JP2001170141A - 蒸気滅菌処理方法 - Google Patents
蒸気滅菌処理方法Info
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- JP2001170141A JP2001170141A JP35798799A JP35798799A JP2001170141A JP 2001170141 A JP2001170141 A JP 2001170141A JP 35798799 A JP35798799 A JP 35798799A JP 35798799 A JP35798799 A JP 35798799A JP 2001170141 A JP2001170141 A JP 2001170141A
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- sterilization
- sterilization chamber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】滅菌処理物を蒸気滅菌するときの処理速度・処
理効率・信頼性などを高めることのできる蒸気滅菌処理
方法を提供する。 【解決手段】蒸気滅菌処理方法において、滅菌チャンバ
11内の温度を検出するための滅菌チャンバ温度センサ
21と、滅菌処理物42の温度を検出するための滅菌処
理物温度センサ22とを滅菌チャンバ11に備えてお
く。蒸気滅菌処理の開始後、滅菌チャンバ11内の温度
と滅菌処理物42の温度とをそれぞれの温度センサ21
・22で検出しつつ、滅菌処理物42の温度が滅菌設定
温度に到達するまでは滅菌チャンバ11内の温度を滅菌
設定温度以上に保持する。滅菌処理物42の温度が滅菌
設定温度に到達したときは滅菌チャンバ11内の温度を
制御しつつ滅菌処理物42を滅菌設定温度に保持する。
理効率・信頼性などを高めることのできる蒸気滅菌処理
方法を提供する。 【解決手段】蒸気滅菌処理方法において、滅菌チャンバ
11内の温度を検出するための滅菌チャンバ温度センサ
21と、滅菌処理物42の温度を検出するための滅菌処
理物温度センサ22とを滅菌チャンバ11に備えてお
く。蒸気滅菌処理の開始後、滅菌チャンバ11内の温度
と滅菌処理物42の温度とをそれぞれの温度センサ21
・22で検出しつつ、滅菌処理物42の温度が滅菌設定
温度に到達するまでは滅菌チャンバ11内の温度を滅菌
設定温度以上に保持する。滅菌処理物42の温度が滅菌
設定温度に到達したときは滅菌チャンバ11内の温度を
制御しつつ滅菌処理物42を滅菌設定温度に保持する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気滅菌処理の技術
分野に属するものであって、用済みや未滅菌の器物・機
材・培地(培養基)・その他を処理対象物とする滅菌処
理方法に関する。
分野に属するものであって、用済みや未滅菌の器物・機
材・培地(培養基)・その他を処理対象物とする滅菌処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】器物・機材・培地・その他を滅菌処理す
るための手段として高温の蒸気を用いる方法が広く普及
している。とくにコストが掛からない点ではオートクレ
ーブのような蒸気滅菌処理装置がよく用いられる。図3
はこの種の装置(オートクレーブ)の一例として加圧排
気式のものを示している。以下、図3の装置による蒸気
滅菌処理方法について説明する。
るための手段として高温の蒸気を用いる方法が広く普及
している。とくにコストが掛からない点ではオートクレ
ーブのような蒸気滅菌処理装置がよく用いられる。図3
はこの種の装置(オートクレーブ)の一例として加圧排
気式のものを示している。以下、図3の装置による蒸気
滅菌処理方法について説明する。
【0003】図3の装置において、準備段階のときは、
滅菌チャンバ1の開閉蓋2を開け、滅菌チャンバ1の液
溜部3に一定量の水4を入れておく。滅菌処理物5は滅
菌用袋6内に投入されており、その滅菌用袋6は収容缶
7内に収容されているから、かかる収容缶7も運転の直
前までに滅菌チャンバ1内に入れておく。このとき収容
缶7内の滅菌用袋6は図3のごとく口が開いている。運
転に際しては滅菌チャンバ1を開閉蓋2で閉じた後、液
溜部3の水4をヒータ8により加熱して蒸発させる。こ
うして発生させた蒸気は内底板9の上方へと行きわた
る。このときの滅菌チャンバ1内は大気圧よりも高圧に
なるから、その差圧を利用して滅菌チャンバ1内を排気
する。具体的には滅菌チャンバ1に接続された排気管
(図示せず)を一時的に開放して滅菌チャンバ1内の気
体(空気混じりの蒸気)を外部へ排除する。以下は排気
管を閉じる。それからヒータ8による発生蒸気を利用し
て滅菌チャンバ1内を121℃の滅菌設定温度に到達さ
せ、その温度を約20分間保持する。従来法では、滅菌
処理物5に付着した菌がこのような処理で死滅したとみ
る。
滅菌チャンバ1の開閉蓋2を開け、滅菌チャンバ1の液
溜部3に一定量の水4を入れておく。滅菌処理物5は滅
菌用袋6内に投入されており、その滅菌用袋6は収容缶
7内に収容されているから、かかる収容缶7も運転の直
前までに滅菌チャンバ1内に入れておく。このとき収容
缶7内の滅菌用袋6は図3のごとく口が開いている。運
転に際しては滅菌チャンバ1を開閉蓋2で閉じた後、液
溜部3の水4をヒータ8により加熱して蒸発させる。こ
うして発生させた蒸気は内底板9の上方へと行きわた
る。このときの滅菌チャンバ1内は大気圧よりも高圧に
なるから、その差圧を利用して滅菌チャンバ1内を排気
する。具体的には滅菌チャンバ1に接続された排気管
(図示せず)を一時的に開放して滅菌チャンバ1内の気
体(空気混じりの蒸気)を外部へ排除する。以下は排気
管を閉じる。それからヒータ8による発生蒸気を利用し
て滅菌チャンバ1内を121℃の滅菌設定温度に到達さ
せ、その温度を約20分間保持する。従来法では、滅菌
処理物5に付着した菌がこのような処理で死滅したとみ
る。
【0004】上記従来法につき、温度を縦軸、時間を横
軸にして滅菌チャンバ1内や滅菌処理物5の温度変化を
示したのが図4である。図4の実線の実線を参照して明
らかなように、滅菌チャンバ1内の温度は空気排除ステ
ップS01のときに100℃を超えようになり、その
後、温度上昇ステップS02や滅菌ステップS03を経
ることで121℃の滅菌設定温度に達する。このとき
は、また、図4の点線で示す滅菌処理物5の温度も滅菌
チャンバ1内の温度上昇に比例して上昇する。とはい
え、滅菌処理物5の温度は滅菌ステップS03の終了間
際において滅菌設定温度に近づくだけである。それに滅
菌処理物5の温度が滅菌設定温度に到達することもな
い。滅菌ステップS03のあとには排気ステップS04
がある。したがって滅菌ステップS03のあと、排気ス
テップS04を終えることで運転が完了する。
軸にして滅菌チャンバ1内や滅菌処理物5の温度変化を
示したのが図4である。図4の実線の実線を参照して明
らかなように、滅菌チャンバ1内の温度は空気排除ステ
ップS01のときに100℃を超えようになり、その
後、温度上昇ステップS02や滅菌ステップS03を経
ることで121℃の滅菌設定温度に達する。このとき
は、また、図4の点線で示す滅菌処理物5の温度も滅菌
チャンバ1内の温度上昇に比例して上昇する。とはい
え、滅菌処理物5の温度は滅菌ステップS03の終了間
際において滅菌設定温度に近づくだけである。それに滅
菌処理物5の温度が滅菌設定温度に到達することもな
い。滅菌ステップS03のあとには排気ステップS04
がある。したがって滅菌ステップS03のあと、排気ス
テップS04を終えることで運転が完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような蒸気滅菌
処理法の一般的傾向として、滅菌処理物5の処理量が多
いときや滅菌用袋6内の残留空気量が多いときは、滅菌
処理物5が滅菌設定温度に到達するまでに時間の掛かる
ことが指摘できる。このようなケースでは滅菌チャンバ
1内が滅菌設定温度に達していても滅菌処理物5はその
温度域に達しないことが多い。しかるに従来法は、滅菌
チャンバ1内の温度だけを温度センサ10で検出し、そ
の検出結果に基づいて滅菌チャンバ1内を温度制御した
り制御後の温度を一定時間保持したりしている。これは
滅菌チャンバ1内の温度検出のみに終始し、滅菌処理物
5の温度を直接確認していないのであるから、所定温度
未満で滅菌処理物5の処理を終えてしまうという滅菌不
良が生じる。しかも培地滅菌を行う場合、従来法のよう
に温度上昇速度が緩速であると、培地の栄養素が破壊さ
れる。
処理法の一般的傾向として、滅菌処理物5の処理量が多
いときや滅菌用袋6内の残留空気量が多いときは、滅菌
処理物5が滅菌設定温度に到達するまでに時間の掛かる
ことが指摘できる。このようなケースでは滅菌チャンバ
1内が滅菌設定温度に達していても滅菌処理物5はその
温度域に達しないことが多い。しかるに従来法は、滅菌
チャンバ1内の温度だけを温度センサ10で検出し、そ
の検出結果に基づいて滅菌チャンバ1内を温度制御した
り制御後の温度を一定時間保持したりしている。これは
滅菌チャンバ1内の温度検出のみに終始し、滅菌処理物
5の温度を直接確認していないのであるから、所定温度
未満で滅菌処理物5の処理を終えてしまうという滅菌不
良が生じる。しかも培地滅菌を行う場合、従来法のよう
に温度上昇速度が緩速であると、培地の栄養素が破壊さ
れる。
【0006】
【発明の目的】本発明はこのような技術的課題に鑑み、
滅菌処理物を蒸気滅菌するときの処理速度・処理効率・
信頼性などを高めることのできる蒸気滅菌処理方法を提
供しようとするものである。
滅菌処理物を蒸気滅菌するときの処理速度・処理効率・
信頼性などを高めることのできる蒸気滅菌処理方法を提
供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蒸気滅菌処
理方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決
手段を特徴とする。すなわち請求項1記載の課題解決手
段は、滅菌処理物を入れたものであって口の開いている
滅菌処理物収納体を滅菌チャンバ内に納め、滅菌チャン
バを気密に保持した後、滅菌処理物収納体内の滅菌処理
物を滅菌チャンバ内で高温蒸気と接触させて蒸気滅菌処
理する方法において、滅菌チャンバ内の温度を検出する
ための滅菌チャンバ温度センサと、上記のようにして滅
菌チャンバ内に納められた滅菌処理物の温度を検出する
ための滅菌処理物温度センサとを滅菌チャンバに備えて
おくこと、および、蒸気滅菌処理の開始後、滅菌チャン
バ内の温度と滅菌処理物の温度とをそれぞれの温度セン
サで検出しつつ、滅菌処理物の温度が滅菌設定温度に到
達するまでは滅菌チャンバ内の温度を滅菌設定温度以上
に保持すること、および、滅菌処理物の温度が滅菌設定
温度に到達したときは滅菌チャンバ内の温度を制御しつ
つ滅菌処理物を滅菌設定温度に保持することを特徴とす
る。
理方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決
手段を特徴とする。すなわち請求項1記載の課題解決手
段は、滅菌処理物を入れたものであって口の開いている
滅菌処理物収納体を滅菌チャンバ内に納め、滅菌チャン
バを気密に保持した後、滅菌処理物収納体内の滅菌処理
物を滅菌チャンバ内で高温蒸気と接触させて蒸気滅菌処
理する方法において、滅菌チャンバ内の温度を検出する
ための滅菌チャンバ温度センサと、上記のようにして滅
菌チャンバ内に納められた滅菌処理物の温度を検出する
ための滅菌処理物温度センサとを滅菌チャンバに備えて
おくこと、および、蒸気滅菌処理の開始後、滅菌チャン
バ内の温度と滅菌処理物の温度とをそれぞれの温度セン
サで検出しつつ、滅菌処理物の温度が滅菌設定温度に到
達するまでは滅菌チャンバ内の温度を滅菌設定温度以上
に保持すること、および、滅菌処理物の温度が滅菌設定
温度に到達したときは滅菌チャンバ内の温度を制御しつ
つ滅菌処理物を滅菌設定温度に保持することを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明に係る蒸気滅菌処理方法は、滅菌処理の
際、滅菌チャンバ内の温度を滅菌チャンバ温度センサで
検出するだけでなく、滅菌処理物の温度も滅菌処理物温
度センサで検出する。滅菌チャンバについていえば、こ
れの内部温度を滅菌チャンバ温度センサで検出しながら
ここを温度上昇させて滅菌設定温度以上に保持する。こ
のような温度上昇手段で滅菌チャンバ内を高温化する場
合は、滅菌処理物の処理量が多いときや滅菌用袋内の残
留空気量が多いときでも、滅菌処理物が短時間で温度上
昇する。滅菌処理物については、これが滅菌設定温度に
到達したことを滅菌処理物温度センサで検出する。その
後は、滅菌チャンバ内の温度を制御しつつ滅菌処理物を
滅菌設定温度に保持し、所定時間が経過するのを待てば
よい。かくて滅菌処理物は滅菌設定温度の高温蒸気に所
定時間曝される。したがって滅菌不良が生じない。この
方法のように、滅菌処理物が滅菌設定温度に到達したこ
とを滅菌処理物温度センサで確認して温度制御するとき
は、また、蒸気滅菌処理の信頼性が高まるばかりか、滅
菌チャンバ内を短時間で滅菌処理温度に到達させるか
ら、熱エネルギのロスを抑制することができる。これら
は滅菌処理物の処理量が多いときにも有効であるから、
滅菌効率も高まる。
際、滅菌チャンバ内の温度を滅菌チャンバ温度センサで
検出するだけでなく、滅菌処理物の温度も滅菌処理物温
度センサで検出する。滅菌チャンバについていえば、こ
れの内部温度を滅菌チャンバ温度センサで検出しながら
ここを温度上昇させて滅菌設定温度以上に保持する。こ
のような温度上昇手段で滅菌チャンバ内を高温化する場
合は、滅菌処理物の処理量が多いときや滅菌用袋内の残
留空気量が多いときでも、滅菌処理物が短時間で温度上
昇する。滅菌処理物については、これが滅菌設定温度に
到達したことを滅菌処理物温度センサで検出する。その
後は、滅菌チャンバ内の温度を制御しつつ滅菌処理物を
滅菌設定温度に保持し、所定時間が経過するのを待てば
よい。かくて滅菌処理物は滅菌設定温度の高温蒸気に所
定時間曝される。したがって滅菌不良が生じない。この
方法のように、滅菌処理物が滅菌設定温度に到達したこ
とを滅菌処理物温度センサで確認して温度制御するとき
は、また、蒸気滅菌処理の信頼性が高まるばかりか、滅
菌チャンバ内を短時間で滅菌処理温度に到達させるか
ら、熱エネルギのロスを抑制することができる。これら
は滅菌処理物の処理量が多いときにも有効であるから、
滅菌効率も高まる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る滅菌処理方法の実施
形態について、添付の図面を参照して説明する。
形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0010】本発明方法を実施するために用いる加圧排
気式蒸気滅菌処理装置(オートクレーブ)の例示にすぎ
ない図1において、11は滅菌チャンバ、21は滅菌チ
ャンバ温度センサ・22は滅菌処理物温度センサ、31
は収容缶、41は滅菌処理物を入れるための滅菌処理物
収納体、42は滅菌処理物、43は蒸発用の水をそれぞ
れ示す。
気式蒸気滅菌処理装置(オートクレーブ)の例示にすぎ
ない図1において、11は滅菌チャンバ、21は滅菌チ
ャンバ温度センサ・22は滅菌処理物温度センサ、31
は収容缶、41は滅菌処理物を入れるための滅菌処理物
収納体、42は滅菌処理物、43は蒸発用の水をそれぞ
れ示す。
【0011】滅菌チャンバ11は滅菌釜と称されたりも
する。滅菌チャンバ11は耐熱性・耐圧性・耐食性など
を有する材料たとえば金属でつくられている。滅菌チャ
ンバ11の開放された上面には開閉蓋12が設けられて
おり、滅菌チャンバ11内の下部には脚13を有する内
底板14が配置されている。内底板14は一例として耐
熱性の簀の子からなり、他の一例として耐熱性の多孔板
からなる。滅菌チャンバ11内において、内底板14下
にある空間は液溜部15として利用される。液溜部15
には電気ヒータなど周知のヒータ16が配設されてい
る。このような滅菌チャンバ11は、通常、開閉自在な
上蓋を有する外槽内に配置されてそこに組み込まれてい
る。
する。滅菌チャンバ11は耐熱性・耐圧性・耐食性など
を有する材料たとえば金属でつくられている。滅菌チャ
ンバ11の開放された上面には開閉蓋12が設けられて
おり、滅菌チャンバ11内の下部には脚13を有する内
底板14が配置されている。内底板14は一例として耐
熱性の簀の子からなり、他の一例として耐熱性の多孔板
からなる。滅菌チャンバ11内において、内底板14下
にある空間は液溜部15として利用される。液溜部15
には電気ヒータなど周知のヒータ16が配設されてい
る。このような滅菌チャンバ11は、通常、開閉自在な
上蓋を有する外槽内に配置されてそこに組み込まれてい
る。
【0012】滅菌チャンバ温度センサ21と滅菌処理物
温度センサ22は代表的一例として抵抗式センサ(金属
測温抵抗体)からなるが、他の例として熱電式センサ
(熱電対)やサーミスタ式センサからなることもある。
これらのうちで滅菌チャンバ温度センサ21は、滅菌チ
ャンバ11内の温度を検出すべく滅菌チャンバ11の胴
部壁に取り付けられている。これに対する滅菌処理物温
度センサ22は、滅菌チャンバ11内に納められた滅菌
処理物収納体41内の温度を検出するため滅菌チャンバ
11内に配置されており、そのリード線が滅菌チャンバ
11外に引き出されている。これら二つの温度センサ2
1・22は、また、中央演算処理装置・温度設定器・温
度比較器・温度制御器・計時機構などを含む電気的な制
御盤23に接続されている。
温度センサ22は代表的一例として抵抗式センサ(金属
測温抵抗体)からなるが、他の例として熱電式センサ
(熱電対)やサーミスタ式センサからなることもある。
これらのうちで滅菌チャンバ温度センサ21は、滅菌チ
ャンバ11内の温度を検出すべく滅菌チャンバ11の胴
部壁に取り付けられている。これに対する滅菌処理物温
度センサ22は、滅菌チャンバ11内に納められた滅菌
処理物収納体41内の温度を検出するため滅菌チャンバ
11内に配置されており、そのリード線が滅菌チャンバ
11外に引き出されている。これら二つの温度センサ2
1・22は、また、中央演算処理装置・温度設定器・温
度比較器・温度制御器・計時機構などを含む電気的な制
御盤23に接続されている。
【0013】上面開放型の収容缶31は滅菌処理物収納
体41を入れて取り扱うために用いられるもので、これ
は保護容器でもある。収容缶31も主に耐熱性を有する
金属でつくられている。滅菌処理物42を収集するため
の滅菌処理物収納体41は代表的一例として耐熱性や耐
食性を有するシート材でつくられた滅菌袋からなる。こ
れ以外の例として、滅菌処理物収納体41がフラスコや
ビーカのごとき上面開放型の容器からなることがあり、
それらも耐熱性や耐食性を有している。滅菌処理の対象
物であるところの滅菌処理物(被滅菌物)42について
は、医療用器材や分析用器具など各種の用済み器物や未
滅菌器物がこれに該当する。そのほか、培地(培養基)
のようなものも滅菌処理物42になることがある。これ
ら以外の液体・固体・半固形物が滅菌処理物42になる
こともある。滅菌処理物42は、通常、これを滅菌処理
物収納体41に入れ、該収納体41を収容缶31内に収
容するという態様で取り扱われる。液溜部15内に供給
される水43の代表的一例は上水である。
体41を入れて取り扱うために用いられるもので、これ
は保護容器でもある。収容缶31も主に耐熱性を有する
金属でつくられている。滅菌処理物42を収集するため
の滅菌処理物収納体41は代表的一例として耐熱性や耐
食性を有するシート材でつくられた滅菌袋からなる。こ
れ以外の例として、滅菌処理物収納体41がフラスコや
ビーカのごとき上面開放型の容器からなることがあり、
それらも耐熱性や耐食性を有している。滅菌処理の対象
物であるところの滅菌処理物(被滅菌物)42について
は、医療用器材や分析用器具など各種の用済み器物や未
滅菌器物がこれに該当する。そのほか、培地(培養基)
のようなものも滅菌処理物42になることがある。これ
ら以外の液体・固体・半固形物が滅菌処理物42になる
こともある。滅菌処理物42は、通常、これを滅菌処理
物収納体41に入れ、該収納体41を収容缶31内に収
容するという態様で取り扱われる。液溜部15内に供給
される水43の代表的一例は上水である。
【0014】本発明方法を実施するとき、すなわち、図
1の装置を用いて滅菌処理物42を滅菌処理するとき
も、準備段階を終えた後に装置を運転状態にして滅菌処
理物42を滅菌処理する。以下これらについて説明す
る。
1の装置を用いて滅菌処理物42を滅菌処理するとき
も、準備段階を終えた後に装置を運転状態にして滅菌処
理物42を滅菌処理する。以下これらについて説明す
る。
【0015】準備段階のときは、開閉蓋12を開けて滅
菌チャンバ11の液溜部15内に一定量の水43を入れ
ておく。滅菌処理物42は滅菌処理物収納体41内に投
入された状態で収容缶31内に収容されているから、収
容缶31も運転の直前までに滅菌チャンバ11内に入れ
ておく。なお、収容缶31内の滅菌処理物収納体41は
滅菌チャンバ11内において図1のごとく口が開いてい
る。運転のときは、滅菌チャンバ11を開閉蓋12で閉
じた後、液溜部15の水43をヒータ16で加熱して蒸
発させる。かくて発生させた蒸気は内底板14の上方へ
と行きわたる。このとき滅菌チャンバ11内は大気圧よ
りも高圧になるから、そのような差圧を利用して滅菌チ
ャンバ11内を排気する。具体的には滅菌チャンバ11
に接続された排気管(図示せず)を一時的に開放して滅
菌チャンバ11内の流体(空気混じりの蒸気)を外部へ
排除する。その後に排気管を閉じる。それからヒータ1
6による発生蒸気を利用して滅菌チャンバ11内を12
1℃の滅菌設定温度に到達させ、その温度を約20分間
保持する。こうすることで滅菌処理物42に付着した菌
が全滅する。あとは滅菌チャンバ11内を排気するだけ
である。
菌チャンバ11の液溜部15内に一定量の水43を入れ
ておく。滅菌処理物42は滅菌処理物収納体41内に投
入された状態で収容缶31内に収容されているから、収
容缶31も運転の直前までに滅菌チャンバ11内に入れ
ておく。なお、収容缶31内の滅菌処理物収納体41は
滅菌チャンバ11内において図1のごとく口が開いてい
る。運転のときは、滅菌チャンバ11を開閉蓋12で閉
じた後、液溜部15の水43をヒータ16で加熱して蒸
発させる。かくて発生させた蒸気は内底板14の上方へ
と行きわたる。このとき滅菌チャンバ11内は大気圧よ
りも高圧になるから、そのような差圧を利用して滅菌チ
ャンバ11内を排気する。具体的には滅菌チャンバ11
に接続された排気管(図示せず)を一時的に開放して滅
菌チャンバ11内の流体(空気混じりの蒸気)を外部へ
排除する。その後に排気管を閉じる。それからヒータ1
6による発生蒸気を利用して滅菌チャンバ11内を12
1℃の滅菌設定温度に到達させ、その温度を約20分間
保持する。こうすることで滅菌処理物42に付着した菌
が全滅する。あとは滅菌チャンバ11内を排気するだけ
である。
【0016】本発明方法は上記のような蒸気滅菌処理の
ときに、滅菌チャンバ11内の温度を滅菌チャンバ温度
センサ21で検出したり滅菌処理物42の温度を滅菌処
理物温度センサ22で検出したりしてこれらの温度を制
御する。以下これについて説明する。
ときに、滅菌チャンバ11内の温度を滅菌チャンバ温度
センサ21で検出したり滅菌処理物42の温度を滅菌処
理物温度センサ22で検出したりしてこれらの温度を制
御する。以下これについて説明する。
【0017】滅菌チャンバ温度センサ21や滅菌処理物
温度センサ22で検出した温度検出信号は制御盤23に
対しリアルタイムで入力されるから、制御盤23は滅菌
チャンバ11内の現在温度や滅菌処理物42の現在温度
など所定の温度情報(電気信号)を定常的に受けること
になる。こうして温度情報を受ける制御盤23は、滅菌
処理物42の温度が滅菌設定温度(121℃)に到達す
るまでの間、ヒータ16をオン状態に維持して蒸気の発
生を続行させる。これで滅菌チャンバ11内は急速に温
度上昇していき、滅菌設定温度を上回る温度域に達す
る。滅菌チャンバ11内がこの後も滅菌設定温度以上に
保持されると、滅菌処理物42も温度上昇してついには
滅菌設定温度になる。滅菌処理物42が滅菌設定温度に
到達すると、この時点から計時がはじまり、制御盤23
はヒータ16をオン・オフ制御しながら滅菌処理物42
を所定時間だけ滅菌設定温度に保持する。この後、所定
時間が経過すると、制御盤23はヒータ16をオフに
し、滅菌チャンバ11内を排気する。
温度センサ22で検出した温度検出信号は制御盤23に
対しリアルタイムで入力されるから、制御盤23は滅菌
チャンバ11内の現在温度や滅菌処理物42の現在温度
など所定の温度情報(電気信号)を定常的に受けること
になる。こうして温度情報を受ける制御盤23は、滅菌
処理物42の温度が滅菌設定温度(121℃)に到達す
るまでの間、ヒータ16をオン状態に維持して蒸気の発
生を続行させる。これで滅菌チャンバ11内は急速に温
度上昇していき、滅菌設定温度を上回る温度域に達す
る。滅菌チャンバ11内がこの後も滅菌設定温度以上に
保持されると、滅菌処理物42も温度上昇してついには
滅菌設定温度になる。滅菌処理物42が滅菌設定温度に
到達すると、この時点から計時がはじまり、制御盤23
はヒータ16をオン・オフ制御しながら滅菌処理物42
を所定時間だけ滅菌設定温度に保持する。この後、所定
時間が経過すると、制御盤23はヒータ16をオフに
し、滅菌チャンバ11内を排気する。
【0018】かかる本発明方法について、温度を縦軸か
つ時間を横軸にして滅菌チャンバ11内や滅菌処理物収
納体41内の温度変化を示したのが図2である。図2の
実線を参照して明らかなように、滅菌チャンバ11内の
温度は空気排除ステップS11の段階から上昇してお
り、その後の温度上昇ステップS12を経ることで滅菌
設定温度(121℃)を上回る温度域に達している。一
方、図2の点線で示した滅菌処理物収納体41内の温度
も滅菌チャンバ11内の温度上昇に比例して上昇してお
り、滅菌ステップS13に入るときには滅菌チャンバ1
1内も滅菌設定温度を上回る温度に到達している。した
がって滅菌ステップS1 3では滅菌処理物42を滅菌設
定温度に保持しながら滅菌チャンバ11内の温度を徐々
に下げるという温度制御を行う。滅菌ステップS13の
あとは排気ステップS14を終えることで運転が完了す
る。
つ時間を横軸にして滅菌チャンバ11内や滅菌処理物収
納体41内の温度変化を示したのが図2である。図2の
実線を参照して明らかなように、滅菌チャンバ11内の
温度は空気排除ステップS11の段階から上昇してお
り、その後の温度上昇ステップS12を経ることで滅菌
設定温度(121℃)を上回る温度域に達している。一
方、図2の点線で示した滅菌処理物収納体41内の温度
も滅菌チャンバ11内の温度上昇に比例して上昇してお
り、滅菌ステップS13に入るときには滅菌チャンバ1
1内も滅菌設定温度を上回る温度に到達している。した
がって滅菌ステップS1 3では滅菌処理物42を滅菌設
定温度に保持しながら滅菌チャンバ11内の温度を徐々
に下げるという温度制御を行う。滅菌ステップS13の
あとは排気ステップS14を終えることで運転が完了す
る。
【0019】本発明方法において、滅菌チャンバ温度セ
ンサ21や滅菌処理物温度センサ22はそれぞれ一つだ
けでも二つ以上でもよい。とくに滅菌処理物温度センサ
22については、これが一つのだけ場合、滅菌処理物収
納体41内の温度上昇の最も遅い部位たとえば滅菌処理
物収納体41内の略中央部に挿入されるのが望ましい。
滅菌処理物温度センサ22を複数用いるときも、それら
は滅菌処理物収納体41内にあって温度上昇の遅い各部
位にそれぞれ挿入される。
ンサ21や滅菌処理物温度センサ22はそれぞれ一つだ
けでも二つ以上でもよい。とくに滅菌処理物温度センサ
22については、これが一つのだけ場合、滅菌処理物収
納体41内の温度上昇の最も遅い部位たとえば滅菌処理
物収納体41内の略中央部に挿入されるのが望ましい。
滅菌処理物温度センサ22を複数用いるときも、それら
は滅菌処理物収納体41内にあって温度上昇の遅い各部
位にそれぞれ挿入される。
【0020】
【発明の効果】本発明に係る滅菌処理方法は、滅菌処理
のときに滅菌チャンバ内の温度や滅菌処理物の温度を所
定の各温度センサで検出し、それらの温度情報に基づい
てそれぞれの温度を制御する。この双方の温度情報に基
づいて温度制御しつつ滅菌処理するときは下記のような
効果が得られる。
のときに滅菌チャンバ内の温度や滅菌処理物の温度を所
定の各温度センサで検出し、それらの温度情報に基づい
てそれぞれの温度を制御する。この双方の温度情報に基
づいて温度制御しつつ滅菌処理するときは下記のような
効果が得られる。
【0021】滅菌チャンバ内を滅菌設定温度以上に保持
して滅菌処理物を早期に滅菌設定温度に到達させるか
ら、蒸気滅菌処理時の処理速度が高まる。とくに培地の
ような滅菌処理物では、処理速度が速いことによって培
地栄養素の破壊を防止することができる。
して滅菌処理物を早期に滅菌設定温度に到達させるか
ら、蒸気滅菌処理時の処理速度が高まる。とくに培地の
ような滅菌処理物では、処理速度が速いことによって培
地栄養素の破壊を防止することができる。
【0022】滅菌処理物温度センサによって滅菌処理物
の温度を検出するから、滅菌設定温度未満の温度で滅菌
処理物の処理を終えてしまうことがない。ゆえに滅菌不
良をきたすことがなく蒸気滅菌処理の信頼性が高まる。
の温度を検出するから、滅菌設定温度未満の温度で滅菌
処理物の処理を終えてしまうことがない。ゆえに滅菌不
良をきたすことがなく蒸気滅菌処理の信頼性が高まる。
【0023】滅菌チャンバ温度センサや滅菌処理物温度
センサなど二種の温度センサに依存して合理的に温度制
御するから、滅菌設定温度に到達した後の滅菌処理物に
ついて、熱エネルギを浪費することなくその温度域に保
持することができる。また、滅菌処理物量や残留空気量
が多い場合でも、上記のごとく適切に滅菌処理すること
ができるから、処理効率も高まる。
センサなど二種の温度センサに依存して合理的に温度制
御するから、滅菌設定温度に到達した後の滅菌処理物に
ついて、熱エネルギを浪費することなくその温度域に保
持することができる。また、滅菌処理物量や残留空気量
が多い場合でも、上記のごとく適切に滅菌処理すること
ができるから、処理効率も高まる。
【図1】本発明方法の一実施形態をこれに用いる装置と
共に略示した縦断面図である。
共に略示した縦断面図である。
【図2】本発明方法における各ステップの一例を示した
説明図である。
説明図である。
【図3】従来法をこれに用いる装置と共に略示した縦断
面図である。
面図である。
【図4】従来法における各ステップを示した説明図であ
る。
る。
11 滅菌チャンバ 14 内底板 15 液溜部 16 ヒータ 21 滅菌チャンバ温度センサ 22 滅菌処理物温度センサ 31 収容缶 41 滅菌処理物収納体 42 滅菌処理物 43 水 S11 空気排除ステップ S12 温度上昇ステップ S13 滅菌ステップ S14 排気ステップ
Claims (1)
- 【請求項1】滅菌処理物を入れたものであって口の開い
ている滅菌処理物収納体を滅菌チャンバ内に納め、滅菌
チャンバを気密に保持した後、滅菌処理物収納体内の滅
菌処理物を滅菌チャンバ内で高温蒸気と接触させて蒸気
滅菌処理する方法において、滅菌チャンバ内の温度を検
出するための滅菌チャンバ温度センサと、上記のように
して滅菌チャンバ内に納められた滅菌処理物の温度を検
出するための滅菌処理物温度センサとを滅菌チャンバに
備えておくこと、および、蒸気滅菌処理の開始後、滅菌
チャンバ内の温度と滅菌処理物の温度とをそれぞれの温
度センサで検出しつつ、滅菌処理物の温度が滅菌設定温
度に到達するまでは滅菌チャンバ内の温度を滅菌設定温
度以上に保持すること、および、滅菌処理物の温度が滅
菌設定温度に到達したときは滅菌チャンバ内の温度を制
御しつつ滅菌処理物を滅菌設定温度に保持することを特
徴とする蒸気滅菌処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35798799A JP2001170141A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 蒸気滅菌処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35798799A JP2001170141A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 蒸気滅菌処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001170141A true JP2001170141A (ja) | 2001-06-26 |
Family
ID=18456974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35798799A Pending JP2001170141A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 蒸気滅菌処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001170141A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012526023A (ja) * | 2009-05-08 | 2012-10-25 | ゲティンゲ ステラリゼイション アクチボラゲット | 制御冷却による滅菌方法 |
CN112691203A (zh) * | 2021-01-07 | 2021-04-23 | 曾诚 | 一种培养基用灭菌锅 |
-
1999
- 1999-12-16 JP JP35798799A patent/JP2001170141A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012526023A (ja) * | 2009-05-08 | 2012-10-25 | ゲティンゲ ステラリゼイション アクチボラゲット | 制御冷却による滅菌方法 |
CN112691203A (zh) * | 2021-01-07 | 2021-04-23 | 曾诚 | 一种培养基用灭菌锅 |
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