JP2001167492A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】待機モードから記録や再生モードへの円滑かつ
正確な移行を可能とし、磁気テープに対する各種編集作
業を正確に行えるようにする。 【解決手段】テープ１１２の停止状態が所定時間経過す
ると信号を出力するタイマー回路１０３と、キャプスタ
ンモータ１０５と、前記モータの回転に対応したパルス
を出力する周波数発電機１０６と、そのパルスを計数し
その計数値を出力するカウンタ回路１０７と、待機モー
ドにおいて、前記信号の入力毎に前記パルスの計数値が
所定量変化するまで前記モータを回転させて磁気テープ
を所定方向に移送し、前記計数値が所定量変化すると前
記モータの前記回転を停止させてテープの移送を停止さ
せる動作を繰り返し制御する制御手段１０２とを具備し
た構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドにより
磁気テープ上に映像音声信号を記録再生するビデオテー
プレコーダ（ＶＴＲ）等の磁気記録再生装置に係り、よ
り詳しくは、映像編集に好適なＶＴＲおよびカメラ部と
ＶＴＲ部が一体となったカメラ一体型ＶＴＲ等の磁気記
録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁気記録再生装置として例えばＶＴＲは
編集時において、長時間磁気テープ上の同一位置を回転
ヘッドで走査させる、いわゆるスチル状態にする必要が
よくある。このような状態を待機モードということとす
る。例えば２台のＶＴＲを用いて、記録済みの一方の磁
気テープの必要な箇所を再生し、他方の磁気テープの必
要な箇所にこの再生映像信号を記録しダビングする編集
を行う場合には、双方の磁気テープの再生および記録箇
所の開始位置を頭だしをする。この頭だしは２台のＶＴ
Ｒで別々に行うため、例えば一方のＶＴＲで再生側の磁
気テープの頭だしを行ってから、他方のＶＴＲで記録側
の磁気テープの頭だしを行っているため、当該他方のＶ
ＴＲはスチル状態として待機モードにしている必要があ
る。一般にＶＴＲは、回転ヘッドにより回転しながら磁
気テープ上を走査するため、磁気テープの走行を止めた
状態で回転ヘッドだけを回転させるスチル状態を長時間
継続させると、磁気テープの繰り返し走査部分がダメー
ジを受けて劣化してしまう。また、この状態で回転ヘッ
ドが高速で同一箇所を走査すると、磁気テープ表面に塗
布されている磁性体が剥がされて回転ヘッドのヘッドギ
ャップに付着しヘッド目詰まりを引き起こす可能性があ
る。

【０００３】このようなスチルダメージやヘッド目詰ま
りの現象を回避することは、正常な記録再生動作を行う
うえでは必要である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】（１）こうした現象を
防止するための従来のＶＴＲには待機モードでは磁気テ
ープの走行停止状態が所定時間継続すれば磁気テープを
一旦回転ヘッドに接触しない位置までアンローディング
させて待機させる処理を行っているものがある。

【０００５】このようなＶＴＲの場合、前記アンローデ
ィング状態から例えば編集作業者により記録指令が入力
されても、磁気テープを正規の走行位置までローディン
グさせた後で、記録動作に移行することになるから、磁
気テープへの記録動作が遅れ、編集された画像に途切れ
が発生したりして好ましくない。また、かかるアンロー
ディングからローディングへの繰り返しが頻繁であれ
ば、その記録の途切れが繰り返されることになり、正常
な記録が望めなくなる。かかる記録遅れは、上記アンロ
ーディング状態から再生動作を行う場合についても同様
であり、磁気テープに対する各種編集作業を正確に行う
のが困難となる。

【０００６】（２）また、このような現象を防止するた
めの他の従来の磁気記録再生装置として特開昭６２−１
４３５７７号公報に記述のものがある。この磁気記録再
生装置の場合、待機モードでは回転ヘッドを所定時間毎
にステップ送りさせて、磁気テープ上の同一位置を該回
転ヘッドが長時間繰り返し走査しないようにしてスチル
による磁気テープの劣化を防止するようになっている。
この場合の磁気テープの送りはコントロールパルスのカ
ウント値に依っている。コントロールパルスは画面１フ
レームに数パルスしか発生しないから、磁気テープの送
り精度が極めて低いものとなる。そのため、いったん、
磁気テープを回転ヘッドによる上記同一位置繰り返し走
査防止のために巻き戻している場合に、例えば磁気テー
プのつなぎ撮り編集のために、その磁気テープを元の位
置に順送りさせる必要があるが、テープ巻き戻し量、及
びテープ順送り量をコントロールパルスの数を計測して
制御する場合に、コントロールパルスの検出抜けやある
いはノイズによる計数ミスが発生した場合に、計数値の
ずれの画像フレーム数に対する影響が大きく、編集動作
を行った場合あるいはカメラ一体型ＶＴＲでつなぎ撮り
を行った場合に所定の編集精度、つなぎ撮り精度が確保
できない可能性がある。さらに巻き戻し中に無記録部分
があれば、テープ巻き戻し量がばらつくという不都合も
生じる。また、デジタルビデオテープレコーダ（ＤＶ）
ではこうしたコントロールパルスが記録されていない磁
気テープもあるが、こうした磁気テープでは磁気テープ
の同一箇所の繰り返し走査を防止するよう磁気テープを
巻き戻すことができない。さらに、この場合、磁気テー
プを上記同一位置繰り返し走査防止のために巻き戻しと
いう一方向だけしか磁気テープを移送できないので、磁
気テープの編集作業では、元の編集点にまで磁気テープ
を順送りするのに時間がかかり、編集作業に時間がかか
り面倒である。さらにカメラ一体型ＶＴＲにおいては、
記録スタートスイッチを押してから記録モードに移行し
ても、テープ巻き戻し量だけ磁気テープを順送りしたの
ち記録動作に移行するため、テープ巻き戻し量が多くな
るにつれて、記録スタートスイッチを押してから実際の
記録動作に入るまでの時間が長くなり、記録したい映像
が磁気テープの順送り期間内にあれば装置は記録動作に
なっていないため磁気テープ上には記録したいシーンが
記録されていないというカメラマンにとっては致命的と
もいえる問題が発生する。

【０００７】（３）また、このような現象を防止するた
めのさらに他の従来の磁気記録再生装置として特開平６
−３３８１００号公報に記述のものがある。この磁気記
録再生装置の場合、時刻の経過に応じて磁気テープの待
機位置を間欠的に移動させて、待機モードにおける回転
ヘッドの走査位置を分散させて磁気テープの劣化を防止
するようになっている。この場合も、回転ヘッドによる
上記同一位置繰り返し走査防止のために磁気テープを巻
き戻しという一方向だけしか移送できないので、磁気テ
ープの編集作業では、元の編集点にまで磁気テープを順
送りするのに時間がかかり、編集作業に時間がかかり面
倒である。さらにカメラ一体型ＶＴＲにおいては、記録
スタートスイッチを押してから記録モードに移行して
も、テープ巻き戻し量だけ磁気テープを順送りしたのち
記録動作に移行するため、テープ巻き戻し量が多くなる
につれて、記録スタートスイッチを押してから実際の記
録動作に入るまでの時間が長くなり、記録したい映像が
磁気テープの順送り期間内にあれば装置は記録動作にな
っていないため磁気テープ上には記録したいシーンが記
録されていないというカメラマンにとっては致命的とも
いえる問題が発生する。

【０００８】したがって、本発明は、上記待機モードで
は、回転ヘッドによる同一位置繰り返し走査防止のた
め、所定時間毎に磁気テープを移送する同一位置繰り返
し走査防止モードを有する磁気記録再生装置において、
これを編集装置に組み込んで使用する場合、その同一位
置繰り返し走査防止モードからの記録や再生モードへ円
滑に移行できるようにして、磁気テープに対する各種編
集作業を正確に行えるようにすることを解決すべき課題
とする。

【０００９】本発明はまた、磁気テープの送り精度を高
くして例えば磁気テープのつなぎ撮り編集作業を正確に
行えるようにすることを解決すべき課題とする。

【００１０】本発明はさらにまた、磁気テープの編集作
業に時間がかからないようにすることを解決すべき課題
とするとともに、カメラ一体型ＶＴＲにおいては、記録
スタートスイッチをおしてから所定のつなぎ撮り編集点
まで磁気テープを移送した後、記録モードに移行する時
間を短縮することを解決すべき課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明第１の磁気記録再
生装置は、シリンダに巻回された磁気テープに対し該シ
リンダに配備された回転ヘッドによって映像音声信号の
磁気的な記録再生を行うもので磁気テープの走行が停止
されている状態で回転ヘッドが該磁気テープ上を走査す
るモード（待機モード）を有しこの待機モードにおいて
その走行停止の状態が所定時間経過すると磁気テープを
所定量移送させて回転ヘッドの磁気テープに対する同一
位置繰り返し走査を防止する機能を備えた磁気記録再生
装置であって、磁気テープの停止状態が所定時間経過す
ると停止終了信号を出力する信号出力手段と、磁気テー
プを走行させるキャプスタンモータと、前記キャプスタ
ンモータの回転を検出しそれに対応した回転検出信号パ
ルスを出力する周波数発電機と、前記回転検出信号パル
スを計数しその計数値を出力する計数手段と、前記待機
モードにおいて、前記停止終了信号の入力毎に回転検出
信号パルスの計数値が所定量変化するまでキャプスタン
モータを回転させて磁気テープを所定方向に移送し、前
記計数値が所定量変化するとキャプスタンモータの前記
回転を停止させて磁気テープの前記移送を停止させる動
作を繰り返し制御するキャプスタンモータ制御手段とを
具備したものである。

【００１２】本発明第１における回転ヘッドの個数は、
１つでも複数でも含む。

【００１３】本発明第１における所定方向とは巻き戻
し、順送りいずれの方向も含む。

【００１４】本発明第１によると、周波数発電機が発生
する回転検出信号パルスを用いているので、コントロー
ルパルスとは異なって、その発生個数が十分に多くあ
る。したがって、待機モードでは、回転ヘッドによる同
一位置繰り返し走査防止のため、所定時間毎に磁気テー
プを正確にきめ細かく移送 つまり磁気テープの送り精
度を高くさせることが可能となる。そのため、この磁気
記録再生装置を編集装置に組み込んで使用する場合、待
機モードからの記録や再生モードへの移行タイミングを
正確かつ容易に行うことができ、磁気テープに対する各
種編集作業を正確にかつより少ない時間で行える。

【００１５】本発明第１の好ましい実施態様としては磁
気テープ移送の前後において磁気テープに対する回転ヘ
ッドの走査領域が重複しないように、磁気テープの前記
移送量が設定されている。こうすると、回転ヘッドの記
録済みの走査領域と同一の走査領域を回転ヘッドが走査
することを防止でき、より、磁気テープダメージを防止
できて好ましい。

【００１６】本発明第１の好ましい実施態様としては、
磁気テープに対して異なる領域を走査する少なくとも２
つの回転ヘッドを有しており、磁気テープ移送前におけ
る一方の回転ヘッドの走査領域に対して、磁気テープ移
送後における他方の回転ヘッドの走査領域が重複しない
ように、磁気テープの前記移送量が設定されている。こ
うすると、複数の回転ヘッドを備えたものでも、記録済
みの走査領域と同一の走査領域を回転ヘッドが走査する
ことを防止でき、より、磁気テープダメージを防止でき
て好ましい。

【００１７】本発明第２の磁気記録再生装置は、シリン
ダに巻回された磁気テープに対し該シリンダに配備され
た回転ヘッドによって映像音声信号の磁気的な記録再生
を行うもので磁気テープの走行が停止されている状態で
回転ヘッドが該磁気テープ上を走査するモード（待機モ
ード）を有しこの待機モードにおいてその走行停止の状
態が所定時間経過すると磁気テープを所定量移送させて
回転ヘッドの磁気テープに対する同一位置繰り返し走査
を防止する機能を備えた磁気記録再生装置であって、磁
気テープの停止状態が所定時間経過する毎に停止終了信
号を出力する信号出力手段と、磁気テープを走行させる
キャプスタンモータと、前記キャプスタンモータの回転
検出手段と、前記待機モードでは、停止終了信号の入力
毎にキャプスタンモータの回転を制御して磁気テープを
巻き戻しまたは順送りのいずれか一方向に移送制御する
一方、一方向への移送回数が所定値になると、前記停止
終了信号の入力毎にキャプスタンモータの回転を制御し
て磁気テープをいずれか他方向に移送制御するキャプス
タンモータ制御手段とを具備したものである。

【００１８】本発明第２によると、待機モードでは磁気
テープを巻き戻しと順送りの両方向に移送できるから、
従来の例えば巻き戻し方向だけの移送と比較して、編集
点により近づけやすくすることができ、より円滑により
短時間で待機モードから記録や再生のモードに移行する
ことができ、編集装置に組み込んで使用した場合、編集
作業がより容易となり好ましい。また、カメラ一体型Ｖ
ＴＲに組み込んで使用した場合、記録スタートスイッチ
を押してから所定のつなぎ撮り編集点まで磁気テープを
移送した後、記録モードに移行する時間を短縮すること
ができ、記録したいシーンを撮りそこなうといった不都
合が改善される。

【００１９】本発明第２の好ましい実施態様において
は、磁気テープの巻き戻し回数と順送り回数とがそれぞ
れに対応した所定回数に達する毎に前記切り換えを行
う。この場合、待機モードで磁気テープに対する回転ヘ
ッドの同一位置繰り返し走査防止のために磁気テープを
巻き戻しと順送りの両方向に移送させる場合、元の走査
位置に回転ヘッドを走査させることができ、これを編集
装置に組み込んで使用した場合、編集点に正確に近づけ
ることができて、つなぎ撮り編集の場合に、画像の途切
れ等がなくなるなど、好ましい。

【００２０】本発明第１および第２における待機モード
とは、磁気テープの走行が停止して回転ヘッドがその磁
気テープ上を走査するモードのことであり、その名称は
問わない。また、待機モードは、磁気記録再生装置が機
能として積極的に備えるモードだけではなく、機能とし
て備えるモードではなく強制的にそのようなモード下に
おかれる場合も含む。

【００２１】本発明第１および第２の装置を実現する構
成要素は、ハードウエア回路で構成してもよいし、プロ
グラムされたコンピュータによって構成してもよい。

【００２２】本発明第１および第２の他の好ましい実施
態様における各要素は、上記組み合わせのみならず、他
の組み合わせまた後述される実施形態の装置の各部の組
み合わせで構成してもよい。この場合、各要素の追加削
除等は任意である。

【００２３】

【発明の実施の形態】本発明の詳細について図1から図
５に示される各実施形態を用いて説明するが、各実施形
態の磁気記録再生装置は、ＶＴＲ（ビデオテープレコー
ダ）とするが、本発明は、これに限定されない。

【００２４】（実施形態１）図１ないし図３を参照して
本発明の実施形態１に従うＶＴＲを説明する。図１は、
そのＶＴＲの回路ブロック図、図２は、図１の磁気テー
プの模式平面図、図３は動作説明に供するフローチャー
トである。

【００２５】これらの図において、１０１は、モード設
定回路、１０２は、キャプスタンモータ制御回路、１０
３は、タイマー回路、１０４は、キャプスタンモータド
ライブ回路、１０５は、キャプスタンモータ、１０６
は、周波数発電機、１０７は、カウンタ回路、１０８
は、シリンダ、１０９，１０９ａそれぞれは、回転ヘッ
ド、１１０は、キャプスタン、１１１は、ピンチロー
ラ、１１２は、磁気テープである。

【００２６】モード設定回路１０１は、記録、再生、停
止、早送り、巻き戻し、等の各動作モードそれぞれに対
応したモードキーを備え、各モードキー操作それぞれに
対応して待機モード、記録モード、再生モード、巻き戻
しモード、順送りモード、特殊モード、等の各種のモー
ド指令信号をキャプスタンモータ制御回路１０２に出力
するようになっている。

【００２７】キャプスタンモータ制御回路１０２は、モ
ード設定回路１０１からのモード指令信号の入力に応答
して各モードに対応した回転方向とトルクの両指令信号
Ｓ１，Ｓ２をキャプスタンモータドライブ回路１０４に
出力する一方、モード指令信号の内容が待機モードに関
連するときはタイマー回路１０３には磁気テープ停止時
間の計測を開始させる停止時間計測開始指令信号Ｓ３を
出力するようになっている。

【００２８】タイマー回路１０３は、前記指令信号Ｓ３
の入力に応答して停止モードに設定されている時間の計
測を開始し、この計測時間が所定時間Ｔ１になるたび
に、停止終了信号Ｓ４をキャプスタンモータ制御回路１
０２に出力するようになっている。この所定時間Ｔ１
は、シリンダ１０８に搭載されている両回転ヘッド１０
９．１０９ａが、停止モードの間、磁気テープ１１２上
の同一部分を高速で繰り返し走査した場合、磁気テープ
１１２にいわゆるスチル傷というテープ損傷が発生した
り、磁気テープ１１２の表面に塗布されている磁性体が
剥がされて回転ヘッド１０９，１０９ａのヘッドギャッ
プに付着しヘッド目詰まりを引き起こす可能性を避ける
ことができる程度の時間に設定する。

【００２９】ただし、テープ損傷またはヘッド目詰まり
のいずれか一方だけを回避するのか、両方を回避するの
かにあわせてその回避に必要な時間Ｔ１を設定すればよ
く、また、磁気テープ１１２の種類、その他の要因に対
応して、この時間Ｔ１を実験で適宜に設定するとよい。

【００３０】キャプスタンモータドライブ回路１０４
は、回転方向指令信号Ｓ１とトルク指令信号Ｓ２との入
力に応答してキャプスタンモータ１０５をドライブする
ようになっている。

【００３１】キャプスタンモータ１０５は、回転方向指
令信号Ｓ１に対応した回転方向でかつトルク指令信号Ｓ
２に対応したトルクで回転するようになっている。例え
ば、モード設定回路１０１からのモード指令信号が再生
モード指令の場合、キャプスタンモータ１０５は、回転
方向がテープ順送り方向で１倍速で回転するようになっ
ている。

【００３２】周波数発電機１０６は、キャプスタンモー
タ１０５に取り付けられており、キャプスタンモータ１
０５の回転を検出し、これを回転検出信号パルス（ＦＧ
パルスとも称される）としてキャプスタンモータ制御回
路１０２とカウンタ回路１０７とに出力するようになっ
ている。

【００３３】キャプスタンモータ制御回路１０２は、周
波数発電機１０６から直接入力される回転検出信号パル
スをもとにキャプスタンモータドライブ回路１０４を制
御してキャプスタンモータ１０５の回転制御を行う。

【００３４】カウンタ回路１０７は、周波数発電機１０
６から出力される回転検出信号パルスの数を計数し、磁
気テープの移送量を測定するようになっている。この場
合、カウンタ回路１０７は、キャプスタンモータ１０５
が、巻き戻し方向に回転を開始したときに発生する回転
検出信号パルスを計数し、所定の磁気テープ巻き戻し量
Ｌ１に相当する計数値Ｎ１となったときに計数終了信号
をキャプスタンモータ制御回路１０２に出力するように
なっている。

【００３５】キャプスタンモータ制御回路１０２は、タ
イマー回路１０３から停止終了信号Ｓ４が入力される
と、キャプスタンモータ１０５をテープ巻き戻し方向に
１倍速で走行させるように、キャプスタンモータドライ
ブ回路１０４にそれに対応した回転方向指令信号Ｓ１お
よびトルク指令信号Ｓ２を出力する。

【００３６】キャプスタンモータ制御回路１０２は、カ
ウンタ回路１０７から計数終了信号Ｓ６を入力すると、
キャプスタンモータ１０５を停止するべく、キャプスタ
ンモータドライブ回路１０４に停止トルク指令信号Ｓ７
を出力する。

【００３７】このようにして、モード設定回路１０１か
らキャプスタンモータ制御回路１０２にテープ停止モー
ドが出力されていれば、時間Ｔ１経過するたびに磁気テ
ープは長さＬ１だけ巻き戻される。

【００３８】なお、キャプスタンモータ制御回路１０２
は、カウンタ回路１０７にリセット信号Ｓ８を出力して
該カウンタ回路１０７をリセット可能である。

【００３９】動作を図２、図３を参照して説明する。

【００４０】図２はキャプスタンモータ１０５が停止し
ているときの磁気テープ１１２に対する回転ヘッド１０
９，１０９ａの走査軌跡を示し、図３は動作説明に供す
るフローチャートを示す。

【００４１】図２において、ＶＴＲが待機モードになっ
たとき、磁気テープ２０３上の一方の回転ヘッド１０９
の走査軌跡はＴＲ１であり、他方の回転ヘッド１０９ａ
の走査軌跡はＴＲ２となる。矢印２０１は、テープ走行
方向を示し、矢印２０２は、テープ巻き戻し方向を示
す。ここで走査軌跡ＴＲ１は磁気テープ１１２に対して
最も順送り側２０１にある走査軌跡であり、逆に走査軌
跡ＴＲ２は磁気テープ１１２に対して最も巻き戻し側２
０２にある走査軌跡である。

【００４２】キャプスタンモータ制御回路１０２は図３
で示されるフローチャートに従い動作する。

【００４３】すなわち、キャプスタンモータ制御回路１
０２は、ステップＮ１でモード設定回路１０１からの入
力から動作モードを判定する。

【００４４】（ａ）ステップＮ１の判定で、動作モード
が待機モード以外の他のモードのときはステップＮ９，
Ｎ１０に移行する。つまり、キャプスタンモータ制御回
路１０２は、タイマー回路１０３をリセットしておき、
かつ、キャプスタンモータドライブ回路１０４に回転方
向とトルクの両指令信号Ｓ１，Ｓ２を出力し、これによ
って、キャプスタンモータ１０５を当該他のモードで指
定された回転速度で制御する。磁気テープは、このキャ
プスタンモータ１０５の回転速度に対応した速度で走行
させられる。

【００４５】（ｂ）ステップＮ１での判定で設定動作モ
ードが停止モードのときはステップＮ２〜Ｎ８に移行す
る。つまり、キャプスタンモータ制御回路１０２は、タ
イマー回路１０３に停止時間の計測開始指令Ｓ３を出力
し、タイマー回路１０３で停止時間の計測を開始させ
る。

【００４６】キャプスタンモータ制御回路１０２は、タ
イマー回路１０３より停止終了信号Ｓ３を入力するま
で、つまり停止時間の計測を開始してからの経過時間が
時間Ｔ１に達するまではステップＮ８に移行してキャプ
スタンモータ１０５を停止させておく。そして、ステッ
プＮ２で停止終了信号Ｓ３を入力、つまり、停止時間の
計測を開始してからの経過時間が時間Ｔ１に達したと判
定すると、ステップＮ３でタイマー回路１０３をリセッ
トし、ステップＮ４で所定の走行速度例えば×（−１）
倍速でキャプスタンモータ１０５を制御して磁気テープ
１１２を巻き戻し、ステップＮ５でカウンタ回路１０７
のカウント値が所定のテープ走行長Ｌ１に相当する値と
なったと判定するまで、ステップＮ４，Ｎ５を繰り返
す。

【００４７】ステップＮ５でカウンタ回路１０７のカウ
ント値が所定のテープ走行長Ｌ１に相当する値となった
と判定すると、ステップＮ６でカウンタ回路１０７をリ
セットし、ステップＮ７でキャプスタンモータ１０５を
停止させる。

【００４８】この制御動作により、磁気テープ１１２は
矢印２０２で示す巻き戻し方向に移送され、磁気テープ
１１２上の磁気ヘッド１０９の走査軌跡はＴＲ１からＴ
Ｒ１’となり、磁気ヘッド１０９ａの走査軌跡はＴＲ２
からＴＲ２’となる。ここで磁気テープ１１２の巻き戻
し量Ｌ１は、磁気ヘッド１０９の走査軌跡ＴＲ１’が巻
き戻し前の磁気ヘッド１０９ａの走査軌跡ＴＲ２よりも
巻き戻し方向になるように設定することで、巻き戻し前
の磁気ヘッド１０９，１０９ａそれぞれの走査領域ＴＲ
１，ＴＲ２と巻き戻し後の磁気ヘッド１０９，１０９ａ
それぞれの走査領域ＴＲ１’，ＴＲ２’との間に重なり
がなく、磁気テープ１１２に対する保護が実現できる。

【００４９】（実施形態２）図４、図５を参照して本発
明の実施形態２に従うＶＴＲについて説明する。図４
は、そのＶＴＲの回路ブロック図、図５は、図４の磁気
テープの模式平面図である。

【００５０】実施形態２のＶＴＲにおいては、カウンタ
回路４０１、４０２が追加されている。また、キャプス
タンモータ制御回路１０２の動作が一部変更される。

【００５１】カウンタ回路４０１は、待機モードにおい
て、時間Ｔ１毎にテープ巻き戻し方向２０２に磁気テー
プ１１２が移送された回数を計数する。

【００５２】カウンタ回路４０２は、待機モードにおい
て、時間Ｔ１毎にテープ順送り方向２０１に磁気テープ
１１２が移送された回数を計数する。

【００５３】動作を説明する。

【００５４】まず、磁気テープ１１２に対して回転ヘッ
ド１０９の走査軌跡がＴＲ１でキャプスタンモータ１０
５が停止して磁気テープ１１２の走行が停止している待
機モードになっている。タイマー回路１０３はキャプス
タンモータ制御回路１０２が停止モードに設定されてい
る時間を計測し、時間Ｔ１が経過するたびに停止終了信
号Ｓ３を出力する。

【００５５】キャプスタンモータ制御回路１０２は、タ
イマー回路１０３から停止信号Ｓ３が入力されると、キ
ャプスタンモータ１０５をテープ戻し方向２０２に１倍
速で走行するように、キャプスタンモータドライブ回路
１０４に回転方向指令信号Ｓ１およびトルク指令信号Ｓ
２を出力する。

【００５６】キャプスタンモータ１０５がテープ戻し方
向２０２に回転を開始すると、カウンタ回路１０７は回
転検出信号パルスＳ５を計測し、計測値が磁気テープ巻
き戻し量Ｌ１に相当するＮ１となったときにカウンタ回
路１０７からキャプスタンモータ制御回路１０２に計数
終了信号Ｓ６が出力される。

【００５７】ここでキャプスタンモータ制御回路１０２
からカウンタ回路４０１に巻き戻し信号Ｓ９が出力さ
れ、カウンタ回路４０１はカウント値をプラス１する。
つまり、待機モードになったときの走査軌跡がＴＲ１
で、待機モードが時間Ｔ１続けば、テープの長さＬ１だ
けテープ巻き戻し動作を行い、回転ヘッド１０９の走査
軌跡はＴＲ１からＴＲ２となるとともに、カウンタ回路
４０１のカウント値は「０」から「１」に変化する。

【００５８】このようにしてさらに待機モードが続け
ば、時間Ｔ１経過するごとに巻き戻し動作が行われ、回
転ヘッド１０９の走査軌跡はＴＲ２→ＴＲ３→ＴＲ４→
…と変化し、カウンタ回路４０１のカウント値は１→２
→３→…と１ずつ増加する。

【００５９】さらに待機モードが続き、回転ヘッド１０
９の走査軌跡がＴＲＭとなり、かつカウンタ回路４０１
のカウント値は「Ｍ」となる。キャプスタンモータ制御
回路１０２は、カウンタ回路４０１のカウント値が
「Ｍ」となると巻き戻し動作を終了し、キャプスタンモ
ータ制御回路１０２は磁気テープ１１２を巻き戻し移送
から順送り移送に切り換え制御する。

【００６０】回転ヘッド１０９の走査軌跡がＴＲＭとな
った時点からさらに待機モードが時間Ｔ１続けば、キャ
プスタンモータ制御回路１０２は磁気テープ１１２を長
さＬ１だけ順送り方向２０１に移送させる制御を行い、
また、カウンタ回路４０２に順送り信号Ｓ１０を出力す
る。これによって、カウンタ回路４０２はカウント値を
プラス１する。

【００６１】つまり、回転ヘッド１０９の走査軌跡ＴＲ
Ｍに磁気テープ１１２が移送された時点から、待機モー
ドが時間Ｔ１続けば、磁気テープ１１２は長さＬ１だけ
順送りされ、回転ヘッド１０９の走査軌跡はＴＲ（Ｍ-
１）となるとともに、カウンタ回路４０２のカウント値
は０から１に変化する。ここで、キャプスタンモータ制
御回路１０２は、カウンタ回路４０１のカウント値をゼ
ロにリセットする。

【００６２】このようにしてさらに待機モードが続け
ば、時間Ｔ１経過するごとに順送り動作が行われ、回転
ヘッド１０９の走査軌跡はＴＲ（Ｍ-１）→ＴＲ（Ｍ-
２）→…と変化し、カウンタ回路４０２のカウント値は
１→２→３→…と１ずつ増加する。さらに待機モードが
続き、回転ヘッド１０９の走査軌跡がＴＲ１となり、か
つカウンタ回路４０２のカウント値は「Ｍ」となる。

【００６３】キャプスタンモータ制御回路１０２は、カ
ウンタ回路４０２のカウント値が「Ｍ」となるとテープ
順送り動作を終了させ、待機モードが依然として継続し
ていれば、時間Ｔ１経過する毎に再び巻き戻し方向に磁
気テープ１１２を順送り移送させる動作を行ない、上記
動作を繰り返す。

【００６４】実施形態２において、キャプスタンモータ
停止モードが続いた場合、磁気テープ２０３上の回転ヘ
ッドの走査軌跡は時間Ｔ１毎にＴＲ１→ＴＲ２→ＴＲ３
→…→ＴＲ（Ｍ-２）→ＴＲ（Ｍ−１）→ＴＲ（Ｍ１）
→ＴＲ（Ｍ−１）→ＴＲ（Ｍ-２）→…と変化するた
め、回転ヘッド１０９が磁気テープ１１２上の同一個所
を長時間走査することがなく、磁気テープ１１２にスチ
ル傷がついたり、あるいは磁気ヘッド１０９の目詰まり
が発生する可能性が格段に少なくなるといった効果があ
る。

【００６５】また、磁気ヘッド１０９の走査領域がＴＲ
１からＴＲＭの領域に限定されるため、再度、再生モー
ドに移行したときでも、違和感のない再生画が得られる
とともに、記録モードに移行したときには、すでに記録
した部分に重ね書きしてしまうオーバーライト領域が所
定の領域内に限定されて好ましい。さらに編集装置に組
み込んで使用した場合、編集点である記録トラックＴＲ
１にまで磁気テープを移送し待機モードから記録や再生
のモードに移行することができ、円滑により短時間で編
集作業がより容易になり好ましい。また、カメラ一体型
ＶＴＲに組み込んで使用した場合、記録スタートスイッ
チを押してから所定のつなぎ撮り編集点である記録トラ
ックＴＲ１まで磁気テープを移送した後、記録モードに
移行する時間を短縮することができ、記録したいシーン
を撮りそこなうといった不都合が改善される。

【００６６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、待機モー
ドでは、回転ヘッドによる同一位置繰り返し走査防止の
ため、所定時間毎に磁気テープを移送する同一位置繰り
返し走査防止モードを有する磁気記録再生装置におい
て、これを編集装置に組み込んで使用する場合、その同
一位置繰り返し走査防止モードからの記録や再生モード
へ円滑に移行できるようにして、磁気テープに対する各
種編集作業を正確に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１に従う磁気記録再生装置の
回路ブロック図

【図２】実施形態１の動作説明に供する磁気テープの模
式平面図

【図３】実施形態１の動作説明に供するフローチャート

【図４】本発明の実施形態２に従う磁気記録再生装置の
回路ブロック図

【図５】実施形態２の動作説明に供する磁気テープの模
式平面図

【符号の説明】

１０１ モード設定回路 １０２ キャプスタンモータ制御回路 １０３ タイマー回路 １０４ キャプスタンモータドライブ回路 １０５ キャプスタンモータ １０６ 周波数発電機 １０７ カウンタ回路 １０８ シリンダ １０９ 回転ヘッド １１０ キャプスタン １１１ ピンチローラ １１２ 磁気テープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪尾 匡志 大阪府茨木市松下町１番１号 株式会社松 下エーヴィシー・テクノロジー内 Ｆターム(参考） 5D081 AA07 BB04 BB07 FF05 FF12 FF13

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダに巻回された磁気テープに対し該
   シリンダに配備された回転ヘッドによって映像音声信号
   の磁気的な記録再生を行うもので磁気テープの走行が停
   止されている状態で回転ヘッドが該磁気テープ上を走査
   するモード（待機モード）を有しこの待機モードにおい
   てその走行停止の状態が所定時間経過すると磁気テープ
   を所定量移送させて回転ヘッドの磁気テープに対する同
   一位置繰り返し走査を防止する機能を備えた磁気記録再
   生装置であって、 磁気テープの停止状態が所定時間経過すると停止終了信
   号を出力する信号出力手段と、 磁気テープを走行させるキャプスタンモータと、 前記キャプスタンモータの回転を検出しそれに対応した
   回転検出信号パルスを出力する周波数発電機と、 前記回転検出信号パルスを計数しその計数値を出力する
   計数手段と、 前記待機モードにおいて、前記停止終了信号の入力毎に
   回転検出信号パルスの計数値が所定量変化するまでキャ
   プスタンモータを回転させて磁気テープを所定方向に移
   送し、前記計数値が所定量変化するとキャプスタンモー
   タの前記回転を停止させて磁気テープの前記移送を停止
   させる動作を繰り返し制御するキャプスタンモータ制御
   手段と、 を具備したことを特徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】請求項１の磁気記録再生装置において、 磁気テープ移送の前後において磁気テープに対する回転
   ヘッドの走査領域が重複しないように、磁気テープの前
   記移送量が設定されている、ことを特徴とする磁気記録
   再生装置。
3. 【請求項３】請求項２の磁気記録再生装置において、 磁気テープに対して異なる領域を走査する少なくとも２
   つの回転ヘッドを有しており、 磁気テープ移送前における一方の回転ヘッドの走査領域
   に対して、磁気テープ移送後における他方の回転ヘッド
   の走査領域が重複しないように、磁気テープの前記移送
   量が設定されている、ことを特徴とする磁気記録再生装
   置。
4. 【請求項４】シリンダに巻回された磁気テープに対し該
   シリンダに配備された回転ヘッドによって映像音声信号
   の磁気的な記録再生を行うもので磁気テープの走行が停
   止されている状態で回転ヘッドが該磁気テープ上を走査
   するモード（待機モード）を有しこの待機モードにおい
   てその走行停止の状態が所定時間経過すると磁気テープ
   を所定量移送させて回転ヘッドの磁気テープに対する同
   一位置繰り返し走査を防止する機能を備えた磁気記録再
   生装置であって、 磁気テープの停止状態が所定時間経過する毎に停止終了
   信号を出力する信号出力手段と、 磁気テープを走行させるキャプスタンモータと、 前記キャプスタンモータの回転検出手段と、 前記待機モードでは、停止終了信号の入力毎にキャプス
   タンモータの回転を制御して磁気テープを巻き戻しまた
   は順送りのいずれか一方向に移送制御する一方、一方向
   への移送回数が所定値になると、前記停止終了信号の入
   力毎にキャプスタンモータの回転を制御して磁気テープ
   をいずれか他方向に移送制御するキャプスタンモータ制
   御手段と、 を具備したことを特徴とする磁気記録再生装置。
5. 【請求項５】請求項４の磁気記録再生装置において、 磁気テープの巻き戻し回数と順送り回数とがそれぞれに
   対応した所定回数に達する毎に前記切り換えを行う、こ
   とを特徴とする磁気記録再生装置。