JP2001168148A - 電子部品実装用フィルムキャリアテープおよびその製造方法 - Google Patents

電子部品実装用フィルムキャリアテープおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の電子部品実装用フィルムキャリ
アテープの製造方法は、可撓性絶縁性フィルムと、該可
撓性絶縁性フィルムの一方の面に積層された金属箔をエ
ッチングして形成した配線パターンとを有する電子部品
実装用フィルムキャリアテープを、平坦な樹脂フィルム
と共にリールに巻回し、該巻回された電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープを減圧下に保持することを特徴と
している。本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテ
ープは、焦点深度法により測定した初期反り量Xが該テ
ープの幅に対して3%以下であり、かつこのテープを2
5℃、湿度60%の条件で120時間保持した後の反り
量をYとしたときに式W=(Y−X)/Xで表される反
り変化量Wが2.5以下である。 【効果】 本発明によれば、初期反り量が小さく、かつ
経時的に反り量の変化の少ない電子部品実装用フィルム
キャリアテープが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は反り変形が生じにくい電子
部品実装用フィルムキャリアテープ(TAB(Tape Auto
mated Bonding)テープ、T-BGA(Tape Ball Grid Arr
ay)テープ、ASIC(Application Specific Integrat
ed Circuit)テープなど)およびこのテープを製造する
方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】半導体IC、LSIなどの電子部
品を電子機器に組み込むために電子部品実装用のフィル
ムキャリアテープが使用されている。このような電子部
品実装用フィルムキャリアテープは、長尺の絶縁性フィ
ルムの表面に導電体箔を積層し、次いでこの導電体箔表
面にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに所
望の配線パターンを露光し、余剰のフォトレジストを除
去した後、残存するフォトレジストをマスキング材とし
て導電体箔をエッチングして絶縁性フィルムの表面に導
電体箔からなる配線パターンを形成することにより製造
されている。
【0003】このような電子部品実装用フィルムキャリ
アテープには、電子部品の実装方法の差異などにより、
TAB(Tape Automated Bonding)テープ、T-BGA(Ta
pe Ball Grid Array)テープなどがある。近時、電子部
品の高集積化に伴って、こうした電子部品を実装するフ
ィルムキャリアテープに形成される配線パターンも非常
にファインピッチ化しており、従って、高集積化した電
子部品のバンプとフィルムキャリアテープのリードとの
位置合わせが非常に難しくなりつつある。例えば、フィ
ルムキャリアテープに反り変形などが生じていると、リ
ードの位置とバンプ位置とが一致せず、こうした場合に
は電子部品の実装不良となる。
【0004】ところで、電子部品実装用フィルムキャリ
アテープは、ポリイミドフィルムのような可撓性を有す
る絶縁性フィルムの表面に積層された銅箔などの導電体
金属箔によって配線パターンが形成されてなり、さらに
こうして形成された配線パターンの表面にはリード部を
除いて通常この配線パターンを保護するようにソルダー
レジスト層が形成されている。
【0005】このように電子部品実装用フィルムキャリ
アテープは、絶縁性フィルムと、導電体金属箔と、ソル
ダーレジストとが積層された構成を有しており、これら
の物性は全く異なっているため、ソルダーレジストの反
応収縮、テープの保存環境の温度および湿度などのわず
かな環境の変化によって変形する。例えば、絶縁性フィ
ルムがポリイミドフィルムであり、導電体金属箔が銅箔
であるような電子部品実装用フィルムキャリアテープに
ついてみると、ポリイミドは吸水性を有し、吸水により
膨張するとの特性を有しているが、銅箔には吸水性はな
く水分によっては寸法変化しない。従って、ポリイミド
製可撓性絶縁性フィルムの表面に銅箔からなる配線パタ
ーンが形成された電子部品実装用フィルムキャリアテー
プは、室内に放置すると、ポリイミドフィルムが吸水膨
張し、配線パターンが形成された側を内側にして幅方向
に反り変形しやすい。また、ソルダーレジストには、硬
化する際に反応収縮するものが多く、従って、ソルダー
レジストを塗布した後、硬化させる際にソルダーレジス
ト塗布面側を内側にするように反り変形応力が生ずるこ
とがある。従来のように絶縁性フィルムの厚さが80〜
150μm程度である場合には、この絶縁性フィルム自
体が有する自己形態保持性が上記のような変形応力にあ
る程度抗し得るように作用していた。しかしながら、昨
今の電子製品には軽量化および小型化の要請が高く、こ
うした要請から使用される電子部品実装用フィルムキャ
リアテープも次第に薄くなっており、最近では可撓性絶
縁性フィルムとして75μm以下の非常に薄い絶縁性フ
ィルムが使用されつつある。そして、このような薄い絶
縁性フィルムを使用することにより、電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープの反り変形は大きくなる傾向があ
る。
【0006】電子部品実装用フィルムキャリアテープで
は、テープ製造直後において反り変形が少ないことが重
要な特性であるが、電子部品実装用フィルムキャリアテ
ープを製造する工程と、このテープにデバイスなどを実
装する工程とは、一般には全く別の工程であり、上述の
ような反り変形は、テープの製造工程ではなく、このテ
ープにデバイスを実装する工程においてデバイスの実装
不良として表在化する。
【0007】従って、電子部品実装用フィルムキャリア
テープを製造した直後における反り変形量が小さくて
も、このテープにデバイスを実装するまでの間に反り変
形量が増大すれば、テープを製造する際に行う反り取り
処理は全く無意味になってしまう。こうした実情にも拘
わらず、以下に示すように、電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープの製造する際のテープの反りを取り除くこ
とを改善の主眼点にして種々の提案がなされているが、
テープを製造した後デバイスを実装するまでの間の反り
変化量の低減という観点では改善されていない。
【0008】例えば、特開平6-283576号公報の請求項2
には、樹脂を基材とするフィルム上にパターンを形成し
たフレキシブル回路基板製造において、回路保護の目的
で塗布される熱硬化型ソルダーレジストを印刷後、ソル
ダーレジスト塗布側を外側にして巻き、コイルの状態で
加熱硬化させることにより、反りの発生していない状態
で実装できるフレキシブル回路基板製造方法の発明が開
示されている。
【0009】また、特開平11-111781号公報には、半導
体IC用フィルムキャリアテープをその幅方向に逆反り
を付与しながら加熱し、あるいは加熱しながらテープに
幅方向の逆そりを付与するように拘束し、冷却後、前記
逆反りを開放して該フィルムキャリアテープの幅方向の
反りを低減する方法が開示されている。これらの公報に
記載されている反り取り方法は、いずれもソルダーレジ
ストが硬化する際の反応収縮によってフィルムキャリア
テープに反りが生ずるので、ソルダーレジストが反応硬
化する前、発生が予測される反りとは反対側にフィルム
を変形させた状態でソルダーレジストを硬化させて、ソ
ルダーレジストの硬化により生ずる反りと、テープに付
与した逆反りとを相殺することにより、結果としてフィ
ルムキャリアテープの反り量を低減する方法である。
【0010】このようにソルダーレジストの硬化による
反りと、付与した逆反りとを相殺することにより製造直
後のフィルムキャリアテープの反り量は低減する。しか
しながら、ソルダーレジストの硬化反応は硬化のための
加熱時に完全に終了するわけではなく、加熱した後であ
ってもわずかであるが進行する。そして、こうしたソル
ダーレジストの硬化反応の進行に伴って、わずかではあ
るがソルダーレジストは経時的に収縮し、従って、製造
時に反り取りを行ったフィルムキャリアテープであって
も、デバイスを実装するまでの間に新たな反り変形が生
ずることがある。
【0011】また、フィルムキャリアテープに生ずる反
りの原因は、上記のようなソルダーレジストの硬化収縮
だけではなく、こうしたフィルムキャリアテープの反り
は、例えば、絶縁性フィルムとして広汎に使用されてい
るポリイミドフィルムの吸湿膨張などによっても生じ、
このような原因で生ずる反りは、従来の方法では解消さ
れない。また、フィルム厚が50μm以下の場合には逆
反りをかけるとソルダーレジストにクラックを生じると
いう新たな問題を生ずることがある。
【0012】
【発明の目的】本発明は、初期の反りが少なく、しかも
経時的にその反り量が増大しないような電子部品実装用
フィルムキャリアテープを製造する方法を提供すること
を目的としている。さらに本発明は、経時的に反り変化
量の小さい電子部品実装用フィルムキャリアテープを提
供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明の電子部品実装用フィルムキャリ
アテープは、可撓性絶縁性フィルムと、該可撓性絶縁性
フィルムの一方の面に積層された金属箔をエッチングし
て形成した配線パターンとを有する電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープであって、該電子部品実装用フィル
ムキャリアテープについて焦点深度法により測定した初
期反り量X(ただし、Xは0を超える量である)が該テ
ープの幅に対して3%以下であり、かつ該電子部品実装
用フィルムキャリアテープを温度25℃、湿度60%の
条件で120時間保持した後に同様にして測定した反り
量をYとしたときに下記式で表される反り変化量Wが2.
5以下であることを特徴している。
【0014】W=(Y−X)/X 本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープは、可
撓性絶縁性フィルムと、該可撓性絶縁性フィルムの一方
の面に積層された金属箔をエッチングして形成した配線
パターンとを有する電子部品実装用フィルムキャリアテ
ープを、平坦な樹脂フィルム(フラットスペーサー)と
共にリールに巻回し、該巻回された電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープを減圧下に保持することを特徴とし
ている。
【0015】本発明の電子部品実装用フィルムキャリア
テープには、通常は、形成された配線パターン上にリー
ド部を残してソルダーレジスト層が塗設されている。本
発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープは、可撓
性絶縁性フィルムの表面に配線パターンを形成した後、
この配線パターンの上にリード部を残してソルダーレジ
ストを塗布し、硬化させて形成されたフィルムキャリア
テープを表裏面が平坦な樹脂フィルムからなるフラット
スペーサーと共にリールに巻回して、このリールにフラ
ットスペーサーと共に巻回されたフィルムキャリアテー
プを、減圧下に所定時間保持することにより製造され
る。こうして減圧下に保持された後、この電子部品実装
用フィルムキャリアテープは、通常は、巻回状態のまま
常圧に戻され使用に供される。こうした減圧下に保持し
た後に常圧に戻す過程においてこの電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープは、常湿環境に戻され、絶縁フィル
ムは吸湿するが、このような吸湿によっても、本発明の
電子部品実装用フィルムキャリアテープに反り変形は生
じにくい。
【0016】即ち、こうして製造された電子部品実装用
フィルムキャリアテープについて焦点深度法により初期
反り量を測定すると、テープ幅に対する初期反り量が小
さく、しかもこの初期反り量に対する経時的な反り変化
量が非常に小さい。
【0017】
【発明の具体的な説明】次に本発明の電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープおよびその製造方法について図面
を参照しながら具体的に説明する。本発明の電子部品実
装用フィルムキャリアテープ1は、図1および図2に示
すように、可撓性絶縁性フィルム10と、この可撓性絶
縁性フィルム10の一方の面に形成された配線パターン
14を有しており、さらにこの配線パターン14の表面
にはデバイスなどと接続されるリード部を残してソルダ
ーレジスト18が塗布されている。
【0018】本発明で使用される可撓性絶縁性フィルム
10は可撓性を有する絶縁性の樹脂フィルムからなる。
また、この可撓性絶縁性フィルム10は、エッチングす
る際に酸などと接触することからこうした薬品に侵され
ない耐薬品性、および、ボンディングする際の加熱によ
っても変質しないような耐熱性を有している。このよう
な可撓性樹脂フィルムを形成する素材の例としては、ポ
リエステル、ポリアミドおよびポリイミドなどを挙げる
ことができる。特に本発明ではポリイミドからなるフィ
ルムを用いることが好ましい。
【0019】可撓性絶縁性フィルム10を構成するポリ
イミドフィルムの例としては、ピロメリット酸2無水物
と芳香族ジアミンとから合成される全芳香族ポリイミ
ド、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジア
ミンとから合成されるビフェニル骨格を有する全芳香族
ポリイミドを挙げることができる。特に本発明ではビフ
ェニル骨格を有する全芳香族ポリイミド(例;商品名:
ユーピレックス、宇部興産(株)製)が好ましく使用さ
れる。このような可撓性絶縁性フィルム10の厚さは、
通常は25〜125μm、好ましくは75μm以下、特
に好ましくは25〜75μmの範囲内、さらに好ましく
は50μm以下である。このような可撓性絶縁性フィル
ムとしてポリイミドを使用する場合、このポリイミドは
3%程度以下ではあるが、吸水性を有しており、ポリイ
ミドは吸水することにより膨張するとの特性を有してい
る。
【0020】本発明で使用する可撓性絶縁性フィルム1
0には、デバイスホール20、スプロケットホール2
1、アウターリードホール22、さらに屈曲部を有する
場合には、屈曲位置にフレックススリット(図示なし)
等がパンチングにより形成されている。配線パターン1
4は、上記のような所定の穴20、21、22・・・が形
成された可撓性絶縁性フィルム10の少なくとも一方の
面に積層された金属箔をエッチングすることにより形成
される。金属箔は、接着剤を用いて或いは用いることな
く可撓性絶縁性フィルム10の少なくとも一方の面に積
層される。ここで接着剤を用いて金属箔を貼着する場合
には、絶縁性の接着剤を使用して接着剤層12を形成す
る。
【0021】ここで使用される接着剤には、耐熱性、耐
薬品性、接着力、可撓性等の特性が必要になる。このよ
うな特性を有する接着剤の例としては、エポキシ系接着
剤、ポリイミド系接着剤およびフェノール系接着剤を挙
げることができる。このような接着剤は、ウレタン樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などで変
性されていてもよく、またエポキシ樹脂自体がゴム変性
されていてもよい。このような接着剤は通常は熱硬化性
である。
【0022】接着剤層12の厚さは、通常は8〜23μ
m、好ましくは10〜21μmの範囲内にある。接着剤を
使用する場合、接着剤層12は、可撓性絶縁性フィルム
10の表面に接着剤を塗布して設けても良いし、また金
属箔の表面に接着剤を塗布して設けても良い。
【0023】本発明において、撓性絶縁性フィルム10
に金属箔を積層する際に、接着剤を用いることなく積層
することもできる。また、上記のような金属箔を用いる
方法とは別に、例えば蒸着法あるいはメッキ法等によっ
ても金属層を形成することができる。さらに、このよう
な蒸着法あるいはメッキ法などにより金属層を形成する
場合に、予め極薄金属箔を用いて極薄金属層を形成し、
この極薄金属層上に、上記蒸着法あるいはメッキ法など
により金属を析出させて所望の厚さの金属層を形成して
も良い。
【0024】本発明で使用される金属箔は導電性を有す
る金属からなり、このような金属箔としては、銅箔およ
びアルミニウム箔を挙げることができる。特に本発明で
は金属箔として銅箔を使用することが好ましい。銅箔に
は、電解銅箔および圧延銅箔があり、本発明ではいずれ
の銅箔を使用することも可能であるが、ファインピッチ
の電子部品実装用フィルムキャリアテープを製造するに
際しては、金属箔として電解銅箔を使用することが好ま
しい。
【0025】ここで使用される電解銅箔としては電子部
品実装用フィルムキャリアテープの製造に通常使用され
ている厚さの電解銅箔を使用することができるが、ファ
インピッチの電子部品実装用フィルムキャリアテープを
製造するためには、平均厚さが通常は6〜150μm、
好ましくは6〜75μmの範囲内、特に好ましく8〜7
5μm、さらに好ましくは8〜50μmの範囲内にある
電解銅箔を使用する。このような平均厚さを有する電解
銅箔を使用することにより、狭ピッチ幅のインナーリー
ドを容易に形成することができる。
【0026】本発明では、上記のような可撓性絶縁性フ
ィルムに金属からなる層(金属箔層、金属メッキ層、金
属蒸着層あるいはこれらの複合金属層など)を積層して
ベースフィルムを製造する。次いで、このベースフィル
ムの金属層表面にフォトレジストを塗布し、このフォト
レジストに所定の配線パターンを焼き付けて、不要のフ
ォトレジストを除去してベースフィルムの金属層表面に
所定のパターンを形成し、このパターンをマスキング材
として、金属層をエッチングする。
【0027】即ち、ベースフィルムの金属層表面に、フ
ィトレジストを塗布し、所定の配線パターンを露光して
焼き付けして、水性媒体に可溶な部分と不溶な部分とを
形成し、可溶部を水性媒体などで除去することにより、
不溶性フォトレジストからなるマスキング材を金属層表
面に形成することができる。なお、ここで不溶性フォト
レジストからなるマスキング材は、露光することにより
硬化するフォトレジストから形成されていてもよいし、
また、逆に、露光することにより水性媒体などの特定の
溶媒に溶解可能となるフォトレジストを用いて露光した
後、特定の溶媒により可溶化された部分のフォトレジス
トを除去することによって形成することもできる。
【0028】こうしてフォトレジストによりマスキング
されたベースフィルムを、エッチング液と接触させるこ
とにより、マスキングされていない部分の金属は溶出し
て、マスキングされた部分の金属が可撓性絶縁性フィル
ム上に残り、可撓性絶縁性フィルム上に溶出しなかった
金属箔(あるいは金属層)からなる配線パターンが形成
される。ここで使用されるエッチング液としては通常使
用されている酸性のエッチング液を用いることができ
る。
【0029】こうして形成される配線パターンにおい
て、インナーリードの各ピッチ幅は、通常は20〜50
0μm、好ましくは25〜100μmであり、本発明は、
特に30〜80μmのファインピッチの電子部品実装用
フィルムキャリアテープに対して有用性が高い。なお、
このようにしてエッチングした後のマスキング材(不溶
性フォトレジスト)は、例えばアルカリ洗浄液で洗浄す
ることにより除去することができる。
【0030】本発明では、通常は、このように所定の配
線パターンを形成した後、次の工程でメッキするインナ
ーリード15の先端部およびアウターリード16の先端
部を除いてソルダーレジスト18を塗布する。本発明で
使用されるソルダーレジスト塗布液は、硬化性樹脂が有
機溶媒に溶解若しくは分散された比較的高粘度の塗布液
である。
【0031】このようなソルダーレジスト塗布液中に含
有される硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂、エポキシ系樹
脂のエラストマー変性物、ウレタン樹脂、ウレタン樹脂
のエラストマー変性物、ポリイミド樹脂、ポリイミド樹
脂のエラストマー変性物およびアクリル樹脂よりなる群
から選ばれる少なくとも一種類の樹脂成分を含有するも
のであることが好ましい。特にエラストマー変性物を使
用することが好ましい。
【0032】また、本発明において、ソルダーレジスト
塗布液中には、上記のような樹脂成分の他に、硬化促進
剤、充填剤、添加剤、チキソ剤および溶剤等、通常ソル
ダーレジスト塗布液に添加される物質を添加することが
できる。さらに、ソルダーレジスト層の可撓性等の特性
を向上させるために、ゴム微粒子のような弾性を有する
微粒子などを配合することも可能である。
【0033】このようなソルダーレジスト塗布液は、ス
クリーン印刷技術を利用して塗布することができる。ソ
ルダーレジスト塗布液は、インナーリード部およびアウ
ターリード部など、次の工程で通常メッキ処理される部
分を除いて塗布される。このようなソルダーレジスト1
8の塗布平均厚さは、通常は1〜80μm、好ましくは
5〜50μmの範囲内にある。
【0034】こうしてソルダーレジストを塗布した後、
通常は加熱することによりソルダーレジストは硬化し、
この硬化反応に伴って通常は収縮する。こうしてリード
部を残してソルダーレジストを塗布した後、ソルダーレ
ジストから露出しているリード部などにメッキ処理をす
る。このようなメッキ処理には、スズメッキ処理、金メ
ッキ処理、ニッケル下地金メッキ処理、ニッケルメッキ
処理、銀メッキ処理、半田メッキ処理などがあり、本発
明ではこれらの処理を単独であるいは組み合わせて採用
することができる。特に本発明では、スズメッキ処理が
好ましい。こうして形成されるメッキ層の平均厚さは、
0.01〜0.6μmの範囲内にあることが好ましい。
【0035】上記のようにして製造された電子部品実装
用フィルムキャリアテープは、ソルダーレジストの反応
硬化に伴う収縮、および/または、可撓性絶縁性フィル
ムの吸水による膨張などの種々の要因によって、図2に
矢印で示したように、ソルダーレジスト18塗布面を内
側にして反り変形する。本発明ではこうして製造された
電子部品実装用フィルムキャリアテープをフラットスペ
ーサーと共にリールに巻回して減圧条件下で所定時間保
持する。
【0036】本発明で使用するフラットスペーサーは、
通常は樹脂フィルムなどから形成されている。ここでフ
ラットスペーサーを形成する樹脂としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタ
レート(PEN)等のポリエステル:ポリエチレン、ポ
リプロピレンおよびLLDPE等のポリオレフィン;ポ
リアミド、ポリイミド、フッ素樹脂(テフロンTM)含浸
ガラスクロスおよび紙などを挙げることができる。この
ような樹脂で形成されるフラットスペーサーの厚さは、
通常は50μm以上であり、好ましくは50〜200μ
m、特に好ましくは75〜150μmの範囲内にある。こ
のような厚さのフラットスペーサーを使用することによ
り、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープの
初期反り量が小さくなると共に、経時的な反り量変化
(反り変化量)も小さくなる。このようなフラットスペ
ーサーとしては、巻回される電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープの幅と同等あるいはこのテープ幅に対して
±4mmの幅のテープ幅を有する樹脂フィルムが好ましく
使用される。電子部品実装用フィルムキャリアテープ
は、30〜120mmの幅を有しており、通常は35mm、
48mm、70mmのような規格で形成されており、例え
ば、70mmの電子部品実装用フィルムキャリアテープと
共に巻回されるフラットスペーサーとしては66〜74
mmの範囲内のテープ幅を有する樹脂フィルムを使用する
ことができる。
【0037】このようなフラットスペーサーは、平坦な
表裏面を有しており、従来から電子部品実装用フィルム
キャリアテープをリールに巻回する際に使用されていた
側縁部に凹凸を有するスペーサーとは異なるものであ
る。本発明で上記のようなフラットスペーサーおよび電
子部品実装用フィルムキャリアテープは、リール、好ま
しくは金属リールに巻回され、この金属リールにフラッ
トスペーサーを介して巻回された状態で減圧下に保持さ
れる。この場合、電子部品実装用フィルムキャリアテー
プの配線パターンが形成された面がリールのコア側を向
くように内側にしてフラットスペーサーと共に巻回する
こともできるし、配線パターンが形成された側を外側を
向くようにして巻回することもできる。
【0038】上記のように金属リールにフラットスペー
サーと共に巻回された電子部品実装用フィルムキャリア
テープを、通常は0.0001〜0.8気圧、好ましく
は0.005〜0.5気圧の減圧下に、通常は0.1〜
100時間、好ましくは0.5〜48時間保持する。上
記のように金属リールにフラットスペーサーと共に巻回
された電子部品実装用フィルムキャリアテープは、通常
はデシケーター(減圧庫)内に所定時間保持される。こ
のようなデシケーターは、内部を上記のような減圧下に
保持できるものであればよいが、このデシケーターが加
温あるいは加熱手段などを有していてもよい。
【0039】上記のようにして所定時間減圧下に保持し
て製造された本発明の電子部品実装用フィルムキャリア
テープについて焦点深度法により測定した反り量(初期
反り量X)は、テープ幅に対して3%以下、好ましくは
0を超え1%以下の範囲内にある。即ち、本発明の電子
部品実装用フィルムキャリアテープは製造直後の反りが
非常に少ない。ただし、通常製造されている電子部品実
装用フィルムキャリアテープにおいて減圧下に保存し、
その後巻回状態のまま常圧まで復帰させた時のテープの
反り量(初期反り量)は0よりも幾分大きい値を示す。
【0040】そして、この電子部品実装用フィルムキャ
リアテープを温度25℃、湿度60%の条件に120時
間保持した後に同様にして測定した反り量をYとしたと
きに上記初期反り量Xと、このYとの関係(W=(Y−
X)/X)で表される反り変化量Wが、2.5以下、好ま
しくは2.0以下、特に好ましくは1以下である。電子
部品実装用フィルムキャリアテープは、製造した直後の
反り量が小さくても、このテープにデバイスを実装する
際の反り量が大きいと、デバイスを実装することができ
ない。従って、電子部品実装用フィルムキャリアテープ
において実際に問題になるのは、製造直後の反り量では
なく、実装時の反り量である。そして、本発明の電子部
品実装フィルムキャリアテープは、初期反り量が非常に
小さいだけでなく、経時的にこの小さい反り量が増大し
にくいので、本発明の電子部品実装用フィルムキャリア
テープを用いることにより、デバイスを実装する際に、
デバイスのバンプ電極の位置とリードの位置とが一致
し、実装不良が生じにくい。また、実装時のテープ搬送
不良が起きにくい。図3にテープ幅が70mmである電子
部品実装用フィルムキャリアテープの経時的な反り変化
量の例を示す。図3に示すように、フラットスペーサー
と共に金属リールに巻回して減圧下に保持することによ
り、初期反り量が小さいと共にこの反り量が経時的に変
化しにくく、温度25℃、湿度60%の条件、即ち電子
部品実装用フィルムキャリアテープが保持される通常の
条件に非常に近い条件で120時間保持しても、その反
り量が非常に小さい。
【0041】なお、本発明において、反り量を測定する
焦点深度法とは、図4に示すように、焦点距離を測定可
能な顕微鏡を備えた装置に、電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープの両側縁が接触するように載置し、電子部
品実装用フィルムキャリアテープの最も高い位置の焦点
距離(a)を測定し、この焦点距離(a)と測定基板上
面に対する焦点距離(b)との差(b−a)を求め、こ
の値を電子部品実装用フィルムキャリアテープの反り量
(b−a)とする方法である。
【0042】そして、初期反り量とは、上述のようにフ
ラットスペーサーと共に金属リールに巻回して減圧下に
所定時間保持し、その後巻回状態のまま常圧まで復帰さ
せた直後の電子部品実装用フィルムキャリアテープの反
り量である(この初期反り量をXとする)。通常の場
合、反り量の測定には、減圧庫から常圧の室内にリール
を取り出す操作を経て採取された測定試料が使用される
が、これに要する時間は数分以下であり、この測定試料
採取の際に反り量は殆ど変化しない。
【0043】こうして減圧庫から取り出され、リールに
巻回された状態で室内に保持されることにより、この電
子部品実装用フィルムキャリアテープは常圧常湿条件に
復帰する。従って、上記のようにして減圧下に所定時間
保持し、減圧庫から取り出した直後に測定した反り量が
最も小さい反り量となる。ただし、この電子部品実装用
フィルムキャリアテープは可撓性絶縁性フィルム、配線
パターン、ソルダーレジストなど多数の素材が積層され
た積層体であり、こうした積層体の一般的な特性上、初
期反り量が全くない状態には極めてなりにくい(即ち、
下記式においてXが0にはならない)。
【0044】そして、本発明で規定する反り変化量は、
こうして減圧庫から取り出した電子部品実装用フィルム
キャリアテープを温度25℃、湿度60%の条件で12
0時間保持した後に上記と同様にして反り量を測定し
(この反り量をYとする)、下記式によって求めた反り
の経時的な変化量(W)である。 W=(Y−X)/X そして、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテー
プは、上記Wが2.5以下、好ましくは2.0以下、特に
好ましくは0を超え1以下の範囲内にある。
【0045】これに対してフラットスペーサーを使用せ
ずに、従来の側縁に凹凸を有するスペーサーを介して巻
回して同様に減圧下に保持した電子部品実装用フィルム
キャリアテープの反り変化量Wは2.5を超え、多くの場
合、4以上である。このように本発明の電子部品実装用
フィルムキャリアテープは、反り量の経時変化が小さ
い。図3に示す反り変化量Wが2.5を大幅に超える電子
部品実装用フィルムキャリアテープ(例えば、W=5)で
は、例えばテープ幅が70mm、インナーリードの累積
ピッチ長さが10mm、インナーリードピッチ幅が50
μmであるとすると、120時間経過後では、バンプ電
極の位置とインナーリードの位置とが、最大で70μm
程度ずれることになるので、このようなずれ幅はインナ
ーリードのピッチ幅を上回り、こうしたずれを是正しな
がらデバイスを実装することは極めて困難である。これ
に対して図3に示す反り変化量Wが2.5以下である本発
明の電子部品実装用フィルムキャリアテープでは、12
0時間経過後のバンプ電極の位置とインナーリードの位
置とのずれが最大でも25μm程度であり、こうしたリ
ードのずれは、デバイス実装の際に例えば機械的にテー
プを矯正することにより位置の是正が可能であり、良好
にデバイスを実装することができる。
【0046】このように本発明の電子部品実装用フィル
ムキャリアテープが初期反り量が小さく、しかも経時的
な反り変化量が小さくなる詳細な理由は不明であるが、
フラットスペーサーを使用して電子部品実装用フィルム
キャリアテープを巻回し、この状態で減圧下に所定時間
保持することで可撓性絶縁フィルム中の水分が蒸散して
可撓性絶縁性フィルムが収縮し、その後、巻回状態のま
ま常圧までもどしても、可撓性絶縁性フィルム中の水分
の蒸散により可撓性絶縁性フィルムが収縮した状態が維
持されること、および、そのままの状態でテープを常圧
下に戻すことでフラットスペーサーを介して巻回された
電子部品実装用フィルムキャリアテープが巻きしまり、
初期反り量が小さくなると共に、この巻きしまりによる
応力が電子部品実装用フィルムキャリアテープに残存し
て経時的な反りの発生を抑制していることによるもので
あると考えられる。
【0047】本発明の電子部品実装用フィルムキャリア
テープは、図1に示すような形態の電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープであるTABテープに限定されるも
のではなく、T-BAGテープ、出力用アウターリードを有
する例えば液晶用の電子部品実装用フィルムキャリアテ
ープ、CSPテープ、ワイヤーボンディング用フィルム
キャリアテープなどであってもよいことは勿論である。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法により製造された電子部品
実装用フィルムキャリアテープは、フラットスペーサー
と共に電子部品実装用フィルムキャリアテープを巻回し
て減圧下に所定時間保持することにより、初期反り量が
小さく、しかもこの小さい反り量が経時的に増大しにく
い。従って、本発明の方法により製造された電子部品実
装用フィルムキャリアテープを使用することにより、デ
バイスの実装不良及び実装時のテープ搬送不良が生じに
くくなる。
【0049】
【実施例】次に本発明の電子部品実装用フィルムキャリ
アテープについて実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。
【0050】
【実施例1】幅70mm、厚さ50μmのポリイミドフィ
ルムに、パンチングにより、デバイスホール、スプロケ
ットホール、アウターリードの切断スリットを形成し
た。次いで、このポリイミドフィルム表面に、エポキシ
系接着剤を塗布し、厚さ18μmの電解銅箔を貼着し
た。
【0051】さらに、この銅箔上にフォトレジストを塗
布し、このフォトレジストを露光し、さらにエッチング
することにより銅箔に配線パターンを形成した。形成し
た配線パターンにおけるリードのピッチ幅は50μmで
ある。こうして形成された配線パターンにウレタン系ソ
ルダーレジストを塗布した後、80〜140℃の温度に
段階的に2.5時間かけて昇温して加熱してソルダーレ
ジストを硬化させた。
【0052】こうしてソルダーレジスト層を形成した
後、このフィルムを無電解スズメッキ槽に移してソルダ
ーレジストが塗工されていない配線パターン(インナー
リードおよびアウターリード)表面に0.2μmの厚さ
でスズメッキ層を形成した。これとは別に、厚さ125
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
を用意した。このPETフィルムの幅はTABテープの幅
と同じ70mmであり、その表面および裏面ともに平滑面
である。
【0053】上記のようなPETフィルムとTABテー
プとを重ね合わせながら、TABテープの配線パターお
よびソルダーレジスト塗布面が金属リールのコア側を向
くようにして金属リールに巻回した。こうしてPETフ
ィルムと共に金属リールに巻回したTABテープを、デ
シケーターに入れ、このデシケーター内を0.01気圧
に減圧した。
【0054】このような減圧条件下で、TABテープを
24時間保持した。24時間経過した後、TABテープ
をデシケーターから取り出し、一部を切り取り、この切
り取ったサンプルを図4に示す装置の測定基板に配線パ
ターンが測定基板面と対峙するように載置し、このTA
Bテープの最も高い部分の焦点距離を測定したところ、
この焦点距離は、2mmであった。なお、この装置におけ
る測定基板表面の焦点距離は、1mmであり、このTAB
テープの初期反り量(X)は1mmであり、この初期反り
量は、テープ幅に対して1.4%に相当する。
【0055】このTABテープのサンプルを25℃、湿
度60%に調節された室内に放置して所定時間毎の反り
量を測定し、この反り量を図3に示す。そして、120
時間放置した後の反り量(Y)は3mmであり、これらの
値から次式によって求めた反り変化量(W)は2であっ
た。 W=(Y−X)/X
【0056】
【参考例1】実施例1において、PETフィルム製のフ
ラットスペーサーの変わりに、縁部に凹凸をつけた従来
のスペーサー(エンボススペーサー)を介して金属リー
ルに巻回した以外は同様にしてTABテープを製造し
た。このTABテープを実施例1と同様にしてデシケー
ターに入れ、このデシケーター内を上記実施例1と同様
に0.01気圧に減圧した。
【0057】このような減圧条件下で、TABテープを
24時間保持した。24時間経過後、TABテープをデ
シケーターから取り出し、実施例1と同様にして初期反
り量(X)および実施例1と同様の条件(25℃、湿度
60%に調節された室内)に放置し、このTABテープ
の経時的な反り量を測定した。このTABテープの初期
反り量(X)は、1.0mmであり、この初期反り量はテ
ープ幅に対して1.4%に相当し、上記実施例1で製造
したTABテープとほぼ同等であった。
【0058】また、上記のようにして測定した経時的な
反り量を測定し、この結果を図3に併せて記載する。こ
の測定結果から、このTABテープについて実施例1と
同等の条件(25℃、湿度60%に調節された室内)で
120時間経過後の反り量(Y)は8mmであった。こ
れらの値から120時間後の反り変化量(W)を求めた
ところ、Wは、7であった。
【0059】このようにフラットスペーサーを使用せず
に、縁部に凹凸を有する従来のスペーサーを使用した以
外は実施例1と同様にして製造したTABテープは、1
20時間経過後の反り変化量(W)が大きい。即ち、こ
の参考例1と上記実施例1とで得られたTABテープを
比較すると、フラットスペーサーを介してTABテープ
を巻回して減圧下に保持し、その後巻回状態のまま常圧
まで復帰させることにより、初期反り量にはそれほど差
はないが、経時的な反り変化量には大きな差が生ずるこ
とがわかる。
【0060】
【比較例1】実施例1に示すTABテープの製造の際に
特開平11-11178号公報の実施例1で使用した樽ロールを
有する反り取り装置を用いて逆反りをかけてTABテー
プを製造した。このようにしてタルロールを有する反り
取り装置を用いて逆反りをしたTABテープを詳細に観
察したところ、硬化したソルダーレジスト層にクラック
が生じていた。また、ここで製造したTABテープのリ
ード幅は25μmであり、このような細線化されたリー
ドを有するTABテープに樽ロールを用いて逆反りをか
けて反り取りを行ったため、上記のように細線化された
インナーリードの変形が多数発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、電子部品実装用フィルムキャリアテー
プの一例を示す図である。
【図2】図2は、図1の電子部品実装用フィルムキャリ
アテープにおけるX−X断面図である。
【図3】図3は、実施例1で製造した本発明のTABテ
ープおよび参考例1で製造したTABテープの反り量を
示すグラフである。
【図4】図4は、本発明において採用されている反り量
測定方法である焦点深度測定法についての説明図であ
る。
【符号の説明】
10・・・可撓性絶縁性フィルム 12・・・接着剤 14・・・配線パターン 15・・・インナーリード 16・・・アウターリード 18・・・ソルダーレジスト 20・・・デバイスホール 22・・・アウターリードホール 21・・・スプロケットホール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性絶縁性フィルムと、該可撓性絶縁
    性フィルムの一方の面に積層された金属箔をエッチング
    して形成した配線パターンとを有する電子部品実装用フ
    ィルムキャリアテープを、平坦な樹脂フィルムと共にリ
    ールに巻回し、該巻回された電子部品実装用フィルムキ
    ャリアテープを減圧下に保持すること特徴とする電子部
    品実装用フィルムキャリアテープの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記配線パターンの上に、リード部を残
    してソルダーレジスト層が塗設されていることを特徴と
    する請求項第1項記載の電子部品実装用フィルムキャリ
    アテープの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記可撓性絶縁性フィルムが、ポリイミ
    ドフィルムであることを特徴とする請求項第1項または
    第2項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 上記可撓性絶縁性フィルムであるポリイ
    ミドフィルムの平均厚さが75μm以下であることを特
    徴とする請求項第3項記載の電子部品実装用フィルムキ
    ャリアテープの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記該巻回された電子部品実装用フィル
    ムキャリアテープを0.0001〜0.8気圧の減圧下
    に、0.1〜100時間保持することを特徴とする請求
    項第1項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記電子部品実装用フィルムキャリアテ
    ープと共にリールに巻回される平坦な樹脂フィルムが、
    ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ
    アミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂含浸
    ガラスクロス、紙およびポリエチレンナフタレートより
    なる群から選ばれる一種類の合成樹脂フィルムであるこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィ
    ルムキャリアテープの製造方法。
  7. 【請求項7】 可撓性絶縁性フィルムと、該可撓性絶縁
    性フィルムの一方の面に積層された金属箔をエッチング
    して形成した配線パターンとを有する電子部品実装用フ
    ィルムキャリアテープであって、該電子部品実装用フィ
    ルムキャリアテープについて焦点深度法により測定した
    初期反り量X(ただし、Xは0を超える量である)が該
    テープの幅に対して3%以下であり、かつ該電子部品実
    装用フィルムキャリアテープを温度25℃、湿度60%
    の条件で120時間保持した後に同様にして測定した反
    り量をYとしたときに下記式で表される反り変化量Wが
    2.5以下であることを特徴とする電子部品実装用フィ
    ルムキャリアテープ。 W=(Y−X)/X
  8. 【請求項8】 上記配線パターンの上に、リード部を残
    してソルダーレジスト層が塗設されていることを特徴と
    する請求項第7項記載の電子部品実装用フィルムキャリ
    アテープ。
  9. 【請求項9】 上記可撓性絶縁性フィルムが、幅30〜
    120mmのポリイミドフィルムであることを特徴とする
    請求項第7項または第8項記載の電子部品実装用フィル
    ムキャリアテープ。
  10. 【請求項10】 上記可撓性絶縁性フィルムであるポリ
    イミドフィルムの平均厚さが75μm以下であることを
    特徴とする請求項第9項記載の電子部品実装用フィルム
    キャリアテープ。
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