JP2001172605A - 耐熱フィルタ用接着剤及び耐熱フィルタ - Google Patents

耐熱フィルタ用接着剤及び耐熱フィルタ

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JP2001172605A
JP2001172605A JP36115899A JP36115899A JP2001172605A JP 2001172605 A JP2001172605 A JP 2001172605A JP 36115899 A JP36115899 A JP 36115899A JP 36115899 A JP36115899 A JP 36115899A JP 2001172605 A JP2001172605 A JP 2001172605A
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Hiroyuki Futaki
弘之 二木
Noriaki Sato
典明 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 著しく良好な耐熱性を有し、高温環境下での
使用においても自己発塵現象の問題がなく、しかも、安
価で取り扱い性に優れた耐熱フィルタ用接着剤とこの耐
熱フィルタ用接着剤を用いた高耐熱性、高耐久性で自己
発塵が極めて少ない耐熱フィルタを提供する。 【解決手段】 アニオンが(SiOn−イオンであ
るイオン結合性物質を溶質として含有する耐熱フィルタ
用接着剤。この耐熱フィルタ用接着剤を用いた耐熱フィ
ルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造工業、
電子部品製造工業などで使用されるクリーン焼成炉、乾
燥炉等の高温環境下で使用される耐熱フィルタの繊維間
接着剤としての耐熱フィルタ用接着剤とこの接着剤を用
いた耐熱フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造工業や電子部品製造工
業においては、工程内全体の空気を濾過して徐塵するだ
けでなく、クリーン焼成炉や乾燥炉内における循環空気
の濾過も実施されており、そのために、これらの高温炉
での使用にも耐え得る耐熱フィルタが必要とされてい
る。即ち、これらのクリーン焼成炉や乾燥炉において
は、炉材として使用されている耐火物からの脱落物、金
属枠からの錆など、炉内部での不純物の発生による被焼
成物の汚染が問題となっており、この汚染を防止するた
めに、耐熱フィルタにより循環空気を濾過して徐塵する
ことが行われている。
【0003】一般に、空気を濾過して徐塵するために用
いられるエアフィルタとしては、有機系接着剤を繊維間
接着剤として使用して成形された繊維成形体をフィルタ
本体とするものが用いられている。この有機系繊維間接
着剤は、繊維と繊維の交点で一体の膜を成膜するため、
膜状固体となった有機系繊維間接着剤は濾過後の空気中
に放出されることはなく、従って、接着剤が繊維から剥
離して濾過空気を汚染する自己発塵現象がないという利
点を有する。しかし、高温条件下においては、有機系繊
維間接着剤が焼失するため、接着剤による接着力がなく
なり、繊維間接合力は繊維同士の絡み合いに依存する状
態になる。この状態では、繊維成形体から繊維が脱落し
易くなり、脱落した繊維により濾過空気が汚染されると
いう自己発塵が発生し易くなるという欠点がある。
【0004】このようなことから、耐熱フィルタ用の繊
維間接着剤としては、その使用環境温度でも消失するこ
とのない十分な耐熱性を有するものが要求され、特開昭
60−87822号公報には、この耐熱フィルタ用の繊
維間接着剤としてボロシロキサン化合物を使用したもの
が提案されている。また、特開昭64−77700号公
報には、アルキル珪酸エステルの加水分解物を繊維間接
着剤とした耐熱フィルタが、また、特公平7−5121
0号公報には、アルコキシシランのメタノール溶液を繊
維間接着剤としてスプレーして縮合物を生成させて繊維
同士を接着した耐熱フィルタが提案されている。
【0005】その他、断熱材用途の繊維間接着剤とし
て、シリカゾル、アルミナゾル等のゾル分散液、水ガラ
スとして知られる珪酸ナトリウム溶液が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボロシ
ロキサン化合物は、残留する硼素の存在のために、耐水
性が悪い上に、硼素自体の蒸発による被焼成物への汚染
の問題があり、半導体や電子部品製造用途には不適当で
ある。
【0007】一方、アルキル珪酸エステルやアルコキシ
シランは、一般には高価であり、工業的な使用には適し
ていない。また、造膜反応速度の制御の目的で酸又はア
ルカリを添加することが一般的に行われているが、目的
とする成膜条件制御の許容範囲が狭く、取り扱いが困難
である。
【0008】また、従来、断熱材用繊維間接着剤として
用いられているシリカゾル、アルミナゾル等から形成さ
れる膜状固体は、ゾル粒子同士がその表面に存在する水
酸基の水素結合により直接、又は水分子などを仲立ちと
して間接的に結合して形成されたものであるため、水分
子の蒸発、又は何らかの外力によりこの粒子間の結合が
容易に切断されて脱落することから、耐熱フィルタ用途
とした場合には自己発塵現象が発生し易い。この問題を
回避するためには粒子同士を融着させれば良いが、粒子
同士を融着させるためには、通常、1000℃以上の高
温で処理する必要があり、このような高温処理は、基材
の劣化を引き起こすのみならず、処理コストの面からも
工業上実現が困難である。
【0009】また、珪酸ナトリウム溶液から形成される
膜状固体は、ガラス同様の三次元的なシリカネットワー
ク構造を形成しているが、珪酸ナトリウムを構成するシ
リカ以外の成分、即ちナトリウムが膜内に残留すること
により、シリカ膜と比較して耐熱性や耐久性が低いとい
う問題点がある。
【0010】本発明は上記従来の問題点を解決し、著し
く良好な耐熱性を有し、高温環境下での使用においても
自己発塵現象の問題がなく、しかも、安価で取り扱い性
に優れた耐熱フィルタ用接着剤とこの耐熱フィルタ用接
着剤を用いた高耐熱性、高耐久性で自己発塵が極めて少
ない耐熱フィルタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱フィルタ用
接着剤は、溶質としてイオン結合性物質を含有する耐熱
フィルタ用接着剤であって、該イオン結合性物質のアニ
オンが(SiO イオンであることを特徴とす
る。
【0012】即ち、本発明者らは、上記目的を達成すべ
く鋭意研究の結果、造膜性に優れ、かつ高温度、特に有
機物が焼失するような250℃以上、においてはシリカ
成分のみが膜内に残留するイオン結合性物質を繊維間接
着剤として使用することにより、耐熱性、耐久性に優
れ、かつ自己発塵が極めて少ない耐熱フィルタを容易に
かつ安価に提供できることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0013】本発明に係るイオン結合性物質は、含有さ
れている(SiOn−イオン同士が結合し、Si−
O−Si結合が長く連なった強固な非晶質の三次元的ネ
ットワークを形成して、接合性に優れた膜状物質を生成
する。このネットワーク構造は原子同士の直接結合に由
来しており、容易に切断されることはない。従って、粒
子脱落の可能性は極めて低いことから、自己発塵現象を
引き起こす可能性も極めて低い。
【0014】このネットワーク形成に当たり、出発点と
なる(SiOn−イオンは個々に分散しており、仮
に集合体となっていたとしても高々数原子程度であるた
め、緻密なネットワークを形成し易い。
【0015】本発明に係るイオン結合性物質は安価であ
り、また水溶性であるため、有機系溶剤を用いずこれを
水溶液として用いることができ、取り扱い性、安全性に
も優れ、耐熱フィルタを容易且つ安価に製造することが
できる。
【0016】ところで、アルカリ金属元素及びアルカリ
土類金属元素は、上記ネットワーク構造のSi−O−S
i結合を切断し、耐熱性や耐久性の低下を引き起こす要
因となる。従って、本発明において、上記アルカリ金属
元素及びアルカリ土類金属元素は繊維間接着剤により形
成された膜状物質中に存在しないことが望ましい。この
ためには、成膜後上記アルカリ金属元素及びアルカリ土
類金属元素のみを選択的に溶解させたり、イオン交換に
より他元素と交換したりするなどの方法により除去する
ことも考えられるが、処理工程が複雑になり工業的には
適さないことから、耐熱フィルタ用接着剤中に上記アル
カリ金属元素及びアルカリ土類金属元素を含有しないこ
とが好ましい。
【0017】また、上記アルカリ金属元素及びアルカリ
土類金属元素によるSi−O−Si結合の切断は、繊維
間接着剤により形成された膜状物質内部にとどまらず、
フィルタ基材内部にも及ぶ点からも耐熱フィルタ用接着
剤中にアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素を含
有しないことが好ましい。
【0018】アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元
素のような基材自体を劣化させる元素を含まない場合に
は、未焼成の状態でも繊維間接着剤として有効であるた
め、接着のための処理工程を簡素化することができ、有
利である。
【0019】ところで、アルカリ金属元素及びアルカリ
土類金属元素以外の元素の中には、Si−O−Si結合
とともにネットワーク構造の形成に関与する元素も存在
する。このような元素を含有するイオン結合性物質は、
フィルタ基材劣化の恐れもないことから使用しても差し
支えないが、一般的に、アルカリ金属元素及びアルカリ
土類金属元素を含まない珪酸塩は水に難溶性の物質が多
くこのようなものでは、基材への付着時の作業性が悪く
なる。従って、本発明に係るイオン結合性物質は、アル
カリ金属元素及びアルカリ土類金属元素を含まないばか
りでなく、選択的溶解やイオン交換以外の処理、好まし
くは焼成によって容易にネットワーク形成成分のみが残
留するような組成であり、かつ良好な水溶性を持つこと
が好ましい。
【0020】このような組成として、カチオンとして非
金属元素、具体的には水素、炭素、窒素、酸素、及び硫
黄の1種又は2種以上からなる元素群を含む物質で構成
される珪酸塩が挙げられ、このうち硫黄は加熱燃焼によ
り有毒ガスが発生するため、水素、炭素、窒素及び酸素
の1種又は2種以上からなる元素群で構成されるもの、
即ち、水溶性でアルカリ性を示す有機系カチオンが好ま
しい。
【0021】特に、このイオン結合性物質としは、(S
iOn−イオンのアニオンと、アンモニウムイオ
ン、モノメチルトリエタノールアンモニウムイオン及び
トリメチルモノエタノールアンモニウムイオンよりなる
群から選ばれる1種又は2種以上よりなるカチオンとか
らなるものが好ましい。
【0022】このようなイオン結合性物質であれば、水
溶性であるため、水溶液として処理することができ、ま
た、カチオン成分は比較的低温の加熱燃焼により完全に
ガス化して膜外に放出され、残留する接合膜の組成は、
シリカ組成の強固なネットワーク構造となるため、耐熱
性及び耐久性に著しく優れるものとなる。
【0023】なお、このような耐熱フィルタ用接着剤
は、フィルタ基材に水溶液として付着させた後、乾燥
し、加熱によりカチオン成分を焼失させるのみで容易に
繊維間を強固に接合することができるが、耐熱フィルタ
としての実際の使用環境において、高温環境に晒される
場合には、この加熱焼成処理を省略することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0025】本発明の耐熱フィルタ用接着剤は、(Si
n−イオンをアニオンとするイオン結合性物質を
溶質として含むものである。(Xは通常2〜4、nはこ
のXにより決定される値) このイオン結合性物質は、前述の水溶性、焼成によるガ
ス化等の面から、アンモニウムイオン、モノメチルトリ
エタノールアンモニウムイオン及びトリメチルモノエタ
ノールアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる1種
又は2種以上(以下これらを「アンモニウム成分」と称
す。)をカチオンとするものであることが好ましい。
【0026】このようなイオン結合性物質は、シリカゾ
ルを有機アンモニア水溶液に分散させることにより容易
に製造することができる。従って、本発明の耐熱フィル
タ用接着剤は、通常、(SiOn−イオンとアンモ
ニウム成分とからなるイオン結合性物質の水溶液として
提供されるが、イオン結合性物質の溶媒については、何
ら水に限定されないが、取り扱い性等の面からは水を溶
媒とするものが好ましい。
【0027】本発明の耐熱フィルタ用接着剤中の上記イ
オン結合性物質の濃度には特に制限はなく、フィルタ基
材への付着量に応じて適宜決定される。即ち、フィルタ
基材への付着量を多くする場合には高濃度溶液とし、少
なくする場合には低濃度溶液とする。
【0028】フィルタ基材にイオン結合性物質の付着さ
せて接合媒体としての膜状物質を生成させるには、イオ
ン結合性物質の水溶液中にフィルタ基材を浸漬させる方
法、或いは、イオン結合性物質の水溶液をスプレー、刷
毛塗り等の方法でフィルタ基材に塗布する方法等が挙げ
られるが、簡便な方法で均一に付着させることができる
ことから、浸漬法が適している。この操作は、触媒や特
別な条件制御を必要とすることなく、極めて容易に実施
することができる。
【0029】イオン結合性物質の水溶液を付着させた後
は、乾燥して水分を蒸発除去し、その後焼成してカチオ
ン成分を焼失させる。この乾燥は、過度に高温に昇温す
ると、水分が急激に沸騰蒸発して、形成される膜を破壊
する恐れがあるため、80℃以下の比較的穏やかな加熱
にすることが好ましい。
【0030】また、乾燥後の焼成は、前述のアンモニウ
ム成分をカチオンとするイオン結合性物質であれば、2
00〜300℃で30分以上の条件とするのが好まし
い。前述の如く、この焼成は、耐熱フィルタの使用環境
における高温条件で兼ねることも可能であるため、必ず
しも必要とされず、省略しても良い。
【0031】なお、本発明において、フィルタ基材とし
ては、通常、耐熱フィルタのフィルタ基材として用いら
れるものが挙げられ、一般的にはガラス繊維の成形体が
用いられるが、イオン結合性物質の付着処理は、繊維か
ら不織布への加工段階、繊維不織布の成形段階、繊維成
形体の成形段階、この繊維成形体のフィルタ形状への加
工段階のいずれの段階で実施しても良い。
【0032】フィルタ基材の繊維には、ガラス繊維の
他、アルミナ、ジルコニア等の酸化物やセラミックス
や、結晶或いは多結晶等の無機物質、更には、高温環境
下で酸化され易い金属やカーボン等の非酸化物系無機物
質の繊維の1種又は2種以上を使用しても良い。即ち、
シリカ成分は、弗化水素以外の物質には侵されることが
無いため、本発明において、イオン結合性物質から生成
したシリカ系の膜状物質でフィルタ基材を完全に被覆す
ることにより、フィルタ基材を外部環境から保護するこ
とができ、フィルタ基材の性質に何ら制約を受けること
なく、弗化水素を含有しない雰囲気であれば、すべての
環境下において、気体又は液体の濾過に使用可能であ
る。
【0033】このようなフィルタ基材に対するイオン結
合性物質から生成させた膜状物質の付着量には特に制限
はなく、耐熱フィルタに要求される濾過性能、フィルタ
基材となる繊維成形体の強度、柔軟度、目付量などから
決定されるが、通常の場合、フィルタ基材に対する膜状
物質の付着重量%で、0.5〜5.0重量%とするのが
好ましい。この付着量が多い程徐塵の抑制効果が高い傾
向にあるが、過度に付着量が多いと、耐熱フィルタの硬
度が増し、取り扱い性が悪くなると共に、通気性、通液
性が損なわれる場合がある。この付着量は、イオン結合
性物質の水溶液の濃度、浸漬方法、乾燥方法を適宜選定
することにより、容易に制御することができる。
【0034】なお、本発明の耐熱フィルタ用接着剤に
は、前述のイオン結合性物質以外にイオン結合性物質で
形成されるネットワーク構造やフィルタ基材を劣化させ
ることのない成分であれば他の接着性成分を含有してい
ても良い。例えば、1000℃以上の高温処理が必要な
ゾルを含む場合であっても、本発明のイオン結合性物質
により形成されるシリカ系ネットワーク構造中にこれが
包み込まれることにより膜内に強固に固定されることと
なり、自己発塵のない良好な耐熱フィルタを得ることが
できる。
【0035】このような本発明の耐熱フィルタは、40
0℃以上の高温環境下において、各種気体又は液体の濾
過に用いる耐熱フィルタとして、工業的に極めて有用で
ある。
【0036】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】実施例1 繊維成形体として、繊維間接着剤を含まない市販のシリ
カ繊維濾紙(商品名:QR100、製造元:アドバンテ
ック東洋株式会社)を用いた。繊維間接着剤として使用
するイオン結合性物質含有液(商品名:アンモニウムシ
リケートAS17、製造元:日本化学工業株式会社)
を、イオン交換水により希釈して処理液を作製した。こ
の処理液に上記シリカ繊維濾紙を浸漬させた後、吸引脱
水し、その後120℃の乾燥炉にて乾燥させ、この乾燥
後、600℃で1時間焼成を行い、試料を得た。
【0038】得られた試料に対し、以下の方法で、接着
剤の付着量の測定及び自己発塵性の評価を行い、結果を
表1に示した。 [接着剤の付着量の測定]繊維間接着剤の付着前後の濾
紙重量を測定し、その重量増加から、元の濾紙重量に対
する付着量を重量%で示した。 [自己発塵性の評価]断面積100cmのチャンバー
に試料を挟み込む。この際、挟み込み部から外気が入り
込まないよう、試料は固定板内に挟み込んだ上に周囲を
テープ及び樹脂接着剤によりシールして設置した。な
お、この固定板はチャンバーと同じ形状の100cm
の開口部分のみに試料を露出させるものであり、この開
口部をチャンバー開口部と一致させるように設置した。
この試料に面風速5.3cm/sで空気を通過させ、試
料通過前(以下「上流側」と記述する。)と通過後(以下
「下流側」と記述する。)の空気をサンプリングし、そ
れぞれに接続したパーティクルカウンター(型式:KC
01−B、製造元:リオン株式会社)により粒子個数を
測定した。なお、この測定は、試料設置後一定流量空気
を通過させた後に開始した。また、上流側に通気する空
気は、市販のULPAエアーフィルターで濾過した後の
空気であるため、一連の測定を通じて検出された粒子個
数は0であった。従って、下流側で検出された粒子(粒
径0.3μm以上の粒子を検出した。)が試料から発生
した粒子であり、この個数を自己発塵個数とした。
【0039】実施例2 実施例1において、処理液の調製に当たり、繊維間接着
剤として使用するイオン結合性物質含有液(商品名:ア
ンモニウムシリケートAS17、製造元:日本化学工業
株式会社)のイオン交換水による希釈割合を変更したこ
と以外は同様にして繊維間接着剤付着量の異なる試料を
作製し、この試料について、実施例1と同様にして繊維
間接着剤付着量の測定及び自己発塵性の評価を行い、そ
の結果を表1に示した。
【0040】実施例3 実施例1において、処理液の調製に当たり、繊維間接着
剤として使用するイオン結合性物質含有液(商品名:ア
ンモニウムシリケートAS17、製造元:日本化学工業
株式会社)のイオン交換水による希釈割合を変更し、ま
た、乾燥後の焼成を行わなかったこと以外は同様にして
試料を作製し、この試料について、実施例1と同様にし
て繊維間接着剤付着量の測定及び自己発塵性の評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0041】比較例1 繊維間接着剤としてアルミナゾル(商品名:アルミナゾ
ル−100、製造元:日産化学株式会社)を用い、これ
をイオン交換水により希釈して処理液を調製したこと以
外は実施例1と同様にして試料を作製し、この試料につ
いて、実施例1と同様に繊維間接着剤付着量の測定及び
自己発塵性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0042】比較例2 繊維間接着剤としてシリカゾル(商品名:シリカドール
30A、製造元:日本化学工業株式会社)を用い、これ
をイオン交換水により希釈して処理液を調製したこと以
外は実施例1と同様にして試料を作製し、この試料につ
いて、実施例1と同様に繊維間接着剤の付着量の測定及
び自己発塵性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0043】比較例3 繊維成形体として、実施例1と同様に、市販のシリカ繊
維濾紙(商品名:QR100、製造元:アドバンテック
東洋株式会社)を用い、繊維間接着剤を全く付着させず
に600℃で1時間焼成を行って試料を得た。この試料
について、実施例1と同様に自己発塵性の評価を行い、
その結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1より次のことが明らかである。
【0046】即ち、実施例1〜3と比較例3とを比較す
ることにより、繊維間接着剤としてアンモニウムシリケ
ートを使用した場合、自己発塵個数が、測定された全粒
径領域で減少しており、アンモニウムシリケートには自
己発塵抑制の効果があることが分かる。
【0047】また、実施例1,3と比較例3とを比較す
ることにより、繊維間接着剤として使用したアンモニウ
ムシリケートが焼成前であるか、焼成後であるかの状態
に関わらず、自己発塵抑制の効果があることが分かる。
【0048】実施例2と比較例1〜3とを相互に比較す
ることにより、自己発塵抑制効果は繊維間接着剤として
使用する物質の付着量によるものではなく、繊維間接着
剤の種類によることが分かるが、実施例1と実施例2と
を比較することにより、繊維間接着剤の付着量が多くな
ることで自己発塵がより一層抑制される傾向があること
が分かる。この理由については定かではないが、アンモ
ニウムシリケートの付着量の増加により、繊維同士がよ
り強固に接合されるためと推定される。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、著
しく良好な耐熱性を有し、高温環境下での使用において
も自己発塵現象の問題がなく、しかも、安価で取り扱い
性に優れた耐熱フィルタ用接着剤とこの耐熱フィルタ用
接着剤を用いて高耐熱性、高耐久性で自己発塵が極めて
少ない耐熱フィルタが容易且つ安価に提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BB03 BB05 BC12 4J040 AA011 HA301 HC01 HC09 HD32 JA03 LA08 NA19 NA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶質としてイオン結合性物質を含有する
    耐熱フィルタ用接着剤であって、該イオン結合性物質の
    アニオンが(SiOn−イオンであることを特徴と
    する耐熱フィルタ用接着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該イオン結合性物質
    のカチオンが、アンモニウムイオン、モノメチルトリエ
    タノールアンモニウムイオン及びトリメチルモノエタノ
    ールアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる1種又
    は2種以上であることを特徴とする耐熱フィルタ用接着
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、アルカリ金属
    及びアルカリ土類金属を含有しないことを特徴とする耐
    熱フィルタ用接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の耐熱フィルタ用接着剤を用いたことを特徴とする耐熱
    フィルタ。
JP36115899A 1999-12-20 1999-12-20 耐熱フィルタ用接着剤及び耐熱フィルタ Pending JP2001172605A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006263498A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Ngk Insulators Ltd セラミックフィルタ

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JP2006263498A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Ngk Insulators Ltd セラミックフィルタ
JP4607634B2 (ja) * 2005-03-22 2011-01-05 日本碍子株式会社 セラミックフィルタ

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