱変位量との関係により、前記熱変位量が最小となる強
制温調温度である最適温調設定温度を求める手順と、強
制温調温度が前記最適温調設定温度となるように制御し
て前記工作機械の強制温調を行う手順とを有するもので
ある。
おいて、前記入力データ群は、稼働開始からの時間と、
稼働開始からの前記工作機械各部の温度上昇値と、稼働
開始からの室温上昇値および前記工作機械の強制温調温
度を含むものであることが好ましい。
おいて、前記入力データ群は、所定時間だけ過去からの
前記工作機械各部の温度上昇値と所定時間だけ過去から
の室温上昇値とを含むものであることが好ましい。
おいて、前記ニューラルネットワークは、入力層、中間
層および出力層の3層構造を有するものであることが好
ましい。
おいて、前記ニューラルネットワークは、前記中間層の
入力と出力との関係がシグモイド関数となるものである
ことが好ましい。
は、工作機械の構造体温度および前記工作機械周囲の温
度に関するデータを入力するデータ入力手段と、前記工
作機械の構造体温度、前記工作機械周囲の温度、前記工
作機械の強制温調温度等に関する入力データ群を入力
し、そのときの前記工作機械の熱変位量を出力し、入出
力間に非線形関数を含むとともに前記入力データ群と前
記熱変位量との関係を学習させたニューラルネットワー
クに基づいて、前記入力データ群と前記熱変位量との関
係により、前記熱変位量が最小となる強制温調温度であ
る最適温調設定温度を演算する演算手段と、強制温調温
度が前記最適温調設定温度となるように制御を行う制御
手段とを有するものである。
いて、稼働開始時の前記工作機械各部の温度と稼働開始
時の室温とを記憶する手段を有することが好ましい。
いて、所定時間だけ過去からの前記工作機械各部の温度
の履歴データと所定時間だけ過去からの室温の履歴デー
タとを記憶する手段を有することが好ましい。
いて、前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層
および出力層の3層構造を有するものであることが好ま
しい。
いて、前記ニューラルネットワークは、前記中間層の入
力と出力との関係がシグモイド関数となるものであるこ
とが好ましい。
を参照して説明する。図1は、本発明の熱変形抑制方法
を適用する工作機械を示す図である。工作機械としては
マシニングセンタ1を例にとって説明する。マシニング
センタ1のベッド2上には、テーブル3が設けられてい
る。また、コラム4には主軸頭5がZ軸方向(鉛直方
向)に移動可能に設けられている。主軸頭5には、Z軸
方向の中心軸を有する主軸6がZ軸の回りに回転可能に
軸支されている。
るX,Y軸の両軸方向に相対移動可能に設けられてい
る。ここでは、Z軸は鉛直方法に配置され、X,Y軸は
水平面内に配置されているが、これに限らず、X,Y,
Z軸は互いに直交する任意の方向であってもよい。工作
物はテーブル3上に固定され、主軸6の先端に取り付け
られた加工工具によって工作物の加工が行われる。加工
の際には、主軸6が回転駆動され、主軸頭5とテーブル
3とがX,Y,Z軸方向に相対移動される。
主軸6を軸支する軸受や駆動モータが熱源になり、マシ
ニングセンタ1の各部の温度が変動する。また、周囲の
室温も時間に従って変動する。これらの温度変動によ
り、マシニングセンタ1の各部に熱変形が生じ、主軸頭
5(主軸6)とテーブル3とのX,Y,Z軸方向の位置
関係に熱変形による変位が生じる。このような熱変位が
工作物の加工精度に悪影響を及ぼすので、マシニングセ
ンタ1の熱変形を抑制するための冷却装置9が設けられ
ている。
させることにより、主軸6の軸受やX,Y,Z軸方向の
送りねじの強制冷却を行うものである。従来の冷却制
御、例えば、室温同調制御においては、主軸軸受、送り
ねじ等の部材の温度が室温と同調するようにフィードバ
ック制御が行われ、これにより冷却媒体の温度が設定さ
れる。機体温度同調制御においては、主軸軸受、送りね
じ等の部材の温度がベッド2等の機体温度と同調するよ
うにフィードバック制御が行われ、これにより冷却媒体
の温度が設定される。
ィードフォワード制御による強制冷却では、未だ工作機
械の熱変形を充分に抑制することができなかった。本発
明は、ニューラルネットワークの逆解法により強制冷却
の最適な目標温度を求め、工作機械の熱変形を高度に抑
制する全く新しい方法を実現するものである。
トワークの構成を示す図である。このニューラルネット
ワークは、入力層、中間層、出力層からなる3層構造を
有している。入力層のユニットはn個設けられており、
上からi番目(1≦i≦n)のユニットに対する入力を
Ti とすると、i番目のユニットの出力もTi である。
すなわち、入力層の各ユニットは、入力された信号をそ
のまま出力するものである。入力層の入力Ti には、マ
シニングセンタ1の稼働開始からの時間t、稼働開始か
ら時間tまでのマシニングセンタ1の機体各部の温度上
昇値、稼働開始から時間tまでの室温上昇値、所定時間
Δtだけ前から時間tまでの機体各部の温度上昇値、所
定時間Δtだけ前から時間tまでの室温上昇値、冷却媒
体の温度等のデータが含まれる。
上からj番目(1≦j≦m)のユニットに対する入力を
Uj とし、j番目のユニットの出力をHj とする。出力
層のユニットは3個設けられており、上からk番目(1
≦k≦3)のユニットに対する入力をSk とし、k番目
のユニットの出力をOk とする。出力O1 ,O2 ,O 3
は熱変位のそれぞれX,Y,Z軸方向成分を表す。U
j ,Hj ,Sk ,Ok は、次の数1によって表される。
層の結合係数であり、θj は中間層の入力へのオフセッ
ト値である。数1(2)により、中間層の入力と出力と
の関係が示される。ただし、数1(2)において、ex
p(x)は指数関数を表すものである。数1(2)は、
シグモイド関数と呼ばれるものである。数1(3)にお
いて、Vkjは中間層と出力層の結合係数であり、γk は
出力層の入力へのオフセット値である。数1(4)は、
出力層の入力と出力との関係を示すものである。この出
力層の入出力関数としては、数1(4)のように線形1
次関数を用いている。
3層構造を持ち、中間層の入出力関数をシグモイド関数
とし、出力層の入出力関数を線形1次関数としたものを
示したが、これ以外の構成のものも利用できる。例え
ば、3層以上の多層構造としたり、中間層と出力層に他
の関数を利用したりすることができる。また、出力層の
ユニットの数を3として、熱変位のX,Y,Z軸方向成
分を出力するようにしたが、これ以外の座標成分を出力
するようにしてもよい。例えば、出力層のユニットの数
を6として、熱変位のX,Y,Z軸方向成分に加えて
A,B,C軸方向成分も出力することができる。ここ
で、A,B,C軸方向とは、それぞれX,Y,Z軸の回
りの回転方向である。また、着目する任意の方向の熱変
位成分のみを出力するようにすることもできる。
習を行うには、入力T1 〜Tn を与えるとともに、その
出力O1 〜O3 に対する教師データD1 〜D3 を与え
る。この入力Ti には、マシニングセンタ1の稼働開始
からの時間t、稼働開始から時間tまでの機体各部の温
度上昇値、稼働開始から時間tまでの室温上昇値、所定
時間Δtだけ前から時間tまでの機体各部の温度上昇
値、所定時間Δtだけ前から時間tまでの室温上昇値、
冷却媒体の温度等のデータが含まれる。ここでは、冷却
媒体の温度はTn として与えるものとする。
テーブル3の基準点の相対的な熱変位量のX,Y,Z軸
方向成分を測定し、それらの測定値を教師データD1 〜
D3として与える。そして、出力Ok と教師データDk
との誤差の二乗和が最小になるように、結合係数Wji,
Vkjおよびオフセット値θj ,γk を修正する。マシニ
ングセンタ1の種々の運転状態に対して入力データT1
〜Tn と教師データD 1 〜D3 を測定し、学習を繰り返
すことにより実際のマシニングセンタ1の熱変位特性を
シミュレートするようなニューラルネットワークを構築
することができる。実際の結合係数およびオフセット値
の修正は、公知のバックプロパゲーション法を用いて計
算を行うことができる。出力と教師データとの誤差の二
乗和が許容値以下となるまで修正を繰り返し、許容値以
下となれば学習を終了させる。
性を学習させたニューラルネットワークの入力データ、
結合係数、オフセット値を使用して、マシニングセンタ
1の熱変位は、次の数2により計算される。
Tn-1 は稼働開始からの時間および各部の温度上昇値で
あり、入力データTn は冷却媒体の温度である。したが
って、入力データT1 〜Tn-1 として測定値を用いるこ
とにより、マシニングセンタ1の熱変位を冷却媒体の温
度のみの関数として表すことができる。数2により、あ
らゆる運転状態において、ある冷却媒体の温度に対する
マシニングセンタ1の熱変位を計算することができる。
とするための冷却媒体の最適設定温度を求めることを逆
解法問題という。この逆解法問題を数2による熱変位を
最小化するための最適化計算によって解くことができ
る。具体的には、熱変位を表す出力O1 〜O3 の二乗和
が最小になるような冷却媒体の設定温度Tn を公知の勾
配法等により求めることができる。また、最適解を求め
る際の直線探索としては公知の黄金分割探索等を用いる
ことができる。
実際には、コンピュータ内のプログラムおよびデータと
して実現される。学習によるニューラルネットワークの
結合係数、オフセット値の修正演算もコンピュータによ
って演算される。さらに、コンピュータによる数値計算
によって逆解法問題を解いて冷却媒体の最適設定温度が
求められる。
た冷却制御装置7の構成を示す図である。図1の冷却装
置9は、この冷却制御装置7および冷却器8を備えてい
る。冷却制御装置7には、情報処理手段としてのCPU
71が設けられている。CPU71は、バス72を介し
てROM73、RAM74等のメモリをアクセスし、ま
た、それ以外の入出力回路等をアクセスして種々の情報
処理を行うことができる。
るBIOS等のシステムプログラムおよびデータと、R
AM74にロードされたプログラムおよびデータに従っ
て動作する。RAM74には、図2のようなニューラル
ネットワークをモデル化したニューラルネットワークモ
デル741が記憶されている。また、RAM74には、
基本プログラムであるOS(オペレーティング・システ
ム)や、ニューラルネットワークの学習を行う学習プロ
グラム742、ニューラルネットワークの逆解法により
冷却媒体の最適設定温度を演算する最適温度演算プログ
ラム743等がロードされている。
装置としての固定ディスク装置75が接続されている。
固定ディスク装置75にはCPU71によって実行され
るべきOSプログラムおよびその他のプログラム等を記
憶しておき、適宜、これらのプログラム等を固定ディス
ク装置75からRAM74にロードする。また、固定デ
ィスク装置75には、ニューラルネットワークモデル7
41を構成するためのデータ、数式等も記憶されてい
る。固定ディスク装置75には、さらに、後述する稼働
開始時温度データ751、温度履歴データ752が記録
される。
び図形を表示する表示手段76、操作者がデータを入力
するための入力手段77がインターフェース回路を介し
て接続されている。表示手段76としてはCRT、液晶
ディスプレイ等が使用でき、入力手段77としてはキー
ボード、タッチパネル等が使用できる。
の時計回路78、工作機械(マシニングセンタ1)から
の温度等の測定データを入力するための入力回路79が
接続されている。さらに、冷却制御装置7にはインター
フェース回路を介して冷却器8が接続されており、冷却
制御装置7によって目標温度に冷却制御された冷却媒体
が冷却器8から工作機械に送られ、工作機械の主軸軸受
やX,Y,Z軸の送りねじ等の部材を冷却する。
ーラルネットワークの結合係数、オフセット値の修正演
算を行うものである。ニューラルネットワークモデル7
41として、メーカーによって予め学習が終了したもの
を記憶させておけば、学習プログラム742は必ずしも
必要ではない。さらに、学習済みのニューラルネットワ
ークに基づく最適温度演算プログラム743が用意され
ていれば、ニューラルネットワークモデル741も不要
である。ただし、ニューラルネットワークモデル741
および学習プログラム742を搭載していれば、工作機
械ユーザー自身が教師データを用意してニューラルネッ
トワークの学習を行うことができる。
るべき工作機械からの計測データは、入力回路79を介
して冷却制御装置7に入力され、また、工作機械の稼働
開始信号等も入力回路79に入力される。稼働開始から
の時間は時計回路78から読み取ることができる。さら
に、入力回路79に入力された工作機械各部の温度およ
び室温のデータは、稼働開始時の温度データが稼働開始
時温度データ751として、所定時間Δtだけ過去から
現在までの履歴データが温度履歴データ752として固
定ディスク装置75内に記録される。
データから工作機械各部および室温の温度上昇値が計算
され、温度履歴データ752と現在の温度データから所
定時間Δtだけ前から現在までの温度上昇値が計算され
る。これらのデータから、数2によって与えられる熱変
位を最小化するような、冷却媒体の最適設定温度を最適
温度演算プログラム743により演算し、冷却媒体がそ
の最適設定温度となるように冷却器8を制御する。
った場合には、従来の室温同調制御等に比較して工作機
械の熱変位を大幅に抑制することができ、製品の加工精
度を大幅に向上させることができる。また、X,Y,Z
軸方向のような直線方向の熱変位を抑制するだけでな
く、A,B,C軸方向のような回転方向の熱変位を抑制
することも可能である。さらに、特に熱変位の抑制が必
要な方向に対して、熱変位の抑制を重点的に行うことも
可能である。その場合は、抑制が必要な熱変位を最小化
するように最適化計算を行い、冷却媒体の最適設定温度
を求めればよい。
作機械に適用した実例を示す。工作機械としては卓上旋
盤を使用し、主軸先端部のZ軸方向(主軸軸線方向)の
熱変位を最小化するものとする。ここで使用した卓上旋
盤の主軸は、X,Y軸方向には熱変位の生じにくい構造
のため、Z軸方向の熱変位のみを対象とした。ニューラ
ルネットワークの構成は、図2において出力層のユニッ
ト数を1としたものとなり、出力もO1 のみとなる。な
お、入力層のユニット数は16、中間層のユニット数は
32とした。また、数1(4)および数2における定数
a,bは、a=1,b=0とした。
よび冬)、主軸回転速度、強制冷却制御方法等をそれぞ
れ組み合わせた24通りの運転状態に対応して測定し
た。その24通りの運転状態のそれぞれに対して、稼働
開始から30分ごとに15個のサンプリング時点におけ
るデータT1 〜Tn を測定し、そのときのZ軸方向の熱
変位を測定して教師データとする。すなわち、学習デー
タセットは360セット(=24×15)となる。測定
データT1 〜Tn はn=16であり、その内容は、稼働
時間1データ、機体各部6位置の温度上昇値6データ、
30分(Δt)前からの機体各部6位置の温度上昇値6
データ、室温上昇値1データ、30分前からの室温上昇
値1データ、冷却油温度1データである。
を遂行すると、130回の学習によって熱変位の誤差は
許容値以下に減少し収束した。学習の終了したこのニュ
ーラルネットワークにより、熱変位を冷却油の温度の関
数として表現することができる。具体的には、数2のO
1 を計算する式となる。この式から熱変位を最小化する
ための冷却油の最適設定温度を前述の黄金分割探索等に
より求め、それに基づいて冷却装置の冷却油の設定温度
を制御する。
制御して強制冷却を行った場合の、熱変位の測定結果を
示す。図4は、測定を行った卓上旋盤の運転状態を示す
図である。卓上旋盤は、このように稼働開始から1時間
ごとに主軸回転速度を交互に3600rpm、1800
rpmとなるように切り換えてアイドリング運転され
た。
の熱変位量の測定結果を示したものである。「○」で示
された測定値は、本発明によるニューラルネットワーク
の逆解法によって求められた最適設定温度に冷却油の温
度を設定して強制冷却を行ったものである。「●」で示
された測定値は、従来の室温同調制御による強制冷却を
行ったものである。図5に示されるように、本発明によ
って強制冷却を行った場合には、従来の室温同調制御に
よる強制冷却に比較して熱変位が大幅に抑制されてい
る。
してマシニングセンタと旋盤を例にあげたが、その他の
任意の工作機械にも適用できる。また、数2においては
冷却媒体の温度を1つのデータにより表しているが、強
制冷却を行う個所が複数ある場合(主軸軸受と送りねじ
等)には、それぞれの個所で冷却媒体の温度を変えても
よく、その際には冷却媒体の温度を複数のデータにより
表すようにすればよい。さらに、ここでは工作機械の温
調制御として冷却を行うものについて説明したが、加熱
を行うものや冷却および加熱の両方を行うものであって
もよい。
ているので、以下のような効果を奏する。
ラルネットワークを使用して逆解法問題を解くことによ
り最適温調設定温度を求めるようにしたので、従来の温
度制御に比較して工作機械の熱変位を大幅に抑制するこ
とができ、加工製品の寸法精度、形状精度等を大幅に向
上させることができる。また、X,Y,Z軸方向のよう
な直線方向の熱変位を抑制するだけでなく、A,B,C
軸方向のような回転方向の熱変位を抑制することも可能
となる。さらに、特に熱変位の抑制が必要な方向に対し
て、熱変位の抑制を重点的に行うことも可能となる。
作機械を示す図である。
ークの構成を示す図である。
である。
のである。
Claims (10)
- 【請求項1】工作機械の構造体温度、前記工作機械周囲
の温度、前記工作機械の強制温調温度等に関する入力デ
ータ群を入力し、そのときの前記工作機械の熱変位量を
出力し、入出力間に非線形関数を含むニューラルネット
ワークに、入力データと教師データとを与えることによ
り、前記入力データ群と前記熱変位量との関係を学習さ
せる手順と、 前記ニューラルネットワークに学習させた前記入力デー
タ群と前記熱変位量との関係により、前記熱変位量が最
小となる強制温調温度である最適温調設定温度を求める
手順と、 強制温調温度が前記最適温調設定温度となるように制御
して前記工作機械の強制温調を行う手順とを有する工作
機械の熱変形抑制方法。 - 【請求項2】請求項1に記載した工作機械の熱変形抑制
方法であって、 前記入力データ群は、稼働開始からの時間と、稼働開始
からの前記工作機械各部の温度上昇値と、稼働開始から
の室温上昇値および前記工作機械の強制温調温度を含む
ものである工作機械の熱変形抑制方法。 - 【請求項3】請求項2に記載した工作機械の熱変形抑制
方法であって、 前記入力データ群は、所定時間だけ過去からの前記工作
機械各部の温度上昇値と所定時間だけ過去からの室温上
昇値とを含むものである工作機械の熱変形抑制方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載した工
作機械の熱変形抑制方法であって、 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層および
出力層の3層構造を有するものである工作機械の熱変形
抑制方法。 - 【請求項5】請求項4に記載した工作機械の熱変形抑制
方法であって、 前記ニューラルネットワークは、前記中間層の入力と出
力との関係がシグモイド関数となるものである工作機械
の熱変形抑制方法。 - 【請求項6】工作機械の構造体温度および前記工作機械
周囲の温度に関するデータを入力するデータ入力手段
(79)と、 前記工作機械の構造体温度、前記工作機械周囲の温度、
前記工作機械の強制温調温度等に関する入力データ群を
入力し、そのときの前記工作機械の熱変位量を出力し、
入出力間に非線形関数を含むとともに前記入力データ群
と前記熱変位量との関係を学習させたニューラルネット
ワークに基づいて、前記入力データ群と前記熱変位量と
の関係により、前記熱変位量が最小となる強制温調温度
である最適温調設定温度を演算する演算手段(743)
と、 強制温調温度が前記最適温調設定温度となるように制御
を行う制御手段とを有する工作機械の温度制御装置。 - 【請求項7】請求項6に記載した工作機械の温度制御装
置であって、 稼働開始時の前記工作機械各部の温度と稼働開始時の室
温とを記憶する手段(751)を有する工作機械の温度
制御装置。 - 【請求項8】請求項7に記載した工作機械の温度制御装
置であって、 所定時間だけ過去からの前記工作機械各部の温度の履歴
データと所定時間だけ過去からの室温の履歴データとを
記憶する手段(752)を有する工作機械の温度制御装
置。 - 【請求項9】請求項6〜8のいずれか1項に記載した工
作機械の温度制御装置であって、 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層および
出力層の3層構造を有するものである工作機械の温度制
御装置。 - 【請求項10】請求項9に記載した工作機械の温度制御
装置であって、 前記ニューラルネットワークは、前記中間層の入力と出
力との関係がシグモイド関数となるものである工作機械
の温度制御装置。
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