JP2001173740A - 自動変速機制御装置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

自動変速機制御装置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体

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JP2001173740A
JP2001173740A JP35681399A JP35681399A JP2001173740A JP 2001173740 A JP2001173740 A JP 2001173740A JP 35681399 A JP35681399 A JP 35681399A JP 35681399 A JP35681399 A JP 35681399A JP 2001173740 A JP2001173740 A JP 2001173740A
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Japan
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automatic transmission
downshift
standby state
vehicle
driver
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JP35681399A
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Nobuaki Miki
修昭 三木
Shigeo Tsuzuki
繁男 都築
Hirotsugu Ishigaki
裕嗣 石垣
Seiji Sakakibara
聖治 榊原
Masashi Hattori
雅士 服部
Kazuo Takemoto
和雄 竹本
Masao Kawai
正夫 川合
Toshihiro Shiimado
利博 椎窓
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Aisin AW Co Ltd
Equos Research Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
Equos Research Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】応答性を高くし、運転者が要求する駆動トルク
が得られるまでの時間を短くする。 【解決手段】走行環境を検出する走行環境検出手段91
と、走行環境に基づいて、急激なシフトダウンの変速が
必要になる状況が予測されるかどうかを判断する状況予
測判断処理手段92と、急激なシフトダウンの変速が必
要になる状況が予測される場合、待機状態を設定する待
機状態設定処理手段93と、車両の操作情報を検出する
運転者操作情報検出手段94と、操作情報に基づいて、
急シフトダウン操作が行われたかどうかを判断する急シ
フトダウン操作判断処理手段95と、前記急シフトダウ
ン操作が行われたときに、前記待機状態に置かれた自動
変速機のシフトダウンの変速を行う変速処理手段96と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機制御装
置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記録した
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機を搭載した車両(自
車)においては、エンジンを駆動することによって発生
させられた回転を、変速機構に伝達し、該変速機構にお
いて変速を行い、変速が行われた後の回転を駆動輪に伝
達して車両を走行させるようにしている。
【0003】前記自動変速機には、有段変速機及び無段
変速機が有り、前記有段変速機においては、プラネタリ
ギヤユニットに回転を入力するための歯車要素、前記プ
ラネタリギヤユニットから回転を出力させるための歯車
要素等の組合せを変更することによって変速機構の変速
比を有段で変化させ、前記無段変速機においては、プラ
イマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトが張設
され、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの半径方
向におけるベルトの位置、すなわち、有効径を変化させ
ることによって、変速機構の変速比を無段で変化させる
ようにしている。そのために、プライマリプーリ及びセ
カンダリプーリは固定シーブ及び可動シーブを備え、該
可動シーブを油圧サーボ、電動機等の駆動手段によって
移動させることにより、前記有効径を変化させるように
なっている。
【0004】ところで、車両を急に加速しようとする場
合、登坂路にさしかかったときに車両を減速することな
く走行させようとする場合等には、大きな駆動トルクが
必要になる。そこで、アクセルペダルの作動部等に配設
されたキックダウンスイッチがオンになったとき、スロ
ットル開度が所定の値を超えたとき、アクセルペダルの
踏込み速度が所定の値を超えたとき等に変速比を大きく
してシフトダウンの変速を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の自動変速機においては、有段変速機の場合、歯車要
素の組合せを変更することによって変速比を不連続に変
化させるようになっているので、変速速度が高く、応答
性も高いが、無段変速機の場合、前記ベルトの有効径を
変化させることによって変速比を連続的に変化させるよ
うになっているので、変速速度が低く、応答性も低い。
したがって、運転者が要求する駆動トルクが得られるま
での時間が長くなり、運転者に違和感を与えてしまう。
【0006】本発明は、前記従来の無段変速機の問題点
を解決して、応答性を高くすることができ、運転者が要
求する駆動トルクが得られるまでの時間を短くすること
ができ、運転者に違和感を与えることがない自動変速機
制御装置、自動変速機制御方法及びそのプログラムを記
録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の自
動変速機制御装置においては、車両の走行環境を検出す
る走行環境検出手段と、検出された走行環境に基づい
て、急激なシフトダウンの変速が必要になる状況が予測
されるかどうかを判断する状況予測判断処理手段と、急
激なシフトダウンの変速が必要になる状況が予測される
場合、直ちにシフトダウンの変速を行うことが可能な待
機状態を設定し、自動変速機を待機状態に置く待機状態
設定処理手段と、運転者による車両の操作情報を検出す
る運転者操作情報検出手段と、検出された操作情報に基
づいて、運転者によって急シフトダウン操作が行われた
かどうかを判断する急シフトダウン操作判断処理手段
と、前記急シフトダウン操作が行われたときに、シフト
ダウンの変速出力を発生させて、前記待機状態に置かれ
た自動変速機のシフトダウンの変速を行う変速処理手段
とを有する。
【0008】本発明の他の自動変速機制御装置において
は、さらに、前記自動変速機は無段変速機である。そし
て、待機状態において、セカンダリプーリの油圧サーボ
の油室に供給される油圧が高くされる。
【0009】本発明の更に他の自動変速機制御装置にお
いては、さらに、前記自動変速機は無段変速機である。
そして、待機状態において、目標エンジン回転速度が高
くされる際の変化速度が高くされる。
【0010】本発明の更に他の自動変速機制御装置にお
いては、さらに、前記自動変速機は無段変速機である。
そして、待機状態において、あらかじめシフトダウンの
変速が行われる。
【0011】本発明の自動変速機制御方法においては、
車両の走行環境を検出し、検出された走行環境に基づい
て、急激なシフトダウンの変速が必要になる状況が予測
されるかどうかを判断し、急激なシフトダウンの変速が
必要になる状況が予測される場合、直ちにシフトダウン
の変速を行うことが可能な待機状態を設定し、自動変速
機を待機状態に置き、運転者による車両の操作情報を検
出し、検出された操作情報に基づいて、運転者によって
急シフトダウン操作が行われたかどうかを判断し、急シ
フトダウン操作が行われたときに、シフトダウンの変速
出力を発生させて、前記待機状態に置かれた自動変速機
のシフトダウンの変速を行う。
【0012】本発明の記録媒体に記録された自動変速機
制御方法のプログラムは、車両の走行環境を検出し、検
出された走行環境に基づいて、急激なシフトダウンの変
速が必要になる状況が予測されるかどうかを判断し、急
激なシフトダウンの変速が必要になる状況が予測される
場合、直ちにシフトダウンの変速を行うことが可能な待
機状態を設定し、自動変速機を待機状態に置き、運転者
による車両の操作情報を検出し、検出された操作情報に
基づいて、運転者によって急シフトダウン操作が行われ
たかどうかを判断し、急シフトダウン操作が行われたと
きに、シフトダウンの変速出力を発生させて、前記待機
状態に置かれた自動変速機のシフトダウンの変速を行
う。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場
合、自動変速機のうちの無段変速機について説明する。
【0014】図1は本発明の実施の形態における自動変
速機制御装置の機能ブロック図である。
【0015】図において、91は車両の走行環境を検出
する走行環境検出手段、92は検出された走行環境に基
づいて、急激なシフトダウンの変速が必要になる状況が
予測されるかどうかを判断する状況予測判断処理手段、
93は、急激なシフトダウンの変速が必要になる状況が
予測される場合、直ちにシフトダウンの変速を行うこと
が可能な待機状態を設定し、自動変速機を待機状態に置
く待機状態設定処理手段、94は運転者による車両の操
作情報を検出する運転者操作情報検出手段、95は、検
出された操作情報に基づいて、運転者によって急シフト
ダウン操作が行われたかどうかを判断する急シフトダウ
ン操作判断処理手段、96は、前記急シフトダウン操作
が行われたときに、シフトダウンの変速出力を発生させ
て、前記待機状態に置かれた自動変速機のシフトダウン
の変速を行う変速処理手段である。
【0016】図2は本発明の実施の形態における無段変
速機の概念図である。
【0017】図に示されるように、無段変速機10は、
ベルト式の変速機構102、前後進切換装置103、ロ
ックアップクラッチ105を内蔵したトルクコンバータ
106、カウンタシャフト107及びディファレンシャ
ル装置109を備える。
【0018】前記トルクコンバータ106は、図示され
ないエンジンの出力軸110にフロントカバー117を
介して連結されたポンプインペラ111、入力軸112
にロックアップクラッチプレート104及びダンパスプ
リング120を介して連結されたタービンランナ11
3、及びワンウェイクラッチ115を介して支持された
ステータ116を備える。そして、前記ロックアップク
ラッチ105は、入力軸112とフロントカバー117
との間に配設される。なお、121はポンプインペラ1
11に連結されて駆動されるオイルポンプである。
【0019】前記変速機構102は、プライマリプーリ
126、セカンダリプーリ131、及び前記プライマリ
プーリ126とセカンダリプーリ131との間に張設さ
れた金属製のベルト132を有する。そして、前記プラ
イマリプーリ126は、プライマリシャフト122に固
定された固定シーブ123、及び前記プライマリシャフ
ト122に対して軸方向に摺(しゅう)動自在に支持さ
れた可動シーブ125から成り、セカンダリプーリ13
1は、セカンダリシャフト127に固定された固定シー
ブ129、及び前記セカンダリシャフト127に対して
軸方向に摺動自在に支持された可動シーブ130から成
る。
【0020】また、可動シーブ125の背面にはダブル
ピストンから成る第1の駆動手段としての油圧サーボ1
33が、可動シーブ130の背面にはシングルピストン
から成る第2の駆動手段としての油圧サーボ135が配
設される。前記油圧サーボ133は、プライマリシャフ
ト122に固定されたシリンダ部材136及び反力支持
部材137、並びに可動シーブ125の背面に固定され
た筒状部材139及びピストン部材140を備え、前記
筒状部材139、反力支持部材137、及び可動シーブ
125の背面によって第1の油室141が、シリンダ部
材136及びピストン部材140によって第2の油室1
42が形成される。なお、本実施の形態においては、前
記第1、第2の駆動手段として油圧サーボ133、13
5が使用されるが、該油圧サーボ133、135に代え
て電動機を使用することもできる。
【0021】そして、前記第1、第2の油室141、1
42が連通孔137aによって互いに連通させられるの
で、油圧サーボ133に、油圧サーボ135と同じ油圧
を供給することによって、油圧サーボ135に発生させ
られる軸力のほぼ2倍の軸力を発生させることができ
る。
【0022】一方、前記油圧サーボ135は、セカンダ
リシャフト127に固定された反力支持部材143、及
び可動シーブ130の背面に固定された筒状部材145
を備え、前記反力支持部材143、筒状部材145及び
可動シーブ130の背面によって1個の油室146が形
成されるとともに、可動シーブ130と反力支持部材1
43との間にプリロード用のスプリング147が配設さ
れる。
【0023】前記前後進切換装置103は、ダブルピニ
オンプラネタリギヤ150、リバースブレーキB及びダ
イレクトクラッチCを有する。前記ダブルピニオンプラ
ネタリギヤ150において、サンギヤSと入力軸112
とが連結され、第1、第2のピニオンP1、P2を支持
するキャリヤCRと固定シーブ123とが連結され、リ
ングギヤRと前記リバースブレーキBとが連結され、キ
ャリヤCRとリングギヤRとが前記ダイレクトクラッチ
Cを介して連結される。
【0024】そして、前記カウンタシャフト107に
は、大ギヤ151及び小ギヤ152が固定され、前記大
ギヤ151は、セカンダリシャフト127に固定された
ギヤ153と噛(し)合し、また、小ギヤ152は、デ
ィファレンシャル装置109のデフケース166に固定
されたギヤ155と噛合する。前記ディファレンシャル
装置109においては、前記デフケース166に支持さ
れたデフギヤ156の回転が、左右のサイドギヤ15
7、159を介して左右の車軸160、161に伝達さ
れる。
【0025】また、固定シーブ123の外周部には、多
数の凹凸部123aが歯切りによって等間隔に形成さ
れ、前記凹凸部123aに臨ませて、図示されないケー
スに固定された電磁ピックアップから成るプライマリプ
ーリ回転速度センサ162が配設される。前記固定シー
ブ129の外周部には、多数の凹凸部129aが歯切り
によって等間隔に形成され、前記凹凸部129aに臨ま
せて、前記ケースに固定された電磁ピックアップから成
るセカンダリプーリ回転速度センサ、すなわち、車速セ
ンサ44が配設される。したがって、該車速センサ44
によって車両の走行条件を表す車速Vを、プライマリプ
ーリ回転速度センサ162によって入力プーリ回転速度
をそれぞれ検出することができる。
【0026】また、前記フロントカバー117に近接さ
せて前記ケースに固定された電磁ピックアップから成る
エンジン回転速度センサ165が配設され、該エンジン
回転速度センサ165によってエンジン負荷を表すエン
ジン回転速度NE を検出することができる。
【0027】前記構成の無段変速機10において、前記
エンジンを駆動することによって発生させられた回転
は、トルクコンバータ106及び前後進切換装置103
を介して変速機構102に伝達され、該変速機構102
において変速が行われた後、ギヤ153、大ギヤ15
1、小ギヤ152及びギヤ155を介してディファレン
シャル装置109に伝達される。そして、前記前後進切
換装置103において、リバースブレーキBを解放した
状態でダイレクトクラッチCを係合させると、ダブルピ
ニオンプラネタリギヤ150は直結状態になり、入力軸
112に伝達された回転はそのままプライマリプーリ1
26に伝達され、車両が前進させられる。また、リバー
スブレーキBを係合させた状態でダイレクトクラッチC
を解放すると、ダブルピニオンプラネタリギヤ150は
逆転状態になり、入力軸112に伝達された回転は逆転
させられてプライマリプーリ126に伝達され、車両が
後退させられる。
【0028】そして、シフトアップの変速を行う場合、
油圧サーボ133に油圧が供給され、前記プライマリプ
ーリ126の有効径が小さくされ、セカンダリプーリ1
31の有効径が大きくされる。その結果、変速比が小さ
くされる。また、シフトダウンの変速を行う場合、油圧
サーボ133の油圧がドレーンされ、前記プライマリプ
ーリ126の有効径が大きくされ、セカンダリプーリ1
31の有効径が小さくされる。その結果、変速比が大き
くされる。
【0029】次に、自動変速機制御装置について説明す
る。
【0030】図3は本発明の実施の形態における自動変
速機制御装置のブロック図である。
【0031】図において、12は無段変速機10(図
2)の全体の制御を行う自動変速機制御部、13は図示
されないエンジンの全体の制御を行うエンジン制御部、
14はナビゲーション装置である。
【0032】また、40は車両・運転者操作情報検出部
であり、該車両・運転者操作情報検出部40は、ステア
リングセンサ24、ウインカセンサ41、アクセルセン
サ42、ブレーキセンサ43、車速Vを検出する車速セ
ンサ44、運転者による加速要求を表すスロットル開度
θを検出するスロットル開度センサ45、及び運転者が
図示されないシフトレバー等の選速手段を操作すること
によって選択された変速レンジを検出するシフトポジシ
ョンセンサ46を備える。なお、前記アクセルセンサ4
2、ブレーキセンサ43、スロットル開度センサ45及
びシフトポジションセンサ46によって運転者による車
両の操作情報を検出する運転者操作情報検出手段94
(図1)が構成される。
【0033】そして、48は車両の前方を監視する前方
監視装置、49は道路の車線を表す表示線を認識する表
示線認識装置、50は車両の周辺を監視する周辺監視装
置、51はRAM、52はROMである。なお、RAM
51及びROM52によって記録手段が構成される。ま
た、前記変速レンジとして、ニュートラルレンジ
(N)、前進レンジ(D)、ローレンジ(L)、後進レ
ンジ(R)及びパーキングレンジ(P)を選択すること
ができる。なお、前記前方監視装置48は、レーザーレ
ーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ等、又はそれらの組
合せから成り、車間距離La、車間時間Ta、先行車に
対する接近速度Va、一時停止箇所(非優先道路から優
先道路への進入箇所、踏切、赤の信号が点滅する交差点
等)に対する接近速度Vb、障害物に対する接近速度等
を算出する。また、前記周辺監視装置50は、車両の前
方の画像をCCD、C−MOS等のカメラによって撮影
し、撮影によって得られた路上標識、信号機等の画像デ
ータを処理して信号機の色等を判断する。
【0034】前記ナビゲーション装置14は、車両の現
在位置を検出する現在位置検出部15、道路データ等の
各種のデータが記録された記録媒体としてのデータ記録
部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処
理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部1
7、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出
力部37及び通信部38を有する。
【0035】そして、前記現在位置検出部15は、GP
S21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリ
ングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ
26、図示されない高度計等から成る。
【0036】前記GPS21は、人工衛星によって発生
させられた電波を受信することによって地球上における
現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を
測定することによって車両が向いている方位を検出し、
前記距離センサ23は、道路上の所定の位置間の距離等
を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車
輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出す
るもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離
を検出するもの等を使用することができる。
【0037】また、前記ステアリングセンサ24は舵
(だ)角を検出し、前記ステアリングセンサ24とし
て、例えば、図示されないステアリングホイールの回転
部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗セン
サ、図示されない車輪に取り付けられた角度センサ等が
使用される。
【0038】そして、前記ビーコンセンサ25は、道路
に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信する
ことによって現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ
26は、車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出
し、前記ジャイロセンサ26として、例えば、ガスレー
トジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、ジ
ャイロセンサ26によって検出された旋回角を積分する
ことにより、車両が向いている方位を検出することがで
きる。
【0039】前記GPS21及びビーコンセンサ25
は、それぞれ単独で現在位置を検出することができる。
そして、距離センサ23によって検出された距離と、地
磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出さ
れた方位とを組み合わせることにより現在位置を検出す
ることもできる。また、距離センサ23によって検出さ
れた距離と、ステアリングセンサ24によって検出され
た舵角とを組み合わせることにより現在位置を検出する
こともできる。
【0040】前記データ記録部16は、地図データファ
イル、交差点データファイル、ノードデータファイル、
道路データファイル、写真データファイル、及び各地域
のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の施設の情
報が記録された施設情報データファイルから成るデータ
ベースを備える。そして、前記各データファイルには、
経路を検索するためのデータのほか、前記表示部35の
図示されない画面に、検索した経路に沿って案内図を表
示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ
図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点
における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示
したりするための各種のデータが記録される。なお、前
記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37
によって出力するための各種のデータも記録される。
【0041】ところで、前記交差点データファイルには
各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイ
ルにはノード点に関するノードデータが、道路データフ
ァイルには道路に関する道路データがそれぞれ記録さ
れ、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データに
よって道路状況が表される。なお、前記ノードデータ
は、前記地図データファイルに記録された地図データに
おける少なくとも道路の位置及び形状を構成するもので
あり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含
む)、ノード点、及び各ノード点間を連結するリンクを
示すデータから成る。なお、前記ノード点は少なくとも
道路の屈曲点の位置を示し、分岐点及びノード点は少な
くとも緯度、経度及び高度で表される。
【0042】そして、前記道路データによって、道路自
体については、幅員、勾(こう)配、カント、バンク、
路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅
員の狭くなる地点等が、コーナについては、曲率半径、
交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性について
は、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金
所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速道
等)等がそれぞれ構成される。
【0043】また、前記ナビゲーション処理部17は、
ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPU3
1、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワ
ーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御
プログラムのほか、目的地までの経路の検索、経路中の
走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログ
ラムが記録された記録媒体としてのROM33から成る
とともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力
部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37
及び通信部38が接続される。
【0044】なお、前記データ記録部16及びROM3
3は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって
構成される。また、前記データ記録部16及びROM3
3として、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディ
スク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、
ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用するこ
ともできる。
【0045】本実施の形態においては、前記ROM33
に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部16
に各種のデータが記録されるようになっているが、前記
プログラム及びデータを同じ外部の記録媒体に記録する
こともできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション
処理部17に図示されないフラッシュメモリを配設し、
前記外部の記録媒体から前記プログラム及びデータを読
み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。し
たがって、外部の記録媒体を交換することによって前記
プログラム及びデータを更新することができる。また、
自動変速機制御部12用の制御プログラム等も前記外部
の記録媒体に記録することができる。このように、各種
の記録媒体に記録されたプログラムを起動し、データに
基づいて各種の処理を行うことができる。
【0046】さらに、前記通信部38は、FM送信装
置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うた
めのものであり、例えば、図示されない情報センサ等に
よって渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の
検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを
受信する。
【0047】そして、前記入力部34は、走行開始時の
位置を修正したり、目的地を入力したりするためのもの
であり、前記入力部34として、表示部35と別に配設
されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライト
ペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用
することができる。また、前記入力部34を、表示部3
5の画面に画像で表示されたキー又はメニューにタッチ
することにより入力を行うタッチパネルによって構成す
ることもできる。
【0048】そして、前記表示部35には、操作案内、
操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走
行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部3
5としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、
プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを
投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0049】また、音声入力部36は、図示されないマ
イクロホン等によって構成され、音声によって必要な情
報を入力することができる。さらに、音声出力部37
は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音
情報、例えば、音声合成装置によって合成された音声か
ら成る案内情報、変速情報等をスピーカから出力し、運
転者に知らせる。なお、音声合成装置によって合成され
た音声のほかに、各種の音、及びあらかじめテープ、メ
モリ等の記録媒体に録音された各種の案内情報をスピー
カから出力することもできる。
【0050】前記構成のナビゲーション装置14におい
て、CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処
理を行うことによって、表示部35に案内画面を開き、
該案内画面に現在位置及び周辺の地図を表示する。そし
て、運転者によって入力部34が操作されて目的地が設
定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手
段は、経路探索処理を行うことによって、現在位置から
目的地までの経路を探索し、経路が探索されると、前記
表示処理手段は、表示処理を行うことによって、前記案
内画面を開き、該案内画面に現在位置、周辺の地図及び
探索された経路を表示し、経路案内を開始する。したが
って、運転者は、前記経路案内に従って車両を走行させ
ることができる。
【0051】また、前記自動変速機制御部12は、車両
・運転者操作情報検出部40から車両情報及び操作情報
を、ナビゲーション処理部17からナビ情報を、前方監
視装置48及び周辺監視装置50から車両環境情報を読
み込むとともに、必要に応じて車両周辺情報、環境情報
及び表示情報を読み込み、無段変速機10の制御を行
う。
【0052】そして、前記車両情報として、車速センサ
44によって検出された車速V、スロットル開度センサ
45によって検出されたスロットル開度θ、エンジン回
転速度センサ165によって検出されたエンジン回転速
度NE 、該エンジン回転速度NE に基づいて算出された
エンジン回転速度変化、車速Vに基づいて算出された車
速変化(加速度、減速度)、油温センサ61によって検
出されたATF温度、ABSセンサ62によって検出さ
れた車輪ロック・アンロック、振動ジャイロセンサ63
によって検出された縦ジャイロ、横ジャイロ又はロール
角、水温センサ64によって検出されたエンジン水温、
流量センサ65によって検出された吸入空気量、酸素
(O2 )センサ66によって検出された酸素濃度等を利
用することができる。
【0053】また、操作情報として、アクセルセンサ4
2によって検出されたアクセル開度α、該アクセル開度
αに基づいて算出された踏込速度Ve又はキックダウン
オン・オフ情報、図示されないアクセルペダルの作動部
等に配設されたキックダウンスイッチ67によって検出
されたキックダウンオン・オフ情報、図示されないブレ
ーキスイッチによって検出されたブレーキオン・オフ情
報、前記ブレーキセンサ43によって検出された図示さ
れないブレーキペダルの踏込強さ又は踏込速度、図示さ
れないブレーキ油圧センサによって検出された踏込強さ
又は踏込速度、前記ステアリングセンサ24によって検
出された舵角、又は該舵角に基づいて算出された操舵速
度、前記ウインカセンサ41によって検出されたウイン
カオフ、ウインカ右オン又はウインカ左オン、図示され
ないモードスイッチによって検出されたパワー(スポー
ツ)モード、ノーマル(エコノミー)モード、スノー
(ホールド)モード又はオートモード、図示されないワ
イパスイッチによって検出されたワイパオフ、間欠オ
ン、連続(ロー)オン又は連続(ハイ)オン、図示され
ないライトスイッチによって検出されたスモールライト
オン、ヘッドライト(ロー)オン、ヘッドライト(ハ
イ)オン又はオートオン、図示されないN.S.スイッ
チによって検出された変速レンジ等を利用することがで
きる。
【0054】そして、ナビ情報として、データ記録部1
6に記録された道路の形状、道路種別、車線数、交差点
形状、タウン情報又は地域情報、GPS21によって検
出された時間(季節)、通信部38によって取得された
VICS渋滞レベル、FM多重放送によるD−GPS情
報又は渋滞情報、図示されない携帯電話によって取得さ
れた地図情報、渋滞情報、行楽情報又は天気情報、衛星
放送によって取得された地図情報、図示されないDSR
Cによって取得されたETC情報、料金決済情報、地図
情報、交差点情報又はタウン情報、SS無線によって検
出された車間情報等を利用することができる。
【0055】また、車両環境情報として、前記前方監視
装置48によって検出された車間距離La、車間時間T
a、先行車走行レーン又は障害物、前記周辺監視装置5
0によって検出された周辺の車両数、前方の道路の形
状、白線位置、路肩位置、路面状態、道路標識、信号
機、信号機の色、障害物等を利用することができる。
【0056】なお、車両周辺情報として、図示されない
超音波センサによって検出された障害物、図示されない
マイクロ波センサによって検出された障害物、図示され
ないカメラによって検出された障害物等を利用すること
もできる。
【0057】また、環境情報として、図示されない外気
温センサによって検出された外気温度、図示されない日
射センサによって検出された日射量等を利用することも
できる。
【0058】さらに、表示情報として、ビーコンセンサ
25によって検出された信号機の色を利用することもで
きる。
【0059】次に、前記自動変速機制御装置の動作につ
いて説明する。
【0060】図4は本発明の実施の形態における自動変
速機制御装置の動作を示すメインフローチャート、図5
は本発明の実施の形態における通常制御処理のサブルー
チンを示す図、図6は本発明の実施の形態における変速
線図、図7は本発明の実施の形態における予測制御処理
のサブルーチンを示す図、図8は本発明の実施の形態に
おける予測制御処理の動作を示すタイムチャートであ
る。なお、図6において、横軸に車速Vを、縦軸にエン
ジン回転速度NE を採ってある。
【0061】まず、自動変速機制御部12(図3)の図
示されない通常制御処理手段は、通常制御処理を行い、
シフト制御情報として、選択された変速レンジ、車速
V、スロットル開度θ及びエンジン回転速度NE を読み
込む。そして、前記通常制御処理手段は、ROM52に
記録された図6に示される変速線図を参照し、選択され
た変速レンジにおける車速V及び加速要求に基づいて、
エンジン回転速度NE の目標値、すなわち、目標エンジ
ン回転速度NE * を算出する。
【0062】次に、前記通常制御処理手段は、前記エン
ジン回転速度NE と目標エンジン回転速度NE * とを比
較し、比較結果に基づいて変速出力を発生させ、所定の
変速比を出力する。そして、エンジン回転速度NE が目
標エンジン回転速度NE * より高い場合、所定の変速比
によるシフトアップの変速を行い、エンジン回転速度N
E と目標エンジン回転速度NE * とが等しい場合、変速
は行わず、エンジン回転速度NE が目標エンジン回転速
度NE * より低い場合、所定の変速比によるシフトダウ
ンの変速を行う。
【0063】ところで、ROM52において、図6に示
されるように、最大変速比を表す線L1、最小変速比を
表す線L2、スロットル開度θが100〔%〕であると
きの最大のエンジン回転速度NE 、すなわち、最大使用
回転速度を表す線L3、スロットル開度θが0〔%〕で
あるときの最小のエンジン回転速度NE 、すなわち、最
小使用回転速度を表す線L4、及び車速Vの限界値を表
す線L5によって包囲される変速領域AR1が設定され
る。
【0064】したがって、運転者がアクセルペダルを踏
み込むと、スロットル開度θが大きくなるのに従って、
原点から線L1に沿って車速V及びエンジン回転速度N
E が変化し、続いて、運転者がアクセルペダルの踏込量
を一定の値に保持すると、スロットル開度θが一定の値
に保持されたまま線L1から線L2に向けて車速Vが高
くなる。この間、変速比は徐々に小さくなる。そして、
車速Vが線L2に到達すると、定常状態が形成され、所
期の車速V及びエンジン回転速度NE で車両が走行させ
られる。
【0065】また、定常状態から運転者がアクセルペダ
ルを緩めると、スロットル開度θが小さくなるのに従っ
て、線L2に沿って車速V及びエンジン回転速度NE
変化し、スロットル開度θが0〔%〕になると、線L4
に沿って車速Vが変化する。この間、変速比は徐々に大
きくなる。そして、車速Vが線L1に到達すると、その
後、該線L1に沿って車速V及びエンジン回転速度NE
が変化して原点に到達する。
【0066】ところで、車両を急に加速しようとする場
合、登坂路にさしかかったときに車両を減速することな
く走行させようとする場合等においては、大きな駆動ト
ルクが必要になり、急激なシフトダウンの変速を行う必
要がある。そこで、前記キックダウンスイッチ67がオ
ンになったとき、スロットル開度θが所定の値を超えた
とき、アクセルペダルの踏込速度Veが所定の値を超え
たとき等に変速比を大きくしてシフトダウンの変速を行
うようにしている。
【0067】ところが、無段変速機10(図2)の場
合、可動シーブ125、130を移動させてプライマリ
プーリ126の有効径を変化させることによって変速比
を連続的に変化させることになる。したがって、変速速
度が低く、応答性が低い場合には、運転者が要求する駆
動トルクが得られるまでの時間が長くなり、運転者に違
和感を与えてしまう。
【0068】そこで、前記通常制御処理が終了すると、
前記自動変速機制御部12は、図示されない予測制御処
理手段によって予測制御処理を行うようにしている。す
なわち、前記予測制御処理手段は、走行環境検出手段9
1(図1)によって検出された走行環境を読み込み、前
記状況予測判断処理手段92によって状況予測判断処理
を行い、前記走行環境に基づいて、車両を急に加速する
状況、登坂路にさしかかったときに車両を減速すること
なく走行させようとする状況等のように、急激なシフト
ダウンの変速が必要になる状況が予測されるかどうかを
判断する。
【0069】本実施の形態においては、第1の走行環境
として車間距離Laを、第2の走行環境として先行車に
対する接近速度Va等を、第3の走行環境として車間時
間Ta等を、第4の走行環境として先行車走行レーン等
を、第5の走行環境として、データ記録部16に記録さ
れた道路の形状等、及び舵角等を、第6の走行環境とし
て、車速V等、ウインカオフ、ウインカ右オン又はウイ
ンカ左オンを読み込む。なお、本実施の形態において
は、第1〜第6の走行環境を読み込むようになっている
が、必要に応じて第1〜第6の走行環境のうちの任意の
走行環境を読み込むことができる。
【0070】また、本実施の形態においては、急激なシ
フトダウンの変速が必要になる状況が予測されるかどう
かの判断は、前記各走行環境に基づいて、又は前記各走
行環境及び各閾(しきい)値に基づいて、状況予測条件
が成立するかどうかを判断することによって行われる。
そして、前記状況予測判断処理手段92は、第1の予測
条件として、車間距離Laが車間距離閾値LaTHより短
くなったかどうかを判断し、第2の予測条件として、先
行車に対する接近速度Vaが先行車接近速度閾値VaTH
より高くなったかどうかを判断し、第3の予測条件とし
て、車間時間Taが車間時間閾値TaTHより短くなった
かどうかを判断し、第4の予測条件として、先行車が走
行レーンを変更したり左折又は右折したりして自車の走
行レーンからいなくなったかどうかを判断し、第5の予
測条件として、車速Vが車速閾値VTHより低くなったか
どうかを判断し、第6の予測条件として、ウインカセン
サ41がウインカ右オン又はウインカ左オンにされたか
どうかを判断し、第7の予測条件として、自車が走行レ
ーンを変更したかどうかを判断し、前記第1〜第7の予
測条件のうちのいずれか一つが成立したときに、状況予
測条件が成立したと判断する。
【0071】なお、第4の予測条件において、先行車が
走行レーンを変更したかどうかは、先行車走行レーンに
基づいて先行車の位置を算出し、先行車と現在位置との
位置関係によって判断することができる。また、道路の
形状に基づいて道路の曲率R(直線区間において、R=
∞)を算出し、該曲率R、舵角、及び先行車と現在位置
との位置関係によって判断することもできる。
【0072】そして、前記第7の予測条件として、自車
が走行レーンを変更したかどうかは、前記曲率R及び舵
角によって判断することができる。また、前記曲率R、
舵角、及び先行車と現在位置との位置関係によって判断
することもできる。
【0073】この場合、前記第1の予測条件は、車間距
離Laが車間距離閾値LaTHより短くなった場合に、第
2の予測条件は、先行車に対する接近速度Vaが先行車
接近速度閾値VaTHより高くなった場合に、第3の予測
条件は、車間時間Taが車間時間閾値TaTHより短くな
った場合に、第4の予測条件は、先行車が走行レーンを
変更したり左折又は右折したりして自車の走行レーンか
らいなくなった場合に、第5の予測条件は、車速Vが車
速閾値VTHより低くなった場合に、第6の予測条件は、
ウインカセンサ41がウインカ右オン又はウインカ左オ
ンにされた場合に、第7の予測条件は、自車が走行レー
ンを変更した場合に成立する。
【0074】なお、本実施の形態においては、第1〜第
7の予測条件のうちのいずれか一つが成立したときに、
状況予測条件が成立したと判断するようになっている
が、必要に応じて第1〜第7の予測条件のうちの任意の
複数の予測条件が成立したときに、状況予測条件が成立
したと判断することもできる。例えば、第1、第2の予
測条件がいずれも成立したとき、第4、第5の予測条件
がいずれも成立したときに、状況予測条件が成立したと
判断することができる。
【0075】また、各第1〜第7の予測条件について、
重み付けを行い、重みの合計を算出し、合計が閾値を超
えたときに、状況予測条件が成立したと判断することも
できる。
【0076】続いて、前記予測制御処理手段は、急激な
シフトダウンの変速が必要になる状況が予測される場
合、予測フラグをオンにし、急激なシフトダウンの変速
が必要になる状況が予測されない場合、予測フラグをオ
フにする。
【0077】次に、前記予測制御処理手段によって予測
フラグがオンにされると、待機状態設定処理手段93
は、待機状態設定処理を行い、シフトダウンの変速出力
が発生させられたときに直ちに変速を行うことが可能な
状態としての待機状態を設定し、無段変速機10を待機
状態に置く。一方、前記予測制御処理手段によって予測
フラグがオフにされると、自動変速機制御部12の図示
されない待機状態設定解除処理手段は、待機状態設定解
除処理を行い、無段変速機10を待機状態から解除す
る。
【0078】この場合、前記待機状態設定処理手段93
は、第1の待機状態として、油室146に供給される油
圧を高くする。そのために、待機状態設定処理手段93
は、エンジン回転速度NE を高くすることによって、油
圧回路に配設された油圧調整手段としてのオイルポンプ
121の回転速度を高くし、オイルポンプ121の吐出
量を多くする。その結果、セカンダリプーリ131に加
えられる予圧を高くすることができるので、シフトダウ
ンの変速を行う場合に変速速度を高くすることができ
る。なお、前記油圧回路に配設された油圧調整手段とし
ての図示されない油圧調整バルブを作動させ、油室14
6に供給される油圧を高くすることもできる。
【0079】また、前記待機状態設定処理手段93は、
第2の待機状態として、目標エンジン回転速度NE *
変化させ、該目標エンジン回転速度NE * を高くする際
の変化速度を高くする。その結果、シフトダウンの変速
を行う場合に変速速度を高くすることができる。
【0080】そして、前記待機状態設定処理手段93
は、第3の待機状態として、スロットル開度θを所定の
値だけ大きくすることによって、あらかじめ変速比を大
きくし、わずかにシフトダウンの変速を行う。その結
果、シフトダウンの変速を行う場合に、変速比を変化さ
せて最大変速比にするまでに必要な時間、すなわち、変
速時間を短くすることができる。
【0081】さらに、前記待機状態設定処理手段93
は、第4の待機状態として、ロックアップクラッチ10
5を解放させることもできる。
【0082】なお、本実施の形態においては、第1〜第
4の待機状態のうちのいずれか一つが設定されるように
なっているが、必要に応じて第1〜第4の待機状態のう
ちの任意の複数の待機状態を設定することもできる。ま
た、第1の待機状態における油室146に供給される油
圧、第2の待機状態における目標エンジン回転速度N E
* 、第3の待機状態におけるスロットル開度θ等を前記
重みの合計に対応させて変化させることもできる。
【0083】続いて、前記予測制御処理手段は、運転者
操作情報検出手段94によって検出された運転者による
車両の操作情報を読み込み、急シフトダウン操作判断処
理手段95によって、前記操作情報に基づいて急シフト
ダウン操作判断処理を行い、運転者による車両の操作が
急激なシフトダウンの変速を行うためのシフトダウン操
作であるかどうか、すなわち、運転者によって急シフト
ダウン操作が行われたかどうかを判断する。
【0084】本実施の形態においては、運転者によって
急シフトダウン操作が行われたかどうかの判断は、急シ
フトダウン操作条件が成立したかどうかを判断すること
によって行われる。そして、前記急シフトダウン操作判
断処理手段95は、第1の操作条件として、前記アクセ
ルペダルが踏み込まれて、キックダウンスイッチ67が
オンになったかどうかを判断し、第2の操作条件とし
て、スロットル開度θがスロットル開度閾値θTHより大
きくなったかどうかを判断し、第3の操作条件として、
アクセル開度αがアクセル開度αTHより大きくなったか
どうかを判断し、第4の操作条件として、前記アクセル
ペダルの踏込速度Veが踏込速度閾値Ve THより高いか
どうかを選択的に判断し、前記第1〜第4の操作条件の
うちの少なくとも一つが成立したときに、急シフトダウ
ン操作条件が成立したと判断する。
【0085】この場合、前記第1の操作条件は、キック
ダウンスイッチ67がオンになった場合に成立し、第2
の操作条件は、スロットル開度θがスロットル開度閾値
θTHより大きくなった場合に成立し、第3の操作条件
は、アクセル開度αがアクセル開度αTHより大きくなっ
た場合に成立し、第4の操作条件は、アクセルペダルの
踏込速度Veが踏込速度閾値VeTHより高い場合に成立
する。
【0086】なお、本実施の形態においては、第1〜第
4の操作条件のうちの少なくとも一つが成立したとき
に、急シフトダウン操作条件が成立したと判断するよう
になっているが、各第1〜第4の操作条件について、重
み付けを行い、重みの合計を算出し、合計が閾値を超え
たときに、急シフトダウン操作条件が成立したと判断す
ることもできる。
【0087】そして、運転者によって急シフトダウン操
作が行われたと判断されると、自動変速機制御部12の
変速処理手段96は、変速処理を行い、シフトダウンの
変速出力を発生させて、前記待機状態に置かれた無段変
速機10のシフトダウンの変速を行う。
【0088】次に、図8に基づいて、予測制御処理の例
について説明する。
【0089】図8において、NE はエンジン回転速度、
S は油室146に供給される油圧、αはアクセル開度
であり、タイミングt1で状況予測条件が成立したと判
断されると、前記待機状態設定処理手段93は、第1の
待機状態として、前記油圧P S を高くして待機油圧PW
にする。
【0090】そして、タイミングt2で、アクセル開度
αがアクセル開度αTHより大きくなって第3の操作条件
が成立すると、急シフトダウン操作判断処理手段95
は、急シフトダウン操作条件が成立したと判断し、前記
油圧PS を更に高くして変速用油圧PAPにする。
【0091】このように、急激なシフトダウンの変速が
必要になる状況が予測される場合、シフトダウンの変速
出力が発生させられたときに直ちに変速を行うことが可
能な待機状態が設定され、運転者によって急シフトダウ
ン操作が行われた場合に、直ちにシフトダウンの変速が
行われる。
【0092】したがって、車両を急に加速する場合、登
坂路にさしかかったときに車両を減速することなく走行
させようとする場合等において、無段変速機10におけ
る変速速度及び応答性を高くすることができるので、運
転者が要求する駆動トルクが得られるまでの時間を短く
することができ、運転者に違和感を与えることがない。
【0093】次に、図4のフローチャートについて説明
する。 ステップS1 通常制御処理を行う。 ステップS2 予測制御処理を行う。 ステップS3 変速処理を行い、処理を終了する。
【0094】次に、図5のフローチャートについて説明
する。 ステップS1−1 変速レンジ、車速V、スロットル開
度θ及びエンジン回転速度NE を読み込む。 ステップS1−2 変速出力を発生させ、リターンす
る。
【0095】次に、図7のフローチャートについて説明
する。 ステップS2−1 走行環境を読み込む。 ステップS2−2 状況予測判断処理を行う。 ステップS2−3 予測フラグがオンであるかどうかを
判断する。予測フラグがオンである場合はステップS2
−5に、オンでない場合はステップS2−4に進む。 ステップS2−4 待機状態設定解除処理を行い、処理
を終了する。 ステップS2−5 待機状態設定処理を行う。 ステップS2−6 急シフトダウン操作が行われたかど
うかを判断する。急シフトダウン操作が行われた場合は
処理を終了し、行われていない場合はステップS2−1
に戻る。
【0096】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0097】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、自動変速機制御装置においては、車両の走行環境
を検出する走行環境検出手段と、検出された走行環境に
基づいて、急激なシフトダウンの変速が必要になる状況
が予測されるかどうかを判断する状況予測判断処理手段
と、急激なシフトダウンの変速が必要になる状況が予測
される場合、直ちにシフトダウンの変速を行うことが可
能な待機状態を設定し、自動変速機を待機状態に置く待
機状態設定処理手段と、運転者による車両の操作情報を
検出する運転者操作情報検出手段と、検出された操作情
報に基づいて、運転者によって急シフトダウン操作が行
われたかどうかを判断する急シフトダウン操作判断処理
手段と、前記急シフトダウン操作が行われたときに、シ
フトダウンの変速出力を発生させて、前記待機状態に置
かれた自動変速機のシフトダウンの変速を行う変速処理
手段とを有する。
【0098】この場合、急激なシフトダウンの変速が必
要になる状況が予測されると、直ちにシフトダウンの変
速を行うことが可能な待機状態が設定され、自動変速機
が待機状態に置かれる。そして、運転者によって急シフ
トダウン操作が行われたときに、直ちにシフトダウンの
変速が行われる。
【0099】したがって、車両を急に加速する場合、登
坂路にさしかかったときに車両を減速することなく走行
させようとする場合等において、自動変速機における変
速速度及び応答性を高くすることができるので、運転者
が要求する駆動トルクが得られるまでの時間を短くする
ことができ、運転者に違和感を与えることがない。
【0100】本発明の他の自動変速機制御装置において
は、さらに、前記自動変速機は無段変速機である。そし
て、待機状態において、セカンダリプーリの油圧サーボ
の油室に供給される油圧が高くされる。
【0101】この場合、セカンダリプーリに加えられる
予圧を高くすることができるので、シフトダウンの変速
を行う場合に変速速度を高くすることができる。
【0102】本発明の更に他の自動変速機制御装置にお
いては、さらに、前記自動変速機は無段変速機である。
そして、待機状態において、目標エンジン回転速度が高
くされる際の変化速度が高くされる。
【0103】この場合、シフトダウンの変速を行う場合
に変速速度を高くすることができる。
【0104】本発明の更に他の自動変速機制御装置にお
いては、さらに、前記自動変速機は無段変速機である。
そして、待機状態において、あらかじめシフトダウンの
変速が行われる。
【0105】この場合、シフトダウンの変速を行う場合
に変速時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における自動変速機制御装
置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における無段変速機の概念
図である。
【図3】本発明の実施の形態における自動変速機制御装
置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における自動変速機制御装
置の動作を示すメインフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における通常制御処理のサ
ブルーチンを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における変速線図である。
【図7】本発明の実施の形態における予測制御処理のサ
ブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における予測制御処理の動
作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 無段変速機 16 データ記録部 33 ROM 91 走行環境検出手段 92 状況予測判断処理手段 93 待機状態設定処理手段 94 運転者操作情報検出手段 95 急シフトダウン操作判断処理手段 96 変速処理手段 131 セカンダリプーリ 135 油圧サーボ 146 油室 PS 油圧
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:44 F16H 59:44 59:66 59:66 63:06 63:06 (72)発明者 都築 繁男 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 石垣 裕嗣 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 榊原 聖治 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 竹本 和雄 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 川合 正夫 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 椎窓 利博 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 Fターム(参考) 3J050 AA02 AB03 AB04 BB13 CB02 CC02 CE07 CE09 DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行環境を検出する走行環境検出
    手段と、検出された走行環境に基づいて、急激なシフト
    ダウンの変速が必要になる状況が予測されるかどうかを
    判断する状況予測判断処理手段と、急激なシフトダウン
    の変速が必要になる状況が予測される場合、直ちにシフ
    トダウンの変速を行うことが可能な待機状態を設定し、
    自動変速機を待機状態に置く待機状態設定処理手段と、
    運転者による車両の操作情報を検出する運転者操作情報
    検出手段と、検出された操作情報に基づいて、運転者に
    よって急シフトダウン操作が行われたかどうかを判断す
    る急シフトダウン操作判断処理手段と、前記急シフトダ
    ウン操作が行われたときに、シフトダウンの変速出力を
    発生させて、前記待機状態に置かれた自動変速機のシフ
    トダウンの変速を行う変速処理手段とを有することを特
    徴とする自動変速機制御装置。
  2. 【請求項2】 前記自動変速機は無段変速機であり、待
    機状態において、セカンダリプーリの油圧サーボの油室
    に供給される油圧が高くされる請求項1に記載の自動変
    速機制御装置。
  3. 【請求項3】 前記自動変速機は無段変速機であり、待
    機状態において、目標エンジン回転速度が高くされる際
    の変化速度が高くされる請求項1に記載の自動変速機制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記自動変速機は無段変速機であり、待
    機状態において、あらかじめシフトダウンの変速が行わ
    れる請求項1に記載の自動変速機制御装置。
  5. 【請求項5】 車両の走行環境を検出し、検出された走
    行環境に基づいて、急激なシフトダウンの変速が必要に
    なる状況が予測されるかどうかを判断し、急激なシフト
    ダウンの変速が必要になる状況が予測される場合、直ち
    にシフトダウンの変速を行うことが可能な待機状態を設
    定し、自動変速機を待機状態に置き、運転者による車両
    の操作情報を検出し、検出された操作情報に基づいて、
    運転者によって急シフトダウン操作が行われたかどうか
    を判断し、急シフトダウン操作が行われたときに、シフ
    トダウンの変速出力を発生させて、前記待機状態に置か
    れた自動変速機のシフトダウンの変速を行うことを特徴
    とする自動変速機制御方法。
  6. 【請求項6】 車両の走行環境を検出し、検出された走
    行環境に基づいて、急激なシフトダウンの変速が必要に
    なる状況が予測されるかどうかを判断し、急激なシフト
    ダウンの変速が必要になる状況が予測される場合、直ち
    にシフトダウンの変速を行うことが可能な待機状態を設
    定し、自動変速機を待機状態に置き、運転者による車両
    の操作情報を検出し、検出された操作情報に基づいて、
    運転者によって急シフトダウン操作が行われたかどうか
    を判断し、急シフトダウン操作が行われたときに、シフ
    トダウンの変速出力を発生させて、前記待機状態に置か
    れた自動変速機のシフトダウンの変速を行うことを特徴
    とする自動変速機制御方法のプログラムを記録した記録
    媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007232047A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Hitachi Ltd 自動車の制御装置および制御方法

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