JP2001166496A - 露光方法および露光装置 - Google Patents

露光方法および露光装置

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JP2001166496A
JP2001166496A JP34819799A JP34819799A JP2001166496A JP 2001166496 A JP2001166496 A JP 2001166496A JP 34819799 A JP34819799 A JP 34819799A JP 34819799 A JP34819799 A JP 34819799A JP 2001166496 A JP2001166496 A JP 2001166496A
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pattern
exposure
layer
reticle
glass substrate
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JP34819799A
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Kazuhiko Hori
和彦 堀
Takahiro Horikoshi
崇広 堀越
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 後レイヤーのパターンをつなぎ合わせて露光
する際にも、前レイヤーの継ぎ精度に影響されることな
く良好な画面合成を行う。 【解決手段】 複数のパターンを基板Pのショット領域
につなぎ合わせて露光する露光方法において、基板Pの
第n層(nは自然数)に第1パターンと第2パターンと
をつなぎ合わせて露光する際に、第1パターンの一部と
第2パターンの一部とを重複して露光し、基板Pの第n
+1層に第3パターンPSD1と第4パターンPSD2
とをつなぎ合わせて露光する際に、第3パターンPSD
1の一部と第4パターンPSD2の一部とを重複して露
光し、且つ第n+1層の重複露光部分AY2を第n層の
重複露光部分とずらして設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスや
液晶表示デバイス等の製造工程でマスクのパターンを基
板上に露光する露光方法および露光装置に関し、特に複
数の分割パターンの一部同士を基板上で互いにつなぎ合
わせることによって大面積のパターンを露光する、いわ
ゆる画面合成を行う露光方法および露光装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の露光装置では、露光対象
となる感光性基板の大型化に対応するために、感光性基
板の露光領域を複数の単位領域に分割し、各単位露光領
域に対する露光を複数回に亙って繰り返し、最終的に所
望の大面積を有するパターンを合成する手法、いわゆる
画面合成の手法が用いられている。画面合成を行う場
合、パターン投影用のレチクルの描画誤差、投影光学系
のディストーション、感光性基板を位置決めするステー
ジの位置決め誤差等に起因して、各単位露光領域の境界
位置においてパターンの切れ目が発生する事がある。そ
こで、パターンの切れ目の発生を防止するために、各単
位露光領域の境界を微少量だけ重ね合わせることによっ
て、すなわち、各単位露光領域を部分的に重複させるこ
とによって、画面合成のための露光を行っている。
【0003】しかしながら、各単位露光領域を部分的に
重ね合わせると、重ね合わせた露光領域(以下、重複露
光領域と称する)の露光光量が重複露光領域以外の露光
領域の二倍(四重複露光領域では四倍)になり、感光剤
の特性およびパターン形状によってはパターンの継ぎ目
部分の線幅が大きく変化することになる。また、画面合
成を行うと、隣接する二つの単位露光領域の間の相対位
置ずれによってパターンの継ぎ目部分に段差が発生し、
製造デバイスの特性が損なわれることがある。さらに、
画面合成された単層のパターンを多層に重ね合わせる工
程において各層のパターン形成を異なる露光装置に分担
させた場合、各露光装置のレンズディストーションやス
テージの位置決め誤差の相違によって、各層における単
位露光領域の重ね合わせ誤差がパターンの継ぎ目部分で
不連続に変化することになる。この場合、特にアクティ
ブマトリックス液晶デバイスでは、パターン継ぎ目部分
でコントラストが不連続に変化して、デバイスの品質が
低下することになる。
【0004】上記のような画面合成上の不都合を解決す
る露光装置としては、特開平6−244077号公報お
よび特開平6−302501号公報に開示されているも
のがある。これらの公報に記載された露光装置では、レ
チクルとほぼ共役な位置に配置されてレチクルの照明領
域を設定するためのレチクルブラインドに、露光量を制
御する機能を付加している。そして、この露光量制御機
能を用いて重複露光領域とそれ以外の露光領域とで露光
光量がほぼ等しくなるように光学像を形成することによ
り、継ぎ目部分が漸次変化し、継ぎ目の不連続な変化を
目立たなくしている。
【0005】また、上述した特開平6−302501号
公報には、感光基板への露光中に、パターンを重複させ
るべき部分の範囲でレチクルブラインドを移動させるこ
とにより、継ぎ目部分での露光量がほぼ連続的に減光
し、よって、パターンの重複部分での露光量が他の部分
の露光量にほぼ等しくなるという技術が開示されてい
る。
【0006】このように、つなぎ合わせ部の精度によっ
て段差が発生する虞がある場合は、基板上の異なる領域
に対してパターン像の一部がそれぞれ重複するように、
露光量制御可能なレチクルブラインドを用いて光学像を
形成することにより、パターン同士のつなぎ目を徐々に
変化させる、いわゆる露光量制御継ぎ露光を実施して段
差を目立たなくさせている。
【0007】ところで、上記画面合成においては、継ぎ
ラインが見える可能性のある全レイヤーに上記露光量制
御継ぎ露光を行う必要があるが、該当するレイヤーの一
つ、例えばゲート層は1stレイヤーであることが多
い。通常の露光処理では、1stレイヤーで画面をつな
ぎ合わせる際に下地に基準がなく、機械精度やパターン
の製造精度に依存して露光が行われるため、継ぎ精度を
高精度に追い込むことが困難である。
【0008】そこで、1stレイヤーでつなぎ合わせを
高精度に行うためには、基板につなぎ合わされる一方の
パターンの位置を検出するセンサを別途設け、検出され
たパターンの位置に基づいて他方のパターンを露光する
という方法も考えられるが、通常のパターン形状はレイ
ヤー毎に、例えばX方向またはY方向にのみに延在する
ことが多いため、上記一方のパターンの位置をX、Yの
両方向で検出することは困難である。
【0009】これに対して2ndレイヤー、例えばソー
ス・ドレイン層でつなぎ合わせ露光を行う際には、前レ
イヤーである1stレイヤーで露光されたアライメント
マークという基準が存在するため、このアライメントマ
ークをオフアクシス等のセンサで計測して、つなぎ合わ
されるソース・ドレイン層をそれぞれ1stレイヤーの
ゲート層と高精度に重ね合わせるように追い込むこと
で、結果として後レイヤーである2ndレイヤーでのつ
なぎ合わせが高精度に行われる。この際、1stレイヤ
ーと2ndレイヤーとにおける重複露光部分は、通常同
一位置にそれぞれ設定されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の露光方法および露光装置には、以下のよ
うな問題が存在する。後レイヤーにおいてつなぎ合わさ
れる各パターンの継ぎ精度は、これら各パターンと重ね
合わされる前レイヤーにおける各パターンの継ぎ精度に
依存している。そのため、必要な精度がそれほど厳しく
なく、位置決め精度がさほど高くないラフな前レイヤー
に対して後レイヤーのショットを重ね合わせる場合、い
くら後レイヤーを厳密な精度で前レイヤーに重ね合わせ
ても、前レイヤーのラフな位置決め精度が残存すること
になる。
【0011】さらに、前レイヤーに必要とされる継ぎ精
度がラフな場合は、上記露光量制御継ぎ露光を行わずに
単に継ぎラインでつなぎ合わされる(通常露光と称す
る)が、この場合でも、高い継ぎ精度が要求される後レ
イヤーを、前レイヤーに高精度に重ね合わせることを行
っていた。
【0012】露光量制御継ぎ露光は、つなぎ合わされる
ショット間の継ぎ精度がある程度確保されていないと、
露光によって形成された基板上のパターンにおいて露光
量制御継ぎ露光された部分と、他の通常露光部分との間
に境界線が確認されることがある。これは、ショット間
に継ぎ精度の差がある程度以上存在した状態で露光量制
御継ぎ露光により形成されるパターンと、一回の露光で
形成されたパターンの形状が異なることに起因するため
である。
【0013】このように、継ぎ精度が十分確保されてい
ない状態で露光量制御継ぎ露光が施された前レイヤー
や、通常露光でつなぎ合わせた前レイヤーの継ぎ変化
は、継ぎ部分において急激になる。例えば、上記ゲート
層とソース・ドレイン層とで継ぎ精度に差がある状態で
重ね合わせると、図12に示すように、ゲート線Gとソ
ース・ドレイン線SDとの重なる面積が変動して画素間
で輝度変化が生じる。そして、この輝度変化が重複露光
部分に沿って存在することで、帯ムラとして認識される
虞がある。
【0014】通常、装置の位置決め精度は比較的高いレ
ベルにあるため、機械精度に依存した継ぎ精度であれ
ば、露光量制御継ぎ露光を行っても帯ムラはほとんど気
にならない。ところが、従来のように前レイヤーと後レ
イヤーとで重複露光部分が一致する場合は、このような
前レイヤーに後レイヤーを露光量制御継ぎ露光して重ね
合わせると、前レイヤーにおける帯ムラと後レイヤーに
おける帯ムラとが重なって強調されることで人の目で認
識されてしまうという欠点があった。
【0015】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、後レイヤーのパターンをつなぎ合わせて露
光する際にも、前レイヤーの継ぎ精度に影響されること
なく、良好な画面合成が行える露光方法および露光装置
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図10に対
応付けした以下の構成を採用している。本発明の露光方
法は、複数のパターンを基板(P)のショット領域につ
なぎ合わせて露光する露光方法において、基板(P)の
第n層(nは自然数)に第1パターン(PG1)と第2
パターン(PG2)とをつなぎ合わせて露光する際に、
第1パターン(PG1)の一部と第2パターン(PG
2)の一部とを重複して露光し、基板(P)の第n+1
層に第3パターン(PSD1)と第4パターン(PSD
2)とをつなぎ合わせて露光する際に、第3パターン
(PSD1)の一部と第4パターン(PSD2)の一部
とを重複して露光し、且つ第n+1層の重複露光部分
(AY2)を第n層の重複露光部分(AY1)とずらし
て設定することを特徴とするものである。
【0017】従って、本発明の露光方法では、前レイヤ
ーである第n層に露光された第1パターン(PG1)と
第2パターン(PG2)との重複露光部分(AY1)
と、後レイヤーである第n+1層に露光された第3パタ
ーン(PSD1)と第4パターン(PSD2)との重複
露光部分(AY2)とがずれているので、後レイヤーの
重複露光部分(AY2)を前レイヤーにおいて重複露光
されていない第1パターン(PG1)または第2パター
ン(PG2)上に設定できる。そのため、各層で発生す
る帯ムラ同士が重ならず、帯ムラが強調されない。結果
として、前レイヤーの継ぎ精度に影響されることなく、
良好な画面合成を実施できる。
【0018】また、本発明の露光装置は、照明領域設定
装置(11)で設定された複数のパターンを基板(P)
のショット領域につなぎ合わせて露光する露光装置
(1)において、基板(P)の第n層(nは自然数)に
第1パターン(PG1)と第2パターン(PG2)とを
つなぎ合わせて露光する際に、第1パターン(PG1)
の一部と第2パターン(PG2)の一部とを重複させる
とともに、基板(P)の第n+1層に第3パターン(P
SD1)と第4パターン(PSD2)とをつなぎ合わせ
て露光する際に、第3パターン(PSD1)の一部と第
4パターン(PSD2)の一部とを重複させ、且つ第n
+1層の重複露光部分(AY2)を第n層の重複露光部
分(AY1)とずらせるように照明領域設定装置(1
1)を制御する制御部(20)を備えることを特徴とす
るものである。
【0019】従って、本発明の露光装置では、前レイヤ
ーである第n層に、照明領域設定装置(11)で設定さ
れた照明領域に対応する第1パターン(PG1)と第2
パターン(PG2)との重複露光部分(AY1)と、後
レイヤーである第n+1層に設定された照明領域に対応
する第3パターン(PSD1)と第4パターン(PSD
2)との重複露光部分(AY2)とがずれているので、
後レイヤーの重複露光部分(AY2)を前レイヤーにお
いて重複露光されていない第1パターン(PG1)また
は第2パターン(PG2)上に設定できる。そのため、
各層で発生する帯ムラが同士が重ならず、帯ムラが強調
されない。結果として、前レイヤーの継ぎ精度に影響さ
れることなく、良好な画面合成を実施できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の露光方法および露
光装置の実施の形態を、図1ないし図10を参照して説
明する。ここでは、ステッパ方式の露光装置により、液
晶ディスプレイデバイス製造用のガラス基板に複数のレ
チクルのパターンを正立等倍で画面合成する場合の例を
用いて説明する。これらの図において、従来例として示
した図12と同一の構成要素には同一符号を付し、その
説明を省略する。
【0021】図1は、露光装置1の光学系構成を示す概
略図である。露光装置1は、レチクル(マスク)Rに形
成されたパターン(例えば、液晶表示素子パターン)を
レジスト等が塗布された感光性のガラス基板(基板)P
上へ投影転写するものであって、光源2、照明光学系
3、投影光学系4、基板ステージ5、およびレチクルス
テージ(不図示)から概略構成されている。ここで、投
影光学系4の光軸に平行にZ軸が、光軸に垂直な面内に
おいて、図1の紙面に平行にX軸が、光軸に垂直な面内
において図1の紙面に垂直にY軸がそれぞれ設定されて
いる。
【0022】光源2は、露光光としてのビームBを発す
るものであり、超高圧水銀ランプ等で構成されている。
この光源2には、回転楕円面からなる反射面を有し、光
源2が発する露光光を集光する楕円鏡2aが付設されて
いる。そして、光源2は、楕円鏡2aの第1焦点位置に
位置決めされている。したがって、光源2から射出され
た照明ビームBは、反射ミラー6aを介して楕円鏡2a
の第2焦点位置に光源像を形成する。
【0023】照明光学系3は、反射ミラー6a、6b、
コレクターレンズ7、波長選択フィルタ8、フライアイ
レンズ等のオプティカルインテグレータ9、第1リレー
レンズ10、レチクルブラインド(照明領域設定装置)
11およびブラインドリレー系12、13から概略構成
されている。そして、第2焦点位置に収けんした後に発
散したビームBは、コレクターレンズ7によりほぼ平行
な光束に変換された後、所望の波長域の光束のみを透過
させる波長選択フィルタ8に入射する。波長選択フィル
タ8を介して選択された露光波長のビームB(例えば、
g線またはi線等)は、オプティカルインテグレータ9
に入射する。
【0024】オプティカルインテグレータ9は、多数の
正レンズエレメントをその中心軸線が光軸に沿って延び
るように縦横に配列することにより構成されている。し
たがって、フライアイインテグレータ9に入射したビー
ムBは、多数のレンズエレメントにより波面分割され、
フライインテグレータ9の射出面近傍にレンズエレメン
トの数と同数の光源像からなる二次光源を形成する。す
なわち、フライアイインテグレータ9の射出側には、実
質的な面光源が形成される。
【0025】二次光源からのビームBは、第1リレーレ
ンズ10に入射して集光され、レチクルブラインド11
を照明する。レチクルブラインド11は、光源2とレチ
クルRとの間に配設されレチクルRの照明領域を設定す
るものであって、レチクルRと光学的にほぼ共役な位置
に配置されている。なお、レチクルブラインド11の構
成および作用については後述する。
【0026】投影光学系4は、レチクルRの照明領域に
存在するパターンの像をガラス基板P上に倒立等倍で結
像させるものである。基板ステージ5は、ガラス基板P
を保持するものであって、互いに直交する方向(X方
向、Y方向)へ二次元的に移動自在とされている。この
基板ステージ5上には、移動鏡14が設けられている。
移動鏡14には、レーザ干渉計(不図示)からレーザ光
Lが射出され、その反射光と入射光との干渉に基づいて
移動鏡14とレーザ干渉計との間の距離、すなわち基板
ステージ5の位置(ひいてはガラス基板Pの位置)が検
出される構成になっている。
【0027】したがって、レチクルRを透過したビーム
Bは、投影光学系4を介してガラス基板Pに結像する。
そして、ガラス基板P上の露光領域には、レチクルRの
照明領域にあるパターン像が形成される。そして、基板
ステージ5の位置を検出しつつ、基板ステージ5を介し
てガラス基板Pを二次元的に移動させながら順次露光を
行うことにより、感光基板Pの複数の露光領域にレチク
ルRのパターンを逐次転写することができる。
【0028】図2に示すように、レチクルブラインド1
1は、露光量制御用ブラインド17a、17bと通常露
光用ブラインド18a、18bとから構成されており、
各ブラインド17aと17b、および18aと18bと
は、それぞれレチクルRの共役面を挟んで、且つこの共
役面とほぼ平行に配置されている。ブラインド17aお
よび18aは、駆動系19aの駆動により、ビームBの
光軸と直交するYZ平面内でそれぞれ独立して2次元移
動する構成になっており、またブラインド17bおよび
18bは駆動系19bの駆動により、ビームBの光軸と
直交するYZ平面内でそれぞれ独立して2次元移動する
構成になっている。そして、ブラインド17a、17b
または18a、18bが対でビームBの光路に位置する
ことで、露光量制御継ぎ露光時または通常露光時にレチ
クルRの照明領域がそれぞれ設定される。なお、これら
駆動系19a、19bの駆動は、制御部20によって制
御される。
【0029】露光量制御用ブラインド17a、17b
は、平面視矩形状に形成された透明なガラス板で構成さ
れている。また、各ブラインド17a、17bが対向す
る面には、ビームBを100%透過させる透光部23
a、23bと、ビームBを完全に遮光する遮光部24
a、24bと、ビームBに対する透過率が線形的に変化
することでビームBを線形的に減光させる減光部25
a、25bとがそれぞれ設けられている。これら遮光部
24a、24bおよび減光部25a、25bは、ビーム
Bに対する反射率が10%程度の低反射金属膜でそれぞ
れ形成されている。
【0030】ブラインド17aでは、矩形状に形成され
た透光部23aに対して、遮光部24aが透光部23a
の+Z側および+Y側に配置されたL字形状に形成され
ており、そして+Z側に位置する遮光部24aと透光部
23aとの間には、Y方向に沿って延びる減光部25a
が配置されている。この減光部25aにおけるビームB
の透過率は、透光部23aから遮光部24aへ+Z方向
に向かうに従って100%から0%まで連続的に減少す
るように設定されている。また、透光部23aの+Y側
に位置する遮光部24aと透光部23aとの境界線は、
Z方向に沿って延びるエッジパターン26aを構成して
いる。
【0031】一方、ブラインド17bは、ブラインド1
7aと基本的に同じ構成を有するが、透光部23b、遮
光部24b、減光部25b、エッジパターン26bがブ
ラインド17aの透光部23a、遮光部24a、減光部
25a、エッジパターン26aと上下左右に対称な位置
関係で配置されている。そして、これらブラインド17
a、17bがビームBの光路でYZ平面内で移動して、
透光部23a、23bおよび減光部25a、25bが組
み合わされることで、レチクルRの照明領域の位置、大
きさが設定される構成になっている。
【0032】この露光量制御用ブラインド17a、17
bを用いて露光する際には、露光中にブラインド17
a、17bがY方向に移動することにより、エッジパタ
ーン26a、26bが一定量動作し、この動作部分の照
明領域の露光量を制御することができる。また、Z方向
に対しては減光部25a、25b自体により、減光部2
5a、25bに対応する照明領域の露光量を制御するこ
とができる。なお、重複露光により感光基板Pに画面合
成を行う具体的な方法は、特願平10−103435号
と同様なため、以下の説明では簡略化する。
【0033】通常露光用ブラインド18a、18bは、
ビームBの透過をほぼ100%遮る材料をL字形状にそ
れぞれ屈曲させ、ビームBと直交させた状態で組み合わ
せることにより、矩形状の開口Sを形成するようになっ
ている。ここで、ブラインド18aは開口Sの+Z側お
よび+Y側を形成し、ブラインド18bは開口Sの−Z
側および−Y側を形成している。そして、ブラインド1
8a、18bがビームBの光路でYZ平面内でそれぞれ
独立して移動することにより開口Sが可変可能となり、
この開口Sに応じてレチクルRに対するビームBの照明
領域の大きさ、位置を設定する構成になっている。な
お、通常露光用ブラインド18a、18bを用いても、
特開平6−302501号等に示されるように、露光量
制御継ぎ露光も可能であるが、ここでは、便宜上ブライ
ンド18a、18bを露光量制御継ぎを伴わない露光に
用いるものとしている。
【0034】上記の構成の露光装置を用いてレチクルR
のパターンをガラス基板P上に露光して画面合成する方
法について以下に説明するにあたり、まず露光に使用さ
れるレチクルRとガラス基板Pについて説明する。図3
に示すように、矩形のガラス基板P上に画面サイズが3
37.82mm(13.3インチ)のXGA(画素数;
1024×768)液晶パネル用の回路パターン29を
形成するものとする。各回路パターン29は、図4に示
すように、複数の画素(ピクセル)に応じた複数の電極
が規則正しく配列されたパターンで構成される表示部2
7と、表示部27を取り囲むように形成され、表示部2
7の各電極のパターンとこれら各電極を駆動するドライ
バ回路とをそれぞれ導通させる導通部を有する周辺部2
8とから構成されるものとする。
【0035】また、表示部27では、第1層(第n層)
でゲート線Gが形成され、第2層(第n+1層)でソー
ス・ドレイン線SDが形成され、各回路パターン29の
中、第1層では、回路パターン29をX方向に二等分す
る分割ラインLY1および回路パターン29をY方向に
二等分する分割ラインLX1により分割パターンPG1
〜PG4に略等分に4分割される。
【0036】そして、これら分割パターンPG1〜PG
4をガラス基板P上のショット領域に露光する際に用い
られるレチクルとしては、図5(a)〜(d)に示すよ
うに、各分割パターンPG1〜PG4に対応する分割パ
ターンG1〜G4が形成されたレチクルRG1〜RG4
がそれぞれ使用される。(a)に示すレチクルRG1に
は、分割パターンG1の+Y側および−X側に隣接し
て、パターン領域外の露光光を遮光するL字形状の遮光
帯CG1が形成されている。同様に、(b)に示すレチ
クルRG2には分割パターンG2の+Y側および+X側
に位置するL字形状の遮光帯CG2が形成され、(c)
に示すレチクルRG3には分割パターンG3の−Y側お
よび+X側に位置するL字形状の遮光帯CG3が形成さ
れ、(d)に示すレチクルRG4には分割パターンG4
の−Y側および−X側に位置するL字形状の遮光帯CG
4が形成されている。
【0037】一方、図6に示すように、ガラス基板Pに
形成される各回路パターン29の中、第2層のソース・
ドレイン層では各回路パターン29をX方向に三等分す
る分割ラインLY2、LY3および回路パターン29を
Y方向に三等分する分割ラインLX2、3により分割パ
ターンPSD1〜PSD9に略等分に9分割される。そ
して、これら分割PSD1〜PSD9をガラス基板P上
のショット領域に露光する際に用いられるレチクルとし
ては、図7(a)〜(d)に示すように、第1層用の分
割パターンG1〜G4とほぼ同等の大きさを有する分割
パターンSD1〜SD4が形成されたレチクルRSD1
〜RSD4がそれぞれ使用される。これらレチクルRS
D1〜RSD4にも、レチクルRG1〜RG4と同様の
配置でL字形状の遮光帯CSD1〜CSD4が形成され
ている。
【0038】次に、上記のレチクルRG1〜RG4、R
SD1〜RSD4、ガラス基板P、レチクルブラインド
11において、露光量制御継ぎ露光に係る寸法設定につ
いて説明する。ここでは、図3に示すように、第1層に
おいてガラス基板P上でX方向に隣り合う分割パターン
PG1とPG2、およびPG3とPG4が重複する分割
ラインLY1に沿った重複露光部分AY1の幅WY1
と、Y方向に隣り合う分割パターンPG1PとPG4、
およびPG2とPG3が重複する分割ラインLX1に沿
った重複露光部分AX1の幅WX1とを適正重複幅とし
てそれぞれ5mmに設定する。同様に、図6に示すよう
に、第2層における分割ラインLY2、LY3に沿った
重複露光部分AY2、AY3の幅WY2と、分割ライン
LX2、LX3に沿った重複露光部分AX2、AX3の
幅WX2とをそれぞれ5mmに設定する。
【0039】ここで、投影光学系4がレチクルのパター
ンをガラス基板P上に投影する倍率をnとし、上記ガラ
ス基板P上での適正重複幅をWとすると、レチクルおよ
びレチクルブラインド11上での重複幅W’=W/nと
なる。本実施の形態では、投影光学系4が等倍系(n=
1)であるので、レチクルおよびレチクルブラインド1
1上でも適正重複幅は5mmとなる。したがって、重複
露光部分AX1〜AX3を形成する際に用いられる露光
量制御用ブラインド17a、17bの減光部25a、2
5bの幅W25も双方5mmに設定する。また、露光量
制御継ぎ露光時にブラインド17a、17bが移動する
量も5mmに設定する。
【0040】一方、例えば図5(a)に示すレチクルR
G1において、ガラス基板P上の分割ラインLY1に対
応するラインRY1よりも+X側のパターンは、ガラス
基板P上で隣り合うパターンと重複する部分で、露光量
制御継ぎ露光時に露光量制御用ブラインド17a、17
bが+X方向に移動した際にビームBに照明される領域
であり、ラインRY1からパターン端縁REまでの長さ
WGXはW’/2+α(α>0) …(1)になる。α
は、ブラインド17a、17bの位置決め誤差等を考慮
して設定されるもので、デバイス条件等で決定される。
例えば、上記XGAの場合、表示部27においては、図
4に示す画素ピッチpiは、0.264mmとなる。
【0041】通常、分割ラインは画素電極の品質悪化を
最小限に抑えるために、例えば図4に示すように、ゲー
ト線Gとソース・ドレイン線SDとが交差する部分を避
けて設定されるため、パターン端縁REも同様の位置に
設定されることが好ましい。従って、本実施の形態で
は、パターン端縁REの位置が確実に交差部分を避ける
ように、ラインRY1からパターン端縁REまでの長さ
WGXを画素ピッチの整数倍とする。そのため、(1)
式において、これらの条件を満たす長さWGXの最小値
は2.64mm(α=0.14mm)となる。
【0042】この長さ2.64mmは、レチクルRG2
〜RG4におけるラインRY1とX方向直近のパターン
端縁REとの距離WGXや、ガラス基板P上の分割ライ
ンLX1に対応するレチクルRG1〜RG4のラインR
X1とY方向直近のパターン端縁RFとの距離WGYに
も適用される。なお、ガラス基板P上の第2層の回路パ
ターン29は、分割パターンPSD1〜PSD9に9分
割されるが、レチクルRSD1〜RSD4に形成された
分割パターンSD1〜SD4は回路パターン29を4分
割した大きさを有しているため、これら分割パターンS
D1〜SD4におけるパターン端縁はレチクルRG1〜
RG4ほど厳密に設定する必要はないが、レチクルブラ
インド11の照明領域が端部近傍に設定される可能性も
あるため、上記同様の長さに設定しておくことが好まし
い。
【0043】次に、遮光帯CG1〜CG4、CSD1〜
CSD4の幅WCの設定について説明する。ここで、ブ
ラインド17a、17bの移動時におけるレチクルのパ
ターン領域周辺で遮光すべき長さはW’になるが、これ
にブラインド17a、17bの開口の位置決め誤差βを
考慮して、WC=W’+β(β>0)とする。上述した
ように、W’=5mmとし、また位置決め誤差β=0.
4mmとすると、遮光帯CG1〜CG4、CSD1〜C
SD4の幅Wは5.4mmに設定される。
【0044】続いて、これらレチクルのパターンをガラ
ス基板P上に露光して画面合成する方法について説明す
る。まず、レチクルRG1がレチクルステージ上にセッ
トされ、レチクルアライメント系33でアライメントさ
れると、制御部20が駆動系19a、19bを介して露
光量制御用ブラインド17a、17bを駆動させる。こ
れにより、レチクルRG1には、ブラインド17a、1
7bの透光部23a、23bおよび減光部25aに対応
して、図5(a)の二点鎖線で示すように、ガラス基板
P上の第1パターンとしての分割パターンPG1に対応
する矩形状の照明領域SA1が設定される。
【0045】このとき、照明領域SA1は、右辺(+X
側の辺)がラインRY1よりも−X方向に2.5mmの
位置に設定され、左辺(−X側の辺)が分割パターンG
1の左辺GLから−X方向に5mmの遮光帯CG1内の
位置に設定される。また照明領域SA1の上辺(+Y側
の辺)は、遮光帯CG1内に設定され、下辺(−Y側の
辺)はラインRX1よりも−Y方向に2.5mmの位置
に設定される。ここで、この下辺は、ブラインド17a
の減光部25aの中、ビームBの透過率が0%になる位
置で設定される(従って、ラインRX1は、遮光部25
aの中、ビームBの透過率が50%の位置になる)。
【0046】照明領域SA1が設定され、ガラス基板P
のショット領域が所定位置になるように基板ステージ5
が移動すると、光源2からビームBが射出される。射出
されたビームBは、ブラインド17a、17bによって
レチクルRG1への照明領域SA1が設定され、この照
明領域SA1に存在するパターンの像を投影光学系4を
介してガラス基板P上に結像する。この露光中に、制御
部20の指示に基づき、ブラインド17a、17bが+
X方向に5mm移動することで、照明領域SA1は、右
辺がラインRY1を越えた2.5mmの位置へ所定の速
度で5mm移動する。この移動によって、右辺で規定さ
れるガラス基板P上のショット領域では、露光エネルギ
量が100〜0%へ一定の比率で漸次減少した状態で露
光される。
【0047】なお、この後、レチクル交換に要する時間
よりも基板ステージ5の移動時間の方が通常短いため、
このレチクルRG1を用いてガラス基板P上の−Y側に
位置する回路パターン29にも順次露光するが、以下に
おいては、便宜上この回路パターンに対する露光の説明
を省略する。
【0048】続いて、レチクルRG1をレチクルRG2
に交換してアライメントを実施した後、ブラインド17
a、17bを駆動する。これにより、レチクルRG2に
は、ブラインド17a、17bの透光部23a、23b
および減光部25aに対応して、図5(b)の二点鎖線
で示すように、ガラス基板P上の第2パターンとしての
分割パターンPG2に対応する矩形状の照明領域SA2
が設定される。
【0049】このとき、照明領域SA2は、右辺(+X
側の辺)が遮光帯CG2の右辺CRよりも−X方向に5
mm以上離れた遮光帯CG2内の位置に設定され、左辺
(−X側の辺)がラインRY1よりも−X方向に2.5
mmの位置に設定される。また、照明領域SA2の上辺
および下辺は、レチクルRG1の照明領域SA1におけ
る上辺および下辺と同一のY位置に設定される。
【0050】そして、照明領域SA2が設定され、ガラ
ス基板Pのショット領域が所定位置になるように基板ス
テージ5が移動すると、光源2からのビームBにより、
ブラインド17a、17bで設定された照明領域SA2
に存在する分割パターンG2がガラス基板P上に露光さ
れる。この露光中に、制御部20の指示に基づき、ブラ
インド17a、17bが+X方向に5mm移動すること
で、照明領域SA2は、左辺がラインRY1を越えた
2.5mmの位置へ所定の速度で5mm移動する。この
移動によって、左辺で規定されるガラス基板P上のショ
ット領域では、露光エネルギ量が0〜100%へ一定の
比率で漸次増加した状態で露光される。
【0051】次に、レチクルRG2をレチクルRG3に
交換してアライメントを実施する。ここでは、ビームB
の光路上に次露光のショット領域を位置させる際に、基
板ステージ5の移動距離がより短い分割パターンとして
PG3を選択してある。そして、ブラインド17a、1
7bを駆動することにより、レチクルRG3には、ブラ
インド17a、17bの透光部23a、23bおよび減
光部25bに対応して、図5(c)の二点鎖線で示すよ
うに、ガラス基板P上の分割パターンPG3に対応する
矩形状の照明領域SA3が設定される。照明領域SA3
の設定位置については、上記と同様であるので詳述はし
ないが、左辺をラインRY1よりも−X方向に2.5m
mの位置に、上辺をラインRX1よりも+Y方向に2.
5mmの位置にそれぞれ設定する。
【0052】そして、ガラス基板Pのショット領域が所
定位置になるように基板ステージ5が移動した後に、ブ
ラインド17a、17bを+X方向に5mm移動させな
がらビームBにより露光することで、照明領域SA3に
存在する分割パターンG3がガラス基板P上に露光され
る。ブラインド17a、17bの移動により、照明領域
SA3の左辺で規定されるガラス基板P上のショット領
域では、露光エネルギ量が0〜100%へ一定の比率で
漸次増加した状態で露光される。
【0053】この後、レチクルRG3をレチクルRG4
に交換しアライメント後、ブラインド17a、17bに
より、図5(d)に示すように、ガラス基板P上の分割
パターンPG4に対応する照明領域SA4をレチクルR
G4に設定する。ここでも照明領域SA4の詳述は避け
るが、照明領域SA4の右辺をラインRY1よりも−X
方向に2.5mmの位置に、上辺をラインRX1よりも
+Y方向に2.5mmの位置にそれぞれ設定する。
【0054】そして、ガラス基板Pのショット領域が所
定位置になるように基板ステージ5が移動した後に、ブ
ラインド17a、17bを+X方向に5mm移動させな
がらビームBにより露光することで、照明領域SA4に
存在する分割パターンG4がガラス基板P上に露光され
る。ブラインド17a、17bの移動により、照明領域
SA4の右辺で規定されるガラス基板P上のショット領
域では、露光エネルギ量が100〜0%へ一定の比率で
漸次減少した状態で露光される。
【0055】以上4枚のレチクルRG1〜RG4を用い
た露光により、ガラス基板P上の重複露光部分AY1に
おいては、レチクルRG1、RG4使用時に+X方向へ
向けて露光エネルギ量が100〜0%へ一定の比率で漸
次減少し、レチクルRG2、RG3使用時に+X方向へ
向けて露光エネルギ量が0〜100%へ一定の比率で漸
次増加することで合計の露光エネルギ量が非重複部分と
同じ100%になる。同様に、重複露光部分AX1にお
いては、レチクルRG1、RG2使用時に−Y方向へ向
けて露光エネルギ量が100〜0%へ一定の比率で漸次
減少し、レチクルRG3、RG4使用時に−Y方向へ向
けて露光エネルギ量が0〜100%へ一定の比率で漸次
増加することで合計の露光エネルギ量が非重複部分と同
じ100%になる。
【0056】ただし、重複露光部分AY1、AX1が重
複する部分、即ち、レチクルRG1〜RG4により4回
露光される部分がある。この4重露光部分の露光エネル
ギ量について簡単に検証する。図8に示すように、重複
露光部分AY1、AX1で囲まれた矩形領域の各コーナ
ーを図のようにP1〜P4とし、点P4を原点とするx
y座標系を設定すると、分割パターンPG1の露光時の
露光エネルギ量D1(%)は次式で求められる。 D1(%)=(100×y/WX1)×(1−x/WY1) ……(2) また、分割パターンPG2の露光時の露光エネルギ量D
2(%)は次式で求められる。 D2(%)=(100×y/WX1)×(x/WY1) ……(3) さらに、分割パターンPG3の露光時の露光エネルギ量
D3(%)は次式で求められる。 D3(%)=100×(1−y/WX1)×(x/WY1) ……(4) また、分割パターンPG4の露光時の露光エネルギ量D
4(%)は次式で求められる。 D4(%)=100×(1−y/WX1)×(1−x/WY1)……(5) そして、4重露光部分における露光量Dは、上記式
(2)〜(5)で求められる露光エネルギ量D1〜D4
の総和になる。 このように、4重露光部分においても露光エネルギ量が
100%になり、ガラス基板Pの露光領域全面を一様の
露光量に設定することができる。
【0057】これにより、図3に示すように、ガラス基
板P上には、隣り合う分割パターンと重複露光部分AY
1、AX1のいずれかにおいて互いに一部を重複させて
第1層の分割パターンPG1〜PG4がつなぎ合わせて
露光される。
【0058】このようにして第1層が露光されたガラス
基板Pに現像等の後処理を施した後に第2層を露光す
る。この第2層では4枚のレチクルRSD1〜RSD4
により9箇所の分割パターンを露光するため、1枚のレ
チクルで複数の分割パターンを露光する必要が生じる。
ここでは、表示部27や周辺部28が複数の分割パター
ンPSD1〜PSD9で部分的に共通しているというパ
ターン特性を利用して、レチクルRSD1により分割パ
ターンPSD1〜PSD2、PSD5〜PSD6を露光
し、レチクルRSD2により分割パターンPSD3、P
SD4を露光し、レチクルRSD4により分割パターン
PSD7、PSD8を露光し、レチクルRSD3により
分割パターンPSD9を露光する。
【0059】まず、レチクルRSD1をレチクルステー
ジ上にセットし、アライメントを実行した後に、ブライ
ンド17a、17bによりガラス基板P上の第3パター
ンである分割パターンPSD1に対応する照明領域を設
定する(なお、第2層用のレチクルRSD1〜RSD4
においては、便宜上照明領域の図示を省略する、以下同
じ)。
【0060】具体的には、まず、ガラス基板P上の分割
パターンPSD1にレチクルRSD1の分割パターンS
D1を対応させたときに、図7(a)に示すように、ガ
ラス基板P上の分割ラインLY2に対応するラインRY
2をレチクルRSD1上に設定する。同様に、ガラス基
板P上の分割ラインLX2に対応するラインRX2をレ
チクルRSD1上に設定する。そして、照明領域の右辺
をラインRY2よりも−X方向に2.5mmの位置に、
下辺をラインRX2よりも−Y方向に2.5mmの位置
にそれぞれ設定する。また、照明領域の左辺をレチクル
RG1と同様に、分割パターンSD1の左辺GLよりも
−X方向に5mmの遮光帯CSD1内に設定し、上辺を
遮光帯CSD1内に設定する。
【0061】そして、照明領域が設定され、ガラス基板
Pのショット領域が所定位置になるように基板ステージ
5が移動すると、光源2からのビームBにより、ブライ
ンド17a、17bで設定された照明領域に存在する分
割パターンSD1がガラス基板P上に露光される。この
露光中に、制御部20の指示に基づき、ブラインド17
a、17bが+X方向に5mm移動することで、照明領
域は、右辺がラインRY2を越えた2.5mmの位置へ
所定の速度で5mm移動する。この移動によって、右辺
で規定されるガラス基板P上のショット領域では、露光
エネルギ量が100〜0%へ一定の比率で漸次減少した
状態で露光される。
【0062】以下、同様の手順でガラス基板P上の分割
パターンに対応する照明領域を設定し露光するが、露光
中のブラインド17a、17bの動作は上記と同様であ
るので、この後はブラインド17a、17b移動前の照
明領域の設定についてのみ説明する。
【0063】第4パターンである分割パターンPSD2
については、レチクルRSD1内の画素パターンが一致
するように、ガラス基板P上の分割ラインLY2、LY
3に対応させてラインRY3、RY4をそれぞれレチク
ルRSD1上に設定する。このとき、ラインRY3、R
Y4は、ラインRY3よりも−X方向に2.5mmおよ
びラインRY4よりも+X方向に2.5mmの範囲に画
素パターンが存在するように設定される。そして、照明
領域の右辺をラインRY4よりも−X方向に2.5mm
の位置に、左辺をラインRY3よりも−X方向に2.5
mmの位置にそれぞれ設定する。照明領域の上辺、下辺
は、分割パターンPSD1で設定した上辺、下辺と同じ
Y位置に設定する。
【0064】分割パターンPSD6については、レチク
ルRSD1内の画素パターンが一致するように、ガラス
基板P上の分割ラインLX2、LX3に対応させてライ
ンRX3、RX4をそれぞれレチクルRSD1上に設定
する。このとき、ラインRX3、RX4は、ラインRX
3よりも+Y方向に2.5mmおよびラインRX4より
も−Y方向に2.5mmの範囲に画素パターンが存在す
るように設定される。そして、照明領域の上辺をライン
RX3よりも+Y方向に2.5mmの位置に、下辺をラ
インRX4よりも−Y方向に2.5mmの位置にそれぞ
れ設定する。照明領域の左辺、右辺は、分割パターンP
SD1で設定した左辺、右辺と同じX位置に設定する。
【0065】分割パターンPSD5に対するレチクルR
SD1上の照明領域については、右辺を上記ラインRY
4よりも−X方向に2.5mmの位置に、左辺をライン
RY3よりも−X方向に2.5mmの位置に、上辺をラ
インRX3よりも+Y方向に2.5mmの位置に、下辺
をラインRX4よりも−Y方向に2.5mmの位置にそ
れぞれ設定する。
【0066】分割パターンPSD3に対するレチクルR
SD2の照明領域については、ガラス基板P上の分割パ
ターンPSD3にレチクルRSD2の分割パターンSD
2を対応させたときに、図7(b)に示すように、ガラ
ス基板P上の分割ラインLY3、LX2に対応するライ
ンRY5、RX5をレチクルRSD2上にそれぞれ設定
する。そして、照明領域の左辺をラインRY5よりも−
X方向に2.5mmの位置に、下辺をラインRX5より
も−Y方向に2.5mmの位置にそれぞれ設定する。ま
た、照明領域の右辺を遮光帯CSD2の右辺CRよりも
−X方向に5mmの遮光帯CSD2内に設定し、上辺を
遮光帯CSD2内に設定する。
【0067】分割パターンPSD4に対するレチクルR
SD2の照明領域については、レチクルRSD2内の画
素パターンが一致するように、ガラス基板P上の分割ラ
インLX2、LX3に対応させてラインRX6、RX7
をそれぞれレチクルRSD2上に設定する。このとき、
ラインRX6、RX7は、ラインRX6よりも+Y方向
に2.5mmおよびラインRX7よりも−Y方向に2.
5mmの範囲に画素パターンが存在するように設定され
る。そして、照明領域の上辺をラインRX6よりも+Y
方向に2.5mmの位置に、下辺をラインRX7よりも
−Y方向に2.5mmの位置にそれぞれ設定する。照明
領域の左辺、右辺は、分割パターンPSD3で設定した
左辺、右辺と同じX位置に設定する。
【0068】分割パターンPSD7に対するレチクルR
SD4の照明領域については、まず、ガラス基板P上の
分割パターンPSD7にレチクルRSD4の分割パター
ンSD2を対応させたときに、図7(d)に示すよう
に、ガラス基板P上の分割ラインLY2、LX3に対応
するラインRY6、RX8をレチクルRSD4上にそれ
ぞれ設定する。そして、照明領域の右辺をラインRY6
よりも−X方向に2.5mmの位置に、上辺をラインR
X8よりも+Y方向に2.5mmの位置にそれぞれ設定
する。また、照明領域の左辺を分割パターンSD4の左
辺GLよりも−X方向に5mmの遮光帯CSD4内に設
定し、下辺を遮光帯CSD4内に設定する。
【0069】分割パターンPSD8に対するレチクルR
SD4の照明領域については、まず、レチクルRSD4
内の画素パターンが一致するように、ガラス基板P上の
分割ラインLY2、LY3に対応させてラインRY7、
RY8をそれぞれレチクルRSD4上に設定する。この
とき、ラインRY7、RY8は、ラインRY7よりも−
X方向に2.5mmおよびラインRY8よりも+X方向
に2.5mmの範囲に画素パターンが存在するように設
定される。そして、照明領域の右辺をラインRY8より
も−X方向に2.5mmの位置に、左辺をラインRY7
よりも−X方向に2.5mmの位置にそれぞれ設定す
る。照明領域の上辺、下辺は、分割パターンPSD7で
設定した上辺、下辺と同じY位置に設定する。
【0070】分割パターンPSD9に対するレチクルR
SD3の照明領域については、まず、ガラス基板P上の
分割パターンPSD9にレチクルRSD3の分割パター
ンSD3を対応させたときに、図7(c)に示すよう
に、ガラス基板P上の分割ラインLY3、LX3に対応
するラインRY9、RX9をレチクルRSD3上にそれ
ぞれ設定する。そして、照明領域の左辺をラインRY9
よりも−X方向に2.5mmの位置に、上辺をラインR
X9よりも+Y方向に2.5mmの位置にそれぞれ設定
する。また、照明領域の右辺を遮光帯CSD3の右辺C
Rよりも−X方向に5mmの遮光帯CSD3内に設定
し、下辺を遮光帯CSD3内に設定する。
【0071】このように設定された照明領域が露光中に
+X方向に5mm移動することにより、図6に示すよう
に、ガラス基板P上には、第1層目における重複露光部
分AY1、AX2とはX、Y方向毎にずれて、且つ重な
らない位置に設定された重複露光部分AY2〜AY3、
AX2〜AX3のいずれかにおいて、隣り合う分割パタ
ーンと互いに一部を重複させて第2層の分割パターンP
SD1〜PSD9がつなぎ合わせて露光される。
【0072】なお、レチクルRSD1〜RSD4のアラ
イメントについては、第1層を露光した際に各分割パタ
ーンPG1〜PG4近傍に複数のアライメントマークが
形成されている。従って、第2層の分割パターンPSD
1〜PSD9を露光する際には、これらのアライメント
マークを検出して各種補正量を算出することで、各分割
パターン毎に投影光学系4の結像特性等を補正すること
ができる。
【0073】このとき、分割パターンPSD1、PSD
3、PSD9、PSD7については、第1層の分割パタ
ーンPG1、PG2、PG3、PG4のそれぞれ近傍に
形成されたアライメントマークを用いる。また、分割パ
ターンPSD2については、第1層の分割パターンPG
1、PG2の近傍に形成されたアライメントマークの
中、分割パターンPSD2のショット領域近傍にあるア
ライメントマークを使用する。これにより、第1層で分
割パターンPG1、PG2の継ぎ精度が良好でなく、第
2層の分割パターンPSD1、PSD3がこの継ぎ精度
に依存した状態で露光されても、分割パターンPSD2
はこの継ぎ精度を補正するように分割パターンPSD
1、PSD3につなぎ合わされるので、分割パターンP
SD2における重ね合わせ精度が急激に変化することを
防止できる。
【0074】同様に、分割パターンPSD4では、第1
層の分割パターンPG2、PG3近傍のアライメントマ
ークを、分割パターンPSD8では第1層の分割パター
ンPG3、PG4近傍のアライメントマークを、分割パ
ターンPSD6では第1層の分割パターンPG1、PG
4近傍のアライメントマークを、ショット領域に応じて
選択して使用する。また、分割パターンPSD5につい
ては、例えば第1層の分割パターンPG1〜PG4近傍
の全てのアライメントマークの中、分割パターンPSD
5のショット領域近傍のアライメントマークを使用すれ
ばよい。
【0075】本実施の形態の露光方法および露光装置で
は、ガラス基板P上でゲート線Gが形成される第1層の
重複露光部分AY1、AX1と、ソース・ドレイン線S
Dが形成される第2層の重複露光部分AY2、AY3お
よびAX2、AX3とをX、Y方向毎にずらして設定し
ているので、第2層の分割パターンPSD1〜PSD9
を重複してつなぎ合わせる場合でも、重複部分の下地が
単一の分割パターンで構成されることになる。従って、
前レイヤーである第1層の継ぎ精度に影響されず、また
重複露光部分に発生する帯ムラも強調されないので、良
好な画面合成を行うことができる。また、これにより、
図9に示すように、層間の重ね合わせ精度を徐々に変化
させることが可能になる。結果として、ガラス基板Pを
パネル化した際の分割ムラを発生させる可能性のある層
間の重ね合わせ精度差も見かけ上、零にすることがで
き、分割ムラの抑制および帯ムラの減少を実現できる。
【0076】また、本実施の形態では、第1層の重複露
光部分と第2層の重複露光部分とを重ならないようにず
らして設定しているので、微小幅で帯ムラが強調される
ことがなく、より良好な画面合成を実施することができ
る。さらに、本実施の形態の露光方法および露光装置で
は、第1層の重複露光部分と第2層の重複露光部分とを
X方向およびY方向のそれぞれでずらしているため、両
方向とも帯ムラを強調させないことができるとともに、
層間の重ね合わせ精度が両方向ともデバイス特性に影響
を与えるような回路パターンでも、両方向で重ね合わせ
精度を徐々に変化させることができ、優れたデバイス特
性が得られることになる。
【0077】一方、本実施の形態では、投影光学系4の
投影倍率に対応してブラインド17a、17bの移動
量、減光部25a、25bの幅W25、レチクルRG1
〜RG4、RSD1〜RSD4における遮光帯CG1〜
CG4、CSD1〜CSD4の幅WC、重複露光を行う
ために延長して形成される分割パターンG1〜G4、S
D1〜SD4の長さ等を設定しているので、各値をそれ
ぞれ必要最低限に抑えることが可能になり、例えば一枚
のレチクル内のパターン領域を最大限活用することがで
きる。
【0078】そのため、レチクルの使用枚数が必要以上
に多くなることを防止してコストダウンが実現するとと
もに、レチクル交換の回数を減少させることでスループ
ットが向上する。また、投影倍率を考慮しない場合のよ
うに、ガラス基板P上での重複露光部分の幅が小さいと
露光エネルギ量の変化が急激になり、継ぎ目部分のコン
トラスト変化を十分に抑えきれなくなることでデバイス
の品質が低下してしまうという不都合を未然に回避する
ことも可能になる。
【0079】なお、上記実施の形態では、投影光学系4
を等倍系としたが、例えば投影倍率nが1.25倍の拡
大系であってもよい。この場合、レチクルおよびレチク
ルブラインド上での重複幅W’=W/n=5/1.25
=4mmとなる。従って、ブラインド17a、17bの
移動量および減光部25a、25bの幅W25も双方4
mmに設定する。また、1層目の露光に用いられるレチ
クルRG1〜RG4におけるラインRY1、RX1から
パターン端縁までの長さWGX、WGYは、上記(1)
式からW’/2+αになるが、画素ピッチpiはレチク
ル上では0.264/1.25=0.2112mmとな
る。従って、長さWGX、WGYを画素ピッチpiの整
数倍とするためには、WGX(WGY)=2.112m
m(α=0.112mm)とする。また、遮光帯CG1
〜CG4、CSD1〜CSD4の幅WCもW’+βで規
定されることから、W’=4mm、β=0.4mmとす
ると、WC=4.4mmになる。このような適正寸法の
設定は、投影倍率が1.25倍でない他の拡大系や縮小
系にも適用できる。
【0080】なお、上記実施の形態において、第1層を
4分割、第2層を9分割で画面合成する構成としたが、
これは一例を示したものであり、各層間で重複露光部分
がずれていれば分割数に限定されるものではない。ま
た、層の順番も上記第1層、第2層に限定されるもので
はなく、露光量制御継ぎ露光が実施される層とこの前に
露光される層との重複露光部分がずれて設定されていれ
ばよい。さらに、上記実施の形態では、第1層と第2層
との分割数を異なる構成としたが、これに限定されるも
のではなく、一枚のレチクル内に分割パターンが納まれ
ば、例えば図10に示すように、第2層の回路パターン
29を分割パターンPSD11〜PSD14でつなぎ合
わされる、等分割ではない4分割で画面合成してもよ
い。これは、第1層でも同様である。
【0081】また、上記実施の形態では、各層で複数枚
のレチクルを使用する構成としたが、これに限定される
ものではなく、例えば一枚のレチクルに形成されたパタ
ーンの照明領域を変更することで、各層毎に一枚のレチ
クルを使用するような構成であってもよい。
【0082】また、上記実施の形態では、露光量制御用
ブラインド17a、17bにより露光量制御継ぎ露光を
実施したが、上述したように、通常露光用ブラインド1
8a、18bを露光中に移動させることでも、同様に実
施可能である(特願平11−160267号等参照)。
【0083】なお、本実施の形態の基板としては、液晶
ディスプレイデバイス用のガラス基板Pのみならず、半
導体デバイス用の半導体ウエハや、薄膜磁気ヘッド用の
セラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマス
クまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)
等が適用される。
【0084】露光装置1としては、レチクルR(RG1
〜RG4、RSD1〜RSD4)とガラス基板Pとを静
止した状態でガラス基板Pのパターンを露光し、ガラス
基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リ
ピート方式の投影露光装置(ステッパー)の他に、レチ
クルRとガラス基板Pとを同期移動してレチクルRのパ
ターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式
の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,4
73,410)にも適用することができる。
【0085】露光装置1の種類としては、ガラス基板P
に液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に
限られず、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッ
ド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルRなどを製造
するための露光装置などにも広く適用できる。
【0086】また、光源2としては、超高圧水銀ランプ
から発生する輝線(g線(436nm)、h線(40
4.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレ
ーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193n
m)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電
子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、
電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型の
ランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(T
a)を用いることができる。また、YAGレーザや半導
体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0087】投影光学系4の倍率は、上述したように、
等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよ
い。また、投影光学系4としては、エキシマレーザなど
の遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの
遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用
いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチ
クルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を
用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器か
らなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過
する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。ま
た、投影光学系4を用いることなく、レチクルRとガラ
ス基板Pとを密接させてレチクルRのパターンを露光す
るプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0088】基板ステージ5やレチクルRを保持するレ
チクルステージにリニアモータ(USP5,623,853またはUS
P5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用
いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス
力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、
各ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよ
く、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよ
い。
【0089】各ステージの駆動機構としては、二次元に
磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置
した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステー
ジを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁
石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステー
ジに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方を
ステージの移動面側に設ければよい。
【0090】基板ステージ5の移動により発生する反力
は、投影光学系4に伝わらないように、特開平8−16
6475号公報(USP5,528,118)に記載されているよう
に、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がし
てもよい。レチクルステージの移動により発生する反力
は、投影光学系4に伝わらないように、特開平8−33
0224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されてい
るように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に
逃がしてもよい。
【0091】以上のように、本願実施形態の露光装置1
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0092】液晶表示デバイスや半導体デバイス等のデ
バイスは、図11に示すように、液晶表示デバイス等の
機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステッ
プに基づいたレチクルR(マスク)を製作するステップ
202、石英等からガラス基板P、またはシリコン材料
からウエハを製作するステップ203、前述した実施の
形態の露光装置1によりレチクルRのパターンをガラス
基板P(またはウエハ)に露光するステップ204、液
晶表示デバイス等を組み立てるステップ(ウエハの場
合、ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工
程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造さ
れる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る露
光方法は、基板の第n+1層に第3パターンと第4パタ
ーンとをつなぎ合わせて露光する際に、第3パターンの
一部と第4パターンの一部とを重複して露光し、且つ第
n+1層の重複露光部分を第n層の重複露光部分とずら
して設定する手順となっている。これにより、この露光
方法では、前レイヤーである第n層の継ぎ精度に影響さ
れず、また重複露光部分に発生する帯ムラも強調されな
いので、良好な画面合成を行うことができる。また、基
板をパネル化した際の分割ムラを発生させる可能性のあ
る層間の重ね合わせ精度差も見かけ上、零にすることが
でき、分割ムラの抑制および帯ムラの減少を実現できる
という効果が得られる。
【0094】請求項2に係る露光方法は、第n+1層の
重複露光部分が第n層の重複露光部分とは重ならない位
置に設定される構成となっている。これにより、この露
光方法では、微小幅でも帯ムラが強調されることがな
く、より良好な画面合成を実施できるという効果が得ら
れる。
【0095】請求項3に係る露光方法は、第n層の重複
露光部分と第n+1層の重複露光部分とを略直交する方
向のそれぞれでずらせる構成となっている。これによ
り、この露光方法では、両方向で帯ムラを強調させない
ことができるとともに、層間の重ね合わせ精度が両方向
ともデバイス特性に影響を与えるような回路パターンで
も、両方向で重ね合わせ精度を徐々に変化させることが
でき、優れたデバイス特性が得られるという効果が得ら
れる。
【0096】請求項4に係る露光方法は、第1パターン
が第1のマスクに形成され、第2パターンが第1のマス
クとは異なる第2のマスクに形成される構成となってい
る。これにより、この露光方法では、複数のマスクを用
いて重複露光を行う場合でも、分割ムラの抑制および帯
ムラの減少を実現して良好な画面合成を実施できるとい
う効果が得られる。
【0097】請求項5に係る露光方法は、第1パターン
の大きさと、第3パターンの大きさとが異なる構成とな
っている。これにより、この露光方法では、層間で重複
露光部分がずれることになり、分割ムラの抑制および帯
ムラの減少を実現して良好な画面合成を実施できるとい
う効果が得られる。
【0098】請求項6に係る露光装置は、制御部が第3
パターンの一部と第4パターンの一部とを重複させ、且
つ第n+1層の重複露光部分を第n層の重複露光部分と
ずらせるように前記領域設定装置を制御する構成となっ
ている。これにより、この露光装置では、前レイヤーで
ある第n層の継ぎ精度に影響されず、また重複露光部分
に発生する帯ムラも強調されないので、良好な画面合成
を行うことができる。また、基板をパネル化した際の分
割ムラを発生させる可能性のある層間の重ね合わせ精度
差も見かけ上、零にすることができ、分割ムラの抑制お
よび帯ムラの減少を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、露
光装置の光学系構成を示す概略図である。
【図2】 同露光装置を構成するレチクルブラインド
の要部の拡大斜視図である。
【図3】 第1層が4個の分割パターンでつなぎ合わ
される回路パターンが配置されたガラス基板の平面図で
ある。
【図4】 同回路パターンの表示部の部分拡大図であ
る。
【図5】 (a)〜(d)とも、第1層の露光に用い
られるレチクルの平面図である。
【図6】 第2層が9個の分割パターンでつなぎ合わ
される回路パターンが配置されたガラス基板の平面図で
ある。
【図7】 (a)〜(d)とも、第2層の露光に用い
られるレチクルの平面図である。
【図8】 4重露光部分の露光エネルギ量を説明する
ための説明図である。
【図9】 露光量制御継ぎ露光部におけるポイントと
重ね精度との関係を示す関係図である。
【図10】 第2層が別の分割例でつなぎ合わされた
ガラス基板の平面図である。
【図11】 液晶表示(半導体)デバイスの製造工程
の一例を示すフローチャート図である。
【図12】 前レイヤーと後レイヤーとがずれて重ね
合わされた回路パターンの一例を示す部分拡大図であ
る。
【符号の説明】
AX1、AX2、AY1、AY2 重複露光部分 P ガラス基板(基板) PG1 分割パターン(第1パターン) PG2 分割パターン(第2パターン) PSD1 分割パターン(第3パターン) PSD2 分割パターン(第4パターン) R、RG1〜RG4、RSD1〜RSD4 レチクル
(マスク) 1 露光装置 11 レチクルブラインド(照明領域設定装置) 20 制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパターンを基板のショット領域
    につなぎ合わせて露光する露光方法において、 前記基板の第n層(nは自然数)に第1パターンと第2
    パターンとをつなぎ合わせて露光する際に、前記第1パ
    ターンの一部と前記第2パターンの一部とを重複して露
    光し、 前記基板の第n+1層に第3パターンと第4パターンと
    をつなぎ合わせて露光する際に、前記第3パターンの一
    部と前記第4パターンの一部とを重複して露光し、且つ
    前記第n+1層の前記重複露光部分を前記第n層の前記
    重複露光部分とずらして設定することを特徴とする露光
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光方法において、 前記第n+1層の前記重複露光部分は、前記第n層の前
    記重複露光部分とは重ならない位置に設定することを特
    徴とする露光方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の露光方法にお
    いて、 前記第n層および第n+1層における前記重複露光部分
    を互いに略直交する方向にそれぞれ設定し、 前記第n層の重複露光部分と前記第n+1層の重複露光
    部分とを前記略直交する方向のそれぞれでずらせること
    を特徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の露
    光方法において、 前記第1パターンは第1のマスクに形成されており、前
    記第2パターンは前記第1のマスクとは異なる第2のマ
    スクに形成されていることを特徴とする露光方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の露
    光方法において、 前記第1パターンの大きさと、前記第3パターンの大き
    さとは異なることを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 照明領域設定装置で設定された複数の
    パターンを基板のショット領域につなぎ合わせて露光す
    る露光装置において、 前記基板の第n層(nは自然数)に第1パターンと第2
    パターンとをつなぎ合わせて露光する際に、前記第1パ
    ターンの一部と前記第2パターンの一部とを重複させる
    とともに、前記基板の第n+1層に第3パターンと第4
    パターンとをつなぎ合わせて露光する際に、前記第3パ
    ターンの一部と前記第4パターンの一部とを重複させ、
    且つ前記第n+1層の前記重複露光部分を前記第n層の
    前記重複露光部分とずらせるように前記照明領域設定装
    置を制御する制御部を備えることを特徴とする露光装
    置。
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