JP2001172493A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001172493A
JP2001172493A JP36066599A JP36066599A JP2001172493A JP 2001172493 A JP2001172493 A JP 2001172493A JP 36066599 A JP36066599 A JP 36066599A JP 36066599 A JP36066599 A JP 36066599A JP 2001172493 A JP2001172493 A JP 2001172493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic polycarbonate
polycarbonate resin
bis
aromatic
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36066599A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Aihara
哲也 相原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP36066599A priority Critical patent/JP2001172493A/ja
Publication of JP2001172493A publication Critical patent/JP2001172493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ウエルド部の強度、衝撃強度等の機械的特
性、耐湿熱性、耐薬品性、成形加工性、耐熱性等に優れ
る芳香族ポリカーボネートとASA系樹脂からなる熱可
塑性樹脂。 【解決手段】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂の末
端水酸基が10〜70モル%(全末端を100モル
%)、二価フェノールとカーボネートエステルとをエス
テル交換反応させて得られた芳香族ポリカーボネート樹
脂10〜90重量%(B)アクリル系ゴム成分に芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、アクリル酸アル
キルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル1種以
上の単量体のグラフト共重合体10〜100重量%と上
記の少なくとも1種の単量体の共重合体0〜90重量%
を混合してなるスチレン系樹脂10〜90重量%からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度、耐湿
熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しく
は、機械的強度、特にウエルド強度、低温での衝撃強度
に優れ、且つ湿熱環境下における耐加水分解性の改良さ
れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃
性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性など
にも優れており、広く用いられている。このような芳香
族ポリカーボネート樹脂の製造方法としては、ビスフェ
ノールAなどの二価フェノールにホスゲンを直接反応さ
せる方法(界面重合法)、あるいはビスフェノールなど
の二価フェノールとジフェニルカーボネートなどのジア
リルカーボネートとを溶融状態でエステル交換反応させ
重合する方法(以下、溶融法と称することがある。)な
どが知られている。このような製造方法のなかで、二価
フェノールとジアリルカーボネートとのエステル交換反
応させる方法は、界面重合法による製造に比べて、ホス
ゲンやメチレンクロライド等のハロゲン化合物を使用す
る問題がなく、環境に対する負荷が少なく且つ安価に製
造できる利点があり、有望な技術である。
【0003】一方、ABS樹脂をはじめとするスチレン
系樹脂は機械特性のバランス、成形加工性に優れる熱可
塑性樹脂として、幅広く使用されている。特にASA樹
脂はアクリル系ゴム用いていることから、ABS樹脂と
比較して耐候性、耐薬品性に優れており、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂とのアロイも公知の技術として数多く開
発され、各用途に幅広く使用されている。
【0004】しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹
脂とASA系樹脂とのアロイは成形加工性、常温での機
械特性、耐熱性等には優れるものの、基本的に芳香族ポ
リカーボネート樹脂とASA系樹脂との相容性が乏しい
ため、低温衝撃強度、ウエルド強度が低い事などの問題
点がある。
【0005】かかる相容化の問題点を解決する方法とし
て、芳香族ポリカーボネート樹脂とASA系樹脂との相
容化剤の添加が挙げられ、かかる相容化剤としては、一
方または他方のポリマーに反応性を有する基を含有する
化合物又はポリマー間の反応を促進させる触媒的な化合
物が好ましいとされ、特にリアクティブプロセッシング
等の方法が盛んに試みられ、種々の提案がなされてい
る。
【0006】例えば、特公平1−16434号公報で
は、芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹脂をはじめ
とするグラフト共重合体の相容化剤としてエポキシ基含
有オレフィン共重合体の使用が開示されている。しかし
ながら、かかるエポキシ基を含有する重合体を使用した
場合、材料の成形加工性の低下やゲル化による機械特性
の低下を引き起こすなどの問題点が大きいため実用性を
有しないものであった。
【0007】上記の如く、低温時の衝撃強度、ウエルド
部の強度、耐湿熱性等に優れる芳香族ポリカーボネート
とASA系樹脂の組成物が要求されているものの、かか
る要求を満足する樹脂組成物は得られていないのが現状
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ウエ
ルド強度、低温衝撃等の機械的特性に優れ、湿熱環境下
における耐加水分解性の改良された芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物を提供せんとするものである。
【0009】本発明者らは上記目的を達成せんとして鋭
意研究を重ねた結果、驚くべきことにエステル交換反応
で製造された特定の末端水酸基濃度を有する芳香族ポリ
カーボネート樹脂と特定の平均ゴム粒子径と溶融せん断
粘度を有するアクリル酸アルキルエステルを主成分とす
るアクリル系ゴム成分に芳香族ビニル化合物、シアン化
ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル及びメタク
リル酸アルキルエステルからなる単量体群から選ばれた
少なくとも1種以上の単量体をグラフト重合して得られ
る熱可塑性グラフト共重体を含んでなる樹脂組成物が、
ウエルド強度、低温での衝撃強度に優れ、且つ湿熱環境
下における耐加水分解性が改良された樹脂組成物を得る
ことができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)芳香族
ポリカーボネート樹脂の全末端を100モル%とした
時、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基が10〜
70モル%であり、且つ二価フェノールとカーボネート
エステルとをエステル交換反応させて得られた芳香族ポ
リカーボネート樹脂(A成分)10〜90重量%および
(B)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアク
リル系ゴム成分に芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル
化合物、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸
アルキルエステルからなる単量体群から選ばれた少なく
とも1種以上の単量体をグラフト重合して得られるグラ
フト共重合体(B−1成分)10〜100重量%と上記
の単量体群から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合
して得られた共重合体(B−2成分)0〜90重量%を
混合してなるスチレン系樹脂(B成分)10〜90重量
%からなる熱可塑性樹脂組成物に係わるものである。
【0011】本発明でA成分として使用される芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネ
ートエステルとを溶融法で反応させて得られるものであ
る。ここで使用される二価フェノールの代表的な例とし
ては、ハイドロキノン、レゾルシノール、1,6−ジヒ
ドロキシナフタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス{(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノールA)、2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、
2,2−ビス{(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−ブロモ−4
−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス
{(3−クロロ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパ
ン、4−ブロモレゾルシノール、2,2−ビス{(3−
イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、
2,2−ビス{(3−フェニル−4−ヒドロキシ)フェ
ニル}プロパン、2,2−ビス{(3−エチル−4−ヒ
ドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−
n−プロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、
2,2−ビス{(3−sec−ブチル−4−ヒドロキ
シ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、
2,2−ビス{(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキ
シ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−メトキ
シ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス
{(3−フェノキシ−4−ヒドロキシ)フェニル}エチ
レン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、
3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イ
ソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロド
デカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチ
ル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプ
ロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマ
ンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
ビス{(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ)フェニ
ル}スルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエステルなどがあげられ、こ
れらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0012】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シ)フェニル}プロパン、エチレングリコールビス(4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、ビス{(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシ)フェニル}スルホン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、および4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルケトンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビ
スフェノールより得られる単独重合体または共重合体が
好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体が好ま
しく使用される。
【0013】カーボネートエステルとしては、具体的に
は、ジフェニルカーボネート、ジトルイルカーボネー
ト、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチル
カーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカ
ーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げ
られるが、これらに限定されない。好ましくは、ジフェ
ニルカーボネートを使用する。これらカーボネートエス
テルもまた、単独で用いてもよく、また二種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0014】上記二価フェノールとカーボネートエステ
ルを溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を
製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、
二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。また
ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化
合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であって
も、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合
したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、ま
た、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合し
た混合物であってもよい。
【0015】三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニ
ル)ヘプテン−2,2,4,6−トリメチル−2,4,
6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4
−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノー
ル等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)
ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェ
ニルメチル)ベンゼン、又はトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸及びこれらの
酸クロライド、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(3’−フェノキシカルボニル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2
−(3’−カルボキシ−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン
が好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタンが好ましい。
【0016】溶融法による反応は、通常二価フェノール
とカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、
不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエ
ステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコール
またはフェノールを留出させる方法により行われる。反
応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等
により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。
反応後期には系を10〜0.1Torr程度に減圧して
生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさ
せる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0017】また、溶融法において重合速度を速めるた
めに重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒とし
ては、例えば(i)アルカリ金属化合物或はアルカリ土
類金属化合物および/または(ii)含窒素塩基性化合
物よりなる触媒を用いて縮合される。
【0018】触媒として用いられるアルカリ金属化合物
或はアルカリ土類金属化合物としては、例えばアルカリ
金属或はアルカリ土類金属化合物の水酸化物、炭化水素
化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜流酸塩、
シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化
ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノー
ル、フェノールの塩等が挙げられる。特にアルカリ金属
化合物が好ましい。
【0019】アルカリ金属化合物の具体例としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリ
ウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシア
ン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸
リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリ
ウム、ステアリン酸リチウム、水酸化ホウ素ナトリウ
ム、水酸化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、フ
ェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息
香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリ
ウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、
ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジ
リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩などが挙げられる。特にナトリウム化合物が
好ましい。
【0020】触媒としてのアルカリ金属化合物は、二価
フェノール1モルに対し10-8〜10-5モルの範囲が好
ましい。更に好ましくは10-8〜10-6モル、最も好ま
しくは10-7〜10-6モルの範囲である。上記の使用範
囲を逸脱すると、得られるポリカーボネートの諸物性に
悪影響を及ぼしたり、また、エステル交換反応が充分に
進行せず高分子量のポリカーボネートが得られない等の
問題が起こることがある。
【0021】また、触媒としての含窒素塩基性化合物と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(φ―CH2(Me)3NOH)、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する
アンモニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシ
ルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラ
メチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NB
4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)な
どの塩基性塩などを挙げることができる。これらの中
で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4
OH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et
4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)が好ましく、特にテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(Me4NOH)が好ましい。
【0022】上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性
化合物中のアンモニウム窒素原子が二価フェノール1モ
ル当り1×10-5〜1×10-3当量となる割合で用いる
のが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対し2×
10-5〜7×10-4当量となる割合である。特に好まし
い割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4当量と
なる割合である。
【0023】本発明においては所望により、アルカリ金
属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属
やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ
素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲ
ルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、
オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化
合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの
通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触
媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよい
し、2種以上組み合わせ使用してもよい。これらの重合
触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、
好ましくは1×10-9〜1×10-5当量、より好ましく
は1×10-8〜5×10-6当量の範囲で選ばれる。
【0024】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の末
端水酸基は、芳香族ポリカーボネート樹脂の全末端を1
00モル%とした時、10〜70モル%であり、好まし
くは15〜65モル%、さらに好ましくは20〜60モ
ル%、最も好ましくは20〜45モル%に制御すること
がよい。ここで芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸
基のモル%は、常法により1H―NMRにより決定でき
る。
【0025】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の末
端水酸基の割合は、原料である二価フェノールとカーボ
ネートエステル(代表的にはジフェニルカーボネート)
の仕込み比によってコントロールすることができる。重
合温度、重合時の真空度等の重合条件によっても異なる
が、一般的にはジフェニルカーボネート/二価フェノー
ルの比が1以上にすると非水酸基末端よりも末端水酸基
が少なくなり、1未満の場合は非水酸基末端よりも末端
水酸基が多くなる。また、かかる重合反応において、末
端水酸基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終
了後に、芳香族ポリカーボネート樹脂に末端封鎖剤を添
加し、一部の末端水酸基を封鎖することにより、末端水
酸基量をコントロールすることもできる。
【0026】かかる末端封鎖剤としては、例えばフェノ
ール、p−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェ
ニルフェニルカーボネート、p−t−ブチルフェニルカ
ーボネート、p−クミルフェノール、p−クミルフェニ
ルフェニルカーボネート、p−クミルフェニルカーボネ
ート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブ
ロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)
カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネー
ト、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェ
ニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカ
ーボネート、ジフェニルカーボネート、メトキシカルボ
ニルフェニルフェニルカーボネート、2,2,4−トリ
メチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)クロマン2,
4,4−トリメチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)
クロマンおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカ
ーボネート等の化合物が挙げられる。なかでも2−クロ
ロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボ
ニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシ
カルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、
特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネ
ートが好ましく使用される。
【0027】本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂
中の触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好まし
い。この失活剤の具体例としては、例えばベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸
メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン
酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスル
ホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−
トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブ
チル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエン
スルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さら
に、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐ス
ルホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン
酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンス
ルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルア
ンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデ
シルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフ
ェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ド
デシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシ
ルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テ
トラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、
テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシ
ルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、
テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェー
ト、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフ
ェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサ
ルフェート等の化合物を挙げることができるが、これら
に限定されない。これらの化合物を二種以上併用するこ
ともできる。
【0028】失活剤の中でホスホニウムもしくはアンモ
ニウム塩型の失活剤はそれ自身200℃以上でも特に安
定である。そしてその失活剤を芳香族ポリカーボネート
樹脂に添加した場合すみやかに重縮合反応触媒を中和
し、目的とする芳香族ポリカーボネート樹脂を得ること
ができる。即ち、重合封鎖反応後に生成するポリカーボ
ネートに対し、失活剤を好ましくは0.01〜500p
pmの割合で、より好ましくは0.01〜300pp
m、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使
用される。
【0029】また、かかる失活剤は、重縮合反応触媒に
対する割合では、重縮合反応触媒1モル当り0.5〜5
0モルの割合で用いるのが好ましい。失活剤を末端封鎖
後の芳香族ポリカーボネート樹脂に添加する方法には特
に限定されない。例えば、反応生成物である芳香族ポリ
カーボネート樹脂が溶融状態にある間にこれらを添加し
てもよいし、一旦芳香族ポリカーボネート樹脂をペレタ
イズした後再溶融して添加してもよい。前者において
は、末端封鎖反応が終了して得られる溶融状態にある反
応器内または押出機内の反応生成物である芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が溶融状態にある間に、これらを添加し
て芳香族ポリカーボネート樹脂を形成した後、押出機を
通してペレタイズしてもよいし、また、重合封鎖反応で
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂が反応器から押出
機を通ってペレタイズされる間に、失活剤を添加して混
練することによって芳香族ポリカーボネート樹脂を得る
ことができる。
【0030】芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量(M)で12,000〜30,000が
好ましく、14,000〜27,000がより好まし
く、15,000〜25,000が特に好ましい。かか
る粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂
は、組成物として十分な強度が得られ、また、成形時の
溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。
本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mL
にポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶
液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたも
のである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0031】本発明における芳香族ポリカーボネート樹
脂の割合は、芳香族ポリカーボネート樹脂とスチレン系
樹脂の合計100重量%に対して、10〜90重量%で
ある。芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が10重量%
未満では、十分な耐熱性、衝撃強度を有する樹脂組成物
が得られず、90重量%を超えると、成形加工性などが
低下するようになる。
【0032】本発明でB成分は、下記B−1成分とB−
2成分の合計100重量%とした時、アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分とするアクリル系ゴム成分に芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、アクリル酸アル
キルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからな
る単量体群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を
グラフト重合して得られるグラフト共重合体(B−1成
分)10〜100重量%と上記の単量体群から選ばれた
少なくとも1種の単量体を重合して得られた共重合体
(B−2成分)0〜90重量%を混合してなるスチレン
系樹脂である。
【0033】本発明のB成分は250℃、せん断速度1
3〜104sec-1における溶融粘度が1.0×101
〜3.0×102Pa・sの範囲のものが好ましい。溶
融粘度がこの範囲であると機械的強度、相容性、成形加
工性が良好である。
【0034】本発明でB−1成分として用いられるグラ
フト共重合体は、平均ゴム粒子径が0.05〜0.50
μmのアクリル酸アルキルエステルを主成分とするアク
リル系ゴム成分に芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル
化合物、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸
アルキルエステルからなる単量体群から選ばれた少なく
とも1種以上の単量体をグラフト重合して得られるもの
が好ましい。
【0035】本発明でいうアクリル系ゴム成分とは、炭
素数2〜10のアクリル酸アルキルエステルを主成分と
したもので、更に必要に応じてその他の共重合可能な成
分として、スチレン、メチルメタクリレート、ブタジエ
ンを含有してもよい。炭素数が2〜10のアクリル酸ア
ルキルエステルとして好ましくは2−エチルヘキシルア
クリレート、n−ブチルアクリレートが挙げられ、かか
るアクリル酸アルキルエステルはアクリル系ゴム成分1
00重量%中50重量%以上含まれるものが好ましい。
更にかかるアクリル系ゴム成分は少なくとも部分的に架
橋されており、かかる架橋剤としては、エチレングリコ
ールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート
等を挙げることができ、かかる架橋剤はアクリル系ゴム
成分に対して0.01〜3重量%使用されることが好ま
しい。なお、かかるアクリル系ゴム成分の平均ゴム粒子
径(D50)は0.05〜0.5μmの範囲にあるもの
で、好ましくは0.10〜0.40μmの範囲にあるも
のが良い。平均ゴム粒子径(D50)が0.05μm未満
では、衝撃強度等の機械的特性の改良効果が低下し、
0.50μmより大きくなると、相容性が悪くなりウエ
ルド強度及び低温時の衝撃強度が低下する。
【0036】本発明でいう芳香族ビニル化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチ
レン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロム
スチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリ
ブロムスチレン等のスチレン誘導体であり、特にスチレ
ンが好ましい。さらにこれらは単独または2種以上用い
ることができる。
【0037】本発明でいうシアン化ビニル単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げら
れ、特にアクリロニトリルが好ましい。さらにこれらは
単独または2種以上用いることができる。
【0038】本発明でいうアクリル酸アルキルエステル
及びメタクリル酸アルキルエステルの単量体としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸アルキル
エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリ
レート等のメタクリル酸アルキルエステル、グリシジル
メタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステ
ルなどが挙げられ、単独または2種以上用いることがで
きる。
【0039】また、前記の単量体以外に、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマ
レイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,
β−不飽和カルボン酸及びその無水物等を加えることも
可能である。
【0040】本発明のアクリル酸アルキルエステルを主
成分とするアクリル系ゴム成分に芳香族ビニル化合物、
シアン化ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル及
びメタクリル酸エステルからなる単量体群から選ばれた
少なくとも1種以上の単量体をグラフト重合して得られ
るグラフト共重合体(以下、B1成分と称することがあ
る)の具体的な例としては、アクリロニトリル・スチレ
ン・アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、メタクリル
酸メチル・スチレン・アクリルゴム共重合体、メタクリ
ル酸メチル・スチレン・アクリルゴム−ブタジエンゴム
共重合体などが挙げられ、ASA樹脂が好ましい。
【0041】また本発明のB−2成分として用いられる
共重合体は、上記の単量体群から選ばれた少なくとも1
種の単量体を重合して得られた共重合体の具体的な例と
しては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共
重合体(AS樹脂)、メタクリル酸メチル・スチレン共
重合体(MS樹脂)などが挙げられ、AS樹脂が好まし
い。
【0042】本発明のB成分を100重量%とした時
に、かかるB−1成分は10〜100重量%の範囲であ
り、B−2成分は、0〜90重量%の範囲である。好ま
しくは、B−1成分は20〜80重量%の範囲であり、
B−2成分は20〜80重量%の範囲である。
【0043】本発明における芳香族ポリカーボネート樹
脂とスチレン系樹脂の配合比率は、ポリカーボネート樹
脂10〜90重量%に対しスチレン系樹脂90〜10重
量%の範囲で、さらに好ましくは芳香族ポリカーボネー
ト樹脂20〜80重量%に対しスチレン系樹脂80〜2
0重量%である。芳香族ポリカーボネート樹脂が90重
量%を超えると、成形加工性の低下が見られ、10重量
%より少なくなると、耐熱性の低下が見られ好ましくな
い。
【0044】また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物には熱安定剤を配合することができる。かかる
熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、
ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体
的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホ
スファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオ
クチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノ
フェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファ
イト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチ
ルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ
−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホ
スフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノ
オルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、
ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェー
ト、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベン
ゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチ
ル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。な
かでも、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テ
トラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、
トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフ
ェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイトおよびベンゼンホスホン酸ジメチルが
好ましく使用される。これらの熱安定剤は、単独でもし
くは2種以上混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の
配合量は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
100重量部に対して0.0001〜1重量部が好まし
く、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.
001〜0.1重量部が更に好ましい。
【0045】また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止
剤を配合することもできる。かかる酸化防止剤として
は、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メル
カプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
キス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロー
ル−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレン
グリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエス
テル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフ
ェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−
tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−
ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]
エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止
剤の配合量は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物100重量部に対して0.0001〜0.5重量部
が好ましい。
【0046】また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物には溶融成形時の金型からの離型性をより向上
させるために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤
を配合することも可能である。かかる離型剤としては、
オレフィン系ワックス、カルボキシル基及び/またはカ
ルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シ
リコーンオイル、オルガノポリシロキサン、一価又は多
価アルコールの高級脂肪酸エステル、パラフィンワック
ス、蜜蝋等が挙げられる。かかる離型剤の配合量は、本
発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量部
に対し、0.01〜5重量部が好ましい。
【0047】オレフィン系ワックスとしては、特にポリ
エチレンワックスおよび/または1−アルケン重合体の
使用が好ましくきわめて良好な離型効果が得られる。ポ
リエチレンワックスとしては現在一般に広く知られてい
るものが使用でき、エチレンを高温高圧下で重合したも
の、ポリエチレンを熱分解したもの、ポリエチレン重合
物より低分子量成分を分離精製したもの等が挙げられ
る。また分子量、分岐度等は特に制限されるものではな
いが、分子量としては数平均分子量で1,000以上が
好ましい。
【0048】1−アルケン重合体としては炭素数5〜4
0の1−アルケンを重合したものが使用できる。1−ア
ルケン重合体の分子量としては数平均分子量で1,00
0以上が好ましい。
【0049】カルボキシル基及び/またはカルボン酸無
水物基を含有するオレフィン系ワックスとは、オレフィ
ン系ワックスを後処理により、カルボキシル基及び/ま
たはカルボン酸無水物基を含有させた化合物、好ましく
はマレイン酸及び/または無水マレイン酸で後処理によ
り変性したものが挙げられる。更にエチレン及び/また
は1−アルケンを重合または共重合する際にかかるモノ
マー類と共重合可能なカルボキシル基及び/またはカル
ボン酸無水物基を含有する化合物、好ましくはマレイン
酸及び/または無水マレイン酸を共重合したものも挙げ
られ、かかる共重合をしたものはカルボキシル基及び/
またはカルボン酸無水物基が高濃度かつ安定して含まれ
るので好ましい。このカルボキシル基やカルボン酸無水
物基は、このオレフィン系ワックスのどの部分に結合し
てもよく、またその濃度は特に限定されないが、オレフ
ィン系ワックス1g当り0.1〜6meq/gの範囲が
好ましい。かかるカルボキシル基及び/またはカルボン
酸無水物基を含有するオレフィン系オレフィン系ワック
スは、市販品としては例えばダイヤカルナ−PA30
[三菱化学(株)の商品名]、ハイワックス酸処理タイ
プの2203A、1105A[三井石油化学(株)の商
品名]等が挙げられ、これら単独でまたは二種以上の混
合物として用いられる。
【0050】本発明において無機充填材を配合する場合
には、カルボキシル基及び/またはカルボン酸無水物基
を含有するオレフィン系ワックスを添加することは、溶
融成形時の金型からの離型性をより向上させる為だけで
はなく、無機充填材配合による衝撃強度低下を抑制する
効果も発現し好ましく使用できるものである。
【0051】高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数
1〜20の一価又は多価アルコールと炭素原子数10〜
30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルであ
るのが好ましい。かかる一価又は多価アルコールと飽和
脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、ステ
アリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、
ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビ
テート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリト
ールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラス
テアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネー
ト、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリ
ルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステ
アレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテー
ト、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレ
ート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、
なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸
トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレ
ートが好ましく用いられる。
【0052】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で、光安定剤を
配合することができる。かかる光安定剤としては、例え
ば2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒ
ドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メ
チレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェ
ニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベン
ゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。かかる光安
定剤の配合量は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物100重量部に対して0.01〜2重量部が好ま
しい。
【0053】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で、帯電防止剤
を配合することができる。かかる帯電防止剤としては、
例えばポリエーテルエステルアミド、グリセリンモノス
テアレート、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩、アル
キルスルホン酸ナトリウム塩、無水マレイン酸モノグリ
セライド、無水マレイン酸ジグリセライド等が挙げられ
る。
【0054】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的が損なわれない量の難燃剤を配合
することができる。難燃剤としては、ハロゲン化ビスフ
ェノールAのポリカーボネート型難燃剤、有機塩系難燃
剤、芳香族リン酸エステル系難燃剤、あるいは、ハロゲ
ン化芳香族リン酸エステル型難燃剤等があげられ、それ
らを一種以上配合することができる。具体的にハロゲン
化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤は、テ
トラクロロビスフェノールAのポリカーボネート型難燃
剤、テトラクロロビスフェノールAとビスフェノールA
との共重合ポリカーボネート型難燃剤テトラブロモビス
フェノールAのポリカーボネート型難燃剤、テトラブロ
モビスフェノールAとビスフェノールAとの共重合ポリ
カーボネート型難燃剤等である。具体的に有機塩系難燃
剤は、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジ
カリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウ
ム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸カリ
ウム、ビス(2,6−ジブロモ−4−クミルフェニル)
リン酸カリウム、ビス(4−クミルフェニル)リン酸ナ
トリウム、ビス(p−トルエンスルホン)イミドカリウ
ム、ビス(ジフェニルリン酸)イミドカリウム、ビス
(2,4,6−トリブロモフェニル)リン酸カリウム、
ビス(2,4−ジブロモフェニル)リン酸カリウム、ビ
ス(4−ブロモフェニル)リン酸カリウム、ジフェニル
リン酸カリウム、ジフェニルリン酸ナトリウム、パーフ
ルオロブタンスルホン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウムあるいはカリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウムあ
るいはカリウム等である。具体的にハロゲン化芳香族リ
ン酸エステル型難燃剤は、トリス(2,4,6−トリブ
ロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジブロ
モフェニル)ホスフェート、トリス(4−ブロモフェニ
ル)ホスフェート等である。具体的に芳香族リン酸エス
テル系難燃剤は、トリフェニルホスフェート、トリス
(2,6−キシリル)ホスフェート、テトラキス(2,
6−キシリル)レゾルシンジホスフェート、テトラキス
(2,6−キシリル)ヒドロキノンジホスフェート、テ
トラキス(2,6−キシリル)−4,4’−ビフェノー
ルジホスフェート、テトラフェニルレゾルシンジホスフ
ェート、テトラフェニルヒドロキノンジホスフェート、
テトラフェニル−4,4’−ビフェノールジホスフェー
ト、芳香環ソースがレゾルシンとフェノールでありフェ
ノール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、芳
香環ソースがレゾルシンとフェノールでありフェノール
性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、芳香環ソース
がヒドロキノンとフェノールでありフェノール性OH基
を含まない芳香族ポリホスフェート、同様のフェノール
性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、(以下に示す
「芳香族ポリホスフェート」は、フェノール性OH基を
含む芳香族ポリホスフェートと含まない芳香族ポリホス
フェートの両方を意味するものとする)芳香環ソースが
ビスフェノールAとフェノールである芳香族ポリホスフ
ェート、芳香環ソースがテトラブロモビスフェノールA
とフェノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソ
ースがレゾルシンと2,6−キシレノールである芳香族
ポリホスフェート、芳香環ソースがヒドロキノンと2,
6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香
環ソースがビスフェノールAと2,6−キシレノールで
ある芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがテトラブ
ロモビスフェノールAと2,6−キシレノールである芳
香族ポリホスフェート等である。
【0055】これらの難燃剤の中で、ハロゲン化ビスフ
ェノールAのポリカーボネート型難燃剤として、テトラ
ブロモビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、
テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAとの
共重合ポリカーボネートが好ましく、更にテトラブロモ
ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤が好まし
い。有機塩系難燃剤としてはジフェニルスルホン−3,
3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−
3−スルホン酸カリウム、2,4,5−トリクロロベン
ゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。芳香族リン酸エ
ステル系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルフスフェート、クレジルジフェニルホスフ
ェート、レズルシノールビス(ジキシレニルホスフェー
ト)、ビス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェート、
トリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートが好ま
しい。これらの中でも、オゾン層破壊しない芳香族リン
酸エステル系難燃剤であるトリフェニルホスフェート、
トリクレジルフスフェート、レズルシノールビス(ジキ
シレニルホスフェート)が最も好ましい。また本発明の
目的を損なわない範囲で、燃焼時のドリップを抑制する
ためにフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレンを配合しても構わない。
【0056】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で、充填材を配
合することができる。かかる充填材としては、ガラスチ
ョップドファイバー、ガラスミルドファイバー、ガラス
ロービングストランド、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、ガラス粉末等のガラス系充填材、カーボンファイバ
ー、カーボンミルドファイバー、カーボンロービングス
トランド、カーボンフレーク等のカーボン系充填材、タ
ルク、マイカ、ワラストナイト、カオリン、モンモリロ
ナイト、ベントナイト、セピオライト、ゾノトライト、
クレー、シリカ等の無機充填材、アラミドファイバー等
の有機充填材、酸化チタン等の無機顔料、カーボンブラ
ック等が挙げられ、これらのなから選択するか、または
これらの組み合わせとすることができる。これらの中で
も、本発明では耐衝撃性の低下が少なく、補強効果が高
い無機充填材であるタルク、ワラストナイト、マイカを
好ましい充填材として挙げることができる。中でもタル
ク、ワラストナイトが最も好ましい。
【0057】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、上記グラフト共重合体以外にも、ゴム質重合体
を本発明の目的が損なわれない範囲であれば配合するこ
とができる。かかるゴム質重合体としては、アクリル酸
エステル系コア−シェルグラフト重合体、ポリウレタン
系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等を挙げ
ることができる。
【0058】アクリル酸エステル系コア−シェルグラフ
ト共重合体としては、炭素数2〜8アルキル基を有する
ゴム状アルキル(メタ)アクリレート重合体及びジエン
系ゴム状重合体との共重合体または混合物とのコアに、
アルキル(メタ)アクリレート及び任意に共重合可能な
ビニル単量体を重合したシェルが形成されたコア−シェ
ル型の重合体、同様にした多段のコア−シェル型ポリマ
ーも使用可能である。またコアとしてジエン系ゴム状重
合体のみからなるものも使用可能である。かかるアクリ
ル酸エステルコア−シェルグラフト重合体として、呉羽
化学工業(株)から商品名「HIA−15」、「HIA
−28」として市販されている樹脂を挙げることがで
き、またコアとしてジエン系ゴム状重合体のみからなる
ものとしては、呉羽化学工業(株)から商品名「パラロ
イド EXL−2602」として市販されている樹脂を
挙げることができる。
【0059】更にポリオルガノシロキサン成分とポリ
(メタ)アルキルアクリレート成分とが分離できないよ
うに相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに、ア
ルキル(メタ)アクリレート及び任意に共重合可能なビ
ニル単量体がグラフト重合した重合体(以下IPN型ポ
リマーという)も使用できる。かかるIPN型ポリマー
としては、三菱レイヨン(株)より「メタブレンS−2
001」という商品名で市販されており、入手容易であ
る。
【0060】本発明で使用できる熱可塑性ポリウレタン
エラストマーとしては、有機ポリイソシアネート、ポリ
オール、及び官能基を2乃至3個有し且つ分子量が50
〜400の鎖延長剤の反応により得られるものであり、
現在公知の各種熱可塑性ポリウレタンエラストマーが使
用可能である。かかる熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ーとしては、例えばクラレ(株)製「クラミロンU」
(商品名)等容易に入手可能である。
【0061】本発明で使用できる熱可塑性ポリエステル
エラストマーとしては、二官能性カルボン酸成分、アル
キレングリコール成分、及びポリアルキレングリコール
成分を重縮合して得られるものであり、現在公知の各種
熱可塑性ポリエステルエラストマーの使用が可能であ
る。かかる熱可塑性ポリエステルエラストマーとして
は、例えば東洋紡績(株)製「ペルプレン」(商品
名)、帝人(株)製「ヌーベラン」(商品名)等容易に
入手可能なものである。
【0062】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、他の樹脂を本発明の目的が損なわれない範囲で
あれば配合することもできる。
【0063】かかる他の樹脂としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
の芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
メタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等
の樹脂が挙げられる。
【0064】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばタ
ンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウタ
ーミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機
等で混合する方法が適宜用いられる。こうして得られる
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、そのまま又は溶
融押出機で一旦ペレット状にしてから、射出成形法、押
出成形法、圧縮成形法等の通常知られている方法で成形
品にすることができる。なお、本発明の芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物の混和性を高めて安定した離型性や
各物性を得るためには、溶融押出において二軸押出機を
使用するのが好ましい。更に無機充填材を配合する場合
には直接押出機ホッパー口あるいは押出機途中から投入
する方法、芳香族ポリカーボネート樹脂や芳香族ポリエ
ステル樹脂と予め混合する方法、一部の芳香族ポリカー
ボネート樹脂や芳香族ポリエステル樹脂と予め混合して
マスターを作成し投入する方法、かかるマスターを押出
機途中から投入する方法のいずれの方法も取ることがで
きる。
【0065】かくして得られた本発明の芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物は、パソコン、ワープロ、ファク
ス、コピー機、プリンター等のOA機器のハウジング及
びシャーシ、各種ギア等のOA内部部品、テレビ、ビデ
オ、電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機等の家庭電器
製品のハウジングや部品、ドアーハンドル、ピラー、バ
ンパー、計器パネル等の自動車用部品に有用である。特
に機械的強度、耐候性、耐薬品性、耐湿熱性などが要求
される自動車部品(アウタードアハンドル、インナード
アハンドル、センタークラスターなど)や機械部品(電
動工具カバーなど)に有用である。さらに耐湿熱性に優
れていることから長期使用や湿熱環境下での劣化が少な
いため製品をリサイクル使用する場合にも極めて有用で
ある。
【0066】
【実施例】以下に実施例をあげて更に説明する。実施例
中の「部」または「%」は重量部または重量%を示し、
芳香族ポリカーボネート樹脂とASA樹脂、AS樹脂の
割合は芳香族ポリカーボネート樹脂とASA樹脂、AS
樹脂の合計100重量%に対する割合を示す。また評価
項目および組成物中の各成分の記号は下記の内容を意味
する。
【0067】(1)末端水酸基濃度 サンプル0.02gを0.4mlのクロロホルムに溶解
し、20℃で1H−NMR(日本電子社製EX−27
0)を用いて末端水酸基および末端フェニル基を測定
し、下記式(I)により末端水酸基濃度を測定した。 末端水酸基濃度(モル%)=(末端水酸基数/全末端数)×100 …(I)
【0068】(2)平均ゴム粒子径測定 成形品より超薄切片を切り出し、密閉容器内で、遮光状
態にして1%ルテニウム酸水溶液の蒸気に数時間暴露
し、染色した。その後、染色した超薄切片を透過型電子
顕微鏡(H−600A 日立製作所製)により写真撮影
し、無作為に選択した100個のゴム粒子の径を測定
し、その平均を平均ゴム粒子径とした。
【0069】(3)溶融粘度測定 B1成分及びB2成分からなるASA系樹脂のペレット
を90℃、4時間予備乾燥し、その後、高せん断粘度測
定器(RHEOGRAPH2002 GOETTFER
T製)にて、250℃、せん断速度103〜104sec
-1における溶融粘度を測定した。なお、測定には、φ1
mm×10mmのキャピラリー形状を持つダイスを使用
した。
【0070】(4)耐加水分解性(耐湿熱保持率) 実施例および比較例の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物ペレット約50gを環境試験機(タバイエスペック
(株)製プラチナスサブゼロルシファー)で65℃、8
5%RHの条件下で1500時間湿熱処理した後、芳香
族ポリカーボネート樹脂の分子量を測定するのと同一の
手法で芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の分子量を測
定した。すなわち、湿熱処理前後の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物ペレットを塩化メチレンに溶解した後、
不溶分をろ過により取り除いて溶液として得られたもの
の比粘度を、本文記載のポリカーボネート樹脂の粘度平
均分子量測定と同様に測定し、更に同一の算出式を用い
て芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量
の値を算出した。湿熱処理前の芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物の粘度平均分子量をMv1、湿熱処理後の芳
香族ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量をM
v2とした時、下記式(II)を用いて耐湿熱保持率を
算出した。 耐湿熱保持率(%)=100×Mv2/Mv1 …(II)
【0071】(5)耐衝撃性 ASTM D−256に従って23℃、−30℃の雰囲
気下で耐衝撃性を測定した。(アイゾットノッチ付き、
1/8”厚み)
【0072】(6)ウエルド部の強度測定 ASTM D−638に従いTYPE−I試験片を用い
引張り強度(X1)を測定した。次にTYPE−I試験
片と同様の形状であり、試験片中央部にウエルドライン
がある試験片(TYPE−I試験片と同一の金型で試験
片の両端にゲートを設けたもの)により同様にして引張
り強度(X2)を測定した。X1、X2よりウエルド部
の強度保持率を下記式(III)より算出し、ウエルド
部の強度を評価した。 強度保持率(%)=(X2/X1)×100 …(III)
【0073】(7)成形加工性 流路厚2mm、流路幅8mmのアルキメデス型スパイラ
ルフロー長を射出成形機「住友重機械工業(株)製SG
150U」によりシリンダー温度260℃、金型温度7
0℃、射出圧力98MPa(1000kgf/cm2
で測定した。なお、評価は下記に従って行った。 ○ … スパイラルフロー長が20cm以上であるも
の。 × … スパイラルフロー長が20cm以下であるも
の。
【0074】(a)芳香族ポリカーボネート樹脂 EX−PC [参照例1]本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製
造 撹拌機及び蒸留塔を備えた反応器に2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン228部(約1モル)、
ジフェニルカーボネート(バイエル社製)223部(約
1.06モル)及び触媒として水酸化ナトリウム0.0
00024部(約6×10-7モル/ビスフェノールA1
モル)とテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.0
073部(約8×10-5モル/ビスフェノールA1モ
ル)を仕込み、窒素置換した。この混合物を200℃ま
で加熱して撹拌しながら溶解させた。次いで、減圧度を
3.99kPaとして加熱しながら1時間で大半のフェ
ノールを留去し、更に270℃まで温度を上げ、減圧度
を0.133kPaとして2時間重合反応を行った。次
に溶融状態のままで、触媒中和剤としてドデシルベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.0035
部(約6×10-6モル/ビスフェノールA1モル)添加
して270℃、1.33kPa以下で反応を継続し、粘
度平均分子量23,300、末端水酸基濃度34モル%
の芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。この芳香族ポリ
カーボネート樹脂をギアポンプでエクストルーダーに送
った。エクストルーダー途中でトリスノニルフェニルホ
スファイトを0.003重量%、トリメチルホスフェー
トを0.05重量%加え、芳香族ポリカーボネート樹脂
ペレットを得た。
【0075】CEX−PC [参照例2]比較のための芳香族ポリカーボネート樹脂
の製造 ジフェニルカーボネート(バイエル社製)を219部
(約0.995モル)に変更した以外は参照例1と同様
な条件で芳香族ポリカーボネート樹脂を製造した。尚、
この芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量2
3,100、末端水酸基濃度74モル%であった。
【0076】[実施例1〜8、比較例1〜5]表1に記
載の各成分をV型ブレンダーにて混合後、30mmφベ
ント式二軸押出機[(株)日本製鋼所TEX−30XS
ST]により、真空ポンプを使用し5.34kPaの真
空下において、シリンダー温度250℃で溶融押出しし
てペレット化した。その後100℃で5時間乾燥した
後、射出成形機[FANUC(株)製T−150T]で
シリンダー温度250℃、金型温度60℃で各種試験片
を作成し評価した。評価結果を表1に示した。なお、表
1に記載の各成分を示す記号は下記の通りである。 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂 EX−PC:上記参考例1で製造された芳香族ポリカー
ボネート樹脂 CEX−PC:上記参考例2で製造された芳香族ポリカ
ーボネート樹脂 (B−1)ASA樹脂 ASA−1:ASA樹脂 「AXSレジンA600N」
(宇部サイコン製) アクリル系ゴム成分 60重量%、平均ゴム粒径 0.
30μm ASA―2:ASA樹脂 「AXSレジンA400N」
(宇部サイコン製) アクリル系ゴム成分 40重量%、平均ゴム粒径 0.
28μm ASA−3:乳化重合によるASA樹脂 ポリアクリル酸ブチル・ラテックス50部の存在下、ア
クリロニトリル35部、スチレン15部を反応させて、
ASAグラフト共重合体を得た。(平均ゴム粒径 0.
70μm) (B−2)AS樹脂 AS−1:AS樹脂 「スタイラック769」(旭化成
製) 重量平均分子量 = 130,000〜140,000 AS−2:AS樹脂 「ライタックA980PC」(三
井化学製) 重量平均分子量 = 90,000〜100,000
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明を用いると、ウエルド部の強度、
衝撃強度等の機械的特性、耐湿熱性、耐薬品性、成形加
工性、耐熱性等に優れる芳香族ポリカーボネートとAS
A系樹脂からなる熱可塑性樹脂を得ることが可能であ
り、自動車分野、OA機器分野及び電子電気機器分野等
の各種工業用途に極めて有用であり、特に自動車分野の
外装材用途、内装材用途、及び電子機器筐体の用途に最
適である。また、製品の長期使用における性能保持の観
点からも耐湿熱性に優れる本発明の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物は各種工業用途に極めて有用であり、そ
の奏する工業的効果は格別なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂の全
    末端を100モル%とした時、芳香族ポリカーボネート
    樹脂の末端水酸基が10〜70モル%であり、且つ二価
    フェノールとカーボネートエステルとをエステル交換反
    応させて得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(A成
    分)10〜90重量%および(B)アクリル酸アルキル
    エステルを主成分とするアクリル系ゴム成分に芳香族ビ
    ニル化合物、シアン化ビニル化合物、アクリル酸アルキ
    ルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからなる
    単量体群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体をグ
    ラフト重合して得られるグラフト共重合体(B−1成
    分)10〜100重量%と上記の単量体群から選ばれた
    少なくとも1種の単量体を重合して得られた共重合体
    (B−2成分)0〜90重量%を混合してなるスチレン
    系樹脂(B成分)10〜90重量%からなる熱可塑性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 カーボネート前駆体がジフェニルカーボ
    ネートである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)スチレン系樹脂に含まれるアクリ
    ルゴム成分の平均ゴム粒子径が0.05〜0.50μm
    の範囲内にあり、且つ該スチレン系樹脂の250℃、せ
    ん断速度103〜104sec-1における溶融粘度が1.
    0×101〜3.0×102Pa・sの範囲である請求項
    1記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP36066599A 1999-12-20 1999-12-20 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 Pending JP2001172493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36066599A JP2001172493A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36066599A JP2001172493A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172493A true JP2001172493A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18470392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36066599A Pending JP2001172493A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172493A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100848539B1 (ko) 2007-07-06 2008-07-25 제일모직주식회사 웰드 충격 강도가 우수한 폴리카보네이트계 열가소성 수지조성물
WO2012132492A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 三菱化学株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
CN113214589A (zh) * 2021-03-25 2021-08-06 杭州聚丰新材料有限公司 一种激光焊接的asa组合物及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100848539B1 (ko) 2007-07-06 2008-07-25 제일모직주식회사 웰드 충격 강도가 우수한 폴리카보네이트계 열가소성 수지조성물
WO2012132492A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 三菱化学株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
CN103476868A (zh) * 2011-03-31 2013-12-25 三菱化学株式会社 聚碳酸酯树脂组合物及其成型品
US8895663B2 (en) 2011-03-31 2014-11-25 Mitsubishi Chemical Corporation Polycarbonate resin composition and molded article thereof
CN103476868B (zh) * 2011-03-31 2015-11-25 三菱化学株式会社 聚碳酸酯树脂组合物及其成型品
CN113214589A (zh) * 2021-03-25 2021-08-06 杭州聚丰新材料有限公司 一种激光焊接的asa组合物及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4169437B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
KR100709878B1 (ko) 우수한 내충격성 및 유동성을 가지는폴리카보네이트/폴리에스터계 얼로이 수지 조성물 및 이를이용한 성형품
JP2001049072A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP5293537B2 (ja) ミリ波レーダー用カバー及びミリ波レーダー
JP5582201B2 (ja) ミリ波レーダー用カバー及びミリ波レーダー
CN104903400B (zh) 聚碳酸酯树脂组合物及由其形成的模制品
JP4002015B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3973303B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2001019756A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2001172493A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2000119463A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4505081B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2002302598A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2002047428A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP4212727B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2001139792A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
KR102018715B1 (ko) 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JP4505088B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2000169687A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2007154211A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
KR20200090805A (ko) 우수한 안정성을 갖는 열가소성 조성물
JP3976415B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP4056363B2 (ja) 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれから形成された成形品
JP2000109671A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2001106890A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090630