JP2001172842A - 耐光性に優れたヨットセール - Google Patents

耐光性に優れたヨットセール

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JP2001172842A
JP2001172842A JP35955499A JP35955499A JP2001172842A JP 2001172842 A JP2001172842 A JP 2001172842A JP 35955499 A JP35955499 A JP 35955499A JP 35955499 A JP35955499 A JP 35955499A JP 2001172842 A JP2001172842 A JP 2001172842A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量で優れた引っ張り抵抗度と強度を有し、か
つ優れた耐光性を兼ね備えたヨットセールを提供する。 【解決手段】波長が450nmから700nmの間にお
ける30%以上の領域で、繊維の正反射率が30%以下
となる酸化染料化合物等の耐光剤を付与してなるポリベ
ンザゾール繊維を少なくとも一部に含む布帛からなる耐
光性に優れたヨットセール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐光性が著しく優れ
たポリベンザゾール繊維を含むヨットセールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリベンザゾール繊維が現在市販
されているスーパー繊維の代表であるパラアラミド繊維
の2倍以上の強度と弾性率を持ち、また、限界酸素指数
が68、分解温度が650℃に達する高い耐熱性を有し
ているため、次世代のスーパー繊維として期待されてい
る。
【0003】ところでポリベンザゾール重合体のポリ燐
酸溶液から成型体を製造することは知られており、例え
ば、製造条件については米国特許5296185号、米国特許5
385702号があり、水洗乾燥方法についてはW094/04726
号、熱処理方法については米国特許5296185号にそれぞ
れ開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて特にヨットレース
で使用されるヨットセールには、設計された形状が風を
受けても変化しないように高い引っ張り抵抗度や引っ張
り強度が求められる。そのために、近年では、高強度・
高弾性率繊維からなる織物やスクリムを2枚のポリエス
テルなどのフィルム間に挟み込みラミネート成型した製
品が主流となっており、例えば米国特許5001003号や米
国特許5403641号に開示されている。また、米国特許509
7784号に開示されているように、ヨットセールを3次元
一体成型により製造する方法も開発されている。従来そ
れらの技術を使った製品には、アラミド繊維(商品名ケ
ブラーやテクノーラ)や炭素繊維が使用されていた。炭
素繊維はアラミド繊維と比較して引っ張り弾性率が高い
ヨットセールの性能向上が期待されるが、一方で、折り
曲げに弱く疲労性に劣るという問題があった。そこで、
炭素繊維並の弾性率をほこるポリベンザゾール繊維を含
むヨットセールが開発され、すでに世界各国のヨットレ
ースで好成績を収めている。しかし、ポリベンザゾール
繊維を含むヨットセールは、その初期性能は非常に高い
が、太陽光により強度が低下するために、長時間にわた
るヨットレースでは、レースの途中でヨットセールが破
断するなどの問題があった。そこで本発明者らは、軽量
でありながら高強力・高弾性率であり、なおかつ優れた
耐光性を示すヨットセールを鋭意研究した結果次の発明
を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、波長
が450nmから700nmの間における30%以上の
領域で、繊維の正反射率が30%以下となる耐光剤を付
与してなるポリベンザゾール繊維を少なくとも一部に含
む布帛からなることを特徴とする耐光性に優れたヨット
セールである。そして具体的には、耐光剤が、波長が4
50nmから700nmの間における10%以上の領域
で、繊維の正反射率が20%以下となるものであること
を特徴とする上記記載の耐光性に優れたヨットセール、
耐光剤が、酸化染料化合物であることを特徴とする上記
記載の耐光性に優れたヨットセール、耐光剤が、芳香族
アミンからなる化合物あるいはフェノール類からなる化
合物であることを特徴とする上記記載の耐光性に優れた
ヨットセール及び耐光剤が、繊維に対し0.01〜2
0.0重量%付与されてなることを特徴とする上記記載
の耐光性に優れたヨットセールである。
【0006】以下、更に本発明を詳述する。本発明にお
けるポリベンザゾール繊維とは、ポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾール(PBO)ホモポリマー、及び実
質的に85%以上のPBO成分を含みポリベンザゾール
(PBZ)類とのランダム、シーケンシャルあるいはブ
ロック共重合ポリマーをいう。ここでポリベンザゾール
(PBZ)ポリマーは、例えばWolf等の「Liquid Cryst
alline Polymer Compositions, Process and Product
s」米国特許第4703103号(1987年10月27日)、
「Liquid Crystalline Polymer Compositions, Process
and Products」米国特許第4533692号(1985年8月
6日)、「Liquid Crystalline Poly(2,6-Benzothiazol
e) Compositions, Process and Products」米国特許第4
533724号(1985年8月6日)、「Liquid Crystalli
ne Polymer Compositions, Process and Products」米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Eversの
「Thermooxidative-ly Stable Articulated p-Benzobis
oxazole and p-Benzobisoxazole Polymers」米国特許第
4539567号(1982年11月16日)、Tsaiらの「Met
hod for making Heterocyclic Block Copolymer」米国
特許第4578432号(1986年3月25日)等に記載さ
れている。
【0007】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。モノマー単位は構造式(a)−(h)に記載されてい
るモノマー単位から成り、更に好ましくは、本質的に構
造式(a)−(c)から選択されたモノマー単位からなる。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】実質的にPBOからなるポリマーのドープ
を形成するための好適溶媒としては、クレゾールやその
ポリマーを溶解し得る非酸化性の酸が含まれる。好適な
酸溶媒の例としては、ポリ燐酸、メタンスルフォン酸及
び高濃度の硫酸或いはそれ等の混合物があげられる。更
に適する溶媒は、ポリ燐酸及びメタンスルフォン酸であ
る。また最も適する溶媒は、ポリ燐酸である。
【0011】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10
重量%、最も好ましくは14重量%である。最大濃度
は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際
上の取り扱い性により限定される。それらの限界要因の
ために、ポリマー濃度は20重量%を越えることはな
い。
【0012】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えばWolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sybert等
の米国特許第4772678号(1988年9月20日)、Har
risの米国特許第4847350号(1989年7月11日)に
記載される方法で合成される。実質的にPBOからなる
ポリマーはGregory等の米国特許第5089591号(1992
年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒中での比較的
高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子量
化が可能である。
【0013】この様にして重合されるドープは押出部に
供給され、押出口金から通常100℃以上の温度で吐出
される。ポリマードープは十分な延伸比(SDR)を得
るため、米国特許第5296185号に記載されたように十分
な長さのドローゾーン長が必要で、かつ比較的高温度
(ドープの固化温度以上で紡糸温度以下)の整流された
冷却風で均一に冷却されることが望ましい。ドローゾー
ンの長さ(L)は非凝固性の気体中で固化が完了する長
さが必要であり大雑把には単孔吐出量(Q)によって決
定される。良好な繊維物性を得るにはドローゾーンの取
り出し応力がポリマー換算で(ポリマーのみに応力がか
かるとして)2g/d以上が必要である。
【0014】ドローゾーンで延伸されたポリマーは次に
抽出(凝固)浴に導かれる。張力が高いため、抽出浴の
乱れなどに対する配慮は必要でなく如何なる形式の抽出
浴でも良い。例えばファンネル型、水槽型、アスピレー
タ型あるいは滝型などが使用出来る。抽出液は燐酸水溶
液や水が望ましい。最終的に抽出浴においてポリマーが
含有する燐酸を99.0%以上、好ましくは99.5%
以上抽出する。本発明における抽出媒体として用いられ
る液体に特に限定はないが好ましくはポリベンザゾール
に対して実質的に相溶性を有しない水、メタノ-ル、エ
タノール、アセトン等である。また抽出(凝固)浴を多
段に分離し燐酸水溶液の濃度を順次薄くし最終的に水で
水洗しても良い。さらに該繊維束を水酸化ナトリウム水
溶液などで中和し、水洗することが望ましい。
【0015】耐光剤の付与方法として、先ず成型物製造
工程ライン中で付与する方法が挙げられる。この場合
は、重合完了後で且つ押出直前のドープ、または製造工
程に於いて押出口金からドープを押し出した後凝固浴突
入以降から乾燥浴に突入以前の任意の位置であれば何れ
の箇所でもよい。付与の方法としては一般的な方法を用
いると良いが下記に限定される物ではない。例えば、押
出ドープに付与するには、2軸混練り装置中で重合完了
後のポリベンザゾールと耐光剤が均一になるまで混練り
した後押出紡糸する方法、凝固剤に予め耐光剤を溶かし
ておき、そこに通常組成のドープを導き凝固せしめる方
法、水洗工程や中和工程通過途中やその前後に於いて、
耐光剤を含んだ水溶液や有機溶剤に溶かした溶液を、浸
漬法やキスロール法、ガイド法又はローラー上で成型体
に噴霧して付与する方法などがある。また、成形物を製
造後、例えば染色加工、等の後加工時に耐光剤を付与す
る方法も採用できる。
【0016】ポリベンザゾール成型体内部には多数のキ
ャピラリーと呼ばれる微細な穴が存在しており、乾燥前
成型体の水分はこのキャピラリー中にある。しかもこの
穴は互いにつながっており外部から内部まで通じてい
る。従って、この連通したキャピラリーを利用して物質
移動が可能となり外部の耐光剤を内部まで導くには溶剤
抽出(凝固)後乾燥前の段階で耐光剤を付与することが
望ましい。実際、凝固浴から乾燥工程突入以前に耐光剤
を付与する場合の浸漬時間は0.1秒以上好ましくは
0.5秒以上、最も好ましくは1秒以上であれば何秒で
も十分量の耐光剤を付与することが出来るが、必要以上
に浸漬時間が長すぎると生産コストが高くなり好ましく
ない。
【0017】付与する耐光剤としては、空気を含む酸化
剤で酸化し発色する酸化染料化合物、芳香族アミンから
なる化合物あるいはフェノール類からなる化合物が挙げ
られるが、それに限定されるものではない。酸化染料と
は、染料に当たっては酸化して合成した色素を用いるも
のではなく、酸化によって色素を生成する中間物を用い
るもので、厳密には酸化染料を生成する塩基であり、酸
化塩基とも称されるものである。芳香族アミンからなる
化合物あるいはフェノール類からなる化合物としては、
アニリン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミ
ン、p-フェニレンジアミン、o-アミノフェノール、m-
アミノフェノール、p-アミノフェノール、ナフトー
ル、およびそれらの誘導体、およびそれらの酸性塩化合
物などが挙げられる.一般に、この様な化合物は固体ま
たは液体であるため、ドープに直接添加する時以外は、
溶剤に溶解させ使用する。溶かす溶剤としては、水、燐
酸水溶液などの水溶液、エタノール、メタノール、エチ
レングリコールなどのアルコール類、アセトンなどのケ
トン類など、耐光剤と相溶性を有し且つ繊維中に浸透す
るものであれば何でも良い。その溶液を次亜塩素酸ナト
リウム、過酸化水素、塩化鉄(iii)、亜硝酸ナトリウ
ム、空気などで耐光剤の酸化・縮合を促進させ、使用す
ることも可能である。耐光剤は着色し、ポリベンザゾー
ル成型体と反応あるいは吸着し、次の水洗工程でも脱落
し難くなる。環境、安全性、廃液処理を考慮し、溶剤に
水を使用する場合は、溶解性が高く、空気だけで簡単に
酸化・発色するフェニレンジアミン化合物が最も好まし
い.また、2種類以上の酸化染料化合物の同時添加も可
能である。種類の異なる酸化染料化合物を併用すると、
酸化・発色する速度が著しく速くなる場合があり、違っ
た効果が得られる。
【0018】ポリベンザゾール成型体への拡散浸透を考
えると、耐光剤溶液濃度はできるだけ高濃度が望まれる
が、不必要に高濃度付与すると、付与重量分率分の強度
低下を惹起するし、洗浄工程からの廃液負荷が大きくな
る。また、耐光剤溶液への浸漬もできるだけ長時間が望
まれるが、設備コストが問題となる。ポリベンザゾール
試料形態により耐光剤溶液濃度、耐光剤溶液への浸漬時
間の最適化が必要であるが、通常耐光剤濃度が0.01
重量%から20重量%の溶液に10分以内、好ましくは
5分以内、更に好ましくは1分以内、更には30秒以内浸
漬することにより処理可能である。
【0019】水洗後、100℃以上、通常300℃以内
で乾燥(熱処理)することによりキャピラリー間の連結
が失われ耐光剤は容易に繊維内部に固定できる。熱処理
後の強度は35g/d以上であり、熱処理によるポリマ
ーへの悪影響を少ないものとすることも肝要である。
【0020】本発明の成型体が有効な耐光性を示す条件
として、第1に成型体は、波長が450nmから700
nmの間における30%以上、好ましくは80%以上、
更に好ましくは95%以上の領域で、成型体の正反射率
が30%以下となる耐光剤が付与されていることが肝要
である。また、波長が450nmから700nmの間に
おける10%以上、好ましくは30%以上の領域で、成
型体の正反射率が20%以下となる耐光剤が付与されて
いることであり、具体的な耐光剤として例えば酸化染料
に特徴的な黒、紫、褐色系統の色に着色することが望ま
しい。図1に未処理のポリベンザゾール繊維の正反射率
スペクトルと、酸化染料物質p−フェニレンジアミンで
処理したポリベンザゾール繊維の正反射率スペクトルを
示す。
【0021】第2に熱処理による強度低下を極力低減さ
せ得る耐光剤を使用することが重要である。ポリベンザ
ゾール繊維に耐光剤を付与した後、例えば100℃から
350℃程度の高温下での乾燥処理を行うが、その際耐
光剤を付与したがために大幅な強度低下が見られると、
ポリベンザゾール繊維固有の優れた物性を維持すること
ができなくなる。従ってかかる観点からも耐光剤を選定
することが重要であり、具体的には上述の耐光剤が推奨
される。第3に適量の耐光剤を成型体内部に含んでいる
ことが望ましい。好ましくは重量%にして0.01以上
20.0以下、最も好ましくは0.5%以上10.0%
以下の分量を含有していることが重要である。耐光剤の
含有率は、未処理成型体と耐光剤処理成型体の一定の長
さ、面積あるいは体積あたりの重量差で確認できる。
【0022】繊維内部においての耐光剤化合物の化学的
な存在状態や作用については明確には分かっていない。
着色による遮光性と、長い共役系をもち、酸化還元電位
の小さい酸性染料の電子供与性あるいはラジカル捕捉
性、あるいはポリマーとの反応、配位による安定化と推
定されるが、本発明はこの考察に拘束されるものではな
い。
【0023】得られた耐光性に優れるポリベンザゾール
繊維を使用して、公知の方法により織編物、等の布帛と
なし、更に縫製してヨットセールを得ることができる。
その製造方法としては例えば米国特許5001003号、米国
特許5403641号にあるいは米国特許5097784号が知られて
いる。得られたポリベンザゾールと例えば、パラアラミ
ド繊維(商品名ケブラーあるいはトワロン)、共重合ア
ラミド繊維(商品名テクノーラ)、ポリエチレン繊維
(商品名ダイニーマあるいはスペクトラ)または炭素繊
維などの高強度・高弾性率繊維を組み合わせて使用する
ことも可能である。
【0024】以下、本発明で使用した測定方法を述べ
る。 <可視反射スペクトルの測定方法>紫外・可視分光光度
計として、日立U-3500形自記分光光度計を使用し
た。超高感度ホトマルR928検出器を備えた60φ積
分球装置の反射試料設置場所に角度付き(10゜)スペ
ーサーを付け、厚みが3mm以上の成型体サンプルの鏡
面側を隙間なく付け、正反射スペクトルを測定した。試
料設置面に酸化アルミニウムの副白板を取り付け、得ら
れる反射スペクトルを正反射率100%とし、試料の正
反射率のスペクトルを得た。細い繊維試料は長さ5mm
以下に切断し、8t/cm2以上の圧力で2分以上、3
mm以上の均一な厚みにプレス成形し、試料に供した。
詳細な測定条件は以下の通りである。 測定波長:300nm〜700nm スキャンスピード:600nm/min スリット(可視):5.00nm ホトマル電圧:自動制御 PbS感度:2
【0025】<耐光性の評価方法>耐光性の評価は、光
暴露の前後でのヨットセールの強力を測定することで評
価した。光暴露試験はアトラス社製水冷キセノンアーク
式ウェザーメーター(型式Ci35A)を用いた。金属
フレームに成型体を巻き付けて装置にセットし、内側フ
ィルターガラスに石英、外側フィルターガラスにポロシ
ケート、タイプSを使用し、放射照度0.35W/m2
(at 340nm)、ブラックパネル温度83±3
℃、試験糟内湿度50±5%の条件下にて100時間連
続運転を行った。
【0026】<強力の測定方法>ヨットセールの強力測
定は、JISL1096に準じて試料幅3cmで行っ
た。
【0027】
【実施例】以下、更に実施例を示すが本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0028】<実施例1>米国特許第4533693号に示され
る方法によって得られた、30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が24.4dL/gのポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール14.0重量%と五酸
化リン含有率83.17%のポリ燐酸からなる紡糸ドー
プを紡糸に用いた。ドープは金属網状の濾材を通過さ
せ、次いで2軸からなる混練り装置で混練りと脱泡を行
った後、昇圧させ、重合体溶液温度を170℃に保ち、
孔数160を有する紡糸口金から170℃で紡出し、温
度60℃の冷却風を用いて吐出糸条を冷却した後、ゴデ
ットロールに巻き付け紡糸条速度を与え、温度を20±
2℃に保った20%の燐酸水溶液からなる抽出(凝固)
浴中に導入した。引き続いて第2の抽出浴中イオン交換
水で糸条を洗浄した後、0.1mol/Lの水酸化ナト
リウム溶液中に浸漬し中和処理を施した後、40℃、5
重量%のp−フェニレンジアミンの黒色水溶液に60秒
間浸した。10秒間水洗した後、120℃で120秒間
乾燥させポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
(PBO)繊維を得た。得られたPBO繊維を合糸し、
総デニール1500の糸条として、その糸条をたて方向
及びよこ方向ともに1インチあたり5本挿入したスクリ
ムを製造した。得られたスクリムを、ポリウレタン系接
着剤を塗布した厚さ12ミクロンの2軸延伸ポリエステ
ルフィルム間に挟み、硬化乾燥させてセールクロスを製
造した。得られたセールクロスの重量は、320g/m
であった。得られたセールクロスを3cm幅に切り出
し、耐光試験を実施した。結果を表1に示す。
【0029】<比較例1>米国特許第4533693号に示さ
れる方法によって得られた、30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が24.4dL/gのポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾール14.0重量%と五
酸化リン含有率83.17%のポリ燐酸からなる紡糸ド
ープを紡糸に用いた。ドープは金属網状の濾材を通過さ
せ、次いで2軸からなる混練り装置で混練りと脱泡を行
った後、昇圧させ、重合体溶液温度を170℃に保ち、
孔数160を有する紡糸口金から170℃で紡出し、温
度60℃の冷却風を用いて吐出糸条を冷却した後、ゴデ
ットロールに巻き付け紡糸条速度を与え、温度を20±
2℃に保った20%の燐酸水溶液からなる抽出(凝固)
浴中に導入した。引き続いて第2の抽出浴中イオン交換
水で糸条を洗浄した後、0.1mol/Lの水酸化ナト
リウム溶液中に浸漬し中和処理を施した後、120℃で
120秒間乾燥させた。得られた繊維を使用して実施例
と同様の方法でセールクロスを製造した。得られたセー
ルクロスの重量は、335g/mであった。
【0030】
【表1】
【0031】上記表1より本発明のセールクロスは従来
品と比較して優れた耐光性能を示し、このセールクロス
を所望の形状に加工することによってヨットセールを得
ることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、軽量で優れた引っ張り
抵抗度と強度を有し、かつ優れた耐光性を兼ね備えたヨ
ットセールが実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】正反射率スペクトル。(1)は耐光剤処理無し
の場合。(2)は耐光剤処理した場合。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長が450nmから700nmの間にお
    ける30%以上の領域で、繊維の正反射率が30%以下
    となる耐光剤を付与してなるポリベンザゾール繊維を少
    なくとも一部に含む布帛からなることを特徴とする耐光
    性に優れたヨットセール。
  2. 【請求項2】耐光剤が、波長が450nmから700n
    mの間における10%以上の領域で、繊維の正反射率が
    20%以下となるものであることを特徴とする請求項1
    記載の耐光性に優れたヨットセール。
  3. 【請求項3】耐光剤が、酸化染料化合物であることを特
    徴とする請求項1記載の耐光性に優れたヨットセール。
  4. 【請求項4】耐光剤が、芳香族アミンからなる化合物あ
    るいはフェノール類からなる化合物であることを特徴と
    する請求項1記載の耐光性に優れたヨットセール。
  5. 【請求項5】耐光剤が、繊維に対し0.01〜20.0
    重量%付与されてなることを特徴とする請求項1記載の
    耐光性に優れたヨットセール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005344232A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Toyobo Co Ltd 着色ポリベンザゾール繊維の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005344232A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Toyobo Co Ltd 着色ポリベンザゾール繊維の製造方法

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