JP2001170330A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入賞口と、その入賞口へ入賞した球を検出する入賞検出手段と、その入賞検出手段の検出結果に基づいて所定の有価価値を有する賞球の払い出しを指示する主制御手段と、その主制御手段の指示に基づいて賞球の払い出しを行う払出制御手段とを備えた遊技機において、
前記払出制御手段は、前記主制御手段から指示された賞球の払い出し残数を記憶する残数記憶手段と、その残数記憶手段の内容を電源の切断後においても保持させるバックアップ手段とを備えており、
前記主制御手段は、停電が発生した場合に前記入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合に、その入賞検出手段による検出を禁止する検出禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、前記入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記主制御手段へ駆動電圧を供給する電源は、前記払出制御手段へ駆動電圧を供給する電源と共用されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号又はロウ信号を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号又はハイ信号を出力する駆動電圧検出回路を備えており、
その駆動電圧検出回路からロウ信号又はハイ信号が出力された場合に、前記検出禁止手段を作動して前記入賞検出手段による検出を禁止することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関し、特に、停電等の発生により突然に電源が切断されても、電源の再投入により賞球の払い出しを正確に行うことができる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、パチンコ機の賞球の払い出しは、いわゆる証拠球方式により行われていた。即ち、打球が入賞口へ入賞すると、その入賞球は証拠球として一旦タンクへ保存され、賞球払出用モータを駆動して賞球の払い出しが行われた後で、タンクから除かれるというものである。この証拠球方式の賞球の払い出しはメカ式であるので、賞球の払い出し前に停電等が発生してパチンコ機の電源が切断されても、パチンコ機の電源が再投入されれば、タンクに保存された証拠球に基づいて賞球の払い出しを行うことができる。しかし、その一方で、入賞球に対する賞球数を変更するためには賞球の払出機構の設計変更が必要になったり、また、賞球は少ない賞球数のものから順に払い出されるように設計されているので、複数の打球が短時間の間に続けて入賞すると、払い出されている賞球がどの入賞球に対するものなのかを判別することができず、パチンコ機の検査等に支障を来してしまうのである。
【0003】
このため近年のパチンコ機では、証拠球方式による賞球の払い出しに代えて、ソフト方式(ソフト制御)の賞球の払い出しが数多く採用されている。かかるソフト方式の賞球の払い出しでは、すべての入賞口に入賞球を検出するためのスイッチを設けて、そのスイッチの状態を主制御基板で監視し、打球の入賞が検出された場合には、そのスイッチに対する賞球数を払出制御基板へ報せ、かかる賞球の払い出しを払出制御基板に行わせる。このソフト方式の賞球の払い出しでは、払い出される賞球数はメモリに記憶されるので、停電等の発生によりパチンコ機の電源が切断された場合にも、かかるメモリ内容を保持するために、払出制御基板のメモリをバックアップする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、入賞球を検出するスイッチの駆動電圧は9〜12ボルトであり、4〜5ボルトで駆動する主制御基板および払出制御基板の駆動電圧より大きいので、パチンコ機の電源の切断によって、スイッチの駆動電圧が9ボルト未満の正常動作範囲外の電圧に下がっても、主制御基板および払出制御基板の駆動電圧は4〜5ボルトにあり正常動作を継続している。よって、正常動作範囲外の電圧で駆動するスイッチの誤った出力を、正常動作範囲内の電圧で駆動している主制御基板が読み込むことになり、実際には入賞球がないにも拘わらず、入賞球があると誤って判断してしまうという問題点がある。かかる誤検出(誤判断)があると、払出制御基板のメモリ内容をバックアップしても、本来払い出すべき数以上の賞球を払い出すことになり、賞球を正確に払い出すことができない。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、停電等の発生により突然に電源が切断されても、電源の再投入により賞球の払い出しを正確に行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、入賞口と、その入賞口へ入賞した球を検出する入賞検出手段と、その入賞検出手段の検出結果に基づいて所定の有価価値を有する賞球の払い出しを指示する主制御手段と、その主制御手段の指示に基づいて賞球の払い出しを行う払出制御手段とを備え、更に、前記払出制御手段は、前記主制御手段から指示された賞球の払い出し残数を記憶する残数記憶手段と、その残数記憶手段の内容を電源の切断後においても保持させるバックアップ手段とを備えており、前記主制御手段は、停電が発生した場合に前記入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合に、その入賞検出手段による検出を禁止する検出禁止手段とを備えている。
【0007】
この請求項1記載の遊技機によれば、停電等の発生により突然に電源が切断されて入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合には、検出禁止手段によって入賞検出手段による入賞球の検出が禁止される。よって、主制御手段が動作する間は、入賞検出手段の正常な検出結果のみを入力することができるので、電源の切断後、入賞口へ入賞した球は入賞検出手段によって正確に検出され、主制御手段へ出力される。かかる検出結果に基づき、主制御手段によって払い出すべき賞球数が払出制御手段へ指示されて、払出制御手段の残数記憶手段の内容が更新される。この残数記憶手段の内容は、バックアップ手段によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生により電源が切断されても、電源を再投入することにより賞球の払い出しが正確に行われる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、前記入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されている。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記主制御手段へ駆動電圧を供給する電源は、前記払出制御手段へ駆動電圧を供給する電源と共用されている。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えている。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号又はロウ信号を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号又はハイ信号を出力する駆動電圧検出回路を備えており、その駆動電圧検出回路からロウ信号又はハイ信号が出力された場合に、前記検出禁止手段を作動して前記入賞検出手段による検出を禁止する。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0009】
図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0010】
LCDディスプレイ3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、打球がこの図柄作動口4を通過することにより、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される。
【0011】
この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0012】
図2は、パチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板Cと、賞球や貸し球の払出制御を行う払出制御基板Hと、各制御基板やスイッチ、モータなどへ電力を供給する電源基板Dとの電気的構成を示したブロック図である。
【0013】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM12と、ワークメモリ等として使用されるRAM13とを備えている。図4のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。また、RAM13には、賞球バッファ13aと、賞球ポインタ13bと、残賞球数カウンタ13cとが設けられている。
【0014】
賞球バッファ13aは、遊技領域1へ打ち込まれた球が普通入賞口2等へ入賞した場合に、払い出される賞球数を記憶するバッファである。払い出される賞球数は入賞した球毎に賞球バッファ13aへ記憶されるので、賞球バッファ13aは複数バイトで構成されている。賞球バッファ13aに記憶された賞球数のデータは、賞球コマンドとして払出制御基板Hへ送信されると、賞球バッファ13aから消去される。具体的には、0番目の賞球バッファ13aに記憶される賞球数を払出制御基板Hへ送信した後、1番目以降の賞球バッファ13aの値を小さいアドレス側へ順に1バイトずつシフトすることにより、0番目の賞球バッファ13aの値が消去される。
【0015】
なお、賞球コマンドとは、払い出される賞球数を払出制御基板Hへ指示するためのコマンドであり、1回の入賞に対する最大の賞球数が15球であるので、その最大賞球数に対応した「01H」〜「0FH」の15種類の賞球コマンドが用意されている。
【0016】
賞球ポインタ13bは、賞球数を記憶させる賞球バッファ13aの位置を示すポインタであり、払い出される賞球数は、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ記憶される。この賞球ポインタ13bの値は、賞球バッファ13aへ賞球数を書き込むことにより「1」加算され、逆に、0番目の賞球バッファ13aの値が払出制御基板Hへ送信されることにより「1」減算される。
【0017】
残賞球数カウンタ13cは、未払いの賞球数を記憶するカウンタであり、払出制御基板Hによって払い出される賞球数を主制御基板Cで管理するためのカウンタである。残賞球数カウンタ13cの値は、主制御基板Cが払出制御基板Hへ賞球の払い出しを指示する毎に、その指示した数が加算され、逆に、払出制御基板Hによって賞球の払い出しが行われて、その払い出された賞球を賞球カウントスイッチ22が検出する毎に「1」ずつ減算される。
【0018】
これらMPU11、ROM12、RAM13は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン14を介して相互に接続されている。バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。入出力ポート15は、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,37を介して払出制御基板Hと接続されるほか、複数の普通入賞スイッチ17と、第1種始動口スイッチ18と、Vカウントスイッチ19と、10カウントスイッチ20と、賞球カウントスイッチ22と、他の入出力装置25とそれぞれ接続されている。
【0019】
普通入賞スイッチ17は、遊技領域1内に設けられた複数の普通入賞口2へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口2の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ18は、図柄作動口(第1種始動口)4を通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。普通入賞スイッチ17のいずれか又は第1種始動口スイッチ18によって球が検出されると、払出制御基板Hによって6個の賞球が払い出される。Vカウントスイッチ19は、特定入賞口5内のVゾーン5aへ入賞した球を検出するためのスイッチであり、また、10カウントスイッチ20は、特定入賞口5内のVゾーン5a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ19又は10カウントスイッチ20により球が検出されると、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。なお、賞球の払い出しは、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球数を指示するための賞球コマンドが送信されることにより行われる。
【0020】
この主制御基板Cは、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)(図示せず)を介して、払出制御基板Hと接続されている。このため主制御基板Cと払出制御基板Hとの間における賞球コマンド等の送受信は、主制御基板Cから払出制御基板Hへの一方向にのみ行われ、払出制御基板Hから主制御基板Cへ行うことはできない。なお、主制御基板Cと払出制御基板Hとは、8本のデータ線と1本のストローブ線とにより接続されており、ストローブ線のデータがアクティブになった時に、8本のデータ線上に出力されているデータが主制御基板Cから払出制御基板Hへコマンドとして送信される。
【0021】
払出制御基板Hは、賞球や貸し球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU31と、そのMPU31により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM32と、ワークメモリ等として使用されるRAM33とを備えている。図5から図7に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。
【0022】
払出制御基板HのRAM33は、残賞球数カウンタ33aと、賞球中フラグ33bと、残球貸数カウンタ33cと、停電発生フラグ33dとを備えている。また、このRAM33には、バックアップ用のコンデンサ34が接続されてバックアップ可能に構成されている。よって、RAM33に設けられた残賞球数カウンタ33aや残球貸数カウンタ33cの値は、パチンコ機Pの電源が切断された場合にも保持される。
【0023】
残賞球数カウンタ33aは未払いの賞球数を記憶するカウンタであり、賞球コマンドによって主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払い出しが指示される毎に、指示された賞球数が加算される。逆に、残賞球数カウンタ33aの値は、賞球カウントスイッチ22が払い出された賞球を検出する毎に「1」ずつ減算される。前記した通り、この残賞球数カウンタ33aの値はコンデンサ34によってバックアップされるので、賞球の払い出し途中でパチンコ機Pの電源が切断された場合にも(停電の発生等により電源が突然切断された場合にも)、そのパチンコ機Pの電源を再投入することにより、残りの賞球(未払い分の賞球)を正確に払い出すことができる。
【0024】
賞球中フラグ33bは、賞球の払い出し処理が実行されていることを示すためのフラグであり、賞球の払い出し動作が開始されるとオンされ、賞球の払い出しが完了して、残賞球数カウンタ33aの値が「0」となるとオフされる。賞球中フラグ33bがオンされている間は、例え球貸しの要求があっても、賞球動作が完了して賞球中フラグ33bがオフされるまで、即ち、残賞球数カウンタ33aの値が「0」になるまで、球貸し動作は待機される(図7のS42:Yes)。なお、球貸し動作中に、賞球の払い出し要求があっても(賞球コマンドを受信しても)、球貸し動作が終了するまで、賞球の払い出し動作は待機される(図7のS42:No,S43)。
【0025】
残球貸数カウンタ33cは未払いの球貸し数を記憶するカウンタであり、球貸し要求がある毎に、要求された球貸し数が加算される。逆に、残球貸数カウンタ33cの値は、球貸カウントスイッチ24が払い出された貸し球を検出する毎に「1」ずつ減算される。前記した通り、この残球貸数カウンタ33cの値は、残賞球数カウンタ33aの場合と同様に、コンデンサ34によってバックアップされるので、貸し球の払い出し途中でパチンコ機Pの電源が切断された場合にも(停電の発生等により電源が突然切断された場合にも)、そのパチンコ機Pの電源を再投入することにより、残りの貸し球(未払い分の貸し球)を正確に払い出すことができる。
【0026】
停電発生フラグ33dは、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pへの電力供給が途絶えた場合にオンされるフラグである。パチンコ機Pへ電力供給を行う外部電源41の出力電圧は、電源監視回路45によって絶えず監視されている。停電等が発生すると、外部電源41の出力電圧は所定電圧以下に下がるが、かかる電圧低下が電源監視回路45によって検出されると、電源監視回路45から払出制御基板HのMPU31へ停電信号45aが出力される。停電信号45aの信号線はMPU31の外部割込端子に接続されており、停電信号45aが出力されると、MPU31によって図5に示す停電割込処理が実行され、停電発生フラグ33dがオンされる。なお、一旦オンされた停電発生フラグ33dは、パチンコ機Pの電源が再投入されるまでオフされない。
【0027】
これらMPU31、ROM32及びRAM33は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン35により互いに接続されている。バスライン35は、また、入出力ポート36にも接続されている。入出力ポート36は、前述した入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,37を介して主制御基板Cと接続されるほか、賞球払出用モータ21と、賞球カウントスイッチ22と、球貸払出用モータ23と、球貸カウントスイッチ24と、他の入出力装置40とにそれぞれ接続されている。
【0028】
賞球払出用モータ21は、賞球を払い出すためのモータであり、払出制御基板Hによって駆動制御される。賞球カウントスイッチ22は、賞球払出用モータ21を駆動することによって実際に払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、その出力は、払出制御基板Hのみならず、主制御基板Cへも入力される。球貸払出用モータ23は、貸し球を払い出すためのモータであり、払出制御基板Hによって駆動制御される。球貸カウントスイッチ24は、球貸払出用モータ23を駆動することによって実際に払い出された貸し球を検出するためのスイッチであり、その出力は払出制御基板Hへのみ入力される。
【0029】
電源基板Dは、DC24V生成回路42と、DC12V生成回路43と、DC5V生成回路44と、電源監視回路45とを備えている。DC24V生成回路42は、外部電源41から入力される24ボルトの交流電圧から+24ボルトの直流電圧を生成するための回路である。生成された+24ボルトの直流電圧は、電源基板D内のDC12V生成回路43へ供給されるほか、賞球払出用モータ21および球貸払出用モータ23などの各種モータへ駆動電圧として供給される。
【0030】
DC12V生成回路43は、DC24V生成回路42から供給される+24ボルトの直流電圧から+12ボルトの直流電圧を生成するための回路である。生成された+12ボルトの直流電圧は、DC5V生成回路44へ供給されるほか、各スイッチ17〜20,22,24へ駆動電圧として供給される。また、DC12V生成回路43の出力電圧は、5ボルト以下の電圧に分圧され、主制御基板C及び払出制御基板Hの両MPU11,31のA/D変換端子(アナログ・デジタル変換端子)へも入力される。
【0031】
DC5V生成回路44は、DC12V生成回路43から供給される+12ボルトの直流電圧から+5ボルトの直流電圧を生成するための回路である。生成された+5ボルトの直流電圧は、主制御基板Cや払出制御基板Hなどの各制御基板へ駆動電圧として供給される。
【0032】
これらDC24V生成回路42、DC12V生成回路43およびDC5V生成回路44の出力電圧は、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pの電源が切断されると、図3に示すように低下していく。本実施例では、DC24V生成回路42の出力電圧がDC12V生成回路43へ入力されて+12ボルトの直流電圧が生成され、そのDC12V生成回路43の出力電圧がDC5V生成回路44へ入力されて+5ボルトの直流電圧が生成される。このためパチンコ機Pの電源が切断された場合、各スイッチ17〜20,22,24へ駆動電圧を供給するDC12V生成回路43の出力電圧は、各制御基板C,Hへ駆動電圧を供給するDC5V生成回路44の出力電圧より、正常動作範囲の電圧を長く維持することはできない。即ち、停電等の発生によってパチンコ機Pの電源が切断された場合、払出制御基板Hが動作している間に、各スイッチ17〜20,22,24は、正常な検出結果を出力できなくなってしまう。
【0033】
ここで、本実施例における正常動作範囲の電圧とは、DC12V生成回路43については、DC12V生成回路43に接続される各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の電圧である「9〜13ボルト」が相当し、DC5V生成回路44については、DC5V生成回路44に接続される各種制御基板C,Hの正常動作範囲の電圧である「4〜5.5ボルト」が相当する。各スイッチ17〜20,22,24の駆動電圧、即ち、DC12V生成回路43の出力電圧が9ボルト未満に下がると、各スイッチ17〜20,22,24は正常な検出結果を出力することができない。
【0034】
図2に示す通り、DC12V生成回路43の出力電圧は、5ボルト以下の電圧に分圧され、主制御基板C及び払出制御基板Hの両MPU11,31のA/D変換端子(アナログ・デジタル変換端子)へも入力されているので、両MPU11,31に内蔵されるA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)によって、DC12V生成回路43の出力電圧値を検出することができる。そこで、各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の電圧の最低値である9ボルトに0.5ボルトのマージンをみて、両MPU11,31によって検出されたDC12V生成回路43の出力電圧値が9.5ボルト未満になった場合には、主制御基板C及び払出制御基板Hにおいて、各スイッチ17〜20,22,24の読込処理を禁止している(図4のS3:No,図7のS50:No)。これにより主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生などによってパチンコ機Pの電源が切断された場合にも、各スイッチ17〜20,22,24の正常な検出結果のみを読み込むことができるのである。
【0035】
また、主制御基板Cと払出制御基板Hとの送受信は、主制御基板Cから払出制御基板Hへの一方向にのみ行われているので、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pの電源が切断された場合に、主制御基板Cと払出制御基板Hとは、互いに相手側の制御基板が動作を継続しているか否かを確認することはできない。このため、両制御基板C,Hへ駆動電圧を供給する電源を別々に設けると、一方の制御基板の停止中に他方の制御基板が動作しているという不安定な状態が生じる。バックアップされる残賞球数カウンタ33aの値は両制御基板C,Hの間で更新されるので、かかる不安定な状態が生じると、残賞球数カウンタ33aの値を破壊する恐れがあり好ましくない。そこで、本実施例では、パチンコ機Pの電源切断後に、両制御基板C,Hが同じタイミングで制御を停止できるように、1つのDC5V生成回路44から両制御基板C,Hへ駆動電圧を供給している。
【0036】
電源基板Dの電源監視回路45は、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pの電源が切断された場合に、停電信号45aを払出制御基板HのMPU31へ出力するための回路である。停電監視回路45は、外部電源41の出力電圧を絶えず監視しており、外部電源41の出力電圧が所定電圧以下になった場合に、停電信号45aを出力する。前述した通り、停電信号45aが払出制御基板HのMPU31へ出力されると、MPU31によって図5に示す停電割込処理が実行され停電発生フラグ33dがオンされる。
【0037】
次に、図4を参照して、主制御基板Cで行われるリセット割込処理について説明する。図4は、主制御基板Cで2ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。このリセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、RAM13の内容を一旦「0」クリアした後に初期値を設定する等といった初期化処理を実行する(S2)。S2の処理の実行後は、次のリセット割込処理が発生するまで処理の実行を待機する。
【0038】
S1の処理において電源投入後2回目以降に実行されたリセット割込処理であると判断された場合には(S1:No)、DC12V生成回路43の出力電圧を調べて(S3)、その出力電圧が9.5ボルト以上である場合に限り(S3:Yes)、各スイッチ17〜20,22の読込処理を実行し(S4〜S10)、逆に、その出力電圧が9.5ボルト未満であれば(S3:No)、各スイッチ17〜20,22の読込処理を禁止(スキップ)する。普通入賞スイッチ17等の各スイッチ17〜20,22の正常動作範囲の電圧は「9〜13ボルト」であるので、S3の処理では「0.5ボルト」のマージンをみて、「9.5ボルト」を基準に、各スイッチ17〜20,22の読込処理(S4〜S10)を実行するか否かを判断している。これにより、主制御基板Cは、停電等の発生によってパチンコ機Pの電源が切断された場合にも、正常動作範囲の電圧で動作している各スイッチ17〜20,22の正常な検出結果のみを入力することができる。
【0039】
従って、主制御基板Cは、停電等の発生直前の入賞球であっても、それらを正確に検出して、払出制御基板Hの残賞球数カウンタ33aの値を更新することができる。払出制御基板Hの残賞球数カウンタ33aの値は、コンデンサ34によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生により電源が切断されても、パチンコ機Pの電源を再投入することにより、未払いの賞球を正確に払い出すことができるのである。
【0040】
S3の処理において、DC12V生成回路43の出力電圧が9.5ボルト以上であれば(S3:Yes)、各スイッチ17〜20,22の読込処理を実行する(S4〜S10)。まず、いずれかの普通入賞スイッチ17又は第1種始動口スイッチ18により、球が検出された否かを確認する(S4)。いずれかのスイッチ17,18によって球が検出された場合には(S4:Yes)、6個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ「6」を書き込み、賞球ポインタ13bの値を「1」加算する(S5)。一方、いずれのスイッチ17,18によっても球が検出されない場合には(S4:No)、S5の処理をスキップして、S6の処理へ移行する。
【0041】
S6の処理では、Vカウントスイッチ19又は10カウントスイッチ20により球が検出された否かを確認する(S6)。いずれかのスイッチ19,20によって球が検出された場合には(S6:Yes)、15個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ「15」を書き込み、賞球ポインタ13bの値を「1」加算する(S7)。一方、いずれのスイッチ19,20によっても球が検出されない場合には(S6:No)、S7の処理をスキップして、S8の処理へ移行する。
【0042】
S8の処理では、賞球カウントスイッチ22がオンされたか否かを確認する(S8)。賞球カウントスイッチ22のオンが検出された場合には(S8:Yes)、賞球が1個払い出されたということなので、残賞球数カウンタ13cの値を調べ(S9)、その値が「0」でなければ(S9:No)、払い出された賞球に対応して残賞球数カウンタ13cの値を「1」減算する(S10)。一方、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されない場合には(S8:No)、賞球は払い出されていないので、また、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されても残賞球数カウンタ13cの値が「0」であれば(S8:Yes,S9:Yes)、残賞球数カウンタ13cの値を減算することはできないので、S10の処理をスキップして、処理をS11へ移行する。
【0043】
S11の処理では、賞球ポインタ13bの値が「0」であるか否かを調べる(S11)。賞球ポインタ13bの値が「0」でなければ(S11:No)、払い出すべき賞球数のデータが賞球バッファ13aに記憶されているということなので、0番目の賞球バッファ13aの値を賞球コマンドとして払出制御基板Hへ送信する(S12)。賞球コマンドの送信後は、その賞球コマンドによって送信した賞球数データである、0番目の賞球バッファ13aの値を残賞球数カウンタ13cへ加算する(S13)。そして、1番目以降の賞球バッファ13aの値を小さいアドレス側へ順に1バイトずつシフトして(S14)、賞球バッファ13aの値を更新すると共に、送信した0番目の賞球バッファ13aの値を消去し、更に、賞球ポインタ13bの値を「1」減算する(S15)。一方、S11の処理において、賞球ポインタ13bの値が「0」であれば(S11:Yes)、払い出すべき賞球数のデータは賞球バッファ13aに記憶されていないので、S12〜S15の各処理をスキップして処理をS16へ移行する。
【0044】
S16の処理では、主制御基板Cにおいて遊技の進行を制御するための各処理(S16)を実行し、その各処理(S16)の実行後は、次のリセット割込処理が発生するまで処理の実行を待機する。
【0045】
次に、図5から図7を参照して、払出制御基板Hで行われる停電割込処理、コマンド受信処理およびメイン処理について説明する。図5は、停電割込処理のフローチャートである。停電等の発生によりパチンコ機Pの電源が切断されて、外部電源41の出力電圧が所定電圧以下になると、電源監視回路45から払出制御基板HのMPU31へ停電信号45aが出力される。停電信号45aの信号線はMPU31の外部割込端子に接続されているので、停電信号45aが出力されると、MPU31によって停電割込処理が実行される。
【0046】
停電割込処理では、まず、停電の発生を報せるべく停電発生フラグ33dをオンする(S21)。その後は、停電割込をマスクして(S22)、この停電割込処理を終了する。停電割込をマスクしなければ、停電信号45aの継続出力によって絶えず停電割込が発生するために、後述するメイン処理の実行時間が確保できなくなるからである。
【0047】
図6は、払出制御基板Hの受信割込で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。主制御基板Cから送信されたコマンドを払出制御基板Hが受信すると、その度に受信割込が発生し、このコマンド受信処理が実行される。
【0048】
コマンド受信処理では、まず、受信したコマンドが賞球コマンドであるか否かを判断する(S31)。受信したコマンドが賞球コマンドであれば(S31:Yes)、その賞球コマンドで指示される賞球数を残賞球数カウンタ33aへ加算する(S32)。一方、受信したコマンドが賞球コマンドでない場合には(S31:No)、受信したコマンドに応じた処理を実行して(S33)、このコマンド受信処理を終了する。
【0049】
図7は、払出制御基板Hのメイン処理のフローチャートである。このメイン処理は払出制御基板Hで行われる初期化処理の後に実行されるものであり、メイン処理によって、払出制御基板Hで必要な賞球や貸し球の払い出し等の各処理が実行される。
【0050】
メイン処理では、まず、停電発生フラグ33dの状態を調べる(S41)。停電発生フラグ33dがオフされていれば(S41:No)、未だ、停電等は発生していないので、以降のS42からS48の各処理によって、賞球や貸し球の払出制御を行う。一方、停電発生フラグ33dがオンされていれば(S41:Yes)、既に停電等が発生してパチンコ機Pの電源が切断されているので、賞球や貸し球の払出制御を停止するべく、S42からS48の各処理をスキップして、処理をS50へ移行する。
【0051】
賞球や貸し球の払出制御は、賞球払出用モータ21又は球貸払出用モータ23を駆動して行われるので、消費する電力が大きい。しかし、本実施例では、停電等の発生により、かかる払出制御を真っ先に停止するので、その分、消費電力を抑えて、停電等の発生時における各スイッチ17〜20,22,24や各制御基板C,Hの動作時間をより長くすることができるのである。
【0052】
S42の処理では、賞球中フラグ33bの状態を調べ(S42)、オフされていれば(S42:No)、賞球動作は行われていないので、残球貸数カウンタ33cの値を調べる(S43)。残球貸数カウンタ33cの値が「0」でなければ(S43:No)、払い出すべき貸し球が存在するので、球貸払出用モータ23を駆動して貸し球を1個払い出す(S44)。一方、S42の処理において賞球中フラグ33bがオンされていれば(S42:Yes)、賞球動作中であるので、また、S43の処理において残球貸数カウンタ33cの値が「0」であれば(S43:Yes)、払い出すべき貸し球は存在しないので、残賞球数カウンタ33aの値を調べる(S45)。残賞球数カウンタ33aの値が「0」でなければ(S45:No)、払い出すべき賞球が存在するので、賞球払出用モータ21を駆動して賞球を1個払い出し(S46)、賞球動作中であることを示すべく、賞球中フラグ33bをオンする(S47)。一方、残賞球数カウンタ33aの値が「0」であれば(S45:Yes)、払い出すべき賞球は存在しないので、賞球中フラグ33bをオフして(S48)、賞球動作を終了する。
【0053】
停電の発生等によって停電発生フラグ33dがオンしている場合には(S41:Yes)、賞球や貸し球の払出制御(S42〜S48)をスキップするだけでなく、DC12V生成回路43の出力電圧を調べて(S50)、その出力電圧が9.5ボルト未満であれば(S50:No)、払い出し球の検出処理をも禁止(スキップ)する。即ち、DC12V生成回路43の出力電圧が9.5ボルト以上である場合に限り(S50:Yes)、払い出し球の検出処理を実行するのである(S51〜S56)。賞球カウントスイッチ22及び球貸カウントスイッチ24等の各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の電圧は「9〜13ボルト」であるので、S50の処理では「0.5ボルト」のマージンをみて、「9.5ボルト」を基準に、払い出し球の検出処理(S51〜S56)を実行するか否かを判断している。これにより払出制御基板Hは、賞球カウントスイッチ22及び球貸カウントスイッチ24の正常な検出結果のみを入力することができるのである。
【0054】
従って、停電等の発生によってパチンコ機Pの電源が切断された場合にも、払出制御基板Hは、停電等の発生の直前に払い出された賞球又は貸し球であっても、それらを賞球カウントスイッチ22又は球貸カウントスイッチ24により正確に検出し、残賞球数カウンタ33a及び残球貸数カウンタ33cの値を更新することができる。残賞球数カウンタ33a及び残球貸数カウンタ33cの値は、コンデンサ34によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生により電源が切断されても、パチンコ機Pの電源を再投入することにより、未払いの賞球や貸し球を正確に払い出すことができる。
【0055】
S51からS56の各処理では、S42からS48の各処理によって払い出された賞球および貸し球の検出処理が行われる。まず、賞球カウントスイッチ22がオンされたか否かを確認し(S51)、オンが検出されれば(S51:Yes)、賞球の払い出しが行われたということである。よって、かかる場合には、残賞球数カウンタ33aの値を確認し(S52)、その値が「0」でなければ(S52:No)、払い出された賞球に対応して残賞球数カウンタ33aの値を「1」減算する(S53)。一方、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されない場合や(S51:No)、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されても(S51:Yes)、残賞球数カウンタ33aの値が「0」である場合には(S52:Yes)、S53の処理をスキップする。
【0056】
S54の処理では、球貸カウントスイッチ24がオンされたか否かを確認する(S54)。球貸カウントスイッチ24のオンが検出されれば(S54:Yes)、貸し球の払い出しが行われたということである。よって、かかる場合には、残球貸数カウンタ33cの値を確認し(S55)、その値が「0」でなければ(S55:No)、払い出された貸し球に対応して残球貸数カウンタ33cの値を「1」減算する(S56)。一方、球貸カウントスイッチ24のオンが検出されない場合や(S54:No)、球貸カウントスイッチ24のオンが検出されても(S54:Yes)、残球貸数カウンタ33cの値が「0」である場合には(S55:Yes)、S56の処理をスキップする。S50:No,S54:No,S55:Yes,S56の各処理の実行後は、払出制御基板Hで必要な各処理を実行し(S57)、その実行後は、処理を再びS41へ移行する。
【0057】
なお、上記実施例において、請求項1記載の検出禁止手段としては、S3:Noの分岐処理が該当する。また、請求項4記載の電圧値検出手段としては、主制御基板CのMPU11に内蔵されるA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)が該当する。更に、請求項5記載の駆動電圧検出回路としては、段落「0062」記載されるツェナーダイオードやトランジスタ、コンパレータを使用した回路が該当する。
【0058】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0059】
例えば、上記実施例では、払出制御基板HのRAM33の内容は、バックアップ用のコンデンサ34によって、残賞球数カウンタ33aおよび残球貸数カウンタ33cの値に限らず、すべてバックアップされた。しかし、かかるコンデンサ34によって、残賞球数カウンタ33aおよび残球貸数カウンタ33cの値のみをバックアップするように構成しても良い。また、主制御基板CのRAM13の内容をバックアップするように構成しても良い。かかる場合には、停電監視回路45の停電信号45aが、払出制御基板HのMPU31のみならず、主制御基板CのMPU11へも出力されるように構成する。
【0060】
また、停電等の発生時には、払出制御基板Hの動作時間をより長くするために、電力消費の大きな賞球払出用モータ21及び球貸払出用モータ23の駆動が真っ先に停止されたが、かかる停止と共に、電力消費の大きな他のモータ、例えば球を遊技領域1へ発射する発射モータなどの駆動を停止するようにしても良い。これにより、停電等の発生時における払出制御基板Hの動作時間をより長くして、停電等の発生直前に入賞した球や、払い出された賞球または貸し球の検出をより確実に行うことができる。
【0061】
更に、停電監視回路45は、外部電源41の出力電圧を絶えず監視して、その出力電圧が所定電圧以下になった場合に停電信号45aを出力するように構成したが、かかる外部電源41に代えて、DC24V生成回路42の出力電圧を監視し、その出力電圧が所定電圧以下になった場合に停電信号45aを出力するように構成しても良い。なお、停電監視回路45の監視対象となる電源は、各スイッチ17〜20,22,24及び各制御基板C,Hへ駆動電圧を供給する電源より大きな電圧を出力する電源であれば、外部電源41やDC24V生成回路42以外の電源であっても良い。例えば、各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の駆動電圧が各制御基板C,Hと同じ「4〜5.5ボルト」である場合には、電源監視回路45でDC12V生成回路43の出力電圧を監視して、その出力電圧が所定電圧以下になった場合に停電信号45aを出力するように構成しても良いのである。
【0062】
DC12V生成回路43の出力電圧値は、その電圧値を5ボルト以下の電圧に分圧した後で、主制御基板C及び払出制御基板Hの両MPU11,31のA/D変換端子へ出力し、両MPU11,31にぞれぞれ内蔵されるA/D変換器によって検出された。しかし、この方式に代えて、ツェナーダイオードおよびトランジスタを使用して、DC12V生成回路43の出力電圧が「+9.5ボルト以上」ある場合にはロウ信号(又はハイ信号)を、逆に、「+9.5ボルト未満」となった場合にはハイ信号(又はロウ信号)を出力する回路を設けて、その回路の出力を両MPU11,31の入力ポートへ出力し、DC12V生成回路43の出力電圧値が+9.5ボルト以上であるか否かを判断するようにしても良い。また、ツェナーダイオードおよびトランジスタに代えて、かかる回路をコンパレータを用いて構成するようにしても良い。
【0063】
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機の制御装置において、前記主制御基板の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、前記入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されていることを特徴とする遊技機の制御装置1。例えば、主制御基板の正常動作範囲の駆動電圧の最低値が4ボルトで、入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は9.5ボルトである場合、停電等の発生により遊技機の電源が切断されると、主制御基板の正常動作中に、入賞検出手段が正常動作不可能となる。しかし、かかる状態では、主制御基板の検出禁止手段によって、入賞検出手段の検出(又は、検出結果の読み込み)が禁止されるので、誤った検出結果を読み込むことがない。
【0064】
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1において、前記主制御基板へ駆動電圧を供給する電源は、前記払出制御基板へ駆動電圧を供給する電源と共用されていることを特徴とする遊技機の制御装置2。主制御基板の電源と払出制御基板とは同一電源から駆動電圧の供給を受けているので、停電等の発生によって遊技機の電力が切断された場合、主制御基板と払出制御基板とは略同一のタイミングで動作不能となる。よって、残数記憶手段の内容をバックアップする払出制御基板と、その払出制御基板の残数記憶手段の内容を更新させる主制御基板とを、停電等の発生時に略同一のタイミングで停止させることができる。従って、一方の制御基板の停止中に、他方の制御基板が動作しているという不安定な状態を解消して、残数記憶手段の内容を正確にバックアップすることができる。
【0065】
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1若しくは2において、前記主制御基板は、前記入賞検出手段の(分圧された)駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えていることを特徴とする遊技機の制御装置3。
【0066】
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1若しくは2において、前記主制御基板は、前記入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号(又はロウ信号)を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号(又はハイ信号)を出力する駆動電圧検出回路を備えており、その駆動電圧検出回路からロウ信号(又はハイ信号)が出力された場合に、前記検出禁止手段を作動して前記入賞検出手段による検出を禁止することを特徴とする遊技機の制御装置4。
【0067】
【発明の効果】 請求項1記載の遊技機によれば、停電等の発生により電源が切断されて入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合には、検出禁止手段によって入賞検出手段による入賞球の検出が禁止される。よって、主制御手段が動作する間は、入賞検出手段の正常な検出結果のみを入力することができるので、電源の切断後、入賞口へ入賞した球を正確に検出し、その検出結果に基づく賞球数を主制御手段から払出制御手段へ指示して、払出制御手段の残数記憶手段の内容を更新することができる。この残数記憶手段の内容は、バックアップ手段によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生によりパチンコ機の電源が切断されても、電源を再投入することにより賞球の払い出しを正確に行うことができるという効果がある。
【0068】
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されているので、例えば、主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値が4ボルトで、入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は9.5ボルトである場合、停電等の発生により遊技機の電源が切断されると、主制御手段の正常動作中に、入賞検出手段が正常動作不可能となる。しかし、かかる状態では、主制御手段の検出禁止手段によって、入賞検出手段の検出(又は、検出結果の読み込み)が禁止されるので、誤った検出結果を読み込むことがないという効果がある。
【0069】
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。主制御手段へ駆動電圧を供給する電源は、払出制御手段へ駆動電圧を供給する電源と共用されている。即ち、主制御手段と払出制御手段とは同一電源から駆動電圧の供給を受けているので、停電等の発生によって遊技機の電力が切断された場合、主制御手段と払出制御手段とは略同一のタイミングで動作不能となる。よって、残数記憶手段の内容をバックアップする払出制御手段と、その払出制御手段の残数記憶手段の内容を更新させる主制御手段とを、停電等の発生時に略同一のタイミングで停止させることができる。従って、一方の制御手段の停止中に、他方の制御手段が動作しているという不安定な状態を解消して、残数記憶手段の内容を正確にバックアップすることができるという効果がある。
【0070】
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段は、入賞検出手段の駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えているので、その電圧値検出手段の出力値に基づいて、入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になったことを検出することができるという効果がある。
【0071】
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段は、入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号又はロウ信号を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号又はハイ信号を出力する駆動電圧検出回路を備えており、その駆動電圧検出回路からロウ信号又はハイ信号が出力された場合に、検出禁止手段を作動して入賞検出手段による検出を禁止する。よって、かかる所定電圧値を、入賞検出手段の正常動作範囲の電圧値に基づいて設定することにより、駆動電圧検出回路の出力によって、入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になったことを検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 停電等の発生によりパチンコ機の電源が切断された場合に電源基板から出力される各駆動電圧の変化の様子を示した図である。
【図4】 主制御基板で実行されるリセット割込処理のフローチャートである。
【図5】 払出制御基板の外部割込で実行される停電割込処理のフローチャートである。
【図6】 払出制御基板の受信割込で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。
【図7】 払出制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2 入賞口
4 第1種始動口(入賞口)
5 特定入賞口(入賞口)
5a Vゾーン(入賞口)
17 普通入賞スイッチ(入賞検出手段)
18 第1種始動口スイッチ(入賞検出手段)
19 Vカウントスイッチ(入賞検出手段)
20 10カウントスイッチ(入賞検出手段)
33a 残賞球数カウンタ(残数記憶手段)
33d 停電発生フラグ
34 バックアップ用コンデンサ(バックアップ手段)
41 外部電源
42 DC24V生成回路
43 DC12V生成回路
44 DC5V生成回路(電源)
45 停電監視回路
45a 停電信号
C 主制御基板(主制御手段)
D 電源基板
H 払出制御基板(払出制御手段)
P パチンコ機(遊技機)
S3:No 検出禁止手段
【発明の名称】 遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入賞口と、その入賞口へ入賞した球を検出する入賞検出手段と、その入賞検出手段の検出結果に基づいて所定の有価価値を有する賞球の払い出しを指示する主制御手段と、その主制御手段の指示に基づいて賞球の払い出しを行う払出制御手段とを備えた遊技機において、
前記払出制御手段は、前記主制御手段から指示された賞球の払い出し残数を記憶する残数記憶手段と、その残数記憶手段の内容を電源の切断後においても保持させるバックアップ手段とを備えており、
前記主制御手段は、停電が発生した場合に前記入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合に、その入賞検出手段による検出を禁止する検出禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、前記入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記主制御手段へ駆動電圧を供給する電源は、前記払出制御手段へ駆動電圧を供給する電源と共用されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号又はロウ信号を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号又はハイ信号を出力する駆動電圧検出回路を備えており、
その駆動電圧検出回路からロウ信号又はハイ信号が出力された場合に、前記検出禁止手段を作動して前記入賞検出手段による検出を禁止することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関し、特に、停電等の発生により突然に電源が切断されても、電源の再投入により賞球の払い出しを正確に行うことができる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、パチンコ機の賞球の払い出しは、いわゆる証拠球方式により行われていた。即ち、打球が入賞口へ入賞すると、その入賞球は証拠球として一旦タンクへ保存され、賞球払出用モータを駆動して賞球の払い出しが行われた後で、タンクから除かれるというものである。この証拠球方式の賞球の払い出しはメカ式であるので、賞球の払い出し前に停電等が発生してパチンコ機の電源が切断されても、パチンコ機の電源が再投入されれば、タンクに保存された証拠球に基づいて賞球の払い出しを行うことができる。しかし、その一方で、入賞球に対する賞球数を変更するためには賞球の払出機構の設計変更が必要になったり、また、賞球は少ない賞球数のものから順に払い出されるように設計されているので、複数の打球が短時間の間に続けて入賞すると、払い出されている賞球がどの入賞球に対するものなのかを判別することができず、パチンコ機の検査等に支障を来してしまうのである。
【0003】
このため近年のパチンコ機では、証拠球方式による賞球の払い出しに代えて、ソフト方式(ソフト制御)の賞球の払い出しが数多く採用されている。かかるソフト方式の賞球の払い出しでは、すべての入賞口に入賞球を検出するためのスイッチを設けて、そのスイッチの状態を主制御基板で監視し、打球の入賞が検出された場合には、そのスイッチに対する賞球数を払出制御基板へ報せ、かかる賞球の払い出しを払出制御基板に行わせる。このソフト方式の賞球の払い出しでは、払い出される賞球数はメモリに記憶されるので、停電等の発生によりパチンコ機の電源が切断された場合にも、かかるメモリ内容を保持するために、払出制御基板のメモリをバックアップする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、入賞球を検出するスイッチの駆動電圧は9〜12ボルトであり、4〜5ボルトで駆動する主制御基板および払出制御基板の駆動電圧より大きいので、パチンコ機の電源の切断によって、スイッチの駆動電圧が9ボルト未満の正常動作範囲外の電圧に下がっても、主制御基板および払出制御基板の駆動電圧は4〜5ボルトにあり正常動作を継続している。よって、正常動作範囲外の電圧で駆動するスイッチの誤った出力を、正常動作範囲内の電圧で駆動している主制御基板が読み込むことになり、実際には入賞球がないにも拘わらず、入賞球があると誤って判断してしまうという問題点がある。かかる誤検出(誤判断)があると、払出制御基板のメモリ内容をバックアップしても、本来払い出すべき数以上の賞球を払い出すことになり、賞球を正確に払い出すことができない。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、停電等の発生により突然に電源が切断されても、電源の再投入により賞球の払い出しを正確に行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、入賞口と、その入賞口へ入賞した球を検出する入賞検出手段と、その入賞検出手段の検出結果に基づいて所定の有価価値を有する賞球の払い出しを指示する主制御手段と、その主制御手段の指示に基づいて賞球の払い出しを行う払出制御手段とを備え、更に、前記払出制御手段は、前記主制御手段から指示された賞球の払い出し残数を記憶する残数記憶手段と、その残数記憶手段の内容を電源の切断後においても保持させるバックアップ手段とを備えており、前記主制御手段は、停電が発生した場合に前記入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合に、その入賞検出手段による検出を禁止する検出禁止手段とを備えている。
【0007】
この請求項1記載の遊技機によれば、停電等の発生により突然に電源が切断されて入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合には、検出禁止手段によって入賞検出手段による入賞球の検出が禁止される。よって、主制御手段が動作する間は、入賞検出手段の正常な検出結果のみを入力することができるので、電源の切断後、入賞口へ入賞した球は入賞検出手段によって正確に検出され、主制御手段へ出力される。かかる検出結果に基づき、主制御手段によって払い出すべき賞球数が払出制御手段へ指示されて、払出制御手段の残数記憶手段の内容が更新される。この残数記憶手段の内容は、バックアップ手段によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生により電源が切断されても、電源を再投入することにより賞球の払い出しが正確に行われる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、前記入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されている。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記主制御手段へ駆動電圧を供給する電源は、前記払出制御手段へ駆動電圧を供給する電源と共用されている。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えている。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号又はロウ信号を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号又はハイ信号を出力する駆動電圧検出回路を備えており、その駆動電圧検出回路からロウ信号又はハイ信号が出力された場合に、前記検出禁止手段を作動して前記入賞検出手段による検出を禁止する。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0009】
図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0010】
LCDディスプレイ3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、打球がこの図柄作動口4を通過することにより、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される。
【0011】
この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0012】
図2は、パチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板Cと、賞球や貸し球の払出制御を行う払出制御基板Hと、各制御基板やスイッチ、モータなどへ電力を供給する電源基板Dとの電気的構成を示したブロック図である。
【0013】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM12と、ワークメモリ等として使用されるRAM13とを備えている。図4のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。また、RAM13には、賞球バッファ13aと、賞球ポインタ13bと、残賞球数カウンタ13cとが設けられている。
【0014】
賞球バッファ13aは、遊技領域1へ打ち込まれた球が普通入賞口2等へ入賞した場合に、払い出される賞球数を記憶するバッファである。払い出される賞球数は入賞した球毎に賞球バッファ13aへ記憶されるので、賞球バッファ13aは複数バイトで構成されている。賞球バッファ13aに記憶された賞球数のデータは、賞球コマンドとして払出制御基板Hへ送信されると、賞球バッファ13aから消去される。具体的には、0番目の賞球バッファ13aに記憶される賞球数を払出制御基板Hへ送信した後、1番目以降の賞球バッファ13aの値を小さいアドレス側へ順に1バイトずつシフトすることにより、0番目の賞球バッファ13aの値が消去される。
【0015】
なお、賞球コマンドとは、払い出される賞球数を払出制御基板Hへ指示するためのコマンドであり、1回の入賞に対する最大の賞球数が15球であるので、その最大賞球数に対応した「01H」〜「0FH」の15種類の賞球コマンドが用意されている。
【0016】
賞球ポインタ13bは、賞球数を記憶させる賞球バッファ13aの位置を示すポインタであり、払い出される賞球数は、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ記憶される。この賞球ポインタ13bの値は、賞球バッファ13aへ賞球数を書き込むことにより「1」加算され、逆に、0番目の賞球バッファ13aの値が払出制御基板Hへ送信されることにより「1」減算される。
【0017】
残賞球数カウンタ13cは、未払いの賞球数を記憶するカウンタであり、払出制御基板Hによって払い出される賞球数を主制御基板Cで管理するためのカウンタである。残賞球数カウンタ13cの値は、主制御基板Cが払出制御基板Hへ賞球の払い出しを指示する毎に、その指示した数が加算され、逆に、払出制御基板Hによって賞球の払い出しが行われて、その払い出された賞球を賞球カウントスイッチ22が検出する毎に「1」ずつ減算される。
【0018】
これらMPU11、ROM12、RAM13は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン14を介して相互に接続されている。バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。入出力ポート15は、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,37を介して払出制御基板Hと接続されるほか、複数の普通入賞スイッチ17と、第1種始動口スイッチ18と、Vカウントスイッチ19と、10カウントスイッチ20と、賞球カウントスイッチ22と、他の入出力装置25とそれぞれ接続されている。
【0019】
普通入賞スイッチ17は、遊技領域1内に設けられた複数の普通入賞口2へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口2の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ18は、図柄作動口(第1種始動口)4を通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。普通入賞スイッチ17のいずれか又は第1種始動口スイッチ18によって球が検出されると、払出制御基板Hによって6個の賞球が払い出される。Vカウントスイッチ19は、特定入賞口5内のVゾーン5aへ入賞した球を検出するためのスイッチであり、また、10カウントスイッチ20は、特定入賞口5内のVゾーン5a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ19又は10カウントスイッチ20により球が検出されると、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。なお、賞球の払い出しは、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球数を指示するための賞球コマンドが送信されることにより行われる。
【0020】
この主制御基板Cは、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)(図示せず)を介して、払出制御基板Hと接続されている。このため主制御基板Cと払出制御基板Hとの間における賞球コマンド等の送受信は、主制御基板Cから払出制御基板Hへの一方向にのみ行われ、払出制御基板Hから主制御基板Cへ行うことはできない。なお、主制御基板Cと払出制御基板Hとは、8本のデータ線と1本のストローブ線とにより接続されており、ストローブ線のデータがアクティブになった時に、8本のデータ線上に出力されているデータが主制御基板Cから払出制御基板Hへコマンドとして送信される。
【0021】
払出制御基板Hは、賞球や貸し球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU31と、そのMPU31により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM32と、ワークメモリ等として使用されるRAM33とを備えている。図5から図7に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。
【0022】
払出制御基板HのRAM33は、残賞球数カウンタ33aと、賞球中フラグ33bと、残球貸数カウンタ33cと、停電発生フラグ33dとを備えている。また、このRAM33には、バックアップ用のコンデンサ34が接続されてバックアップ可能に構成されている。よって、RAM33に設けられた残賞球数カウンタ33aや残球貸数カウンタ33cの値は、パチンコ機Pの電源が切断された場合にも保持される。
【0023】
残賞球数カウンタ33aは未払いの賞球数を記憶するカウンタであり、賞球コマンドによって主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払い出しが指示される毎に、指示された賞球数が加算される。逆に、残賞球数カウンタ33aの値は、賞球カウントスイッチ22が払い出された賞球を検出する毎に「1」ずつ減算される。前記した通り、この残賞球数カウンタ33aの値はコンデンサ34によってバックアップされるので、賞球の払い出し途中でパチンコ機Pの電源が切断された場合にも(停電の発生等により電源が突然切断された場合にも)、そのパチンコ機Pの電源を再投入することにより、残りの賞球(未払い分の賞球)を正確に払い出すことができる。
【0024】
賞球中フラグ33bは、賞球の払い出し処理が実行されていることを示すためのフラグであり、賞球の払い出し動作が開始されるとオンされ、賞球の払い出しが完了して、残賞球数カウンタ33aの値が「0」となるとオフされる。賞球中フラグ33bがオンされている間は、例え球貸しの要求があっても、賞球動作が完了して賞球中フラグ33bがオフされるまで、即ち、残賞球数カウンタ33aの値が「0」になるまで、球貸し動作は待機される(図7のS42:Yes)。なお、球貸し動作中に、賞球の払い出し要求があっても(賞球コマンドを受信しても)、球貸し動作が終了するまで、賞球の払い出し動作は待機される(図7のS42:No,S43)。
【0025】
残球貸数カウンタ33cは未払いの球貸し数を記憶するカウンタであり、球貸し要求がある毎に、要求された球貸し数が加算される。逆に、残球貸数カウンタ33cの値は、球貸カウントスイッチ24が払い出された貸し球を検出する毎に「1」ずつ減算される。前記した通り、この残球貸数カウンタ33cの値は、残賞球数カウンタ33aの場合と同様に、コンデンサ34によってバックアップされるので、貸し球の払い出し途中でパチンコ機Pの電源が切断された場合にも(停電の発生等により電源が突然切断された場合にも)、そのパチンコ機Pの電源を再投入することにより、残りの貸し球(未払い分の貸し球)を正確に払い出すことができる。
【0026】
停電発生フラグ33dは、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pへの電力供給が途絶えた場合にオンされるフラグである。パチンコ機Pへ電力供給を行う外部電源41の出力電圧は、電源監視回路45によって絶えず監視されている。停電等が発生すると、外部電源41の出力電圧は所定電圧以下に下がるが、かかる電圧低下が電源監視回路45によって検出されると、電源監視回路45から払出制御基板HのMPU31へ停電信号45aが出力される。停電信号45aの信号線はMPU31の外部割込端子に接続されており、停電信号45aが出力されると、MPU31によって図5に示す停電割込処理が実行され、停電発生フラグ33dがオンされる。なお、一旦オンされた停電発生フラグ33dは、パチンコ機Pの電源が再投入されるまでオフされない。
【0027】
これらMPU31、ROM32及びRAM33は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン35により互いに接続されている。バスライン35は、また、入出力ポート36にも接続されている。入出力ポート36は、前述した入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,37を介して主制御基板Cと接続されるほか、賞球払出用モータ21と、賞球カウントスイッチ22と、球貸払出用モータ23と、球貸カウントスイッチ24と、他の入出力装置40とにそれぞれ接続されている。
【0028】
賞球払出用モータ21は、賞球を払い出すためのモータであり、払出制御基板Hによって駆動制御される。賞球カウントスイッチ22は、賞球払出用モータ21を駆動することによって実際に払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、その出力は、払出制御基板Hのみならず、主制御基板Cへも入力される。球貸払出用モータ23は、貸し球を払い出すためのモータであり、払出制御基板Hによって駆動制御される。球貸カウントスイッチ24は、球貸払出用モータ23を駆動することによって実際に払い出された貸し球を検出するためのスイッチであり、その出力は払出制御基板Hへのみ入力される。
【0029】
電源基板Dは、DC24V生成回路42と、DC12V生成回路43と、DC5V生成回路44と、電源監視回路45とを備えている。DC24V生成回路42は、外部電源41から入力される24ボルトの交流電圧から+24ボルトの直流電圧を生成するための回路である。生成された+24ボルトの直流電圧は、電源基板D内のDC12V生成回路43へ供給されるほか、賞球払出用モータ21および球貸払出用モータ23などの各種モータへ駆動電圧として供給される。
【0030】
DC12V生成回路43は、DC24V生成回路42から供給される+24ボルトの直流電圧から+12ボルトの直流電圧を生成するための回路である。生成された+12ボルトの直流電圧は、DC5V生成回路44へ供給されるほか、各スイッチ17〜20,22,24へ駆動電圧として供給される。また、DC12V生成回路43の出力電圧は、5ボルト以下の電圧に分圧され、主制御基板C及び払出制御基板Hの両MPU11,31のA/D変換端子(アナログ・デジタル変換端子)へも入力される。
【0031】
DC5V生成回路44は、DC12V生成回路43から供給される+12ボルトの直流電圧から+5ボルトの直流電圧を生成するための回路である。生成された+5ボルトの直流電圧は、主制御基板Cや払出制御基板Hなどの各制御基板へ駆動電圧として供給される。
【0032】
これらDC24V生成回路42、DC12V生成回路43およびDC5V生成回路44の出力電圧は、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pの電源が切断されると、図3に示すように低下していく。本実施例では、DC24V生成回路42の出力電圧がDC12V生成回路43へ入力されて+12ボルトの直流電圧が生成され、そのDC12V生成回路43の出力電圧がDC5V生成回路44へ入力されて+5ボルトの直流電圧が生成される。このためパチンコ機Pの電源が切断された場合、各スイッチ17〜20,22,24へ駆動電圧を供給するDC12V生成回路43の出力電圧は、各制御基板C,Hへ駆動電圧を供給するDC5V生成回路44の出力電圧より、正常動作範囲の電圧を長く維持することはできない。即ち、停電等の発生によってパチンコ機Pの電源が切断された場合、払出制御基板Hが動作している間に、各スイッチ17〜20,22,24は、正常な検出結果を出力できなくなってしまう。
【0033】
ここで、本実施例における正常動作範囲の電圧とは、DC12V生成回路43については、DC12V生成回路43に接続される各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の電圧である「9〜13ボルト」が相当し、DC5V生成回路44については、DC5V生成回路44に接続される各種制御基板C,Hの正常動作範囲の電圧である「4〜5.5ボルト」が相当する。各スイッチ17〜20,22,24の駆動電圧、即ち、DC12V生成回路43の出力電圧が9ボルト未満に下がると、各スイッチ17〜20,22,24は正常な検出結果を出力することができない。
【0034】
図2に示す通り、DC12V生成回路43の出力電圧は、5ボルト以下の電圧に分圧され、主制御基板C及び払出制御基板Hの両MPU11,31のA/D変換端子(アナログ・デジタル変換端子)へも入力されているので、両MPU11,31に内蔵されるA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)によって、DC12V生成回路43の出力電圧値を検出することができる。そこで、各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の電圧の最低値である9ボルトに0.5ボルトのマージンをみて、両MPU11,31によって検出されたDC12V生成回路43の出力電圧値が9.5ボルト未満になった場合には、主制御基板C及び払出制御基板Hにおいて、各スイッチ17〜20,22,24の読込処理を禁止している(図4のS3:No,図7のS50:No)。これにより主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生などによってパチンコ機Pの電源が切断された場合にも、各スイッチ17〜20,22,24の正常な検出結果のみを読み込むことができるのである。
【0035】
また、主制御基板Cと払出制御基板Hとの送受信は、主制御基板Cから払出制御基板Hへの一方向にのみ行われているので、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pの電源が切断された場合に、主制御基板Cと払出制御基板Hとは、互いに相手側の制御基板が動作を継続しているか否かを確認することはできない。このため、両制御基板C,Hへ駆動電圧を供給する電源を別々に設けると、一方の制御基板の停止中に他方の制御基板が動作しているという不安定な状態が生じる。バックアップされる残賞球数カウンタ33aの値は両制御基板C,Hの間で更新されるので、かかる不安定な状態が生じると、残賞球数カウンタ33aの値を破壊する恐れがあり好ましくない。そこで、本実施例では、パチンコ機Pの電源切断後に、両制御基板C,Hが同じタイミングで制御を停止できるように、1つのDC5V生成回路44から両制御基板C,Hへ駆動電圧を供給している。
【0036】
電源基板Dの電源監視回路45は、停電の発生や電源スイッチのオフによってパチンコ機Pの電源が切断された場合に、停電信号45aを払出制御基板HのMPU31へ出力するための回路である。停電監視回路45は、外部電源41の出力電圧を絶えず監視しており、外部電源41の出力電圧が所定電圧以下になった場合に、停電信号45aを出力する。前述した通り、停電信号45aが払出制御基板HのMPU31へ出力されると、MPU31によって図5に示す停電割込処理が実行され停電発生フラグ33dがオンされる。
【0037】
次に、図4を参照して、主制御基板Cで行われるリセット割込処理について説明する。図4は、主制御基板Cで2ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。このリセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、RAM13の内容を一旦「0」クリアした後に初期値を設定する等といった初期化処理を実行する(S2)。S2の処理の実行後は、次のリセット割込処理が発生するまで処理の実行を待機する。
【0038】
S1の処理において電源投入後2回目以降に実行されたリセット割込処理であると判断された場合には(S1:No)、DC12V生成回路43の出力電圧を調べて(S3)、その出力電圧が9.5ボルト以上である場合に限り(S3:Yes)、各スイッチ17〜20,22の読込処理を実行し(S4〜S10)、逆に、その出力電圧が9.5ボルト未満であれば(S3:No)、各スイッチ17〜20,22の読込処理を禁止(スキップ)する。普通入賞スイッチ17等の各スイッチ17〜20,22の正常動作範囲の電圧は「9〜13ボルト」であるので、S3の処理では「0.5ボルト」のマージンをみて、「9.5ボルト」を基準に、各スイッチ17〜20,22の読込処理(S4〜S10)を実行するか否かを判断している。これにより、主制御基板Cは、停電等の発生によってパチンコ機Pの電源が切断された場合にも、正常動作範囲の電圧で動作している各スイッチ17〜20,22の正常な検出結果のみを入力することができる。
【0039】
従って、主制御基板Cは、停電等の発生直前の入賞球であっても、それらを正確に検出して、払出制御基板Hの残賞球数カウンタ33aの値を更新することができる。払出制御基板Hの残賞球数カウンタ33aの値は、コンデンサ34によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生により電源が切断されても、パチンコ機Pの電源を再投入することにより、未払いの賞球を正確に払い出すことができるのである。
【0040】
S3の処理において、DC12V生成回路43の出力電圧が9.5ボルト以上であれば(S3:Yes)、各スイッチ17〜20,22の読込処理を実行する(S4〜S10)。まず、いずれかの普通入賞スイッチ17又は第1種始動口スイッチ18により、球が検出された否かを確認する(S4)。いずれかのスイッチ17,18によって球が検出された場合には(S4:Yes)、6個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ「6」を書き込み、賞球ポインタ13bの値を「1」加算する(S5)。一方、いずれのスイッチ17,18によっても球が検出されない場合には(S4:No)、S5の処理をスキップして、S6の処理へ移行する。
【0041】
S6の処理では、Vカウントスイッチ19又は10カウントスイッチ20により球が検出された否かを確認する(S6)。いずれかのスイッチ19,20によって球が検出された場合には(S6:Yes)、15個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ「15」を書き込み、賞球ポインタ13bの値を「1」加算する(S7)。一方、いずれのスイッチ19,20によっても球が検出されない場合には(S6:No)、S7の処理をスキップして、S8の処理へ移行する。
【0042】
S8の処理では、賞球カウントスイッチ22がオンされたか否かを確認する(S8)。賞球カウントスイッチ22のオンが検出された場合には(S8:Yes)、賞球が1個払い出されたということなので、残賞球数カウンタ13cの値を調べ(S9)、その値が「0」でなければ(S9:No)、払い出された賞球に対応して残賞球数カウンタ13cの値を「1」減算する(S10)。一方、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されない場合には(S8:No)、賞球は払い出されていないので、また、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されても残賞球数カウンタ13cの値が「0」であれば(S8:Yes,S9:Yes)、残賞球数カウンタ13cの値を減算することはできないので、S10の処理をスキップして、処理をS11へ移行する。
【0043】
S11の処理では、賞球ポインタ13bの値が「0」であるか否かを調べる(S11)。賞球ポインタ13bの値が「0」でなければ(S11:No)、払い出すべき賞球数のデータが賞球バッファ13aに記憶されているということなので、0番目の賞球バッファ13aの値を賞球コマンドとして払出制御基板Hへ送信する(S12)。賞球コマンドの送信後は、その賞球コマンドによって送信した賞球数データである、0番目の賞球バッファ13aの値を残賞球数カウンタ13cへ加算する(S13)。そして、1番目以降の賞球バッファ13aの値を小さいアドレス側へ順に1バイトずつシフトして(S14)、賞球バッファ13aの値を更新すると共に、送信した0番目の賞球バッファ13aの値を消去し、更に、賞球ポインタ13bの値を「1」減算する(S15)。一方、S11の処理において、賞球ポインタ13bの値が「0」であれば(S11:Yes)、払い出すべき賞球数のデータは賞球バッファ13aに記憶されていないので、S12〜S15の各処理をスキップして処理をS16へ移行する。
【0044】
S16の処理では、主制御基板Cにおいて遊技の進行を制御するための各処理(S16)を実行し、その各処理(S16)の実行後は、次のリセット割込処理が発生するまで処理の実行を待機する。
【0045】
次に、図5から図7を参照して、払出制御基板Hで行われる停電割込処理、コマンド受信処理およびメイン処理について説明する。図5は、停電割込処理のフローチャートである。停電等の発生によりパチンコ機Pの電源が切断されて、外部電源41の出力電圧が所定電圧以下になると、電源監視回路45から払出制御基板HのMPU31へ停電信号45aが出力される。停電信号45aの信号線はMPU31の外部割込端子に接続されているので、停電信号45aが出力されると、MPU31によって停電割込処理が実行される。
【0046】
停電割込処理では、まず、停電の発生を報せるべく停電発生フラグ33dをオンする(S21)。その後は、停電割込をマスクして(S22)、この停電割込処理を終了する。停電割込をマスクしなければ、停電信号45aの継続出力によって絶えず停電割込が発生するために、後述するメイン処理の実行時間が確保できなくなるからである。
【0047】
図6は、払出制御基板Hの受信割込で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。主制御基板Cから送信されたコマンドを払出制御基板Hが受信すると、その度に受信割込が発生し、このコマンド受信処理が実行される。
【0048】
コマンド受信処理では、まず、受信したコマンドが賞球コマンドであるか否かを判断する(S31)。受信したコマンドが賞球コマンドであれば(S31:Yes)、その賞球コマンドで指示される賞球数を残賞球数カウンタ33aへ加算する(S32)。一方、受信したコマンドが賞球コマンドでない場合には(S31:No)、受信したコマンドに応じた処理を実行して(S33)、このコマンド受信処理を終了する。
【0049】
図7は、払出制御基板Hのメイン処理のフローチャートである。このメイン処理は払出制御基板Hで行われる初期化処理の後に実行されるものであり、メイン処理によって、払出制御基板Hで必要な賞球や貸し球の払い出し等の各処理が実行される。
【0050】
メイン処理では、まず、停電発生フラグ33dの状態を調べる(S41)。停電発生フラグ33dがオフされていれば(S41:No)、未だ、停電等は発生していないので、以降のS42からS48の各処理によって、賞球や貸し球の払出制御を行う。一方、停電発生フラグ33dがオンされていれば(S41:Yes)、既に停電等が発生してパチンコ機Pの電源が切断されているので、賞球や貸し球の払出制御を停止するべく、S42からS48の各処理をスキップして、処理をS50へ移行する。
【0051】
賞球や貸し球の払出制御は、賞球払出用モータ21又は球貸払出用モータ23を駆動して行われるので、消費する電力が大きい。しかし、本実施例では、停電等の発生により、かかる払出制御を真っ先に停止するので、その分、消費電力を抑えて、停電等の発生時における各スイッチ17〜20,22,24や各制御基板C,Hの動作時間をより長くすることができるのである。
【0052】
S42の処理では、賞球中フラグ33bの状態を調べ(S42)、オフされていれば(S42:No)、賞球動作は行われていないので、残球貸数カウンタ33cの値を調べる(S43)。残球貸数カウンタ33cの値が「0」でなければ(S43:No)、払い出すべき貸し球が存在するので、球貸払出用モータ23を駆動して貸し球を1個払い出す(S44)。一方、S42の処理において賞球中フラグ33bがオンされていれば(S42:Yes)、賞球動作中であるので、また、S43の処理において残球貸数カウンタ33cの値が「0」であれば(S43:Yes)、払い出すべき貸し球は存在しないので、残賞球数カウンタ33aの値を調べる(S45)。残賞球数カウンタ33aの値が「0」でなければ(S45:No)、払い出すべき賞球が存在するので、賞球払出用モータ21を駆動して賞球を1個払い出し(S46)、賞球動作中であることを示すべく、賞球中フラグ33bをオンする(S47)。一方、残賞球数カウンタ33aの値が「0」であれば(S45:Yes)、払い出すべき賞球は存在しないので、賞球中フラグ33bをオフして(S48)、賞球動作を終了する。
【0053】
停電の発生等によって停電発生フラグ33dがオンしている場合には(S41:Yes)、賞球や貸し球の払出制御(S42〜S48)をスキップするだけでなく、DC12V生成回路43の出力電圧を調べて(S50)、その出力電圧が9.5ボルト未満であれば(S50:No)、払い出し球の検出処理をも禁止(スキップ)する。即ち、DC12V生成回路43の出力電圧が9.5ボルト以上である場合に限り(S50:Yes)、払い出し球の検出処理を実行するのである(S51〜S56)。賞球カウントスイッチ22及び球貸カウントスイッチ24等の各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の電圧は「9〜13ボルト」であるので、S50の処理では「0.5ボルト」のマージンをみて、「9.5ボルト」を基準に、払い出し球の検出処理(S51〜S56)を実行するか否かを判断している。これにより払出制御基板Hは、賞球カウントスイッチ22及び球貸カウントスイッチ24の正常な検出結果のみを入力することができるのである。
【0054】
従って、停電等の発生によってパチンコ機Pの電源が切断された場合にも、払出制御基板Hは、停電等の発生の直前に払い出された賞球又は貸し球であっても、それらを賞球カウントスイッチ22又は球貸カウントスイッチ24により正確に検出し、残賞球数カウンタ33a及び残球貸数カウンタ33cの値を更新することができる。残賞球数カウンタ33a及び残球貸数カウンタ33cの値は、コンデンサ34によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生により電源が切断されても、パチンコ機Pの電源を再投入することにより、未払いの賞球や貸し球を正確に払い出すことができる。
【0055】
S51からS56の各処理では、S42からS48の各処理によって払い出された賞球および貸し球の検出処理が行われる。まず、賞球カウントスイッチ22がオンされたか否かを確認し(S51)、オンが検出されれば(S51:Yes)、賞球の払い出しが行われたということである。よって、かかる場合には、残賞球数カウンタ33aの値を確認し(S52)、その値が「0」でなければ(S52:No)、払い出された賞球に対応して残賞球数カウンタ33aの値を「1」減算する(S53)。一方、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されない場合や(S51:No)、賞球カウントスイッチ22のオンが検出されても(S51:Yes)、残賞球数カウンタ33aの値が「0」である場合には(S52:Yes)、S53の処理をスキップする。
【0056】
S54の処理では、球貸カウントスイッチ24がオンされたか否かを確認する(S54)。球貸カウントスイッチ24のオンが検出されれば(S54:Yes)、貸し球の払い出しが行われたということである。よって、かかる場合には、残球貸数カウンタ33cの値を確認し(S55)、その値が「0」でなければ(S55:No)、払い出された貸し球に対応して残球貸数カウンタ33cの値を「1」減算する(S56)。一方、球貸カウントスイッチ24のオンが検出されない場合や(S54:No)、球貸カウントスイッチ24のオンが検出されても(S54:Yes)、残球貸数カウンタ33cの値が「0」である場合には(S55:Yes)、S56の処理をスキップする。S50:No,S54:No,S55:Yes,S56の各処理の実行後は、払出制御基板Hで必要な各処理を実行し(S57)、その実行後は、処理を再びS41へ移行する。
【0057】
なお、上記実施例において、請求項1記載の検出禁止手段としては、S3:Noの分岐処理が該当する。また、請求項4記載の電圧値検出手段としては、主制御基板CのMPU11に内蔵されるA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)が該当する。更に、請求項5記載の駆動電圧検出回路としては、段落「0062」記載されるツェナーダイオードやトランジスタ、コンパレータを使用した回路が該当する。
【0058】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0059】
例えば、上記実施例では、払出制御基板HのRAM33の内容は、バックアップ用のコンデンサ34によって、残賞球数カウンタ33aおよび残球貸数カウンタ33cの値に限らず、すべてバックアップされた。しかし、かかるコンデンサ34によって、残賞球数カウンタ33aおよび残球貸数カウンタ33cの値のみをバックアップするように構成しても良い。また、主制御基板CのRAM13の内容をバックアップするように構成しても良い。かかる場合には、停電監視回路45の停電信号45aが、払出制御基板HのMPU31のみならず、主制御基板CのMPU11へも出力されるように構成する。
【0060】
また、停電等の発生時には、払出制御基板Hの動作時間をより長くするために、電力消費の大きな賞球払出用モータ21及び球貸払出用モータ23の駆動が真っ先に停止されたが、かかる停止と共に、電力消費の大きな他のモータ、例えば球を遊技領域1へ発射する発射モータなどの駆動を停止するようにしても良い。これにより、停電等の発生時における払出制御基板Hの動作時間をより長くして、停電等の発生直前に入賞した球や、払い出された賞球または貸し球の検出をより確実に行うことができる。
【0061】
更に、停電監視回路45は、外部電源41の出力電圧を絶えず監視して、その出力電圧が所定電圧以下になった場合に停電信号45aを出力するように構成したが、かかる外部電源41に代えて、DC24V生成回路42の出力電圧を監視し、その出力電圧が所定電圧以下になった場合に停電信号45aを出力するように構成しても良い。なお、停電監視回路45の監視対象となる電源は、各スイッチ17〜20,22,24及び各制御基板C,Hへ駆動電圧を供給する電源より大きな電圧を出力する電源であれば、外部電源41やDC24V生成回路42以外の電源であっても良い。例えば、各スイッチ17〜20,22,24の正常動作範囲の駆動電圧が各制御基板C,Hと同じ「4〜5.5ボルト」である場合には、電源監視回路45でDC12V生成回路43の出力電圧を監視して、その出力電圧が所定電圧以下になった場合に停電信号45aを出力するように構成しても良いのである。
【0062】
DC12V生成回路43の出力電圧値は、その電圧値を5ボルト以下の電圧に分圧した後で、主制御基板C及び払出制御基板Hの両MPU11,31のA/D変換端子へ出力し、両MPU11,31にぞれぞれ内蔵されるA/D変換器によって検出された。しかし、この方式に代えて、ツェナーダイオードおよびトランジスタを使用して、DC12V生成回路43の出力電圧が「+9.5ボルト以上」ある場合にはロウ信号(又はハイ信号)を、逆に、「+9.5ボルト未満」となった場合にはハイ信号(又はロウ信号)を出力する回路を設けて、その回路の出力を両MPU11,31の入力ポートへ出力し、DC12V生成回路43の出力電圧値が+9.5ボルト以上であるか否かを判断するようにしても良い。また、ツェナーダイオードおよびトランジスタに代えて、かかる回路をコンパレータを用いて構成するようにしても良い。
【0063】
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機の制御装置において、前記主制御基板の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、前記入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されていることを特徴とする遊技機の制御装置1。例えば、主制御基板の正常動作範囲の駆動電圧の最低値が4ボルトで、入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は9.5ボルトである場合、停電等の発生により遊技機の電源が切断されると、主制御基板の正常動作中に、入賞検出手段が正常動作不可能となる。しかし、かかる状態では、主制御基板の検出禁止手段によって、入賞検出手段の検出(又は、検出結果の読み込み)が禁止されるので、誤った検出結果を読み込むことがない。
【0064】
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1において、前記主制御基板へ駆動電圧を供給する電源は、前記払出制御基板へ駆動電圧を供給する電源と共用されていることを特徴とする遊技機の制御装置2。主制御基板の電源と払出制御基板とは同一電源から駆動電圧の供給を受けているので、停電等の発生によって遊技機の電力が切断された場合、主制御基板と払出制御基板とは略同一のタイミングで動作不能となる。よって、残数記憶手段の内容をバックアップする払出制御基板と、その払出制御基板の残数記憶手段の内容を更新させる主制御基板とを、停電等の発生時に略同一のタイミングで停止させることができる。従って、一方の制御基板の停止中に、他方の制御基板が動作しているという不安定な状態を解消して、残数記憶手段の内容を正確にバックアップすることができる。
【0065】
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1若しくは2において、前記主制御基板は、前記入賞検出手段の(分圧された)駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えていることを特徴とする遊技機の制御装置3。
【0066】
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1若しくは2において、前記主制御基板は、前記入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号(又はロウ信号)を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号(又はハイ信号)を出力する駆動電圧検出回路を備えており、その駆動電圧検出回路からロウ信号(又はハイ信号)が出力された場合に、前記検出禁止手段を作動して前記入賞検出手段による検出を禁止することを特徴とする遊技機の制御装置4。
【0067】
【発明の効果】 請求項1記載の遊技機によれば、停電等の発生により電源が切断されて入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になった場合には、検出禁止手段によって入賞検出手段による入賞球の検出が禁止される。よって、主制御手段が動作する間は、入賞検出手段の正常な検出結果のみを入力することができるので、電源の切断後、入賞口へ入賞した球を正確に検出し、その検出結果に基づく賞球数を主制御手段から払出制御手段へ指示して、払出制御手段の残数記憶手段の内容を更新することができる。この残数記憶手段の内容は、バックアップ手段によって電源の切断後も保持されるので、停電等の発生によりパチンコ機の電源が切断されても、電源を再投入することにより賞球の払い出しを正確に行うことができるという効果がある。
【0068】
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は、入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値より低く設定されているので、例えば、主制御手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値が4ボルトで、入賞検出手段の正常動作範囲の駆動電圧の最低値は9.5ボルトである場合、停電等の発生により遊技機の電源が切断されると、主制御手段の正常動作中に、入賞検出手段が正常動作不可能となる。しかし、かかる状態では、主制御手段の検出禁止手段によって、入賞検出手段の検出(又は、検出結果の読み込み)が禁止されるので、誤った検出結果を読み込むことがないという効果がある。
【0069】
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。主制御手段へ駆動電圧を供給する電源は、払出制御手段へ駆動電圧を供給する電源と共用されている。即ち、主制御手段と払出制御手段とは同一電源から駆動電圧の供給を受けているので、停電等の発生によって遊技機の電力が切断された場合、主制御手段と払出制御手段とは略同一のタイミングで動作不能となる。よって、残数記憶手段の内容をバックアップする払出制御手段と、その払出制御手段の残数記憶手段の内容を更新させる主制御手段とを、停電等の発生時に略同一のタイミングで停止させることができる。従って、一方の制御手段の停止中に、他方の制御手段が動作しているという不安定な状態を解消して、残数記憶手段の内容を正確にバックアップすることができるという効果がある。
【0070】
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段は、入賞検出手段の駆動電圧の値をアナログ値からデジタル値に変換して検出する電圧値検出手段を備えているので、その電圧値検出手段の出力値に基づいて、入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になったことを検出することができるという効果がある。
【0071】
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段は、入賞検出手段の駆動電圧が所定電圧値以上である場合にハイ信号又はロウ信号を出力し、所定電圧未満である場合にロウ信号又はハイ信号を出力する駆動電圧検出回路を備えており、その駆動電圧検出回路からロウ信号又はハイ信号が出力された場合に、検出禁止手段を作動して入賞検出手段による検出を禁止する。よって、かかる所定電圧値を、入賞検出手段の正常動作範囲の電圧値に基づいて設定することにより、駆動電圧検出回路の出力によって、入賞検出手段の駆動電圧が正常動作範囲外の電圧値になったことを検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 停電等の発生によりパチンコ機の電源が切断された場合に電源基板から出力される各駆動電圧の変化の様子を示した図である。
【図4】 主制御基板で実行されるリセット割込処理のフローチャートである。
【図5】 払出制御基板の外部割込で実行される停電割込処理のフローチャートである。
【図6】 払出制御基板の受信割込で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。
【図7】 払出制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2 入賞口
4 第1種始動口(入賞口)
5 特定入賞口(入賞口)
5a Vゾーン(入賞口)
17 普通入賞スイッチ(入賞検出手段)
18 第1種始動口スイッチ(入賞検出手段)
19 Vカウントスイッチ(入賞検出手段)
20 10カウントスイッチ(入賞検出手段)
33a 残賞球数カウンタ(残数記憶手段)
33d 停電発生フラグ
34 バックアップ用コンデンサ(バックアップ手段)
41 外部電源
42 DC24V生成回路
43 DC12V生成回路
44 DC5V生成回路(電源)
45 停電監視回路
45a 停電信号
C 主制御基板(主制御手段)
D 電源基板
H 払出制御基板(払出制御手段)
P パチンコ機(遊技機)
S3:No 検出禁止手段
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