JP2001166306A - 液晶配向形成方法 - Google Patents

液晶配向形成方法

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JP2001166306A
JP2001166306A JP34583999A JP34583999A JP2001166306A JP 2001166306 A JP2001166306 A JP 2001166306A JP 34583999 A JP34583999 A JP 34583999A JP 34583999 A JP34583999 A JP 34583999A JP 2001166306 A JP2001166306 A JP 2001166306A
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liquid crystal
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JP34583999A
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Hirotaka Imayama
寛隆 今山
Kazunari Takemoto
一成 竹元
Ryoji Iwamura
亮二 岩村
Masateru Morimoto
政輝 森本
Toshiro Iwata
敏郎 岩田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配向処理の後に洗浄工程を必要とせず、治工具
管理の負担が低減でき、さらに均一に配向処理可能な液
晶配向形成方法を提供する。 【解決手段】水等の流体100を60℃〜100℃の温
度に制御し、流体供給ノズル8から流体100を配向膜
6上に供給し、ブラシ状回転体1により、流体100を
加速し、矢印A方向に140m/秒以上の流速で基板5
上の配向膜6上で流動させ、矢印A方向に沿って圧力分
布を設け、配向膜付き基板7を矢印B方向に移動し、配
向膜6の配向処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の製
造工程において、配向膜に異方性を持たせて基板上の配
向膜を配向させる液晶配向形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ、ワードプロセ
ッサ、カーナビゲーションシステム、ワークステーショ
ン、各種制御機器、計測器、テレビ、モニタ、プロジェ
クタ、ゲーム機器、携帯電話、ハンドヘルドコンピュー
タ、電子手帳、電子ブック等の表示部として液晶表示素
子(LCD)が用いられている。
【0003】従来、液晶表示素子、特に、TN(ツイス
テッド ネマチック(Twisted Nematic))モードやIPS
(イン プレイン スイッチング(In-Plane-Switching))
モード等に代表される水平配向タイプの液晶表示素子に
おいては、基板上に配向膜を塗布した後、配向処理を行
うのが一般的である。
【0004】配向膜は一般にポリイミドで構成されてお
り、一般にはこれを溶液状にして、例えばフレキソ印刷
等の方法で基板上に塗布し、溶媒乾燥、焼成処理を施し
て形成される。
【0005】このとき、配向膜の中のポリイミド分子
は、ランダムに配向しており、全体として等方性を有し
ているため、液晶分子を一様に配列させることはできな
い。
【0006】そこで、配向膜に異方性を付与し、液晶分
子を一様に配向させることを目的とする配向処理工程が
必要である。
【0007】従来、液晶表示素子の配向膜を配向させる
のに、ほとんどラビング工程を採用している。
【0008】図9は従来のラビング工程を示す側面図で
ある。
【0009】91はラビングローラ、92はバフ布、5
は基板、6は基板5の上面に形成された配向膜、7は配
向膜付き基板である。
【0010】ラビング工程とは、図9に示すように、レ
ーヨンやコットン等の細い繊維で構成される布、すなわ
ち、バフ布92をラビングローラ91に巻き付け、該ラ
ビングローラ91を高速回転させ、配向膜6を直接擦る
ことによって配向膜6に配向処理を施す工程である。
【0011】ラビング工程に関する概要は、例えば、S
EMIスタンダードFPDテクノロジー部会編、カラー
TFT液晶ディスプレイ、pp199〜201、共立出
版(1996年7月)に記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このラビン
グ工程では、バフ布92から抜け落ちる繊維や、配向膜
6から生じる摩耗粉、バフ布92から落ちる配向膜6の
摩耗粉に起因してしばしば表示品質が低下し、歩留り向
上の阻害要因となっていた。このため、ラビング工程
後、配向膜6の洗浄工程が必須となっている。
【0013】また、バフ布92を定期交換する必要があ
るため、製造ラインの稼働率が低下し、生産性向上の阻
害要因となっている。
【0014】また、バフ布92に毛並みのむらが発生し
やすく、これが液晶表示素子の表示品質を低下させる要
因となっている。
【0015】これらの問題を解決するためには、バフ布
92等のラビング工程の治工具管理の改善が重要である
が、バフ布92の劣化等を検出するのは困難であった。
【0016】また、ラビングは配向膜6上をバフ布92
を巻き付けたラビングローラ91で直接擦る摩擦工程で
あるために、静電気が発生しやすく、基板5上に形成さ
れたTFT素子などにダメージを与えて、表示不良とな
ることも珍しくなかった。
【0017】一方、ラビング工程は、配向処理の均一性
においても課題がある。すなわち、高精細化が進むTF
T液晶表示素子、特に画素内部にも配線段差を有する前
記IPS方式においては、ラビング処理をこの段差のエ
ッジ部まで均一に施すことが困難であることから、コン
トラストの低下などの問題が生じていた。
【0018】本発明の目的は、ラビング工程の前記課題
を解消し、配向処理の後に洗浄工程を必要とせず、治工
具管理の負担が低減でき、さらに均一に配向処理可能な
液晶配向形成方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、配向膜上を流れる、あるいは配向膜上に
噴射する流体(液体または気体)が配向膜に与えるせん
断力を利用して配向膜の配向処理を行うものである。
【0020】すなわち、本発明では、流体を所定の温度
に制御し、加速し、所定の方向に流速140m/秒以上
で基板上の配向膜上で流動させ、あるいは前記方向に沿
って圧力分布を設け、前記配向膜にせん断力を与えて配
向処理を行う。
【0021】また、前記流体を加速し、前記圧力分布を
設けるのには、例えば、周方向に形状分布を有する回転
体を用いるか、前記流体を加圧した後、狭い穴から基板
上の配向膜上に噴射するか、あるいは基板上の配向膜で
一辺が構成される狭い流路を設け、前記流体を前記流路
に通過させる。
【0022】流体を流動させる際、140m/秒以上の
流速は、本発明者らの実験の結果得られた配向膜を配向
させる上で必要な流速である。
【0023】ここで、流動方向に圧力分布を形成するの
は、配向膜にこの方向に沿うせん断力をより大きく作用
させるためである。
【0024】この方法によれば、配向処理により配向膜
が削られないので、配向膜の洗浄工程を省くことができ
る。
【0025】流体を加速し、流動方向に沿う圧力分布を
形成するには、例えば円筒状のブラシ、プロペラ等のよ
うに周方向に形状分布を有する回転体を用い、この回転
体と配向膜との間のギャップを小さくすることにより実
現可能である。すなわち、このような回転体を回転させ
ることによって、回転方向に流体の流動を発生させ、流
動方向に圧力分布を設けることが可能となる。また、前
記ギャップを小さくすることによって、配向膜上の流体
をより加速することが可能となる。
【0026】また、流体を加速するために、ポンプ等の
加圧手段で流体を加圧した後、狭い穴(オリフィス)か
ら噴射することにより、流体の速度をより速めることが
可能となる。これは、穴から流出した流体の圧力が流出
以前に比べて小さくなるためで、これにより流体が圧力
として有していたエネルギーが速度のエネルギーに変換
されるためである。したがって、穴は加速手段としての
みならず、圧力分布形成手段としても有効である。
【0027】このことから明らかなように、配向膜上を
流路形成部材で覆い、狭い流路を形成し、該流路の一辺
を基板上の配向膜で構成することにより、配向膜上を流
動する流体に流動方向に沿う圧力分布を設けることが可
能である。
【0028】また、圧力分布形成手段として、加速され
た液体に気泡を混入して流体を液滴とし、液体の小さな
粒を衝突または流動させてもよい。これにより、液滴外
と液滴内に圧力分布を効率よく発生させることができ
る。また、ここでは、流体の粒を配向膜へ衝突させる力
によっても配向膜を配向させることができる。
【0029】また、圧力分布形成手段として、加速され
た流体に、粒状固体を混入させてもよい。この方法によ
れば、粒状固体が配向膜に衝突したり、配向膜を摩擦し
たりするため、ラビングと同様のメカニズムにより配向
させることができる。
【0030】また、粒状固体を弾性体で構成することに
より、粒状固体が配向膜と衝突、摩擦する過程で、配向
膜に発生する応力を緩和し、配向膜からの摩耗粉の発生
を抑制することが可能である。
【0031】また、粒状固体を液晶表示素子のギャップ
規定用スペーサとすれば、配向処理後にスペーサが配向
膜上に残るので、洗浄工程およびスペーサ散布工程の省
略が可能となる。
【0032】また、粒状固体を氷、ドライアイス、塩類
等、流体に可溶であるか、または室温で揮発性である材
料で構成することにより、配向膜と衝突、摩擦する過程
では固体であるが、それ以後では液体または気体である
状態とすることができる。これにより、混入された粒状
固体や摩耗粉の洗浄工程を不要にできる。
【0033】さらに、配向処理工程における静電気の発
生を抑制するため、流体に炭酸イオン等の静電気抑制用
イオンを添加してもよい。このような静電気抑制用イオ
ンによって、配向膜との摩擦過程で発生する静電気を中
和することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する
図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0035】例えばTFT−LCDは、TFT素子を画
素毎に配置したTFT基板と、赤、緑、青の色画素を配
置したカラーフィルタ基板に、それぞれ配向膜を例えば
フレキソ印刷等の方法によって塗布した。例えば対角1
5インチのTFT−LCDを生産する場合、配向膜形成
工程の段階での基板の大きさは、横320mm×縦25
0mm×厚さ0.7mm、配向膜パターンの大きさは横
300mm×縦220mmである。配向膜の主成分は例
えばポリイミドの前駆体等の高分子であり、塗布直後は
例えばN−メチルピロリドン、ブチロセロソルブ等の溶
媒中に溶け込んでいるので、例えばホットプレート上
で、例えば40℃〜100℃に基板を加温して溶媒成分
を揮発させる(乾燥処理)。この状態では配向膜は安定
なポリイミドではなく、その前駆体であるので、200
℃〜300℃に加温してイミド化反応を促進させる処
理、すなわち、焼成処理を施す必要がある。ラビングな
どの通常の配向処理過程は、焼成処理の後に施されるの
が普通であるので、本発明による流体を用いた配向処理
過程も同様に、焼成処理の後でもよい。しかしながら、
本発明者らが行った実験では、上述の乾燥処理後に本発
明による流体を用いた配向処理を施し、その後に焼成処
理を行うとより強い配向が観察された。流体を用いた配
向処理についての詳細は後で述べる。以下は、特に断り
のない限り、本発明による配向処理過程は、配向膜の乾
燥処理後に行って、その後に焼成処理を施す方法を述べ
たものである。なお、配向処理過程では、後で述べるよ
うに、高圧、高速の流体により基板が破損するのを防ぐ
ために、ステージに例えば真空吸着し、裏面の周囲から
流体が入り込まないように例えばOリング等を用いて基
板を固定した。配向処理後、例えばTFT基板上に直径
5.5μmのビーズを散布し、カラーフィルタ基板上の
配向膜の周囲に例えばエポキシ材料を主成分とするシー
ル材を塗布する。このようにして形成されたTFT基板
とカラーフィルタ基板とを例えば双方の基板上に設けた
アライメントマークを基準にして位置合わせを行って重
ね合わせた。このようにして形成されたセルを加圧し、
ギャップを形成した後に加熱してシール材を硬化させ
た。このあと、液晶を封入口から封入し、封入口を封止
材で封じてTFT−LCDを完成させた。このTFT−
LCDを2枚の偏光板で挟み、例えばライトボックス上
に置くことにより、本発明による配向状態を確認するこ
とができた。
【0036】なお、流体を流動させ、噴射し、あるいは
通過させる際、140m/秒以上の流速は、本発明者ら
の実験の結果得られた配向膜を配向させる上で必要な流
速である。
【0037】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。
【0038】実施の形態1 図1(a)は本発明の実施の形態1を示す側面図、
(b)は上面図である。
【0039】1はブラシ状回転体、2はブラシ、3は円
筒、4は回転軸、5は基板、6は基板5の上面に形成さ
れた配向膜、7は配向膜付き基板、8は流体を配向膜付
き基板7上に供給する流体供給ノズル、100は流体で
ある。
【0040】本実施の形態では、水等の流体100を所
定の温度に制御し、流体供給ノズル8から流体100を
配向膜6上に供給し、ブラシ状回転体1により、流体1
00を加速し、矢印A方向に140m/秒以上の流速で
基板5上の配向膜6上で流動させ、矢印A方向に沿って
圧力分布を設け、配向膜付き基板7を矢印B方向に移動
し、配向膜6の配向処理を行う。流体100を加速し、
流動させ、流動方向である矢印A方向に沿って圧力分布
を設けるのに、周方向に凹凸の形状分布を有するブラシ
状回転体1を用い、このブラシ状回転体1と配向膜5間
のギャップを小さくする。
【0041】ブラシ状回転体1は、例えば直径数100
μm、長さ20mmのナイロンの繊維を、金属等で作ら
れた例えば直径30mmの円筒3の周囲に多数、例えば
1平方センチメートル当り100本配置して構成され
る。このブラシ状回転体1を、円筒3の中心軸を回転軸
4として例えば300回転/分で回転させると、ブラシ
状回転体1の回転に伴って、ブラシ2の周囲に圧力分布
が発生し、ブラシ2の周囲の流体100が流動する。こ
のとき、ブラシ2と配向膜6とは接触させてもよいし、
両者の間にすき間を設けてもよい。本実施の形態では、
このすき間を例えば数10μm程度まで小さくすると、
ブラシ2と配向膜6との間の流体100は高速で流動
し、かつ、ブラシ2の回転方向に大きな流速分布が形成
された。本実施の形態においては、配向膜付き基板7を
ブラシ2の回転に逆らう矢印B方向に、50mm/秒で
移動させることにより、配向膜6全面の配向処理を施し
た。これにより、配向膜6にせん断力が発生し、配向膜
6表面を延伸して配向処理がなされる。周方向に形状分
布を有する回転体としては、例えばプロペラのようなも
のでもよいし、表面が多孔質状のものでもよい。また、
流体100としては、例えば水のように、ある程度粘性
と質量がある流体100を使用することにより、効率よ
く配向できた。また、流体100として、温度60℃〜
100℃の水(湯)を用いたが、流体100の温度は高
い方がより強く配向する。さらに、配向処理する際、配
向膜付き基板7を矢印Cに示すように揺動(スライド)
させてもよい。
【0042】実施の形態2 図2は本発明の実施の形態2を示す側面図である。
【0043】9はポンプ、10は流体噴射ノズル、11
はオリフィス(狭い穴)、12はパイプ、13は弁であ
る。
【0044】本実施の形態では、水等の流体100を所
定の温度に制御し、流体噴射ノズル10のオリフィス1
1から矢印A方向に140m/秒以上の流速で基板5上
の配向膜6上に噴射し、矢印A方向に沿って圧力分布を
設け、配向膜6の配向処理を行う。本実施の形態では、
プランジャーポンプ9等の加圧手段で流体100を加圧
後、狭いオリフィス11から流体100を噴射すること
により、流体100の速度を速めることが可能となる。
【0045】図2に示すように、流体100を10MP
aまでポンプ9で加圧した。加圧した流体100は内径
10mmのパイプ12を通して直径0.5mmのオリフ
ィス11まで運搬される。オリフィス11の形状や、オ
リフィス11と配向膜6上の流体100が噴射される部
分との距離(噴射距離)によっても変わるが、オリフィ
ス11から出た流体100は例えば空気中の音速を超え
るような高速となる。これはオリフィス11から流出し
た流体100の圧力が流出以前に比べて小さくなるため
で、流体100が圧力として有していたエネルギーが速
度のエネルギーに変換されるためである。したがって、
オリフィス11は加速手段としてのみならず、圧力分布
形成手段としても働く。このようにして加速された流体
100は、例えばノズル10から100mm離れたとこ
ろでは400m/秒、流量は10リットル/分である。
この位置での流体100の噴射径は約20mmである。
このようなオリフィス11を、配向膜付き基板7の全幅
噴射可能な個数例えば30個並列に配置し、配向膜付き
基板7とオリフィス11との噴射距離を100mm、流
体噴射方向と配向膜付き基板7平面(配向膜6面)との
成す角度(噴射角度)を10°とし、並列に配置したオ
リフィス11を矢印D方向に移動することによって、例
えば40℃にて乾燥処理後、冷却した配向膜付き基板7
全面に流体100を噴射し、均一な配向を得ることがで
きた。なお、30個並列に配置したオリフィス11の位
置は固定で、配向膜付き基板7を矢印B方向に移動させ
てもよい。また、多数個並列に配置したオリフィス11
または配向膜付き基板7のいずれかを矢印C方向に示す
ように揺動(スライド)させながら、配向膜付き基板7
全面に噴射して、配向してもよい。さらに、オリフィス
11を複数個並列に配置しないで、1個のオリフィス1
1をスキャンしながら噴射し、配向膜付き基板7全面に
噴射して、配向してもよい。オリフィス11からの噴射
圧力は10MPaよりもさらに高い方が効率よく配向し
た。本発明者らが行った実験では、水温は60℃でより
よく配向したが、さらに高温で行うとより効率のよい配
向が可能である。また、本発明者らの実験の結果、均一
な配向を得るには、流体100の噴射方向と基板5上の
配向膜6面との成す角度は45°以下が望ましいことが
わかった。
【0046】実施の形態3 図3(a)は本発明の実施の形態3を示す側面図、
(b)は(a)の矢印E方向から見た正面図である。
【0047】14は流体噴射ノズル、15は流路形成部
材、16は狭い流路(オリフィス)である。
【0048】本実施の形態では、配向膜付き基板7上を
流路形成部材15で一部覆い、狭い流路16を形成し、
流路16の一辺を配向膜6で構成し、水等の流体100
を所定の温度に制御し、流体噴射ノズル14から流路1
6の手前の配向膜6上に噴射させ、矢印A方向に140
m/秒以上の流速で流路16を通過させ、配向膜6の配
向処理を行う。このように流路16を構成する一辺を配
向膜6で構成することにより、配向膜6上を流動する流
体100に流動方向である矢印A方向の圧力分布を設け
ることができる。例えば、流路16の寸法を高さ0.1
mm、幅250mm、奥行き10mmとして、流路16
の一辺は配向膜6で形成する。このようにして流路16
の高さをほぼ0.1mmに保ったまま、配向膜付き基板
7を矢印B方向に配向膜付き基板7を動かすことにより
配向膜6全面の均一な配向が可能である。なお、配向膜
付き基板7を矢印C方向に揺動(スライド)させなが
ら、配向膜付き基板7全面に配向してもよい。
【0049】実施の形態4 図4は本発明の実施の形態4を示す側面図である。
【0050】17は流体噴出ノズル、18は気体取込
管、19は気泡である。
【0051】本実施の形態では、ポンプ9で加圧された
水等の流体100に気体取込管18から空気を取り込ん
で気泡19を流体100に混入し、この流体100をオ
リフィス11から噴射することによって、流体100を
直径10μm程の高速な液滴とし、この液滴を例えばオ
リフィス11から100mm離れたところで、300m
m/秒の速度で配向膜6に衝突させた。これにより、液
滴外と液滴内に圧力分布が発生し、配向膜6の配向を行
うことができた。また、本実施の形態では、流体100
の粒の配向膜6への衝突による力によっても配向させる
ことができる。前記実施の形態2で述べたように、オリ
フィス11を多数個並列に配置することによって、配向
膜6全面に高速の液滴を同時に当てることも可能である
し、1個もしくは数個のオリフィス11と配向膜付き基
板7とを相対的にスキャンしながら配向膜6全面に液滴
を当て、配向してもよい。なお、矢印A〜Dの意味は、
図2に示した実施の形態2と同様である。
【0052】実施の形態5 図5(a)は本発明の実施の形態5を示す側面図、
(b)は正面図である。
【0053】20は粒状固体、21は流体噴射ノズル、
22は粒状固体取込部、23は流路形成部材、24は狭
い流路(オリフィス)である。
【0054】本実施の形態では、加圧、加速された水等
の流体100に粒状固体20を混入することにより、粒
状固体20が配向膜6に衝突し、配向膜6を摩擦するの
で、ラビングと同様のメカニズムにより配向膜6を配向
させることができる。
【0055】本実施の形態では、粒状固体20として
は、直径5μmのポリスチレンの高分子からなる弾性体
を用いた。粒状固体20を弾性体で形成することによ
り、配向膜6と衝突し、配向膜6を摩擦する過程で、配
向膜6に発生する応力を緩和し、配向膜6からの摩擦粉
の発生を抑制することができる。
【0056】本実施の形態では、図5に示すように、配
向膜付き基板7上を流路形成部材23で覆い、狭い流路
24を形成し、配向膜6を一辺とする、高さ0.5m
m、幅300mm、奥行き220mmの流路24を形成
し、前述のポリスチレン製粒状固体20を流体100に
混入した。まず、流体100を10MPaに加圧し、オ
リフィス11の直前で粒状固体20を流体100に引き
込んだ。オリフィス11からの流体100の流量は10
リットル/分である。この状態を10秒間維持するだけ
で、配向膜6全面にわたって均一な配向を得ることがで
きた。この場合、配向処理後、粒状固体20が残ってし
まうため、粒状固体20を洗い流す洗浄工程が必要にな
るが、粒状固体20としてLCDの上下基板ギャップ規
定用のスペ−サ(ビーズ)を使用すれば、配向処理後に
洗浄工程を行う必要がなく、さらにスペーサ分散工程を
省略することもできる。
【0057】本実施の形態では、配向処理を施した後、
ドライエアを用いて水切りし、120℃のホットプレー
ト上で乾燥した後、エポキシ製のシール材をディスペン
サを用いて配向膜付き基板7の配向膜6の周囲に塗布
し、カラーフィルタ基板(カラーフィルタを形成した方
の対向基板)と重ね合わせることにより、ほぼ5μmの
均一なセルギャップを得ることができた。
【0058】実施の形態6 本実施の形態では、流体100に混入される粒状固体
が、氷、ドライアイス、塩類等、流体100に可溶であ
るか、揮発性であるものを用いる。
【0059】例えばドライアイスのように室温で揮発性
の固体や、水である流体100中に可溶である氷を混入
することによって、配向膜と衝突、摩擦する過程では固
体であるが、それ以後では液体または気体であるという
ような状態を作ることが可能となる。したがって、混入
した粒状固体や摩耗粉を洗浄する必要が生じない。
【0060】本実施の形態6では、10μm程度の大き
さの氷を、水との混入比5wt%で用いた。図5に示し
た前記実施の形態5のスペーサと同様の操作を行うこと
により、配向膜に均一な配向処理を施すことができた。
【0061】実施の形態7 本実施の形態では、静電気の発生を抑制するため、水等
の流体に炭酸イオン等の静電気抑制用イオンを添加す
る。このような静電気抑制用イオンイオンにより、配向
膜の摩擦過程で発生した静電気を中和することができ
る。炭酸イオンの添加法は、図4に示した前記実施の形
態4の方法と同様に行った。炭酸イオンの添加量は2.
5体積%とした。
【0062】実施の形態8 図6は本発明の実施の形態8を示す側面図である。
【0063】25は加熱タンク、26は加圧ポンプ、2
7は流体噴射ノズル、28はステージ、29はステージ
28に設けたヒータである。
【0064】本実施の形態では、流体100を加熱する
加熱タンク25と、配向膜付き基板7を加熱するヒータ
29を設けたものである。
【0065】実施の形態9 図7は本発明の実施の形態9を示す側面図である。
【0066】30は水槽、31はブラシ状回転体(図1
の符号1参照)やプロペラ等の回転体である。
【0067】本実施の形態では、水等の流体100を溜
めた水槽30中に配向膜付き基板7を配置し、回転体3
1を回転させ、配向膜付き基板7を矢印B方向に移動さ
せて配向させる。
【0068】図8(a)、(b)はそれぞれ配向膜印刷
・乾燥から液晶封入・封止までの工程を示す図である。
【0069】図から明らかなように、(A)では、配向
膜印刷・乾燥→配向膜焼成→水流配向処理→スペーサ散
布→重ね合わせ・ギャップ形成→液晶封入封止、(B)
では、配向膜印刷・乾燥→水流配向処理→配向膜焼成→
スペーサ散布→重ね合わせ・ギャップ形成→液晶封入封
止を行う。
【0070】すなわち、配向膜を焼成した後、本発明に
よる水流を用いた配向処理を行ってもよいし、本発明に
よる水流を用いた配向処理を行った後、配向膜を焼成し
てもよい。前記粒状固体としてスペーサを用いた場合
は、前述のように、スペーサ散布工程を省略することが
できる。
【0071】以上本発明を実施の形態に基づいて具体的
に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。例えば、前記実施の形
態では、流体として水を使用したが、その他、グリセリ
ン、アルコール等の液体や、空気、窒素等の気体も使用
可能である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
配向処理の後に洗浄工程、あるいは洗浄工程とスペーサ
散布工程を不要とすることができ、さらに治工具管理の
負担を低減できる配向処理工程を提供することが可能と
なる。また、微細配線パターンを有するTFT基板にお
ける配線のエッジ部も均一にラビングすることができ、
高画質の液晶表示素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1を示す側面図、
(b)は上面図である。
【図2】本発明の実施の形態2を示す側面図である。
【図3】(a)は本発明の実施の形態3を示す側面図、
(b)は正面図である。
【図4】本発明の実施の形態4を示す側面図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態5を示す側面図、
(b)は正面図である。
【図6】本発明の実施の形態8を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態9を示す側面図である。
【図8】配向膜印刷・乾燥から液晶封入・封止までの工
程を示す図である。
【図9】従来のラビング工程を示す側面図である。
【符号の説明】
1…ブラシ状回転体、2…ブラシ、3…円筒、4…回転
軸、5…基板、6…配向膜、7…配向膜付き基板、8…
流体供給ノズル、9…ポンプ、10…流体噴射ノズル、
11…狭い穴、12…パイプ、13…弁、14…流体噴
射ノズル、15…流路形成部材、16…狭い流路、17
…流体噴出ノズル、18…気体取込管、19…気泡、2
0…粒状固体、21…流体噴射ノズル、22…粒状固体
取込部、23…流路形成部材、24…狭い流路、25…
加熱タンク、26…加圧ポンプ、27…流体噴射ノズ
ル、28…ステージ、29…ヒータ、30…水槽、31
…回転体、91…ラビングローラ、92…バフ布、10
0…流体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩村 亮二 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 (72)発明者 森本 政輝 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 (72)発明者 岩田 敏郎 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HC18 LA02 MB13 MB14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体を所定の温度に制御し、加速し、所定
    の方向に140m/秒以上の流速で基板上の配向膜上で
    流動させ、前記配向膜の配向処理を行うことを特徴とす
    る液晶配向形成方法。
  2. 【請求項2】前記流体を加速し、前記流体を加圧した
    後、狭い穴から基板上の配向膜上に噴射することを特徴
    とする請求項1記載の液晶配向形成方法。
  3. 【請求項3】前記噴射の圧力が10MPa以上であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の液晶配向形成方法。
  4. 【請求項4】前記流体の噴射方向と前記基板上の配向膜
    面との成す角度が45°以下であることを特徴とする請
    求項2または3記載の液晶配向形成方法。
  5. 【請求項5】流体を所定の温度に制御し、加速し、所定
    の方向に基板上の配向膜上で流動させ、前記方向に沿っ
    て圧力分布を設ける前記配向膜の配向処理を行うことを
    特徴とする液晶配向形成方法。
  6. 【請求項6】前記流体を加速し、前記圧力分布を設ける
    のに、周方向に形状分布を有する回転体を用いることを
    特徴とする請求項5記載の液晶配向形成方法。
  7. 【請求項7】前記流体を加速し、前記圧力分布を設ける
    のに、基板上の配向膜で一辺が構成される狭い流路を設
    け、前記流体を前記流路に通過させることを特徴とする
    請求項5記載の液晶配向形成方法。
  8. 【請求項8】前記所定の温度が60℃〜100℃である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または
    7記載の液晶配向形成方法。
  9. 【請求項9】前記流体に気泡、粒状固体、あるいは静電
    気抑制用イオンを混入することを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6または7記載の液晶配向形成方法。
  10. 【請求項10】前記粒状固体が弾性体からなることを特
    徴とする請求項9記載の液晶配向形成方法。
  11. 【請求項11】前記粒状固体がセルギャップ形成用スペ
    ーサであることを特徴とする請求項9記載の液晶配向形
    成方法。
  12. 【請求項12】前記粒状固体は前記流体に可溶である
    か、または揮発性であることを特徴とする請求項9記載
    の液晶配向形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7270466B2 (en) 2002-11-13 2007-09-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Reflector for back light assembly and back light assembly using the same
KR101280635B1 (ko) * 2011-10-24 2013-07-01 하이디스 테크놀로지 주식회사 액정표시장치용 러빙장치 및 러빙방법
CN104597662A (zh) * 2014-12-31 2015-05-06 深圳市华星光电技术有限公司 气刻配向装置及气刻配向方法

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