JP2001172951A - 浸透水排水構造およびその施工方法 - Google Patents

浸透水排水構造およびその施工方法

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JP2001172951A
JP2001172951A JP36349299A JP36349299A JP2001172951A JP 2001172951 A JP2001172951 A JP 2001172951A JP 36349299 A JP36349299 A JP 36349299A JP 36349299 A JP36349299 A JP 36349299A JP 2001172951 A JP2001172951 A JP 2001172951A
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porous concrete
concrete pipe
pipe
drain port
drainage structure
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JP36349299A
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English (en)
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Masahito Honma
雅人 本間
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Nippon Concrete Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Concrete Industries Co Ltd
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で長期間安定して排水でき施工が
容易な浸透水排水構造を提供する。 【解決手段】 遠心成形にて透水係数が0.5cm/s
以上3.0cm/s以下で軸方向の一端に排水口5を開
口した筒状の多孔質コンクリート管4を形成する。傾斜
地3の傾斜面2に、鋼管を略水平もしくは先端側が打ち
込む位置より若干上方に位置する傾斜した状態で打ち込
む。スクリューオーガ9により鋼管内を掘削し、多孔質
コンクリート管4の一端部から、排水口5が開口する端
部のみが傾斜面2から露出する状態に挿入する。鋼管を
引き抜き、傾斜地3に多孔質コンクリート管4を埋設し
て浸透水排水構造1を構築する。傾斜地3の浸透水は、
地中の土砂間の透水係数の範囲内の多孔質コンクリート
管4を浸透し、排水口5から排水する。砂利や砂などの
濾過材が不要で、目詰まりせず、施工性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質コンクリー
ト管を地中に埋設した浸透水排水構造およびその施工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】傾斜地では、多雨によって土壌の含水比
が高くなり、特に地下水位が高いあるいは湧き水が多い
地盤では、山崩れなどの地盤の崩壊が生じるおそれがあ
る。このため、このような傾斜地には浸透水排水構造が
設けられる。そして、浸透水排水構造としては、従来、
例えば図11および図12に示す構成あるいは図13お
よび図14に示す構造が知られている。
【0003】そして、図11および図12に示すよう
に、傾斜地21に舗装道路22などを構築する際、まず切土
して平坦面とした地盤23上に基礎地盤24を設け、盛土25
した後に傾斜面26に亘って溝27を形成し、粒径が調整さ
れた砕石28を溝27内に敷き詰めるとともに集水孔29を複
数穿設した有孔管30を一端の図示しない排水口が傾斜面
26から露出するように敷設し、さらに砕石28を溝27内に
詰めて有孔管30を埋設し、有孔管30の集水孔29に土砂が
流れ込まないように砕石28にて覆った浸透水排水構造31
を構築した後に、盛土25して上部に舗装道路22などを構
築する構成が知られている。
【0004】しかしながら、この図11および図12に
示す浸透水排水構造31では、地盤23に平坦面を形成して
有孔管30を埋設するための溝27を形成し、さらに集水孔
29の目詰まりを防止するための砕石28にて覆う必要があ
り、大掛かりな土木工事となり、別途砕石28などの濾過
材が必要となり、別途施工期間が長期にわたり、施工コ
ストも増大するとともに、傾斜面26が急で平坦面を形成
できない傾斜地21では構築できない制約がある。
【0005】一方、図13および図14に示す浸透水排
水構造41は、傾斜地42を切土して構築した傾斜地42のの
りである傾斜面43に、岩盤44の上方に位置して横孔を設
けて集水孔45を複数穿設した有孔管46を一端の排水口47
が傾斜面43から露出するように挿入して埋設する構成が
採られている。
【0006】しかしながら、この図13および図14に
示す横孔に有孔管46を挿入して埋設する構成では、地中
の浸透水とともに土砂が集水孔45に流れ込んで目詰まり
や有孔管46の開口面積の減少などにより排水能力が低下
するおそれがあり、頻繁に有孔管46を交換する工事が必
要となり、保守管理が煩雑でコストも増大する。このた
め、図11および図12に示す構成のように、砕石28な
どのフィルタ材にて集水孔45に土砂が流れ込まないよう
に有孔管46を覆う構造を採る必要があるが、横孔に有孔
管46の周囲をフィルタ材にて覆う構造を施工することは
非常に困難である。また、砕石28の代わりに、有孔管46
の周囲を透水性フィルムや透水性ネットなどにて覆い、
この透水性フィルムや透水性ネットなどで覆った有孔管
46を横孔内に挿入して構築することも考えられるが、透
水性フィルムや透水性ネットなどの特殊な構成を設ける
必要があり、コストが増大するとともに有孔管46の製造
性の向上が図れない。さらに、横孔に有孔管46を挿入す
る際あるいは挿入後に流れる土砂にて埋設される際に透
水性フィルムや透水性ネットなどが損傷するおそれがあ
り、施工性の向上が図れないとともに、土砂の流れ込み
を十分には防止できないおそれもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図1
1および図12に示す盛土25により溝27を形成して浸透
水排水構造31を構築する構成では、大掛かりな土木工事
を施し、別途砕石28などの濾過材が必要で、施工期間が
長期にわたりコストが増大するとともに、傾斜地21によ
っては構築できない制約があり、汎用性の向上が図れな
い。
【0008】また、図13および図14に示す切土の傾
斜面43に横孔を設けて浸透水排水構造41を構築する構成
では、有孔管46の集水孔45が目詰まりして長期間安定し
た排水能力が得られず、保守管理が非常に煩雑でコスト
が増大するとともに、目詰まりを防止する特殊な構造を
設ける場合には、施工が煩雑となるとともに、目詰まり
を防止する特殊な構造によりコストが増大するとともに
有孔管46の製造性の向上が図れない問題がある。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な構造で長期間安定して排水でき施工が容易な
浸透水排水構造およびその施工方法に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の浸透水排
水構造は、透水係数が0.5cm/s以上3.0cm/
s以下で軸方向の一端に排水口を開口した筒状の多孔質
コンクリート管が、前記排水口を露出して軸方向が略水
平方向に沿った状態または前記排水口が開口する一端が
他端より下方に位置する傾斜した状態で地中に埋設され
たものである。
【0011】そして、透水係数が0.5cm/s以上
3.0cm/s以下で軸方向の一端に排水口を開口した
筒状の多孔質コンクリート管を、軸方向が略水平方向に
沿った状態または排水口が開口する一端が他端より下方
に位置する傾斜した状態で地中に埋設し、透水係数が濾
過機能を有する砂利層や砂層の透水係数の範囲内の多孔
質コンクリート管にて集水して露出する排水口から排水
するため、砂利や砂といった濾過材などの特別な構成を
用いることなく目詰まりしないで長期間安定して排水す
るとともに、濾過材が不要で地中への埋設が容易とな
り、簡単な構成で施工性が向上する。ここで、透水係数
が0.5cm/sより小さいと、十分な集水が得られず
透水係数が3.0cm/sより大きいと取扱強度が低下
して施工性の低下および歩留まりの悪化を生じるため、
透水係数を0.5cm/s以上3.0cm/s以下に設
定する。
【0012】請求項2記載の浸透水排水構造は、請求項
1記載の浸透水排水構造において、多孔質コンクリート
管は、遠心成形により形成されたものである。
【0013】そして、遠心成形により多孔質コンクリー
ト管を形成するため、容易に透水係数が0.5cm/s
以上3.0cm/s以下の筒状に形成できるとともに、
所望の取扱強度が得られ、施工性および製造法が向上す
る。
【0014】請求項3記載の浸透水排水構造の施工方法
は、透水係数が0.5cm/s以上3.0cm/s以下
で軸方向の一端に排水口を開口した筒状の多孔質コンク
リート管を、前記排水口を露出して軸方向が略水平方向
に沿った状態または前記排水口が開口する一端が他端よ
り下方に位置する傾斜した状態で地中に埋設するもので
ある。
【0015】そして、透水係数が0.5cm/s以上
3.0cm/s以下で軸方向の一端に排水口を開口した
筒状の多孔質コンクリート管を、軸方向が略水平方向に
沿った状態または排水口が開口する一端が他端より下方
に位置する傾斜した状態で地中に埋設するため、透水係
数が濾過機能を有する砂利層や砂層の透水係数の範囲内
の多孔質コンクリート管にて砂利や砂といった濾過材な
どの特別な構成を用いることなく目詰まりしないで長期
間安定して集水して露出する排水口から排水する構成
が、濾過材を用いることなく簡単な構成で容易に得られ
る。
【0016】請求項4記載の浸透水排水構造の施工方法
は、請求項3記載の浸透水排水構造の施工方法におい
て、傾斜地の傾斜面に、円筒状の鋼管を軸方向が略水平
方向に沿った状態または先端が基端より上方に位置する
傾斜した状態で打ち込み、この傾斜地に打ち込んだ前記
鋼管の内周側の土壌を掘削翼を有した掘削装置にて掘削
除去し、この土壌が掘削除去された前記鋼管の内周側に
円筒状に形成された多孔質コンクリート管を排水口が前
記傾斜地の傾斜面から露出する状態に挿入した後に前記
鋼管を前記傾斜地から引き抜いて前記多孔質コンクリー
ト管を埋設するものである。
【0017】そして、傾斜地の傾斜面に、円筒状の鋼管
を軸方向が略水平方向に沿った状態または先端が基端よ
り上方に位置する傾斜した状態で打ち込み、鋼管の内周
側の土壌を掘削翼を有した掘削装置にて掘削除去し、鋼
管内に円筒状の多孔質コンクリート管を排水口が傾斜地
の傾斜面から露出する状態に挿入した後、鋼管を引き抜
いて多孔質コンクリート管を埋設するため、大掛かりな
土木工事をする必要なく多孔質コンクリート管が目詰ま
りおよび損傷することなく容易で確実に埋設できる。
【0018】請求項5記載の浸透水排水構造の施工方法
は、請求項3または4記載の浸透水排水構造の施工方法
において、多孔質コンクリート管は、遠心成形により形
成されたものである。
【0019】そして、遠心成形により多孔質コンクリー
ト管を形成するため、透水係数が0.5cm/s以上
3.0cm/s以下の筒状で所望の取扱強度の多孔質コ
ンクリート管が容易に得られ、施工性および製造性が向
上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を参照して説明する。
【0021】図1および図2において、1は浸透水排水
構造で、この浸透水排水構造1は、のりである傾斜面2
を有した傾斜地3の地中に多孔質コンクリート管4が埋
設されて構成されている。
【0022】そして、多孔質コンクリート管4は、両端
を開口した管状で、一端に排水口5を開口し透水係数が
0.5cm/s以上3.0cm/s以下、より好ましく
は0.5cm/s以上1.5cm/s以下の多孔質の円
筒状に形成され、排水口5を開口する一端が傾斜面2か
ら露出して埋設されている。
【0023】また、多孔質コンクリート管4は、例えば
6号砕石や7号砕石などの最大粒径の異なる複数の図示
しない粗骨材および細骨材と、高炉スラグ粉末およびセ
メントである普通ポルトランドセメントが混合された混
合セメントとが混練されて、遠心力成形にて両端が開口
する円筒状に形成される。
【0024】ここで、高炉スラグ粉末は、高炉で発生す
る鉄鋼スラグの粉末で、比表面積が6000〜1000
0cm2 /g(JIS-R-5201)の粉末状のものが用いられ
る。ここで、高炉スラグ粉末の比表面積が6000cm
2 /gより小さくなると、得られた多孔質コンクリート
管4の初期材令における強度が小さくなる。また、比表
面積が10000cm2 /gより大きい場合には、力を
加えるとこわばるようなダイラタンシー性が現れて成形
性が低下する。このため、比表面積が6000cm2
g以上10000cm2 /g以下の高炉スラグ粉末を用
いる。
【0025】また、混合セメントは、高炉スラグ粉末を
20%〜60%、普通ポルトランドセメントを残りであ
る80%〜40%の割合で構成され、水結合材比で22
%〜40%となる条件で水が添加される。なお、この条
件であれは、水と合わせて高性能減水材などの混和材を
適宜混合してもよい。
【0026】そして、粗骨材と混合セメントに水が添加
されたセメントペーストとは、粗骨材のかさ容積1m3
における空隙体積(閉気孔は含まない)に対する比率で
30%〜50%となるように混合される。
【0027】このような条件で混合されて遠心成形され
ることにより、多孔質コンクリート管4は透水係数が
0.5cm/s以上3.0cm/s以下に形成される。
【0028】ここで、透水係数が0.5cm/sより小
さいと、十分な集水が得られず透水係数が3.0cm/
sより大きいと取扱強度が低下して施工性の低下および
歩留まりの悪化を生じるため、透水係数を砂利層や砂層
の透水係数0.01cm/s以上10cm/s以下の範
囲内の0.5cm/s以上3.0cm/s以下に設定す
る。なお、多孔質コンクリート管4の取扱強度の点か
ら、より好ましくは0.5cm/s以上1.5cm/s
以下に設定する。
【0029】そして、高炉スラグ粉末が20%より少な
い、あるいは60%より多くなると、水を混合セメント
に添加したペースト状態のセメントペーストの塑性粘度
が10〜200Pの範囲で、かつフロー値が小さくなる
に従って塑性粘度が徐々に大きくなるという多孔質コン
クリート管4の成形に適した条件から外れ、成形性が低
下する。このため、高炉スラグ粉末は、普通ポルトラン
ドセメントに対して、20%以上60%以下の置換率に
設定する。
【0030】また、混合する水の量が、水結合材比で2
2%より少なくなると、塑性粘度が大きくなって取扱性
が低下するとともに、セメントペーストあるいはセメン
トモルタルが粗骨材に略均一に付着できなくなって強度
が得られなくなる。さらに、混合する水の量が、水結合
材比で40%より多くなると、塑性粘度が小さくなって
成形性が低下する。このため、水結合材比を22%以上
40%以下に設定する。
【0031】さらに、水が適宜混合されたペースト状態
でのセメントペーストあるいはセメントモルタルの体積
で、粗骨材のかさ容積1m3 中の空隙体積に対して30
%より少なくなると、強度が低下して構造材として使用
可能な強度が得られなくなる。さらに、50%より多く
なると粗骨材同士の空隙が閉塞されて通水性が低下す
る。このため、水が適宜混合されたペースト状態でのセ
メントペーストあるいはセメントモルタルの体積で粗骨
材のかさ容積1m3 中の空隙体積に対して30%以上5
0%以下となる条件に混合セメントの量を設定する。な
お、製造時の安定性を考慮して、30%以上50%以下
に設定することが好ましい。
【0032】なお、遠心力成形の場合、フロー値(JIS-
R-5201)が250mm以下、好ましくは200mm以
下、さらに好ましくは150〜200mmとなる条件で
水を添加する。すなわち、フロー値が250mmを越え
ると、フロー値が小さくなるに従って塑性粘度が小さく
なって成形性が低下する。このため、フロー値を250
mm以下にする。なお、製造時の安定性を考慮して、2
00mm以下にすることが好ましい。さらに、フロー値
が150mmより小さくなると、塑性粘性が小さくなっ
て成形が低下するとともにセメントペーストあるいはセ
メントモルタルが粗骨材に略均一に付着できなくなって
強度が得られなくなるおそれがあるため、より好ましく
は、フロー値を150mm以上200mm以下にする。
なお、この範囲のフロー値であれは、水と合わせて高性
能減水材などの混和材を適宜混合してもよい。
【0033】そして、多孔質コンクリート管4は、例え
ば多孔質コンクリート管4に作用する重力加速度による
荷重の10倍以上30倍以下の遠心力を最大遠心力とし
て遠心力成形後、蒸気養生されて形成される。
【0034】次に、上記実施の形態の施工方法を図面を
参照して説明する。
【0035】まず、切土にて露出する傾斜地3の傾斜面
2に多孔質コンクリート管4を埋設する施工方法につい
て説明する。
【0036】なお、埋設する多孔質コンクリート管4の
外径を略200mmとする。
【0037】まず、図2に示すように、例えば内径が略
205mm、外径が略216mm、長さ寸法が略2mの
鋼管6を略水平もしくは先端側が基端側である打ち込む
位置より若干上方に位置するように打ち込む。
【0038】この後、図3に示すように、軸7の周面に
スパイラル状に掘削翼8を有した掘削装置であるスクリ
ューオーガ9により打ち込んだ鋼管6内を掘削する。な
お、この掘削の際、鋼管6の長さ寸法より長めに掘削す
る。
【0039】そして、図4に示すように、内部の土砂が
掘削除去された鋼管6内に多孔質コンクリート管4の一
端部から、排水口5が開口する端部のみが傾斜面2から
露出する状態で、先端側が鋼管6より長く掘削した位置
まで挿入する。この後、多孔質コンクリート管4を挿入
後に鋼管6を例えば回転しつつ引き抜き、図1に示すよ
うに傾斜地3に多孔質コンクリート管4を埋設する。な
お、鋼管6の引き抜きにより多孔質コンクリート管4の
外周面に生じた隙間は、例えば土圧や浸透水の染み出し
にて土砂が流れ込んで充填され、多孔質コンクリート管
4は固定される。
【0040】なお、傾斜地3の大きさによって、多孔質
コンクリート管4を上下方向に多数列埋設する。
【0041】そして、地中の土砂間を透水係数0.01
cm/s以上10cm/s以下で流れる地中の浸透水
は、そのまま同様の透水係数で多孔質コンクリート管4
を浸透して内周側に流れ込み、排水口5から排水され
る。
【0042】このように、透水係数が0.5cm/s以
上3.0cm/s以下、好ましくは0.5cm/s以上
1.5cm/s以下で軸方向の一端に排水口5を開口し
た筒状の多孔質コンクリート管4を、軸方向が略水平方
向に沿った状態または排水口5が開口する一端が他端よ
り下方に位置する傾斜した状態で地中に埋設するため、
地中の浸透水は、濾過機能を有する砂利層や砂層の透水
係数の範囲内の多孔質コンクリート管4にて集水されて
排水口5から排水されるので、砂利や砂といった濾過材
などの特別な構成を用いることなく目詰まりしないで長
期間安定して排水できるとともに、濾過材が不要で地中
へ容易に埋設でき、簡単な構成で施工性を向上できる。
【0043】また、遠心成形により多孔質コンクリート
管4を形成するため、透水係数が0.5cm/s以上
3.0cm/s以下の筒状に容易に形成できるととも
に、所望の取扱強度を得ることができ、施工性および製
造性を向上できる。
【0044】そして、この切土にて露出する傾斜地3の
傾斜面2に多孔質コンクリート管4を埋設する施工方法
として、傾斜地3の傾斜面2に、円筒状の鋼管6を軸方
向が略水平方向に沿った状態または先端が基端より上方
に位置する傾斜した状態で打ち込んで鋼管6の内周側の
土砂を掘削除去し、鋼管6内に円筒状の多孔質コンクリ
ート管4を排水口5が傾斜地3の傾斜面2から露出する
状態に挿入した後に鋼管6を引き抜いて多孔質コンクリ
ート管4を埋設するため、大掛かりな土木工事をする必
要なく多孔質コンクリート管4が目詰まりおよび損傷す
ることなく容易で確実に埋設できる。
【0045】また、比表面積が6000cm2 /g以上
10000cm2 /g以下の高炉スラグ粉末を20%以
上60%以下で普通ポルトランドセメントと置換した混
合セメントを、粗骨材のかさ容積1m3 中の空隙体積に
対して、適宜水が混合されたペースト状態での体積で2
0%以上60%以下の条件で混合して多孔質コンクリー
ト管4を形成するため、カルシウムシリケートなどの高
価な原料を用いることなく安価な高炉スラグ粉末を混合
するのみで、構造材として使用可能な強度と高い透水性
とが容易に得られ、普通コンクリートと複合する必要が
なく製造性も向上できるとともに、得られた多孔質コン
クリート管4のアルカリ性が低下して、例えば浸透水が
アルカリ性で排水されることを防止でき、環境汚染も防
止できる。
【0046】また、水結合材比で22%以上40%以下
となるように混合セメントに水を混合してセメントペー
ストを調整するため、セメントペーストの塑性粘度が1
0〜200Pの範囲でかつフロー値が小さくなるに従っ
て塑性粘度が徐々に大きくなる条件となり、特に遠心力
成形の際の取扱性を向上でき、成形性を向上できる。
【0047】さらに、セメントペーストのフロー値が1
50mm以上250mm以下となるように混合セメント
に水を混合するため、セメントペーストの塑性粘度が1
0〜200Pの範囲でかつフロー値が小さくなるに従っ
て塑性粘度が徐々に大きくなる条件となり、遠心力成形
の際の取扱性を向上でき、成形性を向上できる。
【0048】また、粗骨材を最大粒径の大きさが異なる
複数種類の骨材を混合した混合骨材とし、多孔質コンク
リート管4に作用する重力加速度による荷重の10倍以
上30倍以下の遠心力を最大遠心力としたため、十分な
強度および高い透水性を有した長手状の多孔質コンクリ
ート管4でも容易に形成できる。
【0049】次に、盛土により傾斜地3を形成する際に
多孔質コンクリート管4を埋設する施工方法について説
明する。
【0050】なお、埋設する多孔質コンクリート管4
は、1辺が略20cmの四角筒状に形成したものを用い
る。
【0051】まず、図5に示すように、平坦面の地盤11
上に砕石などを敷き均し締め固めて基礎地盤12を形成す
る。さらに、図6に示すように、基礎地盤12上に盛土し
敷き均し締め固めて厚さ寸法が約30cm程度の盛土層
13を3層形成する。そして、図7に示すように、盛土層
13の上面に、傾斜面2となる位置に排水口5が開口する
端部を位置させて多孔質コンクリート管4を適宜所定の
間隔で載置する。この後、図8に示すように、多孔質コ
ンクリート管4を覆うように盛土し敷き均し締め固めて
盛土層13を多層に亘って形成し、多孔質コンクリート管
4を埋設した傾斜地3を形成する。なお、傾斜地3の大
きさによって多孔質コンクリート管4を上下方向に多数
列配設する。
【0052】このように、盛土によっても同様に多孔質
コンクリート管4を埋設できる。
【0053】そして、四角形状に形成した多孔質コンク
リート管4を用いたため、盛土層13上に安定して載置で
き、施工性を向上できる。
【0054】なお、上記実施の形態において、遠心成形
にて多孔質コンクリート管4を形成して説明したが、例
えば振動成型など、いずれの形成方法でもできる。
【0055】また、円筒状あるいは四角筒状に限らず、
三角筒状、楕円筒状、星形筒状などでもよく、例えば細
長板状に形成したり断面半円状に形成した多孔質部材を
適宜組み合わせて筒状の多孔質コンクリート管4を形成
してもよい。
【0056】さらに、両端を開口する円筒状に遠心力成
形した後に一端を閉塞して多孔質コンクリート管4を形
成して説明したが、遠心力成形の際に一端側のみ閉塞す
るように形成してもよい。
【0057】そして、多孔質コンクリート管4の排水口
5を傾斜面2に露出させて説明したが、この排水口5の
露出状態は、例えば図9に示すように、コンクリート製
のU字ブロック15が直列状に配設されて構成されるU字
溝16を傾斜面2に配設する場合、U字溝16に地中に埋設
された多孔質コンクリート管4の排水口5を開口する一
端を連結し、U字溝16内に排水口5が露出して開口する
ようにしたり、図10に示すように、地中に埋設した排
水路18に多孔質コンクリート管4の排水口5を開口する
一端を連結して排水路18内に排水口5が露出して開口す
るようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の浸透水排水構造によれ
ば、透水係数が濾過機能を有する砂利層や砂層の透水係
数の範囲内の0.5cm/s以上3.0cm/s以下で
一端に排水口を開口した筒状の多孔質コンクリート管
を、軸方向が略水平方向に沿った状態または排水口が開
口する一端が他端より下方に位置する傾斜した状態で地
中に埋設するため、砂利や砂といった濾過材などの特別
な構成を用いることなく多孔質コンクリート管が目詰ま
りしないで長期間安定して排水できるとともに、濾過材
が不要で地中へ容易に埋設でき、簡単な構成で施工性を
向上できる。
【0059】請求項2記載の浸透水排水構造によれば、
請求項1記載の浸透水排水構造の効果に加え、遠心成形
により多孔質コンクリート管を形成するため、容易に透
水係数が0.5cm/s以上3.0cm/s以下の筒状
に形成できるとともに、所望の取扱強度を得ることがで
き、施工性および製造性を向上できる。
【0060】請求項3記載の浸透水排水構造の施工方法
によれば、透水係数が濾過機能を有する砂利層や砂層の
透水係数の範囲内の0.5cm/s以上3.0cm/s
以下で一端に排水口を開口した筒状の多孔質コンクリー
ト管を、軸方向が略水平方向に沿った状態または排水口
が開口する一端が他端より下方に位置する傾斜した状態
で地中に埋設するため、多孔質コンクリート管が目詰ま
りしないで長期間安定して排水できる構成が、砂利や砂
といった濾過材などの特別な構成が不要で地中へ容易に
埋設でき、施工性を向上できる。
【0061】請求項4記載の浸透水排水構造の施工方法
によれば、請求項3記載の浸透水排水構造の施工方法の
効果に加え、傾斜地の傾斜面に、円筒状の鋼管を軸方向
が略水平方向に沿った状態または先端が基端より上方に
位置する傾斜した状態で打ち込み、鋼管の内周側の土壌
を掘削翼を有した掘削装置にて掘削除去し、鋼管内に円
筒状の多孔質コンクリート管を排水口が傾斜地の傾斜面
から露出する状態に挿入した後、鋼管を引き抜いて多孔
質コンクリート管を埋設するため、大掛かりな土木工事
をする必要なく多孔質コンクリート管が目詰まりおよび
損傷することなく容易で確実に埋設できる。
【0062】請求項5記載の浸透水排水構造の施工方法
によれば、請求項3または4記載の浸透水排水構造の施
工方法の効果に加え、遠心成形により多孔質コンクリー
ト管を形成するため、透水係数が0.5cm/s以上
3.0cm/s以下の筒状で十分な取扱強度の多孔質コ
ンクリート管が容易に得られ、施工性および製造性を向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す浸透水排水構造の断
面図である。
【図2】同上浸透水排水構造を施工する状況を説明する
鋼管を打設した状態を示す断面図である。
【図3】同上浸透水排水構造を施工する状況を説明する
鋼管内部の土砂を掘削除去する状態を示す断面図であ
る。
【図4】同上浸透水排水構造を施工する状況を説明する
多孔質コンクリート管を挿入して鋼管を引き抜く状態を
示す断面図である。
【図5】本発明の浸透水排水構造を施工する他の状況を
説明する基礎地盤を形成した状態を示す断面図である。
【図6】同上浸透水排水構造を施工する他の状況を説明
する盛土層を形成した状態を示す断面図である。
【図7】同上浸透水排水構造を施工する他の状況を説明
する多孔質コンクリート管を設置した状態を示す断面図
である。
【図8】同上浸透水排水構造の他の施工方法での断面図
である。
【図9】本発明の他の実施の形態における浸透水排水構
造を示す断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態における浸透
水排水構造を示す断面図である。
【図11】従来例の浸透水排水構造を示す断面図である
【図12】同上正面断面図である。
【図13】従来の他の浸透水排水構造を示す断面図であ
る。
【図14】同上有孔管近傍を示す断面図である。
【符号の説明】
1 浸透水排水構造 4 多孔質コンクリート管 5 排水口 6 鋼管 8 掘削翼 9 掘削装置であるスクリューオーガ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透水係数が0.5cm/s以上3.0c
    m/s以下で軸方向の一端に排水口を開口した筒状の多
    孔質コンクリート管が、前記排水口を露出して軸方向が
    略水平方向に沿った状態または前記排水口が開口する一
    端が他端より下方に位置する傾斜した状態で地中に埋設
    されたことを特徴とした浸透水排水構造。
  2. 【請求項2】 多孔質コンクリート管は、遠心成形によ
    り形成されたことを特徴とした請求項1記載の浸透水排
    水構造。
  3. 【請求項3】 透水係数が0.5cm/s以上3.0c
    m/s以下で軸方向の一端に排水口を開口した筒状の多
    孔質コンクリート管を、前記排水口を露出して軸方向が
    略水平方向に沿った状態または前記排水口が開口する一
    端が他端より下方に位置する傾斜した状態で地中に埋設
    することを特徴とする浸透水排水構造の施工方法。
  4. 【請求項4】 傾斜地の傾斜面に、円筒状の鋼管を軸方
    向が略水平方向に沿った状態または先端が基端より上方
    に位置する傾斜した状態で打ち込み、 この傾斜地に打ち込んだ前記鋼管の内周側の土壌を掘削
    翼を有した掘削装置にて掘削除去し、 この土壌が掘削除去された前記鋼管の内周側に円筒状に
    形成された多孔質コンクリート管を排水口が前記傾斜地
    の傾斜面から露出する状態に挿入した後に前記鋼管を前
    記傾斜地から引き抜いて前記多孔質コンクリート管を埋
    設することを特徴とする請求項3記載の浸透水排水構造
    の施工方法。
  5. 【請求項5】 多孔質コンクリート管は、遠心成形によ
    り形成されたことを特徴とする請求項3または4記載の
    浸透水排水構造の施工方法。
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