JP2001173280A - ディスクタンブラ型シリンダ錠 - Google Patents

ディスクタンブラ型シリンダ錠

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JP2001173280A
JP2001173280A JP35610499A JP35610499A JP2001173280A JP 2001173280 A JP2001173280 A JP 2001173280A JP 35610499 A JP35610499 A JP 35610499A JP 35610499 A JP35610499 A JP 35610499A JP 2001173280 A JP2001173280 A JP 2001173280A
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JP
Japan
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tumbler
engagement groove
disk tumbler
disk
cylinder
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JP35610499A
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English (en)
Inventor
Yuji Yamate
友士 山手
Yoshisuke Ishigaki
喜右 石垣
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Daihatsu Diesel Manufacturing Co Ltd
Daihatsu Diesel NHN Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Diesel Manufacturing Co Ltd
Daihatsu Diesel NHN Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に不正解錠しなく、防犯性能の高いディ
スクタンブラ型シリンダ錠を提供すること。 【解決手段】 内周面2に係合溝3,4を有する外筒5
と、内部に軸方向穴6と径方向の貫通穴7とを有する内
筒8と、スプリング10の弾性力によって付勢されて上
記外筒5の係合溝3,4に係合可能なディスクタンブラ
9とを備え、上記ディスクタンブラ9の上端部が係合す
る係合溝3は、上記ディスクタンブラ9の上端部との間
に、下端部が係合する係合溝4よりも大きなクリアラン
スを有する。上記係合溝4にディスクタンブラ9の下端
部を係合させて、ディスクタンブラ9を内筒8と共に右
方向に回動させても、上記ディスクタンブラ9の上端部
右側の角は、上記外筒8の内周面2と係合溝3との境界
角部に乗り上げずに、ディスクタンブラ9の上端部が上
記スプリング10の付勢力によって係合溝3と係合す
る。したがって、ディスクタンブラ型シリンダ錠1は不
正解錠しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、異鍵による不正
解錠に対する抵抗能力が高く、防犯機能が高いディスク
タンブラ型シリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスクタンブラ型シリンダ錠と
しては図5に示すようなものがある。このディスクタン
ブラ型シリンダ錠51は、内周面52に直径方向に対称
な位置に係合溝53,54を有する外筒55を備える。
この外筒55には、内部に軸方向穴56と径方向の複数
の貫通穴57(図5では1つのみを示す。)とを有する
内筒58を、回転自在に嵌合している。上記内筒58の
径方向の複数の貫通穴57には、スプリング59の弾性
力によって付勢されて上記外筒55の係合溝53,54
に係合可能なディスクタンブラ60を夫々嵌合してい
る。上記ディスクタンブラ60の略中央には、鍵が貫通
する開口61を設けており、この開口61は、上記複数
のディスクタンブラ60の図における上下方向の異なる
位置に、夫々設けられている。
【0003】このディスクタンブラ型シリンダ錠51に
鍵を挿入していないときは、複数のディスクタンブラ6
0がスプリング59の付勢力によって図5の上方向に付
勢されて、上記ディスクタンブラ60の上端部が、外筒
55の係合溝53に係合する。したがって、上記外筒5
5の内側に嵌合している内筒58は回転できない。
【0004】上記ディスクタンブラ型シリンダ錠51の
内筒58の貫通穴56に図6に示すように鍵65を挿入
すると、鍵65の下側に設けた山および谷は、ディスク
タンブラ60に作用する上向きの付勢力に抗して、ディ
スクタンブラ60の開口61の下側縁を下側に押しつけ
る。そうすると、上記複数のディスクタンブラ60の開
口61の位置と、上記鍵の山および谷とが夫々一致し
て、上記複数のディスクタンブラ60,60・・・の下
端部および上端部は、外筒55の係合溝53,54と係
合が解除されて、上記内筒58は上記外筒55に対して
回転可能となる。上記内筒58には閂が接続されてい
て、上記内筒58の所定の角度を回転することによっ
て、上記ディスクタンブラ型シリンダ錠51が設置され
る扉等が解錠される。
【0005】上記ディスクタンブラ型シリンダ錠51に
異鍵を挿入すると、上記複数のディスクタンブラ60と
係合溝53,54との係合を解除するための押し下げ量
は、上記ディスクタンブラ60を押し下げる鍵の山およ
び谷の深さと一致しなくて、上記ディスクタンブラ6
0,60・・・と、外筒55の係合溝53,54との係
合が解除されないので、内筒58は外筒55の内側で回
転できない。
【0006】また、ディスクタンブラ型シリンダ錠51
は、鍵65の挿入口側の2個のディスクタンブラ70,
70について、上記ディスクタンブラ70,70の上端
部に対応する外筒55の係合溝が無い。ディスクタンブ
ラ型シリンダ錠51に鍵65を挿入してディスクタンブ
ラ60,60,60,60,70,70と共に内筒58
を略180度回転すると、ディスクタンブラ70,70
は、対応する係合溝53が無いので、上記外筒55の内
周面52に止められて上側に動けない。そうすると、上
記対応する係合溝53が無いディスクタンブラ70,7
0は、上記鍵と係合したまま径方向に動かせないので、
上記鍵が上記内筒58から抜け出ることを防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のディスクタンブラ型シリンダ錠51は、下記のよう
に、異鍵を使った不正解錠に対する抵抗性能が低いとい
う問題がある。すなわち、ディスクタンブラ型シリンダ
錠51に、鍵の凹凸が全て山である異鍵を挿入して、全
てのディスクタンブラ60の下端部を、外筒55の係合
溝54に係合させる。そして、上記ディスクタンブラ6
0の下端部を上記係合溝54に係合させたまま、上記デ
ィスクタンブラ60と内筒58とを上記クリアランスに
相当する角度に右方向に回転させる。そうすると、ディ
スクタンブラ60のスプリング59で付勢される方向で
ある上端部と係合溝53との幅方向のクリアランスが殆
どなく、かつ、上記ディスクタンブラ60と内筒58の
貫通穴57との間にはディスクタンブラ60がわずかに
回動可能なクリアランスがあるので、上記ディスクタン
ブラ60の上端部は、外筒55の係合溝53から僅かに
外れる位置にまで回動する。そして、上記異鍵を抜いて
上記ディスクタンブラ60の付勢力に対抗する力を解く
と、上記ディスクタンブラ60の上端部右側の角が、上
記外筒55の内周面52と係合溝53との境界角部62
に乗り上げて係合溝53との係合が解除されると共に、
上記ディスクタンブラ60の下端部の下側の係合溝54
との係合が解かれる。すなわち、上記内筒58は回転可
能となって、このディスクタンブラ型シリンダ錠1は正
鍵でなくても解錠してしまい、不正解錠する。
【0008】また、上記従来のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠51は、図5に示すディスクタンブラ型シリンダ
錠51の紙面に直角な方向の断面図である図6に示すよ
うに、入口側のディスクタンブラ70,70に鍵の抜け
止め機能を与えるために、上記ディスクタンブラ70,
70が対応する位置に係合溝53を備えていない。した
がって、このディスクタンブラ70は、正鍵を挿入して
も、ディスクタンブラ70の上端部が外筒55の内周面
52に付勢されて止まるので、ロック機能を果たさな
い。したがって、実際に装着した5個のディスクタンブ
ラ60,60,60,70,70のうち、3個ディスク
タンブラ60,60,60しかロック機能を果たさな
い。そのため、ディスクタンブラ型シリンダ錠51の不
正解錠に対する抵抗能力が低いといった問題がある。
【0009】そこで、この発明の目的は、容易に不正解
錠できなく、防犯機能の高いディスクタンブラ型シリン
ダ錠を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明のディスクタンブラ型シリンダ錠
は、内周に直径方向に対称な位置に係合溝を有する外筒
と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共に、内部に軸
方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒と、上記内筒の
貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの弾性力によって
付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能なディスクタン
ブラとを備えるディスクタンブラ型シリンダ錠におい
て、上記外筒の一方の係合溝に上記ディスクタンブラの
一端部が係合した状態で、上記ディスクタンブラが上記
内筒と共に回動しても、上記ディスクタンブラの他端部
の角が、上記外筒の内周面と他方の係合溝との境界部に
乗り上げないように形成されていることを特徴としてい
る。
【0011】請求項1の発明によれば、外筒の一方の係
合溝にディスクタンブラの一端部が係合した状態で、上
記ディスクタンブラが上記内筒と共に回動しても、上記
ディスクタンブラの他端部の角が、上記外筒の内周面と
他方の係合溝との境界部に乗り上げないように形成され
ている。そのため、上記ディスクタンブラの他端部の角
を、上記外筒の内周面と他方の係合溝との境界部に乗り
上げさせて、上記ディスクタンブラの他端部と上記外筒
の他方の係合溝との係合を解除できないので、このディ
スクタンブラ型シリンダ錠は不正解錠がしにくい。
【0012】請求項2の発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠は、内周に直径方向に対称な位置に係合溝を有す
る外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共に、内
部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒と、上記
内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの弾性力に
よって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能なディス
クタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリンダ錠に
おいて、施錠時において、上記ディスクタンブラのスプ
リングで付勢される方向である上記他方の端部と、この
他方の端部が係合する上記他方の係合溝との間の幅方向
のクリアランスよりも、上記ディスクタンブラの一方の
端部と、この一方の端部が係合する一方の係合溝との間
のクリアランスのほうが小さいことを特徴としている。
【0013】請求項2の発明によれば、施錠時の上記デ
ィスクタンブラの他方の端部と、この端部が係合する他
方の係合溝との間の幅方向のクリアランスよりも、上記
ディスクタンブラの一方の端部と、この一方の端部が係
合する一方の係合溝との間のクリアランスのほうが小さ
い。そのため、上記ディスクタンブラの一方の端部を係
合溝に係合させて上記ディスクタンブラと内筒とを回動
しても、上記ディスクタンブラの他方の端部が他方の係
合溝と外筒の内周面との境界部に乗り上げる位置にまで
回すことができない。したがって、上記ディスクタンブ
ラの他方の端部の角は、上記外筒の内周面と他方の係合
溝との境界部に乗り上げないので、このディスクタンブ
ラ型シリンダ錠は不正解錠がしにくい。
【0014】請求項3の発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠は、内周に直径方向に対称な位置に係合溝を有す
る外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共に、内
部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒と、上記
内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの弾性力に
よって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能なディス
クタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリンダ錠に
おいて、少なくとも1枚のディスクタンブラの一方の端
部は、一方の係合溝に嵌入可能で他方の係合溝に嵌入不
可能であって、上記ディスクタンブラがロック機能と鍵
の抜け止め機能とを有することを特徴としている。
【0015】請求項3の発明によれば、少なくとも1枚
のディスクタンブラについて、このディスクタンブラの
他方の端部が他方の係合溝に係合しているときに鍵を挿
入して、上記ディスクタンブラと共に上記内筒をこのデ
ィスクタンブラの一方の端部が他方の係合溝に対向する
位置にまで回しても、上記ディスクタンブラの一方の端
部は、上記他方の係合溝には嵌入不可能である。したが
って、このディスクタンブラはこの鍵に係止したまま
で、上記ディスクタンブラが嵌合している内筒の径方向
の貫通穴に沿って動かすことができないので、上記鍵は
抜け出ることができない。
【0016】一方、このディスクタンブラは、鍵を挿入
していないときは、上記ディスクタンブラの他方の端部
はスプリングに付勢されて他方の係合溝と係合するの
で、上記ディスクタンブラおよび内筒の回転を係止し
て、ディスクタンブラ型シリンダ錠をロックする。
【0017】したがって、このディスクタンブラは、ロ
ック機能と共に鍵の抜け止め機能を持つことができる。
【0018】請求項4の発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠は、内周に直径方向に対称な位置に係合溝を有す
る外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共に、内
部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒と、上記
内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの弾性力に
よって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能なディス
クタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリンダ錠に
おいて、施錠時において上記ディスクタンブラのスプリ
ングで付勢される方向である上記他方の端部が係合する
上記他方の係合溝は、上記他方の係合溝の最も深い部分
の幅が上記ディスクタンブラの一方の端部が係合する一
方の係合溝と実質的に同じであり、かつ、上記他方の係
合溝と上記外筒の内周面との境界部において、上記他方
の係合溝の幅が最も深い部分の幅よりも広く形成されて
いることを特徴としている。
【0019】請求項4の発明によれば、ディスクタンブ
ラのスプリングの付勢力に抗して外筒の一方の係合溝に
ディスクタンブラの一方の端部を係合させた状態で、上
記ディスクタンブラと上記内筒とを回動させた後、上記
付勢力に抗して外筒の一方の係合溝にディスクタンブラ
の一方の端部を係合させる力を解除しても、上記他方の
係合溝と外筒の内周面との境界部における係合溝の幅
が、上記他方の係合溝の最も深い部分の幅よりも広いの
で、上記ディスクタンブラの他方の端部の角は、上記他
方の係合溝と外筒の内周面との境界部に乗り上げない。
したがって、上記ディスクタンブラの他方の端部はスプ
リングに付勢されて、上記外筒の他方の係合溝に係合す
る。
【0020】また、上記他方の係合溝の最も深い部分の
幅が、上記一方の係合溝の幅と実質的に同じであるの
で、上記ディスクタンブラの他方の端部をスプリングの
付勢力によって上記他方の係合溝に係合させた状態で、
上記ディスクタンブラと内筒とを回動させた後、ピッキ
ング工具により、上記ディスクタンブラの上記スプリン
グの付勢力に抗してディスクタンブラの他方の端部と外
筒の他方の係合溝の係合が解除された状態で、ピッキン
グ工具を抜き、上記ディスクタンブラの付勢力に対抗す
る力を解いても、上記ディスクタンブラの他方の端部の
角は上記他方の係合溝と外筒の内周面との境界部に乗り
上げない。
【0021】すなわち、上記ディスクタンブラの両端部
が、上記外筒の係合溝のいずれかの側に係合した状態
で、上記ディスクタンブラと上記内筒とを回動させた
後、上記ディスクタンブラの付勢力に対抗する力を解い
ても、上記ディスクタンブラの他方の端部の角は上記他
方の係合溝と外筒の内周面との境界部に乗り上がらない
ので、例えば異鍵またはピッキング工具などによって
は、ディスクタンブラ型シリンダ錠は不正解錠しにく
い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠1の断面図である。このディスクタンブラ型シリ
ンダ錠1は、内周面2に直径方向に対称な位置に係合溝
3,4を有する外筒5を備える。この外筒5には、内部
に軸方向穴6と径方向の複数の貫通穴7とを有する内筒
8を回転自在に嵌合している。上記内筒8の径方向の複
数の貫通穴7には、上記外筒5の係合溝3,4に係合可
能なディスクタンブラ9を、スプリング10の弾性力に
よって図面上側に付勢して夫々嵌合している。上記ディ
スクタンブラ9の中央には、鍵が貫通する開口11を有
している。
【0024】上記外筒5には、上記ディスクタンブラ9
の上端部と下端部が対向する位置に係合溝3,4を夫々
設けている。上記係合溝3,4は、施錠時において上記
ディスクタンブラ9のスプリング10で付勢される方向
である上端部が係合する係合溝3とディスクタンブラ9
の上端部との間のクリアランスよりも、上記ディスクタ
ンブラ9の下端部が係合する係合溝4とディスクタンブ
ラ9の下端部との間のクリアランスのほうが小さくなる
ように形成されている。
【0025】次に、上記ディスクタンブラ型シリンダ錠
1を、異鍵を用いて解錠を試みた場合について説明す
る。上記ディスクタンブラ型シリンダ錠1に、鍵の凹凸
が全て山である異鍵を挿入する。そうすると、上記鍵の
山は、全てのディスクタンブラ9を、スプリング10の
付勢力に対抗してディスクタンブラ9の下端部が上記外
筒5の係合溝4に係合するように移動させる。そして、
上記ディスクタンブラ9の下端部を上記係合溝4に係合
させたまま、ディスクタンブラ9と内筒8を、上記ディ
スクタンブラ9の下端部と上記係合溝4との間の横方向
のクリアランスに相当する角度に右方向に回転させる。
この状態のディスクタンブラ型シリンダ錠1の断面図を
図2に示す。(異鍵は図示していない。)しかし、上記
ディスクタンブラ9の上端部と、この上端部が係合する
係合溝3との間の幅方向のクリアランスよりも、上記デ
ィスクタンブラの下端部と、この下端部が係合する係合
溝4との間のクリアランスのほうが小さいので、上記デ
ィスクタンブラ9を上記内筒8とともに右方向に回転さ
せた後に、上記異鍵を抜いて上記スプリング10の付勢
力に対向する力を解除しても、ディスクタンブラ9の上
端部の右側角部12は、上記外筒5の係合溝3と内周面
2との境界角部13に乗り上げない。したがって、上記
ディスクタンブラ9の上端部と係合溝3との係合を解除
できないので、上記内筒8を回転することができない。
したがって、このディスクタンブラ型シリンダ錠1は施
錠されたままで、不正解錠がしにくい。
【0026】図3は、本発明による別の実施形態のディ
スクタンブラ型シリンダ錠を示した断面図である。図1
および2に示した実施形態のディスクタンブラ型シリン
ダ錠の部品と同一の部品には同一の参照番号を付して詳
細な説明を省く。
【0027】このディスクタンブラ型シリンダ錠1のデ
ィスクタンブラ9は、ディスクタンブラ9の下端部9b
の幅Bが、ディスクタンブラ9の上端部9aの幅Aより
も大きくなるように形成されている。また、外筒5の内
面2に、上記ディスクタンブラ9の上端部9aが係合す
るように形成された係合溝3は、上記ディスクタンブラ
9の上端部9aとの間の横方向のクリアランスCが、デ
ィスクタンブラ9の右側に生じるように形成されてい
る。このクリアランスCは、上記ディスクタンブラ9の
下端部9bが係合する係合溝4が、上記ディスクタンブ
ラ9の下端部9bとの間に有するクリアランスよりも大
きくなるように設けられている。
【0028】このディスクタンブラ型シリンダ錠1にお
いて、ディスクタンブラ9が図3の位置にあるときに、
正鍵を鍵の山および谷を図3の下側に向けて挿入する。
そうすると、上記ディスクタンブラ9の開口11の下端
部がスプリング10によって上記正鍵の山および谷に付
勢されて、上記ディスクタンブラ9の上端部9aの係合
溝3との係合が解除されて、上記内筒8およびディスク
タンブラ9は鍵と共に回転可能となる。そして、この内
筒8とディスクタンブラ9とを鍵と共に略180度回転
させると、上記ディスクタンブラ9の下端部9bは、外
筒5の係合溝3に対向する。この係合溝3は、上記ディ
スクタンブラ9の下端部9bよりも横幅が小さい。した
がって、上記係合溝3に対向する位置に回転したディス
クタンブラ9の下端部9bは、上記係合溝3と外筒5の
内周面2との図における左側の境界角部14または両側
の境界角部に阻まれて、上記係合溝3と係合することが
できない。そうすると、上記ディスクタンブラ9は、上
記鍵と係合したまま上記内筒8の径方向に動かせないの
で、上記鍵は上記内筒8の軸貫通穴6およびディスクタ
ンブラ9の開口11から抜け出ることができない。した
がって、このディスクタンブラ9は、鍵の抜け止め機能
を有する。
【0029】一方、上記ディスクタンブラ9は、鍵を挿
入していないときは、上記ディスクタンブラ9の上端部
9aがスプリング10に付勢されて係合溝3と係合す
る。したがって、上記ディスクタンブラ9および内筒8
の回転を係止して、ディスクタンブラ型シリンダ錠のロ
ック機能を有する。
【0030】上記鍵の抜け止め機能を有するディスクタ
ンブラ9は、ロック機能も同時に有しており、鍵の抜け
止め機能によってロック機能が犠牲にならない。したが
って、従来のディスクタンブラ型シリンダ錠に比べて、
同じ数のディスクタンブラでより強いロック機能を有す
るディスクタンブラ型シリンダ錠を得ることができる。
【0031】上記実施形態のディスクタンブラ型シリン
ダ錠1が備えるディスクタンブラ9は、2個以上であれ
ば、何個あってもよい。上記ディスクタンブラ9の数が
多いほど、ディスクタンブラ型シリンダ錠1の不正解錠
の抵抗性能は高くなる。
【0032】上記実施形態のディスクタンブラ型シリン
ダ錠1の抜け止め機能を有するディスクタンブラ9は、
1枚以上であれば何枚でもよく、全てのディスクタンブ
ラ9が抜け止め機能を有してもよい。
【0033】図4は、本発明によるさらに別の実施形態
のディスクタンブラ型シリンダ錠を示した断面図であ
る。図1乃至3に示した実施形態のディスクタンブラ型
シリンダ錠と同一の構成部分には同一の参照番号を付し
て詳細な説明を省く。
【0034】このディスクタンブラ型シリンダ錠1は、
外筒5に設けた係合溝3,4について、ディスクタンブ
ラ9のスプリング10で付勢される方向である図面の上
方向の係合溝3は、係合溝の最も深い部分の幅Dが、他
方の係合溝4の幅Eと実質的に同じである。かつ、上記
係合溝3と上記外筒5の内周面2との図面において右側
の境界部13が、係合溝3の最も深い部分の幅を構成す
る辺の右端の角部よりも右側になるように形成されてお
り、上記係合溝3と外筒5の内周面2との境界部での係
合溝3の幅Fは、上記係合溝3の最も深い部分の幅Dより
も大きい。上係合溝3と外筒5の内周面2との境界部に
おいて幅Fを有する係合溝3の幅は、上記係合溝3の深
さ方向において、所定の深さまで幅Fを保った後、傾斜
を付けて狭まり、上記係合溝3の深さの略1/3以上の
深さである位置において、係合溝3の最も深い部分と実
質的に同じ幅Dになるように形成されている。
【0035】このディスクタンブラ型シリンダ錠1にお
いて、例えば鍵の凹凸が全て山である異鍵を挿入して、
図1に示したディスクタンブラ型シリンダ錠における場
合と同様に、不正解錠を試みる。しかし、図4に示す実
施形態のディスクタンブラ型シリンダ錠1は、係合溝3
と外筒5の内周面2との境界部における係合溝3の幅
が、上記係合溝3の最も深い部分の幅Dよりも広い幅Fを
有する。したがって、上記ディスクタンブラ9と内筒8
とを回転させて上記異鍵を抜いても、上記ディスクタン
ブラ9の上端部の右側角12は、上記係合溝3と外筒の
内周面との境界部13に乗り上げない。したがって、上
記ディスクタンブラ型シリンダ錠1は、異鍵によって不
正解錠しにくい。
【0036】また、例えばピッキング工具を使用して、
この実施形態によるディスクタンブラ型シリンダ錠1の
不正開錠を以下のように試みる。上記ディスクタンブラ
9の上端部が係合溝3に付勢された状態で上記ディスク
タンブラ9と係合溝3との間が有するクリアランスによ
って回転可能な角度に回転させる。そして、ピッキング
工具によってディスクタンブラ9を上記スプリング10
による付勢力に抗して図における下側に移動させる。し
かし、上記ディスクタンブラ9の下端と、このディスク
タンブラ9の下端が係合する係合溝4との間が有するク
リアランスは、上記ディスクタンブラ9の上端が上記係
合溝3との間に有するクリアランスと実質的に同じであ
る。したがって、上記ディスクタンブラ9を上記付勢力
に抗して図において下側に移動させた後、ピッキング工
具を抜いて、上記ディスクタンブラ9の付勢力に対抗す
る力を解いても、ディスクタンブラ9の上端部の右側角
12は、上記係合溝3と外筒の周面との境界部13に乗
り上げない。したがって、上記ピッキング工具によっ
て、上記ディスクタンブラ9の上端部と上記係合溝3と
の係合を解除する位置を検知することができない。した
がって、上記ディスクタンブラ型シリンダ錠1はピッキ
ング工具によって不正開錠しにくい。
【0037】すなわち、図4に示す実施形態のディスク
タンブラ型シリンダ錠1は、異鍵によっても、かつ、ピ
ッキング工具によっても不正解錠しにくく、より高い防
犯性能を提供することができる。
【0038】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明のディスクタンブラ型シリンダ錠によれば、外筒の一
方の係合溝に上記ディスクタンブラの一端部が係合した
状態で、上記ディスクタンブラが内筒と共に回動して
も、上記ディスクタンブラの他端部の角が、上記外筒の
内周面と他方の係合溝との境界部に乗り上げないように
形成しているので、上記ディスクタンブラの端部の係合
溝との係合を解くことはできない。したがって、上記内
筒は上記外筒の内側で回転することができないので、こ
のディスクタンブラ型シリンダ錠は不正解錠しにくい。
【0039】請求項2の発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠によれば、ディスクタンブラの一方の端部と係合
溝との間のクリアランスが小さいので、上記ディスクタ
ンブラの一方の端部をこの一方の端部が係合する係合溝
に係合させて、このディスクタンブラと共に内筒を回転
しても、上記ディスクタンブラの他方の端部の角が、こ
の他方の端部が係合する係合溝と外筒の内周面との境界
部に乗り上げないため、上記ディスクタンブラと内筒は
回転しないので、このディスクタンブラ型シリンダ錠は
不正解錠しにくい。
【0040】請求項3の発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠によれば、少なくとも1枚のディスクタンブラの
一方の端部は、一方の係合溝に嵌入可能で他方の係合溝
に嵌入不可能であって、上記ディスクタンブラがロック
機能と鍵の抜け止め機能とを有するので、上記ディスク
タンブラ型シリンダ錠が備える全てのディスクタンブラ
にロック機能を与えることができるので、ディスクタン
ブラ型シリンダ錠の不正解錠に対する抵抗性能を強くす
ることができる。
【0041】請求項4の発明のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠によれば、一方の係合溝にディスクタンブラの一
方の端部を係合させた状態で、上記ディスクタンブラと
上記内筒とを回動させても、上記他方の係合溝と外筒の
内周面との境界部における係合溝の幅が、上記他方の係
合溝の最も深い部分の幅よりも広いので、上記ディスク
タンブラの他方の端部の角は、上記他方の係合溝と外筒
の内周面との境界部に乗り上げない。また、上記他方の
係合溝にディスクタンブラの他方の端部を係合させた状
態で、上記ディスクタンブラと上記内筒とを回動させ、
そしてピッキング工具により、上記ディスクタンブラの
他方の端部と外筒の他方の係合溝の係合を解除させた
後、ピッキング工具を抜いても、上記他方の係合溝の最
も深い部分の幅が、上記一方の係合溝の幅と実質的に同
じであり、かつ他方の係合溝と外筒の内周面との境界部
における係合溝の幅が、上記他方の係合溝の最も深い部
分の幅よりも広いので、上記ディスクタンブラの他方の
端部の角は、上記他方の係合溝と外筒の内周面との境界
部に乗り上げない。したがって、上記ディスクタンブラ
の両端部は、上記外筒が有する両方の係合溝との係合を
解除できないので、例えば異鍵またはピッキング工具な
どによって不正解錠しにくく、より高い防犯性能を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態のディスクタンブラ型シ
リンダ錠を示した断面図である。
【図2】 図1の実施形態のディスクタンブラ型シリン
ダ錠において、ディスクタンブラの下端部を対応する係
合溝に係合させて、上記ディスクタンブラと内筒とを回
動させた状態を示した図である。
【図3】 この発明の別の実施形態のディスクタンブラ
型シリンダ錠を示した断面図である。
【図4】 この発明のさらに別の実施形態のディスクタ
ンブラ型シリンダ錠を示した断面図である。
【図5】 従来のディスクタンブラ型シリンダ錠の断面
図である。
【図6】 図4に示した従来のディスクタンブラ型シリ
ンダ錠の紙面に直角な方向の断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクタンブラ型シリンダ錠 2 外筒の周面 3 係合溝 4 係合溝 5 外筒 6 内筒の軸方向穴 7 内筒の径方向の貫通穴 8 内筒 9 ディスクタンブラ 10 スプリング 11 ディスクタンブラの開口
フロントページの続き (72)発明者 石垣 喜右 大阪府茨木市田中町12番34号 ダイハツデ ィーゼル機器株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周に直径方向に対称な位置に係合溝を
    有する外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共
    に、内部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒
    と、上記内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの
    弾性力によって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能
    なディスクタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリ
    ンダ錠において、 上記外筒の一方の係合溝に上記ディスクタンブラの一端
    部が係合した状態で、上記ディスクタンブラが上記内筒
    と共に回動しても、上記ディスクタンブラの他端部の角
    が、上記外筒の内周面と他方の係合溝との境界部に乗り
    上げないように形成されていることを特徴とするディス
    クタンブラ型シリンダ錠。
  2. 【請求項2】 内周に直径方向に対称な位置に係合溝を
    有する外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共
    に、内部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒
    と、上記内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの
    弾性力によって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能
    なディスクタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリ
    ンダ錠において、 施錠時において、上記ディスクタンブラのスプリングで
    付勢される方向である上記他方の端部と、この他方の端
    部が係合する上記他方の係合溝との間の幅方向のクリア
    ランスよりも、上記ディスクタンブラの一方の端部と、
    この一方の端部が係合する一方の係合溝との間のクリア
    ランスのほうが小さいことを特徴とするディスクタンブ
    ラ型シリンダ錠。
  3. 【請求項3】 内周に直径方向に対称な位置に係合溝を
    有する外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共
    に、内部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒
    と、上記内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの
    弾性力によって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能
    なディスクタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリ
    ンダ錠において、 少なくとも1枚のディスクタンブラの一方の端部は、一
    方の係合溝に嵌入可能で他方の係合溝に嵌入不可能であ
    って、上記ディスクタンブラがロック機能と鍵の抜け止
    め機能とを有することを特徴とするディスクタンブラ型
    シリンダ錠。
  4. 【請求項4】 内周に直径方向に対称な位置に係合溝を
    有する外筒と、上記外筒に回転自在に嵌合されると共
    に、内部に軸方向穴と径方向の貫通穴とを有する内筒
    と、上記内筒の貫通穴に嵌合すると共に、スプリングの
    弾性力によって付勢されて上記外筒の係合溝に係合可能
    なディスクタンブラとを備えるディスクタンブラ型シリ
    ンダ錠において、 施錠時において上記ディスクタンブラのスプリングで付
    勢される方向である上記他方の端部が係合する上記他方
    の係合溝は、上記他方の係合溝の最も深い部分の幅が上
    記ディスクタンブラの一方の端部が係合する一方の係合
    溝と実質的に同じであり、かつ、上記他方の係合溝と上
    記外筒の内周面との境界部において、上記他方の係合溝
    の幅が最も深い部分の幅よりも広く形成されていること
    を特徴とするディスクタンブラ型シリンダ錠。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003049567A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Miwa Lock Co Ltd 複合シリンダ錠

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003049567A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Miwa Lock Co Ltd 複合シリンダ錠
JP4711559B2 (ja) * 2001-08-03 2011-06-29 美和ロック株式会社 複合シリンダ錠

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